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ミラクリンの分離精製とそのペプチド抗体を用いた類似物質の検索

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Academic year: 2021

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ミラクリンの分離精製とそのペプチド抗体を用いた類似物質の検索

【序論】 新ヰ・領域教育専攻 生活・健康系(家庭)コース 杉 本 和 代 近年、ファーストフードやコンビ、ニなど、 安くて便利な食事は若者の聞でよく利用さ れている。しかし、こうした食事が原因で、 若者に味覚障害が増えている。味覚は、生物 にとって必要な栄養素とそうでない物を示 すシグ、ナルの役割を果たしている。つまり、 味覚は、人間が生きていく上で大切な情報で あり、毎食の栄養のバランスや望ましい食生 活をする上で重要な要素である。 本論文では、味覚のうち特に酸味を甘味に 修飾させる物質について研究を行ったo ミラ クルフルーツは、西アフリカ原産の植物

R

幼'8delladulcinca (アカテツ科)の実で、 果肉から抽出されるミラクリンは糖タンパ ク質である。ミラクリン自身は無味であるが, 酸っぱいものを甘くする作用がある。この効 果は1個のミラクルフルーツでショ糖の 2

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倍もの甘さがあり、 2---3時間(冷凍果実では 1---2時間) 程度持続するo

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らによると ミラクリンのタンパ ク質は、 191個のアミノ酸からなる1本鎖の ポリペプチドで、約 14%の糖(マンノース、 ガラクトース、キシロース、グルコサミン、 ブコースなど)を含み、分子量24,6∞ で あ ることが報告されている。また天然の状態で は4量体又は 2量体で存在し、味覚修飾作用 を有する。ミラクルフルーツの実からミラク 指導教官 前 田 英 雄 リンの精製方法はすでに確立され、ミラクリ ンの全アミノ酸配列順位も決定されている。 また、安全な食品添加物として厚生労働省の 認可も受けている(厚生省告示120号)。本論 文では、ミラクリンの味覚修飾作用の機序を 解明することを目的として、ミラクリンタン パク質の分離精製を行ったo さらに、その一 部のペプチドに対して抗体を作成した結果、 本実験で分離精製したタンパク質がミラク リンタンパク質であることを確認した。さら に、そのペプチド抗体を用いて、他の果物中 のミラクリン類似物質の検索を行った。 【方法およて兵結果】 ①ミラクリンの分離精製 凍結したミラクルフルーツの種実 147個 (果肉 94g)を凍結乾燥し、これより得た 15gの果肉を試料とした。獣料を脱イオン水 でホモジナイズし、これを遠心分離法によっ て分離した。得られた沈殿物は 0.5MNaCl 翻夜でホモジナイズし、これを遠心分離法に よって分離したo得られた上清に硫安を加え て50%食蜘として分画した。溺庁後、 10

mM

リン酸bufferで平衡化した陽イオン交換樹 脂

(

C

M

-

S

e

p凶

oseCL

偲)に試料を吸着さ せ、1MNaClの直線勾配で溶出した。溶出 画分を電気伝導度と波長280nmにおける吸 光度を測定した結果、溶出タンパク質は0.13 ---0.2

8M

NaClに相当するフラクションに溶

(2)

出された。さらに溶出画分を SDS-ポリアク リルアミドゲ、ル電気泳動をした結果、フラク ションNO.27--34に 24.5

kD

aを多く含むこ とを確認した。これらの画分をアミコン PM10膜で限外ろ過による濃縮後、 0.5M NaCI翻夜を含む 1仇nMリン酸bufferで平 衡化しConA-Sepharose4Bに試料を吸着 させた。カラムからの溶出は0.15Mメチル α-D-グ、リコシドを含む溶液の直線勾配 (OM

O.15M)で行った。溶出画分を波長 28臼lDl における吸光度を測定した結果、大部分のタ ンパク質は 20--35mM濃度に相当するメチ ル α-D-グ、リコシドて滞出した。ミラクリン がConAカラムに結合することから糖タンパ クであることが明らかになったo この画分を逆相カラムによる高速液体ク ロマトグ‘ラフィー(田LC)にかけ、分取し た 1つ自のピークを N末端アミノ酸解析した 結果、MIRcD

NA

より予測されるアミノ酸配 列のN末端からの商己列に一致した。この結果 から、本実験で分離精製したタンパク質はミ ラクリンであることが証明された。 ② ミラクリンタンパク質中の部分ペプチ ドの合成

MI

RcD

NA

の一次構造より餓リして、ミラ クリンタンパク質中の一部のペプチド鎖 (No.93 -111)を合成し、それを用いて家兎 で抗体を作成した。得られた抗体に対して、 純化精製したミラクリンタンパク質との反 応性を酵素免疫測定法 (EUSA) で、行った。 純化精製したミラクリンは 32,

αm

倍希釈ま で即芯してし、たことから、本実験で精製した タンパク質はミラクリンであることが抗原 抗体即初当らも確かめられた。 ③ ミラクリンのペプチド抗体を用いた類 似物質の検索 ミラクリンは0.5MNaCl溺夜に溶出する ことから、他の果物も同じ方法により誤料液 とした。この試料液を用いてスロットプロッ ト分析およて娩疫染色を行った。ミラクリン のペプチド抗体を用いて免疫染色を行った 結果、ミラクルフルーツと強く反応し、これ をポジティブコントロールとした。さらに他 の20種類の果物について検討した結果、ミ ニトマト、マンゴー、プルーン、梨、アボガ ドとは比較的強い即芯を示した。この陽性反 応をさらに精度を上げて確認をするため、ウ エスタントランスファーおよび免疫染色を 行った。その結果、反応があったのはミラク ルフルーツだけであった。これらの実勝吉果 から、ミラクリンの類似物質は今回調べた試 料からは検出されなかった。 【要約】 ミラクルフルーツの果実から味覚修飾作 用のあるミラクリンを抽出し、分離精製を行 った。その結果、分子量、糖タンパク質、

N

-末端解析、抗原性の4点からミラクリンであ ることが証明された。 【今後の課題

1

本研究からミラクリンの味覚修飾の作用 機序、すなわち味奮とミラクリンの結合商列立 や酸によるミラクリンの構造変化などを明 らかにすることはできなかった。ミラクリン は、酸と共に存在すると甘味を感じることか ら、糖尿病患者の食事:~カロリー食の開発 など食品納日物への応用が期待できる。また、 ミラクルフルーツは、将来教育現場では味覚 に関する授業の導入に際して興味関心を高 める教材として利用できるものと考えられ た。

参照

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