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「朝鮮王陵の位相」に対するコメント

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Academic year: 2021

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「朝鮮王陵の位相」に対するコメント

著者 カン ジェフン

雑誌名 周縁の文化交渉学シリーズ3 『陵墓からみた東アジ ア諸国の位相―朝鮮王陵とその周縁』

ページ 223‑223

発行年 2011‑12‑31

URL http://hdl.handle.net/10112/5905

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第一部「朝鮮王陵の位相」に対するコメント

カン・ジェフン

崔元碩論文へのコメント

 王陵の選地をめぐる風水思想には,政治的な目的が第一にあり,その目的に即して風水を利用したの ではないかとの指摘は,非常に興味深かった。

 いっぽう王陵の選地にかかわる風水について,朝鮮時代には,一般的に前期においては陽宅風水(住 む場所を占う風水)が,後期には陰宅風水(墓の場所を占う風水)への関心が高かったとされているが,

王陵選定の風水思想には,そういった時期的な変遷はあるのか。あるいは一定のパターンが見られるの か。

韓亨周論文へのコメント

 王陵が,生者が死者とのかかわりを持つ空間として認識されていたという指摘は,王陵儀礼の核心を 突く内容であると思われる。朝鮮王陵における追慕のための空間・施設が,死者のみならず,祭祀を行 う者に対しても配慮されているという印象は,本人も等しく感じるところである。

 ただ朝鮮初期,例えば太祖李成桂の陵内には寺院が存在していた。これは王陵において仏教的儀礼が 行われていたことを示唆するものであるが,韓論文にはこれに関する言及がない。初期における王陵祭 祀を儒教のみで説明すると,儀礼面における重要な部分を見逃すことにはならないか。

 次に拝陵について。拝陵とは「陵を拝む」ことであるが,この拝陵は祭祀として理解としてよいので あろうか。宗廟の祭祀においても,宗廟祭祀と,廟に何かを申し上げる「告廟」の儀礼は区別されてい る。そのように考えると,王陵祭祀と言えるのは追慕のみであり,拝陵は「陵を見に行く」もしくは告 礼のように「何かを申し上げる」という,祭祀とは別途の性格を有するものではないか。

金相浹論文へのコメント

 石室が灰隔に変化した背景について,報告者は朱子家礼すなわち性理学の影響であると積極的に解釈 している。だが世祖は非儒教的で,仏教と親しい関係にあった人物であり,ただちに性理学の影響と結 びつけることには疑問が残る。そもそも墓とは遺骸の保存を考慮して造られてきたわけであるが,石室 構造は,その当時の主眼点に即したものとして用いられていたものと思われる。その石室が灰隔へと移 行したのだと考える場合,灰隔が当時の問題や課題を満たすという,技術的・機能的な利点があったの ではないか。それが考慮され,採択されたと考えるべきではないか。

*本文は,2010年 7 月 2 日のフォーラムにおけるカン・ジェフン氏のコメントを篠原啓方が整理したものである。

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