大学生の疲労自覚症状について(第1報) -運動習慣・食生活との関連-
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第59巻 第2号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.59,No.2. 平成21年2月 February,2009. 大学生の疲労自覚症状について(第1報) 一運動習慣・食生活との関連−. 芝木美沙子・同 僚吾*・竹下美奈子・笹嶋 由美 北海道教育大学旭川枚 臨床医科学・看護学教室 *拓殖大学北海道短期大学. ASurveyonSubjectiveSymptomsofFatigueamongUniversityStudents −TheRelationshipbetweenHabitualExerciseandEatingHabits−. SHIBAKIMisako,OKAKengo*,TAKESHITA MinakoandSASAJIMAYumi DepartmentofClinicalScienceandNursing,AsahikawaCampus,HokkaidoUniversityofEducationAsahikawaO70−8621. *TakushokuUniversityHokkaidoJuniorCollege. 要 旨 日本人の健康意識は高まり,心身共に健康で,いきいきとした日々の生活ができることこそ健康であると いう,積極的な健康観が定着してきた。しかし,大学生では,生活のリズムが乱れやすく,望ましい生活習 慣が実践されていないことが考えられる。そこで,大学生の運動習慣や食生活と疲労自覚症状の関係を明ら かにすることを目的に調査を実施した。. 大学生845名を対象に2007年12月に質問紙調査を実施した。回答数は488吾βであり,回収率は57.8%であっ た。 運動習慣がある者は33.4%で,男性48.3%,女性19.4%であり,男性の方が運動習慣がある者が多かった。. しかし,7割近くは運動習慣がなく,日常生活で運動を習慣化することが必要である。喫煙習慣では「喫煙 群」が15.0%,朝食では「食べない」者が23.6%,間食・夜食では「毎日食べる」者が17.4%であった。疲 労自覚症状では,訴えのない者は6.6%とわずかであり,ほとんどの者が何らかの自覚症状を訴えていた。 そしてこれら疲労自覚症状は,運動習慣がなく,朝食を摂取しない者,間食・夜食を摂取する者などで有意 に訴える者が多くなっていた。. Ⅰ.緒 言 日本人の平均寿命は最近著しく伸び,わが国は 今や世界一の長寿国となった。これは,医学,薬. 学の進歩,医療,衛生環境の改善,社会・経済水 準の向上などいろいろな要因によるものである。 こうした中,我が国は「健康日本21」等の政策に. より,食事・運動・休養・喫煙・飲酒など生活習. 123.
(3) 芝木美沙子・岡. 健吾・竹下美奈子・笹嶋 由美. 慣における様々な項目で目標値を掲げ,国民の健. 自覚症状に及ぼす影響を明らかにすることを目的. 康上昇に努めている。国民の健康意識も高まり,. とした。本報では,運動習慣と食生活との関連に. また,健康観も変容してきた。従来,単に病気で. ついて報告する。. ない,病弱でないという,いわば消極的な健康観. であったものが,現代では,心身共に健康で,い きいきとした日々の生活ができることこそ健康で. あるという,積極的な健康観となった。 そのような社会認識自体は喜ぶべきことである. Ⅰ.研究対象および方法 北海道教育大学旭川校の学部生845名を対象と し,2007年12月に調査を実施した。調査方法は,. が,一方で生活習慣,食生活習慣の乱れが問題と. 無記名自己記入式の質問紙を各ゼミナールに配布. なっている1)2)。拡大する外食産業や深夜営業の. し,記入後直接回収した。. コンビニエンスストアなど,社会環境の変化も後. 調査内容は①運動習慣,②生活習慣,③食生活,. 押しをして,食生活の欧米化が一層進んでいる。. ④疲労自覚症状などで,疲労自覚症状は,24項目. そして,行き過ぎた高カロリー食,高脂肪食など. から構成されている青年疲労自覚症状尺度. が誘因となり,高血圧,高脂血症,虚血性心疾患, 脳卒中,がん,糖尿病などのいわゆる生活習慣病. が増え,死亡原因の上位を生活習慣病が占めるよ. (SFS−Y:SubjectiveFatigueScaleforthe Youngadults)を用いた。 調査結果の解析はズ2検定,t検定を行い,有. うになった。かつては成人病と呼ばれ,成年に達. 意水準5%をもって差があるとした。なお,集計. すると共に発症する病気に対する意味合いが強く. および統計解析にはMicrosoft Excelおよび. あった。しかし,研究者の調査や諸外国との比較. Excelアンケート太閤Ver.3.0を使用した。. 研究により,それらの病気が単なる加齢現象とい うよりも,生活習慣のゆがみが積み重なって起こ る疾患,という意味合いが強いことが明らかに なってきた。. 日本人の健康志向は高まっているが,若者の健. Ⅱ.結 果 1.調査対象者の概要 回収数は48き掴ミ(男性236名,女性252名)であり,. 康観はまだ低く,今の生活習慣が一生涯の健康に. 回収率は57.8%であった。性別でみると,男性. 関わるという認識は薄い。平成17年国民健康・栄. 48.4%(236名),女性51.6%(252名)であった。. 養調査3)によれば,朝食の欠食率が20歳代で高い。. 学年別にみると1年生28.9%(141名),2年生. また,運動習慣のある者(運動週2回,1回30分. 27.7%(135名),3年生25.2%(123名),4年生. 以上,1年以上継続している者)は,男性は40代,. 17.8%(87名)であり,4年生がその他の学年の. 30代に次いで20代が18.5%と少なく,女性は30代. 約7割と少なかった。. に次いで20代では14.6%と少なかった。このよう. 居住形態別では,一人暮らしが49.0%(239名). に20代は,食生活や生活習慣が良好とはいい難い。. と最も多く,家族と同居26.0%(127名),寮12.9%. 特に大学生は,一人暮らしを始める者が多く,自. (63名),下宿10.9%(53名),その他1.0%(5名). 分で食事を管理することに初めて直面している者. であった。「家族と同居」「下宿」を『食事提供群』,. がほとんどであり,食の知識や経験に乏しい。し. 「一人暮らし」「寮」「その他」を『非食事提供群』. かも多くの学生は,部活・サークル活動やアルバ. とすると,『食事提供群』36.9%(180名),『非食. イトなどを行っており,生活のリズムも崩れやす. 事碇供群』62.9%(307名)であった。. く,望ましい生活習慣は実践されていないことが 考えられる。 このため,本研究は,大学生の生活習慣が疲労. 124. 部活動・サークルの所属別にみると,運動系 53.1%(259名),文化系10.5%(51名)であった。 性別でみると,運動系は男性72.5%(171名)に.
(4) 大学生の疲労自覚症状について(第1報). 対し,女性34.9%(88名)と,男性の方が運動系. 8時11分と,『食事碇供群』が有意に早く起床し. に所属している者が有意に多かった(p<0.001)。. ていた(p<0.01)。運動習慣の有無では有意差. 学年別では有意差はなかった。. はなかった。. 就寝時刻の平均は1時3分で,1時までに就寝 している者は34.6%(169名)であった。性別で. 2.運動習慣について. 本調査では,週2回以上,1回30分以上運動を. みると,男性は平均1時14分に対し,女性は0時. している者を「運動習慣あり」としたところ,運. 52分と,女性の方が有意に早く就寝していた. 動習慣がある者は33.4%(163名)であった。性. (p<0.01)。食事提供の有無・運動習慣の有無. 別でみると,男性が48.3%(114名),女性が19.4%. では有意差はなかった。 起床時刻と就寝時刻から睡眠時間を計算したと. (49名)と有意に男性の方が運動習慣のある者が. 多かった(p<0.001)。学年別にみると,運動習. ころ,平日の睡眠時間の平均は7時間で,7時間. 慣がある者は,1・2年生38.0%(105名)に対し,. 以上睡眠している者は58.0%(283名)であった。. 3・4年生27.1%(57名)と,1・2年生の方が. 性別,食事碇供の有無,連動習慣の有無では有意. 運動習慣がある者が有意に多かった(p<0.05)。. 差はなかった。. 生活時間全体をみると,8時までに起床し,1. 部活動等の所属別に見ると,運動習慣がある者は,. 運動系所属59.1%(153名)に対し,運動系に所. 時までに就寝し,7時間以上睡眠している者を生. 属していない者では4.4%(10名)と,運動系所. 活時間『良好群』としたところ,18.0%(88名). 属の方が運動習慣がある者が有意に多かった. であった。居住形態別にみると,『良好群』は『食. (p<0.001)。居住形態別では有意差はなかった。. 事碇供群』23.3%(42名)に対し,『非食事碇供群』. 運動習慣があるとした者の1週間の運動日数は. 15.0%(46名)と,『食事提供群』の方が生活時. 2∼7日で,平均3.8日であった。1日の運動時. 間『良好群』が有意に多かった(p<0.05)。性別,. 間は30分∼8時間で,平均2時間18分であった。. 運動習慣の有無では有意差はなかった。. 3.生活習慣について. 2)喫煙について 喫煙について,「毎日吸う」が12.5%(61名),. 1)生活時間について(表1). 起床時刻の平均は8時3分で,8時までに起床. 「時々吸う」2.5%(12名),「過去に吸ったこと. している者は44.1%(215名)であった。性別で. あり」6.4%(31名),「吸わない」76.6%(374名). みると,男性は平均8時19分に対し,女性は7時. であった。「毎日吸う」「時々吸う」を『喫煙群』, 「過去に吸ったことあり」「吸わない」を『非喫. 47分と,女性の方が有意に早く起床していた. 煙群』とした場合,『喫煙群』15.0%(73名),『非. (p<0.01)。食事碇供の有無でみると,『食事碇. 供群』が平均7時49分に対し,. 喫煙群』83.0%(405名)であった。性別でみると,. 『非食事提供群』 表1. 生活時間 時:分. 食事提供の有無. 性別 全体. 女. 男. 検定 食事 提供群 非食事 あり 提供群なし 検定検定. n=488. n=180 n=307. 起床時刻. 8:03. 8:19. 7:47. 就寝時刻. 1:03. 1:14. 0:52. 睡眠時間 7’00’. 運動習慣の有無 運動習慣. 7’05’. 7:49. ** ** 6’56’. 1:00 n.S.. 6’49’. 8:11 1:05 7’06’. n=200 n=281 **. 8:02. n.S. n.S.. 0:52 7’09’. 8:04 1:07 6’56’. n.S. n.S. n.S.. (n.s.非有意,*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001). 125.
(5) 芝木美沙子・岡. 健吾・竹下美奈子・笹嶋 由美. 男性では『喫煙群』23.7%(56名)に対し,女性. 女性19.8%(50名)と,男性の方が「食べない」. は6.7%(17名)と,男性の方が『喫煙群』が有. 者が有意に多かった(p<0.05)。運動習慣の有. 意に多かった(p<0.05)。運動習慣の有無でみ. 無でみると,「食べない」は,「運動習慣あり」16.0%. たが,有意差はなかった。学年別でみると『喫煙. (26名)に対し,「運動習慣なし」27.4%(87名). 群』が1年生6.4%(9名),2年生15.6%(21名),. と,「運動習慣なし」の方が「食べない」が有意. 3年生15.4%(19名),4年生26.4%(23名)で. に多かった(p<0.01)。食事提供の有無でみると,. あり,1年生で「過去に吸ったことあり」という. 「食べない」は,『食事提供群』11.7%(21名). 者が5.7%(8名)いた。1・2年生と3・4年. に対し,『非食事提供群』30.6%(94名)と,『非. 生で比較してみると,『喫煙群』は1・2年生. 食事碇供群』の方が「食べない」が有意に多かっ. 10.9%(30名)に対し,3・4年生20.5%(43名). た(p<0.001)。起床時刻との関連をみると,毎. と,3・4年生の方が『喫煙群』が有意に多かっ. 日食べる者の起床時刻は平均7時35分なのに対. た(p<0.01)。. し,摂取しない辛があるは平均8時26分と有意に 遅かった(p<0.01)。. 3)飲酒について. 昼食の摂取状況は,「毎日食べる」者が90.0%. 飲酒について,「毎日」と回答した者が1.2%(6. (439名),「週数回食べる」7.4%(36名),「食べ. 名),「過半分以上」4.3%(21名),「週1∼3日」. ない」1.0%(5名)であった。夕食の摂取状況は,. 27.3%(133名),「月1∼3日」52.5%(256名),. 「毎日食べる」者が90.2%(440名),「週数回食 べる」7.0%(34名),「食べない」1.0%(5名). 「なし」12.1%(59名)であった。「毎日」「過半 分以上」「週1∼3日」を『習慣群』,「月1∼3日. 」. であった。昼食,夕食ともに,性別,食事碇供の 有無,運動習慣の有無では有意差はなかった。. 「なし」を『非習慣群』とした場合,『習慣群』. 朝食・昼食・夕食ともに週数回以上食べる者は. は32.8%(160名),『非習慣群』64.5%(315名) であった。性別でみると,男性では『習慣群』が. 73.4%(358名)であり,3食ともに毎日必ず食. 38.6%(91名)に対し,女性27.4%(69名)であ. べる者は41.2%(201名)であった。. り,男性の方が『習慣群』が有意に多かった(p. 間食・夜食の摂取状況は,「毎日食べる」者が. <0.05)。運動習慣の有無でみると,「運動習慣あ. 17.4%(85名),「時々食べる」67.2%(328名),「食. り」では『習慣群』41.7%(68名)に対し,「運. べない」13.5%(66名)であった。運動習慣の有. 動習慣なし」では28.3%(90名)と,「運動習. 慣. 無でみると,「運動習慣あり」では,「毎日食べる」. あり」の方が『習慣群』が有意に多かった(p<. が11.0%(18名)に対し,「運動習慣なし」では. 0.005)。学年別でみると,『習慣群』が1年生29.8%. 20.4%(65名)と「毎日食べる」者が摂取しない. (42名),2年生34.1%(46名),3年生29.3%(36. 辛がある者に比べて多かった(p<0.01)。性別,. 名),4年生40.2%(35名)であり,学年別では. 食事碇供の有無で有意差はなかった。また,3食. 有意差はなかった。. 毎日摂取している者と,食べない辛がある者では 有意差はなかった。. 4.食生活について 1)食事の摂取状況について 朝食の摂取状況は,「毎日食べる」者が44.1% (215名),「週数回食べる」30.7%(150名),「食. 2)外食の利用について 朝食時の外食(コンビニ・ファーストフードを 含む。以下同じ)の利用状況は,「ほとんど毎日」. べない」23.6%(115名)であり,摂取しない辛. 3.1%(15名),「週2∼3日」21.5%(105名),「月. がある者は54.3%(265名)であった。性別でみ. 2∼3回」23.4%(114名),「その他(年に数回等)」. ると,「食べない」は,男性27.5%(65名)に対し,. 1.2%(6名),「外食しない」48.8%(238名)で. 126.
(6) 大学生の疲労自覚症状について(第1報). あった。「ほとんど毎日」「週2∼3回」を『よく 外食する』,「月2∼3回」「その他(年に数回等)」. 3)インスタント・調理済み食品の利用について インスタント・調理済み食品の利用状況につい. 「外食なし」を『あまり外食しない』とすると,『よ. ては,「よく利用する」が17.6%(86名),「多い方」. く外食する』が24.6%(120名)であった。性別・. 34.8%(170名),「あまり利用しない」38.3%(187. 運動習慣の有無・食事碇供の有無では有意差はな. 名),「利用なし」7.6%(37名)であった。「よく. かった。. 利用する」「多い方」を『利用群』,「あまり利用. 昼食時の外食の利用状況は,「ほとんど毎日」. しない」「利用なし」を『非利用群』とすると,『利. 27.9%(136名),「週2∼3日」43.0%(210名),. 用群』は52.5%(256名)であった。性別でみると,. 「月2∼3回」19.1%(93名),「その他年に数回. 男性では『利用群』61.9%(146名)に対し,女. 等)」1.6%(8名),「外食しない」6.8%(33名). 性43.7%(110名)と,男性の方が『利用群』が. であった。「ほとんど毎日」「週2∼3回」を『よ. 有意に多かった(p<0.001)。運動習慣の有無,. く外食する』,「月2∼3回」「その他(年に数回等)」. 食事提供の有無では有意差はなかった。. 「外食なし」を『あまり外食しない』とすると,『よ く外食する』が70.9%(346名)であった。性別・. 運動習慣の有無では有意差はなかった。食事提供. 4)炭酸飲料水の摂取について. 炭酸飲料水の摂取について聞いたところ,「よ. の有無でみると,『食事提供群』では『よく外食. く飲む」と回答した者が11.5%(56名),「飲むこ. する』65.0%(117名)に対し,『非食事碇供群』. とが多い」21.3%(104名),「あまり飲まない」. 74.3%(228名)と,『非食事碇供群』が『よく外. 48.8%(238名),「飲まない」17.8%(87名)であっ. 食する』者が有意に多かった(p<0.05)。. た。「よく飲む」「飲むことが多い」を『摂取群』,. 夕食時の外食の利用状況は,「ほとんど毎日」. 「あまり飲まない」「飲まない」を『非摂取群』. 4.7%(23名),「週2∼3回」39.1%(191名),「月. とすると,『摂取群』32.8%(160名),『非摂取群』. 2∼3回」38.9%(190名),「その他(年に数回等)」. 66.6%(325名)であった。性別でみると,男性. 1.8%(9名),「外食しない」13.7%(67名)であっ. が『摂取群』4臥7%(115名)に対し,女性17.9%. た。「ほとんど毎日」「週2∼3回」を『よく外食. (45名)と,男性の方が『摂取群』が有意に多かっ. する』,「月2∼3回」「その他(年に数回等)」「外. た(p<0.001)。運動習慣の有無でみると,「運. 食なし」を『あまり外食しない』とすると,『よ. 動習慣あり」が『摂取群』40.5%(66名)に対し,. く外食する』が43.9%(214名)であった。性別. 「運動習慣なし」28.0%(89名)と,「運動習慣. でみると,男性では『よく外食する』が52.5%(124. あり」の方が『摂取群』が有意に多かった(p<. 名)で,女性では35.7%(90名)と,男性の方が. 0.01)。食事碇供の有無では有意差はなかった。. 『よく外食する』者が有意に多かった(p<0.001)。. 運動習慣の有無では有意差はなかった。食事提供 の有無でみると,『食事提供群』は『よく外食する』. 5.疲労自覚症状 本調査では,青年用疲労自覚症状を用い,症状. 33.3%(60名)に対し,『非食事提供群』49.8%(153. があれば○,なければ×という2択式で,○のみ. 名)と,『非食事提供群』が『よく外食する』者. を訴えありとみなした。. が有意に多かった(p<0.001)。. 朝食・夕食の外食の利用状況をみると,朝食・ 夕食ともに週2∼3回以上利用する者は50.4% (246名)であった。. 疲労自覚症状24項目で何らかの訴えがあった者. は92.0%(449名)であり,自覚症状がない者は 6.6%(32名)であった。性別でみると,男性89.0%. (210名)に対し,女性が94.8%(239名)と,女 性の方が有意に訴えが多かった(p<0.05)。運 動習慣の有無でみると,「運動習慣あり」87.1%. 127.
(7) 芝木美沙子・同 僚吾・竹下美奈子・笹嶋 由美. (142名)に対し,「運動習慣なし」94.7%(301名). の外食の利用状況では,週2・3回以上利用する. と,「運動習慣なし」の方が有意に多かった. 者の方がⅢ群「だるさ」が46.3%(114名)と有 意に多く訴えていた(p<0.05)。学年,喫煙,. (p<0.01)。. 飲酒では有意差がある群はなかった。 1)各群の訴え(表2). それぞれの群で何らかの訴えがあった者は,Ⅰ. 2)各群の項目別疲労自覚症状の訴え(表3) 全体で見ると,Ⅴ群の「ねむい」が70.9%(346. 群「集中思考困難」58.0%(283名),Ⅲ群「だる さ」40.2%(196名),Ⅲ群「意欲低下」38.3%(187. 名)と最も多く,次いでⅤ群の「あくびが出る」. 名),Ⅳ群「活力低下」50.2%(245名),Ⅴ群「ね. 57.0%(278名),Ⅵ群の「限が疲れる」51.0%(249. むけ」82.6%(403名),Ⅵ群「身体違和感」は66.6%. 名)などであった。. それぞれの群で最も多かった訴えは,Ⅰ群「集. (325名)であった。. 性別では,Ⅵ群「身体違和感」で女性の方が訴. 中思考困難」では,「集中力がない」44.9%(219. えている者が有意に多かった。連動習慣の有無で. 名),Ⅲ群「だるさ」では,「全身がだるい」24.6%. みると,全ての群で運動習慣がない者の方が訴え. (120名),Ⅲ群「意欲低下」では,「憂鬱である」. ている者が有意に多かった。朝食の摂取状況では,. 25.8%(126名),Ⅳ群「活力低下」では,「動く. 摂取しない辛がある者の方がⅠ群「集中思考困. のが面倒」35.5%(173名),Ⅴ群「ねむけ」では,. 難」,Ⅲ群「だるさ」,Ⅳ群「活力低下」,Ⅴ群「ね. 「ねむい」70.9%(346名),Ⅵ群「身体違和感」. むけ」で訴えている者が有意に多かった。3食の. では,「限が疲れる」51.0%(249名)であった。. 性別でみると,男性に有意に訴えが多かったの. 食事の摂取状況では,摂取しない辛がある者の方 がⅠ群「集中思考困難」,Ⅲ群「だるさ」,Ⅳ群「活. は「無口になっている」で,女性に有意に訴えが. 力低下」,Ⅴ群「ねむけ」で訴えている者が有意. 多かったのは「肩がこっている」「限がしょぼしょ. に多かった。間食・夜食の摂取状況では,毎日食. ぼする」であった。. べる者の方がⅢ群「だるさ」が52.9%(45名)と. 学年別に1・2年生と3・4年生で比較してみ ると,1・2年生に有意に訴えが多かったのは「無. 有意に多く訴えていた(p<0.05)。朝食・夕食. 表2 群別疲労自覚症状 名(%). 性 別. 運動習慣の有無. 女 検定 あり なし 検定 毎日摂取. 全体. n=163 n=318. n=488 283. 148 n.S.. 92 104. 187 Ⅲ群:意欲低下. 93. 94. 245 110 135. n.S.. (82.6) (81.8) (83.3). 325 Ⅵ群:身体違和感. 140. 田. ***. 86 155. (44.7) (55.1). **. (42.8) (55.8). 163 232. 田 273 *. 243 ***. ***. (77.3) (85.8). (75.8) (87.5). 231 (55.2) (72.6). n.S.. *. (75.1) (87.4). 140 181 ***. (66.6) (59.3) (73.4). 70 116 (34.8) (41.7). 146 **. (40.5) (56.0). **. n.S.. (35.8) (41.1). 178. 403 193 210 Ⅴ群:ねむけ. 129 (33.3) (46.4). 109. n.S.. (50.2) (46.6) (53.6). 四 田 *** (47.3) (66.5). **. **. (29.4) (43.1). 検定. 摂取 n=201 n=278. (34.0) (46.4). 48 137 n.S.. Ⅳ群:活力低下. 3食必ず. 73 123. (31.9) (45.0). (38.3) (39.4) (37.3). 検定. (47.4) (67.2) **. n.S.. (40.2) (39.0) (41.3). い事あり. 食事摂馴犬況. 102 田 ***. 団 200 ** 52 143. Ⅱ群:だるさ. 摂取しな n=215 n=265. (49.1) (62.9). Ⅰ群:集中思考困難. 朝食摂取. 132 189 n.S.. (65.1) (68.3). n.S.. (65.7) (68.0). (n.s.非有意,*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001) 128.
(8) 大学生の疲労自覚症状について(第1報). ⊂=. ⊂=. ⊂=. 碁 碁 ロ ロ 碁 碁 ロ ロ ロ ロ. ⊂= 碁. ⊂=. ⊂=. ⊂= ⊂=. ⊂=. ⊂=. ⊂=. 乾. .. =還. ご. ■≒ ̄ ⊂= ⊂= ⊂= ⊂= ⊂= 碁 碁. てナ 乾. 堪. 山 てナ ( てナ ( L∫つ ( てナ [、 ( ▼■■■■1 ( てナ ( [、 ( ⊂⊃ ( m ( Cく〉 ( L∫つ ⊂⊃ ( L∫つ ( Cく〉 ( ▼■■■■1 ( m ( Cく〉 ( [、 ( OC. 寸. 〔. =. N N. N. N[−. 〔. N. N L∫つ. 讐 千 て 讐 千 讐 て 「 て 「 ? で 「 匡 [Ⅱl ⊂⊃ 国 Cく〉 てナ ⊂⊃ 国 L∫つ 国 [− 同 く.こ) 同 Cく〉 L∫つ Cく〉 く.こ) [− 国 J酔已 L∫つ てナ 尉 腿 腿 てナ 馳 闘 腿 団 てナ てナ 配 閲 く.こ) く.こ) L∫つ てナ L∫つ てナ てナ 馳. ▼・・・」 m. ▼・・・」 N. =. 寸. m N. ご」⊂丁. m L∫つ. に. Cく〉 ( ⊂⊃ ( [、 ( ⊂⊃ L∫つ N. 十. 寸. 寸. 寸. m L∫つ. N L∫つ. ︵T0〇.〇>d器器 器 . 岩 . 〇 > d 器 龍. 1・■、・. 賀 斗く 掴 顔く ロ ロ ロ ロ ロ 碁 碁 碁 碁 碁 ロ ロ ロ ロ 碁碁ロ. 宮.〇>d器.鞭障皿≠.S.u︶. ベ鴇e半場顆皿森壊コ叫皿四 M脈 題 超. †、申 臼. 簑. 匡. 十H. e. トノ. 臼 昔− ノべ田 闘 一誌・蝶首唱与柑 匡1. 競. 臼盲捻・鞭養型ト. ・ト 編 吏. ロ. †、申 臼. †、申 鎧 ≦=\ 忌 ぐ ・」‘ 十づ. †十 目盲捻・‡」岬れノ. †、申. 超 ぐ. †、申. ≧盲捻・〉延・R型ト. ロ >盲捻・−疋1∋士. ... ■■■凛垣些■・ ̄・.
(9) 芝木美沙子・岡. 健吾・竹下美奈子・笹嶋 由美. 口になっている」「何もしたくない」「ねむい」で. 男性と比較して,運動系の部やサークルに所属し. あり,3・4年生に有意に多い訴えはなかった。. ている者が多いためと思われる。また,1週間の. 運動習慣でみると,「運動習慣あり」の者より. 運動日数は平均が3.8日,1日の運動時間は平均. も「運動習慣なし」の方が有意に訴えが少なかっ. 2時間18分であり,部やサークルにおける練習時. たものはなく,有意に訴えが多かったものが16項. 間とほぼ同じであった。今回の調査では,運動系. 目あった。特にⅣ群,Ⅵ群は全ての項目で「運動. の部やサークルに所属していない者は運動習慣が. 習慣なし」の方が有意に訴えが多かった。. ほとんどなく,全体では7割近くの者が運動習慣. 喫煙についてみると,喫煙習慣がある者の方が. がなかった。大学生の多くは,日常生活で運動を. Ⅲ群の「全身がだるい」,Ⅳ群の「何もしたくない」. 習慣化することが必要であると理解しながらも,. で有意に訴えが多かった(共にp<0.05)。. 実際には「疲れる」「おっくうだ」「時間や場所の. 飲酒習慣でみると,週に1回以上飲む者の方が. 確保が難しい」などの理由でなかなか実行に至ら. Ⅰ群の「集中力がない」,Ⅳ群の「動くのが面倒」. ない者も少なくない。まず,行動を起こすために. で有意に訴えが多かった(共にp<0.05)。. は,その動機づけ,また連動が容易に行える施設. 朝食摂取状況との関連をみると,朝食を毎日摂 取している者の方が有意に訴えが多い項目はな. や時間づくり等,環境を整えることが必要だと考 える。. く,摂取しない辛がある者の方が有意に訴えが多 かったものが9項目あった。. 3食の食事摂取状況でみると,3食必ず摂取す. 2.生活習慣について 平日の平均起床時刻は8時3分で,平均就寝時. る者の方が有意に訴えが多い項目はなく,3食で. 刻は1時3分であり,平均睡眠時間は7時間で. 摂取しない辛がある者の方が有意に訴えが多かっ. あった。起床時刻は,大学の1講目の開始時間が. たものは12項目あった。. 9時であることが関係していると思われる。また,. 間食・夜食の摂食状況でみると,食べる事もあ. 男性が女性より遅く就寝し,起床も遅かった。起. る者の方が有意に訴えが多い項目はなく,毎日摂. 床時間の違いは,朝食摂取では男女で有意差がな. 食する者の方が有意に訴えが多かったものが8項. かったことから,女性が男性より支度に有する時. 目あった。. 間が長いことが関係していると考えられる。. 朝食・夕食での外食利用状況では,週2・3回. 喫煙の習慣について,『喫煙群』は15.0%であり,. 以上利用する者の方がⅢ群の「体が重い」で有意. 性別では,男性23.7%,女性6.7%であった。国. に訴えが多かった(p<0.05)。. 民健康・栄養調査3)による20代男性48.9%,女性 18.9%という結果と比較すると,今回の調査では. Ⅳ.考 察 1.運動習慣について. 運動習慣について,週2回以上,1回30分以上 運動している者を「運動習慣あり」としたところ, 「運動習慣あり」の者は33.4%で,性別では,男. 男女ともに約半分以下の値を示した。1988年の同. 大学の調査結果4)と比較すると,男性は51.6%か らほぼ半減している。一方,女性は4.7%から増. 加している。また,2004年の同大学の調査結果5) と比較すると,全体で13.6%だったものから微増 している。1988年から2004年の変化は,近年の社. 性48.3%,女性19.4%であり,平成17年の国民健. 会的要請を受けた大学構内の完全分煙や各施設等. 康・栄養調査3)による20代男子18.5%,女子. の禁煙化により,喫煙できる環境が少なくなって. 14.6%と比較すると,女性は有意差はなかったが,. いることが影響していると思われる。その後,2007. 男性は運動習慣がある者が有意に多かった。この. 年度までは同大学では新たな禁煙対策がとられな. 要因は,調査対象の男子大学生は,同年代の一般. かったため,ほとんど変化がなかったものと思わ. 130.
(10) 大学生の疲労自覚症状について(第1報). れるが,同大学は2008年4月より,敷地内全面禁. 33.1%,女性23.5%という結果より低い値となっ. 煙を実施しており,その効果が期待される。しか. た。大学生は登校時間が社会人より遅いことから,. し,未成年者がほとんどである1年生の『喫煙群』. 朝の時間にゆとりがあることが朝食欠食率の低さ. が6.4%,「過去に吸った事あり」5.7%と,未成. と関係していると考えられる。また,起床時刻と. 年者の喫煙習慣の問題が,今回の結果からも明ら. の関連をみると,朝食を毎日摂取する者は,摂取. かとなった。未成年者の喫煙防止対策の一環とし. しない事がある者より起床時刻が約50分早く,早. て,2008年7月より「taspo(タスポ)」対応の「成. 起きが朝食の摂取に結びついていた。食事碇供の. 人識別たばこ自動販売機」が全国で稼働しており,. 有無でみると,「食べない」は,『食事碇供群』. 今後未成年者の喫煙が減少する辛が期待されてい. 11.7%,『非食事碇供群』30.6%であり,食事が. る。. 用意されている環境であるほど朝食欠食率が低. 飲酒の習慣について,週1回以上飲む『習慣群』. かった。逆に用意されていなければ食べない,と. は32.8%であり,男性は38.6%,女性は27.4%で. いう学生もいるのではないかと推測される。最近. あった。国民健康・栄養調査6)では週1回以上飲. は,大人,子ども問わず,朝食欠食率が上がって. む者は20代男性39.2%,女性23.8%であったが,. いる。誰もが忙しく,生活のスタイルが夜型に移. 有意差はなかった。運動習慣の有無でみると,『習. 行していることが最大の原因だと考えられる。就. 慣群』は,「運動習慣あり」では41.7%で,「運動. 寝が遅いと睡眠不足で朝起きられず,食べる時間. 習慣なし」では28.3%であり,「運動習慣あり」. がない,食欲がない,ということにつながる。大. の方が『習慣群』が多かった。これは,未成年者. 学生では,朝食の時間を睡眠時間にあてたいと. がほとんどと思われる1年生の飲酒について,『習. 思っている者もいると思われる。しかし,朝食は. 慣群』が29.8%であったことから,1年生であっ. 午前中の活動を支える大切なエネルギー源とな. ても,運動系部活動・サークル特有の先輩との飲. る。朝食を欠食することは健康を害するだけでな. 酒機会があることや,外見からは年齢の区別が難. く,仕事の能率や学習の成績にも大きな影響を与. しいこと,大学生の飲酒に関して寛容な日本の環. える。大学生では,朝食の重要性を理解していな. 境が原因であると考えられる。未成年者の飲酒に. がらも,生活習慣の乱れから実践できない者が多. 関しては,発育・発達への影響を考慮して法律で. いと思われるが,規則正しい生活を心がけ,登校. も禁止されていることから,学生自身が飲酒に関. までの時間を長くとることで改善されると考え. する体への影響を理解し,モラルを持って行動す. る。. ることが望まれる。. 昼食では,阪田7)らの調査結果と同様,性別・ 食事提供の有無・運動習慣の有無で違いはなく,. 3.食生活について 食事摂取の方法についてみると,『非食事提供. 「毎日食べる」が90.0%と摂取率が高かった。こ. れは,学生のほとんどが昼食を学生食堂で食べる. 群』が62.9%と多かった。これは,調査を行った. 習慣がついているからだと考えられる。また,学. 大学が全国各地から学生が集まっているため,実. 生食堂に行くことで多くの友人と会うことがで. 家から通っている学生の方が少ないことが影響し. き,友人と会話をしながら食べるなど,楽しく過. ていると思われる。また大学周辺は,卜宿以上に. ごせる時間であることも昼食摂取率が高い理由の. 一人暮らしのアパートが多いため,居住形態別に. 一つだと考える。. みても,一人暮らしの者が49.0%と約半数を占め ていることが影響していると考えられる。 朝食では,「食べない」が男性27.5%,女性19.8% であり,国民健康・栄養調査3)における20代男性. 夕食では,性別・食事碇供の有無・運動習慣の 有無で違いはなく,「毎日食べる」が90.2%と,. 3食のうち最も摂取率が高かった。夕食は社交の 場として利用することも多く,朝食・昼食を欠食. 131.
(11) 芝木美沙子・岡. 健吾・竹下美奈子・笹嶋 由美. した者が夕食は摂取するということが関係してい. 同様に,今回の結果からも,朝食よりも夕食で「手. ると考えられる。また,根木ら8)は,主食・主菜・. 作り」志向者が多いためと思われる。食事碇供の. 副菜が揃った基本パターンの出現率が最も多いの. 有無でみると,『非食事提供群』の方が『よく外. は,夕食であったと報告している。国民栄養調査9). 食する』者が多かった。食事が用意されている環. では,「3人に2人が3食のうち最も大切にして. 境ほど『よく外食する』割合が低かった。逆に用. いる食事は夕食である」と報告しており,夕食を. 意されなければ外食の利用頻度も高くなることが. 重要視している者が多いことが,摂取率が高いこ. 推測される。. とに大きく影響していると思われる。しかし,3. インスタント・調理済み食品の利用について. 食ともに必ず摂取している者は41.2%と半数以下. は,『利用群』が52.5%であり,性別では,男性. であった。. 61.9%,女性43.7%と,男性の方が『利用群』が. 間食・夜食の摂取状況では,「毎日食べる」は. 多かった。男性の方が女性に比べ炊事習慣が少な. 17.4%と少なかったが,「時々食べる」が67.2%. く,食実践されていないといえる。また,男性の. と多く,毎日摂取しないまでも週に何日かは間. 方が食事に関して「手作り」志向が低いことがう. 食・夜食を摂取している者が多いことが明らかに. かがえた。. なった。山本ら10)の調査では,間食摂取の目的. 炭酸飲料水の摂取については,「よく飲む」「飲. として「空腹を感じるので」という回答が半数以. むことが多い」の『摂取群』が32.8%であり,性. 上を占めていた。間食・夜食の内容として,スナッ. 別では,男性48.7%,女性17.9%と,男性の方が. ク菓子や,容易に食べられる菓子パンなどが考え. 『摂取群』が多かった。五島ら12)の調査では,. られ,過剰にカロリーを摂取していることが推測. 男性が女性よりよく飲んでいたものは,炭酸飲料. される。間食・夜食の適切な内容・量,また適切. 水,スポーツ飲料水と報告しており,今回の調査. な時間帯などを考慮した摂取が行えるよう,知識. と同様であった。また,運動習慣の有無でみると,. 習得や教育の必要性を感じる。 朝食時の外食の利用状況は,『よく外食する』. 「運動習慣あり」が40.5%,「運動習慣なし」が 28.0%と「運動習慣あり」の方が『摂取群』が多. は24.6%であった。朝食欠食の理由として「時間. かった。五島ら12)の調査において,運動をして. がない」が大きな割合を占めている10)11)ことか. いる群によく飲まれていたものに,炭酸飲料水(運. ら,外食を利用する時間がない辛が推測される。. 動後)と報告されており,今回の調査からも,運. 昼食時は,『よく外食する』が約7割を占め, 3食の中で最も利用が多かった。大学の学食を利. 動後に炭酸飲料水を飲みたくなることが推測され る。. 用することが習慣化している学生が多いと考えら れる。また,食事提供の有無でみると,『非食事. 4.疲労自覚症状. 提供群』が『よく外食する』が多かった。『食事. 疲労自覚症状の訴えをみると,「自覚症状なし」. 提供群』はお弁当が用意され,持参している者が. という者は6.6%とわずかであり,ほとんどの者. いることが推測される。. は何らかの症状を訴えていた。性別では「自覚症. 夕食時は,『よく外食する』が43.9%であった。. 状あり」の者が男性より女性の方が有意に多く,. 夕食は3食の中で最も自炊しやすい時間的状況に. 他の調査結果5)と同様であった。運動習慣の有無. あるためと考えられる。また,国民栄養調査(20. では「運動習慣なし」の者の方が何らかの自覚症. ∼29歳の女性)9)の食生活についての調査項目「食. 状を訴える者が有意に多く,普段の運動習慣が疲. 事に望むこと」では,「手作りの料理」を望むと. 労自覚症状に影響を与えることが明らかとなっ. 答えた者は朝食35.7%,夕食71.0%と夕食では朝. た。. 食の約2倍の者が「手作りの科理」を望んでいた。. 132. 各群の訴えをみると,Ⅴ群「ねむけ」が最も高.
(12) 大学生の疲労自覚症状について(第1報). い訴えであった。大学生の夜型の生活と朝から講. 喫煙習慣との関連をみると,群別では有意差が. 義があることが関係していると考える。今回の調. ある群はなく,各項目別では,喫煙習慣がある者. 査対象者の平均睡眠時間は7時間と決して短くは. の方が有意に多かったものは2項目であった。ブ. ないが,日頃「ねむけ」を感じている学生が多かっ. レスローの健康習慣にも「喫煙をしない」辛があ. た。. げられており,身体に及ぼす影響についても理解. 運動習慣との関連を群別にみると,全ての群で. していると思われる。しかし,喫煙者は減少傾向. 運動習慣がない者の方が訴えている者が有意に多. にあるとはいえ,未成年者もいる大学生として. く,各項目別でも,16項目で有意に訴えている者. 15%という数値は低いとはいえない。今後とも禁. が多かった。運動は体力・運動能力の向上,体の. 煙対策に積極的に取り組む必要がある。. 健康のみならず,身体を動かすことで爽快感を感. 飲酒習慣との関連をみると,群別では有意差が. じるなどの心の健康にもつながる。運動をするこ. ある群はなく,各項目別では,週1回以上飲む者. とで何事にも意欲的になり,「活力低下」も改善. の方が有意に多かったものは2項目であった。飲. されると考える。また,連動習慣のない大学生は. 酒については,ブレスローの健康習慣でも「過度. 日常で全身を使った動きをすることが少なく,逆. の飲酒をしない」と飲酒そのものは否定されてい. にパソコンなど体を局部的に使うことが多いた. ないが,適切な飲酒を心がけなければならない。. め,「身体違和感」を感じる原因と考えられる。. また,未成年の飲酒については厳に戒めなければ. 山王丸ら13)も指摘している通り,適度な運動習. ならない。. 慣は基礎体力を維持する結果,速やかな疲労回復 につながるものと考えられる。. 食生活との関連では,朝食の摂取状況を群別に みると,4つの群で摂取しない辛がある者の方が. Ⅴ 結 語 北海道教育大学教育学部旭川校の学部生488名. 訴えている者が有意に多く,各項目別でも,9項. を対象に健康,運動習慣,生活習慣およびサプリ. 目で有意に訴えている者が多かった。他の調査14). メントの利用実態,疲労自覚症状についての調査. でも同様の結果が得られているが,朝食を欠食す. を実施し,次のような結果を得た。. ることと疲労症状の訴えに. (1)運動習慣ありの者は33.4%であり,男性. は関連性が認められ. た。また,3食必ず摂取している者と,摂取しな. 48.3%,女性19.4%であり,男性の方が運動週. い辛がある者を群別にみると朝食摂取と同様に4. 間がある者が多かった。しかし,7割近くは運. つの群で摂取しない辛がある者の方が訴えている. 動習慣がなく,日常生活で運動を習慣化するこ. 者が有意に多く,各項目別でも,12項目で有意に. とが必要と考える。. 訴えている者が多かった。間食や夜食の摂取状況. (2)平日の平均起床時刻は8時3分,平均就寝時. を群別にみると,Ⅲ群「だるさ」で毎日食べる者. 刻は1時3分であり,平均睡眠時間は7時間で. が有意に多く,各項目別でも,8項目で有意に訴. あった。. えている者が多かった。朝食・夕食の外食利用状. (3)喫煙の習慣について,『喫煙群』は15.0%で. 況を群別にみると,Ⅲ群「だるさ」で週2・3回. あり,男性は23.7%,女性は6.7%と男性が有. 以上利用する者の方が訴えている者が有意に多. 意に多かった。1年生の『喫煙群』が6.4%おり,. く,各項目別でも1項目で有意に訴えている者が. 若年層の喫煙習慣の問題が今回の結果からも明. 多かった。ブレスローの健康習慣でも「朝食を毎. らかとなった。. 日食べる」「間食をしない」ことが挙げられており,. (4)飲酒の習慣について,週1回以上飲む『習慣. 健康を維持するためには正しい食習慣を身につけ. 群』は32.8%であり,男性38.6%,女性27.4%. る必要がある。. と男性が有意に多かった。. 133.
(13) 芝木美沙子・岡. (5)未成年者がほとんどの1年生で飲酒の『習慣. 健吾・竹下美奈子・笹嶋 由美. どの者が何らかの自覚症状を訴えていた。性別. 群』が29.8%と多いことは問題である。学生自. では,女性の方が訴えている者が多く,運動習. 身が飲酒に関する体への影響を理解し,モラル. 慣の有無では運動習慣がない者の方が訴えてい. を持って行動することが望まれる。. る者が有意に多かった。. (6)朝食では,「食べない」が23.6%であり,男. ㈹ 疲労自覚症状と各群の訴えをみると,Ⅴ群「ね. 性27.5%,女性19.8%であり,男性の方が有意. むけ」が最も高い訴えであり,日頃「ねむけ」. に多かった。食事提供の有無でみると,「食べ. を感じている学生が多かった。. ない」は,『食事碇供群』11.7%,『非食事提供. ㈹ 疲労自覚症状と運動習慣の関連を群別にみる. 群』30.6%であり,食事が用意されている環境. と全て群で,項目別でも16項目で運動習慣がな. であるほど朝食欠食率が低かった。. い者の訴えが有意に多く,運動習慣が疲労予防. (7)朝食を毎日食べる者の平均起床時刻は7時35 分に対し,摂取しない辛がある者は8時26分と. や疲労回復につながっていると考えられる。. 仕刀 疲労自覚症状と朝食摂取の関連をみると,群. 有意に遅く,早起きが朝食の摂取に結びついて. 別では4つの群で,項目別では9項目で,朝食. いた。. を毎日摂取する者の方が疲労自覚症状の訴えが. (8)昼食では,「毎日食べる」が90.0%と摂取率. が高かった。学生のほとんどが昼食を学食で食 べる習慣がついているからと考えられる。 (9)夕食では,「毎日食べる」が90.2%と,摂取. 率が高かった。夕食は3食の食事の中で重視し ている者が多いためと思われる。. ㈹ 間食・夜食の摂取状況では,「毎日食べる」. 有意に少なく,朝食の欠食が疲労自覚症状に影 響を与えることが明らかとなった。. ㈹ 疲労自覚症状と間食・夜食摂取との関連をみ ると,群別では1つの群で,項目別では8項目 で,毎日食べる者の方が訴えが有意に多かった。 ㈹ 疲労自覚症状と. 喫煙習慣や飲酒習慣との関連. をみると,群別では有意差がある群はなかった. は17.4%であったが,「時々食べる」が67.2%. が,項目別でそれぞれ2項目,それらの習慣が. と多かった。間食・夜食の適切な内容・量,ま. ある者の方が有意に訴えが多かった。. た適切な時間帯などを考慮した摂取が行えるよ うにする必要がある。 仕方 外食の利用状況では,朝食時は『あまり外食. 以上のことから,運動習慣と食生活には関連が あり,運動習慣があるほど望ましい食生活を実践. しない』が約7割であったが,昼食時は『よく. してる者が多かった。また,疲労自覚症状と運動. 外食する』が約7割を占め,3食の中で最も利. 習慣や食生活との関係も明らかとなった。. 用が多かった。夕食時は『あまり外食しない』. が約5割を占めていた。. 健康志向が高まっている今日,大学生の生活習 慣や食生活の乱れは問題である。健康・運動・食. ㈹ インスタント・調理済み食品の利用について. 生活の大切さは認識しているにも関わらず,実践. は,『利用群』が52.5%であり,男性が61.9%,. できていない。今の生活習慣や食生活が一生涯の. 女性が43.7%と,男性の方が『利用群』が有意. 健康に関わることを理解し,時には危機感を持ち. に多かった。男性の方が女性に比べ炊事習慣が. 自分の生活を見直すことが望まれる。. 少ないためと思われる。. ㈹ 炭酸飲料水の摂取について,『摂取群』が 32.8%であり,男性は48.7%,女性17.9%と, 男性の方が『摂取群』が有意に多かった。. ㈹ 疲労自覚症状の訴えをみると,「自覚症状な し」という者は6.6%とわずかであり,ほとん. 134. <引用文献>. 1)佐藤公子,小田慈:看護学生の健康感と食生活の関連, 小児保健研究,66:649−656,2007 2)音成陽子,笠原成元,薮下美幸他:学生の生活習慣−.
(14) 大学生の疲労自覚症状について(第1報). 睡眠・朝食・運動−,流通科学研究,6:15−22,2007 3)厚生労働省:平成17年国民健康・栄養調査結果の概 要について,http://www.mhlw.go.jp/ houdou/2007/05/hO516−3a.htm1. 4)横田正義:青少年の喫煙について(第1報)教育大 学学生における喫煙の実態,北海道教育大学紀要(第. 二部C),41:21−34,1990 5)芝木美沙子,野館由紀子,笹嶋由美:大学生の健康. と生活習慣およびサプリメントの利用実態に関する調 査,北海道教育大学紀要(教育科学編),57:255−267, 2007 6)厚生労働省:平成16年国民健康・栄養調査報告,第 一出版(株),2006 7)阪田直美:女子学生の食習慣と健康意識,精華女子. 短期大学,30:25∼30,2004 8)板木芳子,福地香代子,神田聖子他:食行動に関す る研究(第一報)一女子大学生の居住環境と摂取行動・ 意識との関連−,共立女子大学家政学部紀要,49: 105−112,2003. 9)厚生省保健医療局地域保健・健康増進栄養課生活習 慣病対策室:国民栄養の現状(平成9年国民栄養調査 結果),第一出版(株),1999 10)山本信子,横溝佐衣子,平田真弓:女子学生の食生 活実態調査一平日と休日の比較,武庫川女子大紀要(自. 然科学),51:33∼44,2003 11)横山公通,宮崎康文,水田嘉美他:男子体育部学生 の朝食欠食要因,日本公衆衛生雑誌,49:902−909,2002 12)五島淑子,角田祐亮:大学生の飲み物に関する調査 一飲み物の種類と時間帯の分析−,山口大学研究論叢 (自然科学),54:15−29,2004 13)山王丸靖子,松原誠史,武藤慶子:生活習慣及び食. 生活から見た男子大学生の疲労自覚症状の実態につい て,県立長崎シーボルト大学看護栄養学部紀要,4: 11−21,2003. 14)田中光,相原朋枝:女子大生の疲労と運動の関連に. ついての研究一朝食摂取状況別にみた疲労感の消長一 洗足論叢,34:55−62,2005. (芝木美沙子 旭川校教授). (岡 健吾 拓殖大学北海道短期大学助教) (竹下美奈子 旭川校大学生) (笹嶋 由美 旭川校教授). 135.
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