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日米韓における大学生の Facebook 利用動向に関する研究

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Academic year: 2021

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日米韓における大学生の Facebook 利用動向に関する研究

高橋 一哉 上野 亮 飯島 泰裕 青山学院大学大学院 社会情報学研究科

1.はじめに

近 年 ,我 が 国で は ソー シ ャ ル・ ネ ット ワー ク・サービス(以下 SNS)において,不用意な書 き込みをした大学生の個人情報が,インターネ ット上で公開されるなどのトラブルが,見受け られるようになった.このような個人情報を公 開する Facebook や Twitter 等の SNS に関わる問 題は頻発しており,従来のプライバシーの概念 を考え直す必要があるとも指摘されている.[1]

そこで,本研究では日本,米国,韓国の大学 生の Facebook における各自のプライバシーに関 わる情報公開の設定や利用状況を比較し、国ご との特徴を調査した.その結果,米国の学生の 71.1%が,プロフィール写真を限定的に公開して いること,米国の学生の 66.4%は,発言や写真を 投稿する際に限定的に公開していることなどが 明らかになった.

2.調査方法 (1)調査対象

世 界 大 学 ラ ン キ ン グ (QS World University Rankings)における各国上位 10 大学から,各 3 校(日本:東京工業大学,北海道大学,筑波大 学,米国:Unibersity of Chicago,California Institute of Technology , University of Michigan , 韓 国 : Seoul National University , Hanyang University,Sogang University)を取 り上げ,その学生の Facebook ページをランダム 抽出した.また,それらの大学に在籍する 690 名(男子学生:269 名,女子学生:421 名) の 大学生を調査対象とした.またその内訳は,日 本の大学生が 242 名(男子学生:68 名,女子学 生:174 名),米国は 149 名(男子学生:41 名,

女子学生:108 名),韓国は 299 名(男子学生:

160 名,女子学生:139 名)である.

(2)調査方法

上記の方法で選出した大学に在籍する学部生

を Facebook において検索し抽出した.そして,

これらの学生のプロフィール写真,Wall への書 き込みの情報公開設定や利用状況等を比較した.

3.情報公開設定

(1)プロフィール写真の公開設定

自らのプロフィール写真を誰もが見る事がで きる状態に設定することを「公開設定」,友人 や友人の友人など,特定の人物のみが見ること が で き る状 態 に設 定 する こ と を 「 限 定公 開設 定」,またデフォルト設定のまま,もしくは芸 能人や風景写真等を使用し本人の写真が一切使 用されていない状態に設定することを「非公開 設定」と定義し,各国の学生のプロフィール写 真にたいする情報公開設定を比較した.

日本の学生におけるプロフィール写真の情報 公開設定(公開:62.4%, 限定公開:20.7%, 非 公開:16.9%)と韓国の学生における情報公開設 定(公開:59.5%, 限定公開:26.4%, 非公開:

14.0%)のそれぞれの割合は,比較的類似してい た の に 対し , 米国 の 学生 の 情 報公 開 設定 (公 開:17.4%, 限定公開:71.1%, 非公開:12.8%)

は大きく異なり,米国の学生は自らのプロフィ ール写真を限定的に公開していることがわかっ た.(図 1)

図 1 プロフィール写真の情報公開設定 (2)プロフィール写真における個人識別

また,公開もしくは限定公開されている各自 の写真のうち,個人を識別可能な割合について

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日本 米国 韓国 プロフィール写真の情報公開設定

公開 限定公開 非公開

Research on trends in university students’uses on Facebook in South Korea and the United States, Japan

† Kazuya Takahashi, Ryo Ueno, Yasuhiro Iijima

‡Aoyama Gakuin University, Graduate School of Socialinformatics

Copyright 2012 Information Processing Society of Japan.

All Rights Reserved.

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6E-2

情報処理学会第 74 回全国大会

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調査した.個人の識別に必要な条件は,個人の

①顔のパーツ(両目,鼻,口)が揃っている,

②それらが確認できる充分な距離で写真が撮ら れている,③複数人で写真に写っている場合に どの人物が本人か特定出来る,とし,上記 3 つ の条件を満たしている写真を「識別可能」,一 つでも満たしていないものについては「識別困 難」とした.

これらを踏まえ調査した結果,日本や韓国で は 59.8%, 65.6%の公開された写真が「識別可能」

であったのに対し,米国において「識別可能」

な写真は 51.7%と最も少なく,また「識別困難」

なプロフィール写真の割合も 65.6%と多いことが わかった.(図 2)

図 2 プロフィール写真における個人の識別 (3)投稿における公開設定

プロフィール写真の公開設定同様,発言や写 真等を投稿する際の情報公開設定を調査した.

日本においては「限定公開設定」をしている学 生が 52.5%と,最も多かった.また韓国では「公 開設定」のまま情報を投稿する学生が,56.2%と 最も多かった.その一方で,米国では最も多い 66.4%の学生が,写真や発言を限定公開設定して いることがわかった.(図 3)

図 3 投稿における公開設定 4.利用状況

日米韓の大学生の Facebook における,それぞ れの友人数を比較した.友人とは,Facebook 上 における設定を指し,友人となることで各々の 情報を自動的に知ることや限定的な情報を閲覧 することが可能になる.

日本の大学生の平均友人数は 173.7 人,韓国 は 252.1 人,米国は 562.2 人となり,米国の大 学生は,最も多くのユーザーと友人になってい る こ と が 明 ら か に な っ た . ( 図 4) こ れ は , Facebook は米国発の SNS であり日韓に比べ比較 的長い時間 Facebook を利用してきた学生が,米 国に多いことが一因として考えられる.

図 4 平均友人数

5.おわりに

本論文によって日本、米国、韓国の大学生の Facebook 利用における違いが,明らかになった.

①米国では,多くの大学生が自らのプロフィー ル写真,発言等の投稿を,限定して公開してい ることがわかった.②一方で米国に比べ,日本,

韓国の学生の多くが,自らのプロフィール写真 や発言等の投稿を,誰もが見られる公開設定に していることがわかった.

今後の研究課題としては,①情報公開設定を 積極的に使用しているユーザー,消極的なユー ザーにおける Facebook 利用動向の分析,②ユー ザーの持つプライバシー指向性が与える,情報 公開設定や利用動向への影響の分析がある.

6.参考文献

[1]D.J.ソロブ「プライバシーに無分別な若者」日 経サイエンス,pp. 88-94, 2008.

[2]Toshikazu Munemasa, Mizuho Iwaihara., : Trend Analysis and Recommendation of Users’

Privacy Settings on Social Networking Service, SocInfo 2011, LNCS 6984, pp. 184-197,2011.

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日本 米国 韓国

プロフィール写真における個人の識別

識別可能 識別困難

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日本 米国 韓国 投稿における公開設定

公開 限定公開 非公開

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日本 米国 韓国 平均友人数

友人数

Copyright 2012 Information Processing Society of Japan.

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参照

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