博 士 ( 工 学 ) 大 池 昇
学 位論 文題 名
Fabrication and electrical charaterization of GaAs based quantum dot memories
(ガリウム砒素系量子ドットメモりの作製とその電気的特性評価)
学位論文内容の要旨
近年の 高度情報化社会の発展に伴い、デジタルカメラや携帯電話をどのポータブルデバイ スの普 及が急速に進み、Flashメモ りに代表される半導体をべースとしたメモりの需要が 急激に 伸びている。Flashメモりは トランジスタの制御ゲートとその伝導チャネルとの間 に浮遊 ゲートを有している。浮遊ゲートは絶縁膜により完全に囲まれているため、注入さ れた電 荷を保持し続けることが可能である。現在、更をる記憶媒体の大容量化のためにデ バイス 構造とアーキテクチャの両面から様々誼アプローチが試みられている。このようを 背景の もと高密度化が期待される量子ドット(ナノクリスタル)をストレージノードとし て 用 い る 量 子 ド ッ ト メ モ り が 、 次 世 代 技 術 の ー っ と し て 注 目 さ れ て い る 。 現状 の浮遊ゲート型メモりでは、デバイスの微細化に伴うスケーリング則に従ってトン ネル酸 化膜の膜厚を薄くしていくと、浮遊ゲートにおけるりーク電流が増大して、ノード に蓄積 されている電荷が放電してしまい、結果として情報が失われてしまうという問題が ある。 量子ドットメモりでは、絶縁膜中にりークパスが形成され特定の量子ドットが放電 したし ても、量子ドットは絶縁膜中で互いに孤立しているため、その他の量子ドットは電 荷を保 持し続けることができ、情報を維持することが可能とをる。すをわち、量子ドット をメモ リノードとして用いることにより、デバイスの信頼性向上にっをがると共に、トン ネル酸 化膜を更に薄くすることができ、駆動電圧を下げること が可能とをる。また一方 で、量 子ドットをストレージノードとすることでノードサイズ を極端に小さくできるた め、更 をる高集積化も期待される。しかしをがら、ドットの密度が十分でをぃと蓄積され る電荷 の数が浮遊ゲートのそれと比ベ少をくをるため、メモリウインドウを大きく取れを いこと やデバイスどとに包有するドットの数が異なるとメモリ特性のばらっきを生じさせ るをど の問題がある。
本研 究では、有機金属気相選択成長法(MOVPE選択成長法)とSK成長モード(Stranski‑
Krastanow mode)を用い、ガリウム 砒素系量子ドットメモりを作製し、その電気的特性を 評価し た結果について論じる。本手法を用いることにより、加工や汚染のない量子細線構 造が作 製できると共に、量子ドットの位置制御が可能とをる。量子細線を伝導チャネルと して用 いた場合、量子ドットにチャージされる電荷が微少であっても、細線中の伝導の変 化を観 測できる。また、量子ドットの位置制御はデバイス間のメモリ特性のばらっきを改 善 する ものである。本論文は6章から構成されている。以下に各章の要旨を説明 する。
第1章 で は 、 本 研 究 の 背 景 お よ び 目 的 を 述 べ る と 共 に 、 各 章 の 概 要 を 記 し た 。
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第2章では、本研究で用いたデバイスの作製手法について記述している。まず、選択成 長用 の基板作 製に関 して説明 した後、MOVPE選 択成長法に関して、その原理、形成ファ セット、自己停止機構等について記述した。続いて、本研究で量子ドット作製のために用 いたSK成長モー ドに関して、背景、それによる島構造の形成機構等を説明した。最後に 選 択 成 長 法 を 用 い た 量 子 ド ッ ト の 位 置 制 御 技 術 を い く つ か 紹 介 し た 。 第3章では 、本研 究で用い た形状、 電気的 特性の評価手法について記述している。ま ず、 本研究で 作製し た構造の形状評価のために用いたAFM(Atomic force microscope)に ついて、装置の概要、原理を説明し、続いて、メモリ動作の原因とをる準位を検出、同定 す る ため に 用 いた 電 流DLTS法に つ い て、 原理 、解析方 法につい て詳細 に記述し た。
第4章 で は、 量 子 ドッ ト メ モり の 作 製と その電 気的特性 評価、 及びMOVPE選択成 長 を用いることによる量子ドットの位置制御について述べている。作製方法、及び作製した デバイス構造について紹介した後、まず静的を動作について評価した結果について記述し た。20Kでの ドレイ ン電流(Ids)‑ゲ ート電 圧(Vg)特性 において 、30 mVの閾値電圧差を 有するヒステリシスを観測した。また、そのヒステリシスは、温度上昇に伴い減少し、約 200Kで 完 全に 消 失 した 。 続 いて 、 第3章 で 述 べた 電 流DLTS法 を用 い 、過渡 的を応 答 を評価することにより、ヒステリシスの原因とをる準位の検出を試みた。その結果、量子 ドット形成に伴い発生したと思われる3種類の電子トラップを検出した。以上の静的、動 的を特性評価で得られた結果を比較することにより、発現するヒステリシスに最も貢献す る成 分を明確 にした 。また、DLTSピークの測定バイアス依存性から、それが量子ドット 固有 の準位で ある可 能性が非 常に高い ことを 示した。 最後に 、第2章で記述したMOVPE 選択成長特有の現象である自己停止機構を用い、量子ドットの選択形成を行った結果につ いて記述した。
第5章では 、より 微細をメ モリ構造 に対し て有用で ある、MOVPE選択 成長におけるセ ルフアラインゲートプロセスについて記述している。はじめに、その作製プロセスについ て紹介した後、そのゲート制御性、及び構造的因子がゲート制御性に及ばす影響について 述べ た。この プロセ スは、Si02/W複合マスクを選択成長用のマスクとして用いることに より 、ゲート 電極を セルフアラインで形成するというものである。このセルフアライン ゲー トを有す るGaAs/心GaAs細線トランジスタを作製し、電気的特性を評価することに より、そのゲート制御性について議論した。デバイス構造の最適化を行うことにより、良 好をトランジスタ特性を得ることができ、ゲート制御性の指標である最大のトランスコン ダ ク タン ス (g″MAX)は600pS/pmと 非常に 高い値が 得られた 。また 、このセ ルフア ライン型細線トランジスタにおいて、そのゲート制御性は、チャネル長やチャネル―ゲー ト間距離に依存せず、チャネル幅のみに依存するという結果を得た。このことから、この 構造における動作原理が、量子井戸端に直接ショットキー接合を形成するIn‐Planeショツ トキーゲート構造によるものと非常に近いことを推測した。
第6章では、本論文の結論について簡潔にまとめた。
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学 位 論 文 審 査 の 要 旨
学位論文題名
Fabrication and electrical charaterization of GaAs based quantum dot memories
(ガリウム砒素系量子ドットメモりの作製とその電気的特性評価)
近年の高度情報化社会の発展に伴い、デジタルカメラや携帯電話をどのポータプルデバイスの普及 が急速に進み、Flashメモりに代表される半導体をべースとしたメモりの需要が急激に伸びている。
Flashメモりはトランジスタの制御ゲートとその伝導チャネルとの間に浮遊ゲートを有している。
浮遊ゲートは絶縁膜により完全に囲まれているため、注入された電荷を保持し続けることが可能で ある。現在、更をる記憶媒体の大容量化のためにデバイス構造とアーキテクチャの両面から様々を アプローチが試みられている。このようを背景のもと高密度化が期待される量子ドット(ナノクリ スタル)をストレージノードとして用いる量子ドットメモりが、次世代技術のーっとして注目され ている。
量 子ドッ トメモ りでは、絶縁膜中にりークパスが形成され特定の量子ドットが放電したとして も、量子ドットは絶縁膜中で互いに孤立しているため、その他の量子ドットは電荷を保持し続ける ことができ、情報を維持することが可能とをる。すをわち、量子ドットをメモリノードとして用い ることにより、デ´ヾイスの信頼性向上につをがると共に、トンネル酸化膜を更に薄くすることがで き、駆動電圧を下げることが可能とをる。また一方で、量子ドットをストレージノードとすること で 丿 ー ド サ イ ズ を 極 端 に 小 さ く で き る た め 、 更 を る 高 集 積 化 も 期 待 さ れ る 。 本 研 究 で は 、 有 機 金 属 気 相 選択 成 長 法(MOVPE選 択 成 長 法) とSK成 長 モ ー ド(Stranski‑
Krastanow mode)を用い、ガリウム砒素系量子ドットメモりを作製し、その電気的特性を評価した 結果について論じている。本手法を用いることにより、加工や汚染のをい量子細線構造が作製でき ると共に、量子ドットの位置制御が可能とをる。量子細線を伝導チャネルとして用いた場合、量子 ド ットに チャージ される電荷が微少であっても、細線中の伝導の変化を観測できる。また、量子 ド ッ ト の 位 置 制 御 は デ バ イ ス 間 の メ モ リ 特 性 の ば ら つ き を 改 善 す る も の で あ る 。 第1章 で は 、 本 研 究 の 背 景 お よ び 目 的 を 述 べ る と 共 に 、 各 章 の 概 要 を 記 し て い る 。 第2章 で は 、 本 研 究 で 用 い た デ バ イ ス の 作 製 手 法 に つ い て 記 述 し て い る 。 第3章では、本研究で用いた形状、電気的特性の評価手法について記述している。まず、本研究 で作製した構造の形状評価のために用いたAFM(Atomic force microscope)について、装置の概要、
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志 仁 保 一 孝 好 順 井 宮 詰 久 福 雨 橋 本 授 授 授 授 教 教 教 教 助 査 査 査 査
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主 副
副 副
原 理を説明し、続いて、メモリ 動作の原因とをる準位を検 出、同定するために用いた電流DLTS法 に ついて、原理、解析方法につ いて詳細に記述している。
第4章で は 、量 子ド ット メモ り の作 製と その 電気 的 特性 評価 、及 びMOVPE選択成長を用いる こ とによる量子ドットの位置制 御について述べている。20Kでのドレイン電流(Ids)‑ゲ ート電圧 (Vg)特性において、30 mVの閥 値電圧差を有するヒステリシ スを観測し、また、そのヒ ステリシ ス が 、温 度上 昇に 伴い 減少し、約200Kで完 全に消失するという結果を得 ている。続いて、電流 DLI`S法を用い、過渡的な応答を評価することにより、ヒステリシスの原因とをる準位の検出を試 み ている。その結果、量子ドッ ト形成に伴い発生したと思われる3種類の電子トラップを検出して い る。以上の静的、動的を特性評価で得られた結果を比較することにより、発現するヒステリシス に 最も貢献する成分を明確にし ている。また、DLTSピーク の測定バイアス依存性から、それが量 子 ドット固有の準位である可能 性が非常に高いことを示し ている。
第5章で は 、よ り微 細をメモリ構造に対し て有用である、MOVPE選択成 長におけるセルフアラ イ ンゲートプロセスについて記 述している。このプロセス は、Si02/W複合マスクを選択成長用の マ スクとして用いることにより、ゲート電極をセルフアラインで形成するというものである。セル フ アラインゲートを有するGaAs/AIGaAs細線トランジスタを 作製し、電気的特性を評価 すること に より、そのゲート制御性について議論している。デバイス構造の最適化を行うことにより、良好 を トランジスタ特性を得ることができ、ゲート制御性の指標である最大のトランスコンダクタンス (gm MAX)は600pS/pmと非常に高 い値を得ている。
第6章では、本論文の結諭に ついて簡潔にまとめている。
以 上、これを要するに、化合物半導体系の量子ドットメモりを作製する上で、重要を作製技術、測 定 手法に関して、有益を知見を 得たものである。
よ っ て 、 著 者 は 、 北 海 道 大 学 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る 。
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