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細粒分を多く含む火山灰質砂質土の非排水せん断強さの発達特性

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Academic year: 2022

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細粒分を多く含む火山灰質砂質土の非排水せん断強さの発達特性

日本大学工学部 正会員○仙頭紀明 学生会員 齊藤 諒 齋藤剛一

1 はじめに

常磐自動車道の浪江 IC~原町 IC区間の福島県南相馬市小高区の本線約 18㎞間には,火山灰質土を 用いた道路盛土が施工されている。この盛土材は,段丘堆積物風化火山層をのせる粘性土質砂であり,

地元では「ゆな」と呼ばれ,こね返しによる強度低下が著しく,吸水膨張が非常に大きい,および保 水性が高いこと等が特徴である1)

この現場では,施工が進むにつれて盛土が不安定化することが危惧された。そこで本研究では,小 高区君ヶ沢地区の道路盛土材料を採取し,試料の物理・力学特性を調べた。具体的には一軸圧縮試験 と定体積一面せん断試験を行って,供試体の含水比,圧密条件が異なる場合の非排水せん断強さを調 べ,盛土材料の強度発現メカニズムを把握することを目的とする。

2 実験方法

試験に用いた試料は,小高区君ヶ沢地区より採取した(図-1 参 照)。試験ケースを表-1 に示す。供試体は所定の含水比で,突固 めによる締固め方法(A 法)により作製した。含水比は現場含水比

37%,最適含水比28%,加水による高含水比44%とした。ケース

1~4 の一軸圧縮試験は UU 条件の非排水せん断強さを求めるため に行った。試験は含水比の異なるケース 1~4,シキソトロピーに よる強度増加の評価はケース 2,ケース 2 の比較として乾燥養生 させた試験はケース4で行った。ケース2は含水比一定試験であ り,供試体をビニール袋に入れて,密閉した状態で濡れタオルを 被せて養生した。養生日数は,0, 3, 5, 7, 14, 28日とした。またケ ース4は,供試体を室内(25℃)に放置し,3, 7, 28日

間乾燥養生した。試料は直径 10cm の供試体を 4 つ に分割し,直径3.5cm,高さ 7cmの供試体を作製し た。一方,圧密による強度増加を確認するために定 体積一面せん断試験(JGS 0560)を行った。供試体は 直径6cm,高さ2cmとした。圧密圧力σcは50, 100,

200, 300kPaとし,せん断過程では,せん断変位速度

0.2mm/min とした。試験ケースは含水比の異なる 3

ケース(ケース 5~7)とした。物理試験結果を表-2 に 示す。本試料は砂質土であるものの,塑性指数Ipは 18.4であった。また現場含水比で突き固めた試料の 定ひずみ圧密試験(JIS A 1227)結果より,圧密降伏応 力(340(kN/m2))のとき,透水係数は 9.4×10-8(m/s)で あり,透水性は砂質土にしては低いことがわかる。

図-2に粒径加積曲線を示す。図より試料は細粒分を

36%含み,三角座標からSFと分類される。また突固

めによる土の締固め試験(JIS A 1210)の A-a 法より,最大乾燥密度ρdmax=1.427(g/cm3),最適含水比

キーワード 火山灰質砂質土・盛土・非排水せん断強さ

連絡先 〒963-8642 福島県郡山市田村町徳定字中河原1番地 日本大学工学部土木工学科 Tel: 024-956-8710, e-mail: [email protected]

図-1 試料採取場所 (電子国土を引用)

表-2 物理試験結果 表-1 試験ケース

註)kpc=340(kN/m2)の時の透水係数 ケース 含水比

(%) 養生日数 試験方法 1 28 0

一軸圧縮試験 2 37 0, 3, 5, 7,

14, 28 3 44 0 4 37以下 0, 3, 7, 28 5 37 0

定体積一面 せん断試験 6 28 0

7 44 0

ρs (g/cm3)

wn

(%) wL

(%) wP

(%) Ip

k (m/s) 2.564 36.7 50.3 31.9 18.4 9.4×10-8 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑419‑

Ⅲ‑210

(2)

wopt=27.8(%)となった。

3 実験結果

図-3 に含水比一定試験(ケース 2)における養生日 数と非排水せん断強さ(su)の関係を示す。養生日数が 28日の範囲内では,非排水せん断強さがほぼ同じ結 果になり,火山灰質粘性土のようなシキソトロピー による強度増加 2)は確認できなかった。一方,供試 体を乾燥させた場合(ケース4),水分量が減少すると ともにせん断強さが増加している。現場含水比にお ける有効応力経路を図-4に示す。全応力表示の強度 定数ccu=37(kN/m2),φcu=24.4°,有効応力表示の強度 定数c’=22(kN/m2) φ’=35.0°であった。図-5に含水 比と非排水せん断強さ(τf)の関係を示す。図より圧 密圧力が大きくなると,どの試料も圧密による強度 増加が確認できる。また含水比が低いほどせん断強 さが大きいことがわかる。以上により,せん断強度 の発現はシキソトロピーによる強度増加ではなく,

乾燥による水分減少または圧密による強度増加が主 体であった。そのため,砂質土と判断して,透水性 が高いと仮定し,盛土を急速に施工すると,透水性 が砂質土としては低いため,盛土内に間隙水圧が発 生して,十分に強度増加が見込めず,盛土が不安定 化する可能性がある。よって土中に溜まった間隙水 圧をいかに消散させて圧密による強度増加をはかる かが重要になる。圧密を促進させるためには,水平 排水層を設けることが有効な対策であることが確認 されている 1)。また,排水のための時間を確保する ためには,施工速度を遅くするなどの配慮が必要で あると考えられる。

4 まとめ

小高区君ヶ沢地区の試料は砂質土と分類されてい るものの,細粒分を多く含み粘性土の性質をあわせ 持っていることがわかった。またシキソトロピーに よる強度増加は今回の試験では確認できなかった。

せん断強度増加の要因は,乾燥による水分減少及び 圧密による強度増加であることがわかった。

謝辞 試料採取および資料提供について,NEXCO 東日本 宮越 信氏,株木建設 園部 昭氏にご協 力をいただいた。記して謝意を示します。

参 考 文 献 1)宮 越 他(2009):火 山 灰 質 粘 性 土 質 砂(ゆ な)に よ る 大 規 模 施 工 に つ い て, 土 木 学 会 東 北 支 部 技術研究発表会講演概要Ⅲ-46, pp. 375-376. 2)正垣 他(2009):関東ロームのシキソトロピーによる強度・

圧密特性の変化, 地盤工学会誌, Vol. 57, No.11, pp.

24-26.

0 50 100 150 200 250 300 350

0 50 100 150 200 250 300 350

垂直応力 σ(kN/m2 せん断応力 τ(N/m2

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0.001 0.01 0.1 1 10 100

粒 径 ( m m )

通過質量百分率(%)

0 50 100 150 200 250 300 350

0 5 10 15 20 25 30

養 生 日 数 非排水せん断強さ Su(kN/m2)

含水比一定試験(Sr=87~92%)

乾燥試験

図-2 粒径加積曲線

図-3 養生日数と非排水せん断強さの関係

図-4 τ-σ曲線(w=37%)

ccu=37(kN/m2),φcu=24.4°

c’=22(kN/m2),φ’=35.0°

Sr=64%

Sr=28%

Sr=10%

0 50 100 150 200 250 300 350

0 10 20 30 40 50

含水比 w(%)

非排水せん断強さ τ(kN/m2 )

5 0 kPa 1 0 0 kPa 2 0 0 kPa 3 0 0 kPa σ

図-5 含水比と非排水せん断強さの関係 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

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参照

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