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6 価クロム Cr(VI) 分析の背景 l 社会的背景 RoHS 指令により電気電子機器に含まれる特定有害物質が使用制限 :6 物質 Cd, Cr(VI), Hg, Pb, PBB PBDE l 技術的背景 Cr(VI) の定量を行う需要の発生 RoHS Cr(VI) <1000 ppm l 技術的

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Academic year: 2021

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(1)

クロメート皮膜中の6価クロム分析

高塚登志子  (独)産業技術総合研究所  ナノ材料計測科 福本夏生        (独)産業技術総合研究所  計量標準管理センター 衣笠晋一        (独)産業技術総合研究所  計量標準システム科 H24年度分析分科会年会 第44回分析技術討論会 2012.12.6 福島市 本発表の一部は、地域イノベーション創出共同体形成事業費補助金/広域関東圏イノーション 創出事業/研究開発環境支援事業(2008-2009)で実施した共同測定の成果に基づいています。

(2)

6価クロムCr(VI)分析の背景

Cr(VI)

RoHS l 社会的背景 RoHS指令により電気電子機 器に含まれる特定有害物質 が使用制限:6物質 Cd, Cr(VI), Hg, Pb, PBB、PBDE l 技術的課題 公定法の不統一

 IEC 62321、EN 15205、JIS H8625、ISO 3613、EPA 3060A

公定法(分析法)の精度情報が欠如 標準物質の欠如

<1000 ppm

l 技術的背景

(3)

公定法の不統一

JIS H8625 EN15025 EPA 3060A 抽出液 純水 純水 アルカリ液 抽出温度 沸騰 沸騰 90-95℃ 抽出時間 5分間 10分間 60分間 抽出液量 50 mL 1mL/cm2 50 ±1 mL 試料量 5×10 cm 50±5 cm2 2.5±0.1 g 備考 定性 土壌、プラスチック ●クロメート皮膜から溶出するCr(VI)の量を適切な精度で行 える分析マニュアルを作成し、公開する ●分析(手順・測定)の精度を評価する

共同測定の目標

(4)

クロメート皮膜

鋼板 亜鉛メッキ クロメート 処理皮膜 ~100 nm Cr(VI) ~10 µm クロメート処理された 金属部品、工具 (Wikipediaより)

(5)

共通試料 分析条件 結果 1st 左:3価 中:6価有色 右:6価黒色 EN1502準拠 抽出時間: 10分間、30分間 抽出時間依存大 3価:±140-180% 6価有色:±27-30% 6価黒色:±18-30% 2nd 左:6価白色 中:6価有色 右:3価青色 同上 抽出時間:30分間 沸騰条件規定 6価白色:±62% 6価有色:±12% 3価青:±148% 3rd 左:6価白色 中:3価黄 右:3価ネジ 同上 吸光度参照液規定 6価白色:±20% 3価黄:±160% 3価ネジ:±160%

これまでの共同測定

(6)

1st 低含有率でも 測れる手順 2nd 3rd 高含有率で 測れる手順 3 0.1 単位面積当た り の含有量 ,  µ g/ cm 2 共同測定 規制の水準? 測定手順マニュアル 測定手順書(試案) H21 クロメート皮膜中の 6価クロム(Cr(VI))の測定 地域イノベーション創出共同体 形成事業 計量・計測分科会環境分析研究会 (RoHS 研究会) http://www.nmij.jp/~nmijclub/polymer/ docimgs/Cr6.pdf

(7)

共同測定

(8)

第4回共同測定

(H22年度実施)

6価クロメート 処理 3価クロム 化成処理

共通試料

試料ばらつきを評価するために、 6価クロメートについては 処理ロットごとの識別を行った (40枚/ロット、12ロット作製) 1ロット 40枚の写真 見た目の色に違いがある

(9)

クロメート皮膜中のCr(IV)定量フロー

沸騰水による6価クロムの抽出 発色操作(赤紫色) 吸光度(540 nm)測定 検量線 Abs.  vs  Cr(VI)濃度 抽出したCr(VI)濃度の決定 参照液(左)と    発色液(右) C r6+標準液の過剰吸光度dAbs(ベースラインを引い た後の吸光度) -0.01 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 300 400 500 600 700 800 波長, nm 過剰 吸光 度 dA bs(10ppb) dA bs(20ppb) dA bs(30ppb) dA bs(40ppb) dA bs(50ppb) 加熱 ジフェニルカルバジドの添加 N H H N HN N H O 抽出したCr(VI)量の決定 30分 分液 抽出は2枚/組

(10)

吸光度測定の参照液を指定

発色による吸光度を測定するため参照液を指定 特に低濃度ではバックグラウンドによる影響が大 吸光度測定 試料スペクトル 吸光度測定 ブランクスペクトル 吸収スペクトル 100 mL 50 50 40 40 抽出液をメスアップ ジフェニルカルバジド溶液を加える

(11)

共同測定結果

(12)

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 1-1 1-3 1-4 1-5 2-1 2-2 2-3 2-6 3-1 3-2 3-3 3-4 3-6 4-1 4-3 4-4 5-1 5-2

 

6価クロメート膜からの6価クロム抽出量

共同測定報告値(試料No.順、作製ロットごとに管理) 面積密度 µ g/ cm 2 試料No. ロット1 ロット2 ロット3 ロット4 ロット5 測定機関 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R

(13)

検量線の比較1(高濃度)

0 0.5 1 1.5 2 2.5 0.000 1.000 2.000 3.000 C r(V I)濃度 m g/L 吸光 度 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R 検量線近似式の例 A = 0.81×C ●ジフェニルカルバ ジドが古いと傾きが 変わる可能性 ●高濃度側で線形 から外れる 原因:分光光度計の 性能に依存?

(14)

0 1 2 3 4 5 1-1 1-2 1-3 2-1 2-2 2-3 3-1 3-2 3-3 4-1 4-2 4-3 5-1 5-2 5-3

試料ばらつき測定結果

面積密度 µ g/ cm 2 試料No. 各ロットから3枚抜き出し、1枚ずつ抽出した液を分析 ロット1 ロット2 ロット3 ロット4 ロット5

(15)

6価クロム抽出量測定値ばらつき要因の検討

結果より得られた全測定値のばらつきを分散分析により要因別に分ける 全データの平均値 変動係数(ばらつき) 要因1 ロット間 ばらつき 要因2 機関間 ばらつき その他 要因による ばらつき ロット別 平均値 機関別 平均値 全測定値の平均値との偏差から 各要因によるばらつきを統計的に計算することができる

(16)

平均値:3.68 µg/cm2 変動係数(CV):13.7 % ばらつき要因 CV ロット間変動 13.9 % ロット内変動他 6.8 % 平均値: 4.10 µg/cm2 変動係数(CV): 14.6 % ロット間変動 13.9 %は 共同測定の6.9 %よりも大きい ↑ サンプリング数が少ない、  1枚ずつで抽出した影響あり 共同測定報告値 試料ばらつき測定値 ばらつき要因 CV ロット間変動 6.9 % 機関間変動 10 % ロット内変動他 8.3 % 試料のばらつき 機関間の測定ばらつき    同程度

(17)

共同測定結果

(18)

 

3価クロム化成処理膜からの6価クロム抽出量

  共同測定報告値(機関ごと2試料測定の平均) 0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R 面積密度 µ g/ cm 2 機関 各機関における2回(2枚/回)測定の平均値をプロット。エラーバーは2試料測定の標準偏差。

(19)

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.000 0.020 0.040 0.060 0.080 0.100 C r(V I)濃度 m g/L 吸光 度 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R

検量線の比較2(低濃度)

1 cmセル 5 cmセル 検量線近似式の例 1 cmセル A = 0.84×C 5 cmセル A = 4.01×C 吸光度の測定と しては 比較的低濃度ま で可能 (標準液ベース)

(20)

吸光度および面積密度の報告パターン

項目 報告例 吸光度 0 ~未満 値あり 面積密度 0 記入なし 0 値あり 検出限界以下 ● 「0」と記入の場合でも、意味が異なる場合がある →有意な測定値が出なかった、有効桁内では0、など ● 検出限界以下などの判断基準は、分析者の経験による 部分が大きい  共同測定参加者により検量線の測定結果から判断された  検出下限は、 0.002~0.01 mg/L (0.0083~0.042 µg/cm2)

(21)

6価クロメート膜 ● 6価クロメート膜中の6価クロム量分析値は、   13%程度のばらつきであった ● 手順書に沿った分析を行うことで、信頼性のある定量が可能 ● 試料ばらつきについても配慮する必要がある 3価クロム化成処理膜 ● 3価クロム化成処理膜中の6価クロム量分析値は、   ばらつきが大きい結果であった ● 低濃度であるため、測定された吸光度の解析方法に   検討が必要である

共同測定まとめ

(22)

ジフェニルカルバジド法における

測定プロトコルの検討

(23)

クロメート皮膜中のCr(IV)定量フロー

沸騰水による6価クロムの抽出 発色操作(赤紫色) 手順書H21(改)&JIS H8625 吸光度(540 nm)測定 検量線 標準液    Cr(VI)濃度 参照液(左)と    発色液(右) C r6+標準液の過剰吸光度dAbs(ベースラインを引い た後の吸光度) -0.01 0.00 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 300 400 500 600 700 800 波長, nm 過剰 吸光 度 dA bs(10ppb) dA bs(20ppb) dA bs(30ppb) dA bs(40ppb) dA bs(50ppb) 加熱 ジフェニルカルバジド添加 N H H N HN N H O 抽出したCr(VI)濃度の決定 抽出したCr(VI)量の決定 30分 分液 標準添加   添加標準液    Cr(VI)濃度

(24)

手順書H21(改)とJIS  H8625比較:検量線

●傾きにやや違いあり ●吸光度測定液中のpH   手順書: 1.7 (りん酸酸性)   JIS: 2.3 (硫酸酸性+緩衝液) 手順書: りん酸酸性       →発色 JIS: 硫酸酸性→発色     →緩衝液 緩衝液:オルソリン酸      二水素ナトリウム

(25)

手順書H21(改)とJIS  H8625比較:抽出液

●検量線において傾きにやや違いあり ●試料抽出液の吸光度にも違いあり ●吸光度測定液中のpH:検量線と同じ   手順書: 1.7 (りん酸酸性)   JIS: 2.3 (硫酸酸性+緩衝液) ↓ 結果的に算出される濃度は同じであった 試料 D Abs
 手順書 D abs
 JIS H8625 抽出液濃度
 手順書 mg/L 抽出液濃度
 JIS mg/L 抽出液濃度
 手順書/JIS A 0.345399 0.338219 0.4099 0.4100 0.9998 B 0.290739 0.286605 0.3447 0.3469 0.9934 C 0.340208 0.333589 0.4037 0.4043 0.9985

(26)

検量線法と標準添加法比較

・検量線法  Cr標準液 ・標準添加法  抽出液+Cr標準液 ●検量線傾きは   ほぼ一致している

(27)

抽出液中の濃度は不確かさの範囲内で一致

検量線法と標準添加法比較:抽出液中Cr(VI)濃度

検量線法 mg/L 標準添加法 mg/L 抽出液A 0.389 ±0.011 0.397 ±0.0091 抽出液B 0.395 ±0.011 0.409 ±0.0082 拡張不確かさ(k=2) 不確かさ項目:標準添加 相対標準
 不確かさ% 標準液 0.289 標準液調製 0.240 抽出液+標準液調製 0.451 吸光度測定繰り返し 0.500 回帰直線からの推定A 0.841 回帰直線からの推定B 0.634 不確かさ項目:検量線 相対標準
 不確かさ% 標準液 0.289 標準液調製 0.494 抽出液調製 0.201 吸光度測定繰り返し 0.500 検量線からの推定A 1.106 検量線からの推定B 1.089

(28)

ジフェニルカルバジド法(6価クロム)

ICP発光(全クロム)分析比較

(29)

●抽出液中の濃度は Cr(VI)≦全Cr であるはずであるが、逆の結果になった。 ●全Cr濃度の不確かさを1~2 %としても、結果の大小関係は変わらない。 ●ジフェニルカルバジド法にプラス方向のバイアスが生じている可能性がある   →抽出液中に吸光度を高める要因? ●ジフェニルカルバジド法の不確かさ評価は不十分ではあるが、主な要因は   考慮したはず Cr(VI)濃度 mg/L 全Cr濃度 mg/L 全Cr /Cr(VI) 抽出液A 0.410 ±0.0069 0.378 0.92 抽出液B 0.345 ±0.0059 0.330 0.96 抽出液C 0.404 ±0.0068 0.383 0.95

ジフェニルカルバジド法によるCr(VI)分析と

ICP発光による全クロム分析比較

(30)

● 発色の方法について、  作成した手順書とJIS法で比較した   →吸光度に違いはあるものの、検量線から求めた   抽出液中の6価クロム定量値は2手法でよく一致した ● 検量線法と標準添加法による定量値を比較した   →両者の値は、不確かさを考慮すると一致した     検量線<標準添加 の傾向あり? ● ジフェニルカルバジド法(6価クロム)と   ICP発光分析(全クロム) とを比較した   → 不確かさを考慮しても6価クロム>全クロム となった      抽出液中に吸光度を増加させる要因がある可能性

ジフェニルカルバジド手順検討まとめ

(31)

共同測定(H22年度)参加公設試 l  福島県ハイテクプラザ l  茨城県工業技術センター l  栃木県産業技術センター l  千葉県産業支援技術研究所 l  埼玉県産業技術総合センター l  東京都立産業技術研究センター l  新潟県工業技術総合研究所 l  上越環境科学センター l  石川県工業試験場 l  山梨県工業技術センター l  静岡県工業技術研究所 l  三重県工業研究所 l  京都府中小企業技術センター l  大阪府立産業技術総合研究所 l  広島県立総合技術研究所東部工業技術センター 順不同 ご協力ありがとうございました

参照

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