利尿捌の累積作用に就て
箪璽 西
田敬
13 阿片属麻醇剤と脂肪属麻醇剃との如く侵襲鮎を異にする類効藥を併用する場合には麻醇作用の累積を表は すことは、切璋職が唱導以來一般に承認する所となったが、解熱剃と催眠剃との併用も之と同じく累積作用 を表はすものである。然し乍ら以上の如き麻酢剃、解熱剃、催眠剤等は各々其の侵襲黙は精細なる黙に關し て筒確然たらざるものがある。所が利尿剤に就て考ふるに、其の有する利尿機轄に由り之を分類すれば訳の 如し。 一、腎細胞を刺戟して利尿作用を表はすもので、之には﹁カフェイン﹂﹁テオブロミン﹂﹁テオフィリン﹂等の ﹁プリン﹂誘導膿、﹁テレビン﹂油水銀捌等がある。 二、血歴を上昇せしめる仕合も同様利尿作用を表はす。例へば心臓衰弱しπる人に﹁ヂギタリス﹂剤を興ふる 場合の如し。 三、腎臓の血液循環を良好ならしむるものも亦同様なり。﹁カフェイン﹂は選心的に腎動賑を籏張し血流の増 加を來し利尿作用を表はすものである。 四、着類、糖類、尿素等の晶質及び所謂組織利尿彌は、何れも水血症を起し爲,めに利尿作用を起すのであ る⊇ 西田8利尿剤の累績作用に就て 第三巻 一八三14 西田口利尿郵の累積作用に就て 第三巻 一八四 五、加里盤類、硫酸盤類、異性の糖類、尿素等は腎臓内の再吸牧を受けない許ウでなく、水の再吸股をも妨・ げるため、細尿管下痢目各巳塁卑冒︸8を起し尿量増加す。 所が利尿剤は中照性利尿捌︵細野、村岡︶と腎性利尿剃とに二大別する事が出獄るのである。前者は今日 迄腎外性利尿山繭は組織利尿剃と辮へられ泥るものにして、甲歌腺製剃﹁キニーネ﹂、旛下垂膿後葉﹁ホルモ ン﹂製捌、及び胃粘膜浸出液等が之に厩し、後者は腎臓に作用して利尿作用を現はすものは皆之に属するの である。 組織利尿剃、或は腎外性利尿潮を甲橿性利尿測と呼ぶに至ったのは次の如き實験の結果である。則ち甲状 腺製捌を一定量動物の脇付内に注射すれば尿量増加す..一方に於て血液中の血色素量減少してみる則ち水血 症を起してみる。所が褒め肝臓動脈を結紮して肝臓機能の障碍を起しセ動物に此の藥を注射すれば、尿量及 び血液中の血色素量の礎化共に表はれないのである。此の事實は甲歌腺製剤が腎外性に作用して利尿作用を 表はす事を示すものである︵内藤︶。而して血液中の血色素量の減じたるは圭に肝臓の水分が血液申に移行し たる事を示すのである。 次に犬の胸管を露出し其の淋巴流を験して之に甲歌鼠舞を注射したる場合、淋巴流は盛になる、所が豫め肝 動脹を結紮しだる動物に與へるに淋巴流は増加しないのである。元來胸管淋巴は静脳内に流れ込むのである から師号腺剤は肝臓水分を胸管を通じて血流申に迭り込み水血症を起すと考へられるが、此の胸管淋巴を静 脈内へ迭らす、膿外に排出する如く装置してみても筒思歌腺捌投與に由りて尿量及び血液水分増加を來すの である。由之観之甲献腺劃は胸管を通じてのみでなく、直接血管壁を瓶じて肝臓中の水分を血液中に移行せ しむるものである。騎馬に夢野動物に豫め﹁アトロピンしを與へて置くか、爾側迷走聖経を頸部にて切噺して
15 置くか、叉は﹁アンチピリン﹂を前以て與へて置く時は、尿量増加、血液中血色素量の減少を起さ澱。︵内藤︶ ﹁アトロピン﹂は副交域神経宋梢を麻痺せしむるものであるが、肝臓にある副交戚神経は迷走碗経を逼りて るるから、懸歌里芋捌が肝臓組織から水分を血中に罵るのは直接このものが肝臓組織に作用するのでなく、 副交威紳経を介して作用することが解る。而して迷走紳経を頸部で切断してみる場合利尿作用表はれない事 から考へると、迷走口早の中福部に作用する事を知り得るのである。所が一般の副交域聖経毒は此の甲歌腺 製剤の如き利尿作用は表はれない事から考へると、甲状腺湖の作用する中鷺部は迷走紳経系に厩する一定の 場所である可きである。 Ω一議冨①き巴P及図。寄事◎等が提唱して以來、中里神経系の中に利尿中椹があり、之の部を穿刺すれば尿 量増加を卜す事は多くの學者の認むる所であるが、此の甲朕腺製剤もこの部分に作用するが如くでめる。如 何となれば﹁アンチピリン﹂を豫め與へπ動物では利尿作用が表はれないからである。由來﹁アンヂピリン﹂は 艦温調節中墨騰りでなく種なの盧液成分の個々の中鷺例へば血液滲透膣調節.中福、臨皿素代謝調節中橿、尿酸 及尿素代謝調節中福、糖代謝調節中華、其他の諸中福も同時に﹁アンチピリン﹂に由りて麻痺される。從て膿 液水分調節を行ふ利尿中福も之に由りて麻擁されるものと考へられる。從て﹁アンチピリン﹂に由り中椹部.が 麻痺されだる後、甲朕腺製剃を輿へても利尿作用表はれないのは,これが利尿中等を癖摩した把めと考へて 差支ないのである。︵以上内藤︶ 以上の事實から甲七番製謝は利尿全家に作用して之を刺戟興奮せしめ、迷走神里を介して肝臓水分をして 血液中に移行せしめ、水血症を起し、利尿作用を起すものである。﹁キニーネ﹂、﹁ピッィトリン﹂等も之と同様 の機轄を以て利尿作用を表はすに由り、辞世性利尿湖と配す融きである。 西田H利尿捌の累積作用に就て 第三巷 一八五
16 西田踊利尿彌の累積作用に就て 第三巻 一八六 以上の如く中福性利尿剤は利尿中等を刺戟し、迷走単勝を介し、圭に肝臓組織中の水分を血液中に移行せ しめ水血症を起し、尿となる早き血液成分を増加せしめるものであるが、之に反して腎性利尿朔は、腎臓に 直接作用して尿形成を促進するものであるから、尿となる葺き血液成分は減少して來る理である。從て斯く の如く利尿霊界の登く異った二種類の利尿剃を併用すれば、強き利尿作用を現はす可き事は學理上からも容 易に肯定し得る所であろ。實瞼の結果も亦全く學理に一致するのである。則ち腎性利尿剤として﹁ヂウレチ ン﹂を選むとする、此のものはω。ξα山2は腎臓細胞に作用すと云ひ、回・。2、一は腎臓血管に作用すとなし、 ω。げ一..簿ロ.猷は細尿管の再吸牧を抑制すと云ふも、何れも靱性に作用し利尿を現はすと云ふ鮎に付ては異論な 第 一 圓 家兎 ♂2.000瓦iE 甲朕腺弗及ピ「ヂウレチン」ヲ 同時二輿ヘタル静岡ノ尿量鍵 化 60m i,1[pm”YSo・osE
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Etf F JI O’ 30! 0’ 3ζプ 第 二 圖 家兎 ♂2.250:瓦 甲瓶腺捌ト「ヂウレチン」ト ヲ同時二與ヘタル揚合ノ尿 量憂化 Lチ乃レ7>「竜當0・05互 ユ0毘甲状腺末溶液竜當ユ・0重毛 .o 30 20 10 尿潭 数。 .ヘハ
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’ 時間 OJ 30’ グ 3グ17 き所である。此の﹁ヂウレチン﹂と甲状腺剤とを併用する時は圖の如く著名なる利尿作用を表はすものであ る。殊に﹁ヂウレチソ﹂は之を反覆與へてるる場合には.蒙第に利尿作用が減するものである。斯かる場合に 於ても、甲櫃腺剃を併用すれば尿量は著しく増加するものである。﹁ピッィトリン﹂に﹁ヂウレチンしを併用す るも同様の結果を表はすものである。要之に中福二利尿捌と悟性利尿剤 とを併用すれば、利尿の累積作用を現はすものなれども、張認諾の如く 強心作用に附随して起る利尿作用を有する腎性利尿剃は、之と中庸性利 尿捌とを併用しても累積作用を見ることはないものである。 シノ ニ合
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第 四 圖 家兎舎2.740:遜甲状腺剤ヲ與へ タル後三+分昌シテ1’ヂウレ チン」ヲ與ヘタル蹴合ノ尿量 鍵化 ←冠テ:1ウレテン■]配三當0・05亙’ 診しテソ冠當0・05瓦八一_.。。_ハ
10%甲駿腺末溶液 竜當ユつ女毛 s 60 50@ 40 so 6a’ jo. グ 30’ o’ 時問 西田離利尿剤の累積作用に就て 30@ ■o 〃尿滴数。 第三巻 一八七lg 第 五 圖 家兎♂2,250駈rアトロピン」注射後甲歌腺剤ト「ヂウレチンJノ併用二彪當0・05ヨル尿 :量ノ攣化 40 30 za 紹尿滴数 適しチソ田川0・05瓦 loe/.甲状線末溶液 鱒瓢三三當1’o YE s 瓦 05 ひ 當 八
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・西田騒利尿棚の累積作用に就て 時間 o’ 30’ 60’ 3グ 。’ 30’ 第 六 圖 家兎♂L950班 爾側迷走紳紹切断家兎二於ケル「ヂウレチンJ及ピ甲欺腺剤 ノ併用ニヨル尿量ノ攣化 30 20 −o A器数o L三FウLチン「瓦蚤嘗0・05瓦/
Lf“)しチン」ag當0・05瓦 1,,%軍状腺末溶液 /遡∴!
時間 〃’ 30’ o’ 3診’ so’ 第 七 圃 家兎舎 1.800駈 「アンチピリ:x.].(概當0.3瓦)皮下注射後三時聞孚ヲ経 テ甲山腺翔及ビ「ヂウレチン」ノ併用“ヨル尿:量ノ愛化一
θ 0 4 3 20 ρ尿滴数o Li芦ウLテ〉■妊當0・05瓦 ごヂウしチヅ遡巳當0・05瓦 ! 一⊆壁遡置) 60’ 第三巻 八八19 第八圖 家兎舎2.24⑪砥「ヂウレチン」(駈當0・05兀)ノ反覆注射ニヨル尿量ノ憂化 西 ワ0田ll 利 尿 60捌 の 累 積 50 作 用 に 401 就 て 30 影四一圃︼しlI− 20@ 超尿滴数. ←一一i