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硬骨魚の黒色素胞研究の現況-香川大学学術情報リポジトリ

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香川生物 3:7−12(1967) 硬 骨魚の黒色素胞研究の現況 谷 本 智 昭 香川県立高松高等学毒交生物教室 昭和41年12月28 日受領 作用(長浜’53;上田’55)するものと考えられて いたが,藤井(’58,’59)はドロメの尾鰭で神経退 化帯をつくることに.より,イオンは神経終板に.薬剤 の1アドレナリン・■7十ロビンほ直接に.作用する知見 を得た 岩田・渡辺・粟原(’59)ほフナの黒色素胞を連 続してリンゲル液中に.放置しておくと反応性が変化 し,拡散期,収縮期,後拡散期とたどる.この時 Kイオンほ前拡散期と収縮期に.は凝集に.働くが, 後拡散期にほ.拡散反応を惹起するアドレナリンほ 各期とも凝集させるのに,交流刺激ほ後拡散期に・ほ 無効になることから,黒色素胞の神経繊維がまず退 化し,つづいて神経終板が不活性に.なるとしてい る筆者もメダカでほぼ同様の結果を得ている岩 田ら(,59)は0、.6∼1%のウレタンでフナの摘出鱗 を処理すると交流刺激にほ不満性,ⅩClとアドレナ リソにほ反応する CaC12で前処理したとき,短時 間でほKCl,7■トレナリソ共に反応するが,長時間 でほ反応しないことから,Kイオンは神経終板に作 用することをみた更に.K,Ca,Naイオンの混合比 を変えた等張液での黒色素腹の反応を観察してい る泄辺(,60)ほ1%プロカイソで前処理してお くと,アトロピンの拡散反応ほみられるがKClの凝 集は起こらぬこと,アトロピンで前処理しておくと Kイオ・ソ,■7トレナリンによる凝集が抑制されるこ とをみている.渡辺・森ぐ64)ほNH4Cl処理でリ ンゲル液中に黒色素胞をおくと,はじめ顆粒の拡散 を・おこしつづいて収縮をすること,NH4イオン, リンゲル液,Kイオン,■アドレナリソの交互処理で 興味ある反応をみた渡辺・内藤・土屋(’65)は ■7ナの鱗で黒色素胞凝集剤のうちの任意の2つで交 互処理すると,一方は凝集反応を示し続けるが,他 方ほやがて拡散反応を表わすことを確認し,Li, K,NH4,Sr,Ca,Mg およびglueose溶液の 8種で調べると,glucose>Li,K,Ba,ST・, 魚類が環境に応じで比較的速やかに体色を変化さ せるという生理的体色変化ほ色素胞の顕著な活動の 結果としてとらえられている・一・般に色素胞はその 中に.含有される色素の色で数種に分類されているが 体色変化の主導的な働きほ明暗という著しい変化で あるため,多くの研究者は黒色素胞を研究対象にし ている.黒色素胞の形状は多くの場合中心に細胞体 ともいうべき部分があり,そこから樹枝状の細胞突 起が多くでている。黒色素胞でほメラニン頻粒が細 胞中で拡散状態のとき暗色となり,凝集状態になる と明色となる。 色素胞活動の調節に関する研究ほ古くから行なわ れているが,魚類の黒色素胞の場合ほ主に神経に・よ る調節の例が多く,ホルモンの関与ほ少ないようで ある黒色素胞の反応幾構について−は,かなりな 程度生理学的あるいほ薬理学的手法で研究がなされ てきた それによるとイオンは黒色素胞の神経終 板に作用するが,薬剤は黒色素胞に・直接に働くこ と,電気刺激ほ神経織維を介し■て作用すると考えら れているまた電気生理学的研究から黒色素胞には 自律神経性の相反性二塵神経支配があり,凝集神経 末端からでるアドレナリン性物質がシナプスでの伝 達物質であり,拡散神経でほアセチルコリン系物質 と考えられているが,未だ決定的な証明ほない. 今回はここ数年問主として国内の研究者によ、つて 黒色素腹について報告された研究の概要を紹介する ことにする, 1仙、各隆イオンの作用 硬骨魚の摘出鱗や尾鰭などにある黒色素胞内のメ ラニン顆粒が,:Kイオツにより凝集することは Spaeth(,13)に.よってダ髄%血∼≠8その他数種の魚 類で最初に観察されて以来,黒色素胞内の顆粒の移 動を詳細に観察した報告(Matthews’31;鎌田・ 木下’44)がある.これまでK,Naイオツは直接

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M■7トロピンも凝礫性イオンの凝集を抑制するが前 記抗ヒスタミン剤より効果は小さいことをみた山 田(’63)ほメダカ摘出鱗でSH基阻害剤(PCMB) を作用させると黒色素胞は凝集性溶液中においても 拡散し,リンゲル液に戻した後でも凝集物質で凝集 しなくる しかしL一システイソを与えることによ りこの効果は除去される〃 切断枝も同様の反応を示 すという松井(’64)ほ10■2∼10 ̄6弛エフ ニトリ ンは黒色素胞の凝集神経末脚こ働き凝集を起こすこ と,神経退化後にほ無効であることをみた.松井 (’65)は・シンパトールとチラミソは直接に作用し て1ヒロポンとベンゼドリンは凝集神経末端を刺激 して凝集を起すこと,伊賀(’66)は10 ̄2∼10 ̄6M のphenelzineほ凝集神経末端あるいほMAO活 性を抑制することに.より凝集させること,ピロガロ ールにも弱い凝集作用のあることを記載して.いる 4.電気刺激 黒色素胞内のメラニン顆粒の凝集が電気刺激でひ き起こされることほMills(,32)とParkeI(’41) に.より観察され,Miユ1sほ尾鰭で,Pafkefほナマ ズの尾鰭に虐角電流の頻数刺激を与え,低頻度の刺 激でほ黒色素胞の拡散が,高頻度の刺激では凝集反 応が起きたとのべ二凄神経支配のあることを記載し ている.上田(’55)ほ鱗で黒色素胞の反応は全か 無かの法則にあてはまらぬこと,鱗に切題ぉいれて 電気刺激をすると,電極側に反応ほ起きるが,他に ほおよはない刺激を強ぐすると回り道して他の側 にも反応がみられることにより,鱗上の神経分布は 網目状でないかという筆者(’r59)も追試して同様 の結果を得た“また筆名(’60)ほ燐に二本の微小 電極をあでてⅩCl中で凝集している黒色素胞に直流 刺激をすると,陰棲側に拡散反応が見られた(未発 表).岩田・福田・秋山(’62)はフナでPaTkeTの 結果とは逆に低頻度の刺激で凝集,それ以上だと拡 散反応をみて頻度の多少でどちらかの神経が主に・興 奮するというよりも,色素胞の状態によって反応様 式が異なるのではないかという結論をだしている. 岩田・内藤(’65)ほヤリタナゴの鱗に微小電極を あてて交流刺激を与えたところ,鱗中央方向から入 る神経は黒色莱胞付近で分枝して各色素胞に・至り, 鱗上の多数の黒色素腹は反瓜上いくつかのグル−・プ に分けられることから,各色素胞の反応を多数の神 Ca>Mg>NH4(不等号の左のものが右のものに対 しより長く凝集作用を示し続けることを意味する) の関係を見出した伊賀(,62)はメタ■ヵの巨大黒 色素胞の中にはKイオ・ンで凝集反応を示さないもの があり,アトレナリソで凝集後KCI,ヤ拡散反応を みている 2.Ba−一律動 Spaeth(’16)ほBa処理した黒色素胞をリンゲ ル液または等張NaCl溶液にもどすと,長時間著し い凝集と拡散を律動的にくり返すことを観察した 長浜・山田・片山(’60,’63)ほメダカとフナの摘出 鱗でBaの凝集度,Ba一律動に対するKイオンとア ドレナリソとの関係,Ba一律動の同時性,切断枝 のBa一律動等について総合的研究を行なった渡 辺(,60,(汀)ほフナの鱗を長時間リンゲル液中に・浸 し,KClで反応しないものほ,BaC12でも律動し ないこと,1%プロカインで処理すると律動が起ら ぬことから,律動の機構は色素胞自身のリズミカル な反応でなくて−神経要素に.あるとしている.また 律動ほ黒色素胞が半拡散状態にあるとき,LiCl, NH4Cl,MgC12,CaC12,SrCl2,BaC12やこれ らとリンゲル液のある混合比の溶液で起こりうる知 見を得た.神経退化後や麻酔された黒色素胞では律 動がみられぬことから,拡散神経と凝集神経の興奮 度が不安定のとき,神経要素のリズミヅクな興奮で 惹起されると結論している 3.薬剤の作用 アドレナリソが凝集作用のあることほLieben (’06),Fuchs(’14)以来かなり多くの研究老が記 載してし・る… 最近では藤井(’58一),岩田・渡辺・長 尾(,59)がある藤井(,61r)はドロメの尾鰭から作

られた”isolated split preparation”を使い光電 的に黒色素胞のアドレナリン,メラト=ンに対する 反応をみたメラト=・ソは神経分布の有無にかかわ らず低濃度で直接作用し,ティベナミンほアドレナ リソの作用を阻害する セロトニソには反応は無効 であるというい 片山(’60)はK,Ca,SI,Ba等の凝集 性イオ・ソおよび4.5×10 ̄5Mアドレナリンで完全凝 集すること,しかし抗ヒスタミン剤であるベナドリ 〃一一−ルおよびビリベンザミソのそれぞれ10−8M,8.6 ×10 ̄5Mで抑制され,額粒ほ拡散する1.8×10■5

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硬骨魚の黒色素胞研究の現況 位を・想像させるという末端部の膜と黒色素胞の原 形質膜の間隔は端坂や中枢の1シナプスの場合よりほ るにか広いという 古く Ba1lowitz(1893)ほ種々の魚の色素胞にっ いて網目状に分枝した神経繊維が黒色素胞全面にjっ たって末端を終らせている図を発表しているが,上 記の結果とはかなり異なるようである“筆者(’66) はメダカの鱗をメテレソ看で生体染色すると神経政 経と想定されるものが光学顕微鏡下で観察され,各 黒色素胸に.数本の神経繊維が分布しかなり多数の終 板をなしている像をみている.黒色素胞のないヒメ ダカの鱗でも神経繊維の分布ほみられた(未発表)‖ 藤井・藤井(,65)ほ外液に・EDTAまたはEGTA を加えて2価イオンを除くと,Kイオン,交流刺激 の反応が完全に雌害され,Ca,Sr,Baを加えると 伝達が回復し反応するように.なるMgほ部分的で あるが回復する Zn,Niほ回復には役立たない しかしアドレナリン,ノル言トレナリソは阻害には 無関係なことから,アルカリ士族イオンほ神経末端 からの伝達物貿の放出機構に役割をもつと推論して いる 7.放射線の作用 江藤(,62,,6二3)は1フナの尾鰭の剥離標本に γ線 を照射すると,放射線の感愛性ほ黒色素胞,神経末 端,神経繊維の順に.高まる黒色系胞の凝集・拡散 の両過程とも,線量の増加と共に反応はS字状に低 下し,非常な大線畳照射でほ反応ほ減少しなくなり ほほ−・定の値を保つ神経末端の反応性は線量の増 加と共に上方に凸な曲線で示され,375たγ・で反応し なくなる凝集神経繊維は最も感受性が高く,250 たγ照射で反応が消失する.また黒色素胞の凝集・ 拡散の両過程の間に感受性の差はないという Chavin(’56)はキンギョを塩水飼育すると, ACTITの分泌で黒色素胞が新生されることをみた. またⅩ線照射に.よっても起きる報告(Smith’32; Ellinger’40;Shechmeister etal.,162;江上・ 江藤他,62)がある“江上・江藤(’6:3)はキンギョ をⅩ線照射して新生された黒色素胞に対するNa,K イオン,アトロピソ,アトレナリンの反応をみたが, 新生後間もないものはNa,Kイオンには反応を示さ ないが,7■トロピソ,アドレナリソには反応するこ とをみたしかしよく成長した黒色素腹は.(Na), 経繊維および神経末端が支配することを意味するも のであろうという 岩田・土屋ぐ66)ほメダカの尾 腰をKCl中で直流またほ矩形波脈流で局所刺激す ると,一定距離内の黒色素胞ほ拡散反応を示し,一 方凝集に不十分な低濃度のアドレナリソ液中で同様 な刺激をすると,刺激点より一足距離内で著しい凝 集反応を示した.以上から刺激電流が直接に作用し たと解釈している 5、切断枝の行動 Kイオンが切断枝を凝集させること(Matthews ,31),メラニン顆粒が電気泳動によってKイオ■ンの 作用で切断仮の切口月近に集まること(鎌田・木下 ,44),メラニン顆粒の凝集部位ほ切断枝の型により 決まり最も太い所に.集まる(長浜・足立’59)など の都債妙ミある 長浜・筆者(’60,’64)は切断枝が 電気刺激に反応し母細胞を破かいしても切断枝は独 立した黒色素腹として反応することをみた長浜 ・片山(,63)ほ切断枝がBa一律動を母細胞とほ多 少のずれほあるが同期して一行なうと述べてし、るま た少数果粒切断枝も刺激性イオ■ソおよびアドレナリ ソに.反応し,リンゲル液中に長時間放置した時の反 応性変化も正常切断枝や母細胞と同じ行動せとると いう.長浜・山田(’64)ほメダカで少数顆粒切断枝 をつくり詳細に観察すると,粒子間にタンパク賀糸 酌な連絡を想定できるようだと報告している 6‖ 電気泳動と神経支配機構 木下(,5二3,63)ほ細胞内微小電極法に・より,凝集 ・拡散反応がメラニン顆粒の細胞内電気泳動によっ て具現されると結論した凝集惹起物質を作用させ ると,中心の細胞体部の換電位が低下し,その結果 生ずる局所電流は樹状突起内部を中心から末梢に向 って流れる従って負に荷電しているメラニン顆位 は電流に.逆、つて細胞中心部に向って泳動するのであ る拡散環卿こおくと局所電流は逆向きとなり,結 果として顆粒は細胞中心部から末梢に向うという, 藤井・藤井(’64)はドロメの尾鰭を羽料に電子原敬 鋳での観察をすると,脊髄神経の分枚は鰭粂内およ び条間膜の疎性結合組織中にみられ特に黒色素腹の 中心部,あるいほ突起部の根本近くを走る場合が多 く観察され,この部分の黒色素胞の原形質膜の内側 には多くのPinocytotic vesicleが存在し,伝達部

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があり興味あるテ−・マであろうGoodrich(’33) ほDopaを作用させて,ヒメダカ成魚の鱗のアメ −ソミ状細胞に.メラニンを生成させた小 竹内(’66.)は 白色メダカの胚にチロ・シ∵/とチロシナー・ゼとを同時 に作用させると77時間発生胚の頭部に.メラニン形成 が起きるが,テロシソの単用でほ生成が認められな いことを報告している 文 献 1‖:Kamada,T‖and H,Kinosita(’44二)Move−

ment of granulesin fish melanophores

クγ・0¢“∫刑p‖Acαd.roた甘0,20:484−492

2.Nagahama,H。(.’53)Action of potassium

ions in the melanophores in an isolated

fish seale亡Jαp.J.Zooヱリ 2:75−85.

3.Ueda,K.(,55)Stimulation experiment on fish melanophoresAnnot“ZoollJapon・,

28:194−205

4… Fujii,R(’58)Action of potassiumions and adrenalin on the melanophore−COnCen− tIating system of fishいZool‖Magl,67:225 5。Fujii,R(,59′)Mechanismofionicactionin

the melanaphore system of fishI”Melan−

ophore concentrating aCtion of potassium

and some otherionsAnnot,孝00L.Japon”,

32:47−58

6。Iwata,K,S,M.Watanabe and T。Kur・i− haIa(’59)changeS Of state and response

of the fish scale melnophore during conti−

nuousimmer・SioninRingelh’solution。Biol J.0たαγα肌α[ル乙宜肌,5:185一194

7.−・ −and K。NagaO(’59)The mode

of action of pigment concentratingagentS

on the melanophoresin theisolated fish

seale‖βせ0ヱ.J“0たαyα刑αと/彿宜肌,5:195−206 8.Iwata,K,S。and H,Yamane(’59)

Response of fish scale melamophore to

modification ofionic composition‖BiolJ 0たα財α肌αぴれ宜肌,5:1−11

9.Watanabe,M。(’60)Effect of potassium

Cyanide on the malaophoresin theisolat−

ed scale of crucian carp。The mode of a Kイオ・ソにも反応すると記してし、る. 8.脳下垂体ホルモン 魚類の脳下垂体に・ほMSHと共にMCHが存在する ことが十数種の硬骨魚で確認され栗専守るが,今井 (,64)ほ40数種の海産および淡水産硬骨魚と3種 の軟骨魚に.ついて調べると,2・3の硬骨魚にほ確 認できなかったが,他ほ一・般的に・存在すること,軟 骨魚には存在が疑わしいこと,MCHほ中一後実に・ 局在する結果をえた gい その他 藤井(,62.)はニジマス胚の黒色素胞の発生にとも なって,出現後間もない黒色素胞はアドレナリンに ほ反応するが,Kイオ∵/,交流に・は反応しないし かし後にほ反応するように・なることから神経支配が 出現当初ほないが,しだいに∴できてくるという伊 賀(,64)ほメダカや17ナで寄生虫に・関連して生じた 黒色素胞の反応について,Kイオ■ソ,アドレナリ ン,交流刺激をすると,正常な黒色素胞と同様な反 応を示し神経支配をうけているという. 菊地(,65)ほ金魚で黒デメ金,赤い和金,透明鱗 の頭の皮膚を組織学的に比較すると,遺伝的三系統 で表皮,皮下脂肪に.は大差なく,差異は募皮にあ り,黒デメ金ではこの層に黒色素胞があるが,赤金 魚には黒色素胞ほないが層の発達ほほぼ同じである こと“透明鱗では非常に発達が悪いことなどから, 赤金魚の真皮は黒金魚のそれと組織的に・共通の性質 があり,黒色素芽細胞はあるが形成が抑制されてい ると記している。 内藤・岩田(,65)はドンコほふつうの背地反応の 他に光の強さが変った場合ある程度光の絶対量に対 応した体色変化を示すことをみた眼球を完全に除 去すると顕著な変化を示さぬことから限が主導的な 役割をはたしているというキンギョで塩水処理, Ⅹ線照射で黒色素胞の新生がみ.られることは前述し たが,松本(,66)は金魚を過酸化水素水で尾鰭を処 理すると,処理部に数日後に黒色素胞が新生される ことをみた.その原因について,ストレス状態にお かれた為にACTHの過多分泌か,色素源から色素 発現のプロ・セスでの酸化によるかは不明であるとい う。筆者も現在,ヒメダカで研究中であるが,この 分野は退伝子と酵素合成という生理遺伝学との関連

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硬骨魚の黒色素胞研究の現況 11 ction of atropin on melanophores in the

isolated scale of a crucian carp Bzol J 0たα財α竹もαぴれ宜肌,6:103−123

10.− (,60)TheIelation of nerves to pulsationsl)f melanophoresintheisolated sealei遜、16ruCian carp.Biol”J‖Okayama ひ托宜肌,6:19州・26.

11.l− (’61)Pulsations of the scale mel−

anophore in the crucian carpBiOl.J 0んα甘α仇α【/わ宜γリ 7:65−85.

12.Fujii,R(’61)I)emonstration of the adr・energic nature of transmission at the junction between melanophore−COnCentratT ingnerVe and melanophore inBony fish JダαC.Sc宜.乙7解せ肌rOん甘0∫Ⅴ。9:17トー196 13..藤井良三(’61)魚類の黒色素胞凝集神経末端 に.おける1アドレナリソ性伝達(予報)動雑.70;

230′・)234

14..Egami,N.,H‖Etoh,G。Tachi,KAoki and RArai(’62)Role of the pituitary

glandin melanization inthe skin of the g01d−fish,Carassius aurafus,induced by X−rayirradiation.hOC.Japan Acad38; 345−347.

15.,Watanabe,M.,I,Izumiand K。S。.Iwata (’62)The action of adrenaline on the mel−

anophore of oryzias,With specialrefer− ence to汁spigmentdispeISingaction,Biol J.0たαyα彿αぴれ乞肌,8い95¶・102

]6..Watanabe,M。,MKobayashiand K,S Iwata(’62)The action of certain autono−

mic drugS On the fish melanophoreBiot J0たα〃αケ花α 乙/れ宜肌,8:103−114 *17… 渡辺宗孝・小林≡千男(’62)自律神経剤処理 後のメダカ鱗黒色素胞に対するアドレナリソおよ びKClの作用.動学会中四国会報 第14号:2. *18… 岩田清二・福田博之・秋山光一・(’62)フナ鱗 の黒色素胞に対する電気刺激動学会中四国会報 第14号:2−・3 19.伊賀哲郎(’62)メダカ巨大黒色素胞のKイオ ソによる拡散動学会大会号第33回:10 20.片山乎三郎(’62)メダカ黒色索胞の凝集反応 に・およはすアトロピソおよび抗ヒスタミン剤の影 響.動学会大会号第33回:10. 21‖ 藤井良三(’62′)ニジマス胚の黒色素胞の発生 に・伴なう屠蘇蜂変化動雑71:187・ 22.江藤久美(’62’)魚類の黒色素胞の調節機構濫 対する放射線の影響Ⅱ動学会大会号第33回:10 23..動物生理学シンポジウム(’62)岡山大会「色 素胞の生理学」 *24.松井愛子(’63.)メダカ摘出鱗黒色索胞に.対す る1アドレナリソおよび凝集性イオ・ソの局所的作用 効果 動学会中四国会報。第15号‥1. *25.渡辺宗孝・森洋子(’63)NH4Cl処理後リン ゲル液中におけるフナ摘出燐黒色素胞顆粒の一・過 性拡散 動学会中四国会報 第15号:1. 26.山田耕司(,63)メダカ摘出鱗色素胞の凝集・ 拡散反応におよばすSH基阻害剤(PCMB)の影 響一 動学会大会号第34回:312. 27い 伊賀肇郎(’6二3)メダカ黒色索胞の交流刺激に 対する反応 動学会大会号第34回:312. 28.Etoh,H.・N.Egami(’63)Response to Na+,K+,Atropin and adIenaline of mel− anophoresinduced by X−irradiationint・he fin of the g01dfish,Carassius auratus, Aゥ甘%0£.gooヱ.JαpOケ乙。.,36:133−136. 29..江藤久美(,63)フナの黒色素胞およびその調 節神経の機能に対する放射線の影響勤雑.丁2:2 77−282 30.木下治雄・藤井良三・藤井佳子(’63)電子顕 微鏡に.よる色素胞活動の研究.動学会大会号.第 34回:313 31.谷本智昭(’64)電気刺激によるメダカ鱗の黒 色素胞反応香川県理科会誌 No.l *二32。.伊賀肇郎・福田佳子(’64)メダカのメラノ」− マ動学会中四国会報 第16号‥1 *33.渡辺宗孝(,64)魚類黒色素胞に対する凝集剤 の作用の比較 動学会中四国会報.第16号:1. 34一Watanabe,M and Y‖Mori(’64)Action

of ammonium chloride to the scale melan− ophore of crucian carp.BiolJ・Okayama

び九わ㍉10:65¶74

35−.伊賀肇郎(’64)寄生虫に関連して生じた黒色 素胞の反応性動学会大会号.第35回‥349

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44.内藤富夫・岩田清ニ(’65)トンコの特異な体 色変化に・ついで 動学会大会号… 第36回:350−− 351. 45.藤井良三・藤井佳子(’65)魚類黒色素胞の神 経支配機構 Ⅱ.凝集末端での伝達と2価イオ ン動学会大会号.第36回‥351. 46.松井愛子(’65)メダカ黒色素胞に.対するシン パトール,チラミニ/,ヒロポンおよびベンゼドリ ソの作用 動学会大会号“第36回‥351. 47り 伊賀哲郎(’65)メダカ色素月如こ対するモノア ミンオキ・=ンダ・−・ゼ阻害剤(一MAO一Ⅰ)の作風動学 会大会号 第36回:351小 48..菊地憐叫(’65)金魚の色素胞の消長とその組 織構造動学会大会乳第36回:375,. *49.土屋勝彦・岩田清ニ(’66)硬骨魚類の黒色素 胞に対する電気刺激の効果動学会爛会報 第柑号:3. 50り 伊賀哲郎(’66)魚煩黒色素胸の凝集反応に.お よぼすピロガロー・ルの影響.動学会中四国会報 第18号‥3巾 51.藤井良三・藤井佳子(’66)電子顕微鏡による 魚餅黒色素胞の神経支配の研究 ぶ財刑pOぎ一乞αCβ乙ヱ‖C′乙e例日16:87∼100. *52.竹内智郎(’66)メダカにおける遺伝子Bの TyIOSinase誘導に関する実験的証明.動学会四 国会報第柑号‥5. 53… 松本豊(’66)キンギョにおけるメラニン生成 実験啓林一 No.4 諮.松井愛子(’64’65)メダカ黒色素胞に対する エフェドリンの作用..広大生物学会誌 No32‥ 14−22 37..長浜博・山田耕司(’64)メダカ黒色素胞の少 数顆粒切断枝動学会大会号,第35回:350, 38.藤井佳子・藤井良三(’64)魚類黒色素胞の神 経支配機構 卜電子顕微鏡による研究動学会大 会号‖ 第35回:351 39.今井勝俊(’64)魚類脳下垂体内MCH(Meト anaphore ConcentratingHormone)について 動学会大会乳第35回:321−322. 40.Watanabe,M,TNaitoand K。Tsuchiya (’65)Reversalof action of electrolytes to t、he melanophore ofcrucian car・p‖ Biol”J

0たα財α刑α打れせガリ11:19−30.

41Iga,T‖(’65、)Studies on melanomas induced by trematode infectjon on the skin of fresh−Water teleosts

I…r三physiological properties of the mel− anoma cellsβ髄gJ“ぶゐ老僧α耽β ぴヶa宜γ,14:84

−91.

42.,−(’65)Studies on melanonas induced bytrematodeinfectionofthe skinoffresh−

water teleosts

ⅡハFormation of the dark spotBulL

βゐイ珊′α彿βこわもJi仇,15:89叫95

*43,.岩田清二・内藤富夫(’65)ヤリタナゴの鱗に おける黒色素腹凝集神経の分布 動学会中四国会 報 第17号=3

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