• 検索結果がありません。

前立腺と下部尿路の生理

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "前立腺と下部尿路の生理"

Copied!
58
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

下部尿路の解剖と生理

下部尿路機能障害の評価

福島県立医科大学医学部泌尿器科学講座

小島祥敬

第15回 排尿機能検査士講習会(初級コース) 平成30年5月12日

(2)

本日の内容

1.下部尿路の解剖と生理

(3)

本日の内容

1.下部尿路の解剖と生理

(4)

下部尿路の構造(正中矢状面)

(山口 脩,他:図説 下部尿路機能障害)

男性♂

尿 道 (約20cm) 外尿道口 精 巣 外尿道括約筋(骨格筋)

前立腺

射精管 膀 胱 尿管口 精嚢腺 内尿道括約筋(平滑筋)

(5)

(山口 脩,他:図説 下部尿路機能障害)

下部尿路の構造(正中矢状面)

尿 道 外肛門括約筋 膀 胱 膣 骨盤底筋

女性♀

内尿道括約筋 (平滑筋) 外尿道括約筋 (骨格筋)

(6)

子宮 膀胱 卵巣 直腸 骨盤底筋群

女性の骨盤底筋群

ハンモック

(7)

女性における骨盤底の役割

(8)

男性と女性の下部尿路の解剖学的差

男性 ① 尿道が長い ② 尿道が前立腺の中を通る ③ 外尿道括約筋が強いために尿道抵抗が強い ⇒尿が漏れにくいが、尿排出障害はおきやすい ① 尿道が短く、下方に向かって真っすぐの方向に走る ② 前立腺がない ③ 外尿道括約筋が弱い ④ 膀胱下垂が起きやすい ⇒尿排出障害はおきにくいが、尿が漏れやすい 女性

(9)

膀胱・尿道=下部尿路 膀胱・尿道の機能=下部尿路機能 排尿機能 下部尿路機能=蓄尿機能と排尿機能 下部尿路機能の異常=下部尿路機能障害 排尿障害 国際禁制学会の用語委員会(日本排尿機能学会も準拠)

基本用語のチェック

下部尿路 上部尿路 腎臓 尿管 膀胱 尿道

(10)

基本用語のチェック

 排尿機能の異常=排尿障害

 蓄尿機能の異常=蓄尿障害

 下部尿路機能障害LUTD等で起きる症状

=下部尿路症状LUTS

 下部尿路症状

蓄尿症状、排尿症状、排尿後症状

LUTS:Lower Urinary Tract Symptoms(下部尿路症状)

(11)

付録

(12)

下部尿路の中枢神経支配

前頭葉排尿中枢

橋排尿中枢

(13)

下部尿路の末梢神経支配

胸腰髄交感神経中枢 仙髄副交感神経中枢 仙髄オヌフ核 骨盤神経 (副交感神経) 陰部神経 (体性神経) 下腹神経 (交感神経) 骨盤神経節

(14)

付録

蓄尿のメカニズム

PMC: pontine micturition center (橋排尿中枢)

PAG

PAG: periaqueductal gray (中脳中心灰白質)

(15)

付録

排尿のメカニズム

PMC: pontine micturition center (橋排尿中枢)

PAG: periaqueductal gray (中脳中心灰白質)

(16)

下部尿路における神経伝達物質と受容体

(17)

蓄尿と排尿

蓄尿時

交感神経

排尿時

副交感神経 陰部神経 刺激 抑制 収縮 弛緩

(18)

正常な排尿とは?

(成人の場合)

●1回の排尿量 ●1回あたりの排尿時間 ●1日の排尿量 ●1日の排尿回数 排尿間隔 200~400 mL(コップ約1杯~2杯分) 10~30秒(男>女 老年>若年) 1,000~1,500mL(1ml/hour/kg) 5~7回 3~4時間に1回(起きている間)

(19)

正常な排尿とは?

(成人の場合)

●おなかに力をいれなくても排尿できる。 尿が途中で途切れたり、なかなか終わらなかったりするこ とは無い。 ●残尿感が無い。排尿後はスッキリ! ●尿失禁や尿のもれはない。 ●排尿後すぐに尿意を感じることはない。 ●ふつう排尿のために夜起きることはない。 ●尿意をはっきり感じ、ある程度のがまんもできる。

(20)

本日の内容

1.下部尿路の解剖と生理

(21)

 問診(症状・既往歴等)

 症状質問票・QOL質問票

 身体所見

 尿失禁定量テスト

 排尿日誌

 超音波検査

 尿流動態検査

下部尿路機能障害の評価法

(22)

 問診(症状・既往歴等)

 症状質問票・QOL質問票

 身体所見

 尿失禁定量テスト

 排尿日誌

 超音波検査

 尿流動態検査

下部尿路機能障害の評価法

(23)

問 診

自覚症状の評価

現病歴

(24)

自覚症状は多彩病態と症状は必ずしも一致しない 薬剤、生活環境、食事、飲水 症状の言い忘れ、聞き忘れ、恥ずかしい 症状の重症度評価

自覚症状の評価と注意点

下部尿路症状の詳細な問診 下部尿路機能障害以外の情報も必要 問診票の作成と活用(例:テキスト p11) 既存の質問票活用:IPSS (p 10)、OABSS(p 12)

(25)

下部尿路機能障害

排尿障害

蓄尿障害

下部尿路症状

排尿症状

蓄尿症状

排尿後症状

(26)

蓄尿症状

昼間頻尿

患者の排尿回数が多すぎるとの愁訴

夜間頻尿

夜間1回以上の愁訴

尿意切迫感

突然起こる、抑えきれない尿意

(27)

 咳・くしゃみ・走る・重いものを持つ・ 立ち上がる・スポーツをする  間に合わない・手を洗う・流水の音を聞く  常に少しずつもれる  笑う  知らないうちにもれる  夜間寝ている間  性交時  溢流性  トイレ以外の場所で排尿する

蓄尿症状

尿失禁

(28)

 尿勢低下:尿の勢いが弱い

 尿線分割:尿がとびちる

 尿線途絶:尿が途中で途切れる

 排尿遅延:出始めるまでに時間がかかる

 腹圧排尿:排尿時にりきむ

 終末滴下:排尿のおわり頃、尿がぼとぼとたれる

排尿症状

(29)

残尿感:

排尿後まだ残った感じがする

排尿後尿滴下:

尿をし終わったあとで、尿がでてくる

(30)

既往歴

 出産歴

帝王切開/経膣出産? 何人? 何歳頃?

 合併疾患

 神経疾患 脳梗塞 脳出血 糖尿病 パーキンソン病 椎間板ヘルニア)  メタボリック症候群 高血圧 動脈硬化  手術既往 婦人科手術 泌尿器科手術

(31)

 問診(症状・既往歴等)

 症状質問票・QOL質問票

 身体所見

 尿失禁定量テスト

 排尿日誌

 超音波検査

 尿流動態検査

下部尿路機能障害の評価法

(32)

最近1ヶ月間の排尿状態について 全く なし 5回に1 回未満 2回に1 回未満 2回に1 回位 2回に1回 以上 ほとんど 常に 1.排尿後に尿がまだ残っている感じがありましたか 0 1 2 3 4 5 2.排尿後2時間以内にもう1度いかねばならないこと がありましたか 0 1 2 3 4 5 3.排尿途中に尿が途切れることがありましたか 0 1 2 3 4 5 4.排尿を我慢するのがつらいことがありましたか 0 1 2 3 4 5 5.尿の勢いが弱いことがありましたか 0 1 2 3 4 5 6.排尿開始時にいきむ必要がありましたか 0 1 2 3 4 5 7.床に就いてから朝起きるまでに普通何回排尿に 起きましたか 0回 1回 2回 3回 4回 5回以上 0 1 2 3 4 5

国際前立腺症状スコア(I-PSS)

総スコア(0-35):軽症0-7 中等症8-19 重症20-35 排尿症状スコア :尿線途絶(3)+尿勢低下(5)+腹圧排尿(6) 蓄尿症状スコア :頻尿(2)+尿意切迫感(4)+夜間頻尿(7) 排尿後症状スコア:残尿感(1)

(33)

IPSS QOLスコア

QOL重症度:軽症(0,1点) 中等症(2,3,4点) 重症(5,6点) とても 満足 満足 ほぼ満足 なんとも いえない やや不満 いやだ とても いやだ 現在の尿の状況がこのまま 変わらずに続くとしたら、 どう思いますか 0 1 2 3 4 5 6

(34)

過活動膀胱症状質問票(OABSS)

頻尿 夜間 頻尿 尿意 切迫感 切迫性 尿失禁

(35)

過活動膀胱の診断基準

尿意切迫感スコアが2点以上

かつ

OABSS合計スコアが3点以上

過活動膀胱の重症度判定

OABSS合計スコア

軽症 : 5点以下

中等症: 6~11点

重症 : 12点以上

過活動膀胱症状質問票(OABSS)

(36)

 問診(症状・既往歴等)

 症状質問票・QOL質問票

 身体所見

 尿失禁定量テスト

 排尿日誌

 超音波検査

 尿流動態検査

下部尿路機能障害の評価法

(37)

身体所見(理学的検査)

 外陰部の診察:膀胱瘤 直腸瘤 子宮脱

 直腸診:肛門括約筋緊張 前立腺

 ストレステスト

 Qチップテスト

 尿失禁定量テスト

(38)

外陰部の診察

 尿失禁による外陰部皮膚の湿疹の有無

 女性:外尿道口や膣口の診察

 腹圧性尿失禁(女性患者)

(39)

骨盤臓器脱の種類

膀胱

子宮

直腸

おなか おしり

膀胱瘤

子宮脱

直腸瘤

(40)

外陰部視診

(41)

直腸診

前立腺の肥大は?表面の性状で 癌・炎症の鑑別 肛門括約筋緊張は?

<正常前立腺の触診>

クルミ大 表面が平滑、辺縁明瞭 肛門括約筋緊張あり 正常硬(石様硬がない)

(42)

ストレステスト

(山口 脩,他:図説 下部尿路機能障害) • 女性で膀胱内に尿が充満した状態 で努責(りきむ・いきむ)や咳を させ、尿道から腹圧に一致した尿 漏出があるかどうかをみる • ストレステスト陽性 ⇒腹圧性尿失禁

(43)

Qチップテスト

砕石位で尿道口からQチップ(綿棒)を挿入

腹圧時(努責時)30度以上の移動⇒尿道過可動(骨盤底の弛緩)

(44)

 問診(症状・既往歴等)

 症状質問票・QOL質問票

 身体所見

 尿失禁定量テスト

 排尿日誌

 超音波検査

 尿流動態検査

下部尿路機能障害の評価法

(45)

尿失禁定量テスト(60分パッドテスト)

重さを計測した(A g)パッドを装着する 水を500ml飲んで安静 30分の歩行(階段の上り下り 1階分x1回を含む) 1)椅子に座る・立ち上がることの繰り返し10回 2)強く咳き込むx10回 3)1か所を走り回る:1分間 4)床上の物を腰をかがめて拾う動作x5回 5)流水で手を洗う:1分間 0 15分 45分 60分 パッドをはずし重量を計測する(B g) 失禁量=BーA g 2.0g以下 2.1~5.0g 5.1~10.0g 10.1~50.0g 50.1g以上 :尿禁制 :軽度の失禁 :中等度の失禁 :高度の失禁 :きわめて高度の失禁

(46)

 問診(症状・既往歴等)

 症状質問票・QOL質問票

 身体所見

 尿失禁定量テスト

 排尿日誌

 超音波検査

 尿流動態検査

下部尿路機能障害の評価法

(47)

排尿日誌

①排尿した時間 ②その時の排尿量 ③尿失禁の有無を記録

(48)

62歳、男性。昼間および夜間頻尿、

その他に尿意切迫感、切迫性尿失禁を訴える。排尿困難はない。 残尿を認めない。2年前に脳出血の既往がある。

(49)

62歳、男性。昼間および夜間頻尿、 その他に尿意切迫感、切迫性尿失禁を訴える。排尿困難はない。 残尿を認めない。2年前に脳出血の既往がある。 • 一回排尿量 50-100ml • 昼間排尿回数 11回 • 夜間排尿回数 3回 • 尿意切迫感・切迫性尿失禁 • 脳梗塞の既往 ⇒過活動膀胱による頻尿

排尿記録の例示

(50)

昼間 夜間 排尿時刻 排 尿 量 (ml) その他 排尿時刻 排 尿 量 (ml) その他 7 時 200 12 時 200 10 時 250 2 時 250 12 時半 200 3 時半 200 15 時 250 4 時 250 17 時半 300 6 時 300 20 時 200 22 時 200 総尿量 1600 総尿量 1200 76歳、女性。夜間頻尿と不眠を訴えるが、 その他の排尿症状の訴えはない。 残尿は30ml。

排尿記録の例示

(51)

昼間 夜間 排尿時刻 排 尿 量 (ml) その他 排尿時刻 排 尿 量 (ml) その他 7 時 200 12 時 200 10 時 250 2 時 250 12 時半 200 3 時半 200 15 時 250 4 時 250 17 時半 300 6 時 300 20 時 200 22 時 200 総尿量 1600 総尿量 1200 76歳、女性。夜間頻尿と不眠を訴えるが、 その他の排尿症状の訴えはない。 残尿は30ml。

排尿記録の例示

• 一回排尿量 200-300ml • 昼間排尿回数 7回 • 夜間排尿回数 5回 • 昼間総尿量 1600ml • 夜間総尿量 1200ml ⇒夜間多尿による夜間頻尿

(52)

34歳、女性。頻尿および尿勢低下を訴える。残尿はない。

(53)

34歳、女性。頻尿および尿勢低下を訴える。残尿はない。

排尿記録の例示

• 一回排尿量 50-300ml • 昼間排尿回数 13回 • 夜間排尿回数 0回 • 総尿量 1160ml ⇒心因性頻尿

(54)

 問診(症状・既往歴等)

 症状質問票・QOL質問票

 身体所見

 尿失禁定量テスト

 排尿日誌

 超音波検査

 尿流動態検査

下部尿路機能障害の評価法

(55)

経直腸的超音波断層法

(56)

 問診(症状・既往歴等)

 症状質問票・QOL質問票

 身体所見

 尿失禁定量テスト

 排尿日誌

 超音波検査

 尿流動態検査

下部尿路機能障害の評価法

(57)

尿流動態検査

1)尿流測定

2)残尿測定

3)膀胱内圧検査

4)ビデオウロダイナミクス

5)外尿道括約筋筋電図

6)内圧尿流検査

7)腹圧下漏出時圧測定

8)尿道内圧測定

(58)

簡易型残尿測定装置

参照

Outline

関連したドキュメント

Considering the significance of today’s fatigue evaluations for adolescents and young adults, it is indispensable to have simple and rational scales for subjective fatigue symptoms

問 238−239 ₁₀ 月 ₁₄ 日(月曜日)に小学校において、₅₀ 名の児童が発熱・嘔吐・下痢

Q3-3 父母と一緒に生活していますが、祖母と養子縁組をしています(祖父は既に死 亡) 。しかし、祖母は認知症のため意思の疎通が困難な状況です。

症状 推定原因 処置.

低Ca血症を改善し,それに伴うテタニー等の症 状が出現しない程度に維持することである.目 標としては,血清Caを 7.8~8.5 mg/ml程度 2) , 尿 中Ca/尿 中Cr比 を 0.3 以 下 1,8)

自閉症の人達は、「~かもしれ ない 」という予測を立てて行動 することが難しく、これから起 こる事も予測出来ず 不安で混乱

新型コロナウイルス感染症(以下、

委 員:重症心身障害児の実数は、なかなか統計が取れないという特徴があり ます。理由として、出生後