在宅療養・看取りについて学ぶ会 わが家の音がきこえる
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(2) 目 次 1.はじめに. 2. 2.目的. 3. 3.概要. 3. 4.講座内容. 3. 1) 座談会: 「在宅での看取りを経験して ~家族の体験」 在宅で看取りを経験した家族の語り 2) 講演: 「ファンダ―から見た生と死」 國森康弘氏(フォトジャーナリスト) 5.講座の結果. 6. 1)アンケート結果(表) 2)アンケート結果の概要 6.分析. 10. 7.考察. 11. 8.今後の展望. 12. 9.謝辞. 13. 資料一覧 ポスター. 14. アンケート. 15. 1.
(3) 1.はじめに 地域包括ケアシステムが 2013 年より始動し、急性期医療機関ではなく在宅・地域におけ る医療サービス提供が推進されています。しかし、多くの人たちが望んでいる在宅での療 養・在宅死(看取り)(筆者らの研究も含めて多くの先行研究もそれを示しています)は十 分に実現されていないのが現状です。全国の平均在宅死亡率は依然として 14%に至っておら ず、北海道においては僅か 8.7%です。この割合は病院での死が多い現状を示唆しており、 北海道の高齢者医療費が他都道府県に比して高いことも一部説明がつきます。同時に、70 -80%の人たちが在宅での療養・在宅死を望んでいるのに、その願いが実現されていないこ とをも示しています。 筆者らの研究調査では、次のようなことが明らかになっています。. 北海道のような自. 然環境が厳しい場所では往々にして、その低い在宅死亡率の要因として『広域』 『積雪寒冷』 が挙げられます。. これらは確かに要因ですが、実は『人々の在宅療養・看取りに対する. 意識』が要因の一つであると示されました。そして、人々の意識には『必要な情報が人々 に届いていない』ということが明らかになりました。これは、全国平均在宅死亡率も統計 的には北海道と有意な差がなく、寧ろ、諸外国 (特にデンマーク、オランダ、フランス)の 在宅死亡率と大きく乖離していることが説明できます。 そこで、参加者が住まう同じ地域に暮らしながら、家族を在宅介護し、看取った経験を した人、つまり、参加者にとっては馴染みの隣人のような 2 名に方に体験を話して頂く企 画をしました。介護中に困ったこと、専門職者との関わり、家族介護に関する情報入手先、 在宅での看取りを経験して心に残ったこと、などを語って頂くことにしました。又、在宅 療養・死や看取りについて映像を通して学ぶ機会の提供を企画しました。映像は言葉では 伝えきれない情報を提供してくれると考えたからです。そこで、かつて戦場カメラマンと して戦争を見つめた眼で、今は地域での人のつながりや在宅死を被写体として捉えている 方を講師の一人として迎えることとしました。 この豊かな日本の社会で、その人が望んでいるにも拘わらず、その願いが叶っていない 現状があります。それには諸要因がありますがそれらの阻害要因の一つでもクリアできれ ばと願ながら、講座を開催しました。. 2018 年 12 月 スーディ 神崎 和代 3HR 代表者. 2.
(4) 2.目的 1) 在宅で家族を看取った人と写真家として【在宅療養・在宅死】をとらえる人の経験を通 して、一般の人たちの在宅療養・在宅での看取りについての理解を深める機会とする。. 2) 【在宅療養・看取り・生と死・事前の意思表示】をキーワードにして、意見交換を 行うことで、在宅療養・在宅死・看取りに関するネガティブな印象を軽減し、在宅 死・在宅での看取りについての適切な情報提供の機会とする。 3) 最終的には、在宅療養・在宅死・在宅での看取りの増加に寄与する。 3.概要 日 時: 2018 年 11 月 17 日(土) 14:00-16:00 場 所: 札幌市立大学 サテライトキャンパス 大会議室 札幌市中央区北 4 条西 5 丁目 ASTY45 ビル. 12 階. 対 象: 在宅療養・在宅死・在宅での看取りに関心のある方 参加費: 無料 座談会:「在宅での看取りを経験して ~家族の体験」 講 演: 「ファンダ―から見た生と死」 國森康弘氏(フォトジャーナリスト). 4.講座内容 1) 座談会: 「在宅での看取りを経験して ~家族の体験」をテーマとして、座長のスー ディ神崎和代が以下の5つの質問をしながら、2 名のご遺族に在宅で看取ったことの経 験や気持ちを語って頂いた。 山口和枝氏: 10 年間義母を介護し、看取った。 玉置眞知子氏: 1-2 か月間、義理の両親を介護し、看取った。. (1) 在宅介護を経験して得られたポジティブな側面とは何か 玉置氏:在宅介護するのは初めてで、分からなかった。また、嫁と姑という義理の中は必 ずしも良好ではなかったけれど、結果的には在宅介護には後悔はなかった。むしろ、在宅 介護をして本当によかった、と思っている。 孫が曾祖母を介護している祖母である私の姿を見て、 「私もおばあちゃんに看病してもら いたい」と言ってくれた時にはうれしかった。こうして次の世代が先人たちの見送りをし ているのを見ているのだ、つながっていくんだと思うと、在宅介護は大切なことなのだと 思った。 山口氏:10年間の在宅介護で疲れた時もあったし、夜間の介護では不安になることもあ ったけど、訪問看護師に相談していつでも来てもらえることがわかり、不安が軽減した。 3.
(5) 結果的には在宅で看取ってよかった。. (2) 在宅介護をするにあたり、必要な情報はどこから入手したか 山口氏:介護保険ができた年から介護をはじめた。入院しており、退院時に病院の担当の 看護師より、介護保険のサービスについて情報を得た。 玉置氏:介護保険のことを知らなかった。義理の父の介護の際に、ベッド、車椅子、ポー タブルトイレなど、全部現金で自分で購入した。義理の父に対しては、義母が自分なりの 方法で夫を介護したいだろうと思い、必要なところだけを助けるという形で介護に参加し た。義父が亡くなり、義母の介護が必要になった時には、全面的に嫁である自分が介護を 担った。義父の介護の体験があったので参考になった。. (3) 不足していた情報、サービスは何か、欲しかった情報や支援は何か 玉置氏:介護保険のことを知らなかった。 山口氏:24 時間連絡体制について、 「いつでも、なんでも連絡してください」と言われたが、 遠慮があり連絡できなかった。 「いつでも」がいつなのか、具体的ではなかった。何時から 何時まで、とかこのようなことがあったら、など具体的に連絡するように伝えておいても らえると遠慮なく連絡できると思う。 (4) 自分は、終末期をどこで過ごしたいと思うか? 山口氏:自宅で過ごしたい。自分には未婚の子供が一人しかいない。子供が家族主介護者 として私の在宅療養・死を支援できるかについては心配がある。しかし、自分一人であろ うとも、自宅で暮らしたいと思う。一人暮らしであろうと、家族が 100 人いようとも、終 末期を自宅で過ごすことができる体制がほしい。 玉置氏:自宅で過ごしたい。多世代で暮らしているが、人がこうやって若い世代につない でいきたい。また、地域の人たちの中には(玉置さんは 200 世帯以上の檀家を持つお寺の 奥さん) 、最初からすぐに病院や施設介護を家族のために選択する人たちが少なからずいる ので、在宅療養・看取りについての正しい情報提供が重要だと思う。中には在宅でも支援 があれば、在宅介護が可能な場合もあると思うので。 (5) これから、介護をする人及び支援をする専門職に言いたいことは? 山口氏:独り暮らしでもその人が望めば、在宅での療養・在宅死が可能になる体制を強化 してほしい。専門職者の人たちは普通の人が理解できるように、具体的に説明をしてほし い。 玉置氏:訪問してくれた看護師さんは印象の良い方で、義父も喜んでいた。ただ、義父の 介護を開始した当初、在宅介護、介護保険、訪問看護、などの情報を全く持っていなかっ 4.
(6) たので、なかなか訪問看護師さんにたどり着かなかった。情報提供の場があると良い。. 2) 講演:「ファインダーから見た生と死」 國森 康弘 氏 (フォトジャーナリスト) (1) 東日本大震災の被災地でであった 3 人の在宅療養者 宮城県沿岸部のある町の華蓮ちゃん。2011 年 3 月 11 日の大地震で家は被害を免れたが、 華蓮ちゃんはそれ以来吐き気・嘔吐がつづき「脳腫瘍」が見つかる。手術やさまざまな治 療を試したが、今の医療では手の施しようがない状態となった。小学 4 年生になった彼女 は、最後の大きな目標を立てた。毎年一番の楽しみだった東京ディズニーランドへ、家族 旅行に行くこと。家族、そして医師や訪問看護師が協力して、夢の実現に奔走した。ディ ズニーランドで体調を悪化させた華蓮ちゃんだが、大好きなミニーちゃんが救護室に会い に来てくれて元気を取り戻す。夢の実現から数日後華蓮ちゃんは息を引き取った。 福島県南相馬市の仮設住宅で出会った 28 歳の勝彦さん。6、7 年前に骨肉腫の診断を受け た。 「闘病中に起きた 3.11 大震災。放射線量が高くて、自宅には戻れず、仮設住宅で暮ら していた。勝彦さんは結婚して子供をもつという大切な夢があったが、あきらめた。勝彦 さんが最後に望んだのはおかあさんとの写真を残すことだった。最後にしっかりおかあさ んとの笑顔のツーショットを残していった。 宮城県、二人の娘のいる母である○○さん。ALS と診断された。娘には迷惑をかけたくな い、介護だけの人生を送らせたくないという思いで、新聞広告を出す。「私をサポートして ください」多くの若者が集まった。県内の看護学生もサポートメンバーになった。 看護学生は、 「○○さんが、私たちの一番の先生でした」ということばで〇〇さんを送っ た。 (2) 東近江市永源寺地域の高齢者たち 中東の戦地や災害地で出会った悲惨な死を撮り続けているうちに、一方では日本の中に 平穏な死、尊厳が守られた死があること、それを撮りたいという思いに駆り立てられた。 東近江市永源寺地域に、そんな温かい死を看取っている診療所があることを知り、写真 を撮り始めた。曾祖母を看取る小学生 5 年生恋(れん)ちゃん、 「旅立ち」はふるさとでわが 家でのこだわりを貫き故郷の自宅で最期を迎えた高齢者、在宅医療を支える医師や看護師、 そして近隣の人々の姿を、写真を通じて描いた。 國森康弘氏 写真家、ジャーナリスト。1974 年生まれ。神戸新聞社記者を経てイラク戦争を機に独立。 世界の紛争地や経済貧困地域を回り、国内では、戦争体験者や野宿労働者、東日本大震災 被災者たちの取材を重ねてきた。 「命の有限性と継承性」をテーマに、近年では滋賀県や東 5.
(7) 北被災地などで看取り・在宅医療・地域包括ケアの撮影に力を入れている。滋賀県の永源 寺地域を舞台にした写真絵本シリーズ「いのちつぐ『みとりびと』第1集」で 2012 年度け んぶち絵本の里大賞を受賞。. 5.講座の結果 1)アンケート結果(表). 6.
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(9) 2)アンケート結果の概要 (1) 参加者の基本属性 ➀ 性別及び年齢 性別は男性 10 人(14%) 、女性 61 人(86%)であった。 年齢は 59 歳以下 34 人(54.9%)次いで 60~69 歳⒒人(20.9%)70~79 歳 9 人(14.5%) 、 80~89 歳 6 人(9.6%)の順であり、90 歳以上の参加者はいなかった。 ② 同居している家族人数及び続柄 同居家族人数は「2 人」は 20 人(32.3%) 、次いで「1 人」18 人(29%) 、 「3 人」11 人(17.8%) であった。家族の続柄は、子 23 人(42.3%) 、次いで配偶者 22 人(42.3%) 、親 6 人(11.1%) であった。 ③職種について 職種は医療・福祉専門職は 38 人 (55%) 、次いで、 その他 27 人 (39.1%) 会社員 4 人 (5.8%) であった。その他について記載があったのは、主婦、ボランティアであった。 ④居住している地域 本講座を開催した地域である札幌市内からの参加者は 52 人(86%)を占めていた。札幌 より 50 ㎞(JR で 1 時間程度)の近郊からの参加者は 4 人(6%) 、130 ㎞(JR 特急で 1 時間 ~2時間程度)遠方からも 3 人(5%)の参加者がいた。. (2)講座に参加した理由 「興味があった」は 37 人(52.1%) 、「知人に誘われた」は 15 人名(21.1%)であり、全 体の 73.2%を占めていた。 「その他」は 18 人(25.3%)とおよそ 3 割を占めていた。 その他の理由として、講座後に「美容室を経営しており、馴染みのお客様が最期を迎えら れた後に、希望により髪の整えやお化粧を頼まれた経験から、もっと何かできることはな いかと考え参加した」と話されている参加者がいた。. (3)講座の感想 ①看取りを経験したご家族の体験 「とても良かった」 「良かった」は 54 人(98.5%)であった。 ②講演 「とても良かった」 「良かった」は 55 人(98.2%)であった。 (4)最期を過ごす場所の選択について自身の考え ① あなたの町では希望した人は最期まで在宅で過ごせるか 「多くの人が過ごせる」は 6 人(9.7%)、「だいたい過ごせる」は 21 人(33.8%)であっ た。 「あまり過ごせない」は 35 人(56.4%)であったが、まったく過ごせないと回答した 8.
(10) 人はいなかった。 ②私が終末期をどこで過ごすかは自分自身で決める 「そう思う」は 46 人(75.5%) 、 「まあ思う」13 人(21.3%)であり、「あまり思わない」 2 人(3.3%) 「思わない」と回答した人はいなかった。 ③私は終末期になっても自宅で過ごしたい 「まあ思う」26 人(42.6%) 、 「そう思う」24 人(39.3%)を合わせると 50 人(81.3%) であった。 「あまり思わない」は 18 人(13.2%)、 「思わない」は3人(5.1%)であった。 ④私が終末期になった時どこで過ごしたいかはあらかじめ希望を伝えておく方が良い 「そう思う」55 人(90.2%) 「まあ思う」5 人(8.2%)を合わせると 55 人(98.4%)で った。 「あまり思わない」1人(1.6%)、 「思わない」と回答した人はいなかった。 ⑤私が希望すれば在宅で最期まで過ごせる 「まあ思う」28 人(48.3%) 、 「そう思う」9 人(15.5%)を合わせると 37 人(63.8%) であった。 「あまり思わない」18 人(31%)、 「思わない」3 人(5.1%)を合わせると 21 人 (36.1%)であった。 (5)最期を迎える時の社会資源の利用について ①私の地域には終末期を過ごすためのサービスがある 「そう思う」24 人(42.8%) 、 「まあ思う」18 人(32.1%)であり、 「あまり思わない」12 人(21.3%) 、 「思わない」3人(5.3%)であった。 ② 訪問看護を利用したい 「そう思う」30 人(50%) 、 「まあ思う」23 人(38.3%)を合わせると 53 人(88.3%) であった。 「あまり思わない」6 人 (10%) 「 、思わない」 1人 (1.7%)を合わせると 7 人 (11.7%) であった。 ③ 訪問診療を利用したい 「そう思う」30 人(50%) 、 「まあ思う」21 人(35%)を合わせると 51 人(85%)であっ た。 「あまり思わない」8 人(13.3%)、 「思わない」1 人(1.7%)を合わせると 9 人(15%) であった。 ④ へルパーを利用したい 「そう思う」26 人(44.1%) 、 「まあ思う」27 人(45.7%)を合わせると 53 人(89.8%) であった。 「あまり思わない」5 人(8.47%)、 「思わない」1 人(1.7%)を合わせると 6 人 (10.17%)であった。 (6) 自身が在宅療養・在宅死を希望する時の家族についての考え ① 私が在宅療養・在宅死を希望する時家族の同意が必要だと思う 「そう思う」42 人(68.9%) 、 「まあ思う」16 人(26.2%)を合わせると 58 人(95.1%) 9.
(11) であった。 「あまり思わない」2人(3.2%)、 「思わない」1 人(1.6%)を合わせると 3 人 (4.8%)であった。 ② 私が在宅療養・在宅死を希望する時家族は賛成すると思う 「そう思う」15 人(24.5%) 、 「まあ思う」28 人(45.9%)を合わせると 43 人(70.4%) であった。 「あまり思わない」16 人(26.2%) 、「思わない」2人(3.1%)を合わせると 18 人(29.3%)であった。 ③私が在宅療養・看取りは家族の負担が増えると思う 「そう思う」30 人(49.1%) 、 「まあ思う」28 人(45.9%)を合わせると 58 人(95%) であった。 「あまり思わない」2 人(3.2%)、 「思わない」1 人(1.6%)を合わせると3人 (4.8%)であった。 ④在宅での看取りは家族にとってもポジティブな体験になると思う 「そう思う」24 人(40%) 、 「まあ思う」28 人(46.8%)を合わせると 52 人(86.8%) であった。 「あまり思わない」8 人(13.3%)、 「思わない」と回答した人はいなかった。. 6.分析 1) 参加者の背景 参加者は女性が多く、年齢は 59 歳未満の方が 5 割以上を占めていた。60 歳代、70 歳代、 80 歳代は 6 人から 9 人であったが、幅広い年代の方が参加していた。参加者の同居人数は 1 人~2 人が多く、2 人の場合は子や配偶者との同居が多かった。職業は医療・福祉の専門 職が半数を占めていたが、ボランティア、会社員、主婦の方も参加していた。居住地は札 幌市内が 8 割以上であったが、開催地より 130 キロも離れた遠方からの参加者もあった。 これらの事から、幅広い年齢層や医療・福祉専門職以外の職種、広域な地域から、 「本講 座に興味関心を持ち参加していたことが考えられる。. 2)講座に参加した理由と講座の感想について 参加者の 5 割以上は講座内容に興味を持ち参加していた。参加者の中には美容室の馴染み のお客様の最期に髪の整えやお化粧を頼まれた経験から、看取りの知識を得る機会とし、 また美容師としての役割や活動についての幅を広げたいと考えて、本講座に参加したこと から、在宅看取りについて学ぶことで現在の仕事をさらに意義深い内容と考えていること が伺える。 講座内容については「とても良かった」 「良かった」が 9 割を超えていた。このことから、 講座内容についての満足が得られていたと考えられる。. 3)最期を過ごす場所の選択について自身の考え 自身の住む町で、希望した人は最期まで在宅で過ごせるかについては、あまり過ごせない 10.
(12) と回答した人が半数を超えていた。しかし、全く過ごせないと回答した人はいなかった。 終末期をどこで過ごすかは自身で決めるについては、9 割の人がそう思うと回答しており、 8 割の人は自宅で過ごしたいと回答していた。9 割の人は、自分が終末期をどこで過ごした いかあらかじめ希望を伝えておく方が良いと回答していた。 しかし、希望すれば在宅で最期まで過ごせると回答した人は 6 割であり、約 4 割の人は 最期まで在宅で過ごせないと回答していた。. 4)最期を迎える時の社会資源の利用について 自身の居住地域には終末期を過ごすためのサービスがあると 8 割に近い人が回答していた。 訪問看護を利用したいと思う人はおよそ 9 割、訪問診療を利用したいと思う人は、 8 割以上、 へルパーを利用したいと思う人はおよそ 9 割であった。 5)自身が在宅療養・在宅死を希望する時の家族についての考え 自身が在宅療養・在宅死を希望する時、家族の同意が必要だと思うと回答した人は 9 割 を超えていた。自身が在宅療養・在宅死を希望する時家族は賛成すると回答した人は 7 割 であり、賛成しないと回答した人はおよそ 3 割であった。 自身の在宅療養・看取りは家族にとってもポジティブな体験になると回答した人は 86.8% であったが、家族の負担が増えると回答した人は 95%であった。 7. 考 察 今回の結果から、終末期をどこで過ごすかは自身で決め、多くの人が最期まで自宅で過 ごしたいと考えており、自分が終末期をどこで過ごしたいかあらかじめ希望を伝えておく 方が良いと考えていることが明らかになった。8 割の人は居住地域に終末期を過ごすための サービスがあると回答し、9割の人が訪問看護や訪問診療、へルパーを利用したいと考え ていた。しかし、希望すれば在宅で最期まで過ごせると回答した人は 6 割であり、約 4 割 の人は最期まで在宅で過ごせないと回答していた。 その理由としては、次の2つのことから推測される。 1つ目は、自身の在宅療養・在宅死の希望を家族に伝えることについて 9 割の人が必要で あると考えているが、家族は賛成すると考えている人は 7 割であり、3 割の人は賛成しない と考えていることである。2 つ目は、86.8%の人が自身の在宅療養・看取りは家族にとって もポジティブな体験になると考えているが、その一方で、95%の人は家族の負担が増える と考えていることである。これは、現在の日本の体制が未だ十分ではなく、家族介護者に 依存したシステムであることを示唆する結果でもある。 このことから、在宅療養・在宅死を望んでも家族への負担を考えると、自宅で最期を迎 えることを希望していたとしても、自分の住む町で、希望した人は最期まで在宅で過ごせ 11.
(13) るかについては、あまり過ごせないと回答していたことが推測される。 これらの結果をふまえ、本人の意思表明に加え、家族への遠慮や気遣いを尊重しながら も、最期まで自分の望む場所で生活することが実現できるような看取ることへの文化の醸 成により、在宅療養や在宅看取りを納得して選好することができるような支援の必要性が 示唆された。同時に、専門職者も多く参加したことから考えると、専門職者にも十分な情 報が必ずしも届いていないことが推察される。又、学習の機会が求められているというこ とでもあろう。 市民と専門職者が同じ場で、家族を看取った人たちの経験を聴き、在宅で逝く人を映像 で観る機会となった今回の講座は、支える人と支えられる人が情報を共有し、市民参加者 の質問や意見から市民の関心や不安に直接に触れる機会となったことは専門職者にとって も意義深いと考える。また、映像の対象は本州の辺鄙な山間部在住の人たちであったこと から、訪問看護師・医師、ご近所さんが力を合わせれば【独り暮らしでも在宅死が可能な のだ】というポジティブなメツセージとして受け止めた参加者が多くいたことは【北海道 でも、多少辺鄙でも可能かもしれない】とい一筋の希望の光となった可能性が推察できる。. 8. 今後の展望 人々の在宅療養・在宅死・在宅での看取り実現への希望とそれを実現可能にする現実の 間には、未だ、埋め切れていないギャップがある。そのギャップを埋めていく作業には多 くの工夫が必要である。. 今回は一方的な講義形式ではなく、映像で視覚に、看取り経験. 者(介護期間、環境、同居家族数の何れも異なる 2 名)の素朴で待つ直ぐなお話を聴覚に、 訴えることで情報提供ができたが、今後も情報や学習の場の提供を通して家族支援・専門 職者支援方法に工夫を重ねながら地域で継続していく予定である。2-3 年の展望としては、 家族支援のための動画プログラム作成を計画している。それにより、どこに住んでいいて も都市部と同じような情報提供がデジタルというツールを用いて可能になり、自治体への 無料配信を視野に入れている。また、【私は在宅で療養して、最期を迎えたい】という意思 表示を可能にする啓発活動も並行して進める。 参加者から頂いた言葉を励みとして、地域に根差した研究会だからこそ可能な『論拠と 優しさ』を伴った活動をしく所存である。 【多少認知症があっても、独り暮らしであっても、 その人が望むのであれば在宅療養・死が可能になる社会づくり】の一翼を担えるように研 鑽を重ねていく。. 12.
(14) 9.謝辞 本講座【市民の集い】開催に至るまでには多くの手が添えられました。 講座の講師役をご快諾して下さった山口さん、玉置さんにお礼を申し上げます。個人と して体験した内容を他の人たちに話すことは容易ではありません。しかし、御両名は企画 者らの意図を理解して下さり、経験を共有させて下さいました。そのお話しは経験したか らこそ語れる内容であり、参加者の胸を打ちました。山口さんの【看護師さんがいつでも 連絡してください、という言葉は有難かったが、本当に夜中に電話をして良いのだろうか、 と迷った。いつでも、という言葉をもう少し具体的に示してくれれば遠慮なく困ったとき に電話がかけられたと思う】というお話に参加していた訪問看護師さんたちは、 【家族の本 音】に背筋が伸びる思いをした、と語っていました。【生きた声】は多くのことを教授して くれました。 國森さんは多忙なスケジュールを調整して、遠方より参加してくれました。有難うござ いました。映像の持つユニークな力を活用して、異なる視点から在宅療養・死・看取りを 見つめることが出来ました。 参加募集の広報については、地域で活動しているボランティア団体である葉っぱの会、 パソコンクラブ新陽会、訪問看護ステーション連絡協議会事業所ネットワーク、地域包括 ケアセンターなど、多くの団体や個人に支援を頂きました。 北海道看護協会と北海道訪問看護ステーション連絡協議会のご後援をいただき、感謝い たします。 勇美記念財団からの寛大な助成金を得て、意義深い市民の集いの会を開催できましたこ とを心よりお礼を申し上げます。 未だ道半ばでありますので、今後ともご支援・御鞭撻を賜りますよう、膝を幾重にも折 り、お願い申し上げます。 2018 年 12 月 代表:. スーディ神崎和代. 竹生 礼子 鹿内 あずさ 川添 恵理子. 13.
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(16) 在宅療養・看取りについて学ぶ会. アンケートのお願い . このアンケートの回答時間は 5 分程度です。 ご協力をお願いいたします。. . アンケートの回答をもって 研究にご同意いただけたものとさ せていただきます。アンケート結果につきましては、学会等で発 表させて頂きますが個人が特定されないよう配慮いたします。. 問1. この講座に参加した理由をお答えください。当てはまる番号に◯をつけ てください。その他の場合は、( )内に記入してください。 1.テーマに興味があったから 3.家族にさそわれた. 2.知人にさそわれた. 4.その他(. ). 問2. あなたの年齢をお答えください。当てはまる番号に◯をつけてく ださい。 1.59 歳以下. 2.60〜64. 3.65〜69. 4.70〜74. 5.75〜79. 6.80〜84. 7.85〜89. 8.90 歳以上. 問3.. あなたの性別をお答えください。当てはまる番号に◯をつけてく ださい。 1.男性. 2.女性. 15.
(17) 問4.. あなたのご職業を教えてください。当てはまる番号に◯をつけてくだ さい。その他の場合は、( )内に記入してください。. 1.自営. 2.会社員. 3.医療・福祉専門職. 4.その他 ( 問5.. あなたのお住まいの地域(市・区・町・村)はどこですか。 ( )内に記入してください。. ( (. 問6.. ). )市( )町. )区 / (. )村. あなたの同居ご家族について教えてください。当てはまる番号に〇、 または(. )内に記入してください。. 1.ひとり暮らし 2.ふたり暮らし 3.(. )人で暮らしている. → 一緒に暮らしている方はどなたですか? 1)配偶者 4)その他(. 2)子. 3)親 ). 問7. あなたの今のお考えをお答えください。 あなたの地域(市・区・町・村)では、希望した人は、最期まで(息をひき とるまで)自宅で過ごせると思いますか? 当てはまる番号に〇をつけてくだ さい。 1.多くの人が過ごせると思う 2.だいたいの人が過ごせると思う 3.あまり過ごせる人はいないと思う 4.全く過ごせる人はいないと思う. 16.
(18) * 講座に参加してのご感想をお答えください。 自分の考えにあう1~4の数字に〇をつけてください。 質問 番号. た 良 と か て っ も た っ. 質問項目. 良 か っ た. た 良 あ く ま な り か っ. た 良 く な か っ. 問8. 在宅での看取りを経験して~家族の体験. 4. 3. 2. 1. 問9. ファインダーから見た生と死. 4. 3. 2. 1. 問10. 場所・音響などの会場の環境. 4. 3. 2. 1. ........ *終末期を自宅で過ごすことについて、今のあなたのお気持ちをお 答えください。自分の考えにあう 1~4 の数字に○をつけてください。 質問 番号 問11 問12 問13 問 14 問 15 問16 問17 問18 問19 問20 問21 問22. うそ う 思. 質問項目 わたしの地域には、終末期を在宅で過ごすため のサービスがある わたしが終末期になった時にどこで過ごすか は、自分自身で決めるほうがいい わたしが終末期になった時にどこで過ごしたい かは、あらかじめ希望を伝えておくほうがいい わたしは終末期になっても自宅で過ごしたい 在宅での看取りは家族にとってもポジティブな 体験になると思う わたしが希望すれば在宅で最期まで過ごせると 思う わたしは訪問診療を使いたいと思う わたしは訪問看護を使いたいと思う わたしはホームヘルパーを使いたいと思う わたしが在宅療養・在宅死を希望するとき、家 族の同意が必要だと思う わたしが在宅療養・在宅死を希望するとき、家 族は賛成すると思う 在宅療養・看取りは、家族の負担が増えると思 う. うま い思あ あ わま り 思 な. 4. 3. 2. 1. 4. 3. 2. 1. 4. 3. 2. 1. 4. 3. 2. 1. 4. 3. 2. 1. 4. 3. 2. 1. 4 4 4. 3 3 3. 2 2 2. 1 1 1. 4. 3. 2. 1. 4. 3. 2. 1. 4. 3. 2. 1. * この講座に参加してのご意見・ご感想などをお聞かせください。. ご協力ありがとうございました。 17. い思 わ な.
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中学生 高校生 若年者 中高年 高齢者 0~5歳 6~15歳 16~18歳 19~39歳 40~65歳
就学前の子どもの保護者 小学校 1 年生から 6 年生までの子どもの保護者 世帯主と子のみで構成されている世帯の 18 歳以下のお子さんの保護者 12 歳~18 歳の区民 25
2018年度の実利用者92名 (昨年比+ 7 名) ,男性46%,女 性54%の比率で,年齢は40歳代から100歳代までで,中央 値は79.9歳 (昨年比-2.1歳)