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Q12-2 リスク管理をどのような糖尿病患者に行えば糖尿病大血管症の抑止に有益か? ステートメント すべての糖尿病症例はリスク管理の対象となりうる. ただし, 高齢者や血管合併症の進行した症例に薬物療法により厳格な血圧 血糖コントロールを行えばイベントリスクが逆に上昇する可能性がある 7). 糖尿病

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(1)

糖尿病大血管症(diabetic macro-angiopathy)は,糖尿病細小血管症(diabetic

micro-angio-pathy)に対応する言葉として古くから用いられている用語ではあるものの,その定義は曖昧

であり,本章では「糖尿病に伴う動脈硬化症で,脳卒中,虚血性心疾患,末梢閉塞性動脈疾

患(peripheral arterial disease:PAD)」と定義する.本章では,介入の有効性を評価する場合

はハードエンドポイントである脳卒中,心筋梗塞の発症と心血管死(以後,心血管イベント)

を用いて評価した.予防の観点からはリスクファクターの減少も含めて評価を行った.PAD

に対する介入の有効性評価については「11.糖尿病足病変」を参照いただきたい.

動脈硬化症は長期間を経て徐々に進行するため,予防のためには糖尿病,高血圧症,脂質

異常症,慢性腎臓病,喫煙などの心血管リスクファクターを包括的に,かつ早期から厳格に

コントロールすることが重要である

1〜3)

.耐糖能異常は糖尿病発症前に心血管イベントリスク

を上昇させているとの報告があり,耐糖能異常からの予防が望まれる

4, 5)

冠動脈造影などの侵襲的検査のみならず,非侵襲的スクリーニング検査である頸動脈エコー,

脈波伝播速度,血流依存性血管拡張反応,心エコー,負荷心電図,負荷心筋シンチ,冠動脈

CT

についても,無症状の症例や心電図異常のない症例に実施することの有用性にコンセンサ

スが得られていない

a)

.したがって,実診療においては,狭心症症状や間欠性跛行,脳虚血前

駆症状を丹念な問診により拾い上げる事と,定期的な安静時心電図により,精査を必要とす

る症例を見逃さないことが重要と考えられる

a)

糖尿病網膜症,糖尿病腎症など細小血管症の存在は心血管イベントリスクを上昇させる(8

〜11 章参照).微量アルブミン尿は糖尿病腎症の診断のみならず血管内皮障害を反映し生命

予後の予測因子でもあり定期的測定が推奨される

6)

.また,PAD のスクリーニング検査とし

て下腿-上腕血圧比(ankle-brachial index:ABI)・足趾-上腕血圧比(toe-brachial pressure

index:TBI)は意義があり,自覚症状のない糖尿病症例であっても検査が推奨される

b)

糖尿病大血管症

12

Q12-1

糖尿病大血管症の予防のために必要なリスク管理をいつからどのよう

に始めるのか?

【ステートメント



糖尿病大血管症のリスクファクターである耐糖能異常(impaired glucose tolerance:

IGT),高血圧症,脂質異常症,肥満症,慢性腎臓病を早期に発見し,管理することが推奨

される

1)

(2)

糖尿病は心血管イベントの重要なリスクファクターであるためすべての糖尿病症例はリス

ク管理の対象となりうる.動脈硬化症のリスクファクターは肥満症を背景としたメタボリッ

クシンドロームとして集積する傾向がある

8)

.これらリスクファクターが集積した症例では,

大血管症の発症リスクが高い.そのため,リスクファクターが多数集積している症例に,厳

格な包括的リスク管理を行うことで,大血管症の発症リスクを低下させることができると期

待される.しかしながら,これまでのハイリスク糖尿病患者を対象とした大規模臨床試験で

は,必ずしも良好な結果だけが報告されている訳ではない.特に,血管合併症が進行した症

例,虚弱な高齢者に,厳格な血糖・血圧コントロールを行うことで,低血糖や低血圧を引き

起こしやすくなり,心血管イベント発症や生命予後を悪化させることが懸念される

7, 9)

Q12-2

リスク管理をどのような糖尿病患者に行えば糖尿病大血管症の抑止に

有益か?

【ステートメント



すべての糖尿病症例はリスク管理の対象となりうる.ただし,高齢者や血管合併症の進行し

た症例に薬物療法により厳格な血圧・血糖コントロールを行えばイベントリスクが逆に上昇

する可能性がある

7)

(3)

食事,運動などの生活習慣の改善は,糖尿病治療の基本である.これら生活習慣の改善に

より,肥満症,IGT,高血圧症,脂質異常症などの心血管リスクファクターを改善させること

が多く報告されている

10〜12)

.脳梗塞・心筋梗塞の発症と生活習慣の関連を調査した一般住民

を対象としたコホート研究も数多くあり,塩分摂取

13)

,魚食

14)

,地中海食

15)

,食物繊維摂取量

16, 17)

身体活動強度

18〜24)

,喫煙

25, 26)

などの生活習慣がイベント発症と関連していることが報告されて

いる.心筋梗塞後や心不全患者に運動療法を行うことでイベント発症の低下や生命予後を改

善することが報告されている

c)

.しかしながら,糖尿病患者に限定したコホート研究や,糖尿

病大血管症の発症を一次エンドポイントとして実施された生活介入によるランダム化比較試

験は少なく

27)

,最近アメリカより発表された BMI(body mass index)25 以上(インスリン治療

患者では 27 以上)の 2 型糖尿病患者 5,145 人による Look AHEAD

28)

では,一次エンドポイン

ト(心血管関連死,心筋梗塞,脳卒中,入院を要した狭心症)の発症を減少しなかったため中

間解析(9.6 年)のみで中止となったが,介入群では体重,血糖,血圧,脂質に改善を認めた

10)

Steno-2

1)

や日本で実施された JDCS

29)

では生活習慣改善に薬剤を含めた包括的治療介入によ

り糖尿病大血管症の発症リスクが減少することが報告されている.高度肥満症患者に対する

肥満外科治療は,食生活の劇的な変化を伴い,肥満症の是正に加えて複数の心血管リスクファ

クターを改善するとともに糖尿病大血管症の発症リスクの減少に有益であることがいくつか

のコホート研究

30, 31)

の成績より示されている.肥満手術に関する詳細は「14.肥満を伴う糖尿

病(メタボリックシンドロームを含む)」を参照のこと.

心血管イベントをアウトカムにした生活習慣介入研究では,生活介入達成率の維持困難と,

長期間の観察,非介入群での習慣変化など様々な要因の関与により生活習慣改善単独による

エビデンスが見い出されないと考察できる.肥満症手術の結果から,生活習慣の改善と肥満

の是正は,達成者にはリスクファクター減少などが期待されるため推奨される.

CQ12-3

生活習慣の改善と肥満の是正は糖尿病大血管症に有効か?

【ステートメント



耐糖能異常(IGT),高血圧症,脂質異常症,肥満症,慢性腎臓病などの疾病や運動不足,塩

分摂取過剰,喫煙などの生活習慣が心血管イベントのリスクファクターである.生活習慣の

改善と肥満の是正はリスクファクターを改善するため推奨される

10)

【推奨グレード A】

(合意率 95%)

(4)

持続する高血糖が大血管症の発症リスクと密接に関係することは,多くの疫学研究より明

らかである.UKPDS では,2 型糖尿病患者で HbA1c が 1%低下することで心筋梗塞の発症

リスクが 14%減少することが報告されている

32)

.メタアナリシスの成績においても,HbA1c

の 1%増加は,心血管疾患の発症を 1 型糖尿病患者で 15%,2 型糖尿病患者で 18%増加させ

33)

.血糖コントロール強化療法により総死亡,心血管疾患関連死,脳卒中の発症抑制効果

は認められないが,非致死的(あるいは致死的)心筋梗塞,下肢切断の発症リスクを低下させ

ることが示されている

34〜37)

.高血糖以外の動脈硬化リスクファクターが比較的少ない 1 型糖

尿病患者においても,血糖強化療法は総死亡抑制を認めないものの,心血管イベント発症を

減少させる可能性が示唆されている

38, 39)

血糖コントロール強化療法の効果は,介入試験終了後も持続・増強するため,“metabolic

memory”あるいは“legacy effect”と呼ばれ,血糖コントロールの早期介入の重要性が示唆され

ている

40, 41)

.ごく最近に,VADT の介入開始後 10 年の結果が報告され,2 型糖尿病に対する

5.6 年の強化血糖降下療法は,終了時では有意でなかったが,通常治療移行後約 5 年で有意に

抑制することがわかった

42)

.1 型糖尿病患者を対象とした DCCT/EDIC でも介入後 15 年まで

総死亡の減少は観察されなかったが,その後に有意に減少している

43)

.一方,血糖コントロー

ル強化療法は低血糖リスクを上昇させる

34, 36〜39)

.重篤な低血糖

44)

,不整脈の出現

45)

は総死亡あ

るいは心血管疾患の重要なリスクファクターであり,高齢者では特に注意を要する

7)

糖尿病治療薬あるいは併用療法の違いで,大血管症発症に及ぼす影響が異なる可能性が示唆

されている.第 5,6 章で述べられたように,低血糖頻度と血糖変動幅の減少が大血管症を減少

させる可能性がある

46)

.メトホルミンには肥満 2 型糖尿病患者で大血管合併抑制効果が示され

ているが

47)

,最近のメタアナリシスでは,追跡期間が短いためか,単独療法の血管合併症抑

制効果は認めていない

48)

α

グルコシダーゼ阻害薬も大血管症発症リスクの低下を示唆する報

告があるが十分なエビデンスはない

49)

.メトホルミンとの併用薬としてスルホニル尿素(sul-fonylurea:SU)薬と DPP-4 阻害薬を比較すると,DPP-4 阻害薬でのリスク低下が報告されて

いる

50)

.また,メトホルミンとピオグリタゾンの併用療法でも大血管症発症リスクの低下を

示唆する報告があるが,十分なエビデンスはない

51〜53)

.持効型溶解インスリン製剤を境界型

糖尿病あるいは早期 2 型糖尿病患者 12,500 人に投与した ORIGIN では大血管症リスクを増加

させない事が確認された

54)

.以上より大血管症抑制を考慮した糖尿病治療薬として,低血糖

リスクが低く,血糖変動幅を小さくする薬剤の選択が推奨される.大血管症の既往を含めた

ハイリスク糖尿病患者約 7,000 人を対象に,SGLT2 阻害薬による二次予防効果を検証した

EMPA-REG OUTCOME

において,標準治療群に比較して SGLT2 阻害薬投与群では,主要評

価項目である複合心血管イベントや心血管死亡などで有意なリスク減少効果を認めることが

示された

55)

.この試験結果より,SGLT2 阻害薬が大血管症の発症抑制に有益であると期待で

きるものの,現時点では,

「SGLT2 阻害薬の適正使用に関する委員会」の Recommendation を

十分に踏まえたうえで,特に安全性を最優先して本薬剤の適応を慎重に判断すべきである

d)

CQ12-4

糖尿病大血管症に血糖コントロールは有効か?

【ステートメント



糖尿病発症早期からの厳格な血糖コントロールは,糖尿病大血管症の発症抑制に有効である

32)

【推奨グレード A】

(合意率 100%)

(5)

一般住民を用いたコホート研究により,高血圧は脳卒中,心筋梗塞などのリスクファクター

であることが確認されている.糖尿病患者においても,収縮期血圧の 10 mmHg 低下により総

死亡 13%,心血管イベント 11%,脳卒中 27%の減少が示されている

56, 57)

.しかしながら,最

近のメタアナリシスの成績では,降圧治療による大血管症発症リスク抑制は,脳卒中でのみ

で認められ,総死亡や心筋梗塞などの冠動脈疾患に対する影響が少ない可能性が示されてい

58〜60)

.脳卒中リスクは,降圧後の収縮期血圧が 115 mmHg まで直線的に低下するが,その

他の心血管疾患の発症リスクには,J カーブが存在し,降圧後の収縮期血圧を 130 mmHg 未

満 に す る と 逆 に リ ス ク が 上 昇 す る と 報 告 さ れ て い る

61)

.治 療 介 入 開 始 時 の 血 圧 が

140/90 mmHg 以上の症例では,脳卒中と心血管イベント両者が減少するが,140/90 mmHg

未満の症例では脳卒中のリスク減少のみが観察された

57)

.積極的な降圧治療は,失神や低血

圧のリスクを有意に増加させるため注意が必要である

58〜60)

.血圧コントロールと糖尿病大血

管症については「15.糖尿病に合併した高血圧」を参照のこと.

CQ12-5

糖尿病大血管症に血圧コントロールは有効か?

【ステートメント



厳格な降圧療法は,糖尿病大血管症の発症抑制に有効である

56)

【推奨グレード A】

(合意率 100%)

(6)

脂質異常症が,糖尿病大血管症のリスクファクターであることは多くの疫学研究の成績よ

り明らかである.

糖尿病患者を対象にスタチン治療による大血管症の発症予防効果を検証した大規模臨床試

63〜65)

あるいはメタアナリシス

61, 62)

の成績では,スタチン治療による一次・二次予防効果が

報 告 さ れ て い る .ス タ チ ン 治 療 に よ り LDL-C(low-density lipoprotein cholesterol)が

37 mg/dL 低下するごとに,総死亡リスクが 9%,冠動脈イベントリスクが 22%,脳卒中リス

クが 21%低下することが示されており,このリスク減少効果は非糖尿病患者と同程度である

ことがメタアナリシス

66)

で示されているが,脂質コントロールの閾値は確認されていない.

通常量スタチンと高用量スタチンによる二次予防効果を比較したメタアナリシスの成績では,

高用量スタチン治療はイベント発症を 9%上乗せして低下させることが示されているが

62)

,用

量が重要なのか,LDL-C 達成値が重要なのかは不明である.また,維持透析中の 2 型糖尿病

患者に対するスタチン治療の有効性にはエビデンスがない

67)

糖尿病患者を対象に,フィブラート系薬剤による大血管症の発症抑制効果を検証した FIELD

では,主要評価項目である冠動脈疾患リスクを有意に抑制することができなかったが,副次

評価項目である非致死的心筋梗塞と血行再建術でリスク減少効果が認められた

68)

.同様に,

フィブラート系薬剤によるランダム化比較試験のメタアナリシスでも,フィブラート系薬剤

により非致死的心筋梗塞リスクの低下が認められるものの,その他の心血管イベントの発症

抑制効果は認められなかった

69)

.また,スタチンとフィブラート併用治療では,高

TG(triglyc-eride)血症患者では一定の効果が認められるものの,イベント発症リスク予防効果は明らか

ではない

70)

糖尿病患者および境界型糖尿病症例を対象に n-3 系脂肪酸の大血管症抑制効果を検証した

ORIGIN

では,n-3 系脂肪酸投与により,TG 値を有意に低下させたが,イベント発症リスク

は低下させなかった

71)

.一方,日本で実施された JELIS では,糖尿病患者のサブ解析におい

て,スタチン治療中の高コレステロール血症患者に対する EPA(eicosapentaenoic acid)の追加

投与が冠動脈イベント発症を 22%低下させると報告されている

72)

CQ12-6

糖尿病大血管症に脂質コントロールは有効か?

【ステートメント



脂質コントロールは,糖尿病大血管症の一次予防・二次予防に有効である

61, 62)

【推奨グレード A】

(合意率 100%)

(7)

非糖尿病患者を含む心血管イベント既往者を対象とした二次予防に抗血小板薬が有用であ

ることは多くの臨床研究・メタアナリシスの成績より示されている

74, 75)

.糖尿病患者のみを対

象にアスピリンの二次予防効果を検証した RCT はないものの,RCT に登録された糖尿病患者

のデータを抽出して検討されたメタアナリシスで,糖尿病患者の総死亡リスクがアスピリン

投与により有意に減少することが報告されている

73)

アスピリン以外の抗血小板薬による二次予防効果を検証した臨床試験として ADP 受容体阻

害薬(クロピドグレル,チクロピジン)による二次予防効果を検証した RCT(CATS

76)

,TASS

77)

CAPRIE

78)

,PRoFESS

79)

)中の糖尿病患者を抽出したサブ解析の報告はあるが一定の結論に

至っていない

80)

.日本人を対象としたシロスタゾールによる二次予防試験のサブ解析では,

シロスタゾールが脳卒中二次予防に有益である可能性が報告されている

81, 82)

.日本人を対象と

したサルポグレラートとアスピリンの比較試験 S-ACCESS サブ解析では,サルポグレラート

とアスピリンに有意差はなかった

83)

日本人 2 型糖尿病患者を対象とした少量アスピリンによる大血管症の一次予防試験である

JPAD

84)

では,アスピリン群で心血管イベントの発症リスクが 20%減少したが,統計学的には

有意差を認めなかった.同様に,糖尿病患者のみを対象にアスピリンの一次予防効果を検証

した 3 つの RCT(Zabel-Langhennig らの研究

85)

,ETDRS

86)

,POPADAD

87)

)でも,その有効

性は認められていない.さらに,アスピリンの一次予防効果を検証した臨床試験から糖尿病

患者抽出したサブ解析

88〜91)

と先の RCT を含むメタアナリシス

73, 75, 92〜98)

いずれにおいてもアス

ピリンの一次予防効果は示されていない.60 歳以上の動脈硬化リスクファクターを有する日

本人(14,464 人)を対象とした低用量アスピリンの一次予防効果を検証した JPPP

99)

より糖尿病

患者(4,903 人)を抽出したサブ解析でも,複合心血管イベントのリスク減少は認められない.

ただし,男性

93, 98, 99)

,65 歳以上の高齢者

100)

,食事療法のみの症例

101)

,高血圧症例

102)

などで

は,アスピリンによる一次予防効果が認められるとの報告もある.一方,糖尿病患者では,非糖

尿病患者と比べアスピリン投与による頭蓋外出血のリスクが 55%高いと報告されている

75)

以上より,糖尿病患者の一次予防のためのアスピリン投与は推奨されない.

CQ12-7

糖尿病大血管症に抗血小板薬は有効か?

【ステートメント



抗血小板薬の投与は,糖尿病大血管症の二次予防に有効である

73)

【推奨グレード A】

(合意率 100%)



糖尿病患者への一次予防のための抗血小板薬の投与は推奨されない

74)

【推奨グレード A】

(合意率 90%)

(8)

糖尿病細小血管症は糖尿病大血管症のリスクファクターである(第 8〜10 章).糖尿病細小

血管症をアウトカムとした研究の既往症に糖尿病大血管症が存在する.これらの背景には糖

尿病が存在するため,因果関係は明らかではない.

近年,IGT や糖尿病が認知症のリスクファクターであることが明らかとなっている

103, 104)

.糖

尿病大血管症は,血管性認知症の強いリスクとなりうると考えられる.脳梗塞患者に対する

二次予防が認知症の予後を改善するかについては,降圧薬,抗血小板薬,スタチンに認知機

能低下を遅らせる効果があることが示されている

105)

Q12-8

糖尿病大血管症はその他の合併症のリスクファクターとなるか?

【ステートメント



糖尿病に基づく高血糖は,糖尿病網膜症,糖尿病腎症,糖尿病神経障害,糖尿病大血管症の

共通したリスクファクターであり,相互に関連があると考えられる.しかしながら,その直

接の因果関係については現時点で明確なエビデンスはない.

(9)

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論文コード

対 象

方 法

結 果

アブストラクトテーブル

(16)

8)Nakamura Y et al (NIPPON DATA 80), 2006 前向きコホート [レベル 2] 9)Odden MC et al (NHANES), 2012 前向きコホート研究 [レベル 2]

10)The Look AHEAD Research Group (Look AHEAD), 2010 RCT [レベル 1] 11)Metz JA et al, 2000 RCT [レベル 1] 12)Esposito K et al, 2009 RCT [レベル 1] 13)Strazzullo P et al, 2009 メタアナリシス [レベル 2] 14)Chowdhury R et al, 2012 前向きコホート [レベル 2] 15)Sofi F et al, 2014 前向きコホート [レベル 2] 30歳以上で,脳梗塞,心筋梗塞 の既往のない男性4,144人と女 性 5,318.男 性 50.4 歳 ,女 性 50.8歳.[日本人]. 65歳以上の2,340人.アメリ カ. アメリカ16センターでBMI 25 以上(インスリン治療患者では 27 以 上 )の 2 型 糖 尿 病 患 者 (5,145人).平均年齢58.8歳. BMI 25以上の脂質異常症と高 血圧を有する患者(183人)と2 型糖尿病患者(119人).平均年 齢54.2歳.アメリカ. BMI 25以上で未治療の新規発 症肥満2型糖尿病患者(215 人).平均年齢52.2歳.イタリ ア. 19件の コ ホ ー ト177,025人 (フォローアップ3.5〜19年) [日本人を対象とした研究を含 む]. 26件の前向きコホートと12の N-3PUFAサプリメントによる RCTに参加した794,000人[日 本人を含む]. 18件の前向きコホートに参加 した 4,172,412人. 高血圧症,高コレステロール血 症,高血糖,肥満の集積と心血管 イベントの関係を調査. 対象者を歩行速度により3群に 分け,血圧と総死亡との関係を 調査した. 生活習慣改善強化介入群 vs. 通 常療法群.一次評価項目:体重, 運動適応性,血糖,血圧,脂質レ ベル[観察期間4年]. 冠動脈疾患リスクを減らすため に推奨されている栄養素を満た した食事による介入群 vs. 通常 食群[52週間追跡]. 低 炭 水 化 物 地 中 海 食 群 vs. ADA推奨低脂肪食群.一次評価 項目:糖尿病薬の開始,二次評価 項目:体重・血糖・心血管リスク ファクターの変化[観察期間4 年]. 塩分摂取量の推定は,思い出し 法,24時間蓄尿法,FFQなど研 究によりばらつきがあった. 前向きコホートのうち,魚摂取 のコホートが21.N-3 PUFAに よるコホートが14であった. 地中海食と死亡原因に関するメ タアナリシス. 男性ではリスク 0に比して冠動 脈疾患の発症はリスク1〜2で HR 3.51(0.47〜26.1),リス ク 3〜 4 で HR 8.04( 1.03〜 62.6),脳卒中はリスク1〜2で HR 2.64(0.83〜8.39),リス ク 3〜 4 で HR 5.06( 1.53〜 16.7)と上昇したが女性では関 与がなかった. 総死亡は歩行速度Fast+血圧 正常群で最も少なく,続いて歩 行速度Fast+高血圧群,歩行速 度Slow+正常血圧群,歩行速度 Slow+高血圧群,歩行Test非 終了+高血圧群,歩行Test非終 了+血圧正常群の順であった. 生活習慣改善強化介入群では, 体重,運動適応性,血糖,血圧,脂 質レベルが改善した. 食事介入群で,体重減少,血圧, TC,LDL-C,HbA1c,生活の質 が有意に改善し,糖尿病食群で は血糖値も改善した. 低炭水化物地中海食群では,糖 尿病薬の開始率,体重,血糖,心 血管リスクファクターの有意な 減少が認められた. 塩分摂取が多い事により,脳卒 中(pooled RR 1.23,95%CI 1.06〜1.43,p=0.007),心血 管イベント(RR 1.14,0.99〜 1.32,p=0.07)であり脳卒中 との関連が示された. コホート研究では週2〜4回の 魚摂取VS週1回未満における脳 卒中リスクはRR 0.94(95%CI 0.90〜0.98),週5回以上の魚 摂取でRR 0.88(0.81〜0.96) と有意であったが,N-3PUFA サプリメントによるRCTでは有 意な差を認めなかったRR 0.98 (0.89〜1.08). 地中海食により総死亡RR 0.92 (95%CI 0.91〜0.93),心血管 死RR 0.9(0.87〜 0.92)と 低 下する.

論文コード

対 象

方 法

結 果

(17)

16)Schoenaker DAJM et al (EURODIAB), 2012 コホート研究 [レベル 2] 17)Hu FB et al (Nurses’ Health Study), 2001 コホート研究 [レベル 2] 18)Hu G et al, 2005 コホート研究 [レベル 2] 19)Sluik D et al, 2012 メタアナリシス [レベル 2] 20)Sone H et al (JDCS), 2013 前向きコホート研究 [レベル 2] 21)Blomster JI et al (ADVANCE), 2013 RCT サブ解析 [レベル 2] 22)Tielemans SM et al (EURODIAB), 2013 コホート研究 [レベル 2] 23)Yates T et al (NAVIGATOR), 2014 前向きコホート研究 [レベル 2] EURODIABに登録された心血 管疾患の既往歴のない1型糖尿 病患者(2,108人).平均年齢 32.1歳.ヨーロッパ16ヵ国.

Nurses’ Health Studyに登録 された糖尿病を合併した女性看 護師(5,125人).アメリカ. フィンランド人2型糖尿患者 (1,423人). EPIC研究に参加の糖尿病患者 (5,859人)による前向きコホー ト研究[平均追跡期間18.7年] と,12のコホート研究によるメ タアナリシス.35〜70歳.ヨー ロッパ10ヵ国. 日本人2型糖尿病患者を対象と したJDCS参加症例で,動脈硬 化性疾患の 既往な ど の な い 1,702人. 平均年齢男性58.2 歳,女性58.9歳.[日本人]. ADVANCEに登録された2型糖 尿病患者(11,140人).オース トラリアを中心に20ヵ国.[東 アジア人を含む]. EURODIABに登録された1型 糖尿病患者(2,185人).ヨー ロッパ16ヵ国. 心血管疾患の既往あるいはリス クを有するIGT患者を対象に実 施された多施設共同研究である NAVIGATOR参加症例(4,345 人).40ヵ国[東アジア人を含 む]. 観察開始時の食事記録表から推 定した飽和脂肪酸・食物繊維摂 取量による心血管イベント(心 筋梗塞,狭心症,冠動脈血管再建 術,心電図虚血性変化)発症リス クを検討[追跡期間7.4年(中央 値)]. 糖尿病女性において,身体活動 度と心血管疾患(冠動脈疾患と 脳卒中)のリスクについて検討 [追跡期間14年]. 観察開始時の身体活動量別(3 分位)の心血管疾患の発症リス ク[追跡期間18.7年(平均値)]. 観察開始時の身体活動量別(コ ホート研究:4群,メタアナリシ ス:2群)の心血管疾患死と総死 亡の発症リスク. 観察開始時の身体活動量別(3 分位)に,その後の心血管疾患, 脳卒中,総死亡の発症リスクを 検討[追跡期間8.05年(中央 値)]. 観察開始時の身体活動量(3群) による心血管イベント(心血管 関連死,心筋梗塞,脳卒中)発症 リスクの検討[追跡期間5年(中 央値)]. 観察開始時の1週間あたりの身 体活動量(3群)による心血管イ ベント(心筋梗塞,狭心症,冠動 脈血管再建術,心電図虚血性変 化)発症リスクを検討. 観察開始時と12ヵ月後の平均1 日歩数を測定し,観察開始時の 歩数と12ヵ月後の変化が,心血 管イベント(心血管関連死・心筋 梗塞・脳卒中)発症に及ぼす影響 を検討(平均観察期間5年). 飽和脂肪酸摂取量と心血管イベ ント発症リスクには有意な関連 は認められなかったが,総食物 繊維,特に水溶性食物繊維の摂 取量が多いほど心血管イベント 発症リスクの減少(per 5g/日, HR 0.34, 95%CI 0.14〜 0.80)が認められた. 身体活動度と心血管疾患の発症 には負の関連が認められた. 身体活動量の中・高程度群で,低 程度群に比較し心血管疾患発症 リスクの減少を認めた(中程度 群:HR 0.60,95%CI 0.51〜 0.71,高 程 度 群:HR 0.49, 95%CI 0.41〜0.58). 中程度の身体活動量群で,心血 管 疾 患 死(HR 0.51,95%CI 0.32〜0.81)ならびに総死亡の 発症リスクの減少が認められ た.メタアナリシスにおいても, 身体活動量が高い群で,心血管 疾患死・総死亡のリスクが有意 に減少した. 身体活動量の最も多い症例群で は,心血管リスクファクター補 正後も総死亡リスクの有意な減 少(HR 0.47,95%CI 0.22〜 0.99)を認めたが,心血管疾患, 脳卒中発症リスクには有意差が 認められなかった. 中等度以上の身体活動量の症例 では,心血管イベントの発症リ ス ク が 減 少 し た(HR 0.78, 95%CI 0.69〜0.88). 中等度以上の身体活動量の女性 症例でのみ,心血管イベントの 発症リスクが減少する傾向を示 したが,統計学的有意差は認め ら れ な か っ た( HR 0.66, 95%CI 0.40〜1.08). 観察開始時の歩数が多い症例 ( HR per 2000 steps per day 0.90, 95%CI 0.84〜 0.96),12ヵ月後に歩数が増加 した症例では心血管イベントの 発症リスクが減少.

(18)

24)Al-Delaimy WK et al (Nurses’ Health Study), 2002 コホート研究 [レベル 2] 25)Qin R et al, 2013 メタアナリシス [レベル 2] 26)Iaconelli A et al, 2011 ケースコントロール研究 [レベル 3] 27)Schellenberg ES, 2013 メタアナリシス [レベル 1]

28)The Look AHEAD Research Group (Look AHEAD), 2013 RCT [レベル 1] 29)Sone H et al (JDCS), 2010 RCT [レベル 1] 30)Johnson BL et al, 2013 後ろ向きコホート研究 [レベル 3] 31)Sjöström L et al (SOS), 2014 前向きコホート研究のサブ解析 [レベル 3] 32)Stratton IM et al (UKPDS35), 2000 前向きコホート研究 [レベル 2]

Nurses’ Health Studyに参加 し て い る 2 型 糖 尿 病 女 性 (6,547人).アメリカ. 糖尿病患者を対象に喫煙による 心血管イベントの発症との関連 を検討した46件のコホート研 究 に よ る メ タ ア ナ リ シ ス (126,943人)[日本人を対象と した研究を含む]. イタリアで実施された肥満手術 を受けた肥満2型糖尿患者(22 人)とBMI 35以上の新規肥満2 型糖尿病患者(28人). ハイリスク患者あるいは2型糖 尿患者を対象に実施された生活 習慣の改善による介入研究のメ タアナリシス[東アジア人を対 象とした研究を含む]. アメリカ16センターでBMI 25 以上(インスリン治療患者では 27 以 上 )の 2 型 糖 尿 病 患 者 (5,145人). JDCSに登録された日本人2型 糖尿病患者(2,033人)のうち,8 年間追跡できた1,304人のみを 解析[日本人]. 肥満2型糖尿病患者(33,935 人).オーストラリア. スウェーデンで実施されたSOS 研究に参加の2型糖尿病患者 (603人). イ ギ リ ス で 実施さ れ て い る UKPDSに登録された2型糖尿 病患者(3,642人). 2型糖尿病女性における喫煙と 冠動脈イベント(心血管疾患死 と心筋梗塞)との関連について 検討[20年間追跡]. 喫煙と総死亡,心血管疾患死,心 血管イベント(冠動脈疾患,脳卒 中,心筋梗塞)との関連について 検討. 肥満手術群(bilio-pancreatic diversion)vs. 通常療法群.一 次エンドポイントは腎機能変 化.二次エンドポイントとして, 心血管イベントの発症率を評価 (追跡期間10年). 生活習慣改善強化介入群 vs. 通 常療法群.評価項目:糖尿病の新 規発症(ハイリスク患者),ある いは心血管イベントと総死亡(2 型糖尿病患者). 生活習慣改善強化介入群 vs. 通 常療法群.一次エンドポイント: 心血管疾患死,心筋梗塞,脳卒 中,入院を要した狭心症の発症. 強化療法(生活習慣介入)vs. 通 常療法.評価項目:細小血管症の 発症・進展と大血管症(冠動脈疾 患もしくは脳卒中)の発症. 肥満手術患者(2,580人)vs. 非 肥満手術患者(13,371人).一 次エンドポイント:心血管イベ ント(心筋梗塞,脳卒中,総死亡) あるいは細小血管症の発症.二 次エンドポイントとして,心血 管イベントの発症のみの評価. 肥満手術群(343人)vs. 通常治 療群(260人).評価項目:大血管 症(下肢閉塞性動脈硬化症,心筋 梗塞,脳卒中)の発症[追跡期間 18年]. 前向き観察研究.主要評価項目: 糖尿病関連イベント,糖尿病関 連死,総死亡.副次評価項目:心 筋梗塞,脳卒中,四肢切断,細小 血管症. 非喫煙者に比べて,過去に喫煙 していた者と1日に1〜14本喫 煙する者,1日に15本以上喫煙 する者の冠動脈疾患発症のRR は,それぞれ1.21,1.66,2.68 であった.10年間禁煙している 女性の冠動脈疾患発症率は非喫 煙者と同等. 喫煙により,総死亡(HR 1.48, 95%CI 1.34〜1.64),心血管 疾患死(HR 1.36,95% 1.22 〜 1.52),冠 動 脈 疾 患( HR 1.54,95%CI 1.31〜 1.82), 脳 卒 中( HR 1.44,95%CI 1.28〜1.61)の発症リスクが増 加する. 肥満手術により心血管イベント の発症が抑制された. 生活習慣改善強化介入は,新規 糖尿病発症を抑制したが,心血 管イベント・総死亡(95%CI 0.53〜1.06)の発症リスクの減 少は認められなかった. 中間解析[9.6年(中央値)]の結 果,一次エンドポイントの発症 に 2 群 間( HR 0.95,95%CI 0.83〜1.09)で有意差なく,試 験中止となった. 強化療法群で,脳卒中発症リス クのみ減少を認めた(HR 0.62, 95%CI 0.39〜0.98)が,その 他の冠動脈疾患と細小血管症に は両群間で有意差は認められな かった. 肥満手術群で,心血管イベント の発症リスクが減少した(HR 0.39,95%CI 0.29〜0.51). 肥満手術により大血管症の発症 リスクが有意に抑制された(HR 0.68,95%CI 0.54〜0.85). HbA1c値1%減少により,糖尿 病関連イベントの発症リスクが 21%,糖尿病関連死31%,心筋 梗塞14%,細小血管症37%減 少した.

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対 象

方 法

結 果

(19)

33)Selvin E et al, 2004 メタアナリシス [レベル 2] 34)Ray KK et al, 2009 メタアナリシス [レベル 1+] 35)Turnbull FM et al, 2009 メタアナリシス [レベル 1+] 36)Boussageon R et al, 2011 メタアナリシス [レベル 1+] 37)Hemmingsen B et al, 2013 メタアナリシス [レベル 1+] 38)Kähler P et al, 2014 メタアナリシス [レベル 1] HbA1c値と心血管イベント発 症について検討を行った13の 前向きコホート研究(1型糖尿病 1,688人,2型糖尿病7,435人). 2型糖尿病(33,040人)を対象 に し た5件 のRCT(UKPDS, PROactive,ADVANCE,VADT, ACCORD)[東アジア人を対象 とした研究を含む]. 2型糖尿病を対象にした4件の RCT( UKPDS,ADVANCE, VADT,ACCORD;2型糖尿患 者27,049人)[東アジア人を対 象とした研究を含む]. 2型糖尿病患者を対象に血糖強 化療法の心血管イベント発症リ スクを評価した13件のRCTに よるメタアナリシス(2型糖尿病 患者34,533人)[日本人を対象 とした研究を含む]. 2型糖尿病患者を対象に血糖強 化療法の心血管イベント発症リ スクを評価した28件のRCTに よるメタアナリシス(2型糖尿病 患者34,912人)[日本人を対象 とした研究を含む]. 1型糖尿病患者を対象に血糖強 化療法の有用性を検証した18 件のRCTによるメタアナリシス (1型糖尿病患者2,254人). 糖尿病型別に,HbA1c値と心血 管疾患(冠動脈疾患,脳卒中)の 発症リスクとの関連を検討. 血糖強化療法 vs. 通常療法.主 要評価項目:非致死的心筋梗塞, 冠動脈疾患(非致死的および致 死的心筋梗塞),脳卒中,総死亡. 血糖強化療法vs通常療法.主要 評価項目:複合主要心血管イベ ント(心血管疾患死,非致死的心 筋梗塞,非致死的脳卒中). 血糖強化療法 vs. 通常療法.一 次エンドポイント:総死亡,心血 管疾患死,二次エンドポイント: 複合大血管症.二次エンドポイ ント:非致死的心血管疾患,細小 血管症,重篤な低血糖. 血糖強化療法 vs. 通常療法.一 次エンドポイント:総死亡,心血 管疾患死.二次エンドポイント: 非致死的心血管疾患,細小血管 症,重篤な低血糖. 血糖強化療法 vs. 通常療法.一 次エンドポイント:総死亡,心血 管疾患死,二次エンドポイント: 複合大血管症. HbA1c値1%上昇により,心血 管疾患の発症リスクが1型糖尿 病で15%,2型糖尿病で18%増 加した. 強化療法群では,非致死的心筋 梗 塞 17%( OR 0.83,95%CI 0.75〜0.93),冠動脈疾患15% ( OR 0.85,95%CI 0.77〜 0.93)発症リスクの減少を示し たが.脳卒中と総死亡の抑制効 果は認められなかった. 強化療法群では心血管イベント の発症リスクが9%減少(HR 0.91,95%CI 0.84〜 0.99), 心 筋 梗 塞 が15%(HR 0.85, 95%CI 0.76〜0.94)減少した が,脳卒中,総死亡,心血管疾患 死の抑制効果は認められなかっ た. 血糖強化療法は,総死亡(RR 1.04,99%CI 0.91〜 1.19), 心 血 管 疾 患 死( RR 1.11, 95%CI 0.86〜1.43)の発症リ スクに影響を及ぼさなかった. しかしながら,非致死的心筋梗 塞(RR 0.85,95%CI 0.74〜 0.96),細小血管症の発症リス クを抑制し,重篤な低血糖の発 症リスクは約2倍増加した. 一次エンドポイントの発症リス クは,両群間で有意差を認めな か っ た;総 死 亡 RR 1.00, 95%CI 0.92〜1.08,心血管疾 患死RR 1.06,95%CI 0.94〜 1.21.一方,血糖強化療法によ り ,非 致 死 的 心 筋 梗 塞( RR 0.87,95%CI 0.77〜0.98)と 下 肢 切 断( RR 0.65,95%CI 0.45〜0.94)の発症リスクが低 下し,重篤な低血糖リスクが 2.18倍増加した. 一次エンドポイントの発症リス クは,両群間で有意差を認めな か っ た;総 死 亡 RR 1.16, 95%CI 0.65〜2.08, 心血管疾 患死RR 0.49,95%CI 0.19〜 1.24.二次エンドポイントであ る複合大血管症の発症リスクは, 血糖強化療法群で有意に減少し た(RR 0.63,95%CI 0.41〜 0.96)が,低血糖の出現リスク も有意に増加した(RR 1.40, 95%CI 1.0〜1.94).

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