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実験観察へのコンピューター利用 : (7)小人数のための教育方法の開発 : 支援装置FITによる自由落下運動の実験と授業への展開

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Academic year: 2021

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(1)Title. 実験観察へのコンピューター利用 : (7)小人数のための教育方法の開発 : 支援装置FITによる自由落下運動の実験と授業への展開. Author(s). 矢作, 裕; 高橋, 和幸; 青木, 悟. Citation. 僻地教育研究, 53: 75-82. Issue Date. 1999-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1643. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである. Hokkaido University of Education.

(2) No.53. 1999.3. 実験観察へのコンピューター利用 (7)小人数のための教育方法の開発. 支援装置FITによる自由落下運動の実験と授業への展開 夫作 裕(北海道教育大学釧路校). 高橋 和幸(釧路市立北中学校),青木 悟(北海道教育大学附属釧路中学校). OntheComputerTechniquesforEducationalExperimentsandObservations (7)AnExperimentoffallingbody HiroshiYAHAGI,KazuyukiTAKAHASHIandSatoru AOKI. ピューター利用の方向を示したい。. はじめに. コンピューターは今世紀最大の発明のひとつであり, 1:基本機能と利用の指針. これまでの機械とは異質の高い汎用性をその特徴として. いる。この根源的な特徴を捉え社会との関連をみすえな. 1.1時計と3行プログラム. がら,それを教育に生かすためには,高機能とは逆の方. コンピューターの動作速度をきめているのは水晶片で. 向を目指す視点が必要である。学校のコンピューターは. ある。それからクロック周波数を得て,正確な時計のも. 高機能のものにつぎつぎ更新され,そのことが教育の内. とに動作している。コンピューターと一連のプログラム. 容をさらに大きく変えようとしている。しかし,その高. がきまれば,それをくりかえす処理速度がほとんど一定. 度化のために外部装置との関連などの技術的内容は,専. で,時間計測に利用できる。旧式のものであっても. 門家以外には把握できなくなってきており,子供たちは. BASIC言語によって記述された図1−1に示す3行の. 映像に依存し仮想的な現実よって外界に触れて過ごして. プログラムによって,コンピューターは”RUN”キイで. いる。. スタートし,”0”キイによってストップするストップウ. この論文は,視点をかえ,なお高い機能を残したまま. オッチに変わる。表示される数字はコンピューターの速. 捨てられる運命の無数のコンピューターを,視聴覚機器. 度に依存する数字をしめすが,特別な時計をもちいなく. の中心的な装置と捉えている。そして,それを廃物利用 ではなく,さまざまな学習上の困難,とくに小人数およ. ても単ふりこなどの自然現象によって容易に校正でき. び遠隔地での教育上の困難を超えるための必須の教具と. さまざまな物理量をつねに時間に変換して,コンピュー. する方法と,その考え方の普及とを意図している。. ターにとりこまれることになる。「とけい」が,「ものさ. る。計測に用いるばあいには,マウス端子を経由して,. し」,「はかり」とならんで外界を認識する道具のひとつ. 新型のコンピューターによれば,通信機能とともに, 高速,緻密な画像によって可能性として高度の使い方が. であることを考えれば,ごく自然なことである。温度,. できる。しかし旧来の機械に対する認識のまま,それと. 周波数,抵抗などの基本的な変換回路を用意しておけば,. 同一視してコンピューターに対していては,その展開に. 教師は,本来の中心的な仕事である教材として,どの対. も限界が生じる。新しいコンピューターと派手なソフト. 象をどのように扱うかという作業に集中することができ. がおのずと新しい方途を開いてはくれるわけではない。. る。対象となる事象が最初からデジタル的な量であれば,. 求められているのは費用よりコンピューターとその利用. ほとんどコンピューターに直結するかたちで入力するこ. に対する確かな視点と創造性である。ここでは体育と理. とができる。コンピューターは表示の機能が豊かなので,. 科に関わる「おもちゃ」,「楽しい実験」を意識した2種. 内容によってグラフ化したり,記憶や演算機能を利用す. 類の学校や社会教育での試練を経た事例によって,コン. るのは当然である。. − 75 −.

(3) 矢作 裕・高橋 和幸・青木 悟. 物理・化学分野の実験に利用できるようになった。その後. 1.2 コンピューター利用の指針 コンピューター化の大波が,そこかしこに押し寄せ,. 自由落下実験などの追加,科学館の夏の行事に「なわとび」. 本格的なC&Cの時代をむかえている。学校では,どの. 「ぶらさがり」が再登場するなど,視点と装置の簡素さゆ. 中学校でも二人に一台のコンピューターが利用できる環. えにかけがえのない装置として利用されている。. 境にあり,これが一人一台に,そして小学校でもそれを. 100MOUSE(2,2)=O THEN GOGTOlOO. 教室で自由に通信などに利用できるような方向に向かっ. llO N=N11:IF旺OUSE(2,2)=0ⅧⅢGOTO120ELSE GOTOllO. ている。しかし,コンピューター利用の現状はその能力. 120CLS:LOcATElO,10:PRINT N:N=0:GOTOlOO. からすれば極めて限られた範囲でしか教育に役だってい. 図1−1 3行プログラム. ない。かつてBASIC言語による教師のプログラムづく りが,あまりにも膨大な時間とエネルギーを要すること. 2:理科実験のための装置. から,自作のソフトウエアによるコンピューター利用に 失敗した経緯がある。そして現在はコンピューターの高. 2.1 水滴を利用した自由落下連動 水はこれまで質量,密度,温度や熱に関わる基準的な. 性能化とともに,教師が現場で必要な個別の多様な問題. 物質として利用されてきた。また気象現象をはじめとし. にあわせてソフトウエアの内容に参画できない点が致命. 的となった。このような状況を踏まえて,1988年になわ. て身近に見られるさまざまな水に関する内容は,自然科. とびの回数を計数・表示する装置が完成されたことをき. 学の内容として教科書の随所に登場する。このような観. っかけに,理科教育におけるコンピューター利用に本格. 点から1993年以来,物質としての水を強く意識し,水の. 的にとりくむことになった。そのさいの学校におけるコ. 物性(水,氷,水蒸気)に関わる内容の一連の教育実験. ンピューター利用に対する認識は,問題点として,. を計画し,授業案やデモンストレーション,ビデオ教材,. ① コンピューター本体,周辺機器などのハードウエア. 関連する教具などの開発をつづけている。これは,その なかから生まれたコンピューターに適した装置である。. の進歩が著しく,導入された装置が短期間に旧型化し,. 落下運動は,振り子の運動とともに,力学の出発点と. 費用と扱いの両面で対応できない。. なるものである。この二つの現象は,単に初歩の物理学. ② ソフトウエアの現状が,教師の創意から出発したも. にとって格好の素材としての意味のほかに,ガリレオ・. のとなっていない。. ガリレイが注目し,歴史にのこる重要な発見のあとをた. ③ ソフトウエアと付属装置購入の予算措置が十分にな. どるという点で,中学校や高校,大学の基礎実験の物理. されていない。. 分野のどの段階でも重視されている。自由落下運動を実. ④ 学校内でコンピューターを横断的に利用を押し進め. 験的に扱う装置は打点タイマーという,物体につけた紙. るための教育体制が十分整っていない。. テープに一定時間間隔の打点をうち,直接的には落下速. ⑤ ソフトウエアづくりや画像処理技術は,もはや専門. 度を得るものである。直接落下時間を扱うのは1000分の. 家の仕事の範噂である。. 1の時間を扱う必要があり,その扱いは困難であった。. ⑥ コンピューターを機器として利用する視点に欠けて. いるうえ,実験装置を構成する半導体などの利用技術. 物理学をはなれても,身近な自然を表現する手段として,. をもっていない。. その実験方法と観点に,新たな視点で教育の素材として. 以上のことから,つぎの4点を理科教育を念頭におき,. とりあげたものである。. 利用推進の指針とした。. 装置のしくみ. ① コンピューターを実験(測定)装置に変える。. 図2−1は,自由落下運動を調べるための装置の全体. 図である。自由運動の対象となる物体は,(a)の注射. ② 機種を問わずに利用でき費用と教師の負担の少ない. 筒下端の注射針(b)によって数秒おきに供給される水. 付加装置とする。. 滴である。この水滴は注射針を離れ,容器(C)内のセ. ③ 基本プログラムは3行,簡略な画像によって技術科. ラミックスビーカー(d)に衝突する。注射器,水受容. の情報基礎の範囲のものとする。. 器を支持するためにプラスチック製レールの表面と背面. ④ 水を扱う実験もコンピューター室が利用できるよう. 実験器具を工夫する。. にはそれぞれ,水滴の位置を定めるための洋裁用のメジ. ャー(e),黒板上に据え置くための板マグネット(h) が背面に貼り付けられている。写真2−1は落下の対象. この指針で研究を進めた結果これまで紹介してきたよ. 用の機器(9cmX3cmX2cm)が考案され,音,抵抗の. の水滴である。写真2−2は,落下時間検出の回路基板 で,信号を制御する回路で数点の部品,数百円の費用で. 合成,水の温度上昇,中和点の検出など中学校の理科の. できる簡単なものである。. うに,FIT(フィット)の愛称で呼ばれる小型の入力. − 76 −.

(4) No.53. 実験観察へのコンピューター利用. 1999.3. れ計時される。ストップウオッチは水滴のスタート,ス トップ信号を繰り返し受け取り水滴の数だけ落下時間を. 加算し続ける。したがって,時計をリセットしてから水 滴が10個落下したときの時計の表示を読み取れば,落 下の平均時間を1/1000秒の単位までよみとることができ. る。注射器の電極部分からでる落下の電気信号は,メジ ャーの背面からストップウオッチへ2本のレール状の銅 箔テープによって導かれるためにコードに邪魔されずに メジャーの目盛にしたがって上下させ,初期の水滴の高 さを設定することができる。. 図2−1 装置の全体図 ∈U80. 写★2−1 落下直前の水滴. 0 7 0 6. 0 0. ▲丁 3. 0. 仙■. 5. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4 i. 水鴻の落下時Ⅶ. 写真2−2 時間処理のための回路. 図2−2 自由落下運動の測定. この装置と20c.c.ほどの水があれば,黒板上で10分から. 落下時間の計測. 注射針に平行に,それと同程度の太さの電極(針金). 20分程度の時間内に図2−2のような落下距離と時間の. が用意されていて,注射針(水)との間は絶縁されてい. 関係を直接に図示することができる。図2−3は実線が. て,低い電圧がかけられているため,容易に水滴の生成, 落下の電気信号が得られる。電極を離れた水滴が容器内. 測定値と理論値の完全な−敦をしめす直線である。測定 点が実線上にあれば,理論値とほぼ完全な一敦をあらわ. のセラミックスビーカーはマイクロホンとして水滴の衝. すことになる。ストップウオッチ,コンピューターの2. 突を捉え,電圧を発生する。この信号は(f)の簡単な. 種類の出力端子が用意されているが,中学,高等学校や. 電子回路でリバウンドを抑え,波形の整形をして市販の. 大学の基礎実験では時計機能と視覚的な表示・演算が利. 電子ストップウオッチ(g)や,コンピューターに送ら. 用できるコンピューター利用に最適の道具である。 ー 77 −.

(5) 矢作 裕・高橋 和幸・青木 悟. S. 中和滴定. 4. O. 酸をアルカリで中和していくときは,溶液中の水酸イ. 0. 3. 小さくなっていく。ちょうど中性の液となったところで, 電導度が極小になる。そして,アルカリがさらに加えら. 0. れて,それが過剰になれば,水素イオンの増加のため再. ・2. び電導度は増加する。. 0. 教科書には,「酸性・アルカリ性の水溶液の性質を調. ・1. ■♯志 e 軍 蜜 卜 棟 e 震 罵. オンの濃度は次第に減少していくので,電導度も次第に. べよう」「酸性・アルカリ性とイオンとの関係をみつけ よう」「塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の反応によって. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 生じる物質をしらべよう」と続く。この実験のあとに,【中. 0.4s. 和と電流の変化】の項で,酸にアルカリを加えたときの. 水滴の落下時間の測定■. 電流変化の実験装置の構成と,グラフとして,加えた水 図2−3 理論値と実験結果. 酸化バリウム水溶液の量と電流の変化が示されている。. このとき教科書に例示されている,中和点で極小値をと る内容の実験をコンピューター室でおこない,希硫酸に. 2.2 溶液のt導鹿の測定 中和点の検出. 水酸化バリウムの溶液を滴下して,内部的には時間(一. 酸とアルカリを混合して中和するときの現象を調べる. 定速度で加えた溶液の量)と抵抗(電流)の関係を直接. とき,もっとも一般的な方法として,たとえばBTB指. 画面上に示そうというもので,電導度検出用電極はステ. 示薬などによる変色を観察する方法がある。このとき,. ンレス製で手製である。. 使用する溶液が濁っている場合とか,色がついている場. 大型数字による表現. 合などは指示薬を使用することはできない。このような. コンピューターのモニターは,一般に精細な図や細か. 場合,中和点を知る方法としては,電気電導の測定によ. い文字をカラフルに表現する出力装置として用いられ. るのが便利である。とくに,エレクトロニクスの進歩が. る。しかし,授業の導入のための演示実験などで,全体. 著しい今日,コンピューターの利用を前提にするとき,. に数字を示したい場合も多い。たとえば,ある高さから. この方法は特に従前とは全く異なった手軽さで使用でき. 物体を自由落下させるときの時間を表示させるととも. る。. に,黒板にグラフとして示していく,あるいは生徒が手. FITによるt導鹿の測定. 元のノートにグラフを措くような場合に役立つ。このほ. FITの内部の基本的な電気信号の計測方式は,RC発. か,ノート型のコンピューターが普及していることから,. 体育館などで時間表示に用いることもできよう。このよ. 振回路による交流的な抵抗測定によっている。このため. 内部で抵抗(可変抵抗)を変化させて,音をつくりだし. うに電圧,電流など数字の大型表示が必要なときに使用. たり(周波数を変化させる),温度によって抵抗値が変. するためのプログラムが用意されている。写真2−3は,. わるサーミスタをセンサーとして外部にとりつけ温度計. その画面表示である。. として機能させたりすることができる。電解質溶液の測 定は,直流的な測定をおこなえば,電解して逆起電力を 発生し分解作用を起こす。しかし比較的高い周波数を用 いれば分解作用の影響を除去することができる.この方 式は周波数が溶液の電導度によって変化する点はある. が,比較測定によって固定抵抗に相当する値を求め,そ れを直流電流に置き換えれば,その間蔑も解決される。 この測定がほぼ交流的(デジタル回路によるCR発振波. 形)であること,微弱な電流による測定であること,広 い範囲の測定が可能であること,そして,測定対象が相 対的な値を問題としていることなどから,液体の電導度 の測定に大変都合がよい。また,FITにはイアホーン がついているため音の最小値をさがす方法をとることも. 写真2−3 数字の表示. できる。. ー 78 −.

(6) No.53. 実験観察へのコンピューター利用. 1999.3. この実験装置は一定の高さから物体を落下させ,着地. 3:授業への展開. 点に設置されている受け皿の底部にセンサー(セラミッ. クスピーカ)を取りつけておく,センサーで落下の速さ. (り 授業のねらい. 落下運動の特性を理解させる学習内容は過去40年,. をコンピュータに読み取らせる。. 中学3年に位置付けられてきた。この落下運動の学習指. 実験操作について,前時の学習で練習しておく必要が. 導にあたっては,多くの教師は,教科書の「ストロボ写. ある。装置の仕組みについてはよく説明して実験に入っ. 真」をつかって説明したり,記録タイマーを使って紙テー. ているはずなのに,何人かの生徒は意味することが分か. プに打点する方法を取っている。打点の記録をもとに,. らず実験に取り組んでいたが,何回かやっている中で,. 等速直線運動における時間と速さ,移動距離との関係を. 高さが変化することによる,その値の遠いから,落下す. 考察する。また,自由落下する物体や斜面に沿って落下. るにかかる時間を測定しているということ,とまり,ス. する物体の運動を調べ,時間と移動距離との関係を理解. トップウオッチの役目をしているのだということに気付. させる。いずれも記録されたデータをもとに,速度の変. いた。. 操作上でスイッチ部分に落下物をセットする時,要領. 化を間接的に求める。 ところが,落下する物体の運動や斜面に沿った運動で,. を得なかったのでエラーが多かった。と言うのは,ピン. テープ上に見られる速さと落下距離の関係で,生徒は混. の間に落下物を挟み(写真1),後部のつまみをにぎり. 乱することが多い。落下距離の見方をしっかりと理解さ. 落下させる。ところが,その時ピンに多少なりとも接触. せる必要がある。また,「質量差による落下距離と時間」. しながら落下すると,エラーが生じてしまう。要領とし. の関係についてもとらえにくい。. て,硬貨の最先端部分をピンで固定し,落下させるとエ. そこで,コンピュータによる時間計測(支援装置=F. ラーがすくない。. IT)を使って時間測定を行い,数億をディスプレーに. 何度が練習をやることにより修得できる。装置の使い. 直接表示し,グラフ化する事によって,「時間と移動距推」. 方ミスによるエラーが生じ,最初から実験をやり直した. との関係を解析する力学的実験学習への利用を考えてみ. グループでも,授業終了時迄にはデータ取りが終了しグ. た。. ラフ化することができた。といったように,支援装置を 使うことによって短時間で実験することができる。. (2)実験学智. 美験学習は記録タイマーで記録テープに打点を記録し 「打点の数と距離」から物体が落下する速さは時間とど. のような関係になっているのかをとらえさせる。さらに, これをもとに,物体の落下距離と時間の関係をグラフ化. し,距離と時間の関係を考察することになっているが, 「落下距離と時間」との関係について,記録されたデー タよりグラフ化し,相互関係について考察を加えるので. 写井3−1 スイッチ. あるが,グラフ化がなかなか難しい。さらに,「質量の. 写真3−2 画面表示. のしくみ. 違いによる落下距離と時間」の関係についてもとらえに. くい。まして,予想の段階で,「質量差による落下距離 と時間」の関係が,『同じ』と予想した生徒が,3学級(114. (4)実験用自作職制の制作. 名)の中でわずか14名と言う数であった。したがって,. ① 落下装置の作成. ア.アクリル板(厚さ3m). これらの点を解明するためにも,コンピュータを使った. で台形(写其3−3)の. 支援装置FITによる実験学習に取り組んだ。. 形にPカッタで作る。. (3)実験の取.り組み イ.鉄製スタンドに固定用. 実験開始30分程で,支援装置FITによる落下実験の 測定が終了した。その後,データをもとにグラフ化の作. アームを写真4のように. 業に入った。(グラフは資料参照)また,「質量差による. 作成。. 落下実験と落下距離」との関係についての測定は,5円. ウ.落下開始検出装置を虫. と10円のお金を使って測定した。(測定結果については. ピン2本を使い硬貨が両. 実験カードを参照). ー 79 −. 写暮3−4.

(7) 矢作 裕・高橋 和幸・青木 悟. 側からはさむことができ. る。物体の着地の検出は,落下地点に置いた受け皿の中. るように固定する。. に衝撃センサー(セラミックスビーカー)を取りつけ感 知させる。. (写真3−5). エ.配線。検出センサーと 結線する。(写真3−6). (6)実験結果. 写真3−5. 測定結果をもとにグラフ化すると「落下時間と落下距. 離」との関係は,『落下距離が大きくなるにつれて急に 大きくなる』ということに気付いた。中には『落下距離. ② 落下着地検出装置の作成. は2乗に比例する』とまとめた生徒もいら。さらに,こ. ア.落下受け皿−プラスチ ックの容器を二重にし,. の関係に於て「質量差による関係」についても,予想の. その間に検出センサーを. 段階では,わずか14名の生徒が「同じ」と考えたが・結. はさむ。(写真3−7). 果がはっきりと出た時,予想通りだった生徒も,「違う」 と予想した生徒も感嘆の声を出していたのが印象的であ. 写真3−6. った。なお,測定結果については下記のようになった0. イ.落下装置スイッチと結. 線。(写真3−8) 実験カード 棄 験 カード 物体の落下. 。年組鮪【く去租知子. 乗叢灸5 頭客「F乍「る鮒偶力を調べる。 (1托・れぞれの高さから物体を落下させ、それぞれの落下時憫を求めなさい。. 写真3−7 受け皿. 写真3−8 高さkめ. .≒「1L■. (5)支援装置FITについて. 珊. FITはある一連のプロ グラムによって,これを繰. (2触短縮果を元に、落下排と落下時間の関係をグラフに書きなさい。. り返す処理速度は機種が決. まれば,ほとんど一定であ ることを利用して時間測定. を行っている。物体を異な. 写真3−9 FIT. る高さから繰り返し落下さ. せ,落下に要する時間を直接測定しようとするものであ る。落下開始は,物体を挟んでいる虫ピンをスイッチと してメモリーにリセット信号を送り,時間開始信号とす 0 08 01 0.1S O.2 0・2b O−, ○・ユ6 0・4 0・46. 時 間. ㈱. 5円: ̄劇 10円:】 ̄ ̄ ̄… ̄ ̄. はげラフから落一印珊l£落下する距#が大きくなるにつれてどのように射ヒ して. 頼両拍里く廿ざ!; .. p㌔は 貰琶−J脚す煮し甘い. (7)授業の反省と今後の課題. 自己評価の集計結果,本時のねらいである,グラフの 意味することや措かれた放物線の意味することが何であ. るか理解することができた生徒が7割をしめた。自己評 価より「感想」を拾ってみると下記のように述べている0. 写暮3−10 実附こ取り組む生徒. − 80 −.

(8) 実験観察へのコンピューター利用. No・53. 生徒の感想. 1999.3. した微速度撮影による霜柱成長の記録). ヱ!.たな軋こ…こ−こ£風ノ.ゞ.ミ士、ぎ.里長L.た。. 装置と10年ほど前の旧式のコンピューターを測定器とし て使用し,「コインのt池は使えるか」,「単ふりこの運. 動」,「誘t率の測定」などをテーマとして,そのデータ 処理法とともに授業に取り入れられている。 −/. 視聴覚機儒と科学教育. .い..細山Aユ;.軌級イ..應抽、1泌げ々㍑舶仙ニノふそ油症. 教育系大学の附属中学校,科学館の実験教室,こども のための公開講座,学部の基礎実験などで・青少年に直. ・・ふ?・こ加風∩上佃拙机‥…………・…・・……・…‥…‥‥−・. ‘. し、、。ンし;雄イ車封甜ご,仁. ,」 材を巨=こして,その用途を自由に発想する力,といった 意味あいである。このような感覚や視力を欠くことは,. レlつ‡の脚斗と射軒机「ふIlちかフウ。. 実験や観察を通じて,自然現象の深い理解,問題を解決. かりの良質の素材とともに,いつでも創造的に利用でき この中で,「質量差による落下時間と距離」の関係の. る環境にありながら,それらを享受し得ないでいる姿が. 検証について,できなかった班があったので時間を延長. ある。. してても,結果を出せるよう配慮すべきである。. 新しい視点にたてば,五感をはるかに越えた微細化と. 今後の課題として. 高速化のもとで,この異質の機械の拡大化と低速化をは. かり,目・耳・肌で感じる興味あるテーマを提示し,よ. ① 画面表示が測定値のみの表示となっているが,画面 上に数値と合わせてグラフ化が同時に画面上に表示さ. り楽しく,より豊かな教育が可能である。楽しさの内在. れるよう研究を進めていきたい。. する通信機能の強化された最新装置とともに旧式と呼ば. ② エラーの少ないスイッチに改良する必要がある。. れるコンピューターを視聴覚機器の重要要素と位置づ け,すぐれた「おもちゃ」を目指した新しい発想による ま,. おわりに. この論文に例示した新旧二つのテーマは,ともに学校 や社会教育という道場で試練をうけたものである。この. 新しいコンピューター環境への対応. ほかに,中学校や多くの先生方から協力や示唆を得なが. 旧式であってもその特徴を生かしてコンピューターの. ら,理科の授業や演示などに利用されているものとして,. 有効利用をはかろうとしても,装置の進展によって新し. つぎのものがある。. いコンピューターへと環境は変わる。実験装置として括. ① 水の温度上昇. 用をはかりつづける一方で,新しい装置に対応していく. ② 手動の自由落下運動. ことも必要である。−般には,コンピューターを電子機. ③ 電磁石とセラミックスビーカーによる自由落下の実. 械として,実験装置などの外部機器を制御して,これま で扱ってきたような利用は困難になってきている。それ. 験. ④ 抵抗の直列つなぎと並列つなぎ. は,コンピューターの精密化によっていることと,情報. ⑤ 音の高さと振動. 機器として進展していることによっている。もしも,教. ⑥ 霜柱を育てる(ビデオ教材:画面スポットの利用). 育実験に利用しようとすれば,一般には専用を装置を接. − 81−.

(9) 矢作 裕・高橋 和幸・青木 悟. 続するかコンピューターシミュレーションによることに. なるであろう。これからのFITの利用方向は二つある。 ひとつは,新しい通信機能で利用できるように,設計を 変更する(プログラム言語も変える). ,もうひとつは,. 新しい環境で利用可能なBASIC言語のプログラムに移. 行することである。新しい環境のもとでは,旧来の実験 装置をつかうばかりで,ますます実験をする機会が遠の く方向にあることは間違いないであろう。. 文献・参考資料. (1)矢作裕,実験・観察へのコンピューター利用につ いて1),僻地教育研究,No.47,133−140.1993 (2)矢作裕・酒井源樹・高橋和幸・大崎治樹・五十里. 一路,実験・観察へのコンピューター利用について(2) ,僻地教育研究,No.48,65−75.1994. (3)夫作裕・酒井源樹・高橋和幸・細川文良,実験・ 観察へのコンピューター利用について(3),僻地教育 研究,No.48,2,pp.63−70.1995. (4)教育出版 新版 中学理科1.分野上77−97運動 とエネルギー 1996 (5)矢作裕 あたらしい基礎物理学実験の試み物理教. 育研究(日本物理学会北海道支部)No.21,23−27, 1993. (6)コンピュータによる実験学習 高橋和幸・矢作 裕,1997. 981229. − 82 一.

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