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石巻地域 COPD ネットワーク (ICON) における教育効果と増悪の関係 表 1 ICON 基幹病院パス ( 初回治療導入 逆紹介 ) 1 呼吸器内科外来 2 看護外来 3 ICON 外来 (2 から ₁₄ 日後 ) 4 ICON 外来 (3 から ₁₄ 日後 ) 呼吸器内科外来受診 ( 通常の

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石巻地域 COPD ネットワーク(ICON)におけ

る教育効果の COPD 増悪に及ぼす影響

石巻赤十字病院慢性呼吸器疾患看護認定看護師₁),同 看護部₂),同 呼吸器内科₃)

阿部なつみ

1,2)

 ・ 宮本 恵子

2)

 ・ 両角 和恵

2)

 ・ 千葉  史

2)

髙橋 純子

2) 

 ・ 小林 誠一

3)

 ・ 矢内  勝

3) 要 旨 石巻地域 COPD ネットワーク(以下 ICON)では,COPD 増悪の予防と早期対応を目的とした患者教育を行って いる.ICON 導入による 1 )COPD 増悪予防効果, 2 )増悪に影響する因子に関して検討した.  方法:ICON 登録患者の363名を対象とし,ICON 導入前後 1 年間の増悪回数と増悪に関連する因子(対象と方法を参 照)を後方視的に調査した.増悪回数は,全増悪・外来治療を要した増悪・入院治療を要した増悪に分類し比較した.  結果:外来治療を要する増悪は増加したが,入院治療を要する増悪は減少した.患者の疾患・薬剤・喫煙に関する知識量 と,BMI が増悪に関連した因子だった.  考察:ICON のアクションプランでは,増悪時の早期受診を指導している.この結果,外来治療を要する増悪は増加した が,入院治療を要するような重症増悪は抑制できたと考えられる.また,ICON 教育プログラムにより疾患理解などセル フケア能力を高める事が,重症増悪の減少に有用である可能性が示唆された. Key words:慢性閉塞性肺疾患,COPD 増悪,患者教育,アクションプラン,地域連携

  著

緒   言  石巻地域では,たばこ地方還付税から計算された ₁ 人 当たりのたばこ購入量が全国平均の₁.₅倍である.₂₀₀₆年 に石巻赤十字病院が主催した石巻 COPD Day における調 査(一般市民₆₆₆人対象)で,石巻市民の慢性閉塞肺疾患 (以下 COPD)罹患率は₄₀歳以上で₁₃.₅%(男性₂₀.₁%, 女性₆.₃%)と,NICE Study で示された全国平均の₁.₅倍 も高い事が分かった₁,₂)  そこで,COPD の早期発見や診療体制を強化するため に,石巻地域 COPD ネットワーク(略称 ICON)を発足 させた.ICON では,COPD の早期発見から診断,安定 期・増悪期診療までに関して,標準化した循環型の地域 連携システムを構築し,₂₀₀₉年₁₀月より運用を開始した. ICON地域連携パスでは,基幹病院である石巻赤十字病 院が患者教育の役割を担っている.基幹病院の ICON 外 来診療パスでは,肺機能・併存症の検査・COPD 薬物治 療だけでなく,包括的評価と教育に重点を置き,多職種 が介入する患者教育プログラムを展開している(表 ₁ ). 患者教育は COPD の管理において重要な位置を占めてお り,呼吸リハビリテーションプログラムにおいては,運 動療法とともに中心的な構成要素である₃)  その中でも,安定期の管理から増悪期の対処を含む包 括的なセルフマネジメント教育の実施が求められてい る₄).Bourbeau らの研究では,日常生活の中でセルフマ ネジメントを教育するプログラムを用いた介入は,通常 介入の場合よりも入院回数や緊急受診回数を減少させ, QOLを向上させる₅).本邦では,セルフマネジメント教 育の重要性は認知されつつあるが,アウトカムとして, どのような効果があるかについては未だ実証に至ってい ない₃,₄)  本研究では,ICON 教育プログラムによる増悪予防の 効果および,増悪に関連する因子を明らかにすることを 目的とした. 対象と方法  期間:₂₀₀₉年₁₀月~₂₀₁₅年 ₄ 月.  対象:ICON 登録患者₃₆₃名.  方法:ICON 登録前後 ₁ 年間の増悪回数,および,下 記の検討因子と増悪回数の関連を後方視的に調査した. 検討因子は以下の通りとした.  GOLD 病期分類₆),肺機能 (FEV ₁),在宅酸素療法(以 下 HOT) の有無,Asthma COPD Overlap Syndrom(以下 ACOS) または Combined Pulmonary Fibrosis and Emphy-sema(以下 CPFE)の有無, ₆ 分間歩行試験の歩行距離 (以 下 ₆MWD)₇),Body mass index(以 下 BMI),Lung

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石巻地域 COPD ネットワーク(ICON)における教育効果と増悪の関係

Information Needs Questionnaire(以下 LINQ)₈)の各ド メインおよび合計スコア.ACOS は臨床的に医師が診断 し,CPFE は胸部画像に基づいて医師が診断した.尚, BMIは₁₈.₅未満を低体重,₁₈.₅~₂₄.₉を普通,₂₅.₀以上 を肥満と定義した.  COPD 増悪は以下の通りに定義した.  軽症:短時間作用型気管支拡張薬のみで改善する.  中等症:外来治療で全身的ステロイド・抗菌薬投与を 要する.  重症:入院治療を要する. 表 1  ICON 基幹病院パス(初回治療導入・逆紹介) ①呼吸器内科外来 ②看護外来 (②から₁₄日後)③ ICON 外来 (③から₁₄日後)④ ICON 外来 呼吸器内科外来受診(通 常の紹介受診に準ずる) 看護外来◎月・金曜日 ₁ 時間 ₁ 枠 ICON外来 ◎月・金曜日 ₃₀分 ₁ 枠 ICON外来 ◎月・金曜日 ₃₀分 ₁ 枠 検査 【医師セット検査】 心電図(₆MD 中止判断・ 指示) 胸部 X 線 胸部 CT 肺機能検査 モストグラフ 呼気 No 骨密度 血液ガス 採血 *₁ 肺機能検査 モストグラフ 投薬 薬物療法 診察(医師) 診察・結果説明,診断,治療開始. ICON登録(同意書) 日常生活指導 (看護師) 各種問診票の配布,看護 外来・ICON外来の受診案 内,ICON システム説明 問診の確認・追記入, データベースの作成 指導内容 ・COPD に関する説明  (禁煙指導) ・増悪 ・自己管理 ・自己管理手帳の活用 増悪 自己管理 アクションプラン 禁煙の確認 次回受診時の指導確認 プラン 患者教育全体のアセス メント 薬物指導 (薬剤師) 薬物指導吸入手技・服薬指導 吸入確認・指導 リハビリテーション指導 (理学療法士) フィジカルアセスメント ₆ MD 運動指導 栄養指導 (栄養士) 栄養指導 ・食事内容の確認 ・食事の問題抽出と 指導 総合アセスメント アクションプラン立案 (看護師) 問診 各種評価表の確認 (LINQ,MRC,ADL, CAT,HADS,MMSE, 食事など) 病気について 服薬指導 呼吸方法 継続して行える運動 増悪の予防対策と対処 行動 ・感染予防 ・増悪徴候の早期発見 のための症状観察・ ICONシステム・受 診方法の確認 患者教育全体のアセス メント・問題の抽出 自己管理のためのアク ションプラン確認 次回の予約確認 *₁採血:TP,総ビリルビン,間接ビリルビン,ZTT,TTT,AST(GOT),ALT(GPT),LDH,ALP,γ-GTP,コリンエステ ラーゼ,T-Cho,BUN,Cr,UA,K,Cl,Ca,IP,GLU,SAA,HbA₁c,血算,血液像,BNP.

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 ICON 導入前後 ₁ 年間の増悪回数を,全増悪および中 等症増悪,重症増悪の各々で,Wilcoxon の符号付順位検 定を行った.  増悪回数と各因子の変化量は Wilcoxon の符号付順位 検定・Mann-Whitney の U 検定および χ検定を行った. 中等症および重症増悪に関連する因子のオッズ比を,多 重ロジスティック回帰分析した.統計解析にはIBM SPSS Statistics ₂₀を用い,p<₀.₀₅を有意とした. 結   果 1 .対象者背景  年齢,性別,肺機能データ,GOLD 病期分類,喫煙率, HOT患者の割合について表 ₂ に示す. 2 .ICON 導入前後の増悪回数の比較  ICON 導入後に,全増悪回数が有意に減少した.中等 症増悪は ICON 導入後に増加し,重症増悪は ICON 導入 後に有意に減少した(表 ₃ )(全て p<₀.₀₁). 3 .増悪の関連因子とオッズ比  中等症増悪では,明らかな増悪の関連因子は認めな かった(表 ₄ ).重症増悪では,BMI 普通→低体重(p< ₀.₀₃),LINQ の 病 気(p<₀.₀₂)・薬(p<₀.₀₃)・喫 煙 (p<₀.₀₂)のドメインのスコアが関連因子となった(表 ₅ ). 考   察  今回の調査では,ICON 導入後に,全増悪回数は減少, 中等症の増悪は増加,重症増悪は減少することが分かっ た.COPD 患者における増悪に関する患者教育の達成目 ることができ,より早期に増悪前の安定時の状態まで回 復するためのセルフマネジメントができることである₄) 増悪時の対処方法として,短時間作用型気管支拡張薬 表 2  対象者背景 測定値 年齢(歳) 平均値(SD) ₇₄歳±₇.₆歳 性別,n(%) 男性 ₃₃₂名(₉₁%) 女性 ₃₁名( ₉%) 喫煙状況,n(%) ₃₁名( ₈%) 肺機能 FEV₁ ₁.₅₅±₀.₆₆ %FEV₁ ₆₂.₆±₂₂.₆ FVC ₃.₀₃±₀.₇₅ BMI 平均値(SD) ₂₃.₂±₃.₇₆ HOT,n(%) ₄₇名(₁₃%) GOLD病期分類,n(%) Ⅰ期 ₈₈名(₂₄%) Ⅱ期 ₁₆₆名(₄₆%) Ⅲ期 ₆₄名(₁₈%) Ⅳ期 ₄₅名(₁₂%) LINQ(合計スコア) 平均値(SD) ₉.₁₃±₄.₆₄ 表 3  ICON 導入前後の増悪回数の比較 表₃-a. 全増悪 介入前 (n=₃₆₃) (n=₃₆₃)介入後 mean±SD mean±SD p 下段 ₀.₃₆±₀.₆₆ ₀.₂₆±₀.₆₅ ₀.₀₀₀ ** Wilcoxonの符号付順位検定,**p<₀.₀₁ 表₃-b. 重症増悪 介入前 (n=₃₆₃) (n=₃₆₃)介入後 mean±SD mean±SD p 下段 ₀.₂₃±₀.₅₁ ₀.₀₈±₀.₃₁ ₀.₀₀₀ ** Wilcoxonの符号付順位検定,**p<₀.₀₁ 表₃-c. 中等症増悪 介入前 (n=₃₆₃) (n=₃₆₃)介入後 mean±SD mean±SD p 下段 ₀.₁₃±₀.₃₈ ₀.₁₈±₀.₅₅ ₀.₀₀₀ ** Wilcoxonの符号付順位検定,**p<₀.₀₁ 表 4  中等症増悪の関連因子 項   目 オッズ比 ₉₅%信頼区間 (有意確率)p値 病期 ₀.₉₃ ₀.₅₆~ ₁.₅₅ ₀.₇₈ ₁ 秒量 ₄.₃₂ ₀.₁₉~₉₉.₈₁ ₀.₃₆ CPFEの有無 ₁.₆₇ ₀.₁₂~₂₃.₀₇ ₀.₇₀ ₆ MWD ₁.₀₀ ₀.₉₉~ ₁.₀₀ ₀.₄₃ BMI 低体重→普通 - - - 低体重のまま ₈.₃₄ ₀.₈₀~₈₇.₀₀ ₀.₀₈ 肥満→普通 - - - 肥満のまま ₀.₂₀ ₀.₀₄~ ₁.₀₈ ₀.₀₆ 普通→肥満 ₀.₇₉ ₀.₄₄~₁₄.₁₂ ₀.₈₇ LINQ 合計 ₀.₉₆ ₀.₈₇~ ₁.₀₇ ₀.₄₆ 病気 ₀.₇₁ ₀.₄₆~ ₁.₁₀ ₀.₁₂ 薬剤 ₀.₈₅ ₀.₅₉~ ₁.₂₄ ₀.₄₀ 自己管理 ₁.₀₁ ₀.₈₄~ ₁.₂₀ ₀.₉₅ 喫煙 ₃.₅₀ ₀.₄₄~₂₈.₀₂ ₀.₂₄ 運動 ₁.₀₇ ₀.₈₀~ ₁.₄₃ ₀.₆₅ 栄養 ₀.₇₈ ₀.₄₀~ ₁.₄₉ ₀.₄₅

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石巻地域 COPD ネットワーク(ICON)における教育効果と増悪の関係 (SABA)の増量,痰の増加や膿性化がみられた場合の抗 菌薬の内服などのアクションプランに沿った実施を指導 することが推奨されている₃).ICON では,安定期に増悪 の予防法や症状と対処法を患者教育し,アクションプラ ンに沿って自分の判断で使用する薬剤については SABA に限定した.かかりつけ医は,常備薬として抗菌薬や内 服ステロイドの投与は行わない連携パスを用いて,SABA 増量のみでは改善が見られない場合は医療機関へ受診を 指導している(図 ₁ ).現在 ICON には,₇₁の医療機関 がかかりつけ医として登録されているため,患者一人ひ とりが,交通アクセスのよい場所にかかりつけ医を持つ ことができ,その結果,早期に受診行動を取ることがで きる.また ICON かかりつけ医での増悪対応フロー チャート(図 ₂ )を作成し,かかりつけ医で中等症増悪 に対応することになっている.以上のような ICON シス テムによる患者教育により,ICON 導入後に外来治療を 要する中等症増悪が増加したと考えられる.その一方で, 増悪兆候を自覚し医療機関を受診し早期に増悪治療を受 けること,かかりつけ医で統一された増悪治療が実施さ 表 5  重症増悪の関連因子 項   目 オッズ比 ₉₅%信頼区間 (有意確率)p値 病期 ₁.₆₄ ₀.₇₅~₃.₅₄ ₀.₂₁ ₁ 秒量 ₁₅.₆₆ ₀.₉₄~₂₆₁.₆₉ ₀.₀₆ ₆ MWD ₁.₀₀ ₀.₉₉~₁.₀₀ ₀.₄₀ BMI 低体重→肥満 - - - 低体重のまま ₂.₄₄ ₀.₄₃~₁₃.₇₅ ₀.₃₁ 低体重→普通 - - - 肥満のまま ₀.₃₂ ₀.₀₃~₃.₃₀ ₀.₃₂ 肥満→普通 - - - 普通→低体重 ₁₅.₄₁ ₁.₃₉~₁₇₁.₁₆ ₀.₀₃ LINQ 合計 ₁.₀₄ ₀.₉₀~₁.₂₀ ₀.₅₈ 病気 ₃.₃₆ ₁.₂₇~₈.₈₉ ₀.₀₂ 薬剤 ₀.₅₀ ₀.₂₆~₀.₉₅ ₀.₀₃ 自己管理 ₀.₇₈ ₀.₆₀~₀.₀₂ ₀.₀₇ 喫煙 ₀.₁₃ ₀.₀₂~₀.₇₀ ₀.₀₂ 運動 ₀.₉₂ ₀.₅₆~₁.₅₁ ₀.₇₃ 栄養 ₂.₀₁ ₀.₇₄~₅.₃₃ ₀.₁₆ 図 1  ICON 手帳 増悪時のアクションプラン

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れていることにより,入院治療を要するような重症増悪を 防ぐことができたと考えられる.尚,患者自身が SABA の追加または増量による軽症増悪の評価は,今回の研究 では行わなかった.  更に,LINQ の「病気の理解」「薬物療法」「禁煙」の ドメインスコアと,BMI が普通から低体重に変化するこ とが,重症増悪の関連因子となった.先行研究では, COPDの病期が進行しているほど増悪の頻度が高いとい う報告がある₅,₆).しかし,今回の我々の調査では,中等 症増悪・重症増悪ともに,COPD の病期は影響因子とは ならなかった.また,病期に関わらず,前年度の増悪の 経験が増悪出現のリスクとしている試験結果もある₇).こ れについても,我々の調査では同様の見解には至らな かった.  当院では,患者が保有する COPD 管理に必要な情報量 は,LINQ を指標として評価している.患者が良好なセ ルフマネジメント行動を取るためには,患者・家族が正 確な情報を持つ必要がある.LINQ は,COPD 患者が評 価を行った時点で必要としている情報を定量的に測定す る自己記入式の質問表である₈).その質問は,病気の理 解・薬物療法・自己管理・禁煙・運動療法・栄養教育の 各ドメインおよび合計のスコアで評価される.スコアが 高いほど,患者が持つ情報量が不足していることになり, 医療者から多くの情報提供が必要になる.ICON では, この LINQ を活用し,セルフマネジメント教育を行って いる.患者が病名を理解し,肺機能への影響や今後の病 気の経過を知る事ができる.薬物療法では,処方薬の名 前や効果と副作用を知り,処方薬の必要性を理解した上 で使用する.また禁煙については,禁煙できているかは もちろんだが,喫煙者においても禁煙の方法を知ること ができる.この教育方法により,病名や今後の経過など を認識することで,薬物療法や運動療法,増悪の予防や ・痰の増加 ・ ・血圧 / mmHg ・呼吸困難 ・・ ・脈拍 /分 ・SpO2 % ・喘鳴 ・・ ・呼吸数 /分 治療可能 治療困難 SpO290%未満 ◯基幹病院への連絡 ・石巻赤十字病院 ・β2刺激薬の吸入 □メプチンエア2吸入 20分毎(3回まで可) □ベロテック吸入 □サルタノール吸入 □超音波ネブライザー ( ) ・ステロイド点滴静注開始 □デキサメサゾン8mg+生食100ml/30分 □プレドニン40~60mg+生食100ml/30分 (2日間投与して効果なければ基幹病院 へ電話で相談) 治療可能 治療困難 ・痰が汚い(感染の徴候あり) □抗生剤(経口ペニシリン・経口セフェム・ 経口マクロライド) ・肺炎合併 □ロセフィン2g+生食100ml 1日1回 安定期の管理へ移行 治療可能なら ➡5~7日間を目安に追加治療 *内服薬に変更可 ・咳の状態 □ ・痰の状態 □ ・呼吸困難 □ ・喘鳴 □ ・浮腫 □ ◯バイタルサイン ・体温 ℃ ・血圧 / mmHg ・脈拍 /分 ・SpO2 % ・呼吸数 /分 治療後 図 2  COPD 増悪対応フローチャート

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石巻地域 COPD ネットワーク(ICON)における教育効果と増悪の関係 対処行動など,全てのセルフマネジメント行動への動機 づけとなり,そこに具体的な技術指導を上乗せすること で,重症増悪の予防へと繋げることができたのではない かと考える.  また,COPD 患者の栄養管理の重要性について,ガイ ドラインでは,体重減少(%IBW,BMI の低下)は,気 流制限とは独立した COPD の予後因子であると述べられ ている₂).これまで ICON の教育システムでは,初回の ICON導入時のみ栄養士が介入するプログラムとなって いた.その後は,明確な栄養士の介入基準を設けておら ず,看護師の主観により判断していた.そこで,本研究 を行う半年ほど前より,栄養士による定期介入の基準を 設け,更に骨格筋量の評価を追加した.BMI と増悪の関 連性については,先行研究と同様の結果となったが,栄 養管理の重要性を再認識することができた.新たな栄養 指導プログラムによる,増悪予防の効果についても,更 に調査が必要だと考える.  今回の調査では,増悪の予防や早期対応に対する, ICONの教育プログラムや患者教育の効果が示唆された. しかし,その中でも増悪を繰り返す事例やアクションプ ランが実行されないケースも見られている.これらの ケースに継続的に介入するためには,半年から ₁ 年ごと に患者が受診する当院だけでの教育では不十分である. そこで求められるのは,かかりつけ医の医師・看護師, 訪問看護・介護スタッフによる患者教育である.基幹病 院である当院で行われた指導内容を,これらのスタッフ が共通理解し,同様の指導を継続的に行うことによって, その効果が更に期待できるであろう.ICON は連携を開 始して ₇ 年目を迎え,病診連携を確立させることができ た.今後は次のステップとして,看護師間の連携による, 更なる患者教育の充実が求められる.そのためにも,今回 の調査結果から見えた,患者の疾患理解と栄養管理に重点 を置いた教育プログラムの再構築が必須であると考える.  本研究の限界として,同一患者の教育介入前後の ₁ 年 間を比較しているため,病態の進行による影響を排除で きない.また,天候や感染症の流行などの環境因子が統 一されていないため,更なる研究が必要である.  本研究により,COPD のアクションプランに基づいた 患者教育が,入院治療を要するような重症増悪の予防に 有用である可能性が示唆された.  本論文の要旨は,第₂₅回日本呼吸ケア・リハビリテーション 学会学術集会(₂₀₁₅年₁₀月,千葉)で発表し,学会長より優秀 演題として表彰された.  著者の COI(conflicts of interest)開示:本論文発表内容に関 して特に申告すべきものはない.

Impact of patients' education on exacerbation in patients with COPD enrolled to Ishinomaki Region COPD Network(ICON) Natsumi Abe₁,₂), Keiko Miyamoto₂), Kazue Morozumi₂), Fumi

Chiba₂), Junko Takahashi₂), Seiichi Kobayashi₃), Masaru Yanai₃) ₁)Certified Nurse in Chronic Respiratory Nursing, Japanese Red

Cross Ishinomaki Hospital, ₂)Department of Nursing, Japanese

Red Cross Ishinomaki Hospital, ₃)Department of Respiratory

Medicine, Japanese Red Cross Ishinomaki Hospital

文   献

₁) 髙橋純子,矢内 勝:石巻地域 COPD ネットワーク(ICON) における COPD 地域連携.J Clin Rehabili ₂₂: ₄₁-₅₀, ₂₀₁₃. ₂) 矢内 勝,小林誠一:COPD の地域連携:石巻地域 COPD ネットワーク(ICON)の取り組み.呼吸 ₃₄: ₉₆₀-₉₆₄, ₂₀₁₅. ₃) 日本呼吸器学会 COPD ガイドライン第 ₄ 版作成委員会編: COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドラ イン第 ₄ 版,メディカルレビュー社,東京,₂₀₁₃. ₄) 日本呼吸ケアリハビリテーション学会,日本呼吸器学会, 日本リハビリテーション学会,日本理学療法士協会:呼吸 リハビリテーションマニュアル~患者教育の考え方と実 践~,照林社,東京,₂₀₀₇.

₅) Bourbeau J, Julien M, Maltais F, et al.: Reduction of hospital utilization in patients with chronic obstructive pulmonary disease: a disease-specific self-management intervention. Arch Intern Med ₁₆₃: ₅₈₅-₅₉₁, ₂₀₀₃.

₆) Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease: Global strategy for the diagnosis, management and preven-tion of chronic obstructive pulmonary disease, revised ₂₀₁₅, WHO, Geneva, ₂₀₁₅. ₇) 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会,日本呼吸器学会, 日本リハビリテーション医学会,他 編:呼吸リハビリテー ションマニュアル―運動療法―第 ₂ 版,照林社,東京, ₂₀₁₂. ₈) 木田厚瑞:LINQ による包括的呼吸ケア セルフマネジメン ト力を高める患者教育,医学書院,東京,₂₀₀₆.

₉) Burge PS, Calverley PM, Jones PW, et al.: Randomised, double blind, placebo controlled study of fluticasone propio-nate in patients with moderate to severe chronic obstructive pulmonary disease: the ISOLDE trial. BMJ ₃₂₀: ₁₂₉₇-₁₂₃₀₃, ₂₀₀₀.

₁₀) Paggiaro PL, Dahle R, Bakran I, et al.: Multicentre ran-domised placebo-controlled trial of inhaled fluticasone pro-pionate in patients with chronic obstructive pulmonary dis-ease. International COPD Study Group. Lancet ₃₅₁: ₇₇₃-₇₈₀, ₁₉₉₈.

₁₁) Hurst JR, Vestbo J, Anzueto A, et al.: Susceptibility to exacer-bation in chronic obstructive pulmonary disease. NEngl J Med ₃₆₃: ₁₁₂₈-₁₁₃₈, ₂₀₁₀.

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