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「現在の大学教養過程における(憲法2単位を含む)法学教育について」

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(1)

「 現 在 の大 学教養課程 にお け る

`ま し め に 第 一 章 法 と社会規範 との関係

I

精神面か ら把握 した概念 正 技術実効面か ら把握 した概念 Ⅲ 有効性か らの把握 Ⅳ 立法者の予定 と存在 第 二 章 法に強制力をみ とめる根拠 (制裁など) 第 二 章 法の種類 ○成文法 と慣習法

O公

法 と私法 ○一般法 と特別法

O実

体法 と手続法 ○判

例 ○条

約 ○条

O法

の段階について 第 四 章 法のはた らき ○総

説 ○未遂 と既遂

O故

意 と過失

O予

備 と陰謀

O正

犯 と共犯 ○不作為犯 と作為犯

O刑

法における故意過失 と民法における故意過 失の比較 ○刑事責任 と民事責任の比較 ○民法について

O憲

法について 1. 概

aお

よび意義

2,天

皇について

(憲

2単

位 を含む

)法

学教育 につ いて」

次 PP。 18-‐19 輔 俊 和 田 目

PP. 19-20

PP. 19-20

PP。 20-22 PP。 22 24

PP.24 28

PP,28-51

PP. 55-59

P,7.5

P.56

P.5る

P.56

P.57

P.58

P.58

PP.59

PP。

40-50

PP, 40-41

P。 41

PP.4年

-42

PP.42-霜

PP。 45

PP.4る-44

P,44

PP, 44-46

PP.

-50

PP。

50-55

P.50

P.50

(2)

18田

和 俊 輔

5,

戦争の放棄について

4.

国会について

5.

内閣について る。司法について

7.

地方 自治について

P.51

P,5十

-52

P.52

PP. 52-54

PP. 54-55

に 大学教養部 における法学を講 義 して

,非

常 に意外 に思 った ことは

,学

生 が法 に対す る意識 に乏 し い とい うことで あ る。学生の法 に対 す る意識 と反応

,

もっと平 た くいえば受 け取 り方 とい って もよ いで あろ うが

,つ

ぎの よ うに大別 され る。 一 、法 は 自分達 に対立 す る国家権力 によって制定 され

,国

家権力によって

,一

方 的 に施行 されて い る。 二 、法 は

,善

良 な者 には無縁 な もので ある。但 し

,

この場合 の「 善良 」なる概念 もきわめて主 観 的

,独

善 的 な もので あ ることに注意 を要す る。 三 、訴 えて行 かなければ

,法

は発動 しないのだ (所 謂

,不

告不理 の原則

)に

近 か い考 え方 。 四 、悪 法で あれば守 らな くて もよい (自然法 的 ともいえ る考 え方)。 一 、 につ いては

,階

級 国家観 に類す るものが

,底

流 に あ り

,階

級 を な くす るための国家

,国

家 を 消滅 させ るための国家 とい う発 想 に立 つ よ うで あ り

,現

行 憲法の下 に生 きるもの と しては, 到底

,正

当視 で きぬ ところで あ る。 二 、につ いては

,潜

在 的 に法益保護 の対 象 にな って い る 自分 に気 づかぬ立場で あ り, 二 、は

,談

,妥

,寛

容 とい う

,古

い東洋的紛争処理観で あ り, 四 、は

,恣

意 によ る多数決原理 および

,議

会制 民主 主 義の否定 で あ り

,無

政府主 義 か

,独

裁主 義 に近 かい考え方 といえよ う。 見方 をかえれば

,一

,政

治 的 イデオ ロギ ーの相違

,四

,圧

力団体が与党 と反対 の立場 に立 っ た 時 の構成員 を指導す る論理で あって

,到

底 自然法上の抵抗権 といえ るものではない。

(3)

「現在の大学教養課程における(憲法2単位を合む

)法

学毅育について」

19

問題 は二

,の

法 的無 関心 と

,二

の法律的無知 についてで あ る。元来

,市

民社会の下 における市民 は

,国

家構成員 の一人で ある。 とい うことは

,そ

の法的地位 が

,対

国家

,市

民相互 の権利義務 の関 係 において

,基

本 的人権 が根底 にあ り

,

この担保機 関 と して の裁判所

,

さ らに

,国

,市

,行

政 機 関

,裁

判所 を包括 す る概念 と しての最高法規 た る憲法

,そ

の制定者 と しての国民 とい う地位 を考 えた とき

,決

して法 的に無関心で あってはな らないので ある。法 は

,

自 ら制定 した もので あ り

,そ

れを守 るのは

,国

民 の 自発 的意思で あ り

,義

務 で あ る。法を犯す者 は

,国

民 の名 において制裁 され (刑法

,罰

則 を ともな う行政法

,政

令 など

),あ

るいは

,効

力をみ とめ られ ない (民法

,商

法 な ど 一連 の私法

),

とい うことは

,民

主主 義の法理 か らして

,

きわめて当然 の ことで あるとい う観点 に 立 って

,学

生 を指導 して行 きたい と考え るもので あ る。 法 と 社 会 規 範 と の 関 係 講 学 のは じめに

,

この章 の標題 の概念を定義づけ

,お

おむねつ ぎのよ うな把握を させている。 (正

)精

神面 か ら把握 した概念。 一 、法は正義で ある。 二 、法は道徳 の最低限の表現である。 三

,法

はその規律す る社会 の習慣 の実現で ある場合が多 い。 四、法 はその規律 す る社会 の絶対 的 (あるいは相対 的

)多

数 の住民 の信ず る宗教 の倫理が表現 さ れ る場合 が多 い。 一 、については

,1628年

英 国の権利請願

(PetitiOn Of Rights)の

文章「 国王 は

,

ゎが国の法 律 と慣 習に したが って

,正

義が行 われ ることを欲 し

,

また国民 の臣民がその正 しい権利 と自由に反 して

,不

正 または圧制 を うけた と訴え る原 因 となるよ うな ことが全然 ないよ う

,法

律 が正 当に執 行 され ることを欲 す る。 国王 は

,

この臣民の正 しい権利 と自由の保持 については

,国

工 の大権の保持 について と同 じ くらいに

,義

務 を感ず るもので あ る」→ この請願 に対 し

, 6月

7日 付慣例方式 を も って

,「

裁 可 」「 希望 された とお りになさるべ し」イ を示 し

,

この請願が「 正 しきは

,正

しきが 故 に行 ゎ るべ し」 とい う英 国の法理を形成 し

,

さ らに

,「

国工 は

,不

正 (法 )は 行 なわない」―

The

King can not do wrong.―

とぃ う法概念を導 いた ことを説 明 し

,近

かい概念 と して

,聖

書 の「 汝 (補

1)終

戦迄の唯神道 と日本国民一般。なお旧憲法発布勅語,同告文,旧江戸時代における儒教 と武家社会

,武

家諸法度

,同

時代における仏教 と庶民の御定書 100ケ条 の関係

,回

教 とイスラム法→太陽アラーを絶対者, モハメ ッドをその具体的象徴

,絶

対主権者 とす る思想→ コー ラン第一章第一節 :「われ らの主なるモハメッ ド

,ア

ラーのほかに

,光

なく

,ア

ラーのほかに栄なし

,モ

ハメ ッドは神の使な り。」 ※ 高木八尺

,末

延二次

,宮

沢俊義編岩波文庫5741-5744人 権宣言集岩波書店P.62参 照 章 第

(4)

20田

和 俊 輔 盗 む なかれ

,殺

す なかれ

,姦

澄 す るなかれ」を引用 し

,状

況 に よ り

,大

石良雄以下 の処分 につ いて の徳川綱吉 と東叡山宮法親工 との対話1)か ら

,正

当概念 を結論 づ けるよ うにつ とめた。

(I)技

,実

効面か ら把握 した概念 ―

,規

範性

4.

違反者 に対 して

,制

裁 を加 え る。 た とえば

,刑

法犯 に対 しては

,刑

罰 (死 刑, 懲役

,禁

,罰

,拘

,科

)を

科す る。つ 行 政法違反 に対 しては

,行

政 罰 が科せ られ る。 もっとも

,

これ には三つの場合 があ って

,刑

9

す 条 に刑名のある3)刑 罰を科す る場合→行政刑罰 と

,行

政上 の秩序 罰 と称 して

,過

料 を科 す る場 合,

,

さ らに

,地

方 自治法上 の過 料 を科 す る場 合が あ る。 上 記 の行政法違反 と科罰の関係 については

,行

政法規 が一見

,倫

理 とは無 関係であ り

,単

に取締 り規定 のカ ラーが強 く

,第

一章(1】 一

,二

,(P4)と

の矛盾 を学生が感ず る場合が多 いので

,便

宣 上

,や

ヽ技術面 にはい り

,憲

法第二章第 11条 の基本的人権を第 12条 の公共 の福祉 に適合せ しめ

,そ

の制限に服せ しめ ることによって

,高

次元 の公共 の福祉が発生 し

,

その ことが

,ひ

いては25条 にい う文化 国家 につ なが る

,

とい う結論 に導 いてい る。 説 明:行政罰鶴の とは

,行

政法上 の義務 の違反 に対 して科せ られ る罰で

,過

去 の義務 の違反 に対 す る制裁で あるので

,将

来 にお け る義務 の履行 の強制 を 目的 とす るもので ない点で

,執

行 罰 と区別 され る。 ちなみに

,執

行罰 とは

,行

政上 の強制執行の一方法で あ って

,不

作為義務又 は他 人 の代 っ てす ることがで きない作為義務 の履行 を強制す るために科 す る罰で

,一

定 の期間 内に義務履行 のな い ときは一定の過料を科す る旨を予告 し

,履

行 のない場合に徴収す るもので あ り

,旧

憲法時代 の行 政執行法 は

,

これを一般 的な強制執行 の手段 と して認めていたが

,人

権上 の問題 (人権保 障が充分 で ない上

,濫

用 され る危llaが多 か った

)か

ら廃止 され

,現

在 は

,特

別 法 (砂 防法誌

)中

に存在す る だ けで ある。 また一般 の行政罰 と異 なるが制裁機能を もつ ものに懲戒鶴

3)が

ぁ る。 これは

,特

別 権 力 関係

,そ

1)初

等科国語

8 58買

∼64頁 対話 の部分 “ 頁 対話の内容 す ると,またこのことが法親王のお耳に入 った。 法親王は左右の者に

,「

あの話を

,将

軍か ら聞いた時ほど苦 しい ことはなか った。もとより

,将

軍の心はよく わか っていた。 自分 とても

,か

れ らを法衣の袖に くるんで助けたいのは山々であるが

,そ

れ はかえ ってかれ ら の心であるまい。散ればこそ

,花

は惜 しまれ るのだ。かれ らを りっばに国法に従わせ るのが

,仏

の大慈悲であ ると思 って,自分は

,わ

ざ と将軍 のなぞ も解かず

,そ

のまゝ退出したのである。」 と仰せ られた。

2)刑

法 9条

,刑

法1"条人 ヲ殺 シタル者ハ死刑又ハ無期若 クハニ年以上 ノ懲役二処ス

5)刑

法総則によらず

,非

訟事件手続法206∼ 208の2に よって科す る。

4)地

方 自治法45,228,244の2 (補

2)我

妻栄 (編集代表

)「

新版新法律学辞典」有斐閣

19' P.229

(補

5)前

出新法律学辞典

P.856

(5)

「現在の大学教養課程における(憲法 2単 位を合む

)法

学教育について」

21

の他公法上 の特別 の監督 関係 の紀律 を維持す るために

,そ

の関係 に属す る者 に対 して

,一

定 の制裁 を科す ること

,そ

の制裁を懲戒罰 といい

,刑

罰 とその 目的を異 にす るか ら

,両

者 を併 科 す るのを妨 げず

,別

個 に手続 を行な うことがで きる(国 家公務員法誘条)。 一般職 の国家公務員及 び地方公務員 には

,そ

の服務上 の義務違反 に対 して

,免

,

停職

,

減給

,

戒告 の懲戒処分 が あ る

(82,

地公 29)。 懲戒 は任命権者がその判 断によ リー定 の手続 を経て行 な うのを原則 とす る。ω ただ し

,裁

判 官

,

会計検 査官

,

国立大学教 官等 につ いて は

,

その身 分 を保障す るため懲戒裁判

,(5)検

査 官会 議

,(6)大

学管理機 関の審査等

(7)の

特別 の手続 が と られ る。 そのほ力、 特別職 の職 員 につ いて は 法規 の定 めが あ る場合 もあ る (自衛 隊法

46)が

,な

い場 合 にも

,原

則 と して任命権者 の任意 による 懲戒がみ とめ られ る。公共企業体 の職員 に も懲戒 の制度が ある (日本 国有鉄道法

51)(日

本電信電 話公社法

55)国

会及 び地方 議会 の議員 の懲戒 は懲 罰(a)と呼 ばれてい る。 なお

,特

別 の身分 関係 にあ るものの懲戒 と して

,教

師の学生

,生

,児

童 に対す る懲戒

,(9)親

権者 の子 に対 す る懲 戒(10),少 年 院長 の収 容者 に対 す る懲 戒等 。

1)が

あ る。 過料 について鮪

4):金

銭罰 と して の罰金 や科料 と異 な り

,秩

序罰

,執

行 罰

,懲

戒罰

,地

方公共 団 体 の条例又 は規 則で定 め る場合 に科せ られ るもので ある。すべて

,刑

で はな く

,刑

法総 則 の適用 は な く

,手

続上 も

,刑

事訴訟法の適用がない。一般手続規定 と しては

,非

訟事件手続 法 (206∼ 208の

2)に

よ ることとされ

,地

方公 共 団体 の条 例又 は規則 で定 め る過料 につ いて は

,非

訴 事件手続 法を 適用せず

,条

例又 は規則で定 め る手続 に従 い

,当

該地方公 共 団体 の長 が これを科す るもの と して い る。 秩序罰 と しての過料は

,法

律上 の秩序 を維持す るため

,法

令違反者 に対 し

,制

裁 と して科 され る もので あ り

,行

政罰 の一種 と して

,商

(48,22),戸

籍 法 (120∼

425),

独 占禁止法

,

銀行 法 (

55,56),民

事訴訟法 (269∼

277)等

,公

私 の各法 にゎた り広 く認め られてお り

,

地方 自治法 に も 一定限度 を限 り条例

,規

則 によ り過料 の規 定 を 設 けることがで きるもの と してい る (地方 自治法

15,228,244の

2)こ

とは

,前

述 の とお りで あ る。執行罰 と しての過料(補5)は

,前

述 の ごと く

,現

,砂

防法の規定 が これで あ る。 懲 戒罰の一種 と して過料 を科す る場合 もあ り

,

裁 判 官分 限法121 や

,公

証人法 (80②

)は

,そ

の例で ある。地方公共団体 の条例又 は規則 による過料 につ いては前述

4)国

84.89,昭

和27年人事院規則

12-0職

員の懲戒

,地

公6.

5)憲

78,裁

判所法49,裁判官分限法 る

)会

計検査院法6

7)教

育公務員特例法9

8)憲

58②

,国

会法121∼124,地 方 自治法154∼ 157

9)学

校教育法11,刑55 10)民法882,刑55 11)少年院法 8 (補

4)前

出新法律学辞典

P.151

(補

5)前

出新法律学辞典

P.151

(6)

俊 の とお りである。 なお執行罰につ いては

,前

述 の とお り

,一

般 的 な行 政上 の強制執行 の手段 と しての規定で あ った 行政執行法帥

)は

廃止 されて い るが

,

これの過料 は

,懲

戒 罰 と同様

,

それぞれの法律で独 自の手続 を定 め ることがで きる。 以上 は

,(執

行 罰の場合をのぞ き

),す

べて

,過

去 の義務違反 に対 す る制裁で あるが

,現

在 の よ うな複 雑 な行政組織 の 下に市民生活を送 っている以上

,行

政法上 の義務 の不履行 に対 し

,行

政権 の 主体 が

,将

来 に向かい実力を もって

,そ

の義務を履行 させ

,又

はその履行 があったと同様 の状 態を 実現 す るのを受忍せ ざるを得 ない。 これ も公共 の福祉 の概念 による私権 の控制 と解釈す るのが妥 当 で あ る。 ただ し

,職

権 の濫用 にな ってはな らないいはい う迄 もない。

12)警

察上 の強制執行や

,租

税 の強制懲収等 が これに送た り

,行

政上 の義務 の不履行 を前提 とせず

,直

接 に行 政上必要 な状 態を 実現 す る場合 の即時強制鮪

)と

区別 している。 これは警察官職務執行法

5条

の身体 の保護や

,性

病 予防法 41条 の強制検診

,警

職 法 る条 の立入 り

,消

防法29条

,50条

の土地物件 の使用

,処

,使

用 の 制限等 で ある。 (Ⅲ

)有

効性か らの把握 法 は

,そ

の効力 の及ぶ範囲が

,場

所 と人 と時 に よ って限定 されて い る。場所的限定 の基礎概 念 が

,主

権 で ある。主権 とは

,国

家 の最高権力 あ る。すなわち

,国

の最高 の意思国の政治 のあ り方 を最終的に決定 し,19)最高独立で あ り,14)統治権15)(国権

)を

行使 す る権力である。 主権 につ いての現在 の解釈 は

,ほ

ば上記 の三通 りで あるが

,脚

45)に

施 こ した よ うに

,戦

前 と戦 後で可 な りの概念 の相違があるので

,主

権 の意義 について

,や

や補足説 明を加え る。 期治憲法 は

,そ

1条

において

,「

大 日本帝国ハ万世一系 ノ天皇之 フ統 治ス」 さ らに同

4条

にお いて

,「

天 皇 ハ国 ノ元首 ニ シテ統 治権 ヲ総績 シ此 ノ憲法 ノ条規 工依 り之 フ行 フ」 と して

,明

瞭 に天 皇 が主 権者 で ある ことを規定 していたのに対 し

,現

行 の 日本国憲法 は

,「

天皇 は

,

日本国の象徴で あ り日本国民統合 の象徴で あ って

,

この地位 は

,主

権 の存す る 日本国民 の総意 に基 く」

(4条 )と

して

,国

民主権 を うた って いる。 ここに

,終

戦 を境 と して

,

日本国の国体 は変 ったのか

,鮪

8), らなか ったのか とい う問題 が生ず る。 これ

,い

ゎゆ る国体論争で あ って

,変

らない とす る者 は

,国

12)公務員職権濫用 (刑

195),特

別公務員職権濫用 (刑194)な お(国家賠償法 1) (補

6)前

出新法律学辞典P。

155,P,225,P.228

(補

7)前

出新法律学辞典

PP.755-75る

15)憲前文 4項 お よび 1条 にい う主権 14)〃 前文5項にい う主権 15)旧憲法第4条 :天 皇ハ国ノ元首ニンテ統治権 フ総捜 シ此 ノ憲法ノ条規二依 り之 ヲ行フの場合の意味であっ

,現

憲法では,41条 (国会

),65条

(内閣

),お

粂 (裁判所

)の

総合権力 と解すべ きであろう。

(7)

「 現在の大学教養課程における(憲法2単位を合む

)法

学教育について」 民 の中に天皇 は合 まれ る

,16)す

なゎち

,

ここにい う国民 とは

,相

対 的 な国民 を指す ので ある

,国

家 は

,株

式会社 同様

,法

人 と考え ることがで き

,そ

の国家が主権 を持 っのであるか ら

,国

体 は変 っ て いない→ (国家主権 論 の立場

)な

どと主 張 し

,

また形式的 には

,終

戦 の際

,旧

帝国憲法75条 の改 正規定によってなされ たので あるか ら

,(天

皇が帝国議会 の協賛 を以て立法権 を行 ゎれたのである か ら

,)国

体 は変 って いない とい う主張 が な されたので あ るが17), 変 った とす る者 は

,ポ

ッダム宣 言受諾 申入に対す る連合 国政府 の回答書 には

,

日本国政府 の最終 の形態18)は

,国

民 の 自由に表明す る意思 によ り決定せ らるべ きことを要求 してお り

,

この要求 は

,わ

が国に対 し

,絶

対 の拘束力を有 す るもので あ るが

,憲

法75条 の規 定が この要求 と両立 し得ず

,国

民 の 自由意息 によ って最終の政府 の形態を決定 す るとい うことは

,い

うまで もな く国民 が新憲法 の制定者 で あ る。 また

,新

憲法 自身

1条

において「 …主権 の存 す る 日本国民」 とうた っているか ら

,国

体 は変 った と反論 したよ うで あ る。形式論 は兎 に角

,実

体 的 には

,後

者 の説 が正 しい と思 われ る。 このよ うに

,国

民主 権 とい う概念 は

,多

,あ

い まいな点があ るが

,主

権 とは

,近

代 国家 の絶対 君主 制 の沿革 か ら見 て

,

内において最高19), 外 に対 して は独立 の国家権 力 で あ り

,そ

の権力を行使 す るものは誰か とい うことになる。その権 力を行使す る者 は

,法

す なゎち正義を行 な う者 であ り, 法主権論

,

ノモス主権論 と称 され

,行

使す る制度 に重 きをお くものを イギ リス主権論 とい う。 ここ に

,人

民主権

,プ

ロ レタ リアー ト主権20), これ らと対立す る概念 と して

,忍

主 主権 が考え られ るか ら

,国

民 の中に天 皇 を合 め る前述 の よ うな考え方 はで きない ことにな る。 ここで「 国民主権」の意義が一応明 らかになったわけで あるが

,更

に「 主権 」の意義を限定づけ るために

,従

来 の天 皇 の地位 が どうな ったかを確認 してお きたい。現 行 憲法 は

, 1条

によ り

,む

し ろ裏側か ら

,国

民 の主 権者 と しての地位を規定 した と考え られ

,天

皇 の地位 が

,前

述 のよ うに

,い

ろいろに解釈 され る場合があるよ うである。 しか し

,明

治憲法下 の天皇が

,神

の意思 によ り

21)主

権者 で あ ったのに対 し

,現

行 憲法 の下 のそれは

,国

民 の意思 に もとづ き,33)し か も象徴 とい う地位 を 占め る。制度的 に も

,

これが担保 されて

,20条

,政

務 の分離 が いわれ,8ワ 条で

,国

家神道 に対 す る財産支 出利用 を禁止 し

,旧

帝国憲法 の一 部を構成 した旧皇室典 範 を廃止 し

,法

律 と して の新皇 室典範を制定す ることに依 り哺0', さらに

,新

憲法

8条,88条

と皇室経済法

, 2条, 4条 , 6条

, 16)憲法制定議会答弁

′ 17)第90回帝国議会勅書 :帝 国憲法第75条によって

,帝

国憲法の改正案を帝国議会の議に付す る。(補

8)N

HK大

学講座法学 (1970年4月 ∼ 9月),11添利幸教授第14回人権の確保 (―

)P`能

が 照 48)ポツダム宣言第12号

,ポ

ツダム宣言受諾申入に対す る米国政府回答6項「 最終の政府の形態は国民の自由 に表明す る意思に依 り決定すべ きこと。」 19)前出注 (14) 20)この二者が既に同 じ平面ではない。 21)旧憲法発布勅語「…朕祖宗二承 クルノ大権二依 り…」「 国家統治ノ大権ハ朕 力之 ヲ祖宗二承ケテ…」 旧憲法告文 :「皇宗ノ神霊二詰ケ白サ ク皇朕 レ天壊無窮ノ宏譲二循 ジ惟神 ノ宝昨 フ承盤 シ…」旧憲5条: 「天皇ハ神聖ニシテ侵 スヘカラス」

22)新

憲 1条 :「天皇は

,象

徴であり

,主

権の存する国民の総意に基 く」 (補9)1970年4月 ∼ 9月

NHK大

学講座法学第14回人権 の確保lllP.89(,H添 利幸教授

)講

義参照

(8)

8-10条

,皇

室 が国民 の手 の届 く所 に位置 され

,天

皇 の地位 そのものが

,

内閣 の助言

,承

認を前提 と した国事行為担 当者23)とな った といえ るのであ り

,

その行為 も

,

責 任 は内閣 が持つ のであるか ら

,単

な る形式的儀礼行為 にす ぎない。 現在国民主権 といわれ るものには

,二

つ の側面 があ り

,一

、 は階級的考え方 の側面 であ り

,二

、 は

,国

民全体 が主権者 であるとい う考え方 である。 4791年 フランス憲法 はそ の第二編公権力 に, 「 主権 は国民 に属 す る」 と し

,第

2条

(12)に おいて「 すべての権力 は第

1条

(11)国

民 か らだ け発 す るが

,国

民 は委任 によって しか

,そ

れを行使す ることがで きない。」24)と定 めた。 す なゎち

,大

革命前 のア ンシヤ ン レジーム君主 に対 す る国民主権 であ り

,ル

ソー的 ラジカル な人民主権を排斥 す る。(補10)1000人 の市民がおれば

,各

々4/4000の 権利を もつのであ り

,代

表代理 は委任 がない限 り, 行使 で きない とい う考え方 は

,急

進 的国民主権論 と呼ばれ るものであるが

,第

二 階級 は急進的にす ぎ

,国

民 は市民 の全体 ではない とい った考え方 か ら生れたものである。 これに対 し

,

ドイツ的抽象 的 国民 国家観 は

,代

表制 に よる しか ない。 その代表制 は

,小

さなギ ル ドや都市 国家で発生 しただけ で な く

,国

民主権 とむすびついた代表制25)を発 達 させ てお り

,選

挙制 も財産 制 限や有産階級を仮定 して いない。 この点 で ドイツ的国民主権論 は

,対

君主 的であ りなが ら

,反

ラジカル

,反

5階

級代 表 的 であ るといえ る。 ただ し

,東

陣 営'6)では

,国

民代表を排斥 し

,労

働者人 民 が国政 の担 い手 とい う考 え方 で ある。 以上 の諸要素を綜合す ると

,西

欧民主主義的国民主権 の理念 は

,討

議 を よ り良 い27)ものに とい う ことにつ きるよ うであ り

,

この理念を貫 くための制度 と して

,選

挙権

,

被 選挙権 の払大強化28),第 二 院 の合 同化

,

その不足点を補 う措 置 と して 直 接 民 主政た る国民審査

,

憲法改正,29)議院解 散 (一種 の国民投票

)を

考 え るよ うで ある。 わが国 の主権概念 もほば これに近 い と考えて よいであろ う。 (Ⅳ

)

立 法者の予定 と存在 前 項 に法を有効 とす る前提条件 と して主権 の存在 と意義をあげたのであるが

,そ

の主権 の中の立 法作用 を何人 が

,い

かなる根拠 で行使す るか とい うことが

,法

の有効条件 と して考え られなければ な らない。古代 の貴族制 の氏族 国家 においては

,貴

族 が

,18世

紀末 の専制君主国家においては

,専

25)憲

5条 , 7条, 6条

24)C.ボ

ル ンハーク著山本浩三訳憲法の系譜

,法

律文化社1%5。

9,lP.196,1789年

,人

および市民の権利宣 言5条同旨「全主権の淵源は

,必

ず国民に存する。如何なる団体も

,如

何なる個人 も

,国

民 より出でない権 力を行使す ることはできない」 (人権思想研究叢書第四巻「 世界各国人権宣言集」人権思想研究会編巌松堂 書店S,29.9.5 P.99) 25)ワイマール憲法109条 2項 及び5項 ,125条

,ボ

ン憲法 1条,58条

9

(補10)前出

NHK大

学講座法学第14国人権の確保位

)P.90(,H添

利幸教授

)講

義参照

26)東

ドイッ憲法54条tl,回 27)ワ イマール憲法151条

、 28)ワイマール憲法125条

,ボ

ン憲法58条

29)ボ

ン憲法17条,ワイマール憲法126条

(9)

「 現在の大学教養課程における(憲法2単位を合む

)法

学教育について」 制君主が

,文

字 どお り法 そのもので あ った といえ よ う。

90)啓

家思 想 は

,国

家 の統 治体制 の基礎 を 定 め

,

自由主義 に立 脚す るもの と して の憲法を求 め る風潮を生み 出 した。 そのために

,単

一 の立 法 者 によ る恣意立 法 はみ とめ られ ない ことにな り

,憲

法 とい う枠をはめた上で の君主国 と

,共

和 国が 通常 の形 体 とな った といえ る。 しか も48世 紀後半 か ら19世 紀後半 にかけて発生 した産業革命 は

,18

世紀 の「 身分 か ら契約へ 」を「 契約 か ら関係へ 」 と変化 させ

,法

その ものの概念を変 えて しま った といえ るであろ う。例を イギ リスにとると

,1852年

,67年,84年

と選挙法

(Reform Act),1918

(Representation of the People Act)1923年

の改正 とい う形 で

,国

民 の広い層 に国政参加 の 機 会をひろげてい ってお り

,身

,財

産 に依 る差別を撤廃す ることによ り

,立

法権を庶民 の手 に移 して い った といえ る。 いわゆ るベ ンサム (」

eremy Bentham)の

最 大多数 の最大幸福 の法律

,政

治上 の実現 とい ってよいであろう。 憲法 は

,そ

れ が

,

自由主 義

,民

主主義

,の

要求 を み たす もの と して制定 され る場合

,上

の条件を み たす ことが必要であ り

,

国家 の根本法

(Grundgesetz),国

家 の最高法規

(VerfaSSung)な

どとい う考えは

,

こ こか ら出て くるのであ る。 それ故

,憲

法 は

,立

法権者

,立

法権 の範 囲を 明示 し

,主

権 の行使者

,国

民 の権利義務 (政治参加 の程 度

,範

),主

権 の内容 (立 法

,行

,司

法), それが総括 的か

,分

立 力、 相互 に優劣を設 けるか否か な どを規定 しているのが普通で ある。 た とえ ば

,バ

ー ジエア権 別宣言 (1776年

)は,「

すべて権力は人民 に存 し

,

したが って人民 に由来す るも のである。行政官は人民 の受託者 であ り

,か

つ公 僕で あって

,常

に人民 に対 して責任を負 うもので あ る」 と し

,ボ

ン憲法 (1949年 )〔 ドイツ連邦 共和 国基本法〕→

Grundgesetz fur die Bundesr

epublik Deutschlandは

,「

人 間 の尊厳 は不可侵 であ り

,

これを尊重 し

,か

つ保護す ることは , すべて の国家権力 の義務 である」

,「

ドイツ国民 は

,そ

れゆえに世界 における各人間共 同社会 の平 和 お よび正 義 の基礎 と して

,不

可侵 の

,か

つ譲渡 し得 ない人権を もとめ る」

,「

以下 の基本権 は直 接 に適用 され る法 と して

,立

,行

(Verwaltung)お

ょび裁判を拘束す る。」 フランスにおい て は,1852。

1.44憲

法が

,「

皇帝 のみが法律発議権を もち

,法

律及 び元老院会を裁可 し

,裁

判 も 皇帝 の名 において行 われ る」 とあったのを, 1ワ

46.40.27憲

法 において改め

,前

文 で「 人類 を隷 従 と堕 落 に陥れ よ うと企 図 した体制 に対 して 自由人 がかちえた勝利 の翌 日において

,

フランス人民 は

,

ここに改めて

,お

よそ人間は

,人

,宗

,信

仰 の如伺を問 わず

,譲

渡す る ことので きない神 聖 な権別 を有す ることを宣言す る。 フランス人民 は

,1789年

の権別宣言つ

1)の

確立 した人 間及 び市 民 の権利 と自由並 びに共和国の諸法律 の認 め る基本原則を厳粛 に再確認す る「 これに革命 当時

,強

い影響を与えた ロ ック

(JOhn Locke)も

,市

民 政治二論 において

,

自然状 態を

,

自由

,平

,独

50)ルイ14世「朕ハ国家 ナ リ」

51)1.人

間の権利は天賦である

2.国

家 または法律に よって与え られたものではな く

,神

聖不可侵である。→1。

2.に

ついては

,「

人間 の権利の無知

,忘

却または軽視が政府 の腐敗 と公衆の不幸の唯一 の原因」であるとす る権利宣言には, 民約論との結びつきがみ られ る)

(10)

輔 俊 和 立 の状態 と規定 し

,専

制権力をつFし

,社

会契約を もって成立 した国家 の権力を制限的なものと し, 最高権 は

,人

民 にあ り

,政

府 はその受託者 にとどまることを主張 し

,鮪

11)ア メ リカ

,

フランス両革 命 の思想的根拠 をあたえたのである。 専制君主 国であ りなが ら,啓家的 といわれた フ リー ドリッヒ大工 の1848年12月5日プ ロシヤ国憲法 (欽定憲法

)が ,や

は り

,人

権 と法 治主 義の原則をかかげ

,「

神 の恩寵 によ り

,プ

ロシヤの国王 た る朕 フ リー ドリツ ヒ,ブ イルヘルムは,つぎの ことを告知す る。すべてのプ ロシア人 は

,法

律 の前 に 平等である。」「 人 身 の自由は

,保

証 され る。拘禁がゆ るされ る要件 と方 式 は

,本

年 9月24日 の人 身 の 自由の保護 に関す る法律 によ って定め られ る」 と し

,ゎ

が旧憲法に非 常に近 い概念を読み とる ことがで きるのである。すなわ ち

,旧

憲法 は

,そ

の19条 において「 日本臣民ハ法律命令 ノ定ムル所 ノ資格 二応 ジ均 ク文武官二任 セ ラレ及其 ノ他 ノ公務 二就 クコ トヲ得」また25条 において

,「

日本臣 民 ハ法律 工依 ルニ非 ス ンテ逮捕

,監

,審

,処

罰 ヲ受 クル コ トナ シ」 と して お り

,要

す るに

,憲

,法

律 があ るか ら

,専

断的 に主 権者

,や

執行権者 が行使 して,国民 の権 利を侵害す ることはない, しか し

,一

般 国民 は本来

,主

権を行使 され る側 で あ って

,行

使 す るもので はない

,32)国

民 の権利 は臣民 の権利 なのだか ら当然 の権利で1すな く

,国

王 か ら与え られ た ものなのだ

,従

って

,法

律 とい う枠 内において の ものであるか ら

,法

律を変え さえすれ ば剣奪で きるとい うことになるのである, 要 す るに法律 のわ く内の権利であ るか ら

,

ロツクや ア メ リカ

,

フランス両革命 の 自然法的な天賦 人 権思想

,法

以前 の法 とい う概念 とは

,よ

ほ ど遠 い ものであ った。古 く

,

イギ リスの

4215 6 15の

マ グナカル タ

(Magna carta)ゃ

,

ビルオブ ライツ (Bユ11 0f Rights)な ども,前者 が専 断的 な逮 捕 拘禁 にかんす る国王大権 の濫用 の制限 と

,正

当な裁判 手続 の保 障

,課

税権の制限を骨子 と してお り

,後

者 が

,名

誉革命 の結果 と して

,1689年

に制定 され た イギ リスの法律 であ ったが「 国工が議会 の同意をえないで

,法

律 の効力 を停止 し

,そ

の適用 の免除

,常

備軍 の設置

,租

税を賦 課す ることの 禁止 (租税承諾権

),ま

た は

,そ

れを違法 と し

,

さ らに国民 の請願権や議会 における言論 の 自由を 保 障 し (議員

),ま

た過度 の保釈金や罰金を科 した り

,残

虐 で異 常な刑罰を科 した りす ることを禁 止 す る」 とい う趣 旨の もので あったか ら

,や

は り

,旧

プ ロ シヤ憲法や 日本憲法 と類似 した イデオ ロ ーグ とい うことになるで あろ う。 注意 すべ きは

,前

述 のよ うに

,君

主対臣民 とい う関係で主権者

,立

法権者

,行

政権者 が争われ る のは

,歴

史的 にやむを得 なか った と して も

,同

一 の平面 にひ きおろされた主権が

,同

一平面 内で, さ らに争 われ るとい うことである。すなゎち

,西

ヨー ロ ッパ型民主主義の指導的存在たる合衆 国憲 法 は

,「

われ ら合衆 国人民 は

,一

層完全 な連邦を形成 し

,正

義を確 立 し

,国

内の安寧を保 障 し

,共

同防衛 に備 え

,一

般 の福祉を増進 し

,わ

れ らとゎれ らの子孫 のために 自由の恵沢を確保す る目的を もって ア メ リカ合衆 国のために

,

この憲法を制定す る」 と前文 で述べた上で

,「

この憲法 によ って (補11)政治学事典平凡社昭和26年 5月18日

P,1408

52)「凡 ソ官吏ハ天皇陛下及天皇陛下ノ政府二対 シ忠順勤勉 フ主 トシ」 (旧官吏服務紀律)

(11)

「現在の大学教養課程における(憲法2単位を合む

)法

学教育について」

27

付与 された一 切 の立法権 は

,合

衆 国連邦議会 に属す る33)」 とのべて い るのに対 し

,

ソビエ ト社会主 義共和 国同盟憲法 は

,「

ソビエ ト社会主義共和国同盟 は

,労

働者 および

,農

民 の社会主義国家であ る」34)「 ソ同盟の政治的基礎 は

,地

主 お よ ど資本家 の権力を打 ち倒 し

,プ

ロ レタ リアー ト独裁を聞 い取 った結果成長 し強国にな つた勤労者代議員 ソビエ トで ある35)「ソ同盟 のすべての権力権力は, 勤労者 代議員 ソビエ トによ り代表 され る都市 および農村 の勤労者 に属す る」

a6)と

,

さ らに

,ソ

ビ エ ト国家法によれば

,「

新 しい ソ ビエ ト国家 は

,搾

取者 の抵抗 を抑圧す るた め の

,搾

取 を廃止 す る ための

,そ

して搾取者 の階級支配を廃絶す るための

,さ

らに また階級な るものの完全 な清掃 と共産 主義へ の移行 の 目的 のため に

,プ

ロ レタ リアー トによる階級支配 と他 の勤労人民 に対 す るその指導 を強化す るための機 関にほかな らない※ 」 と し

,エ

ンゲル スの「 国家 は永遠の昔 か らあるものでは ない

,国

家が な くて もよい社会

,国

家 と国家権力を予想す ら しなか った社会が

,存

在 した はず

,階

級 の発生 が不可避的で あ った と同様 に

,そ

の消滅 も不可避で

,階

級 とと もに

,国

家 は不可避 的 に消 滅す る」 とい う考え方

,具

体 的 には

,古

い国家装置一軍隊 と官僚制―が

,そ

のプ ロ レタ リア的反姑 物 に よ って代位 され た とき

,

ロ シヤにおける帝政のあとを うけついだブル ジ ョア民主主義国家形態 の廃虚 の上 に

,

ソビエ ト国家 は出現 した とい う見方 に基 いてい るよ うで ある。結論的に

,西

欧的民 主制 の下 にお ける主権 と

,そ

の立法行使 の概念 が

,国

家 の中の個人 を中心 と しなが ら契約 を基礎 に した考え方 であるのに対 し

,東

欧 のそれ は

,国

家を中心 と しなが ら

,や

がて

,そ

の国家 の消滅を 目 的 とす るとい う

,全

く相反 す る法概念 で あ ることに着 目 しな けれ ばな らない。 以上 で

,法

の有効性 とその根拠を主権 と立法者 の関係か ら述 べたので

,わ

が国の現行法 の規定を 見て お くことにす る。 刑 法典 によれば

,第

一条①項 に

,「

本法 ハ何人 ヲ間ハス 日本国 内二於 テ罪 ヲ犯 シタル者 二之 ヲ適 用 ス37)」 とぁるか ら

,主

権属地主義をあ らゎ してい る。 しか し

5条

,「

日本国外 二於 テ

,(日

本 国民が

,

日本人 と しての道徳基準 に従 って行動す るよ う要請す るのが相 当で あ ると認 め られ る罪) →現住建造物 と放火

,非

現住建造1/m等放火

,激

発物破裂

,お

よび此等 の未遂

,建

造物浸害

,私

文書 偽造

,虚

偽記載行使

,私

印偽造及 び

,

偽造 私 印不正使用 の未遂

,

強制猥褻

,

強姦

,

準 強制猥褻 強 姦

,強

盗 致死傷害

,重

,殺

,尊

属殺及 び其未遂

,傷

,傷

害 致死

,業

務 上堕胎

,不

同意堕胎, 55)合衆国憲法 1条 1節 (エ ドワー ド.S.コ ーウィン京都大学憲法研究会編村上義弘

,畑

博行

,中

山健男

,宮

田豊共訳アメ リカ合衆国憲法

,有

信堂昭57.る。

10 PP,7-9)

54)ソビエ ト社会主義共和国同盟憲法 1条, 55)同2条

,0

5る

)同

5条 回 (白井正他 :教養憲法学

,法

律文化社

1965.9.15P,201)

※ 」.タ ウスターソ同盟における政治権力

1-1917-lИ

7前芝確三,川口是訳岩波現代叢書岩波書店1955。 5.る P.10 57)第②項において

,「

日本国外二在ル 日本船舶又ハ 日本航空機内二於テ罪 ヲ犯 シタル者二付キ亦同シ」とあ るか ら,日 本籍にある船舶や航空機は, 日本国内と看徹されていることに注意を要す る。

(12)

輔 田 同致死

,加

重 的遺棄

,同

条 の罪を犯 し

,因

て人を死傷 に致 したる罪

,逮

捕監禁

,逮

捕監禁 致死傷, 略取誘拐

,名

誉毀損

,窃

,強

,事

後 強盗

,

昏酔 強盗

,

強盗 致死傷

,

強盗 強姦以上 の未 遂

,

詐 欺

,背

,恐

IIB及び その未遂

,業

務上横領

,雌

物故買,これ らは

,主

権 の属人主 義 と考 え られ,さら に

,

日本国の公務員 にか ぎり

4条

ノ 日本 国外 において

,(被

拘禁者

)を

逃走 させ る罪

,虚

偽公文書 の作成

,職

権濫用

,看

守護送者 の暴行 陵虐

,収

,看

守護送者 の暴行 陵虐 の罪 を犯 し因て人を死 傷 に致 した罪を犯 した場合 やは り

,属

人主義が適用 され る。 また

,何

人 を問 はず

,(内

外人 を問 はな い とい う意 味

),

日本国外に於 て

,内

,外

,通

貨偽造行使

,同

未遂

,証

書偽造行 使

,公

文 書偽 造

,公

正証書不実記載

,偽

造公文書行使

,有

価証券偽造

,偽

造有価証券行使

,御

雨公 印公 記号偽 造 と御璽不正使用

,公

印不正使 用

,公

記号不正使用 の未遂を犯 した場合処罰 され るの は

,そ

の法益が 自国 の利益保護 に関係す るか らで あ って

,保

護主 義 と呼ばれている。 これ も国家主権 の保護 と解す れ ば よいで あろ う。 民 法

4条

ノ三 が「 私権 の享有 ハ出生 二始 マル」同二条 が「 外国人ハ法令又ハ条約 二禁止 アル場合 フ除 ク外私権 ヲ享有 ス」 としていることは

,

日本国において 出生 し

,(国

籍法 に よ って

,

日本国籍 を取得 しない者 を除 き

)ま

たは

,

日本国 内に居住 す る者 には

,法

,条

約 の例外がないか ぎ り日本 民 法 が適用 され ることを示 してお り

,商

法 は

, 1条

に「 商事 二関 シ本法 二規定 ナキモノエ付 テハ商 慣 習法 ヲ適用 シ商慣習法 ナキ トキハ民法 ヲ適用 ス」 と し

5条

で「 当事者 ノー方 ノ為 二商行為 タル行 為 二付 テハ本法 ヲ適用 ス」 と してい るところか ら

,ゎ

が国において商行為を行 な う者 に適 用す るこ とにな り

,刑

法民法 の場合 と同 じ結果 にな る。 法 に 強 制 力 を み とめ る根 拠 (制裁 な ど) このことについては

,国

家権力によるものであるか らというのが通説のようである。国家の振高 権力 とは

,主

権のことを意味 し

,主

権概念 について

,時

代 とEEl家によってかな りの相違のあること は

,前

章において述べたか ら

,

ここでは くり返 さない。ただ し

,国

家権力と被行使者である国民の 権利 との関係は

,国

家権力の行使者たる工に対 し

,制

御を加えるマグナカルタ

,権

利請願

,権

利章 典

,玉

位継承法などのようなイギ リスだけの人権 と

,

自然法思想に立脚 したロツクの天賦不可譲人 権論

,バ

ージエァ権利章典ll, フランスの人権宜言および市民の権利宜言 (第一条

),の

ような「 人は生れなが らに して自由平等であり

,そ

れは

,国

家以前の権利である」 といった考え方

,

さらに 1箭 2年フランス第二帝制憲法※イや

,プ

ロシヤ憲法

,旧

日本国憲法の枠内での 自由

,

さらに第二次 ※イ 1852年1月14日フランス憲法大統領は

,「

人民はルイ

,ナ

ポ レオ ン

,ポ

ナパル トの 権 威:の維持を希望 し,42月 2日 宣言の原理に基き憲法を制定す る為に必要な権力を彼に賦与す る」決議に関し

,フ

ランス人民 がその意思を表明する為に召集されたことを考慮 し

,

∼ (野村敬造:フランス憲法, 行政法概論, 有信堂 P.るlo) 章 第

(13)

「現在の大学教養課程における(憲法2単位を合む

)法

学教育について」 大戦直後 の (1946年10月27日

)フ

ランス憲法 の フランス革命精神 の再確認※

J,

ドイツ連 邦 共和 国 基本法の「 人 間尊厳不可侵 と

,そ

の尊重

,保

護 の国家義務 」 とい う変遷 をた どったのではあ るが, 今 後 に課せ られ た問題 は

,前

に一 連 の行政罰でのべ た よ うに

,公

共 の福祉 とい う土俵で

,国

家権力 と

,人

権 を どこ迄調和 させ るか とい うことに尽 きるで あろ う。 何故 なれ ば

,人

権 を個人 の 自由に重点をおいて考えれ ば

,当

然個人優先 で あ り

,社

会 の発 展 に重 点を おいてみれ ば

,国

家優先 で あ り

,そ

の質 も

,前

者 で は

,抽

象的 (プ ログ ラム的

),後

者 で は具 体 的

,人

権 の保 障 も前者 は

,労

働権や

,最

低生活 の保 障が

,裁

判 (三権分立 の関係で

,裁

判所 が裁 判結果を他 の立法

,行

政 に対 し

,上

位 の立場 か ら強制 はで きない

)→

憲法違反 だ と して も

,そ

の法 の改廃を命 ず ることはで きない

,具

体 的 な事件 の判決理 由書 の中で

,見

解 を示すに過 ぎない 一→ 個 別 的効力説

)で

充分 で ない。 これ に対 し

,後

者 の社会発展重視 の立場 で は

,行

,立

法 を合めて の 国家保 障 とい う形 にな る (イギ リスの場合

,あ

る意 味で

,社

会保 障制 は これに近 いといえ る)。 つ ぎに国家権力 の行使 を違法 と 適:法

,

正 当と不 当 とい う風 に 分 類 してみ ると

,

私 的紛 争 の 復 仇38)ゃ 避難39),内 乱40),暴 力革命41),犯 罪は

,す

べて違法で あ り

,法

の定立

,法

の 執 行

,法

の宣 言

,外

交 交渉

,批

,宣

,ゼ

ネス ト

,戦

,中

,デ

マ等 は

,法

の枠 内を こえなければ

,適

法 に な る。 しか し

,当

,不

当 とい う分類をす るな らば

,復

,避

,

宣伝

,

批 評

,

外交交渉

,

法 の宣 言

,法

の執行

,法

の定立 は

,正

当で あ り

,ゼ

ネス ト

,戦

,中

,デ

,内

,暴

力革命

,犯

罪等 は

,不

当で あ る。 してみ ると

,内

,暴

力革命や

,犯

罪一般 は

,法

治 国の一般社会人 は

,違

,不

当な もの と して 排斥

,非

難 す るところで あ るが

,ゼ

ネス ト

,戦

,中

,デ

マの類 は

,不

当で はあるが適法

,復

仇 や避難 は

,違

法で はあって も

,正

当な場合 も主観 的には

,あ

り得 ることにな って

,

ここに

,「

は じ め に」の一 、四にかかげた問題 が発生す るので ある。 こ こに

,権

力 は

,適

法 で あると同時 に

,客

観 的 な正 当性 を要求 され るのが現代である と い え る が

,歴

史 的 には

,

メシア思想 にみ られ るカ リスマ

m12)的

正義が

,永

く支配 してお り

,

周代 の天子 を全知全能有徳な るもの と し(易姓思想

),モ

ハ メツ ドを ア ラーの使者 とし

,ル

イ14世 をボーダ ン が玉権神授説で正 当づ けた こと

,旧

プ ロシヤ国憲法前文 の「 神 の恩寵によ り

,プ

ロシヤ国王 た る朕 ※ 口 ∼フランス人民は,1789年 の権利宣言の確立 した人間及び市民の権利 と自由並びに共和国の諸法律の認 める基本原則を

,厳

粛に再確認す る(前出:フランス憲法

,行

政法概論 P.652) 乙

8)国

際法上の自助のうちの自力救済であって

,他

国の国際不正行為に対 し

,実

力をもってその中止や救済を 水めることであ り,自助である。 自助は

,国

際平和機構において禁止 している。また刑事法では自救 行為を いい

,判

例は一切 これを違法 としている。 59)刑法57条 40)刑法77条により

,内

乱罪 として処罰される。 41)77条「政府 ヲ…顧覆 シ…其他朝憲 ヲ系乱スル コ トフロ的 トンテ暴動 フ為 シボル者」で処罰され る。なお, 破壊活動防止法58条 (補

12)NHK大

学講座政治学 (1970,4月∼ 9月

)第

3回 飯坂良明教授第5章政治権力第2節権力の正当性 P,55参 照

(14)

輔 俊 和 フ リー ドリッヒウイルヘルムは∼」 と述べていること

,

さ らに

,旧

帝 国憲法告文「 惟神 ノ宝杵 ヲ承 継 し」 と し

,天

皇 の神性 を うた っていた ことは

,す

べて この類 で ある。 これに対 し

,伝

統 的

,慣

召 的 に

,あ

るものを タブー

,た

た り

,

と して うや ま う原始宗教 的な権力正 当化 も行 なわれて きた。 このよ うな ことは

,す

べて

,国

家権力の背景を もってすれば

,行

使 が容易であ り

,国

家 のや るこ とは

,正

義で あ るとい うよ うな発 想 に もとづ くので あるが

,す

で に述べて きたよ うに

,現

代 の国家 権力 の正 当性 は

,文

字 どお り

,国

民 の国民 に依 る国民 のための政治であることが人類不変 の真理 と され

,国

家 の権力 は

,国

民 に発 す るか らこそ正 当で あ るとい う結 論になるので ある。但 し

,

これに は

,「

多数決 の原理 をみ とめた上で の」 とい う条件 がつ くことは勿論である。憲法 の条文 とみ るな らば

,48条

の奴隷的拘束 および苦役 か らの 自由とか

,19条

の思想及 び良心 の 自由 とか24条 の集会, 結社

,表

現 の 自由

,通

信 の秘密保護 とか

,25条

の生存権 の保 障 (す べて国民 は

,健

康 で文 化的 な最 低 限度 の生活を営む権利を有す る。 国はすべての生活部面 につ いて

,社

会福祉

,社

会保 障お よび, 公衆衛生 の向上 および増進 に努 めなければな らない

,と

か28条の勤労者 の団結権 (地公法57条

)な

どのよ うな規定 は

,

このよ うに

,国

家構成員 たる国民 の一人一人 に

,で

きるか ぎ り精神

,経

,社

会面 の 自由を与え

,人

格面 において等 価値 の統合意見 に依 るものな るが故 に

,そ

の行使 は

,正

当 と いえ るのである。 つ ぎに

,行

使を受 ける側 か らの正 当観 についていえば

,現

在各 国 の憲法 は

,か

って の 自由保 障か ら

,社

会保 障 にウエ イ トがかか って きて い るといわれ

,ゎ

が国の憲法 も25条 で

,「

すべて国民 は, 健康 で文化的な最低限度 の生活を営む権利を有 し」

,26条

で教育を受 ける権利を

,27条

で勤労 の権 利 義務が

,28条

,勤

労者 の団結権がみ とめ られて

,要

す るに

,客

観 的 に等価値 の統合意見を 出 し うる状態に

,国

民 を 向上発 展 させ る義務を国家が負 わ されてい ると解釈 で き

,(憲

法 の社会化

),

このよ うな状 態に高 め られた国民は

,道

然 に法 の下 に平等 であ り

,人

,信

,性

,社

会的身分 又 は門地 などに依 て差別 され ることはないのである (14条 )。 こうい った政治 的

,経

済 的

,社

会 的 関係 において平等 な ことを三面平等 といい

,

自由権 と異 な り

,裁

判所 と三 権 との関係 (前述判決 の 個別効力

)も

あ って

,国

家 の保 障 が充分 でないとい うきらいがある。結核療養 につ いて国家補助を 求 めた朝 日訴訟や

,公

害 補償を求 めた水俣病訴訟 は

,

この適例 であるといえ るであろ う。 このよ う に

,裁

判所 による保障は充分 でない と して も

,少

くとも

,上

の三権か らみて

,妥

当なか ぎ り

,国

家 権力 は妥 当に行使 された と考えて よいではなかろ うか。すなわ ち

,権

力の行使を うける側か ら

,正

当にチエ ックされた といい うるのである。 ここで

,注

意を要す るのは

,

ここにい う平等 とは

,決

して

,悪

平等 を意 味 しない とい うことであ って

,合

理 的な差別鮪19)と ま認 め られ るとい うことであ る。 す なゎ ち

,公

職選挙法 に違反 して

,禁

錮以上 の刑 に処せ られた ものは

,立

候補を制限 され

,(公

選法

252),

懲戒免職 の処分を受 け

,

当該 (補15)前出

NHK大

学講座法学第16回人権の体系12)P.71参照

(15)

「現在の大学教養課程における(憲法 2単 位を合む

)法

学教育をついて」 処分 の 日か ら二年間 は

,国

家公務員 になれない (国公法

58),交

通 機関従事者 の過 失を特 に注意義 務違反 の故を以て重 く罰す る (刑129②

),尊

属殺 に対 し

,重

きに従 って処 断す る (刑

200)41),等

の制約がみ とめ られ るのは当然であろ う。 ただ し

,従

,特

に旧法時代 の倫理感では

,合

理 的差 別 とみ られなが ら

,戦

,さ

らに最近不合理差別 とみ られ るにいた った ものが少 くない。 旧法時代 の 民法 の妻 の無能力規定が削除せ られ

,

旧法時代 の姦通罪 (刑485削 除

)が

妻 の姦通 のみを罰 して い たのを廃止 し

,女

子労働者 の結婚退職を憲法 の婚姻 の 自由を侵す もの と して無効42)とせ られ (昭 41

2最

高裁判例

),

女子 の50才 停年 が

,や

は り

,性

別 によ る差別 と して無効 とせ られた (昭

42最

高 裁

)等

が その例である。 以上述べて きた ことは

,現

行法 は

,す

べて

,憲

法 の指導原理 である ところの基本 的人 権をふ まえ て構成 され

,解

釈 されな ければな らず

,(憲

41),そ

の行使は

,公

共 の福祉 に適合 す るよ うにな さ れなければな らない (憲

45,22,29)(民

l①

)そ

して

,公

共 の福祉 に適 合 す るよ うな権利主 張 は

,立

,行

政両機関共 にこれを尊重 しなければな らず

,そ

れを具体 的 に確保す るのが司法機 関で あ る (憲

52,81)(な

,破

防法

2,軽

犯 罪法

4),そ

して

,刑

法 はこ主 と して

,社

会秩序維 持 の ために

,反

社会的行為に制裁を加 え ることを 目的 と し

,民

法 は

,私

人相互社会 における安全 と保護 を 目的 と し

,

この二本の柱 の間隙を うめ るもの と して

,民

法 に対 す る特別法 と して の商法 (商人 た るの資格 にも とづ く社会生活 の迅速性 に対応す るために

),国

家 と個人 の公 関係 の紐帯 と して の一 連 の行政法規が存在 し

,

これ ら四本 の柱 の上 に位す る最高法規が憲法で ある (憲98① )。 すなわち 憲法を その制定過程 か らみれば

,君

主 の制定 した ものを欽定憲法

,国

民 の制定 した ものを民 定憲法 といい

,わ

が国 の現行 のそれは

,終

戦 を機 に した ものであ るが

,明

らか に民 定憲法であ る。

43)す

なわち天皇 に代 って

,新

らしく

,

日本 国 の主権者 にな った国民 が(憲 法前文

,同

1条

後段

),そ

の代 表者 を もって

,立

法機関を構成 (憲45①

,15①

)す

る関係上

,国

会 は

,他

の二権 であるところの行 政

,司

法 よ り相対的 に優位 にあると理解 され る。44条 の「 国憲の最高機 関」 とい う語 句 に こだゎ り す ぎて

,明

治憲法 の天皇(旧 憲4。

4)の

よ うに

,三

権 すべて の上 に立 って統治 した り

,統

治権 を総墳 41)こ れについては

,昭

和25年10月25日飯塚地裁に係属 し

,最

高裁に持ち込 まれた判決があり

,個

人本位に考 えれば

,尊

属卑属の間に人格の差等なしとい う見解 と

,尊

属を敬まうは

,淳

風美俗の道徳であるか ら

,許

さ ない とい う見解があり

,後

者が勝を占めた。 42)直接には,このようなことは

,民

法90条「 公ノ秩序又ハ菩良ノ風俗二反スル事項 フロ的 トスル法律行為ハ 無放 トス」法例 2条「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗二反セサル慣習ハ法令ノ規定二依 リテ認メボルモノ及 ヒ法令 二規定ナキ事項二関スルモノニ限 り法律 卜同一ノ効カ フ有ス」違反とされた。 45)この点につき

,新

憲法公布文が帝国憲法75条による改正 とい っている点に着 目して

,異

説を唱えるものも あるが

,形

式論にす ざない。 この点につき

,美

濃部達吉著 宮沢俊義増補 :新 憲法概論

,有

斐閣 〔普及版〕昭和2藍碑月

20+版

PP.9-10参照 め と ま

(16)

輔 田 した りす るものでないのはい うまでもない。行政権 は

,

この国会 の制定 した法律 (憲59条

)を

実行 段階 に移す作用を い となみ (憲65条

),内

閣が

,国

会 に対 す る (実 質的には国民

)責

任 において, その任 にあた る。 (66条 ③

)し

か も

,内

閣 の メ ンバ ーの過 半数 は

,国

会議員 の中か ら選 ば れなけれ ばな らないか ら

,人

事面 において

,閣

僚 は

,同

時 に立法部 の メンバ ー と同一人 で あるとい うことに な る。 ゎが国の憲政が

,

中央 において は

,

議 院 内閣制

(Parliamentalism)と

ぃゎれ るのは この ため である。 この ことは国家権力のにない手 が単 一 で あ ること をやめて

,

少 くとも二者 に分立

(SeparatiOn Of powers)の

状 態 に して お くことが基本権確保 に通 ず るとす る

MOntesquё

以来 の

check and balanceの

理 想には遠 いようで もあるが

,J,Lockё

に指導 され

,英

国 の名誉革命 に結実 した

Parliamenfalismの

例 に倣 うものであ り

,前

述 の国民主権

,国

民代表

=国

会 のル ール を とる以上

,政

治的基本権 の直接担保 と して

,議

院 内閣制は

,す

ぐれた法制 であるといえ るである う。 以下 この法制の下 に成立す る行政機 関 と司法機 関につ いて碁述 してお く。 行 政機 関について :憲法 によれば

,行

政権 は

,内

閣 に属す るとされ (65条

),一

,立

,行

政 は

,三

権分立 の原則が打 ちたて られて いるよ うに見え るが

,実

情 はそ うでない ことは前述 した。 議 院 内閣制 は

,形

の上 では

,行

政機 関が立法機 関に従属す ることにな るが

,実

情 は

,さ

らに異 っ て い る。すなゎち

,68条

によ り

,首

相 は

,内

閣 を構成 す るところの国務大臣を任命

,罷

,す

る こ とがで きる し

,72条

によ って

,内

閣を代表 して (内閣法

5条

)議

案 を国会 に提 出 し

,行

政各 部 を指 揮監督す ることがで き(内閣

6条

),独

立を担保 (76条

)さ

れて い るはずの裁判所 に対 して

,最

高裁 判所 の長 た る裁判 官を 内閣 の名 において指名 し

(6条

),下

級 裁判所 の裁判官を任命す る ことがで きる とい うことは

,行

政機 関の最高責任者 と しての首相 は

,執

行機 関の長 と して

,行

政機 関のみ で な く

,司

法機 関に対 して も優位 にあることにな り

,立

法機関の構成 メンバ ーの議員 とい う身分 か ら 出て い ることは

,人

事 の上 か ら (与党党首が首相 にな るとい う慣行

),立

法機関 もまた支配 しうる とい う結論 にな る。 さ らに

,公

安委員 会

,公

正取 引委員会 のよ うに

,政

治性か らの独立がのぞま し い もの

,な

い し

,専

門性 か らの独立が このま しい行政委員会 も

,個

々の仕事の内容 につ いて独立す るだ けで

,内

閣 の統一 の下 にあ るか ら

,完

全 な 内閣か らの独立 であるとはいえない。 こう した行政 権 の権 限強化 は

,明

治憲法時代主権者 た る天皇の任官大権を楯 に とって 内閣の不統一 とい う弊害が 少 くなか った ので

,首

相を一般大臣よ り上位 において

,統

一 を はか り

,主

権者 た る国民 に対 す る政 治責任66③ を明確 に し

,民

主的責任態勢を と らせ るための政 治 的 配 慮 にもとづいて いた とはいえ る。 しか し行政権 の強化 は

,議

会 の犠性 において政府 の強化につなが るゎけで あ り

,か

っての フア シズム

,ナ

チズム体制 の再来 とい うことにもな りかねな く

,議

会制民主政治 の危機 と して

,社

会主 義国家群 は否定 してお り

,西

欧民主主義諸国は

,む

しろ参政権 の拡大

,二

院制 の改正

,政

党 システ ムの憲法 くみ入 れ

,な

どの形 で防止 しようとつ とめて いる。現在 ゎが国の地方 自治制 は

,地

方 で, 三 権分立制の一種 (大統領形式

)を

と り (憲95条 ②

),

自治財産権

,

自治財産立法権

(94)を

み と

(17)

「 現在の大学教養課程における(憲法2単位を合む

)法

学教育について」 め られて

,法

のわ く内で 自治をみ とめ られ

,中

央政府 か らの独立 した団体 自治

,住

民 自治が行ゎれ て い るはずであるが

,そ

の現状 は

,時

代 の発展 に合 わない44)とか

,広

域行政 に名を借 りた開発行政 の必要

,道

州制 の発 想

,公

害除去

,

国鉄 財政 の救済

,

,

地方

,

国鉄 の三分 担 (負担

)と

い った 形

,地

方事務 官制 の残存

,な

,地

方 に対す る国の監督 は

,助

成 の域を越 えて い く傾 向にあるよ う で ある。 これも亦

,中

央行政権 が

,す

べての国家機 関の上 に立つ とい う形 にな って くる傾向の実証 ではないであろうか。 司法権 の関係 につ いて :憲法 は

,司

法権 は

,「

裁判所 に属 す」 と し

,「

裁 判官 は良心 と法律 にの み拘束 され る」 と して

,三

権分立 であることを うた ってい る。前 に

,立

法 と行 政の関係 は

,分

立 と は

,い

いがたい ことをのべたが

,現

行憲法上

,少

くとも形 の上 で は

,司

法機 関 と

,地

方 自治につい て は,三権分立乃至,その亜流 に属す るものといえ る。 司法機 関 と行政機 関の関係 が

,人

事 の面 で は 必 ず しも分立 といえず

,む

しろ

,行

政 に従属 して い るといえ るか も しれな い ことはす でにのべ た と ころであるが

,権

限上 も疑間点がない とはいえないので

,ま

とめて お くことにす る。形の上 で

,各

国共

,多

か れ少かれ

,裁

判所 に強 い権限をみ とめよ うとす る傾 向にある理 由は

,人

権 の保障のた め で ある。公正な裁判 の制度をつ くることは

,裁

判機構 を通 じて人権 が確保 され る ことにな る し

,人

権 の保障 と司法権 の関係 は

,絶

対主 義の権力支配 に対 す る国民 の権利保護 とい うことになる。 しか し最近のす う勢 は

,公

共 の福祉を め ぐって

,デ

モ ク ラシーその もの と

,個

人 の基本権 の調整が問題 化 して きて い る現状 である。最大多数 の最大幸福は

,民

主主 義の理想ではあるが

,多

数者 の法が, 公 共の福祉 の美名 にか くれて権力 の名 において行 ゎれ るとい うことになれば

,そ

れ は

,個

人 よ り社 会 の優先 とい うことにな り

,一

種 の全体 主義的専制 に逆行 す るのではないか とい う疑 があると憲法 は

,法

の下 の平等 を いい

,「

人 種

,信

,財

,社

会 的地位

,門

,性

別 な どによ っ て差 別 さ れ ず

,人

はすべて個人 と して尊重 され る」 とい う。 しか し

,「

すべ て個人 と して尊重 され る」 とい う 点 には

,疑

点 がの こるのではないで あろ うか。た しか に

,18世

紀末 に発生 した人権 尊重 の思想 は, まづ

,封

建 的差別を撒廃 し

,つ

いで19世 紀か ら20世 紀初頭 にか けて財産 による差別を撤廃 して きた といえ る。 しか し

,20世

紀 後半 の現在

,能

力 によ る差別 がない といえ るであろ うか。 む しろ憲法 とは逆 に, 教育の受益権 について も「能力 に応 じて均 しく」 と して

,能

力 によ る差別 と して肯定 してい るよ う に解せ られ る。加 えて

,社

会 の複雑化

,専

門化 は

,必

然的にデモク ラシーの素人主義 と両立 しない 場面 を生 じて お り

,職

業 的行政機 関担 当者 に依 て決定 された裁 量行為 によって人権 が軽視 され るお それ もない とはいえない。今 の公害問題

,企

業保護 と国民 (住民

)の

健 康

,行

政機 関の実力行使 と 居住権 との問題

,交

,宅

地造成 と文化財保護

,

公務員

,

準公務員 の多議行為 の正 当

,

不 当

,

適 法

,違

法性

,さ

らに

,

これ らのいわゆ る実力行使 と

,

これによって蒙 る国民 (利用者

)の

精神 的, 44)警察法が改正さか

,市

町村 自治警は廃止され

,都

道府県警に改変 された こと。教育委 員 会法 が 改正され て

,地

方教育行政 の組織運営に関す る法律が施行 され

,地

教委の任免権は

,都

道府県教委にうつ った。

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