論文高 速 流 動 法 に よ る ス テ ン レス 鋼 管 内 壁 面 の 研 磨*
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(2) 黒 部 ・中 森 ・青 木:高 速 流 動法 によ る ステ ン レス 鋼 管 内壁 面 の 研 磨. Table. 1 Experimental. condition. (a) Virgin pipe. い る.マ ン ドレル は,外 ことが な い,供. 筒 に 強 くね じ締 め され スラリー は 漏 洩 す る. 試 材 は ス テン レス鋼 製 の 管 で,そ. 4イ ンチ で 外 径6.35mmx内 は,配. 径4.35mmx長. の 呼 び 寸 法 は1/. さ190mmで. ある.外. (b) Polished pipe. 筒. Fig.3. 管 用 の 継 ぎ 手 を用 い て研 磨 装 置 に接 続 され て い る.. Surface. roughness. 実 験 に 際 し,エ ア コンプ レッサ を稼 動 し圧 縮 空 気 をフィル タレギ ュ レター を 介 して 一 定 の 圧 力(0.49MPa)に. 制 御 し,直. よって シ リンダ 内 部 の 水 道 水 を 空 気 圧 の25倍. 圧 式増圧 器 に. まで 増 圧 し,カ ー ト. リッジB内 の 水 道 水 に 流 体 圧 を加 え る,こ の た め,カ ー トリッジB内 の 水 道 水 は カー トリッジA内. に 注 送 され,カ. ー トリッジA内. の水道. 水 に 流 体 圧 を加 えることにな る.こ の ことによって,カ ー トリッジA内 の 底 部 近 くまで 挿 入 され てい る管 を通 って,底 部 に予 め 沈 殿 させ て お い た砥 粒 が 水 道 水 ごと管 内 に注 送 され ることに なる.研 磨 は,ス ラリー が マ ン ドレル と管 内 壁 との 隙 間 を高 速 で流 れ ることに よって 行 われ る.図1の. 左(右)側. リー が,右(左)側. のカ ー トリッジAの 容 積 に相 当 す るスラ. の カー トリッジAに. 注 送 され て 移 動 し終 わ った. ときを1パ スとす る. 2.2実. 験 条 件 お よび 評 価 方 法. ステ ンレス鋼 管 内 壁 面 の研 磨 は,ア て行 った.実. 験 条 件 を 表1に 示 す.実. ル ミナ 砥 粒(Al2O3)を 験 は,管. 内 壁 面 とマ ン ドレル との 隙 間 を 一 定 に して,且 の 注 送 圧 力 を2.9〜12.8MPと 径5.5,20,57μmの3種. 用い. の 長 さお よび 管. Fig.4 Relationship. between. surface roughness. and pass number. surface. and pass number. つ スラリー の 管 内 へ. 変 えて 行 っ た.研 類 の 砥 粒 を用 い,砥. 磨 に は,平. 均粒. 粒 濃 度 を5,10,. 15vol%と 変 化 させ て 実 験 を行 った. 研 磨 後,薄 刃 回 転 砥 石 を 用 い て 管 をそ の 長 手 方 向 に切 断 し,管 内 壁 面 を 光 学 顕 微 鏡(ニ コン製:OPTOPHOTO)で た,触. 観 察 した.ま. 針 式 粗 さ計(東 京 精 密 製:サ ー フコム1400A)を. 用 い てプ. ロー ブ を 管 軸 方 向 に トレー ス し,粗 さ曲 線 を描 画 させ た.カ ットオフ 値 は0.8mmで. ある. 3.実. 3.1注. 験. 結. 果. 送圧 力 の影響. 先 ず 始 め に,管 に マ ンドレル を挿 入 しな い状 態 で研 磨 を行 っ た. 実 験 は,粒. 径57μmの. 砥 粒 を用 い 砥 粒 濃 度 を15vol%と して,ス. ラリー を160パ ス 流 動 させ て 行 った.図3に,実 3に は,研 磨 前(N=0)の る.図3か. 験 結 果 を示 す.図. ら,マ ンドレル を挿 入 しな い で 加 工 した場 合 の表 面 粗 さ. は2.99μmで. Fig.5 Relationship. between. roughness. バ ー ジンパ イプ の測 定 結 果 も併 記 してい. あ り,研 磨 前(N=0)の. 供 試 材 の 表 面 粗 さ3.35μ. た.図4に,平. 均 粒 径57μmの. 砥 粒 を用 い,砥. 粒 濃 度 を5vol%. とした場 合 の パ ス回 数 と表 面 粗 さの 関 係 を示 す.図4か. ら,パ ス 回. mと 比 較 して幾 分 加 工 が な され た ことが わ か る.し か しな が ら,管. 数 が増 える につ れ てい ず れ の 注 送 圧 力 の 場 合 も表 面 粗 さが急 激 に. に マ ンドレル を挿 入 しな い 加 工 は 大 きな効 果 がな いとい え る.こ の. 減 少 し,そ の 後 漸 減 状 態 へ と推 移 す ることが わ か る.注. ことは,写. 最 も大 きい12.8MPaの. そこで,管. 真 や 粗 さプ ロフィー ル か らも明 らか で あ る, に マ ンドレル を挿 入 して 研 磨 を行 った 。 実 験 は,ス ラ. リー の 注 送 圧 力 を2.9,5,9,8.8,12.7MPaと4段. 階 に変 えて 行 っ. 場 合 は,160パ. は まだ 低 減 す る傾 向 が 見 られ る.表. 送圧 力が. ス 回 数 に 至 って も表 面 粗 さ 面 粗 さの 絶 対 値 をパ ス 回 数. 160の ところ で 比 較 す ると,2.9,5.9,8.8,12.7MPaの. 精 密 工 学 会 誌Vol.69,No.2,2003. 順 に小 さ. 275.
(3) 黒 部 ・中 森 ・青 木:高 速 流 動 法 に よ る ス テ ン レス 鋼 管 内壁 面 の 研 磨. (a) Grain concentration. (b) Grain concentration. 5vol% (a). Grain. size. 5.5 ƒÊm. (b). Grain. size. 57 ƒÊm. 10vol%. Fig.7. Relation. between. surface. roughness. and Grain. concentration. ス 回 数 と表 面 粗 さの 関 係 を 示 す.図6(a),図6(b),図6(c)は,砥 粒 濃 度 をそ れ ぞ れ5,10,15vol%と 図6(a)か ら,砥 57μmの. した 場 合 の 測 定 結 果 を表 す,. 粒 濃 度 が5vol%の. 場 合,平. 均 粒 径 が5.5,20,. い ず れ の 砥 粒 の 場 合 とも,パ ス回 数 が 増 え るに つ れ て 表. 面 粗 さが な だ らか に 減 少 して い く様 子 が わか る.、実 験 は パ ス 回 数 160回 まで 行 って い るが,160回. のパ ス 回 数 で もまだ 表 面 粗 さが 減. 少 す る傾 向 が 見 られ る.減 少 の度 合 い は,粒 径 の 大 きい粗 粒 ほど 大 きい.ま (c) Fig.6. Grain concentration. 15vol%. Effect of pass numer on surface. roughness. た,表. 面 粗 さの 絶 対 値 は,細. 図6(b)か ら,砥 粒 濃 度 が10vol%の. 粒 の 砥 粒 ほ ど大 きい,. 場 合 も砥 粒 濃 度 が5vol%の 場. 合 と同 様 なカ ー ブ を描 くことが わ か る.し か しな が ら,い ず れ の 粒 径 の場 合 も表 面 粗 さの 絶 対 値 は 砥 粒 濃 度5vol%の 場 合 よりも小 さな. な値 で あ ることが わ か る.. 値 となる.ま た,図6(c)か. ら砥 粒 濃 度 が15vol%と 濃 くな った 場 合 も,. 5,10vol%の. 砥 粒 濃 度 と同様 な 曲線 を描 くことが わ かる.平 均 粒 径. か ら,砥 粒 濃 度 が15vol%の 場 合 もパ ス回 数 が増 え るに つ れ て 表 面. が57μmの. 砥 粒 に 関 して み ると,表. 粗 さが 急 激 に 減 少 し,そ の 後 漸 減 状 態 へ と推 移 す ることが わか る.. 砥 粒 径 に 比 べ 極 め て 大 きくなることが わ か る.表. ま た,砥. は,砥. 図5に,砥. 粒 濃 度 を15vol%と した 場 合 の実 験 結 果 を示 す 。 図5. 粒 濃 度 が15vol%と 高 い 場 合 に は,砥. 粒 濃 度 が5vol%の. 場 合 より表 面 粗 さの絶 対 値 は 小 さくな ることが わ か る. 3.2注 1)パ. 送 圧 カ ー 定 の結 果 ス回数と表面粗さ. 粒 濃 度 が5,10vol%の. この ように,図6か くな るが,管. 注 送 圧 力 に 関 す る実 験(図4 ,図5)か. 面 粗 さの 低 減 度 合 い は 他 の 面 粗 さの 絶 対 値. 場 合 よりも小 さくな る.. ら砥 粒 径 が 大 きくな る につ れ て表 面 粗 さは小 さ. とマ ンドレル の クリアランスを 考 えた 場 合,表. 面 粗 さの. 低 減 に 最 適 な粒 径 が 存 在 す るもの と考 えられ る.む や み に 砥 粒 径. ら,注 送 圧 力 を大 きくした 方 が 表 面 粗 さの 低 減 に効 果 があ ることが. が 大 きくな って も逆 の 効 果 をもた らす と考 え られ る.こ の 点 に 関 して. わ か っ た.そ こで,注. は,今. 10,15vol%の3通. 定 とし,砥 粒 濃 度 を5,. りに 変 え ,さ らに そ れ ぞ れ の 濃 度 に つ い て 砥 粒. 径 を5.5,20,57μmの3通. 276精. 送 圧 力 を12 .7MPa一. り変 えて 実 験 を行 った.図6に,パ. 密 工 学 会 誌 陵Vol.69.No. .2,2003. 後 さらに詳 細 な検 討 が必 要 であ る.. II)砥 粒 径 と表 面 粗 さの 関係. 図6の 実 験 結 果 をもとに,表 面 粗. さと砥 粒 濃 度 の 関 係 をパ ス回 数 をパ ラメー タとして 再 整 理 した.図.
(4) 黒 部 ・中 森 肩 木:高 速 流 動 法 に よ るス テ ン レス 鋼 管 内 壁 面の 研 磨. Fig.9. Fig.8 Optical micrographs of inner wall surface 7に,そ. の 結 果 の 一 例 を示 す.図7(a)は. に 関 す る結 果 を,図7(b)は. 平 均 粒 径5.5μmの. 平 均 粒 径57μmの. 砥粒. 砥 粒 の結 果 を 表 す.. Optical. micrographs. of inner wall surface. 粒 を 懸 濁 した 液 で あ る.そ の 液 は,固 体 一 液 体 系 で の 単 分 散 系 粒 子 群 に属 して い て,疎 液 性 で 高 濃 度 に なるまで ニ ュー トン 流 体 とし. 砥 粒 に 関 して は,い ず れ の パ ス 回 数. て の 性 質 を示 す.実 験 に は,数 ミクロンか ら数 十 ミクロン の 大 きさの. の 場 合 も表 面 粗 さは 砥 粒 濃 度 に ほ とん ど依 存 しな い ことが わ か る.. 砥 粒 を用 い てい るの で,研 磨 媒 体 は ヒドロゾル と呼 ば れ る構 造 流 体. 図7(a)か ら,細 粒(5.5μm)の 一方. ,図7(b)か. ら粗 粒(57μm)の. 砥 粒 の 場 合 は,砥. える と表 面 粗 さは 直 線 的 に 減 少 す る とこが わ か る.減 は,パ. 粒 濃 度が増 少の度 合 い. これ は 次 の 理 由 によるもの と考 え られ る.作 用 砥 粒 数 が 一 定 で あ ると,1パ スあ た りの 表 面 粗 さの低 減 量 は 一 定 の 値 にな ると考 えられ る.砥 粒 濃 度 の 増 加 は 作 用 砥 粒 数 の 増 加 を意 味 す るの で,表. 面. 粗 さの低 減 量 も砥 粒 濃 度 に比 例 して 大 きくなった もの と推 察 され る. 皿)光 学 顕 微 鏡 に よる観 察.研 磨 後 の 管 内 壁 面 を光 学 顕 微 鏡 を. 5vol%に して160パ. 径57μmの. 砥 粒 を用 い 砥 粒 濃 度 を. スを繰 り返 した ときの観 察 結 果 を示 す.図8に. は,粗 さプ ロフィー ル も併 記 して い る.図8か. ら,パ ス 回 数 が 多 くな. る につ れ て 表 面 粗 さは 次 第 に 低 減 して い く様 子 が わか る.し か し, 160回 パ スを繰 り返 した 後 でも表 面 に は 筋 状 の模 様 が未 だ 幾 分 残 っ て い る.こ の ことか ら,本 研 磨 条 件 で は 平 渦 な表 面 を得 ることは で. 径57μmの. 験 で は,砥. 粒 濃 度 を最 大. このような 研 磨 媒 体(ス ラ リー)を 用 い てステ ン レス鋼 管 内 壁 面 を 研 磨 して い るが,以. 砥 粒 を用 い砥 粒 濃 度 を15vol%と 多 くして. 160回 パ ス研 磨 した ときの観 察 結 果 を示 す.図9か. ら,パ ス回 数 が. 下 に そ の 研 磨 機 構 に つ い て 考 察 す る.研. なクリア ランス をつ くり行 って い る.管 の 軸 方 向 に流 れるスラリー の流 動 状 態 は,レ D,マ. イノル ズ 数 に よっ て規 定 され る.い. ンドレル の 外 径 をd,ス. 過 す る時 間 をt,流. ま,管. ラリー の流 速 をu,ス. 量 をQ,直. 圧 式 増 圧 器 の コラムの 容 積 をVと. す ると,連 続 の 式 より, Q=π(D2‑d2)u/4. (1). が 成 り立 つ.Q=V/tで ここで,Dは. あるの で,u=4V/π(D2‑d2)tと. φ4.35mm,dは. φ4mm,tは. あ るので,管. 5.50m/sと な る.こ こで,水 Reは,Re=u(D‑d)/2vで. の 穴 の 中 を流 れ る流 体 の 流 速uは. の 動 粘 度 をvと す る と,レ イノル ズ数. 表 され る.vの. 値 は1.0064mm2/sで. 増 し160パ ス 流 動 させ ると,表 面 に 見 られ た 筋 状 の 模 様 が ほ ぼ 消 え. 管 内 の 流 体 の 流 れ は 層 流 に な って い ると推 測 され る.. 沢 の ある平 滑 な 面 に なる.. 4.考. 察. 図10に,管. な る.臨. な る.. 実 測 の 結 果6.1秒,V. 40回 でか な り表 面 が 滑 らか に なる様 子 が わ か る.さ らにパ ス 回 数 を. 面 は,光. の 内径を. ラリー が 管 を通. の で,Re=956と. てな くな る.表. 磨. は,管 内 に マ ン ドレル を挿 入 して 管 内 壁 面 とマ ンドレル の 間 に 狭 隘. は77×103mm3で. きな い とい える. 図9に,粒. な って い る.実. す ことが で きる.. ス 回 数 に依 存 しな い ように 思 わ れ る.. 用 い て 観 察 した.図8に,粒. (粒 径:1〜50μm)と. で15vol%と してい るの で研 磨 媒 体 は 比 重 の 大 きな等 質 な 液 体 とみ な. 界 レイノル ズ 数 は2300で. 内 を流 れる 流 体(ス ラリー)の. ある. あるの で7B),. 流 動 状 態(模. 式 図). を示 す.図10は,管. の 中 心 を通 る軸 に 関 して 切 断 した ときの 断 面. を表 す.u(y)は,管. 内 壁 か らマ ン ドレル に 向 か っ て 距 離y隔 っ た位. 置 に お け るスラリー の 流 速 を示 す. 研 磨 媒 体 のスラリー は,溶 媒(水)に. 溶 質 の アル ミナ(Al2O3)砥. 層 流 状 態 で 流 れ る流 体 中 の 砥 粒 は,溶 媒 か ら静 水 圧 と軸 方 向 に. 精 密 工 学 会 誌Vol.69,No.2,2003. 277.
(5) 黒 部 ・中森 ・青木:高 速 流 動 法 に よ るス テ ン レス 鋼 管 内 壁 面の 研 磨. が 低 くな っ て くると,研 磨 対 象 とな る突 起 数 は 増 加 して くる.す な わ ち,負 荷 率 が 大 きくなっ て くる.し か し,突 起 高 さの 減 少 は 衝 突 確 率 の 減 少 と衝 突 断 面 積 の 低 下 をもた らす.こ の ことが,表 面粗 さの 低 減 が次 第 に緩 や か なもの にな った 原 因 で あ ると考 え られ る.. 5.結. 言. 高 速 流 動 法 を適 用 して ステ ン レス 鋼 管 内 壁 面 の 研 磨 を行 っ た結 果,次. の結 論 を得 た.. (1)管 内 壁 面 を効 率 よく研 磨 す るた め に,管 内 にマ ン ドレル を挿 入 す る新 た な 高 速 流 動 研 磨 法 を開 発 した. (2)製 作 したマ ンドレル 保 持 装 置 は 良 好 な 水 密 性 を有 して お り, スラリー の繰 返 し高 速 流 動 に 対 して 十 分 耐 えることが わ か った . (3)表 面 粗 さは,パ ス 回 数 が増 え るに つ れ て 小 さくなる.ま た, 表 面 粗 さの 絶 対 値 は粒 径 が 大 きい ほ ど小 さくな る. (4)砥 粒 濃 度 が 高 くな るに つ れ て,表 Fig.10. Slurry flow mode. 謝. 流 体 圧 を受 け る.静 水 圧 は研 磨 作 用 に影 響 を 及 ぼ さな い の で,研 磨 に は 軸 方 向 に 流 れ る流 体 圧 だ けが 関 与 す る.研. 磨 は,砥. 粒の. 壁 面 へ の衝 突 と引 っ掻 き作 用 によって 行 わ れ るの で,ス ラリー の 流 動 速 度 が 大 きい ほ ど砥 粒 の運 動 エ ネ ル ギ ー が大 きくな る.ま た,粒. 高速 流動研 磨 装 置および マンドレル保 持 具は,金 沢 大学 技術支. 径 の 大 きな 砥 粒 ほ ど運 動 エ ネ ル ギ ー が 大 きくな る.こ の た め,表 面. 図6に 示 す 実 験 結 果 は,こ の ことを物 語 っ て い る. 図6に 示 す ように,表 面 粗 さは パ ス 回 数 の 少 な い段 階 で急 激 に減 少 す る.そ して,そ の 後 パ ス回 数 が 増 え るに つ れ て 漸 減 して い く. の 理 由 によると思 わ れ る.研. 磨 前 の パ イプ 内 壁 面 は,. 微 細 な 凹 凸 形 状 を 有 す る粗 い 面(図10)と な って い る.こ の 凹 凸 形 状 の 除 去 が 研 磨 作 用 で ある の で,図4,図5,図6の 砥 粒 の 壁 面 突 起(凹. 凸 形 状)へ. 測定結 果は. の 衝 突 確 率 と衝 突 断 面 積 を考 え. ることに よって 説 明 で きると思 われ る.高. い 突 起 ほ ど砥 粒 に 対 す る. 衝 突 断 面 積 は 大 きい.ま た,高 い 突 起 ほ ど衝 突 す る砥 粒 の 数 が 多 くな り衝 突 確 率 も大 きくな る.ス ラリー は 層 流 状 態 で 流 れ て い るの. 参 考 文 献 1) 田 中 義 信,津. 2). は,こ の ことが 原 因 して い ると考 え られ る.研 磨 が 進 み 突 起 の 高 さ. 田島. 栄:表. 面 処 理 ハ ン ドブ ック,産. 3) 進 村 武 男:磁. 立 出 版,(1982). 業 図 書, (1969)377.. 気 研 磨 法 の 現 状 と課 題,機. 械 と工 具,. 40,. 4) 鴨 川 昭 夫:実. 践 機 械 工 作 法,機. 5) 木 本 康 雄,矢. 野 章 成,杉. 械 技 術, 39,. 5 (1991) 106 .. 田 忠 彰:マ イクロ応 用 加 工,共. 立出. 版, (1986) 67. 6) 山 本 桂 一 郎,黒. 部 利 次,山. 田 良 穂,三. レス鋼 管 内壁 の 高 速 流 動 研 摩(第1報)‑研 精 密 工 学 会 誌, 7) 加 藤 8). 宏:流. 生 井 武 文,井. 64,. 浦 毅 彦:極. 細 ス テン. 摩 の 基 本 特 性‑,. 1(1998) 126.. れ の 力 学,丸. 善, (1993) 50.. 上 雅 弘:粘. 性 流 体 の 力 学,理. 工 学 社, (1978). 185.. 編 集 後 記 本 特 集 で は 近接 場 技 術 の 最 近 の 動 向 と工 学応 用 へ の展 開 の 方 向 を 知 る こ と が で き れ ば と 企 画 い た し ま し た.プ. ロ ー ブ技 術 は ナ ノ. メ ー トル 領 域 の 研 究 手 段 と し て 大 い に 期 待 さ れ て い る 状 況 で す . 電 素 子 を 用 い た 位 置 決 め 技 術 や,制 御 技 術,. 装 置 の 構 成 上 も,圧 計 測 技 術,剛. 性 の 高 い 構 造 等,精. 注 目 す べ き 分 野 と 思 い ま す.最 ノ ー ベ ル 賞 を 受 け たIBMチ タス トレ ー ジの り,プ. 密 工 学 に 関 係 す る 技 術 も 多 く, 近 で は,本. 技術 の発明者 であ り. ュ ー リ ッ ヒ 研 究 所 のBinnigら. しい 中,ご 執 筆 い た だ い た 著 者 の. 賞 受 賞 に 関す る背 景 を知 る タイ ム リー な記 事 とな りま した.ノ ー ベ ル 賞 が 身近 に感 じられ,閉 塞 感 の あ る 日本 に お いて,夢 を与 え て くれ ま した.イ. ン タ ビ ュ ー を受 け て い た だ い た 吉 田氏 を は じ. め,島 津 製 作 所 の 社 長 室広 報 の中 田 さん,紹 介 をい た だ い た経 済. 「ナ ノ ド ラ イ ブ 」 プ ロ ジ ェ ク トに か か わ っ て お. 産業 省 の小 西 氏 お よび ワ ー キ ン グ グル ー プ の方 々 に感 謝 い た し ま. 術 で 製 作 し,う. ま く行 け ば 数 年. 後 の 実 用 化 を 目 指 し て い る と の こ と で す(Scientific. America,. Jan. 2003あ る い はhttp://www.zurich.ibm.com /st /storage /mil‑ lipede.html).科 学 分 野 で 主 に利 用 さ れ て きた プ ロ ー ブ 技 術 が , 産 業 技 術 と して 展 開 さ れ る 兆 し で あ り ま す.本. 278精. の一 助 と な れ ば 幸 い で す.忙. 方 々 に 感謝 い た します. イ ン タビ ュ ーは,昨 年 度 話 題が 集 中 し ま した 田 中氏 の ノーベ ル. がデー. ロ ー ブ ア レ イ をMEMS技. 密 工 学 会 誌Vol.69,No.2,2003. 特 集 が読 者 の 関 心. 5. (1996) 16.. の 形 で 速 くな る.す な わ ち,高 い 突 起 ほ ど研 磨 作 用 を 強 く受 け るこ 面 粗 さが パ ス回 数 の 少 な い 段 階 で 急 激 に減 少 した の. 和 秀 夫:機 械 工 作 法(下),共. 33.. で,流 速 は パ イプ 内 壁 面 か らパ イプ 中 心 軸 に 向 か っ て 放 物 線 形 状. とにな る.表. 辞. 援セ ンターで製 作 されたもの であり記して謝意 を表す.. 粗 さの低 減 度 合 い は 粗 粒 ほ ど大 きくな る と推 察 され る.図4,図5,. これ は,次. 面 粗 さは 小 さくな る.. (5)ス ラリー の 注 送 圧 力 が 大 きくなる と,表 面 粗 さは 小 さくな る.. す。 最 後 に短 い 時 間 に もかか わ らず 本特 集 を取 りま とめ て いた だ い た,学 会 編 集 部 の 方 々 に感 謝 い た し ます. (羽根 一博).
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