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(2) 黒 部 ・杉山 ・杉森:ダ イス微 細穴内壁面の高速流動研磨. Fig.3. Dimension and configuration. of. hole die か ら成 っ て い る.左 右 の 容 器 に は,中 空 の 厚 肉 エ ポ キ シ 樹 脂 円 筒 管(管 内 を ス ラ リ ー が 流 れ る)が 挿 入 さ れ,そ の 外 側 に グ ラ. Fig.4. Relation. between. surface. roughness. and pass number. Fig.5. Relation. between. surface. roughness. and pass number. ン ドパ ッキ ン が密 に詰 め 込 ま れ る.ス ラ リー が 回 り込 ま な い よ う に 配 慮 して い る.実 験 に 際 し,被 研 磨 用 ダ イ ス を 円 筒 容 器 の 中 央 位 置 に 配 し,そ れ を 左 右 に 配 置 した ス テ ン レ ス 鋼 円 筒 容 器 で 挟 む,ス ラ リー が 漏 洩 し な い よ う にOリ. ン グ を 介 して ボ ル ト. で 締 め 付 け る,高 圧 の 流 体 圧 に耐 え 得 る よ う に フ ラ ン ジ に は Oリ ン グ を 二 重 に は め て い る.フ ラ ン ジ と 研 磨 装 置 は,配 管 用 の 継 ぎ 手 を 用 い て接 続 し て い る. 加 工 に 際 し,エ ア コ ンプ レ ッサ か らの 圧 縮 空 気 を フ ィル タ レ ギ ュ レー タ で 一 定 の 圧 力(0.49MPa)に. 制 御 して直圧 式増 圧器. に送 気 す る.直 圧 式 増 圧 器 に よ っ て ピ ス トン内 部 の イ オ ン交 換 水 を約10.28MPaに. ま で 増 圧 し,カ ー トリ ッ ジA内. の底部 にあ. らか じ め 沈 殿 させ て お い た 砥 粒 が イ オ ン 交 換 水 ご とダ イ ス 内 に 注 送 さ れ る.ダ (反対 側)に. イ ス を 通 過 し た ス ラ リー は,ダ. 設 け て あ る カ ー ト リ ッジAに. イ ス の 出 口側. 入 る.一. 定時 間の 停. 止(砥 粒 の 自然 沈 降 時 間)の. 後,反. 対 側 の 増 圧 器 に 送 気 す る.. こ こ で,ス ラ リー が 左(右)の. カ ー ト リ ッ ジか ら右(左)の. カー. ト リ ッ ジ に 移 動 す る 動 作 を1パ ス とす る.研 磨 は,本 操 作 を繰 り返 す こ と に よ り進 行 し 目的 とす る 内 面 性 状 を有 す る ダ イ ス が 得 ら れ る. 2.2実. 具 鋼,等. で あ る,実 験 に は主 と して 工 具 鋼(SKD11)を. に つ い て も 検 討 した.工 具 鋼 で 作 製 し た 穴 ダ イ ス の 寸 法 形 状 を 示 す.ダ. イ ス は,外 径15mm×. 内 径1mm×. 厚 さ5mmの. 円 筒 形 状 を し て い る.市 販 の 線 引 き ダ イ ス に似 せ て,図3に. 示. す よ う に 円 筒 の 両 端 面 に デ ィ フ ユ ー ザ 形 状3)し た 非 対 称 の 座 ぐ り を入 れ て い る.実 験 は,焼 入 れ を 施 さ な い 場 合 と施 し た ダ イ ス の2種 類 に つ い て 行 っ た.実 測 した ダ イ ス の 硬 さ は,HRCで 15(焼 入 れ な し),60(焼 金 の 場 合 は,HRAで88で. 入 れ あ り)で あ っ た.一 方,超 あ っ た.実. 験 条 件 を 表1に. 硬合. 示 す.. 電 加 工 機 を 用 い て ダ イ ス を 穴 中心 部 を 通 っ て 長 手 方 向 に 切 断 し た.観 察 は,光 学 顕 微 鏡 お よ び 走 査 型 電 子 顕 微 鏡(SEM)を 1400A型)を Hobson社. た,触. 針 式 粗 さ 計(東. 京 精 密 製:サ. 用. ー フ コム. 用 い て 粗 さ を測 定 し た.一 方,形 状 測 定 機(Taylor‑ 製:フ. ら,表 面 粗 さ ス に至 って も. 漸 減 傾 向 は 続 く こ とが わ か る.200パ ス で の 表 面 粗 さ は 約0.5μ mで. あ る.ま た,図4か. ォ ー ム タ リサ ー フ)を 使 用 して 穴 の 断 面 形 状. を 計 測 し た.. 値 よ り も大 き い(200パ. 験結. ス で 約0.6μm).こ. の た め,以 下 の 実. 次 に,砥 粒 径 の 表 面 粗 さ 低 減 に 及 ぼ す 影 響 につ い て 調 べ た. 実 験 は,平 均 粒 径20,60μmの2種. 類 の 砥 粒 を 用 い て 行 った.. 実 験 結 果 を 図5に 示 す.図5か. ら,パ ス 回 数 が 増 え る と表 面 粗. さ は急 減 す る様 子 が わ か る.平. 均 粒 径60μmの. は,40パ. 砥粒 の場 合 に. ス 以 降 ほ ぼ 一 定 の 値 と な る.し か し,約150パ. ス を超. え る 辺 りか ら逆 に 表 面 粗 さ は 幾 分増 加 す る 傾 向 が 見 られ る.一 方,平 均 粒 径20μmの. 砥 粒 の 場 合 に は,粗 さ の 漸 減 傾 向 は200. パ ス ま で 続 く.. 真 を 示 す.図6に. 図6に,研. 磨 後 の ダイ ス内壁 面 の光学 顕微鏡 写. は,触. 針 式 粗 さ計 で 測 定 し た粗 さの プ ロ. フ ィ ー ル も併 記 し て い る.図6か. ら,研 磨 前 の ダ イ ス 穴 内壁 面. は 相 当 に荒 れ た 加 工 面 で あ る こ とが わ か る.こ の 面 を 初 期 表 面 と呼 ぶ こ と に す る.こ の ダ イ ス 穴 を 高 速 流 動 研 磨 す る と,パ ス 回 数 が 約40回. で 初 期 表 面 に見 られ る 大 き な 島 状 の 凹 凸 模 様 が. ほ ぼ 除 去 さ れ る こ とが わ か る,し か し,う ね りは 残 る.そ の 後, パ ス 回 数 を120,160と 3実. ら表 面 粗 さ の 低 減 に砥 粒 濃 度 は あ ま り. イ ス に つ い て も 行 っ た が,表 面 粗 さ は 焼 入 れ を 施 し た ダ イ ス の. b)表 面 観 察. 加 工 後,ダ イ ス 穴 内 壁 面 を 観 察 す る た め に,ワ イ ヤ カ ッ ト放. い て 行 っ た.ま. あ る.図4か. は パ ス 回 数 の 増 加 と と も に 減 少 し て い き,200パ. 験 は 主 と して 焼 入 れ ダ イ ス に つ い て 行 っ た.. 用 い た.ま た,比 較 の た め 市 販 され て い る 超 硬 合 金 ダ イ ス(D3). 図3に. り に 変 え て 行 っ た.研 磨 前 の ダ イ ス. 影 響 を 及 ぼ さ な い こ と が わ か る.実 験 は,焼 入 れ を 施 さ な い ダ. 験 条 件 お よ び 評佰 方 法. 一 般 に ,ダ イ ス に使 用 さ れ て い る材 料 は ダ イ ヤ モ ン ドや 超 硬 合 金,工. 度を5,10,15vol%の3通. 内 壁 面 の 表 面 粗 さ はRaで1.8μmで. 増 す に つ れ て 表 面 が 徐 々 に 滑 らか に. な っ て い く.そ し て,う ね りの 周 期 は 次 第 に 長 く な り,幾 分 で. 果. は あ る が うね りの 高 さ も小 さ く な る傾 向 が 観 察 さ れ る. 3.1工. 具 鋼 製 ダ イ ス の研 磨 特 性. a)表 面 粗 さ の 測 定 験 結 果 を 示 す.実. 図4に,焼. 図7に,平. 入 れ した 工 具 鋼 製 ダ イ ス の 実. 験 は,平 均 粒 径20μmの. 砥 粒 を 用 い砥 粒 濃. 均 粒 径20μmと60μmの. 壁 面 の 電 子 顕 微 鏡 写 真 を 示 す.図7か も,パ ス 回 数 が40,120,200回. 砥 粒 で 研 磨 した 穴 内 ら,い ず れ の 砥 粒 の 場 合. と増 える につれ て表面 が次 第. 精 密 工 学 会 誌Vol.66,No.10,2000. 1627.
(3) 黒 部 ・杉山 ・杉森:ダ イス微細穴 内壁 面の高速流動研磨. Fig.6. Photomicrographs. and profiles of polished surface. に滑 らか にな って行 く様子 がわ か る.し か し,粒 径 が 小 さ い20. Fig.7 SEM micrographs. of polished surface. μmの 砥粒 の方 が60μmの 粗粒 の 場合 よ りも表 面 が平 滑 であ る ことがわ か る.図7の 平均 粒径20μmの 砥 粒 の 写真 を注意 深 く見 る と,表面 に 長楕 円状 の微細 な穴 が ス ラ リー の流 動方 向 に沿 って 生 じて いる のがわ か る. c)穴 径 の測定 ス ラ リー流動 研磨 を続 ける と表面 粗 さが低 減 す る ばか りでな く,ダイ ス穴 の径が 大 き くな る こと も考 え られ る.そ こで,測 微顕 微鏡 を用 いて研 磨後 の穴 径 を測 定 した.図 8に,平 均 粒 径20μmの 砥 粒 を用 いて研 磨 した場 合 の測 定結 果 を示 す.穴 径 は,研 磨 前 の ダイ ス穴 の大 き さを1と 規 格 化 し て表 示 して いる.図8か. ら,穴 径 はパス 回数 の 増加 に伴 って次. 第 に大 き くな る ことがわ か る.砥 粒 濃度 が10,15vo1%の. 場合. はほ ぼ同程 度 の穴 径 にな るが,5vol%の 場合 は 前二 者 に比 して そ の値 は かな り小 さ い. 同 様の実 験 を 平均 粒径60μmの. Fig.8. Effect of slurry pass on inner diameter. 砥 粒 につ いて も行 った.測. 定結 果を 図9に 示 す.図9に は平均 粒 径20μmの 砥粒 の 結果 も併 記 して いる.図9か ら,60μmの 砥 粒 の場 合 もパ ス回 数が 増 え るにつ れ て穴径 が 次第 に大 き くな る様 子 がわ か る.穴径 の 絶 対 値は,60μmの 粗粒 の方 が20μmの 細 粒 の値 に比 して大 きい. d)ベ ア リング部 位の形状 変化 線 材 を高精 度 に引抜 き加 工す る場 合 には,ダ イ スの穴 加工 を精 密 に行 う必 要 が ある.高 速流 動研 磨 法 を,図3に 示 す ダイ ス の穴加 工 に適用 した場合,ス ラ リー をダ イ ス左 端の ベル(導 入 部)か ら流入 させ,細 管(穴) 内 に強制 的に注 送 して右 端 の レリー フ(逃 げ部)に 噴 流 させ る.穴 と逃 げ部 の境界(角)は,流 体 の流 れ が急 変(流 力線 が 曲が る)す る部 位 とな る.こ のた め,溶 媒(水)に. Fig.9 Effect of slurry pass on inner diameter. 懸 濁 して い. る砥粒 は角 を選択 的 に加工 し,パス 回数 を増 す につ れ角 は次 第. 行 っ た.図10に. に丸 くな って い くと考 え られ る.こ こで は,丸 み を帯 び た領 域. 10か ら,パ. をベ ア リ ング部(整 形部)と 呼 ぶ.. 帯 び た 形 状 とな る の が わ か る.こ こ で,角 の 初 期 高 さ をbと し,. 図10に,ベ ア リング部 位 の形状 を測定 した結 果 を示 す.加 工 は,平 均 粒 径20μmの 砥粒 を用 い砥粒 濃度 を15vol%と して. そ の 値 が 加 工 と と も に ど の よ う に減 少 して い く の か 測 定 した,. 1628精. 密 工 学 会誌Vol.66,No.10,2000. 6は,山(角)の. 記 す(1)は,研. 磨 前 の ダ イ ス の 形 状 を表 す.図. ス 回 数 が 増 え る につ れ て 形 状 は な だ ら か な 丸 み を. 頂 点 と山 の裾野 が水 平 にな る水 平線 との間 の.
(4) 黒部 ・杉山 ・杉森:ダ イス微 細穴内壁面 の高速 流勤研磨. Fig.12. Effect of surface roughness on inner diameter. Fig.10 Bearing shape yielded by slurry passing. Fig.13. Photomicrographs. and profiles of polished surface. Fig.14 SEM micrographs. of inner wall surface. 速 流動研磨 によって 表面粗 さや穴径 が大 き く変化す る ことはな い よう に思 わ れ る.こ れ は,ダ イ スの 材質 が超硬 合金 で ある た Fig.ll 距 離 で あ る.図11に μmと60μmの2種 の3通. め硬 く,研磨 の効 果 が顕 現す る ほ どには加 工 され なか った ため. Finishing amount by slurry passing 測 定 結 果 を 示 す.実. 験 は,平. 均 粒 径20. 類 の 砥 粒 を 用 い,砥 粒 濃 度 を5,10,15vo1%. り に 変 え て 行 っ た.図11か. ら,パ. ス 回 数 が 増 え る'につ. 辺 りで 漸 減 も し く は ほ ぼ 一 定 の 値 を と る よ う. に な る.平 均 粒 径60μmの. 砥 粒 で,砥 粒 濃 度 が10vol%の. がhの 値 が 最 も小 さ く な る.6の. 場合. 値 が 小 さ く な る こ と は,ベ. ア. リ ン グ 部 の 加 工 量 が 増 え 丸 み が 一 層 増 加 し た こ と を 意 味 す る. 図11か. ら,平 均 粒 径60μmの. 磨 前 後の光 学顕 微 鏡 写真 と表 面 プ. ロ フィール を示す.図13か. ら,研 磨前 の ダ イス表 面 には無 数. の直線 状 の加 工 痕 が見 られ るが,高 速 流動 研磨 によ ってそ の加. れ て 初 期 高 さhの 値 は,急 激 に 減 少 す る こ とが わ か る.し か し, パ ス 回 数 が50回. と考 え られ る.図13に,研. 砥 粒 の 場 合 に 比 し て20μmの. 工 痕 は消 え失 せ る ことが わか る.図14に,研 真 を示 す.図14を. 磨 前 後のSEM写. 通 観す る と,初 期表 面 に存 在す る荒 れ た表. 面が,高 速流 動研 磨 に よ ってほ ぼ完全 な平 滑 面 になる ことが わ か る. 超硬 合金 製 ダイ スは 工具鋼 製 ダイ ス に比べ てか な り硬 く,砥 粒 の研 削作 用 力が 同 一 で あって もそ の力 の及 ぷ 範 囲 は 自ず と 違 った もの とな る.こ のた め,硬 度 の 高 い超硬 合金 製 ダイ スの. 方 が 加 工 量 が 少 な い こ と が わ か る.こ れ は,粒 径 の 大 き い砥 粒 の 方 が 研 磨 力 が 大 き い た め で は な い か と 考 え られ る.. 場 合 に は,研 磨 作 用 力が 表 面の 極 く浅 い領 域 に限 られ た た め に,直線 状 の加 工痕 が流動 研磨 によ って消 え失 せ た もの と推察 され る.. 3.2超硬. 合金. ダ イ ス の研 磨特性. 市 販 され て い る 超 硬 合 金 製 穴 ダ イ ス 内 壁 面 の 研 磨 が,高 速 流. 4.考察. 動 研 磨 法 を 用 い て 可 能 か ど うか 確 か め る た め に,超 硬 合 金 製 穴 ダ イ ス(D3)を は,外 形10mm×. 購 入 し て 研 磨 を 試 み た.ダ 内 径1.0mm×. 長 さ10mmで. イ ス の 寸 法 ・形 状 あ る.穴 ダ イ ス の. 両 端 面 に は 円 す い 形 状 の 座 ぐ り が 入 れ ら れ て い る.実 験 は,平 均 粒 径20μmの. ア ル ミナ 砥 粒 を 用 い,砥 粒 濃 度 を15vo1%と. て 行 っ た.ま た,注 入 圧 力 を12.7MPa一. し. 定 と しパ ス 回 数 を200. 回 と し た. 図12に,研. 4.1ス. ラ リ ーの流 動状態. 穴 ダイ スの 内壁 面の研 磨 様態 は,ス ラ リー の ダイ ス内で の流 動 状態 と深 くかか わ って いる.実 験 に供 した穴 ダイ スの長 さは 5mmと 短 い ため,長 尺 のス テ ン レス鋼 製極 細 管(内 径lmm以 下 で長 さ500mm)の. 場 合 とは ス ラ リーの 管 内 にお ける流 動状. 態が幾 分 異な る ので はな いか と考 え られ る.ダ イス穴 内 にお け 磨 前 後 の 表 面 粗 さ と穴 径 を 示 す,図12か. ら,高. るス ラ リーの 流動 状態 は,レ イ ノル ズ数 に よ って規 定 され るり.. 精 密 工 学 会誌Vol,66,No.70,2000. 1629.
(5) 黒部 ・杉山 ・杉森:ダ イス微細 穴内壁面の高速流動研磨. Fig.15. Asperity model and coordinate system for the simulation of polishing process. い ま,穴 の 内 径 をd,穴. ラ リー が 試 料 を通 過 す る時 間 をt,流 コ ラ ム の 容 積 をVと つ.こ. す る と,連. こで,Q=V/tで. で,水. 量 をQ,直. 成 り立. な る.. イ ス 穴 を 流 れ る 流 体 の 流 速 は15.0m/sと. の動 粘度 を. な る.こ. あ る.こ の 値 は ダ イ ス の 研 磨 区 間 長 さ5mmよ. り も大. き な 値 で あ る.こ の こ と は,研 磨 区 間 内 に お け る ス ラ リー の 運. こ. 動 エ ネ ル ギ ー が 場 所 に よ っ て 異 な る こ と を 意 味 す る.こ. のた. め,研 磨 は 管 軸 長 に わ た っ て 一 様 に 行 わ れ な い 懸 念 が あ る.し. あ る の で,Re=14930と. あ る の で,管. の助走 区間の. 流 に 対 す る ボ ー ラ ス と ブ ラ イ トン の 解 析 か ら. あ. とす る と レイ ノル ズ 数Reは,Re=ud/ν. 界 レ イ ノ ル ズ 数 は2300で. 図16に 示 す ベ ル マ ウ ス 型 の場 合 に つ い て,そ 長 さLは,乱 13.5mmで. 実 測 の 結 果6,54秒,Vは77×103mm3で. Flow mode within inlet region. に な る.'. 圧 式増 圧器 の. 続 の 式 よ り,Q‑Auが. と 記 さ れ る.ν の 値 は1.004mm2/sで る.臨. ラ リー の 流 速 をu,ス. あ る の で,U=V/Atと. ゴは1.100mm,tは る の で,ダ. Fig.16. の 断 面 積 をA,ス. な. 内 の流体 の流れ. か し,図16か. ら,急 激 に圧 力損 失 が 起 こ る 区 間 は 加 速 距 離 区. 間 で あ る こ と が わ か る.こ の 部 分 は ダ イ ス の ベ ル 部 と レ リー フ. は 乱 流 に な っ て い る と 推 測 さ れ る.ス ラ リー は,溶 媒 の 水 に砥. 部 に相 当 す る.し た が っ て,穴 の 直 線 部 分(ア プ ロ ー チ 部)の. 粒 を 適 当 量(最. 圧 力降 下 は そ れ ほ ど急 激 な も の で は な い と考 え られ,全 体 にわ. 大 で15vol%)懸. 濁 さ せ た も の で あ り,水 の み. の 場 合 に 比 べ て 若 干 粘 度 は 高 い.し. か し,Reの. 値 は14930と. た っ て ほ ぼ 一 様 に 研 磨 が な さ れ て い る と 考 え て よ い.. 非 常 に 大 き い た め,乱 流 で あ る こ と に 変 わ りは な い と 考 え られ る.. 5.結. 論. ダ イ ス 穴 内 壁 面 の 研 磨 は,乱 流 状 態 で 流 れ る砥 粒 の 壁 面 へ の ら,表 面 粗 さ が. 高速 流 動 研 磨 法 を 工 具 鋼 製 穴 ダ イ ス の 内 壁 面 め 研 磨 加 工 に 適. 砥 粒 の 場 合)で 大. 用 し,そ の 有 効 性 に つ い て 実 験 的 検 討 を 行 っ た.ま た,市 販 の. き く 低 減 した の は 次 の 理 由 に よ る も の と思 わ れ る.管 内 の ス ラ. 超 硬 合 金 穴 ダ イ ス の 内 壁 面 の 研 磨 に も応 用 し て 本 法 の 有 用 性 に. リー の 流 れ は 乱 流 で あ るが,砥 粒 は 管 軸 方 向 の 流 速 を も っ て,. つ いて 論 考 し た.そ. 衝 突 と 引 っ か き 作 用 に よ っ て な さ れ る.図5か パ ス 回 数 の 少 な い 段 階(平 均 粒 径60μmの. 図15に. 示 す よ う な 三 角 形 状 の 突 起(表. 面 粗 さ)に 衝 突 し,こ. (1)高. の 結 果,次. の 結 論 が 得 ら れ た.. 速 流 動 研 磨 法 を 穴 ダ イ ス 内 壁 面 の研 磨 に 適 用 す る た. れ に よ っ て 研 磨 が な さ れ る と考 え る.内 径dの 管 内 の 乱 流 に つ. め,耐 圧 ・ 難 漏 洩 性 の 試 料 保 持 具 を 新 し く 開 発 し,所. い て,管 軸 方 向(X方. 期 の 性 能 を有 し て い る こ と を確 認 した.. 向)の 流 速 に 関 す る 管 径 方 向(y軸. の 分 布 は 次 式3)で 与 え られ る.Umaxは. 方 向). 管 軸 上 で の 流 速 で あ る.. (2)工. 具 鋼 製 穴 ダ イ ス 内 壁 面 は,ス ラ リー を 微 細 穴 に高 速 で 往 復 流 動 さ せ る こ と に よ っ て 研 磨 で き る.表 面 粗 さ. .は,パ ス 回 数 が 増 す に つ れ て 低 減 す る が,低 減 の 度 合 い はパ ス 回 数 が 多 くな る に つ れ て 小 さ く な る. 〓 yの 増 加 と と も に流 速 は 増 し,砥 粒 の 衝 突 速 度 も 増 加 す る と. (3)ダ. イ ス の 穴 は,パ. 考 え られ る.こ の た め,突 起 先 端 ほ ど ま た 高 い 突 起 ほ ど 研 磨 さ. (4)ス. ラ リー を 往 復 流 動 さ せ る と,デ ィ ー フ ユ ー ザ と穴 の 境. 界 部 位 は 次 第 に研 磨 さ れ 丸 み を帯 び る.自 然 に 穴 ダ イ ス. れ や す い も の と思 わ れ る.研 磨 の 進 行 に 伴 っ て 高 い突 起 か ら研. に ベ ア リ ン グ部 位 が 創 成 さ れ る.. 磨 さ れ て い く と と も に負 荷 率(研 磨 対 象 と な る 突 起 数)が 増 大 し て く る.こ. ス 回 数 が 増 え る につ れ て 増 大 す る.. (5)高. れ ら の た め に粗 さ の 低 減 の 程 度 は 次 第 に 減 少 す. 速 流 動 研 磨 法 を 超 硬 合 金 製 穴 ダ イ ス 内 壁 面 の 研 磨 に適. 用 した 場 合,表 面 に 残 存 す る 引 っ か き痕 は 除 去 され 平 滑. る.. な 面 に な る. ・4.2ベ. ル マ ウ ス創 成 機 構. 謝 実 験 に 供 し た ダ イ ス(図3)は,デ ぐ り を 両 端 に施 し て い る.加. 辞. ィ フ ユ ー ザ 形 状 を した 座 ラ リー を左端 のデ ィ. 高速 流動 研磨 装置 及 び被研 磨用 穴ダ イ客 試料 は,金 沢大 学工. フ ユ ー ザ を 通 して ダ イ ス 穴 に強 制 流 入 させ,右 端 の デ ィ フ ユー. 工 の 際,ス. 学 部工 作セ ンター で製作 され た もので あ り記 して謝 意 を表 す.. ザ へ と流 出 さ せ る.研 磨 は,ス ラ リー の 流 れ を 左 右 端 で 交 互 に 反 転 させ,そ. れ を 繰 り返 す こ と に よ り行 わ れ る.ス. デ ィ フ ユ ー ザ か ら 穴 に 流 入 す る と き,ま た,穴 か ら デ ィ フ ユー ザ へ 流 出 す る と き,穴 と デ ィ フ ユ ー ザ の 壇 界 部 は 強 制 的 に 研 磨 さ れ る.そ の た め,パ ス 回 数 を 重 ね る につ れ て 壇 界 部 は 次 第 に 丸 み を帯 び て く る と思 わ れ る.そ の 形 状 は,図16に. 参. ラ リー が. 示す よう. な ベ ル マ ウ ス 型 に な り,自 ず と ベ ア リ ン グ 部 が 創 成 さ れ る こ と. 1) 朝 倉 健 二,橋 2). 密 工 学 会 誌Vol.66,No.70,2000. 文. 献. 械 工 作 法1,共. 部 利 次,山. 田 良 穂,三. 内 壁 の 高 速 流 動 研 磨(第1報)一. 立 出 版,(1999)87. 浦 毅 彦:極. 細ス テ ン レス鋼管. 研 磨 の 基 本 特 性 一,精. 密 工 学 会 誌,. 64,1(1998)126. 3) 池 森 亀 鶴,黒 .4) 加 藤. 1630精. 本 文 雄:機. 山 本 桂 一 郎,黒. 考. 宏:流. 瀬 元 雄,越. 智 光 昭:水. れ の 力 学,丸. 力 学,コ. 善,(1993)50.. ロ ナ 社:,(1992)194.
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