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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 理 学 ) 昆    万 佑 子

     学位論文題名

    Minimal submanifolds immersed      ●

    1nacomplex pro 亅eCtiVeSpaCe

(複素射影空間にはめ込まれた極小部分多様体に関する研究)

学位論文内容の要旨

  複 素空間形 の部分多様体の断面曲率, リッチ曲率,スカラー曲率等 に対する挟撃問題の研究は , 1967年 のSmythに よ る ア イ ン シ ュ タイ ン複 素 超曲 面の 分類 を出 発 点と して 大き く発 展 し,1970 年代 の 全実 部分 多様 体( 反 不変部分多様 体),generic部分多様体, 〔册部分多様体の研究へと っ なが っ てき た. しか し, 複 素空 間形 の特 殊 な構 造を 仮定しない余次 元一般の部分多様体に関す る 結果 は 少な い. この よう な 部分 多様 体に 対 する 挟撃 定理 の証 明 が困 難な 理由 のーっに,第2基 本 形式 に 対す るコ ダッ チの 方 程式 が複 雑な 形 であ り, 実空間形や複素 空間形の部分多様体の挟撃 問 題 を 解 く 際の 有用 な手 段で あ るSimons型の 積 分公 式を 有効 な形 に 表現 する こと が難 し いと いう こと が 挙げ られ る.

  こ の 問題 点を 解決 する た め, 正の 正則 断 面曲 率を 持っ複素空間形 の平均曲率ベクトル場が平 行 な 部 分 多 様体 に対 して ,第2基 本形 式 の長 さの2乗 に対 する ラプ ラ シア ンを 計算 し, あ る種 の行 列 を 導 入 す る こ と に よ り ,Simons型 の 積 分 公 式 の ー つ の 有 効 な 表 現 を 得 た ,   こ の 積分 公式 を用 いて , 複素 空間 形の コ ンパ クト 部分多様体の, 第二基本形式の長さの二乗 に 関す る 以下 の定 理を 得た ,

定 理 .Mを 正の 正 則断 面曲 率cを持 っ複 素空 間 形Aケ ″(c)の , 実門 次元 コン パク ト 極小 部分 多様 体と する.第二基本形式イが

    …゜ ミ〔赫り〕

を満 たすとき,Mは全測地的なAイ ′2 (C)であるか,tイl2=(門―l)c/4を満たす実超曲面である.

ここ で,pは余次元とする.

Iイ12:(門―l)c/4を満たすC,P (c)の 実超曲面はA型と呼ぱれてい ることから,この結果は,複 素 射影空間のA型の実 超曲面の特徴付けにもなって いる,また,この定理は複 素射影空間(ア (4) の極小部分多 様体に対するYano‑Kon (1983)の結果の拡張である.

  また ,球 面の 極 小部 分多 様体 ,複 素 空間 形の 複素 部分多様体,全実部分多 様体,極小実超曲面 に 対 し て は ,Itoh,Shen,Urabano,Ohnita,Konら に よ って ,断 面曲 率に 関 する 挟撃 定理 が 得 ら れ てい る, この 論 文で は, 複素 射 影空 間の 極小CR部 分 多様 体の 断面 曲率 に 関す る以 下の 結

‑ 1399

(2)

果を得た,複素射影空間のCR部分多様体は,複素部分多様体,全実部分多様体,genenc部分多 様体,実超曲面等を含む 部分多様体のクラスである.

定理.Mを複素射影空間CP (4)の法接続が平坦な実門次元コンパクトCR極小部分多様体とす る.Mの断面曲率がl/n以 上ならば,Aイは測地超球面 である,

  さらに,複素射影空間の法接続が準平坦なコンパクト極小部分多様体についても,対応する結 果を得た.また,複素空間形の極小部分多様体のりッチ曲率について,以下の定理を示した.

定 理.Mを 複素 射 影空 間CP (4)の 実門 次元コンパクトCR極小部分多様 体とする.Mのりッ チ 曲 率 が 門 一1以 上 な ら ば ,Mは 複 素 部 分 多 様 体 で あ る か , 以 下 の い ず れ か で あ る :   (a)全測地的な実射影空間RP ,

  (b)CP″ (4)内 の あ る 〔 ア ( 川 ) ′2(4) の 擬 ア イ ン シ ュ タ イ ン 実 超 曲 面 ,   (c)  主曲率cotロ(0く臼〈一7r/12)を持っある複素部分多様体N上の半径7r/4のtube上にあ     る,CP(川)′2 (4)の実超曲面.

  この定理の応用として,リッチ曲率SがS(X,X)≧(門一l)g(X,X)十g(PX,PX)を満たすよう な複素射影空間CP″(4)の実門次元コンパクトCR極小部分多様体の分類定理を示した.ここで,

Pは複素射影空間くア″(4)の複素構造の接方向への射影である.これらの結果は,複素射影空間 の 極 小CR部 分 多 様 体 の り ッ チ 曲 率 に 対 す る 既 知 の 挟 撃 定 理 の 拡 張 と な っ て い る ,   一方,実超曲面上の正則分布に着目して,複素空間形の実超曲面の性質を調べる研究の一環と して,釘‑全臍的という条件の拡張を行った.複素射影空間の実超曲面で全臍的なものは存在しな いことから,代わりに釘‑全臍的という条件が調べられてきた.しかし,この条件は,構造ベクト ル場が主曲率ベクトル場になるという仮定を必要としており,この仮定を外すことによってより 広い範囲の実超曲面を取り扱うことが出来ると考えた,そこで,複素射影空間の実超曲面に対し,

正則分布上で第二基本形式が恒等写像の関数倍であるという条件を調べ,以下の定理を得た,

定理.Mを正則断面曲率cを持つ複素空間形M″(c)(c≠O,m≧3)の実超曲面とする.第二基本 形式イが正則分布上で恒等写像の関数倍であるとき,Mは局所的にワ.全臍的であるか,線織超 曲面である.

  さらに,複素空間形の実超曲面のりッチ曲率が正則分布上で満たすべき式を求め,複素空間形 の擬アインシュタイン超曲面の特徴づけを行った.

本論文では,以上のよ うな複素射影空間内の極小CR部分多様体,実超曲面の性質を明らかに した.

(3)

学位論文審査の要旨

主 査   准 教 授   古 畑   仁 副 査   教 授   山 口 佳 三 副 査   教 授   石 川 剛 郎

    学 位 論 文 題 名

    Minimal submanifolds immersed     ●

    1nacomplex pro亅eCtiVeSpaCe

( 複 素 射 影 空 間 に は め 込 ま れ た 極 小 部 分 多 様 体 に 関 す る 研 究 )

  空間形の部分多様体が与えられたとき,その誘導計量に対して各種の曲率 が定義できる.逆に,その各種の曲率が,与えられた条件(不等式)をみた すような部分多様体を決定する問題は,部分多様体論の重要なテーマである

(部分多様体論における曲率の挟撃問題).

  複素空間形,とくに複素射影空間の複素部分多様体については,早くから 多くの研究がなされた,この場合は,実空間形内の部分多様体論の成果の応 用が比較的自然に行われる.著者は,複素部分多様体を含むより広いクラス であ るところ の極小CR部分多様体について,上記の問題に取り組んだ.手 法は積分公式を用いる古典的なものだが,この設定でそれを直接実行するの は複雑で敬遠されがちであり,近年はあまり大きな進展が見られない状況で あった.著者はそれに挑戦し,巧妙な計算で有効なSimons型積分公式を得て,

そ れ を 活 用 し て 新 し い い く っ か の 挟 撃 定 理 を 証 明 し た .   CPmをm次 元 複 素射 影 空 間( 正 則 断面 曲 率4) と し ,Mを そ の 竹次元 コ ンパ クト極小CR部分多 様体と仮定する.(1)Mの法接続が平坦のとき,断 面曲 率が1/72以上 である 場合のMを決 定した. これは,81年の矢野健太郎 らの 定理の拡 張にな っている . (2)リッ チ曲率がn―1以上である場合のM をあ る意味で 決定し た.これ は,89年の昆正博の定理を進展させたもので ある,著者があらたに得た余次元還元定理が重要な役割を果たした. (3)スカ ラー曲率がれ(n十2)―(n十1)/(2―l/(2mー竹))以上である場合のMを決定 した,これは,アンビエント空間が正則断面曲率正の複素空間形の場合への 拡 張 も与 え ら れ,83年の 矢 野 健太 郎 ら の定 理 の 一般 化 に な って いる.

  そのほかに,著者は関連するっぎの成果を得ている.Mを正則断面曲率非 零の 複素空間 形内の 実超曲面 とする.アンビェント空間の複素構造JとMの 単 位 法ベ ク ト ル場Nに 対し てJNはMの 接ベ ク ト ル場 に な り ,そ れ に直交 す るM上 の 接 分布 を の とか く .5次 元 以上の 場合に ,Mが 擬アイ ンシュタ イン的であるという・こと,あるいは,線織的または即全臍的であるというこ と を , そ れ ぞ れ 口 上 で 記 述 さ れ る 条 件 で 表 現 し な お し た .   このように,著者は複素空間形の部分多様体論について新知見を得たもので あり,微分幾何学(数学)の発展に貢献するところ大なるものがある.よって 著者は北海道大学博士(理学)の学位を授与される資格があるものと認める.

1401

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