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障がい児のきょうだいが持つ不安感情と求められるサポートについての研究

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Academic year: 2021

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- 93 - 障がい児のきょうだいが持つ不安感情と求められるサポートについての研究 人間教育専攻 臨床心理士養成コース 久保田朱美

1

.

問題と目的 近年,障がいのある人のきょうだい(以下, きょうだb守への支援が重要であるという声が 高まってきている。遠矢 (2

4)に よ れ ば 障 がいのある子ども

ω

i

下,同胞)のいる家族は, 家族の中心が同胞となるために,きょうだいが “主鎖的愛情不全"の状態に陥りやすし、という ことが指摘されており,これがきょうだいの性 質に対して大きく影響してくると述べている。 そこで,本布院では対象者を中学生以上に絞り, 現在のきょうだい児が欲する支援,同胞との関 わりや影響,不安感情,家族関係、についての実 態を明らかにすることを第一の目的とする([研 究1))。また、中学生の聞に,具体的にどのよ うな支援を得ることによってきょうたいの障が い受容度が高まり,そしてそれが現在の椿神的 健康に繋がるかどうかについて明らかにするこ とを第二の目的とし(【研究2)),研究1と研究

2

を通して,きょうだい児の援助における可能 性を探求する。

2

.

[研究日 きょうだい児支援における実態 調査 防法) 調査協力者は,障がいのある同胞をもっきょ うだい28名であり, 14歳から60歳(平均; 29.0歳,

SD:

10.4歳)の男性

8

人,女性20人 だ、った。 調査期間は2015年2月で,調査協力者に質 問紙を配布し,記入後返送してもらった。 調査内容は,設問IとEをフェイスシートと 指 導 教 員 吉 井 健 治 した。設問Iは回答者の性別,年齢,家族構成, 同胞と同居カ喝Ij居かについて尋ねた。設問Eは 同胞の性別,年齢,障がいの種類,生活様式に ついて尋ねた。設問置で「きょうだいと同胞の 関わりにJついて尋ね, 3項目でそれぞれ同胞 がいたことで自分の人生に影響があったと感じ ているかどうか,あると回答した場合,どのよ うなことに影響しているの,具体的にどんなこ とがあったか,について尋ねた。設問Wでは「き ょうだいの支援体制Jについて尋ね,同胞の障 がいについて説明を受けたことがあるかどうか, 将来の同胞への支援について,また,どんな支 援があることが望ましいかについて尋ね九 備果) 同胞の障がいについては約80%のきょうだ いが,家族または専門家による説明を受けてい ることが明らかになった。また,同胞のことで 困った時に最も相談相手として選ばれるのは家 族で将来欲しいサポート源は家族と専門家が同 数であった。また,将来親が同胞の面倒をみる ことができなくなった場合の同胞の細部こつい ては自分が面倒をみる,次いで施設への入所 を検討する,という結果となった。そのような 状況になった際への不安を感じている人は16 名,感じていない人は12名で,不安のある人 とない人はほぼ約半数ずつであることが明らか になった。また,同胞が自立して生活するため の支援については知らないと答えた人が21名 であり,どのような人からのサポートカ激しい かについては‘家族"“専門家'が同数で最も多

(2)

- 94 - かった。鶏擦に欲しい支援に関しては,同胞( の支援が‘窃瀬"“自立"“生活の質の向上"‘相 談窓口・施設の充実"に分類され,きょうだい, 家族への支援が“選択肢を広げる"“メンタルサ ポート"“相談窓口・施設の充実"に分類された。 (考察) きょうだ》、支援にあたっては家族からのサポ ートに加えて専門家から,地域からのサポート が重要であると考えられる。 同胞がいたことで受け

td

拶響については否定 的な意見だけでなく肯定的に捉えている人もい た。 3.[研究ll] きょうだい児への支援と精神的 健康 伐法) 調査協力者は,障がいのある同胞をもっきょ うだい31名であり, 15歳から56歳(平均; 25.4歳,SD:9.3歳)の期金13名、女性18名 であった。 調査期間は2015年 8月で,調査協力者に質 問紙を画師し,記入後返送してもらった。 調査内容は設問1から4をフェイスシ}ト とした。設問1はきょうだいの性別,年齢を尋 ねた。設問

2

は他のきょうだいの人数,出生順 位を尋ねた。設問

3

は同胞の性別,年齢を尋ね た。設問4では同胞と同じ学校に通った経験が あるかどうかについて尋ねた。設問5では中学 時代に受けた援助についての質問を“親との関 わりについて"を6項目,“「きょうだいJとの 関わりについて"を3項目,“学校の先生成人 との関わりについて"を5項目,“専門家との 関わりについて"を2項目,“地域のサポート" を2項目でそれぞれ尋ね,中学時代に欲しかっ た援助について自由記述で尋ねた。設問6での 5項目は,先行研究

t

倉重ら, 1995)をもとに, 同胞の障がいの受容について作成し,尋ねた。 設問7では精榊句健康尺度を利用し,きょうだ いの精神的健康について尋ねた。 備果) きょうだいとの関わり,受容度に関しては, t検定により有意傾向がみられた。受容度と精 神的健康に関しては,相関はみられなかった。 地域サポートと精神的健康に関しては,t検定 により有意差があった。 (考察) きょうだいが同胞の障がいを受容するにあた って,きょうだいと同胞の関わりを自然に行っ ている人ほど障害受容度が高い可能性が示唆さ れた。本研究では有意傾向にとどまったが,協 力者が多ければ有意差が出た可能性がある。ま た,きょうだい同士での関わりがある人ほど, 精神的健康に問題がない人が多いということが 明らかになった

4

.

総合考察 同胞と共に将来共に生きることになった場 合に不安を感じていない人は予想に反して半数 を占める結果となった。きょうだいであること がそのまま支援対象になるわけではないという ことが明らかになった。しかしながら不安や悩 みのあるきょうだいに対してはそれぞれの目的 に合った支援を行うことが必要である。 また,自分と同じ“きょうだい"という立場 の人と関わることがきょうだいの精神的健康に 影響があることが明らかになった。きょうだい のための集団プログラムや,きょうだい同士の セルフヘルプ・グループ働きが今後のきょうだ い支援において重要となってくるだろう。

参照

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