• 検索結果がありません。

Report on Faculty Development at Ehime University

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "Report on Faculty Development at Ehime University"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

は じ め に

平成3年の大学設置基準の大綱化を発端とする大 学改革の動向のなかで,このところ大学に教育機能 の充実・向上が求められている。各大学では手探り で,自主的に,また創意工夫しながら,ファカル ティ・ディベロップメント(以下「FD」)活動とし て各種の試みを行っている。本学でもその重要性を 認識し,これまで,以下のような取組が行われてきた。

ここでは,これまでの全学FDの取組を振り返り,こ れからのFD活動のあり方を考える契機としたい。

1.愛媛大学全学 FD の概略

本学におけるFD活動は,その内容・形態及び実 施・支援組織という点で,平成13年度以降とそれ以 前とで区別される。平成12年度までは,以下に触れ る「学生による共通教育の授業改善のためのアンケ ート」を除くと,明確な実施・支援組織を持たず,

また,その内容・形態は外部講師による啓蒙型の講 演が中心であった。平成13年度に大学教育総合セン ターが設置されてから,本学のFDは新たな局面を 迎えた。即ち,そこに教育システム開発部が設けら れ,専任教員が配置された後は,外部講師による啓 蒙型の講演に加えて,本学教員による相互の学びあ い,体験活動を通しての実際の学びといったものも 取り入れられるようになった。今後はより充実した FD活動が組織的体系的に実施されていくものと思 われる。これまでの実績を振り返ると以下の通りで ある。

2.講演,シンポジウム,ワークショップ

〈平成11年度〉

!愛媛大学21世紀フォーラム

「シンポジウム−教育活動評価を考える」

日 時:平成11年10月16日%

講 師:池田輝政(名古屋大学高等教育研究 センター教授)

演 題:「求められるFDプログラム・投資 としての発想へ」

参加者:教職員約40人

!第1回 共通教育フォーラム 日 時:平成11年12月13日#

講 師:荒井克弘(大学入試センター教授)

演 題:「少子化時代の共通教育改革に向けて」

参加者:教職員約60人

!第2回 愛媛大学共通教育フォーラム 日 時:平成12年1月27日$

講師・演題:

!山野井敦徳(広島大学大学教育研究セン ター教授)

「教養教育改革の全国的動向−全国調査 を手掛かりに」

"小林昌二(新潟大学大学教育開発研究セ ンター長,人文学部教授)

「教養教育改革と授業改善−私の場合」

参加者:教職員約50人

山 内 和 美

Report on Faculty Development at Ehime University

(1999−2002)

Kazumi Y

AMAUCHI

71 大学教育実践ジャーナル 創刊号 2003

(2)

〈平成12年度〉

!愛媛大学21世紀フォーラム 日 時:平成12年4月27日+

講 師:大橋秀雄(工学院大学長,JABEE 会長・運営委員長)

演 題:「技術者教育の認定が目指すもの」

参加者:教職員約120人

!愛媛大学21世紀フォーラム

「愛媛大学の明日の教育を考える」

日 時:平成12年6月29日*

講 師:阿部和厚(北海道大学高等教育機能 開発総合センター高等教育開発研究 部長,医学研究科教授)

演 題:「北海道大学の教育改革戦略と教育 業績評価」

参加者:教職員約80人

!第3回 愛媛大学全学シンポジウム

「教育実践シンポジウム」

日 時:平成13年1月25日+

テーマ:「大学教育・新しいうねり」

発表者及び演題:

!柳 光子(法文)

「CALL教室活用の試みと課題−未習外 国語の授業実践例より−」

"R. J. Davies(教育)

The Winds of Change are Blowing.

The Future of English LEducation at Universities in Japan.

#林 秀則(理)

「理科嫌いをなくする5つの方法−理学 部における科学教育への取り組み−」

$加藤匡宏(医)

「社会医学におけるチュートリアル教育 の試み」

%有井清益(工)

「学生に優しい授業への模索」

&田中寿郎(工)

「基礎科学実験の理念及び試行プラン」

'矢野 忠(工)

「『電気電子工学ミニマム』の試み」

(鶴見武道(農)

「演習林における野外実践教育を通した 21世紀対応」

参加者:教職員約90人

〈平成13年度〉

!第1回 大学教育・運営改革セミナー 日 時:平成14年1月22日)

講 師:河村能夫(龍谷大学副学長)

演 題:「21世紀の高等教育と大学経営−龍 谷大学と大学コンソーシアム京都の 試み−」

参加者:本学教職員約75人

!第4回 愛媛大学全学シンポジウム

「教育実践シンポジウム」

日 時:平成14年1月24日+

テーマ:「名人の心とワザを学ぶ」

発表者(代表者)及び演題:

!坂口 茂(理)

「数理科学科における13年度からの新専 攻別基礎科目『微分と積分』導入の試み」

"江崎次夫(農)

「インターネット配信授業による高大連 携の試み」

#和田寿博(法文)

「今治タオル産業のフィールドワークを 活用したゼミナールにおける研究・教育」

$小林直人(伊藤昌春,医)

「医学部医学科におけるチュートリアル 教育の試み」

%山本万喜雄(教育)

「『授業通信』による対話の教育」

&大西秀臣(工)

「 凡庸な教師はただしゃべる からの脱 却」

参加者:本学教職員約75人,学生7人

!第1回 愛媛大学教育ワークショップ 日 時:平成14年1月25日,〜26日- テーマ:「愛媛大学らしさ,愛媛大学らしい

教育の在り方を考える」

参加者:39人(鮎川学長,西頭副学長も参加。

また,教務課職員5人参加)

72 大学教育実践ジャーナル 創刊号 2003

(3)

場 所:大洲青年の家

!FD 講演会

日 時:平成14年2月14日%

講師・演題:

!山本久雄(教育)

「愛媛大学におけるFD活動について」

"溝上慎一(京都大学高等教育教授システ ム開発センター)

FDで何をどのように目指すのか−種々 の改革実践を概観して−」

参加者:本学教職員約50人

!SD(Staff Development)講演会(勉強会)

日 時:平成14年3月14日%

講師・演題:

!小林昌二(新潟大学大学教育開発研究セ ンター長,人文学部教授)

「事務支援の在り方と教員と職員の連携 方策について」

"柳ケ瀬孝三(立命館大学経営学部教授)

「21世紀の学生像と大学のマネジメント

−立命館大学の経験を紹介しつつ−」

参加者:本学教職員20人(FD委員会委員及 び教務課職員を対象に実施)

!教務系事務職員の資質と能力の向上を図るた めの取り組み(SD)

! 教務系事務職員のSD(自己改善と組織 改善)の推進

実 施:年2回実施(前学期及び後学期)

概 要:教務課事務職員が「事務職員の専 門性の強化」(企画・立案力,学生サー ビス,事務処理能力の向上)という観点 から,職員間の評価,学生からの意見(学 生から教務課行き切符として,現在受付 中),大学教育総合センター会議委員(教 員からの意見)を集め,教務課の改善や 職員のスキルアップに取り組んでいる。

参加者:事務職員22人

" 教務系事務職員の自主研修「初任者研

修」「パソコン研修」を実施。

参加者:事務職員6人

!コアカリキュラム勉強会 日 時:平成14年3月13日$

講 師:押川元重(九州大学大学教育センタ ー教授)

テーマ:「九州大学の教育改革とコアカリ キュラム」

参加者:本学教職員20人(カリキュラム担当 委員及び教務課職員を対象に実施)

〈平成14年度〉

!第2回 愛媛大学教育ワークショップ 日 時:平成14年7月12日〜13日(宿泊型)

テーマ:「愛媛大学のモットーを作る」

参加者:40人(教員・事務職員,学部長推薦)

場 所:大洲青年の家

!第3回 愛媛大学教育ワークショップ 日 時:平成14年11月1日〜2日(通勤型)

テーマ:「学生参加型授業をつくろう」

講師・スーパーバイザー:

阿部和厚(北海道医療大学教授)

参加者:40人(各学部7名の教員,学部長推 薦)

場 所:工学部講義棟

!FD/SD 勉強会 コースカリキュラム 日 時:平成14年7月23日#

講 師:丸本卓哉(山口大学副学長)

テーマ:「山口大学における共通教育コース カリキュラムについて」

参加者:本学教職員約50人(自由参加)

!第5回 愛媛大学全学シンポジウム

「教育実践シンポジウム」

日 時:平成14年10月23日$

テーマ:「基礎セミナー(導入教育)がもた らしたもの」

発表者(代表者)及び演題:

!山川廣司(法文)

「基礎セミナー実践例の紹介とその意義

−議論することと新入生研修合宿の活用 について−」

"壽 卓三 ○加藤寿朗 ○鴛原 進(教 73 大学教育実践ジャーナル 創刊号 2003

(4)

育)

「教育実践力の系統的な育成を目指した

『基礎セミナー』の試み」

!島崎洋次(理)

「理学部における基礎セミナーの現状と 課題」

"小林直人(医)

「チュートリアル学習形式を取り入れた

『基礎セミナー』の試み」

#○野本ひさ 加藤基子 中村慶子(医)

「大学生活への適応を助けるために看護 学科の熱きプログラム」

$○猪狩勝寿 村上幸一 八木秀次(工)

「基礎セミナー改革の試み」

%○仁科弘重 高瀬惠次(農)

「農学部における基礎セミナーへの新し い取り組み」

参加者:本学教職員69人,学生7人,松山大 学・東雲女子大学3人,一般1人報 告書を印刷中(全教員に配布予定)

!FD/SD 勉強会

日 時:平成14年12月10日&

講 師:佐藤龍子(大学コンサルタント)

テーマ:「変革期における大学広報の重要性」

参加者:本学教職員約30人(自由参加)

!SD 勉強会

日 時:平成15年1月24日'

講 師:佐藤浩章(愛媛大学大学教育総合セ ンター)

テーマ:「愛媛大学における新たな教育改革 と学生参加型大学運営について」

参加者:本学事務職員

!FD 勉強会

日 時:平成15年2月4日&

講 師:森 和夫(徳島大学大学教育開放実 践センター)

テーマ:「大学教員に求められる職業能力と その職業能力開発プログラム」

参加者:本学教職員38人(自由参加)

これらの実施組織,支援組織は平成13年度までは 手探りの状態が続いた。当初は学長裁量経費により 組織された「教育活動評価に関する研究会」が企画 し,それを総務部企画室が支援するという態勢で臨 んだり,学長の依頼で「教育実践シンポジウム実行 委員会」なるものが急遽組織されて企画・実施した り,学長・副学長自らが講師に依頼し,講演会が開 かれたりした。支援組織も学務部であったり,総務 部企画室であったりした。要するに手探り,試行錯 誤の段階であった。

平成13年度以降は,大学教育総合センター教育シ ステム開発部が置かれ,専任教員が配置され,それ が中心となって企画・実施にあたった。その支援も 学務部の職掌として明確に定められた。

なお,これらの概要については,その都度本学学 報やwebページに載せられている。

3.「学生による授業評価アンケート」

本学では,大学教育審議会の決定(平成8年12月 11日)「学生による授業評価アンケートの実施につ いて」に基づき,毎学期の共通教育について平成9 年度より継続して授業評価アンケートが実施されて いる(基礎セミナー,受講者が10人に満たないクラ ス,スポーツ実習は除く)。平成9年は11項目,平 成10年度にアンケート項目が一部変更され,12項目 について5段階で回答を求め,その他に,「この授 業で良かったと思う点,印象にのこった点をあげて ください。」,「この授業で良くなかったと思う点,

改善すべきと思う点をあげてください。」,「共通教 育全般について,感じたことや意見などを自由に書 いてください。」と,自由記述を求めている。いず れも,回答者の氏名は無記名である。アンケート結 果は報告書にまとめられ,全教員に配布されるとと もに,希望学生にも配布すべく学内の各窓口に置か れている。平成12年度までは学内措置で設置されて いた「大学教育研究実践センター」が,平成13年度 以降は大学教育総合センターシステム開発部がそれ ぞれ集計し,コメントを付している。上記の大学教 育審議会決定により,評価結果は各科目区分ごとに 集計され,個々の授業科目のそれはその授業担当者 のみに知らせている。また,共通教育全般について の自由記述はまとめられ,報告書に記載されている。

ところで,アンケート項目には,受講者自身の意

74 大学教育実践ジャーナル 創刊号 2003

(5)

3.8 3.7 3.6 3.5 3.4 3.3 3.2 3.1

興味増加, 得るところあった − 平均

9前 9後 10前10後11前11後12前 12後13前13後

欲・姿勢,教育方法の適否,受講環境にかかわるも のに加えて,共通教育の総括的評価を問う項目が含 まれている。すなわち,平成9年度の,「この授業 を受講して,この科目に対する興味は増加しました か」と,平成10年度以降の「この授業により,自分 の考えがつちかわれたり,得るところがありました か」の質問項目がそれである。これらは,表現は異 なるが,いずれも授業を受けたことの意味,成果を 受講者が自身の中でどのように受け止めたかを問う ものであり,共通教育の総括的評価にかかわるもの である。以下,個々の評価項目について経年変化を 辿る紙幅はないので,その総括的評価の結果の平均 値のみを示す。これは,5段階の回答数にそれぞれ 5,4,3,2,1を乗じ,その総和を回答数で除 した値である。共通教育の質の向上を目指して展開 されてきた各種の取り組みを総括する際の一つの指 標となるであろう。

いずれにせよ,授業評価アンケートからは,本学 の共通教育に対する評価が上昇基調にあることが伺 える。ここから,さらに分析を進め,こうした結果 に影響を与える要因を析出し,それを合理的にコン トロールできることになれば,この値は更に好転す るであろう。

お わ り に

大学の使命は教育・研究・地域貢献と大きく分類 される。これまで,教員評価をする際に,研究論文 の数にのみ頼っていた。しかし,「大学における学 生生活の充実方策について−学生の立場に立った大 学づくりを目指して−」(大学における学生生活の 充実に関する調査研究会報告2000年6月,いわゆる 廣中レポート)には,教員の研究に重点を置く「教 員中心の大学」から多様な学生に対するきめ細かな 教育・指導に重点を置く「学生中心の大学」へと,

視点の転換を図ることが重要であるとの指摘があ

る。そこでは,教育を受け学習する側の学生に視点 をあて,人材育成を視野に入れた教育に重点を置く べきだとされる。しかしながら,これまで培われた 教員の体質は急に変われるものでもない。大学教育 総合センターが指導的立場で教育改革を推進してい くべきことは緊急課題のように思われる。

本来,人間にとって「学ぶ」ことも「教える」こ とも喜びであるはずなのに,実際のところ,学生も 教員も喜びを感じられているだろうか。入学式の 時,目をきらきらと輝かせていた学生が,今も希望 に燃え,学んでいるだろうか。教員が時間に追われ,

教育と研究の重圧で,教育そのものにかかる労力を 負担に感じていないだろうか。誰もが元気な大学づ くりを目指したいが,構成員自身が疲れ果て意欲を 失っていては,未来は見えてこない。

平成15年1月に「愛媛大学教員人事の基本方針」

が決定した。そこには,教育,研究,社会貢献など の大学機能の高度な展開を図るため,教育重点,研 究重点等,教員の適切な役割分担を進める,とある。

また,選考についての評価も教育,研究の能力,そ の他教員としての必要な能力を総合評価して行う,

とある。この総合的業績評価が実行されることで,

教員としても自分の持ち味を十分発揮し,得意分野 で一層の精進を推進できることになり,意欲に充ち 満ちた元気な教員スタッフが勢揃いすることにな る。

一方,学生自身のやる気も問題ではあるが,学生 が高校までに身につけた受け身的な知識をいかに

「知恵」に変えていくか。「学び」を喜びに変え,

さらに問題意識に目覚めさせ,様々な困難をも乗り 越えていける力量を自らの力で勝ち取っていくよう 育てていけるか。学生を温かく見守り,「学び」へ のきっかけを作り,動機付けをしていくのが,教員 の使命であり,力量であろう。そのためには,普段 からの授業に対しても学生の姿を見つめながら改善 していただきたい。出席さえすれば「優」,レポー トさえ出せば「単位」は確実に取れる等,学生に甘 いのではなく,厳格な授業評価にも積極的に取り組 んでいただきたい。厳しい環境を設定することも人 を育てることなのである。

そして,何より忘れてならないのが「心」である。

学生を愛しているか。次の世代を担う人材を大切に 思い,慈愛を込めて教育することができるかとても 大切だと思う。

75 大学教育実践ジャーナル 創刊号 2003

(6)

イギリスの政治家チャーチルの言葉に「人生で大 事なことは,次の世代のために,良き社会を築き,

残すことができたかどうかである。」とある。次の 世代を担う人をどう育てることができたかが,大学 の一番評価される項目である。

平成13年度の教育実践シンポジウムで発表された

「名人」の中に,一人一人と対話(手紙でのやりと り)し,学生を大切に思い励ましながら授業を展開 されているとの報告があったが,大変感動させてい ただいた。ソクラテスは後の「ジャン・クリストフ」

を著したロマン・ローランに影響を与えた人物であ るが,若きロマン・ローランが嘆き苦しみ悲嘆にく れていた時に,そのソクラテスに接して奮起し,あ のロマン・ローランが生まれたのである。

教員の一言で人生が変わる学生も沢山いるであろ う。後の世に必ずや社会のリーダーに,世界のリー ダーに成長される人材だとの思いで,愛媛大学を巣 立っていく学生に日々接し,見守り続けたいもので ある。FD活動がその契機になればと思う。

76 大学教育実践ジャーナル 創刊号 2003

参照

関連したドキュメント

石川県環境安全部が行った「平成10年度愛鳥週間ポ スターコンクール」で,教育学部附属中学校の八 よう 日 か 市 いち 屋 や 晃 あき 子

茶道講座は,留学生センターの課外活動の一環として,平

大学は職能人の育成と知の創成を責務とし ている。即ち,教育と研究が大学の両輪であ

仏像に対する知識は、これまでの学校教育では必

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

神戸・原田村から西宮 上ケ原キャンパスへ移 設してきた当時は大学 予科校舎として使用さ れていた現 在の中学 部本館。キャンパスの

彼らの九十パーセントが日本で生まれ育った二世三世であるということである︒このように長期間にわたって外国に

 KSCの新たなコンセプトはイノベーションとSDGsで