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「大型免許改正が大型トラックの交通事故率に与える影響について ―2007年道路交通法改正を対象として―」

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(1)

大型免許改正が大型トラックの交通事故率に与える影響について

―2007 年道路交通法改正を対象として―

【要旨】 警察庁は,トラックの交通事故件数が高止まりしていた実態を鑑み,2007 年に改正道路 交通法の施行により大型免許改正を実施した.近年トラックの交通事故件数は年々減少し ていることから,本政策が一部寄与し始めていると考えられるが,大型トラックの交通事 故率は依然として高止まりしたままである. 本稿では,この一要因を「負の外部性」及び「情報の非対称」を解消,軽減する手段で ある本政策の影響と捉え,本政策が大型トラックドライバーの高齢化に与える影響,ドラ イバーの高齢化が大型トラックの交通事故率に与える影響,本政策が社会に与える総合的 な影響について,都道府県別パネルデータを用いた実証分析を行った. 分析の結果,本政策は大型トラックドライバーの高齢化を促進していること,ドライバ ーの高齢化は大型トラックの交通事故率を上昇させていることがそれぞれ示された. そして,本政策が社会に与える総合的な影響として,現時点では政策導入の狙いである 交通事故抑制効果よりも,ドライバーの高齢化促進による大型トラックの交通事故率を上 昇させる負の効果が上回って機能していることが明らかになった.

2013 年(平成 25 年)2 月

政策研究大学院大学 まちづくりプログラム

MJU12617 西依 尚士

(2)

目 次

1.はじめに ...1

2.トラック交通事故の推移と一連の道路交通法改正概要 ...3

2.1 トラック交通事故の推移 ... 3 2.2 一連の道路交通法改正の概要 ... 4 2.2.1 運転免許区分の改正について ... 4 2.2.2 大型免許改正について ... 5

3.大型免許改正の効果に関する理論分析 ...6

3.1 新規若年ドライバーに与える影響 ... 7 3.2 交通事故件数に与える影響 ... 7 3.3 交通事故率に与える影響 ... 8

4.大型免許改正の効果に関する実証分析 ...10

4.1 大型免許改正がドライバーの高齢化に与える影響を捉えるモデル ... 10 4.1.1 モデルの概要... 10 4.1.2 変数の説明... 10 4.1.3 推定結果 ... 12 4.2 ドライバー高齢化が交通事故率に与える影響を捉えるモデル ... 13 4.2.1 モデルの概要 ... 13 4.2.2 変数の説明... 13 4.2.3 推定結果 ... 15 4.3 大型免許改正が大型トラックの交通事故率に与える影響を捉えるモデル ... 16 4.3.1 モデルの概要 ... 16 4.3.2 変数の説明... 16 4.3.3 推定結果 ... 17

5.考察 ...18

6.政策提言 ...18

7.おわりに ...20

謝辞

...

20 データ出典

...

21 参考文献

...

21

(3)

1

1.はじめに

1 近年,トラックの交通事故2件数は年々増加傾向を示していた.特に,2000 年から 2005 年 にかけては年間 37000 件前後3で推移し,1990 年代と比較して約 10000 件も増加していた. 交通事故が発生する要因は,ドライバーの判断や認知,運転技術の他,車両性能,道路状 況,天候など非常に多岐にわたる.トラックの交通事故件数が増加した背景には,これら 以外にもトラック輸送を取り巻く環境が大きく変化していた. まず,1990 年の物流 2 法(貨物自動車運送事業法,貨物運送取扱事業法)の施行である.道 路貨物運送業の規制が緩和されたため,運送事業者の新規参入が相次ぎ,事業者間競争が激 化した.新しい物流サービスが普及する一方で,バブル経済崩壊後の不況に伴う貨物量減少 や運賃低下により,運送事業者の経営が悪化していった.このような状況のもとで,多くの 運送事業者は,収入を確保するため,過積載や同一ドライバーによる連続運転等によって, 車両の輸送効率を上げたのである.その結果,ドライバーにとっては過酷な労働となり, トラックの交通事故が増加したとされる. また,運輸業界は,京都議定書において車両の排気ガスに含まれる温室効果ガス(二酸化 炭素,メタン,一酸化二窒素等)排出量の大幅な削減を求められており,様々な対策が実施 されている.トラック業界では,輸送効率の向上を目的として,各運送事業者が車両大型 化を進め,走行車両台数を削減する等の対策を実施している.これにより,普通トラック が普通免許で運転可能な車両総重量上限近くまで大型化する傾向が強まるとともに,大型 トラックにおいても車両総重量 11t以上のものが主流となった. トラック運転に必要となる免許は,従来の運転免許区分(1960 年 12 月 20 日道路交通法施 行に伴う運転免許区分)では,車両総重量 8t未満は普通第一種免許,8t以上は大型第一種 免許であるが,トラックは車体や貨物積載量が大きいことなどから,普通自動車とは異な る運転技術や知識が必要となる.先述したような車両大型化の進行に伴い,ドライバーが トラック運転に必要な技術や知識を完全に具備しているとは言えない状況において,ドラ イバーの操作ミス等により,交通事故が多発していたのである. 警察庁はこうした実態を鑑み,2007 年の改正道路交通法の施行により,従来の運転免許 区分を改正した.大型免許と普通免許の間に中型免許を設けることで,改正以降における 新規免許取得者の運転技術と大型化した車両に必要な運転技術との相違を解消,軽減し, トラック交通事故を抑制しようとするものである. また,これとあわせて大型免許の適用条件の引き上げとともに,大型第一種免許につい ては,免許証交付までの教習過程等が大幅に改正された4.改正の内容については後述する が,この法改正が昨今,トラック業界等に大きな波紋を呼んでいるのである. 1 本稿は,筆者の個人的な見解を示すものであり,内容の誤りは全て筆者に帰属することをあらかじめお 断りいたします. 2本稿では,道路交通法第 2 条第 1 項第 1 号に規定する道路において,車両等及び列車の交通によって起こ された事故で,人の死亡又は負傷を伴うもの並びに物損事故を「交通事故」と定義する. 3 (財)交通事故総合分析センター「交通事故統計年報」 参照. 4 本稿では,大型第一種免許取得に必要な教習過程に関する改正を「大型免許改正」と定義する.

(4)

2 本稿では,大型免許改正が若年者の動向や現役大型トラックドライバー,及び大型トラ ックの交通事故率に与える影響について,3 つの推定モデルによる実証分析で明らかにする. 結論を先に述べると,大型免許改正は,若年ドライバーの大型トラック市場への新規参 入を抑制し,現役大型トラックドライバーの高齢化を促進していることが示された.そし て,ドライバーの高齢化は,大型トラックの交通事故率の高止まりに寄与しており,政策 の狙いであるドライバーの運転技術や安全意識の向上による交通事故抑制については,現 時点では微小な効果であることが示された.この結果を踏まえ,法改正内容の見直し等若 年ドライバーの確保に必要な環境の拡大や,運転免許区分の在り方の検討等を提言した. 本稿の構成は次のとおりである.第 2 章では,近年におけるトラック交通事故の推移と 一連の道路交通法改正の詳細を述べる.第 3 章では,運転免許制度が果たす経済学的役割 と,大型免許改正が新規若年ドライバー及び交通事故に与える影響について,理論分析で 明らかにする.第 4 章では,大型免許改正が大型トラックドライバーの高齢化に与える影 響,ドライバーの高齢化が大型トラックの交通事故率に与える影響,大型免許改正が大型 トラックの交通事故率に与える影響についてそれぞれ実証分析を行う.第 5 章で実証分析 結果の考察を,第 6 章で考察に基づいた政策提言をそれぞれ示す.最後に第 7 章において, 本稿の結論と今後の課題について述べる. 本稿で取り上げる一連の道路交通法改正に関する先行研究としては,次のものがある. 関(2007)は,中型免許新設の趣旨や内容を解説している.高清水(2008)は,中型免許導 入後 1 年間の免許取得状況と新大型免許の取得状況に着目しており,新制度における免許 試験の運用についての検証を今後の課題としている. ドライバーの加齢に伴う交通事故への影響に関する先行研究としては,石松・三浦(2002) は,高齢者の目の健康状態の悪化や視間隔機能の低下が,運転の困難さを増加させる主要 因であることを述べている.田久保(2005)は,中高年ドライバーは安全不確認が起因する 事故を,若年及び高齢ドライバーは漫然運転や運転操作エラーが起因する事故を起こしや すいなど,ドライバーの年齢層によって交通事故の要因が変化することを述べている.自 動車安全運転センター(2010)は,中高年ドライバーの交通事故が増加傾向にある背景から, 実態把握のため運送事業者にアンケートを実施した結果,中高年ドライバーを対象とした 安全運転教育を実施している事業者が少ないことを述べている.また,走行実験を実施し, 中高年ドライバーは若年ドライバーと比べて安全不確認や一時不停止が多く認められ,交 差点走行等に危険を伴う可能性が高いとしている. 一連の道路交通法改正に関する先行研究は少ないが,ドライバーの加齢に伴う交通事故 への影響に関する先行研究は多く行われている.しかし,大型免許改正が,若年ドライバ ーの動向や大型トラックの交通事故率に与える影響を分析した研究は確認できなかった. 大型免許改正に着目し,その政策効果を明らかにする本研究は,今後トラックだけに留ま らず,全ての車両を対象とした交通安全対策を講じていく上でも一定の意義を有している ものと考えられる.

(5)

3

2.トラック交通事故の推移と一連の道路交通法改正概要

本章では,近年におけるトラック交通事故の推移を示したうえで,2007 年に施行された 一連の道路交通法の改正概要について述べる. 2.1 トラック交通事故の推移 図 1 に,2001 年から 2010 年までの各事業用車両が起因する交通事故件数(第 1 当事者)の 推移を示す.トラックの交通事故件数が突出しているが,タクシーやバスと比較して走行 距離が圧倒的に長いことが一要因と考えられる.近年は減少傾向にあり,2003 年の改正道 路交通法による大型トラックへのスピードリミッター装着義務付けなど,様々な事故防止 政策の効果によるもの考えられる. 図 1 各事業用車両における交通事故件数の推移5 図 2 は,図 1 のトラックの交通事故件数を車両総重量別に分類したものである.これに よれば,車両総重量 7t以上 8t未満,及び 20t以上のトラックの交通事故件数が多いこと がわかる.これらのトラック事故が多発した一要因として,第 1 章で触れたような過積載 や同一ドライバーの連続運転等による労働環境の変化や,ドライバーが大型化した車両に 対して十分な運転技術を具備していなかったことによるものと考えられる. 図 2 トラック交通事故件数の推移(車両総重量別)6 5 データは,国土交通省自動車局「自動車運送事業に係る交通事故要因分析検討会報告書」を利用した. 0 10000 20000 30000 40000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 トラック タクシー 乗合バス 貸切バス 0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 ~3.49t 3.50~4.99t 5.00~6.99t 7.00~7.99t 8.00~11.99t 12.00~19.99t 20.00t~ (件) (年) (件) (年)

(6)

4 図 3 に,トラックを大型トラック(車両総重量 11t以上)と中型・普通トラック(同 11t 未満)に大別し,各トラックにおける交通事故率7の推移を示す.中型・普通トラックは減少 傾向であるが,大型トラックはほぼ横這いで推移している.大型トラックの交通事故件数 は減少している一方で,交通事故率は高止まりしていることがわかる. 図 3 トラック交通事故率の推移8 大型トラックの交通事故率が高止まりしている一要因として,次の仮説が考えられる. 2007 年の大型免許改正における教習課程の改正等により,大型免許取得にかかる費用を引 き上げた結果,若年ドライバーの新規参入を抑制し,現役大型トラックドライバーの高齢 化を促進しているのではないか.また,ドライバーの高齢化を促進した結果,加齢に伴う 運転能力の低下等を招き,大型トラックの交通事故率を高止まりさせているのではないか. 本稿では,これらの仮説を前提として,大型免許改正が大型トラックの交通事故率に与 える影響について分析する. 2.2 一連の道路交通法改正の概要 本節では,2007 年にトラックの交通事故抑制を目的として施行された一連の道路交通法 の改正概要を述べる. 2.2.1 運転免許区分の改正について 警察庁は,第一種及び第二種運転免許区分にそれぞれ中型免許を新設する旨の改正道路 交通法を 2004 年 6 月 9 日に公布,2007 年 6 月 2 日に施行した. 表 1 に,第一種免許の新旧運転免許区分の比較を示す.新免許区分の対象者は,法改正 以降における新規及び併記運転免許取得者である.旧免許区分時に運転免許を取得してい る者は,法改正以降においても引き続き従来どおりの車両を運転することができる. 6 データは,国土交通省自動車局「自動車運送事業に係る交通事故要因分析検討会報告書」を利用した. 7 交通事故件数を走行億台キロで除した値.走行億台キロとは,走行車両台数に走行距離を乗じて 1 億で 除した値であり,自動車の走行総量を示す指標である.交通事故の発生状況を客観的に評価する場合に用 いられる.萩田,牧下,森(2008)「交通事故と事故発生時の交通状態量の関連分析」参照. 8 データは,国土交通省自動車局「事業用自動車の交通事故統計」,国土交通省「道路交通センサス」を利 用し,筆者が作成した. 0 200 400 600 800 1000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 大型トラック(11t以上) 中型・普通トラック(11t未満) (件/億台キロ) (年)

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5 表 1 運転免許区分の新旧比較(第一種免許)9 2.2.2 大型免許改正について 中型免許の新設による運転免許区分改正に伴い,大型免許の適用条件の引き上げととも に,大型第一種免許取得に必要となる教習課程が改正された. 従来,大型第一種免許を取得するためには,指定自動車教習所における教習課程を修了 後,運転免許試験場において構内試験を合格すれば免許を取得することができた.今回の 法改正は,ドライバーの運転技術や安全意識を向上させることで,大型トラックの交通事 故抑制を目的としている.大型第一種免許の教習課程の改正点は,次のとおりである. (1)構内試験における試験項目の追加及び仮免許証の交付 構内試験における試験項目が従来項目10に加えて,新たに「路端における発進・停止」及 び「隘路への進入」が追加された.合格すれば仮免許証が交付される. (2)路上練習の新設 路上練習は,高速道路及び自動車専用道路以外の公道において,3 年以上の大型車両運転 経験者を助手席に同乗させて運転技能の練習を行う.最低 10 時間の練習走行が必要であり, 練習は 1 日 2 時間まで,最低 5 日以上かけなければならない.なお,練習用の大型車両に ついては,受験者各自で手配する11必要がある. (3)路上試験の新設 運転免許試験場内及び公道において路上試験を受験し,合格すれば合格証明書が交付さ れる. (4)取得時講習の新設 路上試験合格後,自動車教習所において大型免許取得時講習(4 時限)及び応急救護処置 9大型特殊,大型二輪,普通二輪,小型特殊,原付,けん引の各免許については,今回の法改正では変更が ないことから記載を省略した. 10幹線コース及び周回コースの走行,交差点の通行,横断歩道及び踏切の通過,曲線コース,屈折コース及 び坂道コースの走行. 11自動車教習所が保有している他,大型免許保有者を通じて運送業者等から借りるケースが一般的である.

車両総重量

最大積載量 乗車定員

受験資格

普通免許

8t未満

5t未満

10人以下

18歳以上

大型免許

8t以上

5t以上

11人以上

20歳以上

(経験2年以上)

車両総重量

最大積載量 乗車定員

受験資格

普通免許

5t未満

3t未満

10人以下

18歳以上

中型免許

5t以上

11t未満

3t以上

6.5t未満

11人以上

29人以下

20歳以上

(経験2年以上)

大型免許

11t以上

6.5t以上

30人以上

21歳以上

(経験3年以上)

【旧運転免許区分】 【新運転免許区分】

(8)

6 講習(3 時限)を受講する.修了後,運転免許試験場において免許証が交付される. (5)試験車両の大型化 法改正に伴い,技能試験に使用される車両が大型化した.従来は 4t トラック規模(最大 積載重量 5t~6.5t,車長約 8m)の車両が一般的であったが,道路交通法施行規則により, 原則 10t トラック規模(最大積載重量 10t 以上,車長約 12m,3 軸以上)の車両が定められた. また,法改正の影響は自動車教習所にも及んでいる.路上練習で添乗する大型免許を保 有する指導員や,教習に必要な大型車両の十分な確保が困難であること等から,大型第一 種免許教習を取りやめた自動車教習所が相次いでいる.(社)全日本指定自動車教習所協会 連合会によれば,大型第一種免許教習を実施する指定自動車教習所数は,2006 年には全国 で 904 校あったものの,2007 年には 415 校と大きく減少しているとのことである. このように,法改正により大型免許取得にかかる費用が増加したことから,昨今若年ド ライバーが減少しているものと考えられる.次章ではこれを踏まえ,法改正が若年者や大 型トラックの交通事故率に与える影響について,経済学の理論分析により明らかにする.

3.大型免許改正の効果に関する理論分析

大型免許改正は,経済学で言う「市場の失敗」12に対してどのように機能しているのだろ うか. 経済学において,政府が市場における個別取引に介入することが正当化されるのは「市 場の失敗」が介在する場合のみである13.自動車運転に関する「市場の失敗」は,ドライバ ーの乱暴・未熟運転等により,第三者に対して偶発的な損害を及ぼす「負の外部性」14,ド ライバーが持つ運転技術や知識の程度を,第三者が全て正確には把握することができない 「情報の非対称」である.トラックは特に車体が大きいため,死亡事故につながるケース が多く,これら 2 つの「市場の失敗」が社会に与える影響は甚大である. 政府はこの「負の外部性」,「情報の非対称」を解消,軽減するために,運転免許制度を 設け,一定水準を満たす者のみに対して運転免許証を交付している.したがって,理論上 ドライバーは一定水準以上の運転技術・知識を有する者しか存在せず,周囲のドライバー や歩行者が安全に生活できる環境が整備されていると考えられる. しかし,近年,トラックの交通事故件数が増加していたことから,政府はこれを抑制す る対策の一つとして運転免許区分の改正を行った.一般的に,トラックは普通自動車と運 転技術や知識が異なるものの,車両総重量が 8t までであれば普通自動車と同等の免許で運 転可能であった旧免許区分にトラック事故件数増加の要因があったとされたのである. したがって,大型免許改正は,トラックが引き起こす「負の外部性」,「情報の非対称」 を解消,軽減するため,新規大型トラックドライバーの運転技術や安全意識の向上を目的 12 マンキュー(2005)「マンキュー経済学」参照. 13 福井(2007)「ケースからはじめよう 法と経済学」参照. 14 福井(2011)「資格制度の意味と限界」参照.

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7 としている. 本章では,大型免許改正が果たす「負の外部性」,「情報の非対称」の解消,軽減の他, 新規若年ドライバーや大型トラックの交通事故に与える影響について明らかにする. 3.1 新規若年ドライバーに与える影響 本節では,大型免許改正が新規若年ドライバーに与える影響について分析する. 若年者が職業を選択する一時点における状況を考える.図 4 左側は,法改正前の状況を 示している.大型トラックドライバーの職に就くことから得られる限界便益曲線を MB,大 型トラックドライバーとして働くことに要する限界費用曲線を MC1とする.MB と MC1の交差 する点 E1の左側に位置する X1人は,限界便益が限界費用を上回るため,大型トラックドラ イバーを選択する.一方,X1の右側に位置する者は,限界費用が限界便益を上回ることから, 他職業を選択する. ここで,大型免許改正が施行されたとき,図 4 右側の状況になる.大型トラックドライ バーに要する限界費用が増加するため,MC1から MC2に引き上げられる.他の条件を一定と すると,法改正により大型トラックドライバーに就く若年者は X1人から X2人に減少する. 大型免許改正は,大型トラックドライバーに要する限界費用を増加させ,その結果若年 ドライバーの新規参入を抑制しているのである. 図 4 大型免許改正が新規若年ドライバーに与える影響 3.2 交通事故件数に与える影響 次に,時代の経過とドライバーの世代交代を考慮した重複世代モデル15を用いて,大型免 許改正施行前後における交通事故件数の推移を分析する. 図 5 に示すように,縦軸に世代,横軸に時代をとる.分析を簡単にするため,世の中の 15 木立(2009)「少子高齢化の経済動学 -重複世代モデルの理論と展開―」参照. 限 界 便 益 ・ 限 界 費 用 MC1 MB 新規就職者数 p E1 MB MC2 q 大型トラック ドライバー 他職業 p q MC1 E1 E2 X1 X2 X1 大型トラック ドライバー 他職業

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8 大型トラックドライバーは若年者(young)と高齢者(old)の 2 世代で構成され,各世代人数 の増減がなく,全員が若年者のうちに大型免許を取得するものと仮定する. 図 5 重複世代モデル(例 1) 今,時代が t 年から t+1 年に経過したときに大型免許改正が施行された.施行後,新規 ドライバー数は X1から X2へ減少するが,施行前よりも高い運転技術を習得しているため, 若年ドライバー,高齢ドライバーともに交通事故を起こす確率も減少する(条件③,④). 各時代における交通事故件数は,t 年に(X1Po+X1Py)件,t+1 年に(X1Po+X2Py*)件,t+2 年に

(X2Po*+X2Py*)件で表され,条件①~⑤を考慮すると,時代の経過に伴い交通事故件数が減少 することがわかる.大型免許改正は,時代の経過に伴い交通事故件数を減少させる効果を 期待することができる. 3.3 交通事故率に与える影響 続いて,図 6 を用いて交通事故率に与える影響を分析する.なお,前例の仮定に加えて, 若年ドライバーと高齢ドライバーの仕事量の合計は時間を通じて一定と仮定する. X1 X2 Py Py* Po Po* 【条件】 大型免許を取得したドライバー数(政策導入前) 若年ドライバーが交通事故を起こす確率(政策導入前) 若年ドライバーが交通事故を起こす確率(政策導入後) 高齢ドライバーが交通事故を起こす確率(政策導入前) 高齢ドライバーが交通事故を起こす確率(政策導入後) 大型免許を取得したドライバー数(政策導入後)

①X1>X2 ②Po>Py ③Po>Po* ④Py>Py* ⑤Po*>Py*

X 1人,Py X 1人,Py X 1人,Po X 1人,Po X 2人,Py * X 2人,Py * X 2人,Po * X 2人,Po * t t+1 t+2 policy young1 young2 young3 young4 old1 old2 old4 old3 世代 1 世代 2 世代 3 世代 4

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9 図 6 重複世代モデル(例 2) 前例と同様,時代が t 年から t+1 年に経過したときに大型免許改正が施行された.若年 ドライバー数は減少するため走行台キロは Xy から Xy*に減少するのに対し,高齢ドライバ ーは若年ドライバーの分負担が増えるので,走行台キロは Xo から Xo*に増加する.交通事 故件数については,若年ドライバーは走行台キロ減少に伴い Ay から Ay*に減少し,高齢ド ライバーは走行台キロ増加に伴い Ao から Ao*に増加する.t+2 年では,更に若年ドライバー が減少するため Xy*から Xy**に減少し,高齢ドライバーは Xo*から Xo**に増加する.同様に, 事故件数もそれぞれ Ay*から Ay**に減少,Ao*から Ao**に増加する.

各時代における交通事故率は,t 年に(Ao/Xo+Ay/Xy),t+1 年に(Ao*/Xo*+Ay*/Xy*),t+2 年

に(Ao**/Xo**+Ay**/Xy**)と表せる.大型トラックの交通事故率の変動は,走行台キロと交通事

故件数の変動に依存しているため,交通事故件数とは異なり減少するだけでなく,増加や 高止まりする可能性も考えられるのである. 図 3 で示したように,大型トラックの交通事故率が高止まりしている要因は,若年ドラ イバーの減少による交通事故率の低下と,中高年ドライバーの増加による交通事故率の上 昇が相殺されたことによるものと考えられる. Xy Xo Xy*,Xy** Xo*,Xo**,Xo*** Ay Ao Ay*,Ay** Ao*,Ao**,Ao***

①Xy>Xy*>Xy** ②Xo<Xo*<Xo**<Xo*** ③Ay>Ay*>Ay** ④Ao<Ao*<Ao**<Ao*** 高齢ドライバー全体走行台キロ(政策導入前) 若年ドライバー全体走行台キロ(政策導入前) 若年ドライバー全体走行台キロ(政策導入後) 高齢ドライバー全体走行台キロ(政策導入後) 若年ドライバー交通事故件数 (政策導入前) 高齢ドライバー交通事故件数 (政策導入前) 若年ドライバー交通事故件数 (政策導入後) 高齢ドライバー交通事故件数 (政策導入後) 【条件】 Xy ,Ay Xy* ,Ay* t t+1 t+2 policy young1 young2 young3 young4 old1 old2 old4 old3 世代 1 世代 2 世代 3 世代 4 Xo 台キロ,Ao Xy 台キロ,Ay Xo*台キロ,Ao* Xo**台キロ,Ao** Xy**台キロ,Ay** Xo***台キロ,Ao***

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10

4.大型免許改正の効果に関する実証分析

大型免許改正には,前章の理論分析で示したように 2 つの効果が考えられる.ひとつは, 教習課程の改正や技能試験車両の大型化等により,ドライバーの運転技術や安全意識の向 上によって,交通事故率を減少させる正の効果である.いまひとつは,教習課程の改正や 教習を実施する自動車教習所の減少等により,逆に若年ドライバーの新規参入が抑制され, 現役大型トラックドライバーの高齢化を促進することで,交通事故率を増加させる負の効 果である. そこで,本章では 3 つの推定モデルを用いて,大型免許改正が大型トラック交通事故率 に与える影響を分析する.モデル(a)では,大型免許改正が現役大型トラックドライバーの 高齢化に与える影響を,モデル(b)では,大型トラックドライバーの高齢化が大型トラック の交通事故率に与える影響をそれぞれ分析する.最後にモデル(c)では,大型免許改正が有 する正の効果と負の効果を総合的に分析し,現時点における政策効果を推定する. 4.1 大型免許改正がドライバーの高齢化に与える影響を捉えるモデル 本モデルでは,大型免許改正が現役大型トラックドライバーの高齢化に与える影響を分 析する. 4.1.1 モデルの概要 高齢化を表す指標として,労働者の平均年齢を用いる.労働者の平均年齢は,年月の経 過や職種,労働者数の増減,賃金構造など,あらゆる要因により変動するものと考えられ, 全 て の 要 因 を モ デ ル に 取 り 入 れ る こ と は 困 難 で あ る . そ の た め , 本 モ デ ル で は , Difference-in-differences estimator(以下,DID 分析という)を用いて,政策対象である 大型トラックドライバーの平均年齢と,政策対象ではない全産業労働者の平均年齢の変動 と比較を行うこととする.DID 分析を行うことで,平均年齢の変動に影響し得る,本モデル で取り入れることができない他の要因は全て同一と仮定されるため,政策導入前後におけ る大型トラックドライバーの平均年齢の変動を捉えることができる. そこで,次に示す推定モデルを用い,全産業労働者を比較対象とする DID 分析を行う. なお,ここで全産業とは,厚生労働省「賃金センサス」で定める全ての産業16を指す. 【モデル(a)】 WAit=α1+β1PDit+β2JDit+β3(PD*JD)it+β4ODit+β5DDit+β6X1it+ε1it 4.1.2 変数の説明 分析には,以下に示す変数を用いた.なお,分析の対象期間は法改正前後の各時期を含 めた 2002 年から 2010 年までとし,都道府県別パネルデータを作成した. 16 鉱業,採石業,砂利採取業,建設業,製造業,電気・ガス・熱供給・水道業,情報通信業,運輸業,郵 便業,卸売業,小売業,金融業,保険業,不動産業,物品賃貸業,学術研究,専門技術サービス業,宿泊 業,飲食サービス業,生活関連サービス業,娯楽業,教育,学習支援業,医療,福祉,複合サービス業, を指す.

(13)

11 (1)被説明変数 被説明変数である WA は,労働者の平均年齢を表しており,大型トラックドライバー,全 産業労働者の二種類の平均年齢を用いた. (2)ダミー変数 ①政策ダミー 政策ダミーを表す PD は,大型免許改正の施行時期前後を表すダミー変数であり,施行後 (2007 年以降17)であれば 1,施行前(2006 年以前)であれば 0 をとる. ②職種ダミー 職種ダミーを表す JD は,DID 分析におけるトリートメントグループとコントロールグル ープを区分するダミー変数であり,大型トラックドライバーであれば 1,全産業労働者であ れば 0 をとる. ③過密地域ダミー・過疎地域ダミー 過密地域ダミー,及び過疎地域ダミーを表す OD,DD は,都道府県毎に異なる要因をコン トロールするダミー変数である.以下に示すとおり,都道府県を可住地面積当たりの人口 密度により,過密地域(人口密度 1400 以上=1),中間地域(人口密度 700 以上 1400 未満 =0),過疎地域(人口密度 700 未満=1)の 3 つに分類した18 ④交差項 政策ダミーと職種ダミーとの交差項を用いたダミー変数である.大型免許改正施行後で, かつ大型トラックドライバーであれば 1,そうでない場合は 0 をとる. (3)コントロール変数(X1) ①労働者平均勤続年数 労働者平均勤続年数は,勤続年数が長くなれば,年齢も上昇するものと考えられるため, 予想される符号は正である. ②労働者年間平均所得 所得が高くなれば,労働者が退職する可能性は減少する.一般的には若年労働者に効果 が表れやすいと考えられる.若年労働者が退職すれば,労働者全体の平均年齢が上がるこ とから,予想される符号は負である. 17 法改正施行は 2007 年 6 月であるが,データ都合上,2007 年のデータは全て法改正施行後とみなす.他 のモデルでも同様とする. 18分類方法については,牛山(2009)及び三上(2010)を参考にしている.なお,分析対象期間内は全て同 じ都道府県の分類となった. 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 愛知県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 福岡県 宮城県 茨城県 群馬県 山梨県 静岡県 石川県 福井県 岐阜県 三重県 滋賀県 和歌山県 岡山県 広島県 山口県 徳島県 香川県 愛媛県 長崎県 沖縄県 北海道 青森県 岩手県 秋田県 山形県 福島県 栃木県 新潟県 長野県 富山県 鳥取県 島根県 高知県 佐賀県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 過密地域 中間地域 過疎地域

(14)

12 ③労働者年間平均労働時間 労働時間が長くなれば,労働環境が過酷化することにより,労働者が退職する可能性は 増加する.一般的には若年労働者に効果が表れやすいと考えられる.若年労働者が退職す れば,労働者の平均年齢は上昇することから,予想される符号は正である. ④老年化指数19 都道府県毎に異なる高齢化の程度をコントロールする指数である.指数が増加すれば, 労働者の平均年齢も上昇する可能性が高いため,予想される符号は正である. その他,α1は定数項,β1~β6はパラメーター,ε1は誤差項.i は都道府県,tは年次 を表す.各変数の基本統計量は,表 2 のとおりである. 表 2 モデル(a)・基本統計量 4.1.3 推定結果 モデル(a)の推定結果は,表 3 のとおりである. 表 3 モデル(a)・推定結果 19老年者(65 歳以上)人口を年少(14 歳以下)人口で除した,人口高齢化の程度を示す指標である.生産 年齢層(15 歳~64 歳)を除いているため,高齢化率よりも人口高齢化の程度を敏感に示す. 観測数 平均 標準偏差 最小値 最大値 大型トラックドライバー平均年齢 (歳) 423 44.232 2.390 37.000 51.000 全産業労働者平均年齢 (歳) 423 41.117 0.745 39.000 43.000 大型トラックドライバー平均勤続年数 (年) 423 11.400 2.317 5.000 20.000 全産業労働者平均勤続年数 (年) 423 11.931 0.799 9.000 13.000 大型トラックドライバー年間平均労働時間 (千時間) 423 2.545 0.189 2.124 3.180 全産業労働者年間平均労働時間 (千時間) 423 2.161 0.320 2.064 2.232 大型トラックドライバー年間平均所得 (百万円) 423 3.915 0.538 2.494 5.446 全産業労働者年間平均所得 (百万円) 423 3.583 0.400 2.820 4.859 老年化指数 846 1.637 0.296 0.776 2.581 (注)政策ダミー,職種ダミー,過密地域ダミー,過疎地域ダミーは省略. 被説明変数:労働者平均年齢 (歳) 説明変数 係数 標準誤差 労働者平均勤続年数 (年) 0.503 *** 0.029 労働者年間平均労働時間 (千時間) 0.08 0.363 労働者年間平均所得 (百万円) -0.735 *** 0.139 老年化指数 1.531 *** 0.219 政策ダミー*職種ダミー 0.574 *** 0.190 観測数 846 決定係数 0.665 (注1)***,**,*はそれぞれ1%,5%,10%の水準で統計的に有意であることを示す. (注2)政策ダミー,職種ダミー,過密地域ダミー,過疎地域ダミーは省略.

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13 大型トラックドライバーに対する政策効果を表す政策ダミーと職種ダミーの交差項の係 数符号は正であり,1%水準で統計的に有意であった.つまり,大型トラックドライバーは, 大型免許改正により全産業労働者と比較して高齢化が進行していることが示された. 労働者平均勤続年数,労働者年間平均労働時間,労働者年間平均所得,老年化指数の係 数符号ついては,予想したとおりの結果が得られた. 4.2 ドライバー高齢化が交通事故率に与える影響を捉えるモデル 本モデルでは,大型トラックドライバーの高齢化が大型トラックの交通事故率に与える 影響を分析する. 4.2.1 モデルの概要 そこで,次に示す推定モデルを用いて,最小二乗法(OLS)により分析する. 【モデル(b)】

AC1it=α2+β7YDit+β8MDit+β9SDit+β10X2it+ε2it

4.2.2 変数の説明 分析には,以下に示す変数を用いた.なお,分析の対象期間は法改正前後の各時期を含 めた 2002 年から 2010 年までとし,都道府県別パネルデータを作成した. (1)被説明変数 被説明変数である AC1 は,大型トラックの交通事故率(第 1 当事者)を表している.交通 事故件数を,走行台キロで除することにより算出した. (2)ダミー変数 ①年次ダミー 年次ダミーを表す YD は,年次毎の異なる要因をコントロールするダミー変数である.該 当する年次を 1,それ以外の年次を 0 とする. ②大都市圏ダミー 大都市圏ダミーを表す MD は,地域毎の異なる要因をコントロールするダミー変数である. 都市部では,地方部と比較して交通事故件数が多い傾向である20ため,総務省統計局が定義 する大都市圏の中から,交通事故件数が特に多い都府県を抽出した.該当する地域は以下 のとおりである. 20 (財)交通事故総合分析センター「交通事故統計年報」参照.

大都市圏

関東大都市圏

埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県

静岡・浜松大都市圏

静岡県

中京大都市圏

愛知県

京阪神大都市圏

京都府 大阪府 兵庫県

広島大都市圏

広島県

北九州・福岡大都市圏

福岡県

該当する都府県

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14 ③積雪地域ダミー 積雪ダミーを表す SD は,積雪や路面凍結による要因をコントロールするダミー変数であ る.降雪量が多い地域では,積雪や路面凍結等に起因する交通事故が発生する可能性が高 いと考えられる.以下に示すとおり,気象庁観測データから降雪量が特に多い(各気象観測 所における年間降雪量が 100cm 以上)道県を抽出した. (3)コントロール変数(X2) ①可住地面積あたり人口密度 人口密度が増加すれば,対人事故を起こす可能性が高まり,交通事故率は上昇するもの と考えられるため,予想される符号は正である. ②人口千人あたり自動車保有台数 自動車保有台数が増加すれば,車両相互事故を起こす可能性が高まり,交通事故率は上 昇するものと考えられるため,予想される符号は正である. ③自動車 1 台あたり舗装済道路延長 舗装された道路では,自動車は安全に走行でき,交通事故率は減少するものと考えられ るため,予想される符号は負である. ④自動車 1 台あたり改良済道路21延長 改良済道路では,自動車は安全に走行でき,交通事故率は減少するものと考えられるた め,予想される符号は負である. ⑤道路実延長 1km あたり信号機数 信号機が設置されれば,道路における交通安全が確保され,交通事故率は減少するもの と考えられるため,予想される符号は負である. ⑥道路実延長 1km あたり横断歩道数 横断歩道が設置されれば,歩行者は道路を安全に横断でき,自動車は横断歩道付近では 安全に走行するものと考えられるため,予想される符号は負である. ⑦大型トラックドライバー平均年齢 ドライバーの年齢が上がれば,一般的に運転能力低下等に起因して交通事故率は上昇す るものと考えられるため,予想される符号は正である. ⑧大型トラックドライバー平均勤続年数 勤続年数が長くなれば,一般的に運転技術が上達し,交通事故率は減少するものと考え られるため,予想される符号は負である. ⑨大型トラックドライバー年間平均所得 トラックドライバーの賃金形態は固定給に加えて,歩合給や時間外手当などの変動給が 21車線幅員が 5.5m以上で,かつ 2 車線以上を持つ道路を指す. 北海道 青森県 岩手県 秋田県 山形県 福島県 新潟県 長野県 富山県 石川県 福井県 滋賀県 鳥取県

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15 支給される22.したがって,ドライバーには多くの賃金を得るために長距離を走行するイン センティブが付与されることから,交通事故率は増加するものと考えられるため,予想さ れる符号は正である. ⑩大型トラックドライバー年間平均労働時間 労働時間が長くなれば,疲労の蓄積等により交通事故率は増加するものと考えられるた め,予想される符号は正である. その他,α2は定数項,β7~β10はパラメーター,ε2は誤差項.i は都道府県,tは年次 を表す.各変数の基本統計量は,表 4 のとおりである. 表 4 モデル(b)・基本統計量 4.2.3 推定結果 モデル(b)の推定結果は,表 5 のとおりである. 表 5 モデル(b)・推定結果 22 (社)全日本トラック協会「トラック運送事業の賃金実態」参照. 観測数 平均 標準偏差 最小値 最大値 大型トラック交通事故率 (件数/億台キロ ) 423 6.350 3.169 0.000 24.000 可住地面積あたり人口密度 (千人/㎢) 423 1.375 1.671 0.248 9.461 人口千人あたり車両保有台数 (台/千人) 423 692.525 107.776 337.000 861.000 車両1台あたり舗装道路延長 (m/台) 423 4.284 1.504 1.000 9.000 車両1台あたり改良済道路延長 (m/台) 423 9.631 3.854 2.000 21.000 道路実延長千kmあたり信号機数 (基/千km) 423 184.182 151.289 55.000 889.000 道路実延長千kmあたり横断歩道数 (千本/千km) 423 1.021 0.909 0.288 5.677 大型トラックドライバー平均年齢 (歳) 423 44.232 2.390 37.000 51.000 大型トラックドライバー平均勤続年数 (年) 423 11.400 2.317 5.000 20.000 大型トラックドライバー年間平均所得 (百万円) 423 3.915 5.379 2.494 5.446 大型トラックドライバー年間平均労働時間 (千時間) 423 2.545 0.189 2.214 3.180 (注)年次ダミー,大都市圏ダミー,積雪地域ダミーは省略. 被説明変数:大型トラック交通事故率 (件数/億台キロ) 係数 標準誤差 可住地面積あたり人口密度 (千人/㎢) -6.692E-04 ** 2.917E-04 人口千人あたり車両保有台数 (台/千人) 0.005 ** 0.003 車両1台あたり舗装道路延長 (m/台) 0.393 *** 0.133 車両1台あたり改良済道路延長 (m/台) -0.053 0.070 道路実延長千kmあたり信号機数 (基/千km) 0.014 *** 0.003 道路実延長千kmあたり横断歩道数 (千本/千km) -0.001 *** 5.24E-04 大型トラックドライバー平均年齢 (歳) 0.161 ** 0.078 大型トラックドライバー平均勤続年数 (年) -0.085 0.077 大型トラックドライバー年間平均所得 (百万円) 5.087E-04 3.705E-04 大型トラックドライバー年間平均労働時間 (千時間) 0.002 *** 8.191E-04 観測数 423 決定係数 0.207 (注1)***,**,*はそれぞれ1%,5%,10%の水準で統計的に有意であることを示す. (注2)年次ダミー,大都市圏ダミー,積雪地域ダミーは省略. 説明変数

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16 大型トラックドライバー平均年齢の係数符号は正であり,5%水準で統計的に有意である ことから,交通事故率を上昇させる効果があることを示している. 可住地面積あたり人口密度の係数符号は予想と反して負であり,5%水準で統計的に有意 であった.大型トラック事故の特徴として,追突や出会い頭の衝突など,車両相互による 事故が占める割合が大きい23ことから,人口密度の影響は小さいものと考えられる. 車両 1 台あたり舗装道路延長の係数符号も予想と反して正であり,1%水準で統計的に有 意であった.大型トラックは長距離を走行する傾向が強いため,高速道路や国道等舗装さ れた道路を多く利用することによる影響と考えられる. 道路実延長千 km あたり信号機数の係数符号についても,予想と反して正であり,1%水準 で統計的に有意であった.大型トラック事故種別の半数近くを占める追突事故は,交差点 など信号機の設置箇所付近で発生しやすいため,その影響によるものと考えられる. 4.3 大型免許改正が大型トラックの交通事故率に与える影響を捉えるモデル 本モデルでは,大型免許改正の狙いであるドライバーの運転技術や安全意識の向上によ る交通事故抑制による効果と,モデル(b)で示したドライバーの高齢化が交通事故率を増加 させる効果について,総合的な分析を行う. 4.3.1 モデルの概要 ここでは,バスの交通事故率を比較対象として,次のモデルを用いて DID 分析を行う. バスの運転には,大型第二種免許24の取得が必要であるが,今回の改正対象は大型第一種免 許であるため,バスは政策の影響を受けていないものと考えられる. 【モデル(c)】 AC2it=α3+β11PDit+β12TDit+β13(PD*TD)it +β14MDit+β15(MD*TD)it+β16SDit+β17X3it+ε3it 4.3.2 変数の説明 分析には,以下に示す変数を用いた.モデル(b)と重複する変数については記載を省略す る.なお,分析の対象期間は法改正前後の各時期を含めた 2002 年から 2010 年までとし, 都道府県別パネルデータを作成した. (1)被説明変数 被説明変数である AC2 は,大型トラック,及びバスの交通事故率(第 1 当事者)を表して いる.交通事故件数を,走行台キロで除すことにより算出した. (2)ダミー変数 ①車種ダミー 車種ダミーを表す TD は,DID 分析におけるトリートメントグループとコントロールグル 23 (財)交通事故総合分析センター「事業用車両の交通事故統計」参照. 24 大型第二種免許については,2002 年 6 月の道路交通法改正により,技能試験に路上試験の導入や取得時 講習が義務付けられている.

(19)

17 ープを区分するダミー変数であり,大型トラックであれば 1,バスであれば 0 をとる. ②交差項 PD*TD は,政策ダミーと職種ダミーとの交差項を用いたダミー変数である.大型免許改正 施行後で,かつ大型トラックであれば 1,そうでない場合は 0 をとる.また,MD*TD は,大 都市圏ダミーと車種ダミーの交差項を用いたダミー変数である.大都市圏で,かつ大型ト ラックであれば 1,そうでない場合は 0 をとる. その他,α3は定数項,β11~β17はパラメーター,ε3は誤差項.i は都道府県,tは年 次を表す.各変数の基本統計量は,表 6 のとおりである. 表 6 モデル(c)・基本統計量 4.3.3 推定結果 モデル(c)の推定結果は,表 7 のとおりである. 表 7 モデル(c)・推定結果   観測数 平均 標準偏差 最小値 最大値 大型トラック交通事故率 (件数/億台キロ ) 423 6.350 3.169 0.000 24.000 バス交通事故率 (件数/億台キロ ) 414 21.858 3.805 2.000 95.000 可住地面積あたり人口密度 (千人/㎢) 837 1.375 1.671 0.248 9.461 人口千人あたり車両保有台数 (台/千人) 837 692.525 107.776 337.000 861.000 車両1台あたり舗装道路延長 (m/台) 837 4.284 1.504 1.000 9.000 車両1台あたり改良済道路延長 (m/台) 837 9.631 3.854 2.000 21.000 道路実延長千kmあたり信号機数 (基/千km) 837 184.182 151.289 55.000 889.000 道路実延長千kmあたり横断歩道数 (千本/千km) 837 1.021 0.909 0.288 5.677 大型トラックドライバー平均勤続年数 (年) 423 11.400 2.317 5.000 20.000 バスドライバー平均勤続年数 (年) 414 13.046 4.842 3.000 40.000 大型トラックドライバー年間平均所得 (百万円) 423 3.915 5.379 2.494 5.446 バスドライバー年間平均所得 (百万円) 414 3.641 0.611 1.804 5.531 大型トラックドライバー年間平均労働時間 (千時間) 423 2.545 0.189 2.214 3.180 バスドライバー年間平均労働時間 (千時間) 414 2.485 0.222 1.848 3.108 (注2)年次ダミー,大都市圏ダミー,積雪地域ダミーは省略. (注1)バスデータについて,2009年愛知県,2008年大分県,2006年徳島県,2005年山口県,徳島県,香川県, 2004年奈良県,岡山県,2002年大分県のデータは得られなかったため,観測数は414件とした. 被説明変数:交通事故率 (件数/億台キロ) 係数 標準誤差 可住地面積あたり人口密度 (千人/㎢) -0.002 *** 5.918E-04 人口千人あたり車両保有台数 (台/千人) -0.028 *** 5.421E-03 車両1台あたり舗装道路延長 (m/台) 0.405 0.269 車両1台あたり改良済道路延長 (m/台) 0.37 *** 0.137 道路実延長千kmあたり信号機数 (基/千km) 0.042 *** 0.006 道路実延長千kmあたり横断歩道数 (千本/千km) 0.007 0.001 大型トラックドライバー平均勤続年数 (年) -0.078 0.085 大型トラックドライバー年間平均所得 (百万円) 0.001 0.001 大型トラックドライバー年間平均労働時間 (千時間) 0.004 ** 0.002 政策ダミー*車種ダミー 2.379 ** 1.183 大都市圏ダミー*車種ダミー -34.159 *** 1.385 観測数 837 決定係数 0.735 説明変数 (注1)***,**,*はそれぞれ1%,5%,10%の水準で統計的に有意であることを示す. (注2)年次ダミー,大都市圏ダミー,積雪地域ダミーは省略.

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18 大型トラックに対する政策効果を示す PD*TD の係数符号は正であり,5%水準で統計的に 有意であった.大型免許改正により,大型トラックはバスと比較して交通事故率が上昇し ていることが示された.現時点では,政策導入の狙いである交通事故抑制の効果よりも, ドライバー高齢化が交通事故率を上昇させる負の効果が上回っていると考えられる. 改良済道路延長の係数符号は,予想と反して正であり,1%水準で統計的に有意であった. 大型トラックは車体が大きいため,狭隘な道路よりも幅員が広い改良済道路を走行する傾 向が強いためと考えられる. MD*TD は係数値が大きく,1%水準で統計的に有意であった.大型トラックはバスと比較し て走行距離が圧倒的に長いため,大都市圏よりも地方圏における交通事故率が上昇してい るものと考えられる.

5.考察

本章では,これまでの実証分析に基づいた考察を示す. モデル(a)では,大型免許改正は若年ドライバーの大型トラック市場への新規参入を抑制 し,現役大型トラックドライバーの高齢化を促進していることを示した.第 3 章の理論分 析で示したとおり,大型免許教習課程の改正や,自動車教習所の減少等大型トラックドラ イバーにかかる費用の増加は,若年者にとって負担になっており,新規若年ドライバーの 減少を誘発しているのである. モデル(b)では,大型免許改正がドライバー高齢化を促進した結果,交通事故率の上昇を 招いていることを示した.ドライバーが年齢を重ねれば,運転技術が上達し,交通事故率 を減少させる効果が期待できるものの,それ以上にドライバーの加齢に伴う運転能力低下 等の要因が上回り,交通事故率を高止まりさせている状況となっている. モデル(c)では,大型免許改正が社会に与える総合的な影響について推定した.その結果, 政策導入の狙いである,ドライバーの運転技術や安全意識の向上による交通事故抑制につ いては,現時点における効果は微小であり,ドライバー高齢化による交通事故率を高止ま りさせる効果が上回っていると推察できる.今後年月が経過し,安全性の高いドライバー が増えれば,大型トラックの交通事故率を抑制する政策効果が期待できよう.

6.政策提言

本章では,前章の考察に基づいて,大型トラックの交通事故率を抑制するための政策提言 を示す. 大型免許改正により,若年ドライバーの新規参入が抑制される要因は,ドライバーとし て働くことに要する費用が,ドライバーの職に就くことから得られる便益を上回っている と認識する者が増加したことであった.したがって,若年ドライバーを確保するためには, そのような費用を低下させる必要がある.そのためには,若年ドライバーが習得し得る運 転技術・知識を極力維持するよう,大型免許教習課程のハードルを下げる必要がある.ま

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19 た,自動車教習所の整備や,路上練習等で必要となる教習車両を容易に確保できる措置等, 大型免許の供給者側が需要者側に対して必要な環境を拡大することもあわせて必要である. 一方,現役の大型トラックドライバーに対しては,加齢に伴う運転能力の変化をドライ バー各自が認識する機会を増やす対策が考えられる.現在,トラックドライバーに義務付 けられている公的な適性検査は 2 種類ある.ひとつは,運転免許更新時に受診する適性検 査である.大型免許は,普通免許や中型免許(8t 限定)等と比較して審査基準が高い25ものの, 免許の有効期限については差異がなく,69 歳以下の優良ドライバーであれば有効期限は 5 年である.大型免許については,年齢に応じて有効期限を短縮することで,ドライバーは 小刻みに運転能力の変化を認知することができる.いまひとつは,道路運送事業に従事す るドライバーが受診する適性診断検査26である.対象者は,65 歳以上の者(3 年毎),死傷事 故を起こした者,新規雇用者であり,無事故運転を継続していれば,一般的には新規雇用 から 65 歳まで受診する機会がない.自身の運転能力を正確に把握するためにも,対象年齢 の引き下げや受診頻度の見直しの検討が必要であろう. また,運転免許区分の在り方についても検討する必要がある.免許区分をこのまま継続 するならば,将来的には理論上全てのドライバーが安全性の高いドライバーに移行するた め,交通事故率を減少させることができよう. これに対して,免許区分の見直しを検討す ることとしよう.図 7 に,大型トラック交通 事故の最適抑止の図を示す.現在の事故防止 水準の程度を X*とし,最適水準 X よりも過剰 な状態と仮定する.例えば,車両総重量 20t 以上の車両の運転について新たな免許区分 を設定すると,事故防止水準は増加するので 右にシフトし,事故対策費用と事故費用の和 である社会的費用が増加する.一方,大型免 許における車両総重量の下限を 11t から 8t に緩和すると仮定すると,事故防止水準は左にシフトして社会的費用を削減することがで き,最適水準 X に近付く.つまり,運転免許区分の見直しについては,新たな免許区分を 設定するなど規制を強めることが必ずしも適切とは限らないことを付言したい. なお,今回の一連の道路交通法改正について,筆者が社団法人全日本トラック協会にヒ アリングを行った.これによると,トラック業界では,法改正の影響により若年者の確保 がより困難化し,今後の輸送力に支障を来たす可能性を危惧している.実際の現場におい ても,若年ドライバーの減少と現役ドライバーの高齢化進行の実態に対して不安視してい るのである.そのため,同協会では,政府や警察庁に対して現況の理解を求めるべく,免 25 大型,中型,二種,けん引の各免許は,視力,聴力,運動能力において他免許よりも基準値が高い. 26 貨物自動車運送事業輸送安全規則により規定されている. 費用 事故防止水準 X X* 社会的費用 (A+B) 事故対策費用A 事故費用B 図 7 交通事故の最適抑止

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20 許区分の見直し要請を行っている.このことを鑑みても,運転免許区分の在り方について 再検討する意義は大きいのではないだろうか.

7.おわりに

本稿の結論は次のとおりである.大型免許改正の効果は,必ずしも大型トラックの交通 事故率を減少させるものとは限らない.法改正以降,若年ドライバーの新規参入を抑制し た結果,現役ドライバーの高齢化を促進し,逆に交通事故率を上昇させる負の効果を生み 出している.したがって,これを解消,軽減するためには,大型免許教習課程の見直しや 自動車教習所整備など必要な環境を拡大することで若年者を確保するとともに,運転免許 区分の在り方については,緩和を含めた再検討を進めるべきである. 本稿では,大型トラックの交通事故率が高止まりしている要因として,ドライバー高齢 化の進行に着目したが,要因は他にも労働環境や道路環境の変化等多岐にわたるものと考 えられる.今後それらを取り入れた分析を行うことで,大型トラックの交通事故要因をよ り多角的に解明することができよう. 今回の分析では,データの都合上,ドライバーの大型免許取得時期における運転免許区 分が新旧混在した交通事故データを用いて分析した.更なる明確な政策効果を導出するた めには,ドライバーの大型免許取得時期が新旧区分された交通事故データを用いて,各運 転免許区分における大型トラックの交通事故率を分析する必要がある. また,現時点では法改正施行から 5 年程度しか経過していないため,政策の長期的効果 を導出するには十分な量のデータが得られなかった.今後年月が経過し,新運転免許区分 のもとで大型免許を取得した“安全なドライバー”が十分に普及した時点において分析を 行うことで,さらに高精度な政策効果が導出されることが期待される.

謝辞

本稿作成にあたり,終始ご指導ご鞭撻を頂きました福井秀夫教授(プログラムディレク ター),西脇雅人助教授(主査),吉田恭教授(副査),加藤一誠客員教授(副査)に心より 感謝致します. また,大変貴重なご意見を頂きました安藤至大客員准教授,北野泰樹助教授をはじめと するまちづくりプログラム,知財プログラムの教員の皆様,並びに公益財団法人交通事故 総合分析センター研究部・西田泰研究第一課長,国土交通省自動車局・渡辺博之監査官, 公益財団法人全日本トラック協会交通環境部・永嶋功部長,伊藤勝利部長,齋藤晃次長に 深謝致します. 最後になりますが,一年間苦楽を共に過ごしたまちづくりプログラム,知財プログラム の同級生の皆様と,本学において研究の機会を与えていただいた派遣元に心より感謝いた します.

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データ出典

参考文献

石松一真,三浦利幸(2002)「有効視野における加齢の影響:交通安全性を中心として」 大阪大学大学院人間科学研究科紀要第 28 巻 ・ 牛山敦(2009)「著作権法犯の法定刑引上げが犯罪発生にもたらす影響に関する実証分 析-強盗犯と比較して-」法と経済学研究第 4 巻 1 号,33-54 ・ 木立力(2009)「少子高齢化の経済動学 -重複世代モデルの理論と展開-」晃洋書房 ・ 自動車安全運転センター(2010)「加齢に伴う職業ドライバーの運転技能の変化に関す る調査研究」平成 21 年度調査研究報告書 ・ 関直樹(2007)「中型免許制度の概要」月刊交通,2007 年 7 月号,31-39 ・ (社)全日本トラック協会「トラック運送事業の賃金実態」 ・ 高清水善弘(2008)「中型免許制度の概要と今後の課題」月刊交通,2008 年 10 月号,18-24 ・ 田久保宣晃(2005)「交通事故データによる運転者のヒューマンエラーと心的負荷の一 考察」国際交通安全学会誌 Vol.30,No.3,23-32 ・ 萩田賢司,牧下寛,森健二(2008)「交通事故と事故発生時の交通状態量の関連分析」 2008 年土木学会論文集,No.38 ・ 福井秀夫(2007)「ケースからはじめよう 法と経済学」日本評論社 ・ 福井秀夫(2011)「資格制度の意味と限界」日本不動産学会誌,第 25 巻第 3 号,6-14 ・ 三上悠子(2010)「一連の飲酒運転厳罰化の効果に関する研究」政策研究大学院大学ま ちづくりプログラム論文集,549-578 ・ N.グレゴリー・マンキュー(2005)「マンキュー経済学」東洋経済 データ 出典 各労働者平均勤続年数 各労働者年間平均所得 各労働者年間平均労働時間 老年化指数 国立社会保障人口問題研究所「人口統計資料集」 国土交通省自動車局「業態別の管理運輸支局別・事故内容別件数」 (財)交通事故総合分析センター「交通事故統計年報」 各車両走行台キロ (社)交通工学研究会「道路交通センサス」 可住地面積 総務省統計局「社会生活統計指標 -都道府県の指標-」 自動車保有台数 (財)自動車検査登録情報協会「自動車保有台数統計データ」 道路実延長 舗装済道路延長 改良済道路延長 信号機数 横断歩道数 厚生労働省「賃金センサス」 各車両交通事故件数 警察庁交通局「交通事故の状況及び交通安全対策の現況」 国土交通省道路局「道路統計年報」

参照

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