九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
軸力と水平力を受ける鉄骨系柱材の弾塑性挙動に関 する研究
津田, 惠吾
https://doi.org/10.11501/3070078
出版情報:Kyushu University, 1993, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
軸力と水平力を受ける鉄骨系柱材の弾塑性挙動に関する研究
平成5年
津田恵吾
目次
第1章 序論
� 1. 1 研究目的
� 1. 2 論文概要
第1章の参考文献
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•
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第2章 一定軸力と任意方向水平力を受けるH形鋼柱材の弾塑性挙動 ・ ・ ・ ・ 7
� 2. 1 序 .. .. 8
� 2. 2 実験 ・ ・ ・ ・ 9
2. 2. 1 実験計画 ・ ・ ・ ・ 9
2. 2. 2 試験体 .. .. 9
2. 2. 3 加力装置および加力方法
2.2.4 測定方法
2. 2. 5 実験結果
� 2. 3 解析
2. 3. 1 剛塑性解析
2. 3. 2 柱材の設計式
� 2. 4 考察
2. 4. 1 弾塑性挙動
2.4. 2 最大耐力
� 2. 5 結論
第2章の参考文献
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第3章 一定軸力と変動水平力を受ける円形鋼管柱の脅塑性挙動
� 3. 1 序
� 3. 2 実験
3. 2. 1 実験計画 3. 2. 2 試験体
3. 2. 3 加力装置および加力方法 3. 2. 4 測定方法
3. 2. 5 実験結果
� 3. 3 考察
3. 3. 1 弾塑性挙動
3. 3. 2 局部座屈発生時のひずみ
3.3.3 耐力 3. 3. 4 変形能力
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� 3. 4 結論
第3章の参考文献
第4章 一定軸力と変動水平力を受ける角形鋼管柱の弾塑性挙動
� 4. 1 序
� 4. 2 実験
4. 2. 1 実験計画 4.2.2 試験体
4. 2. 3 加力装置および加力方法 4. 2.4 測定方法
4. 2. 5 実験結果
� 4. 3 局部座屈後挙動の解析
4. 3. 1 解析モデルと解析仮定
4. 3. 2 解析方法
� 4. 4 考察
4. 4. 1 弾塑性挙動
4.4. 2 座屈発生時のひずみ度
4. 4. 3 耐力 4.4. 4 変形能力
4.4. 5 解析結果の考察
� 4. 5 結論
付録 1層1スパン骨組の局部座屈後挙動解析 第4章の参考文献
第5章 一定軸力と変動水平力を受ける
コンクリート充損角形鋼管柱の葬塑性挙動
� 5. 1 序
� 5. 2 実験
5. 2. 1 実験計画 5. 2. 2 試験体
5. 2. 3 加力装置および加力方法
5. 2. 4 測定方法
5.2.5 実験結果
� 5. 3 考察
5. 3. 1 弾塑性挙動
5. 3. 2 ひずみ挙動
5. 3. 3 曲げ耐力
51 52
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・・112 .. .. 112
・・113 .. 116
・・116
. . 121
・・124
5. 3.4 変形能力
5. 3. 5 コンクリート充填鋼管に対する幅厚比の制限値
8 5. 4 結論
第5章の参考文献
第6章 角形鋼管柱, 円形鋼管柱
およびコンクリート充墳角形鋼管柱の変形性能
8 6. 1 序
8 6. 2 各種規準, 指針の検討
6. 2. 1 構造計算指針 ・ 同解説
6. 2. 2 建築耐震設計における保有耐力と変形性能(1990) 6. 2. 3 鏑構造限界状態設計規準(案〉 ・同解説
8 6. 3 結論
第6章の参考文献
第7章 一定軸力と繰返し曲げを受ける
鋼・ コンクリート合成断面の終局状態
8 7. 1 序
8 7. 2 解析
7. 2. 1 問題の設定および解析仮定 7. 2. 2 解析方法
8 7. 3 解析結果と考察 7. 3. 1 解析パラメータ 7. 3. 2 結果と考察
8 7. 4 結論
第7章の参考文献
第8章 総括 謝辞
.. .. 128
・・ ・・129 .・・129
・・130
-・132
・・133 . .. 134
・・134 .. 139
・・141 . .. 142
・・142
.. .. 143
・・144 .. 145
・・145 .. 146
・・ ・・150
・・150
・・150 .・・159
・・159
. . 161
. . 166
第1章 序論
ä 1. 1 研究目的
本論文は地震力に対応する荷重を受ける鉄骨系柱材の挙動を明らかにすることを研 究目的とするが, 以下に関連する既往の研究の概観および本研究の意義について記す.
建築構造物の耐震設計および塑性設計に関連して, 骨組を構成する部材, 接合部,
骨組を対象として, これまで数多くの研究が実験・解析の両面からなされてきており,
最大耐力, 変形能力, 復元力特性等に関して多くの知見が得られている.
本論文が対象とする鋼構造の柱材に対する既往の研究を概観すると, 1 9 6 0年代 半ばよりH形鋼柱材の弾塑性性状を調べるための研究が始められ, 近年では局部座屈 や横座屈現象まで含めて数多くなされてきている. それらの研究成果は, I鋼構造塑 性設計指針1.1>J, I地震荷重と建築構造の耐震性(1976) 1.2lJのなかに発表 されている.
ところで, わが国における建築構造物の構造設計法に関しては, 1 9 8 1年までは 基本的には許容応力度設計法であり, 応力を求めるときに構造物を弾性体として取り 扱っていた1 .3) すなわち, 構造物各部の応力を想定される荷重に対しての弾性応答 として計算し, その応力を許容応力度以下にすることにより, 構造物の安全性を確認 していた. その後, 1 9 8 1年6月に建築基準法施行令のうち耐震関 係の規定が改訂 された1. 4 ) この設計法では, 大地震に対する建築物の安全性を確認するため, 建物 各層の保有水平耐力, 構造特性を表す係数D sを評価することが定められている. ま た, 1 9 9 0年には, I鋼構造限界状態設計規準〈案) ・ 同解説1.5) Jが発表されて おり, ここでは地震荷重だけでなく全ての荷重に対して, 終局限界状態設計をする事 が規定されている.
これらの設計法を確立するため, また鋼構造ではその特徴の一つである高い塑性変 形能力を考えると, 強度に期待する設計法よりも, 靭性に期待する設計法が合理的で あり, 外力を受けたときの構造物の最大耐力だけでなく, 変形能力, エネルギー吸収 能力を明らかにする必要 がある.
骨組に地震力が作用したときの崩壊形式としては, はり崩壊形あるいは柱はり接合 部パネル崩壊形が望ましいと言われているが, 骨組が崩壊メカニズムになるには一般 に最下階柱脚部での塑性ヒンジの形成が必要であること また 他の骨組構成要素と の耐力割合や骨組の挙動を正確に予測するためには, 柱材の挙動を明らかにすること は, 耐震設計上きわめて重要である.
したがって, 本研究の目的は, 構造物を構成する部材要素のうち, 地震力に相当す る外力を受ける柱材の弾塑性挙動を明らかにすることである. 建築構造物の柱材の断 面構成は, 鋼構造, 鉄筋コンクリート構造等, 構造種別に対して数多くのものがある が, 本論文ではH形鋼 角形鋼管 円形鋼管 コンクリート充填角形鋼管を断面とす る柱材を研究の主対象としている. これらの断面を持つ柱材を研究対象とした意義は 以下のものと考えている.
H形鋼柱材に関しては, 前述のように数多くの研究がなされているが, 本論文では,
それまで主として行われていた断面の強軸曲げに対する挙動ではなく 任意方向から 水平力が作用し, 軸力と2軸曲げを受ける場合の挙動を対象としている. H形断面の ように, 断面の強軸と弱軸に対する剛性および耐力に大きな差がある断面では, 任意 方向からの荷重を受けた場合の挙動を明かにしておくことは, 地震時には地震動の水 平2方向の成分による任意方向からの水平力が作用することを考え れば, 耐震設計上 重要であると考えられる.
鋼管断面柱材に対しては, 新耐震設計法1 • 4)における1次設計で層間変形角の制限 が出来て以来, 建築物の柱材として角形鋼管の使用が大幅に増加したにもかかわらず,
その弾塑性挙動を明らかにするための研究はほとんどなく, その耐震性能も明かにな っているとは言えない状況であった. また, 円形鋼管も角形鋼管ほどは使われてはい ないが, 建築構造物の柱材として使われているのに, 研究はほとんど見られない状況 であった. 研究の少なかったのは, 鋼管柱はH形鋼柱より振れに対して強いため, 構 面外安定度が高く, したがって安全であると考えられたためもあるが このように研 究の少ない状況の下で, 実際の建築構造物に用いられている角形鋼管柱, 円形鋼管柱 の弾塑性挙動を明かにすることは重要であると考えられる.
コンクリート充填角形鋼管柱に対しては, 角形鋼管の幅厚比が「鋼構造設計規準1.
3) Jに規定されている幅厚比制限値以内の板要素を持つ柱材に関しては, かなりの実 験が行われており, その弾塑性挙動も明かにされている. しかしながら, 角形鋼管に コンクリートを充填すれば, 鋼管の局部座屈モードが中空鋼管の場合とかわること,
また, 座屈後は鋼管が受けもっていた軸力をコンクリートが受け持つことにより座屈 後挙動が改善され, 板要素の幅厚比の大きい角形鋼管を用いても, 中空鋼管柱材に比 べてよい挙動が期待でき, その結果としてコンクリートを充填した角形鋼管の幅厚比 制限値は緩和できると考えられる. しかしながら, 幅厚比の大きい板要素よりなるコ ンクリート充填角形鋼管柱の研究は少なく, 実験的に検証されてはいなかった. 本論 文では, 幅厚比の大きい板要素よりなるコンクリート充填角形鋼管柱材の挙動を調べ,
中空鋼管に対して規定されている幅厚比制限値はコンクリートを充填することにより どの程度まで緩和できるかついて考察した. コンクリートと鋼管の相互作用を考慮す ることにより, 充填鋼管に対して幅厚比を緩和する事が出来れば, 鋼とコンクリート の合成効果を考慮した合理的な設計を行えることになり意味をもっと考える.
以上のように本研究の特色は, 近年, 鋼構造の柱材として使われており, その挙動 が明かにされていなかった柱材の挙動を調べたことにある.
-3-
� 1. 2 論文概要
本論文は, 本章「序論」 および, 全体の総括を行った第8章「総括」を含め, 8章 より構成されている. 第2章から第7章は, 以下に示す内容になっている.
第2章 一定軸力と任意方向水平力を受けるH形鋼柱材の弾塑性挙動 第3章 一定軸力と変動水平力を受ける円形鋼管柱の弾塑性挙動 第4章 一定軸力と変動水平力を受ける角形鋼管柱の弾塑性挙動
第5章 一定軸力と変動水平力を受けるコンクリート充填鋼管柱の弾塑性挙動 第6章 角形鋼管柱, 円形鋼管柱およびコンクリート充填角形鋼管柱の変形性能 第7章 一定軸力と繰返し曲げを受ける鋼・コ ンクリート合成断面の終局状態
各章は, その章の研究目的および既往の研究の概要について述べた「序J , 研究方 法および結果の考察を行った「本文J , およびその章で得られた知見を述べた「結論」
で構成されている. 以下lこ第2章から第7章までの概要を記す.
第2章は, H形断面柱を対象として, 一定軸力と任意方向水平力を載荷する実験を 行い, 水平力の方向および軸力比が弾塑性挙動および耐力に及ぼす影響を調べること を目的とする.
試験体は, S S 4 1の圧延および溶接H形鋼である. 実験変数は(1)水平力の方向,
(2 ) 軸力比, (3)加力方法を選んだ. 試験体数は合計1 3体である.
実験結果から, 単調載荷を受ける試験体は, 弱軸曲げに対応する強軸方向変位が最 大耐力以後急増し, 軸力比が大きい場合には弱軸方向変位はある限度以上ふえないこ とを示す. また, 繰り返し挙動は, 荷重方向の変位振幅を一定にとっても, 荷重と荷 重直交方向の変位の関係が原点に対して点対称とならず, 一方向に偏る場合があるこ と等を示した.
また大変形域での挙動を予測するための剛塑性解析および種々提案されている柱材 の設計式の検討を行うことにより 単調載荷を受ける試験体の大変形域での挙動は,
剛塑性解析により1軸曲げの場合と同じ程度の精度で, 概ね説明できること, 最大耐 力に関して種々提案されている住材の設計式を 節点の横移動があり材端に塑性ヒン ジが形成される柱材に直接適用すると節点移動のない場合に比べより安全側になるこ と等を示した.
第3章は, 円形鋼管柱を対象として, 一定軸力と変動水平力を載荷する実験を行い,
鋼管の径厚比, 軸力比が弾塑性挙動および耐力に及ぼす影響を調べること, 現行の柱 材の設計式を検討することを目的とする.
試験体はST K 4 1の電縫鋼管またはSS 4 1の鋼板より製作した鋼管である. 実 験変数は, (1)鋼管の径厚比, (2)軸力比, (3 )加力方法, (4)熱処理の有無を選んだ.
試験体数は合計2 8体である.
実験結果より, 径厚比が4 0と小さい試験体でも局部座屈の発生により抵抗力が低 下することを示した. また, 曲げ耐力, 変形能力は径厚比が大きくなるにつれて低下 することを示し, その評価式を求めた.
設計式に関しては 鋼構造設計規準による設計式は径厚比が規準の制限値を超える 場合でも, 安全側に耐力を評価出来ること, 鋼構造塑性設計指針による設計式は, 指 針による径厚比制限値を超える場合には, 危険側になる場合もあるが, 比較的正確な 耐 力評価をしていることを示した. 終局曲げ耐力に関しては, 径厚比が4 0と比較的 小さい場合でも 計算による全塑性モーメントを期待できない場合があることがわか った. また, 本実験結果より変形能力の予測式を提案した.
第4章は, 角形鋼管柱を対象として, 一定軸力と変動水平力を載荷する実験を行い,
角形鋼管の幅厚比, 軸力比が弾塑性挙動および耐力に及ぼす影響を調べること, また 柱材の設計式の検討を行うことを目的とする.
試験体はSTKR41 の角形鋼管およびSS 4 1の鋼板より製作した角形鋼管であ る. 実験変数は, (1)角形鋼管の幅厚比, (2)軸力比を主な変数に選んだ. 試験体数は 合計3 8体である.
実験結果より, 幅厚比が大きくなるとフランジの局部座屈に引き続くウェプの局部 座屈により急激に抵抗力が低下し, 終局曲げ強度は全塑性モーメントを期待できない ことを示した. 鋼構造設計規準の幅厚比制限値を超える板要素よりなる角形鋼管柱の 曲 げ耐力の評価は 幅厚比制限値を超える部分を無効とする有効幅の概念、を用いた降 伏モーメントでほぼ安全側に評価出来ることを示した. また, 柱材 の設計式に関して も, 有効幅の概念を用いれば, ほぼ安全側に耐力を評価出来ることを示した. また変 形能力の評価式を既往の研究を含めて検討した結果, 比較的よく変形能力を予測して いることを示した. 次に 局部座屈崩壊形を仮定した解析を行い, 実験結果と比較する ことにより幅厚比が33--47程度でフランジの局部座屈とウェブの局部座屈がほぼ 同時に発生し, 急激な抵抗力の低下の見られる角形鋼管柱の局部座屈後挙動は比較的 よく追跡できる事を示した.
第5章は, 一定軸力と変動水平力を受けるコンクリート充填角形鋼管柱および中空 鋼管柱の実験を行い, 弾塑性変形挙動を実験的に検討し, 充填コンクリートの効果を 考慮した角形鋼管の幅厚比制限値を求めることを目的とする.
主な実験変数として, (1)コンクリート充墳の有無と(2)幅厚比をとり, 合計2 6体 の実験を行った. この実験の特長は幅厚比の大きい角形鋼管〈幅厚比47--94)を用い たことである. 実験結果より, 中空鋼管に対して規定されている幅厚比制限値を超え
-5-
る板要素よりなる角形鋼管でも, コンクリートを充填することにより, 中空鋼管に比 べて耐力, 変形能力は著しく向上することを示した. この理由は鋼管が局部座屈した 後, 鋼管が受け持ってい た圧縮力がコンクリートに移るためであることをひずみ挙動 から明らかにした. また, コンクリート充填鋼管に対しての幅厚比制限値は耐力・変 形能力の観点から 中空鋼管にたいする値の2倍程度緩和出来ることを示した.
第6章は, 円形鋼管, 角形鋼管およびコンクリート充填角形鋼管柱材を対象とし,
「構造計算指針・同解説J 1.4), I建築耐震設計における保有耐力と変形性能J 1.6) 及び「鋼構造限界状態設計規準(案〉・同解説J 1.5) で変形性能に関して設定されて いる値の妥当性を, 第3章から5章の実験結果をもとに検討することを目的とする.
各種指針, 規準で変形性能に関して提示されている数値の妥当性を論じた. また同 じ変形性能と期待される寸法制限を持つ円形鋼管と角形鋼管を比較すると, 円形鋼管 の方が角形鋼管に比べて変形性能は優れていること, コンクリート充填角形鋼管柱材 は, 幅厚比が鋼構造設計規準の幅厚比制限値の2倍程度であっても, 各種指針, 規準 で規定されている, 少なくとも2番目のランクに対応している事を示した.
第7章は, 一定軸カと繰返し曲げを受ける鋼・ コンクリート合成断面の抵抗モーメ ントおよび断面重心のひずみ挙動に及ぼす軸力の大きさの影響を, 解析的に明らかに することを目的にする.
鋼材の応力度一ひずみ度関係をノゼイリニア, コンクリートの応力度一ひずみ度関係 をひずみ限度のある剛塑性体として, 問題を「一定軸力のもとで, 定曲率振幅繰返し 曲げを受ける鏑・ コンクリート合成断面の曲率反転点の抵抗モーメント, 断面重心の ひずみ度を求める」こと設定し, 差分方程式を用いて解析解を求めた. 解析変数とし て, (1)鉄骨係数および(2)コンクリートの圧壊ひずみ度を選んだ. 解析結果より, 一 定軸力と定曲率繰返し曲げを受ける断面のひずみ挙動は, 圧縮力の大きさにより5種 類に分類できることを示し, 圧縮力が小さい場合には抵抗モーメントが荷重の繰返し のあと一定値となり, 曲げ耐力の低下のない安定した挙動を期待できることを示した.
第1章の参考文献
1. 1)日本建築学会:鋼構造塑性設計指針, 1975.11.
1. 2)日本建築学会:地震荷重と建築構造の耐震性(1976), 1977.1.
1. 3)日本建築学会:鋼構造設計規準, 1970.5.
1. 4)日本建築センター:改訂建築基準法施行令新耐震設計基準に基づく構造計算指針 -同解説, 1981. 2
1. 5)日本建築学会:鏑構造限界状態設計規準(案〉 ・ 同解説, 1990.2.
1. 6)日本建築学会:建築耐震設計における保有耐力と変形性能(1990), 1990.6
第2章 一定軸力と任意方向水平力を受けるH形鋼柱材の弾塑性挙動
-7-
� 2. 1 序
鋼構造物の耐震安全性, 塑性設計法に関連して, 数多くの研究が実験・解析の両面 からなされている. 今日では, 荷重が構面内に作用する場合については, 部材および 品組の弾塑性性状が局部座屈現象や曲げ振れ座屈現象を伴うものまでも含めて調べら れ, 最大耐力・変形能力等に関して多くの知見が得られている2.1) .2.2)
しかしながら, たとえば柱材には, 荷重状態、が常時では構造物が立体的に構成され ていることから軸力と2主軸まわりの曲げモーメントが, 地震時には常時の荷重に加 え, 地動の鉛直方向成分を無視するとしても, 水平2方向の成分による任意方向から の水平力が作用するものと考えられる.
一方、 現在の地震時に対する構造設計では, 建物の平面が特殊な形になっている場 ム以外は, 水平力は縦横2方向に別々に作用するものとしているが, この仮定は比較 的発生ひん度の高い中規模の地震に対して, 骨組の各部を弾性にとどめるという現行 の1次設計の方針の下では妥当である.
しかし, きわめてまれな大地震に対するように, 骨組が塑性坂に入ることを許容す る場合には, 弾性時のように重ね合わせの原理が成立せず, 断面力問の相互作用によ り骨組は複雑な挙動を示すものと考えられる. したがって, 大地震に対する構造物の 終局的な耐震安全性を検討するためには, 3次元的な外力に対する構造物およびその 構成部材の立体的な挙動が明らかにされる必要があろう.
ところで本章が対象とする軸力と2軸曲げを受ける柱材に関する研究は圏内, 国外 にわたり理論的, 実験的に数多くなされている. しかしながらこれらの研究は主とし て塑性設計法に関連するものであり 最大耐力および柱材の設計式の検討に主眼が置 かれ, したがって対象とする材の支持条件は両材端がピン支持, 荷重条件は材の両端 に一定軸力と2主軸まわりの曲げモーメントあるいは2軸偏心圧縮力が単調に作用す
る場合のものがほとんどである.
一方, 耐震安全性に関連しては, 構面内に関するものと同様に, 節点が横移動する 品組および部材の, 水平耐力だけでなく耐力後の挙動, さらに繰り返し荷重の下での 挙動が重要である.
このような観点からの研究としては, 柱材に対しては藤本ら2.3), 鈴木ら2.4), 高 梨ら2.5) .2.6)による研究が挙げられる. 藤本らは 一定軸力と繰り返し2軸曲げモー メントを受ける部材に関して簡略化した弾塑性解析法を提示し 厳密解と比較するこ とにより, その妥当性を確かめている. 鈴木らはH形鋼柱材の繰り返し2軸曲げ実験 を行い, 載荷方向によるエネルギ-吸収能力の相違を検討している. また高梨らは,
一定軸力下で繰り返し水平2方向変位を柱材に与える実験を行い, 載荷方向, 載荷履 歴が弾塑性挙動に及ぼす影響を検討し さらに電算機一試験機オンラインシステムを 利用して, 水平2方向の地震入力を受けるH形鋼柱の応答性状, 崩壊過程を調べてい る. しかしながら構面内挙動に関する研究に比較すると, 実験的には技術的困難さ,
理論的には計算の煩雑さ, また両者ともに考慮すべきパラメータの数の多さのため,
未だにその挙動が明らかにされているとはいえない.
したがって, 本章の目的は, 耐震 設計に関連して, 地震時の骨組の挙動に重要な影 響を与えると考えられる構成部材である柱材が, 一定軸力と任意方向水平力を受けて 横移動する時の弾塑性挙動を明らかにすることである.
まず上記の荷重条件の下での柱材の挙動を 実験的に調べることの出来る装置を開発 し, つぎにその装置を用いて, 柱材として広く使用されているH形鋼柱を対象として 載荷実験を行い, 種々の実験パラメータが弾塑性挙動に及ぼす影響を検討した.
さらに単調載荷を受ける柱材の大変形域での挙動は, 簡単な岡IJ塑性解析で大略予測 できることを示し, また種々提案されている軸力と2軸曲げを受ける柱材の設計式よ り得られる耐力と実験により得られた最大耐力を比較することにより, 柱材の設計式 の検討を行った.
� 2. 2 実験
2. 2. 1 実験計画
一定鉛直荷重の下で, 断面の主軸と角度を持つ変動水平力を受けるH形鋼柱の弾塑 性挙動を調べるために,
( 1 )水平力の方向。(図2. 1参照): 0.. IS. .30. .60. . 90. ,
( 2 )軸力比n (=P /P Y. P:一定鉛直荷重. Py:柱の降伏軸力): O. 1. 0.3.
( 3 )加力方法:単調加力と繰返し加力,
を主な実験変数として, 実験計画をたてている.
2. 2. 2 試験体
試験体は, 鉄骨骨組が水平力を受けるときの柱材の反曲点と材端の聞を抽象化した もので, 2主軸回りの曲げおよび振れに対して一端固定, 他端自由の境界条件となる 片持柱である.
試験体に用いたH形鋼は, S S 4 1の圧延H形鋼(公称H-IOOx 100x 6x 8)を基準と
したが, S S 4 1の鋼板より溶接によって製作したH形鋼(H-100x 100 x 3.2 x 3. 2. H-
13Sx 100X 3. 2x 3.2)を2体加え, 計1 3体の実験をおこなった. 全試験体とも焼き なましは行っていない. 図2. 1に試験体の形状・ 寸法を示す. 試験体の上端部には,
試験体を球座に取り付けるため, 下端部には, 試験体を加力装置に固定するために鋼 板を溶接している. 試験体材長は固定端と球座の中心までの距離で7Scmで、ある.
各試験体の実験条件ならびに断面の実測寸法を表2. 1, 鋼材の機械的性質を表2.
2に示す.
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図2 . 1
試験体と座標
表2 .1
実験条件と断面の実測寸法
NAME D B tw tf 。 2見/ix 2兄/iy materia1
(cm) (cm) (cm) (cmう n
I-130 10.18 10.10 0.570 0.766 0.1 30<> 35.0 60.1 A I-300 10.15 10.12 0.582 0.767 0.3 00 35.2 60.1 A I-315 9.86 9.99 0.566 0.771 0.3 150 35.5 61.8 B I-330 10.18 10.10 0.582 0.768 0.3 300 35.1 60.3 A I-360 10.15 10.13 0.580 0.769 0.3 600 35.2 60.1 A I-390 10.17 10.11 0.580 0.774 0.3 900 35.1 60.3 A 1I-130 10.18 10.11 0.590 0.771 0.1 300 35.2 60.3 C 1I-300 10.13 10.09 0.578 0.764 0.3 00 35.3 60.3 A 1I-330 10.15 10.10 0.573 0.771 0.3 300 35.2 60.1 A 1I-360 10.12 10.12 0.578 0.770 0.3 600 35.3 60.0 A IT-390 10.13 10.11 0.573 0.767 0.3 900 35.3 60.1 A I-W 9.96 9.93 0.317 0.320 0.3 30日 35.2 63.6 D I-M 13.55 9.95 0.320 0.323 0.3 300 26.4 67.0 E
D:断面せい B:断面幅 tw:ウエプの板厚
n :軸力比(=P/Py) Py:降伏軸力 ι:材長(固定端からヒンジまでの距離)
i x, i y :それぞれx軸回り、 y軸回りの断面2次半径
t f :フランジの板厚
表2.2
鋼材の機械的性質
materia1
(t。/"
C
m2) (tu /u cmL)εu εst
(%) (%)
A f1a�ge 2.87 4.27 26.9 2.33 web 3.68 4.67 18.4 2.59 B f1a?ge 3.12 4.68 26.2 2.52 web 3.41 4.76 21.8 2.49 C f1a?ge 2.92 4.36 27.4 2.32 web 3.94 4.87 16.6 2.50 D f1a�ge 3.05 3.72 34.4 2.45 web 3.06 3.72 32.8 2.61 E f1a?ge 3.01 3.65 22.9 2.50 web 2.97 3.61 22.9 1.90
ma民rial:表2.1の最終欄に記した記号に対応
。y:降伏応力度 ∞:引張り強度
εst/εy 16.9 14.2 17.6 15.4 16.7 13.3 16.8 17.9 17.1 13.4
εu:伸び 臼t :ひずみ硬化開始時のひずみ度 Est/E
(%)
1.58 1.71 1.62 1.39 1.43 1.22 1.46 0.97 0.90 0.92
εy 降伏ひずみ度 E ヤング係数 Est:ひずみ硬化係数
2. 2. 3 加力装置および加力方法
加力装置の模式図を図2. 2 (a)に示す. 本 装置は, 片持柱形式の試験体に対して,
( 1 )試験体上端では断面の2主軸に関する曲げおよび振れに対して自由である, (
2 )試験体下端では固定である, ( 3 )水平力の作用点と方向は常に一定で変化しな い, という条件の下に設計されている.
実験は, 鉛直荷重Pを試験体①に500ton1Å^7-型試験機②で、加え, 一定に保持した
あとにtイルγ刊キ③で準静的に水平力Hを加えた. 試験体の柱脚部は, 支持ピーム④にP C鋼俸を用いて固定されているが, 試験体断面の主軸を支持ビームの材軸と角度をもっ て設置することにより, 断面主軸と任意の角度を持つ水平力を載荷することができる.
水平力を載荷することによって起こる水平2方向の変位は, 試験機イマドと支持ビーム の間に直角2方向に口-7⑤, ⑥を挿入することにより, 支持ピーム全体が任意方向に移 動することで生じる〈図2. 2 (a)に白矢印で支持ピームの動きを示している). 水平 力載荷のオイルジ,.什部分にロ-7⑦を設置していることにより, 支持ピームの動きに拘らず 水平力の作用点と方向は常に一定である. 柱頭では球座⑧(図2. 2 (b)参照)がヘ-1 リンゲ⑨を介して加力盤⑪に組み込まれており2主軸回りの曲げについてピンとなってい る. また加力盤に組み込まれているヘ-7リンゲと加力盤の上に設置したへ'了リけ'⑪により 振 れについては自由である. さらに球座が組み込まれた盤が試験体の縮みに追随でき るようまた回転を起こさず, 常に柱脚と平行になるように4本の伸縮可能な1ニハ'ーサル γョイント⑫を設けている.
水平力の加力方法は2つのシリーズよりな っており, 単調載荷の実験(シリーズ1 ) は, 単調挙動に主眼をおいた大変形域での挙動を調べるためのものであり, 加力装置
の能力の範囲内あるいは試験体に載荷した軸力が維持できる範囲内で, 処女載荷時に できる限り大きい水平変位を与えた. 処女載荷以後も できるだけ大きい変位振幅で
1サイクルの繰り返し加力を行った.
繰り返し載荷の実験(シリーズ 1 1)は, 比較的小さい変形域での繰り返し挙動を 調べるためのものであり, 加力方向変位(u. 図2. 1参照)と材長( 1 )の比が,
己/1 =i:O.Olの一定振幅で水平力を4サイクル加えた. その後, 変位振幅を4サイ クルごとに0.01づっ増加させた.
11tf11111'tie--t''s 」
①
(
a) 加力装置
図2.2""�
Spherical 8earing '-...
f11 仏U 、、E,,, 球座
図2.2
2. 2. .( 測定方法
鉛直荷重は試験機の計測部, 水平力は:/ \'什先端部にとりつけた5トン容量のロードセルで 測定した. 加力方向変位は, 支持ビームと加力盤の相対変位を支持ピーム上に設置した変 位計で計測した. 同時に支持ピームの加力方向変位, それに直角方向変位を試験機ヘ'け
,に設置した変位計で計測した.
2. 2. 5 実験結果
( 1 ) 荷重一変形関係 a )単調挙動図2. 3 , 図2. 4 にジリース, 1の荷重一
変形関係を示す. 横軸に示す変位U, Vは, それぞれH形断面主軸のxおよびy方向 変位であり(図2. 1参照), 変位計で計測した水平加力方向変位E, それに直交する 方向の変位亨を座標変換することにより求めた.
図2. 3には(H-100X 100x 6X 8)の断面を持つ試験体の荷重変形関係を示している.
最大耐力は軸力比nあるいは水平力の方向。が大きくなるにつれて, 小さくなる. 変 位uは軸力比, 水平力の方向に拘らず最大耐力あたりより急増し, Hとuの関係はほ ぼ直線的である. 変位vは軸力比の影響を大きく受け, 軸力比がO.1の場合は増加す るが, 軸力比がO.3で2軸曲げを受ける場合はある限度以上ふえない.
図2. 4に試験体ト1卜Mの荷重変形関係を示している. これらは77ï:;' . ?工7'の幅 厚比が16. 27および16.38であり, それぞれ, 77ï:;'だけ, あるいは77ï:;' • ?工7'両方と も許容応力度設計の幅厚比制限値に近い値を持つ試験体である. 試験体トWは図中の 点線の位置で軸力が維持できなかった. その後逆方向載荷でウ工7'• 77ï:;'が局部座屈し た後, 軸力を 維持出来ず崩壊した. 試験体1-Mは最大耐力以前に77ïγが局部座屈を起 こし抵抗力が低下した.
b)繰り返し挙動 図2. 5にジリ-^'11の実験結果をシリース, Iのものと同時に示す. 図 中, 横軸は加力方向変位五および加力方向と直角方向の変位vである. 繰り返し挙動 は, 軸力比と角度の影響を多大に受ける. 水平力の方向。が30 0 の2軸曲げを受け 軸力比がO.1の試験体のH-Y関係は実験の間安定しており, 同じ変位振幅( u / 1 ) のもとでは各サイクルほぼ同一の履涯を示す. 一方, 軸力比がO.3の場合には, H
U関係は変位振幅が::tO.Olのときは, 軸力比がO.1のときと同様各サイクルで同一の 履歴を示し安定しているが, ::t0.02になると, 変位Uは1方向に偏り始め, さらに変 位振幅が::t0.03となると最初の村川で変位17が急増し, 試験体は軸力が維持できず崩 壊した. 同様の傾向がe = 600 の場合にも認められるが, 300 の場合ほど顕著ではな い. 強軸曲げを受けるe = 0。 の試験体は局部座屈が生じた後, 変位vが急増した.
一方, H-u関係は, 変位予が多少1方向に偏り始めてもそれほど大きな影響を受 けず, 原点に対して点対称となる紡錘形の履歴を示す. しかし, 軸力比n= 0.3, e
= 00 .300 の試験体に観察されるように, H-Y関係で変位17の偏りが大きくなるに したがい, 復元力の低下がみられる. 水平力の方向。が900 の試験体は実験終了時ま でH-u関係は安定しており水平力の角度。が大きいほど最大耐力は低下するが, 安 定性は高いといえる.
3
(ton)
H 2一一一一0一一一TEST
一-一.--
MECHANISM CURVE(l}ーー一一-ー旧CHANISM CURVE(2}
1-390
。 2 (a) 3 4 u (cm)
H (ton)
2
1
、
、\
\
\
\ \ 1-315
。 1 2 (c) 3 4 u {cm} 0
2
( ton)
Hー ー ー ー ~ ー
1-130
。 2 (e) 3 4 u (cm) 0
2
( ton)
H、、、、、、---
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....1-330
o 1 2 ( g) 3 4 u (cm ) 0
H ト九、 n
(ton)1 - > ぐア古本� (ton)
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ト 〆J -......:. ご子、 --九__ 1I cf 、、で-、 "u--ー喝、』
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1-360ごと~o 1 2 ( i) 3 4 u (cm ) 0
) nH nu ゐL ,,,,‘、 H門 司d
2
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3 H
(ton)
2
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4 v (cm)H (ton)
2
“・・ ‘、
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1
1-315
1 2 (d) 3 4 v (cm)
2
( ton)
H2 (f) 3 4 v (cm)
1-330
4 v (cm)
司4J 、、,,h 〆,‘、 内ノι
、、、 、
、、、、、、\ \ 、、、、1-360
、、 、、
4 v (cm)
司ぺd 、‘,J・可J r,‘、 司〆ι
‘‘.,, n o φL '''z、!
Hn
「3
2
2 (1) 3 4 v (cm)
図2.3
H-u, H-v関係
、‘‘.,,nH O +L ,,sz‘、Hn可』
I-W I-M
(a)
図2.4 H-u. H-v関係
一→---Series 1 Series n
H
I�ゆ)
3 2
1-300 11-300
ζJ
(cm) -2 -3
L. 5
V
(cm)
1-330 11-330
j p・』E・( 「喝》
図2.5 H-u, H-v関係(つづく)
-15-
H
I(ton)
3
引(g)
1-360 II -360
-3 -2
H
H
I(ton)
3
引(i) 図2.5
H-u, H-v関係(つづき)
1-360 II-360
3 -
V
(σn)
( 2 )歪度分布 図2. 6に処女載荷時の最大耐力点、および除荷開始点での歪度分 布を示す. 歪度の測定位置は柱脚より2. 5cm上の断面であり, 歪度分布は貼付した8 枚のワイヤストレインゲージ'によるものである. 図中に2枚の77ï:;'の歪度がOになる点を一点、
鎖線でむすんでおり, これを中立軸と考えると, ウエ7の歪度がOになる点と中立軸が ウエ7と交わる点がほぼ同じ点であること, 77ï〆, ウ工7'各板要素で歪みが線形に変化 しており, かっ2枚の77ï:;'の歪み勾配が等しいことより, 除荷時まで大略, 平面保 持の仮定が成立しているのが観察される.
ε
(阿) (U) (阿) (U) � (阿) (U)
20
X�-!
\ 10 1。01-130 20
(阿)
lA
一一.-.-Neutra1I-330 Axis(( 刊)) ; S t a t e o f f阿�axi訂村rr川『
U); State of Un10ading
1 11 1/:
v ‘
I-360 I-390
図2.6
最大耐力および除荷時のひずみ度分布
2軸曲げを受ける試験体のうち, 軸力比がO. 1の場合は, 最大耐力時と除荷時の 間で中立軸の位置はほとんど変化していないのに対し, 軸力比がO. 3の場合は中立 軸は, 弱軸曲げ成分が車越する方向に移動, 回転していることがわかる. 特に8 =600 の試験体は除荷時には, 概ね弱軸曲げを受ける8 =900 の試験体の歪度分布と等しく なっている.
ä 2. 3 解析
2. 3. 1 剛塑性解析
一般に軸力と2軸曲げを受ける材の挙動を規定する支配方程式は, 幾何学的非線形 を考慮すれば軸力, 曲げおよび振れに関して連成した4個の釣合微分方程式と境界条 件で表され, 材料非線形までも含めるとこの解を求める事は極めて煩雑である. しか しながら, 単調載荷を受ける柱材が崩壊機構に達した後の, 大変形域での荷重一変形 関係は振れ変形を無視すれば, 比較的簡単に計算することができる. ここでは, 柱材 が崩壊機構を形成したときの状態を調べるために 柱脚に塑性ヒンジができたとした 時の崩壊曲線( 1 )を以下の仮定の下に求めた. 1)軸力と2主軸回りの曲げをうけ るH形断面の全塑性条件は牧野2.7)により定式化されたものを用いる. 2)振れ変形 は無視し, 塑性ヒンジは柱脚にできる.
以上の仮定のもとで, 問題を「一定軸力P, 変動水平力Hおよび水平力が断面のy 軸となす角度Oを与えたときの, 柱頭の水平2方向変位U, V, 柱脚のモーメントM pcx, Mpcyを求めること」と設定する. ここでP, Mpcx, Mpcyは断面の全塑性状態 での中立軸の位置を表す図2. 7に示したノマラメータ- a, bで表現することができ,
さらに, 変位ベクトル(U, v)は中立軸に直交する条件(図2. 7参照), および x軸, y軸まわりの曲げモーメントの釣合い条件を加えて, 計6個の方程式が得られ る.
これらの方程式の根を得るには, 一般には高次の 代数方程式を解くことが必要となる. したがって解
V
析解を得ることはできないため, ここでは数値的に 6個の未知数U, v, M pcx, Mpcy, a, bを求め 7こ.
2方向水平力を受ける場合の荷重一変形関係は,
l方向水平力を受ける場合のように直線にはならな いため, 逐次, 水平力Hの値を減少させ対応する変 位U, Vを計算することにより求めた.
\� (u,v)
u
2. 3. 2柱材の設計式
実験により得られた最大耐力を, 種々提案されている軸力と2軸曲げを受ける柱材
図2.7
s 関 係
3.汀
の 山ん 位
剛
μb判 取 -Y ホ え
ー17-
の設計式を用いて得られる耐力と比較することにより, 設計式の検討および設計式相 互の比較をおこなった.
現在までに耐力式として提案されている柱材の設計式は, 両端ピン支持の境界条件 を持ち, 軸力と2軸曲げを受ける個材を対象としており, また最大モーメントを受け る部分が材の中央付近にあることを前提としている. したがって, 荷重条件・ 境界条 件ともにここで行った実験とは直接には対応してはいないが, 設計式をそのまま適用 して耐力を計算した.
検討を行った式は, (1) SSRC2.8), (2) Ch e nら2.8), (3) ECCS 2.9), (4)鋼構造塑性設計指針2.2}, の式である. 用いた式を示す と,
SSRCの式
p/Pu + CmxMx/Mux (l-P/Pex)
+ CmyMy/Muy (l-P /Pey) = 1. 0
Che nらの式
η
( CmxMx/Mucx)
η + (C myMy/Mucy)
ここに η = O. 4 + P /P y + b f / d 孟 1.0
〈但し b f/ d丞O. 3の時, b fはフランジ幅,
Mucx=Mux (l-P/Pu) (l-P/Pex) Mucy=Muy(l-P/Pu) (l-P/Pey)
ECCSの式
( 2. 1)
1. 0 ( 2 . 2 )
( 2 . 3 ) dは柱のせい)
( 2. 4) ( 2 . 5 )
N/Npl + [μx/ (μx-1 ) ] (eβxMx + N e x) /�1plx
+ [μy/ (μy-1 ) ]βyMy/Mply = 1. 0
N/Npl + [μx/ (μx-1 ) ] eβxMx/Mplx
( 2. 6)
+ [μy/ (μy-1 ) ] (βyMy + N e y) /Mply = 1. 0
鋼構造手恒例:設計指針の式
N/Ncrm + CxMlx/ (l-N/NEx) Mcr
+ CyMly/ (l-N/NEy) Mpy = 1. 0
( 2. 7)
( 2. 8)
である. 式中の記号の意味の詳細は各文献に記されているが, それぞれの設計式で同 じ意味の記号をまとめると, 以下の様になる. 柱の作用軸力[P. N] .材端に作用する x軸(y軸)回りの十メントのうち大きいほう[Mx(My).Mlx(Mly)] .曲げ座屈強度[Pu.Ncrm]
.降伏軸力[Py, Npl] , 横座屈そーメント[Mux,Mpl X/ 8 , Mcr] .弱軸回り全塑性モーか卜[Mu y,Mply,Mpy] ,作用軸力とx軸(y軸)回り村?ー荷重の比[P/Pex(P/Pey).1/μx(1/μy), N /NEx(N/NEy)] ,x軸(y軸)まわりの等価曲げ十メント係数[Cmx(Cmy),βx(βy),Cx(Cy)] . またECCS式中の, ex, eyはそれぞれx軸, y軸に関する仮想、の偏心であり, 文献 2. 9) に算定式が与え られている.
これらの式の適用に際して, 横座屈モーメントはx軸回りの全塑性モーメントに等 しいとした. S S R Cの式 (2. 1) に対しては, 対象とする柱材は節点移動がある のでA 1 S Cの推奨しているCmx = C my=O. 85とした. またChe nら, E C C Sの 式では, 節点移動がある場合には等価曲げトメント係数Cmx, Cmy, βx, βyは規定さ れていないが, S S R Cの式と比較するために0.85とした. 鋼構造塑性設計指針の式 ( 2. 8) については, 同指針中に規定されている節点移動がある場合としてCx= C y = 1. 0としfこ.
なおSSRCの式と指針の式は等価曲げトメyト係数を同じにとれば同ーの耐力をあ たえる. E C C Sは式 (2. 6) , (2. 7) のほかに, 材端に塑性ヒンジが形成さ れる場合に対する規定を示しているが, ここでは, 式 (2. 6) , (2. 7) だけを 考え, 両式か ら算定される耐力のうち小さいほうを最大耐力とした. ここでは, すべ て式 (2. 7) により耐力は決定された. 上記の式(2.1),(2.2), (2.7), (2.8)に次式 を代入することにより耐力Hを求めた.
Mx=H 1 cos8 ( 2. 9)
My= H 1 sin8 (2. 10)
以よは, 設計式についてであるが, 柱脚に塑性ヒンジが生じる事を考慮して, 最大 耐力時のx軸方向変位u max, y軸方向変位v maxを仮定することにより最大耐力をも とめた. 計算に必要な断面の全塑性に対する軸力-2主軸まわりのモーメント相関関 係としては, C h e nら2.8)の提案している次式を用いた.
C ( Mx/Mpcx)
C + (My/Mpcy)
ど = 1. 6 - (P/Py)/21n(P/Py)
1. 0
(2. 11) (2. 12)
ここに M X, Myはヒンジ発生点でのx軸, y軸まわりのモーメントであり,
-1 9-
Mpcx, Mpcyは軸力の影響を考えたx軸, y軸まわりの全塑性モーメント, P, P y はそれぞれ柱軸力と柱の降伏軸力である. 最大耐力時の変位umax, v maxの仮定は,
鋼構造塑性設計指針に仮定する層間変位と層高の比として(1/67""1/50)が与えられ ているので, ここでは, 耐力時の柱部材角δ/1 = J u max2+ v ma x2 / 1を1/50とし,
u maxとvmaxの関係は次の2種類を考えた.
1 )変位方向は加力方向と同じと仮定して
umax/vmax= sin8/cos8 (2. 13)
2 )変位方向は材が弾性で軸力が作用しない場合の変位方向と同じと仮定して umax/vmax= (sin8 /1 y) / (cos8 /1 x) (2. 14)
ここに, 1 x, 1 Yはそれぞれx軸まわり, y軸まわりの断面2次モーメントである.
式(2. 11)に次式を代入することにより耐力Hをもとめた.
M x = H 1 cos 8 + P v max (2. 15)
M y = H 1 s i n 8 + P u max (2. 16)
� 2. 4 考察
2. 4. 1 弾塑性挙動
実験結果の項で示したように, 単調加力を受ける試験体のH-u関係はどの試験体 も最大耐力以後ほぼ直線的であり, 荷重の低下とともにx軸方向の変位uが増加して いるのに対し, H-v関係は軸力比の影響を大きく受ける. すなわち2軸曲げをうけ,
軸力比nがO. 3の試験体は, n = O. 1の場合と異なってy軸方向変位vはある限 度以上ふえない. また断面に対しては, 図2. 6に示されるように, n=O. 3, 8
=300 , 60。 の試験体は, 最大耐力時と除荷開始時の間で中立軸が弱軸曲げの方 向に移動, 回転している.
これらの挙動は, 3. 1に示した剛塑性解析による図2. 3に1点、鎖線で示した崩 壊曲線(1 )により大略説明がつく. すなわち, 柱脚断面が全塑性状態になり崩壊機 構を形成した状態で, 塑性条件と釣合条件を満足させるためには, 変位uを一定増分 で増加させても荷重の低下に対する変位vの増加率は小さくなる (図2. 3(d),(f)
, (h), (j)参照) . さらには変位vが減少しなければならない領域がある等, 実験挙動
と差異があるものの2軸曲げを受ける場合の大変形域の挙動は, ここで行った剛塑性
解析により1軸曲げの場合と同じ程度の精度で予測できることがわかる.
また図2. 3のうち2軸曲げを受ける試験体に対しては, 柱脚での2主軸まわりの モーメントMpcx, Mpcyが前記崩壊曲線(1 )のu=v=oでの値を一定に保持すると 仮定したときのH-uおよびH-v直線を破線(崩壊曲線(2) ) で示している. こ の直線と, 実験値あるいは剛塑性崩壊曲線(1 )を比較することにより, 断面力(Mx
, My)聞の相互作用が挙動に及ぼす影響は, 軸力比が大きく, 水平力の方向。が小さい 場合に顕著となることがわかる.
繰り返し挙動についても軸力比と水平力の方向が荷重一変形関係の安定性に及ぼす 影響については, 単調挙動と同じ傾向がある. すなわち. 変位の制御をH-ü関係が 原点に対して点対称となる載荷プログラムで加力を行っ たにも拘らず, 変位振幅("ü/
1 )が大きくなれば, 角度0が小さく, 軸力比nが大きいほど, H-v関係は原点に 対して点対称にならず, 一方向に偏る傾
向がある. 図2. 8に変位反転点の断面 ε(%) 重心の歪度と荷重サイクルの関係を示し
ている. 断 面重心の歪度は柱脚より2.
5 c m上のウエブ中央に表裏2枚貼付し た歪ゲージにより求めた値の平均値を用 いた. 図2. 8を図2. 5と見比べるこ とにより, H-Y関係が一方向に偏り始 める点より, 断面重心の歪度が急激に増 加していること また変位予が偏り始め
2
1 .5
た後の重心軸歪の増加の割合は, 水平力 0.5 の方向。の小さい試験体ほど大きいこと
がわかる.
以上のことから, 軸力比が小さく, 角 度。が大きいほど, すなわち, 弱軸曲げ に近いほど荷重一変形関係は安定してい る.
2. 4. 2 最大耐力
。
図2.8
II-300
4 8
ひずみ度と荷重サイクルの関係
表2. 3に実験より得られた耐力と, 設計式により求めた耐力の比較を示す. 図2.
9にはシリーズIで軸力比nがo. 3の試験体の耐力と水平力の方向。の関係を示す.
実験を行った範囲内ではここで検討した設計式は全て安全側の耐力を与えている. 各 設計式とも1軸曲げを受ける場合よりも2軸曲げを受ける場合のほうが, また軸力比 の大きいほうが, より安全側の評価をしているが, 水平力の方向, および軸力比の変 化に対して安全率(=実験最大耐力/設計式耐力)の変動が少なく, かっ1に近い値 を与える式はC h e nらの提案した式である.
-21-
表2.3 実験耐力と設計式による耐力の比較
Te st SSRC Chen
NAME n 6 Eq. (2.1) Eq. (2.2) (T) (1) (2) I-130 0.1 300 2.28 1.71 2.15 I-300 0.3 00 3.04 2.35 2.35 I-315 0.3 150 2.61 1.47 1.92 I-330 0.3 300 2.09 1.10 1.46 I-360 0.3 60。 1.43 0.88 1.04 I-390 0.3 900 1.23 0.94 0.94 K-130 0.1 300 2.92 1.76 2.21 K-300 0.3 00 3.34 2.34 2.34 TI-330 0.3 300 2.16 1.12 1.47 K-360 0.3 600 1.48 0.89 1.04 K-390 0.3 900 1.67 0.94 0.94 I-W 0.3 300 0.79 0.46 0.60 I-M 0.3 300 0.71 0.50 0.64
C h e nらの提案した式と他の設計式の
相違点は, 柱材の耐力を規定する軸力と2 軸曲げモーメント相関曲面が, 軸力が一定 の場合, 他の式では, 2方向のモーメント (Mx, My)の関係が直線になるのにたい して, C h e nらの式は曲線になることで ある. 断面の全塑性状態に対する(Mx/
M pcx)一(My/Mpcy) (Mpcx, Mpcy:
それぞれ軸力の影響を考慮したx軸, y軸 まわりの全塑性モーメント)相関曲線は,
直線というより楕円形に近いこと, また軸 力比が大きいほど外側にふくらむ傾向のあ ること, さらに柱材の耐力に関する相関曲 線でも同様であることを考慮すれば, 以上 の事が式の中で表現されているCh e nら の式が, 1軸曲げの場合 を単純に拡張した 他の式よりも適切であり, 実験値との対応 が良い.
ECCS Guide
Eq. (2.7) Eq. (2.8)
(3) (4)
1.74 1.46 2.46 2.00 1.54 1.25 1.16 0.94 0.93 0.75 0.99 0.80 1.79 1.50 2.44 1.99 1.16 0.95 0.93 0.75 0.98 0.80 0.49 0.39 0.55 0.43
3
Hmax (ton)
2
。
。。
(Unit:ton) (T) 〈(T2))
((T3) ) (T )
(1) (4)
1.33 1.06 1.31 1.56 1.29 1.29 1.24 1.52 1.77 1.35 1.69 2.081 1.89 1.43 1.80 2.22 1.62 1.37 1.54 1.91 1.30 1.30 1.24 1.54 1.66 1.32 1.63 1.95 1.43 1.43 1.37 1.68 1.94 1.47 1.86 2.28 1.67 1.42 1.60 1.96 1.77 1.77 1.70 2.08 1.71 1.32 1.63 2.03 1.4211.1111.3011.65
Guide
300
Series 1 n=O.3
6006 900
図2.9 最大耐力と水平力の方向の関係
SSRCとECCSの式はほとんど同じ耐力を与える. S S R CとEC C Sの式の 違いは, 軸力が耐力におよぼす影響の考え方が異なり, S S R Cの場合は軸力だけが 作用した場合は, その座屈荷重を基準に, E C C Sの場合は, 基本的には不可避の偏 心を考えて軸力と曲げで材が崩壊するときを基準にしていることであり, この違いに より算定された耐力に差が生じ, S S R Cによる値のほうがより安全側の値を示す.
鋼構造塑性設計指針による耐力は, 検討した設計式の中で最も安全側の値を与える.
坂本ら2.1 Ø)は文献2. 1 1 )に示された設計式(式( 2. 8)と同じ)による耐力と,
節点、移動のない試験体に対する実験により得られた耐力を比較している. 本論で行っ
た細長比, 軸力比に完全に対応する試験体はないが, 実験耐力と設計式による耐力の 比は, 表2. 3に示す値よりも小さい. したがって節点の横移動があり材端に塑性ヒ ンジが形成されるような柱材に対して設計式をそのまま適用することは, 節点移動の
ない場合に比べて, 細長比, 軸力比が同じであれば, より安全側になることが推察さ れ このことはここで検討した式すべてについて成り立つものと考えられる. 検討し た設計式は節点移動のない柱材の安定性を考慮した耐力式であり最大モーメント位置 が材中央付近にあることを前提としている. この条件が満足される時には柱材の耐力 は安定性を考慮した耐力式により規定される場合が多い. それに対して, 節点移動す る柱に対する設計で材端モーメントを算定するとき, 精確に転倒モーメント(Pδモ ーメント)の効果を考慮すれば, 横移動が拘束された柱として取り扱うことができる.
したが って設計式の適用に際して, 座屈長さは材長がとれること, 等価曲げモーメン ト係数は節点、が移動しない場合の式が使え ることになる. 結果として, 一般に, ここ で検討した安定性を考慮した設計式よりもむしろ断面強度式で材の耐力が規定される 場合が多くなってくる からである.
表2. 4に最大耐力時の変位を仮定することにより求めた耐力を, 図2. 1 0に耐 力と水平カの方向の関係を示す. 表中に最大耐力時の柱部材角δ/1も示しているが,
計算に用いたδ/1=1/50は慨ね妥当な値となってい る. 表2. 4の値は表2.
3に示した設計式による値に比べて, 実験値により近い値を評価してお り, 早期に局 部座屈を生じ て抵抗力を失った試験体(1 -M)に対しては, 危険側の評価をしてい るものの, 他の試験体に対してはおよそ30%以内の精度で安全保IJに最大耐力を評価 してい る. 変位u maxとv maxの関係の仮定は, 式(2.14)のほうが式(2.13)より理論的 根拠があると恩われる. しかし, x方向とy方向の曲げ剛性の差が大きい断面(H-1 35x 100x 3. 2x 3.2)以外ではここで実験を行った軸力比, 細長比の範囲内では, 計算 される耐力の差は小さい.
表2.4 耐力の比較
(Unit: ton)
NAME 。 Test Eq. (2.13) Eq. (2.14) (T) (T) 8/兄
n (T) (1) ( 2) (1) (2)
1-130 0.1 300 2.28 2.13 2.10 1.07 1.09 1/36 1-300 0.3 。。 3.04 2.36 2.36 1.29 1.29 1/74 1-315 0.3 150 2.61 2.13 2.07 1.23 1.26 1/481 1-330 0.3 300 2.09 1.71 1.64 1.22 1.27 1/44 1-360 0.3 600 1.43 1.27 1.25 1.12 1.14 1/51 1-390 0.3 900 1.23 1.17 1.17 1.05 1.05 1/54 1I-130 0.1 300 2.92 2.19 2.15 1.33 1.36 1/21 1I-300 0.3 。。 3.34 2.34 2.34 1.43 1.43 1/55 1I-330 0.3 300 2.16 1.71 1.64 1.26 1.32 1/35 1I-360 0.3 600 1.48 1.27 1.25 1.16 1.18 1/51 1I-390 0.3 900 1.67 1.16 1.16 1.44 1.44 1/74 1-W 0.3 300 0.79 0.74 0.70 1.07 1.13 1/59 1-M 0.3 300 0.71 0.86 0.77 0.82 0.92 1/51
-23-
以上のことより, 一定軸力と任意方向 水平力を受け, 節点が横移動する柱材の 最大耐力を比較的簡単に算定するために は, 現在提案されている設計式を直接適 用するよりも, 式( 2. 1 1 )を用いて 耐力を求めるほうが良い近似を与えるこ とがわかる. その際, 耐力時の変位を推 定あるいは仮定する必要があるが, 本論 文でおこなった実験では耐力時の柱部材 角δ/1を1/5 0とすることで, 実験 値と比較的良い対応がとれた.
3
( ton)
2
。
。。
Eq. (2.14)
300
Series 1 n=O.3
600 6 900
図2.1 0