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腹痛を主訴とする児童生徒に対する養護教諭の観察・判断・処置の実態

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Academic year: 2021

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(1)Title. 腹痛を主訴とする児童生徒に対する養護教諭の観察・判断・処置の実態. Author(s). 津村, 直子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 30(1): 221-230. Issue Date. 1979-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4785. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 腹痛を主訴とする児童生徒に対する養護教諭の 観察・判 断・処置の実態. 津. 村. 直. 子. l How have Heal th‐Teachers treated Their Pupi s Complaining about Abdomina inP IPa. Naok。 Tsuα1ura l l Asah ikawa Co ege. Abstract. i i is ibutedt。the Hea l t l l Ques t th-Teacher ry Schoo onar eshad been d r Softhee ementa sand h l i i h h h h i i ido junor g sc oost roug out Hokka t emsasking how a . The questonary conta ned somei l Hea i lcomp th‐Teachert l in ing about a headache or abdomina lpa in reat ed a pup the a ,and she ( Hea l th‐Teacher )wasaskedto choosethe mos timpressive case she encountered. iteri The present wr igat lpa in and got Some resul t ts nves edthe cases on abdomina e . Th. l l tremarkab lthe Hea l icenseStreatedt l dnur mos th‐Teacher he i efactisthatalmosta swhoho sel r i l imi l i tern - - anamnes roughthe process ofa s sth arpat ngtemperature,observation, pup s ,taki. lpa l ion i t l icenses l th‐Teacher d nur abdomina s pattern used by Hea s who do not ho pa sel . Butth f30% in theiranswers. got only an average o. 痛みは諸感覚のなか でも, 最も感情的要素の多い主観的・個人的な訴えであり 客観的に捉えが , たいものの1つ であるため, その原因や成り行きの見通しがつくまで判断や取扱いに困惑すること } が 少 なく な い1 .. 痛みには 「頭痛」「腹痛」「胸痛」「腰痛」「背痛」「関節痛」 など部位により多くの種類 があるが , }によれば 救急車の利用については 「腹痛」 によるものが最も多い また学校 なかでも岡村の報告2 , . における児童生徒の 「頭痛」「腹痛」 の発生件数は, 保健室 で行われている内科的救急処置 の中 で首 ) 位 を 占め て い る8 ,. こどもの腹痛は腹部臓器の炎症, 閉塞, 捻転などによ るものの他, 呼吸器感染 心疾患 中枢神 , , 22 1.

(3) . 津. 村. 直. 子. } また年令的特徴とし 経疾患, 血液疾患, 代謝性疾患など全身の疾患の 際に惹起されることもある4 . て, 6才以下の乳幼児では感冒, 胃腸炎などによる急′性腹症が多く, 学童期においては機能的腹痛, 心因性腹痛 が多く なり, 女子 では 生理に一致した下腹部痛が出現し, 慢 性の反復性腹痛 がみられ 6 } } このような多彩な原因による腹痛の鑑別には 医師でさえ慎重にならざるをえない現状であ る5 , , ろう. 腹痛を訴えて保健室に来訪した児童生徒に対して, 養護教諭は微症状もしくは初期の段階で }は ) 山内ら8 正確なる早期判 断によっ て, その重症度または危急度の判別を行わなければならない7 . 学校における救急処置に ついて, 養護教諭が最も必要視しているものは 「腹痛・頭痛の症状から予 後を推測するための知識」 であり, その選択 理由は発生頻度が高く症状が同じでも原因・経過が微. 妙に異なるため, 問診が困難で判断もむずかしいためと報告している. 当教室において, 池田哲子助教授と筆者の 前任者増岡滋子講師は 「救急処置の困難性と判断・処 置」 とくに 「観察・判 断・処置」 という養護教諭にとり最も専 門性の要求される行為の展開につい て, 事例の最も多い頭痛・ 腹痛に関してケース調査を行い, その中から今後の保健活動および養護 教諭養成機関の教育活動を 改善するための 資料を得ることを企図した. 調査表の設計と配布の作業 は主として増岡 講師が担当したもので, 筆者は池田助教授の指示によりその調査表の解析を行い, ここには 「腹痛」 に関する整理 結果を報告する,. 1 1 調査対象およ び調査方法 1, 調査対象 北海道教育関係職員録をもとに, 小学校862校, 中学校4 10校の養護教諭配置校を選 び, そのす べての養護教諭を対象とした. 2. 調査期間 昭和51年1月 6 日に調査表を発送し, 1月末日ま でに寄せられた調査表を用 いた. 3. 調査方法 郵送法によるアンケ÷ ト調査. 予備調査の段階 で保健 室 で行われている救急処置の具体的な事例について,「観察・判断・処置」 という・行動の1つの過程 である 「主訴」 「随伴症状」「原因についての養護教諭の判断」 「処置」 「原 因およ び処置の判断基準となっ たもの」 「判断およ び処置の結果」「問題をのこした場合の原因につ いて」 「判断・処置・指導にあたり困難を感じた点」 の各設問に対して, 記述方式を用い50名の養 護教諭に回答を求めた.. 記述された内容から選択項目を作成し検討 した結果, 表1に示すような項目選択方式と記述方式. 併用の調査表を設計した. 身体的な疾患の症例 では, 予備調査 で特に件数の多かっ た「頭痛」 と「腹 痛」 をとりあげ, ケースに対する観察・判断・処置の過程を正しく捉えたいために, 特に印象にの こっ たケースの記入を求めた. ケース3は心因性と判断された頭痛または腹痛, あるいは該当する ものがなければ他のケー スの記入を求めた.. 4. 回収数および回収率 小学校は回収数334例, 回収率38.7% であっ た. 中学校は回収数1 83例, 回収率44 .6%であっ た.. 222.

(4) 痛. 腹. 女. 男. 性 別. 女. 男. 女. 男. 性 別. 学 年 小 中. 小 中 高. 主訴. 過食 空腹 便秘 冷え 下痢症 感図 月経 食中毒 寄生虫 胃炎 脳炎 虫垂炎 胃・十二指腸潰癌 ガス貯留 不明 その他(. 感醤 睡眠不足 耳疾患 鼻疾患 脳疾患 頭部打撲 ‐ 視力障害 環境 勉強のLすぎ 便秘 不明 その他(. V 原因についての 養護教諭の判断 処 置. 縄(. 原因の推察 (. その他の症状. 根拠. 心因性と判断した 原因として考えられるもの 1 .学校の施設設備にある 人は雛か 2 .医療機関側にある 3 .児童生徒側にある 4 .学級(科)担任にある 指導過程をとおL 5養護教諭にある . 心因性と判断される迄に行わ て 6 ) .その他( れた面接回数 イ、よい結果をも さしつかえなければ具体的に ( たらした { ) ロ、 問題を残した. 問題を残した原因について. 問診 検温 状態観察 問診の結果(特に イ、よい結果をも 原因として考えられるもの } たらした 排他物観察 腹部触診 1 ,学校の施設設備にある 既往症.検温.一般状態‐本 排便指示 院腸 安静 2 .医療機関側にある 人の訴え‐痛みの程度と経過. 篭法(冷・温) 環境整備 ロ、問題を残した 3 .児童生徒側にある 排世物の観察.腹部触診 与薬( 薬 名 ) 観察事項(特 品 4 .学級(科)担任にある に 保健指導( ) 5 .養護教諭にある ) ) 他からの情報:学級(科)担任 その他( 6 ) .その他( ‐ さしつかえなければ具体的に 級友.家族‐校医‐家庭医.専 経過:上記頭痛の項にあ 門医‐その他( ( ) (番号で る1~5のいず ]肋・. 問診 観案 検温 安静 問診の結果(特に イ、よい結果をも 原因として考えられるもの 冷篭法 環境整備 ) たらした 1 .学校の施設設備にある 与薬{ ) 既往症 検温 一般状態 本 薬 品 名 2 ,医療機関側にある . ‐ . 保健指導( ) 人の訴え 観察事項 ロ、問題を残した 3 .児童生徒側にある ‐ その他( ) (特に 4 ) .学級(科)担任にある 経 圭過 他からの情報 5; 養護教諭にある 1 .直ちに家に帰す 6 ) .その他( 2 急に専門医 緊 受診 . 学級{科)担任. 級友. 家族. さしつかえなければ具体的 3 休養ののち 教室へ . 校医. 家庭医. 専門医 に 4 .休養ののち家庭へ ( 5 .休養ののち専門医へ. Wその他の症状と V 保健室訪問情況と指導経過 W 心因性と判断した W 最終判 断 原 因の推 察 およ び判明 した 原因につ いて 根拠と 面接 回数 および結果. 幅気 咽吐 食欲不振 下痢 便秘 腹部膨満 腹壁緊張 腹部圧痛 勝嬬勤不安 胃痛 発熱- 顔面蒼白 冷汗 その他(. N そ の 他 の 症 状 学 年 {本人の訴えおよび観察事項) 小 発熱 鼻汁 咳歌 咽頭痛 中 倦怠感 疲労感 底量 高 胸痛 食欲不振 噛吐 腹痛 眼痛 耳痛 意識障害 その他(. (増岡滋子 作成). 以判断・処置・指導に あたr )困難を感じた点. 学校(小‐中‐高)児童生徒数( 名)経験年数( 年) 所有資格(養護教諭、中高音免・保健、保健体育、家庭、理科、その他 (保健婦 助産婦、看護婦、その他 ) W原 因 お よ び 処 置 の 皿 判断および 立 問題を残した場合 X判断・処置・指導に 判断基準となったもの 処置の結果 原 因 に つ い て あたり困難を感じた点. 口 現職の養護教諭の立場から養護教諭養成課程における看護教育に特に期待することがらについてご意見をお書き下さい。. 心因性と判 断された 頭 痛 豆 腹 痛 その他. 痛. 訴. 頭. 主. 1 ケース調査(該当する個所を0で囲み空欄についてはご記入下さい). 学校における看護活動に関する調査. 表1 調査用紙. . 彊. 基 竪 ‐ 態 謙 S柵. S 陛 珊・. 斗 か 酬 澱洋募. 籍 汀葦. が 逝 闘肝. 禍総代 今. 遍 燕欝.

(5) . 津. 村. ・ 直 了. 1 1 1 調査結果と考察 5 9例 であっ た. ケース3の心因性と判 断された 調査表の有効回答数は, 小学校303例, 中学校1 01例みられたが, 記述回答であるため今回の報告からは 除いた. 腹痛の報告が1. 調 査 資 料 の 内 容 が集 計 と して で. 表2. は なく 個 別 の デー タ と して 提 供 さ. 判 断およ び処置の結果. 果 こ 声\き 種 \. A. 群. B. 群. 無 回 答. (問題をのこした ケース). (よい結果をもた らしたケース). 列 1 = 72. ダ ず リ 2 O2. 2 9例. 中 学 校. 37. 107. 15. 計. 109. 309. 44. 小 学 校. れている ため, 本調査の分析 では 判断およ び処置において 「問題を のこした」と報告されたケース(以 下の記述において「A群」と称す) を選出し, その比較対象群として 「よい結果をもたらした」 と報告. されたケース (以下の記述において 「B群」 と称す) を用いた. 判 断およ び処置の結果は 表2に示すように, 小学校では 「A群」23.7%, 「B群」66 .7%, 無回答 な % 学校種別の差はみられ 4 であり 3%, 無回答9. 9.6%, 中学校 では 「A群」23,3%, 「B群」67. , か っ た.. 1. 回答者の構成について 7%,「B群」 養護教諭としての経験年数は1~4年のものが多く, 小学校 では 「A群」 回答者の6 5%, 中学校 では 「A群」 回答者の62%, 「B群」 回答者の53%であっ た (表3) 回答者の5 . 判 断に 困難を伴っ た事例を報告したものに 養護教諭歴の短いものが相対的に 多く, 腹痛の判断には経験が }の調 査による判 断・処置における失 必要 だという事実を投影したものと思われる. これは堀 内ら9 敗例は比較的経験年数の少ないものに多くみられたという報告と類似の傾 向 である. こ示すように, 小学校 では 「養護教諭」 のみが 「A群」 回答者の 次に養護教諭の 所有資格は表4む 38%, 「B群」 回答者の31%, 「養護教諭と保健」 においては 「A群」 回答者の44%, 「B群」 回答 者の37% で,「A群」の出現率が相対的に高いのに対し,「養護教諭と保健と看護婦」においては「A 群」 回答者の5%, 「B群」 回答者の7%, 「養護教諭と看護婦」 は 「A群」 回答者の8%, 「B群」 o )は救急 8%と逆になっ ていた, 中学校勤務者の場 合も同様の傾向が認められた. 山内らl 回答者の1 処置の知識技術を必要としているもの が養護教諭群 (看護婦の 免許を持たない養護教諭) に 多く, その原因として養 成機関 での教育・実 習内容のちがいから生じたものと思われると報告している,. 本調査において 「問題をのこした」 ケースの報告が相対的に養護教諭群に 多くみられたということ は, 救急処置の知識技術を養護教諭群が一層もとめていることを示唆しているとも考えられる. 2, 腹痛の事例について 保健室を来訪したケースを男女別にみると小学校 では. ≧ 憂驚 凝議菱 % 男 子醐 縦5 ) 宴会 女子鰯仔蜘5% ) {給電送禦ぎ輔弼 224.

(6) . 腹痛を主訴とする児童生徒に対する養護教諭の観察・判断・処置の実態. 表3 養護教諭としての経験年数と判断および処置の結果 校. 小. 種. ミミ 1. 総 数. 年. A. 校. 学 群. (問題をのこした ケース). B. 学. 中. 群. (よい結果をもた 無回答 らしたケース). 6 4例. 13例. 41例 22. 5. A. 総 数. り 10侍. 校 B. 群. 群. (よい結果をもた 無回答 らしたケース). (問題をのこした ケース). ダ 3 2 f リ. 8例. 22例. 2例. 26. 7. 17. 2. 2. 年. 37. lo. 3. 年. 39. 13. 25. l. 15. 5. 9. l. 3. 12. 3. 9. 0. l. 5. l. 3. l. 4. 年. 39. 12. 24. 5. 年. 19. 6. 12. 6 ~ 10 年. 48. 8. 37. 3. 30. 8. 18. 4. 11 ~ 2 0年. 29. 6. 18. 5. 26. 4. 20. 2. 2 1年 以 上. 17. 2. 15. 0. lo. l. 8. l. 無 回 答. 11. 2. 8. l. 3. 0. I. 2. 計. 303. 72. 202. 29. 159. 37. 107. 15. 表4 養護教諭の所有資格と判断および処置の結果. 露 濁 声ミ 養. 小. 種. 校. 護. 教. 諭. 養護 教 諭 と 保 健. 学. A. らしたケース). ケース). ケース). らしたケース). 2 7例. 6 2例. ダ 14 f リ. 4 9例. ・例 .. ダ リ 34 T. ダ 4 1 リ. 116. 32. 74. lo. 72. 19. 46. 7. I. 6. l. 5. 0. 2. 28. 6. 19. 3. 20. 4. 養壷教諭と看護婦. 45. 6. 37. 19. 3. 14. 2. 4. 0. 3. l. 303. 72. 202. 29. 159. 37. 107. 15. 答. 計. B. ダ 1 03 丁 リ. 養護教諭と保健と看護婦 回. 校. 群. 群 B 群 A 群 総 数 (問題をのこした (よい結果をもた 無回答 総 数 (問題をのこした (よい結果をもた 無回答. 15. 無. 学. 中. 校. 表5 学年別発生件数と判断および処置の結果 校 種. ≧. 小. 果. 総 数. A. 学. 群. (問題をのこした ケース). 校. B. 群. (よい結果をもた らしたケース). 中. 無回答 総 数. A. 学. 群. (問題をのこした ケース). 校. B. 群. (よい結果をもた らしたケース). 無回答. 1. 年. 3 1例. 9例. ダ f リ 18. 4例. 45例. 2. 年. 46. 9. 34. 3. 42. 8. 31. 3. 3. 年. 46. 11. 30. 5. 60. 18. 34. 8. 4. 年. 51. ュ5. 31. 5. 5. 年. 64. 15. 43. 6. 6. ダ リ lo f. ダ 33 丁 リ. ダ 2 1 リ. 年. 48. lo. 33. 5. 無 回 答. 17. 3. 13. l. 12. l. 9. 2. 計. 303. 72. 202. 29. 159. 37. 107. 15 225.

(7) . 津 村. 直. 子. であり, 発生件数, 判断およ び処置の結果別にみても性差はみとめられなかっ た. 中学校では,. 4%) 男子 醐 蝉3 ・ 女子 醐 蜂6 6%) ・. ≧ G繊麗駕篭藁 {欄基調総霧. であり, 女子の方に発生件数, 「よい結果をもたらした」 と報告されたケースが多くみられた, これ は原因のはっきりした 「生理」 による 腹痛のためと思われる. また学年別にみると表5に示すように, 小学校 では発生件数, 判 断およ び処置の結果別とも5年 生に 多くみられ, 1年生に最も少なかっ た. 中学校 では3年生に 多くみられ, このことは受験によ る心因反応が腹痛という1つの身体症状としてあらわれたものとも考えられる. (1) 随伴症状について. 腹部の症状を中心とした局所症状と, 腹部以外の自律神経症状を主とした全身症状に分けてみる. と, 「問 題 を の こ した」 ケ ー ス の 報 告に つ い て は. 生{霜麹姿墓標 i 学 ′ 、 =駿 ;. 生{貴縫義孝 中 学 葉 ≧ 観客 g. であり, 中学生において腹痛に伴う全身症状が多くみられた, このことは痛みによる身体変化の訴 えが小学 生より的確に表現できるという理由と, 心因性の腹痛の可能性も含まれているという両者 を考えることができる. (2) 推測される原因に ついて. 0%) 小学校 では 「問題をのこした」 と報告されたケースの原因は, 空腹・過食・便秘29例 (4 , 化管の 空腹過食という物理的な消 1例 ( 1 5 % ) であり 虫垂炎・胃腸炎1 3例 (18%) 感冒・冷え1 , , 刺激による腹痛 が多くみられた, このことより食生活の指導の重要性が痛感さ れる, また感冒や 冷 えによる 腹痛も20%近く みられ, 消化器系以外の原因による 腹痛も見のがせない. 中学校 では空 9%) であっ た. 0例 (27%) 腹・過食・便秘1 , 感冒・冷え7例 (1 , 虫垂炎・胃腸炎8例 (22%) (3) 処置について. 1 } 問 痛みの状態を どこま で共感し, 理解できるかが児童 生徒 への対 処の手がかりのもと であり1 , 診は個人的主観的な訴え である痛みを, より客観的に判 断するための重要な処置の1つであるとい. えよう. しかし表6に示すように 「間診」 が行われたのは 「A群」 では小学校92%, 中学校78% で あり,「B群」 では小学校88%, 中学校85%であっ た. 本来ならば常に行われているはずの問診が, 00%に近い値を示さなかっ たことは, 回答者が問診の意味を狭く解 している場合があっ 必ずしも1 たものかと思われる. 8%, 9%, 中学校 では40%, 「B群」 の小学校では6 「検温」 については, 「A群」 の小学校 では7 6% であり, 「A群」 の中学校において特に少なかっ た. 中学校 では5 「状態観察」 については, 小学校 では 「A群」「B群」 ともほぼ同率 であり, 中学校 では 「B群」 に幾分 多くみられた. 226.

(8) . 腹痛を主訴とする児童生徒に対する養護教諭の観察・判断・処置の実態. 表6. 処置の内容と判 断およ び処置の結果 小. 校 種. ≦ モ く ぜき 問. A. 学 群. 学. 中. 校 B. 群. A. 群. 校 B. 群. (よい結果をもた らしたケース). (よい結果をもた らしたケース). (問題をのこした ケース). 66例. ダ 1 7 7 1 リ. ダ リ 2 9 f. 9 1例. (問題をのこした ケース). 温. 57. 137. 15. 60. 状 態 観 察. 48. 137. 25. 80. 腹 部 触 診. 40. 103. 17. 25. 71. lo. 19. 検. 排 便 指 示. 34. 安. 静. 36. 96. 19. 55. 与. 薬. 13. 26. lo. 14. 保 健 指 導. 19. 81. 17. 47. 「腹部触診」 については, 中学校において 「A群」 に多くみられた。 「排便指示」 については, 小学校, 中学校とも 「A群」 に多くみられた,. 「安静」 については, 小学校, 中学校ともほぼ同率 であった. 「与薬」 については, 小学校, 中学校とも 「A群」 に多くみられた. それだけ重篤なケースが多 くみられたとも考えられるが, 薬の内容は 「正露丸」 が多く, ついでビオフェ ルミン・ホミカロー ト等の消化・整腸剤 であり, 与薬の目的が薬理作用を求めるものだけ ではないようにも思われる.. 「保健指導」 については, 小学校において 「B群」 に多くみられた. 過食空腹が腹痛の原因とし て最も多いという 結果から, 児童生徒の家庭環境に対応する個別的保健指導の重要性と, 食事・”E 惟などの基本的な生活 習慣に関する指導を充実させる必要があることを示していると思われる, 「問題をのこした」 と報告されたケースの処置内容を所有資格別にみた場合, 検温は看護婦免許 2 )による養護教諭群に検 温が多いという報告とは逆の傾 所有者の報告に多くみられ, 中林らの調査1. 向がみられた. 腹部触診については看護婦免許所有者の報告に 多く, 全員が腹部触診を行っ ていた. このことは 養成機関における触診に関する教育指導のちがいから生じたものと思われるが, 児童生徒 の家庭環. 境, 教育環境と同じ位に判 断に対する医学的根拠を重要視しているものとも考えられ, 他覚的客観 的に腹痛を把握しようとする積極的行為として捉えること ができる, 安静については, 養護教諭群の報告に多かっ た. 安静にして経過の観察を行うということも含ま. れていると思われる. 3 )は看護婦免許所有者が養護教諭群より多く また経験年数が増すにつ 与薬に ついては, 中林ら1 ,. れて多く薬を与える傾向があると報告している. 本調査においても小学校では同様の傾向を示して いたが, 中学校においては養護教諭群の報告に 多く逆の傾向がみられた. また経験年数についても 1~4年の養護教諭の報告に多くみられた. (4) 原因およ び処置の判 断基準について. 判断基準の根拠とされた項目を, 本人の訴え, 痛みの程度と経過などの自覚的 (主観的) な要因 と, 検温, 排織物の観察, 腹部触診などの他覚的 (客観的) な要因とに大別すると, 小学校では自 7例(3 8%) 覚的なものより判断されたケース2 , , 他覚的なものより判断されたケー ス23例(32%). 9例 (51%) 中学校では自覚的なものより判断されたケース 1 , 他覚的なものより判断されたケース 227.

(9) . 津. 表7. 村. 直. 子. 処置後の経過 と判 断およ び処置の結果 校. 小. 種. \\ \ \ \\ き き 経 過. A. 学 群. (問題をのこした ケース). 校 B. 学. 中 群. (よい結果をもた らしたケース). A. 群. (問題をのこした ケース). 校 B. 群. (よい結果をもた らしたケース). 直 ち に 家 に 帰 す. ダ o f リ. 13例. ”列. 緊 急 に 専 門 医 受 診. l. 14. 3. 15. チ 1 リ 6. 休養 ののち教室へ 帰す. 23. 50. lo. 30. 休養 ののち家庭へ帰す. 29. 53. 12. 17. 休 養 の の ち専 門 医受 診. 3. 17. l. 11. 6%) であっ た. 中学生 では表現が具体的であり再 現性もあるの で, 自覚的な症状より判 断 6例 (1 できるケースも 多くみられるが, 生徒によっ ては心因的な要素による歪んだ訴えをすることも考え 4 )ことも含めて 観察判断を行うことが必 られ, 必ずしも腹痛の程度や症状の軽重とは一致しない1 , 要だと思われる, 0%みられた, これは前述のように養護教 処置において検温を施行しなかっ たケースが中学校に6 i l t a 諭群の報告に 多くみられたが, 感冒・冷えなどが腹痛の原因に含まれていることを考慮すると v 一 層重視さ 保健室において 値であり i s gnsのチェッ ク, 少なくとも検 温は手軽に行える客観的測定 , れるべき処置 であろう,. (5) 処置後の経過について. 表7に示すように 「休養ののち家庭へ帰す」 ケースと 「休養ののち教室 へ帰す」 ケースの報告が 多く,保健室内 での処置 で終り医療 機関の受診を必要としないと判 断されたケースが多くみられた. 緊急度が低 いと判 断できる経過 (休養ののち家庭へ帰す・休養ののち教室 へ帰す・休養ののち専 20例 (59%) 門医受診) については, 小学校 では・「A群」55例 (76%) , 中学校 では 「A , 「B群」1 4%) となり, 「A群」 に 多く みられた, このことから相対的に 8例 (5 群」23例 (62%) , 「B群」5 長い時間の経過観察と休養の必要性もさることながら, 常に症状の変化などを察知し, 迅速・的確. に判 断・処置を行わなければならない場合も含まれていると 思われる. (6) 問題をのこした原因について 「児童生徒側」 に問題があると判断されたケースの報告が最 も多く, 小学校では40例, 中学校 で 9例 であっ た. その内容には家 庭での食生活, 排世の習慣の不徹底, 児童 生徒の訴えの不明瞭な は1 どが あ げ ら れ て い た,. 0例 i ・学校 では26例, 中学校では1 次に「養護教諭自身”こ問題 があると答えたケースの報告が、ノ たものが半数 あり, その具体的内容として 基礎知識・経験の未熟性に伴う判 断力の不足を明記され み ら れ た.. その他, 学級担任との連携が困難である, 医療機関が遠い, 保健室がない, 校舎が古くて寒いな ど学校の施設設備に問題があるものがみられた, 6 5 )はともに 救急処置実施上最 も困難な点として, 養護教諭自身が自分の問題と考 } 門田1 堀内1 , , えている, 判断処置に対して不安をもっ ていることを挙 げているが, 本調査の結果では, 児童生徒 側に問題の原因があると判 断されたケースの報告が 多くみられた. その内容から児童生徒自身の問 題だけ ではなく, 児童生徒の家庭環境に原因があると思われるものも多く, 家庭における健康生活 の習慣形成がみられないことに 起因していると思われる. 228.

(10) . 腹痛を主訴とする児童生徒に対する養護教諭の観察・判断・処置の実態. W. 腹痛に対する看護活動 のパターンについて. 「問題をのこした」 と報告されたケースに関して, 観察・判 断・処置における養護教諭の活動 の 過程を類型化して把握しようと試みたが, 各設問に対する回答が前後の関係において論理的に結び つかない場合がみられ, また選択項目が多数 であるために錯雑にすぎて’ 全体的に類型区分するこ. とは困難であっ た, 設問間における回答の矛盾の例としては, 問題をのこした原因が医療機関側に あるとしながら, 処置後の経過にお いては医療機関の受診を行っ ていないもの, 検温を原因およ び 処置の判断基準としな がら, 処置の欄には検温をチェッ クしていないものなどである, また 「問題 をのこした原因」 の欄については, 平生の養護活動 における問題点や困難点をあげたも のと思われ. る回答がみられ, 調査表の右欄の各設問にはそれぞれ別個の事例が記入されているように感 じられ るものもみられた. しかし, この類型化作業の過程において, 次のような結果が得られた. ①随伴症状については 「 n 握気・幅吐」 が多く, 児童生徒の半数にみられた. 幅気・幅吐を伴わな い腹痛の随伴症状については 「腹部圧痛」 が多く, つい で 「胃痛」 であった, 「胃炎」 と判 断された 腹痛の随伴症状には 「胃痛」 がみられた. 判断に困難を伴っ た原因疾患に ついては, とくに差はみ ら れ な か っ た.. ②看護婦免許所有者の処置 の内容は, ほとんど例外なしに「問診」「検温」「状態観察」「腹部触診」. と いう 1 つ の パ ター ン を 作 っ た こ と は,とく に 着 目 し た い 点 であ る.こ れは 養 護 教 諭 群 に こ の パ タ ー. 0%に止まり, 他はほとん ど類型を抽出することができない程錯雑な パターンを ンを示したものが3 示したこととは, かなり異なっ ている. 看護婦免許所有者の処置の パターンは, 医師が診断を行う 場合の不可欠な要素 であり, 医学的な専門の立場から腹痛に対処していることがうかがえる. 養護. 教諭群は児童生徒の生活環境, 教育環境など多角的に腹痛を捉えようとしているために 多種多様な 処置がみられ, 1つの パターンとして抽出することができなかっ たと思われる,. 稿を終えるにあたり, 貴重な資料を心よく提供していただき, 調査表設計ま での経過を説明して 下さっ た前任の増岡講師と, この課題を与えられ, 終始御指導を賜わりました池田助教授に深く御 礼申し上げます. この論文を筆者の名 で報告することができましたのは, 先生方の御好意 によるも. のであります, 論文の執筆にあたり, 本学岡本次郎教授から有益な御指 導を賜わりました. また統計処理の技法. については, 同じく坪内昭夫講師の懇篤な御教示を得ました. 両先生に心から感謝申し上げます,. 〈注〉 1) 伊藤克彦 (1 8 ) 97 2) 岡村正明 (1 ) 96 9 3) 佐竹みどり (1 3 97 ). 「子どもにおける痛みの異常心理」 教育と医学 2 6( 6~6 2 8 )p .5 「最近の救急活動の現状」 学校保健研究1 1( 3 ) P・116~124 「頭痛・腹痛の関連要因に関する研究」 学校保健その研究課題と方法第1集 p 05 .1 ~114 東 山 書房. 自腹痛の病態生理」 小児内科 9( 4) 今野多助 (1 ) 1 の p 1~1 6 977 ,1 )p 45~1 52 5) 鈴木好文ほか (1 9 ) 「小児の腹痛」 治療 6 0( 7 7 8 .1 2 6) 本多輝男ほか (1 ) 「腹痛」 小児科 180 )p 97 7 27 9~12 8 5 .1 229.

(11) . 津. 村. 直. 子. 「腹痛診断のコツと盲点」 小児内科 9( 1 の p .17~24 「現職養護教諭の求めている知識・技術」 学生特別研究論文集9 p.140~147 弘前大学養護教諭養成所 9( 6 )p 7 7 9) 堀内久美子ほか (1 97 7 ) 「養護教諭養成機関における看護学教育の一考察」 学校保健研究 1 .2 ) 7) 武谷茂ほか (1 977 ) 8) 山内秀子ほか (19 77. ~284. 1 ) 山内秀子ほか 0 1 1 ) 伊藤克彦 ) 1 2 ) 中林日 97 4 英子ほか (1 13 ) 中林日 英子ほか 14 ) 武谷茂ほか 1 5 ) 堀内久美子ほか ) 1 6 ) 門田新一郎 (1977. 前掲書 前掲書. 「養護教諭の執務に関する研究」. 前掲書 前掲書 前掲書. 6( 2 )p 9~8 6 学校保健研究 1 .7. 「学校における救急処置に関する調査研究」. 9Qの 9回 り p・495~500 学校保健研究 1. (本学助手・旭川分校). 230.

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参照

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