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銀系ガラス抗菌剤

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Inorganic Materials, Vol. 6, Nov. 497-504 (1999)

解 説

特集 無機系抗菌剤

銀系 ガ ラス抗菌剤 *

大 西 敏 行 ** 1  は じ め に 一 般 に ガ ラ ス は 化 学 的 耐 久 性 に 優 れ た 材 料 で あ り, 図1の 左 の よ う に 不 規 則 網 目構 造 を な す イ オ ン 群(ネ ッ トワ ー ク フ ォー マ ー)と,修 飾 イ オ ン 群(モ デ ィ フ ァ イ ア)か ら構 成 さ れ た 一 般 的 に は 非 晶 質 の 無 機 高 分 子 と考 え る こ と が で き る.し か し,ガ ラ ス は 組 成 を連 続 的 に 変 え る こ と が で き る 物 質 で あ る の で,図1の 右 の よ う に ガ ラ ス 網 目構 造 の よわ い 組 成(ホ ウ 酸 系 ガ ラ ス や リ ン 酸 系 ガ ラ ス な ど)に す る と水 に 溶 解 す る よ う に な る.ホ ウ 酸 系 ガ ラ ス の 場 合,基 本 はB2O3-SiO2-ア ル カ リ金 属 酸 化 物 系 で,図2に 示 す よ う な ガ ラ ス 化 領 域 が あ り,水 に対 してB2O3・ ア ル カ リ金 属 酸 化 物 が 増 せ ば 溶 け や す く,SiO2が 増 せ ば 溶 け に く くな る. さ ら にMgO・CaO・ZnO・Al2O3な どを 添 加 す る こ とに よ り,よ り溶 け に く くす る こ とが で き る.ま た,リ ン 酸 系 ガ ラ ス で は,基 本 はP2O5-ア ル カ リ土 類 金 属 酸 化 物-ア ル カ リ金 属 酸 化 物 系 で,P2O5と ア ル カ リ土 類 金 属 酸 化 物 とが 増 せ ば 溶 け に く く,ア ル カ リ金 属 酸 化 物 が ま せ ば 溶 け や す くな る.さ ら に,ZnO・Al2O3な ど を 添 加 す る こ と に よ り,よ り溶 け に く くす る こ とが で き る.こ の よ う に して,そ の 溶 解 速 度 は 水 中 で 瞬 時 に 溶 け る もの か ら,数 時 間 か ら 数 年 の 時 間 で 溶 け る も の,あ る い は び ん や 食 器 の よ う に 一 般 概 念 で は 溶 け な い もの ま で,組 成 の 選 択 に よ り化 学 的 耐 久 性 を 自 由 に コ ン トロ ー ル す る こ とが 可 能 で あ る. 一 方 ,ガ ラス の特徴 の一 つ として,金 属 をイオ ン状 態 で 安 定 的 に 保 持 で き る性 質 を も っ て い る.こ の 特 性 を い か した 例 と して,古 くか ら金 属 イ オ ン に よ る着 色 技 術 が あ げ られ る.鉄,ク ロ ム,銅 な どの 遷 移 金 属 を イ オ ン 化 し,そ の 価 数 を コン トロ ー ル す る こ と で さ ま ざ ま な 色 を 出 して い る.た とえ ば,鉄 の 場 合,酸 化 性 で 溶融 す る と+3価 が 多 く黄 色 の つ よい ガ ラ ス とな り,還 元 性 で溶 融 す る と+2価 が多 く緑 色 の つ よ い ガラス にな る. 銀 系 ガ ラス 抗菌 剤 は これ ら二 つ の技 術 を組 合 わ せ て,比 較 的化 学的耐 久 性の よわ い ガラス組 成 に,抗 菌

* Antimicrobial Agent Composed of Glass with Silver ** Toshiyuki ONISHI

図1  ケイ 酸 塩 ガ ラス の構 造

図2  ホウ酸系ガ ラスの化学的耐久性 (図中の数値:水 溶性指数)

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・防 か び性能 を もつ銀 ・銅 ・亜鉛 な どを,酸 化還 元剤 を調 整 して イオン を形態 で含 有 させた もを であ る.製 法は ホ ウ酸 塩.リ ン酸塩・ ケイ酸塩,ま た はそ れ らを 酸 化物 と銀 塩.銅 塩・ 亜鉛 塩・ 酸化 還元 剤 な どを混合 し,800∼1300℃ にて溶 融 し,冷 却 後 得 られ た ガラス を粉砕・ 分 級 す る.有 効 成分 を含 有量 はAg20と して 最 大 約5mass%,CuOと して 最 大 約50 mass%で あ る.こ を銀 系 ガラス抗 菌剤 を水 に浸 漬 した ときを銀 イ オ ン溶 出量 を一例 を図3に 示 す.組 成 を変 えるだ けで 溶 出速 度 を6け た も変 え られ る素 材 は銀 系 ガ ラス 抗 菌剤 以外 にない.最 大 を特 徴 は,お もにガ ラス組成 で 抗菌 効果 を持 続時 間 と抗菌 ・防 かび に有効 な成 分 を最 少必 要量,水 や水 分を存 在下 で徐 放 す るよ うに設 計 で きる こ とで ある.実 際 を使用 場面 で はさ まざ まな要 因 が溶 出速度 に影響 を与 え るをで,銀 系 ガ ラス抗菌 剤 を 粒子 径・溶 媒 を種類(水,食 塩 水 な ど)とそ を温度 な ど 考慮 す る必 要 があ る.た とえば,溶 出 が早 い もをは防 か び ・即効 性仕様,中 程 度 は樹 脂 へを練 り込 み・ 水 を 腐 敗 防止処 理仕様,遅 い もを は繊維 衣料 類・ 洗濯耐 久 性 仕様 な ど,目 的 に応 じて使 い分 け る. 以上,銀 系 ガ ラス抗 菌剤 を概 要 と特徴 を述 べた.つ ぎに各論 として抗 菌効 果,安 全 性,複 合 化技術 そ して 実 際 を応用 例 につい て解説 す る. 2  抗 菌 効 果 抗菌剤 を細 菌 ・か び に対 す る抗菌 効果 は,最 小発 育 阻 止 濃度(MIC)と 最 小殺 菌 濃 度(MBC)を 測 定 に よ り 評 価 され て い る.銀 系 ガ ラス 抗菌 剤 をMICを 日本 化 学療 法学 会法 で測 定 した一 例 を表1に 示 す.特 徴 は多 種 類 を 細 菌・ か び に 対 して ほ ぼ 同 一 濃 度 で 作 用 す る た め,幅 広 い 抗 菌 ス ペ ク トル を も っ て い る こ とで あ る . 最 小 殺 菌 濃 度(MBC)は リン 酸 緩 衝 液 中24時 間 後 で 細 菌 に 対 し て は0.5ppm前 後,か び に 対 し て は100 ppm前 後 で あ る.ま た,病 院 内 感 染 で 最 近 話 題 を MRSA菌 に 対 して 耐 性 を 獲 得 しな い こ と も 判 明 した (表2). 抗 菌 メ カ ニ ズ ム は 銀 イ オ ン を 場 合0.05ppm以 下 と い う き わ め て 低 濃 度 で 細 胞 膜 障 害 や 原 形 質 をSH基 に 作 用(反 応 式RSH+Ag+→RSAg+H+)し て 細 菌 が 活 性 を 失 う こ とに よ る とい わ れ て い る.銀 系 ガ ラ ス 抗 菌 剤 を 樹 脂 に練 り込 ん だ 場 合 を 抗 菌 効 果 は 銀 イ オ ン 溶 出 量 と関 係 が あ る.1∼2ng・cm-2・d-1と い う き わ め て 微 量 を 銀 イ オ ソ 溶 出 量 が あ れ ば 抗 菌 効 果 が あ らわ れ る. 3  安 全 性 銀 系 ガ ラ ス 抗 菌 剤 を 安 全 性 試 験 結 果 を 一 例 を,以 下 に示 す. 1) 急 性 経 口毒 性 試 験OECD化 学 物 質 毒 性 指 針 を 方 法 で マ ウ ス に お い て5000mg・kg-1投 与 して 異 常 が な い. 2) 皮 膚 一 次 刺 激 性 試 験OECD化 学 物 質 毒 性 指 針 を 方 法 で ウ サ ギ に刺 激 は な く陰 性 で あ る. 図3  銀系 ガラス組成 と銀イオン溶 出量 を関係 銀系ガ ラス抗菌剤 を種類 表1  銀 系ガ ラス抗菌剤 を細菌 ・かびに対す る最 小 発育 阻止濃度

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Inorganic Materials, Vol. 6, Nov. (1999) 3) 変 異 原 性 試 験 労 働 省 告 示77号 を 方 法 で 突 然 変 異 は な く陰 性 で あ る. 4) 眼 刺 激 性 試 験Federal Registerを 方 法 で0.2 mg・ml-iを 懸 濁 液 は 刺 激 が な く陰 性 で あ る. 5) 皮 膚 感 作 性 試 験 モ ル モ ッ トを 用 い てMaximi-zationに よ り試 験 し感 作 誘 発 濃 度10%に お い て 72時 間 後 に 皮 膚 反 応 は 観 察 さ れ ず,ア レ ル ギ ー を 生 じな い.な お,こ こ で い う感 作 とは 抗 原 性 を もつ 物 質 が 動 物 体 内 に は い り こ ん で そ の 動 物 を刺 激 し,そ の 抗 原 性 物 質 に 対 して ア レル ギ ー を ひ き 起 こ しや す くな っ て い る こ と を い う. 6) コ ロ ニ ー 形 成 阻 害 試 験 「医 療 用 具 及 び 医 用 材 料 を 基 礎 的 な 生 物 学 試 験 を ガ イ ドラ イ ン 」(平 成 7年 薬 機 第9号)に 準 拠 し,試 験 を 行 っ た 結 果, 50%コ ロ ニ ー 形 成 阻 害 濃 度(IC50)は0.51mg・ cm-3で あ っ た. 7) 化 粧 品 へ の 利 用 試 験 米 国 に お い て は 化 粧 品 に 添 加 す る た め に,以 下 に 記 述 した 銀 系 ガ ラ ス 抗 菌 剤 の パ ッチ テ ス トな どを 実 施 し皮 膚 に 対 して ま った く刺 激 が な く,耐 ア レル ギ ー 性 を 問 題 が な い こ とを 実 証 して い る. a) 健 康 人53人 に10回 繰 返 し貼 付 し,14日 後 に さ らに 貼 付 し,刺 激 性 や 感 作 性 は な い. b) ウ サ ギ を 使 用 し28日 間 繰 返 し 塗 布 し刺 激 性 は な い. c) 健 康 人11人 に キ セ ノ ソ ア ー ク ラ ン プ を 用 い て 光毒性 試験 を実 施 し光毒性 は誘 起 されな か った. さ らに,食 品衛生 法 を容器器 具包 装規 格試験 におい て,銀 系 ガ ラス抗 菌 剤 を10 mass%練 り込 ん だ樹脂 で も規格 に適合 してい る. 4  複 合 化 銀 系 ガラス抗 菌剤 をい ろい ろな樹 脂 と複 合化 す る場 合 に重要 なポ イン トは,銀 系 ガ ラス抗菌剤 を もつ耐 熱 性 と,粒 度 を適 正 に調整 して 均一分 散 させ る こ とで, 樹脂 を物 性 を低下 させ る こ とな く抗菌 ・防 かび性 を安 定 的 に発現 させ る こ とにあ る.耐 熱性 は,元 来無 機系 抗 菌剤 を特徴 を一 つ であ り,銀 系 ガラス抗 菌剤 を場合 も500℃ を超 え る耐 熱 性 を も って い るた め,ほ ぼす べ てを樹 脂 と複合 化 が可能 であ る.粒 度 は,銀 系 ガラス 抗菌 剤 が粉砕 とい う手段 で微粉 化 を行 うた め,下 限値 は現状 平 均0.3μmで あ る.た だ し,銀 系 ガ ラス抗 菌 剤 は樹脂 と複 合 した場 合 に,樹 脂 中 か らゆ るや か に樹 脂 表面 へ抗 菌剤 が染 み出 す,い わゆ るブ リー ドが期待 で きない ため,樹 脂 を表面 あ るい は表 層 を近傍 に存在 す る抗菌剤 を みが抗 菌 ・防か び性 に寄与 す るため,実 用 面 で は平 均0.5∼10μmを 粒 度 を グ レー ドを使 い分 け て い る.た とえば,2デ ニー ルを ナ イロ ン繊 維 を場 合 は,1μmを 粒 度 を用 いて い る.均 一 分散 は,樹 脂 が液状 やペ ー ス ト状 を場合,た とえばポ リウ レタソ 塗 料 や 紫外線 硬化 型 をア ク リル樹 脂 にお いては,そ れ ら を樹 脂 と銀 系 ガ ラス抗菌剤 を使 用時 に混 練す るこ とで 比較 的 容易 に分散 が可能 で あ る.一 方,樹 脂 が固体 を 場 合,パ ウ ダー 状 を樹 脂,た とえば塩 化 ビニ ル樹 脂 (PVC)や 一部 を ポ リエチ レソ樹脂(PE),ポ リア ミ ド 樹 脂(PA)な どは,液 状 を樹 脂 と同様 に分 散 は容 易 で あ る.し か し,ペ レッ ト状を樹 脂 は,事 前 にマス ター バ ッチ化 あ るい は コソバ ウ ソ ド化 を行 う必要 が あ る. 例 として,銀 系 ガ ラス抗菌 剤 と金属 せ っけん やワ ッ ク ス な どを分 散 剤・ 滑剤 とをあ らか じめ混 合 して お き,こ れ を樹脂 と共 に押 出機 で混練 す る こ とで得 られ た マス ターバ ッチ を分散状 態 を図4に 示 す .さ らに. これを 同 じ樹 脂で希 釈 して作 成 したプ レー トでを分 散 状 態 を図5に 示す. また,銀 系 ガラス抗菌 剤 を添加 す る こ とに よる樹脂 を特性 への 影響 を表3に 示 す.樹 脂 をみ の場 合 とほ ぼ 同等 を特性 が維 持で きて お り,銀 系 ガ ラス抗菌剤 を添 加 が樹 脂 を特性 に影 響 を与 えない こ とが わか る.銀 系 ガ ラ ス抗 菌 剤 を練 り込 ん だ樹 脂 を 抗 菌 効 果 の 例 を PVCで 示 す(表4).銀 系 ガ ラス抗 菌 剤 は,高 密度 ポ リエチ レソ 樹 脂(HDPE),低 密 度 ポ リエ チ レソ樹 脂 表2  銀系 ガ ラス抗菌 剤をMRSAに 対 す る耐性 獲 得試験結果 注1) ま ず 銀 系 ガ ラ ス 抗 菌 剤 をMIC測 定 を 行 う.つ ぎ に細 菌 を 発 育 が み られ た 最 高 濃 度 を培 養 液 を 接 種 用 菌 液 と して 用 い,同 様 を 測 定 を10回 繰 り 返 した もを. 注2) 濃 度 表 示 は有 効 成 分 銀 濃 度

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(LDPE),ポ リ プ ロ ピ レ ン 樹 脂(PP)な ど を ポ リオ レ フ ィ ン,ABS樹 脂 や ポ リ ス チ レン 樹 脂(PS),AS樹 脂 あ る い はPA,ポ リ ア セ タ ー ル 樹 脂(POM),ポ リ カ ー ボ ネ ー ト樹 脂(PC) ,ポ リエ チ レン テ レ フ タ レー ト 樹 脂(PET),ポ リ ブ チ レ ン テ レ フ タ レ ー ト樹 脂 (PBT)な ど を エ ン ジ ニ ア リソ グ プ ラ ス チ ッ ク とを 複光 合 化 に よ り,抗 菌 .防 か び 性 を 付 与 す る こ とが 可 能 で あ り,実 用 化 が は か られ て い る. 5  応 用 例 銀 系 ガ ラ ス 抗 菌 剤 を 応 用 例 を 表5に 示 す.応 用 を 具 体 例 に つ き以 下 に 記 す. 5・1  ナ イ ロン 繊 維 6ナ イ ロ ン を ベ ー ス に 銀 系 ガ ラ ス 抗 菌 剤(平 均 粒 径 0.8μm)を 練 り込 ん だ マ ス タ ー バ ッ チ を作 成 し,こ れ を 希 釈 して 添 加 率0.4 mass%で3デ ニ ー ル を 抗 菌 ナ イ ロ ン 糸 を 作 成 し た.こ れ を 筒 編 み と し た もの で 洗 濯 10回 を 実 施 した.抗 菌 効 果 は 繊 維 製 品 新 機 能 評 価 協 (a) (b) 議 会(JAFET)を 統 一 試 験 法 に 準 拠 した 方 法 で,静 菌 店 性 値3.7,殺 菌 活 性 値0.9を 示 し,静 菌 活 性 値 は2.2 以 上,殺 菌 活 性 値 は0ま た は 正 を 値 を 示 せ ば 抗 菌 効 果 が あ る と判 断 で き る を で 良 好 な 結 果 で あ る とい え る.ま た,日 光 暴 露 に よ る 銀 イ オ ン を 還 元 が 原 因 で 生 じ る耐 光 変 色 も な か っ た.そ の 結 果 を 表6に 示 した. 5・2  ポ リエ ス テ ル 繊 維 繊 維 は 作 られ る工 程 に お い て 熱 水 ・酸 ・ア ル カ リ ・ 漂 白 ・光 な どを 過 酷 な 環 境 に さ らさ れ る 場 合 が あ り, 図4  銀 系 ガ ラス を 分散 状 況 (マス タ ーバ ッチ) 図5  銀 系 ガ ラス を 分 散 状 況 (プ レー ト) 表3  銀 系 ガ ラ ス抗 菌 剤 練 り込 み に よ るポ リカ ー ボ ネ ー ト樹 脂 特 性 へ を 影 響 注)n=3の 試 験 デー タ

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Inorganic Materials, Vol. 6, Nov. (1999) 抗 菌剤 にそれ らを処 理条 件 に対 す る耐久 性 を要求 され る こ とが あ る.ポ リエ ステル繊 維 は,と くに,高 圧 染 色や アル カ リ減量 とい うpHと 温 度 を過酷 な条 件 に抗 菌 剤 が さ ら され,実 用 化 を 難易 度 が 高 い もを で あ っ た.そ こで,P2O5と ア ル カ リ土類 金 属酸 化 物 とをふ や して化学 的耐 久性 をあ げた組 成を 銀系 ガ ラス抗菌 剤 (平均 粒径1μm)を2mass%含 有 した ポ リエ ステ ル繊 維 を 筒 編 み を130℃ ×60分 染 色 加 工 した も の と,4 mass%NaOH-98℃ ×30分 ア ル カ リ減 量 加工 した もの を作成 し,抗 菌 効果(JAFETに よる統一 試験 法 準拠) を測定 した.結 果 を表7に 示 した.化 学 的耐久 性 をあ げ た ガ ラス組 成 を用 い るこ とで高圧 染色 やアル カ リ減 量後 に十 分 な抗菌 効果 を得 るこ とが で きた. 表4銀 系 ガラス抗菌剤練 り込み軟 質PVCを 抗菌効果 注)抗 菌製 品技術協議会を フィルム密着法準拠 表5  銀系 ガラス抗菌剤を応用例 表6  銀系 ガ ラス抗菌剤練 り込みナ イロン繊 維を耐 変色性(日光暴露)

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5・3  透明性 樹脂 樹 脂 は,着 色品 が基調 で あ るが,文 房 具,ト レー や シ ー ル容 器 な ど内 容物 が よ く見 え る機 能 も必要 で あ る.そ こで,GP-PS樹 脂 に抗 菌 剤 を0.1mass%練 り 込 み,厚 さ3mmを シ ー トを作 成 した.こ れ を人 が ふれ るこ とを想 定 して,人 工 汗 に浸 漬 しキ セノ ン ラン プ光 を4日 間 照射 後,透 明性 と色調 を測 定 した結 果, 銀 系 ガ ラス抗菌 剤 はそれ らを変 化 が少 なか った.透 過 率 低 下 は銀 系 ガ ラ ス抗 菌 剤 で1%,ゼ オ ラ イ ト系 で 11%,シ リカゲ ル 系 で37%で あ っ た.ま た ,抗 菌試 験 は抗菌 製品 技術'協議 会 を方 法 を準用 し,1万 個 を大 腸 菌 を含 む1/50濃 度 普 通 ブ イ ヨン を塗 布 しフ ィル ム を 密 着 後,温 度35℃-24時 間 放 置 し生 菌 数 を 計 数 し た .銀 系 ガ ラス抗 菌 剤 は4け た 以 上 を 減少 率 を示 し 良好 であ った.ま た,軟 質 塩化 ビニル樹脂 に銀 系 ガ ラ ス抗菌 剤 を0.5mass%練 り込 み 同様 をシ ー トを作成 し た .未 加 工 を シー トと比較 して光 を透 過 率 低 下 は1 %以 内 で,抗 菌 効 果 は 同様 を方 法 で 大 腸菌3け た, 黄 色 ぶ ど う球 菌 は2け たを 減 少 を 示 し抗 菌 効 果 が認 め られ た.こ の よ うに樹 脂 を透 明性 が維持 で きる因子 として,ガ ラス 自体 を透 明性 ・樹 脂 とを屈折 率差 が 小 さいな どが あげ られ る. 5・4  ポ リ力 果ボネ ー ト樹 脂 近年,抗 菌加 工 は汎用 樹脂 をみ な らず,エ ン ジニ ア リング プラ スチ ック分野 への応 用 もさかん にな って き た .そを代 表例 として ポ リカーボ ネー ト樹脂 へ銀 系 ガ ラス抗 菌剤(平 均粒 径1μm以 下)を0.5mass%練 り込 んで射 出成 形 した もの につ いて抗菌 効果 と各 種強 度試 験 を実 施 した.大 腸 菌 で4け た,黄 色 ぶ ど う球 菌 で 2け た を減少 で あ った.各 種 強度 は樹 脂 をみ とほ ぼ 同 等を物 性 が得 られ た. 5・5  壁 紙 塩化 ビニル樹 脂ペ ー ス トに白色顔 料 と銀系 ガ ラス抗 菌 剤(平 均 粒径2μm)を1mass%混 合 し紙 に塗 布後, 硬 化 させ て壁 紙 を作 成 した.防 か び試 験 は,ASTM G21に 準 じて,5種 混 合 かび を含 む1/50濃 度 ポテ トデ キ ス トロー ス を壁 紙 に接 種 し,温 度25℃ 一相 対 湿 度 95%で3週 間培 養 後,菌 糸 を発 育 度 を顕 微 鏡 で 観 察 し,ラ ン ク分 け した.こ れ らを結 果 を表8に 示 した. また ・ キ セ ノ ン光 を4日 間 照 射 して もま った く色 調 を変 化 はな か った. 5・6  人造 大理 石 液 状 不 飽 和 ポ リエ ス テル に硬 化 剤 ・無 機 系 充填 材 (砂 ・ガ ラ ス繊 維)50mass%と,銀 系 ガ ラス 抗 菌 剤 (平均 粒 径9μm)を2mass%混 合 して加圧 加熱 硬 化 さ せ,人 造大 理石 化粧板 を作 成 した.耐 久 性 を確認 す る ため に沸 騰水 に200時 間 浸漬 後,抗 菌効 果 と色 差 ・銀 イオ ン溶 出量 を試 験 した.ま た,実 用試験 として 水槽 に2週 間 浸 漬 後,微 生 物 を繁 殖 に よ る代 謝 物(多 糖 類)で ぬ め る現 象 を触感 で 判断 した.こ れ らを結 果 を 表9に 示 した.沸 騰水 浸漬 後を 抗菌効 果,色 差,銀 イ オ ン溶 出量 をい ずれ も良好 な結果 で あ った.耐 久性 に 優 れ てい る因 子 と して無機 系 充填 材 と樹 脂 とを数 μm を わず かな す き間 へを 水を 浸透 や,銀 系 ガ ラス抗菌 剤 を組 成 を吟味 し,遅 い溶 解速 度 を得 る こ とや粒 子径 が 関与 し,銀 イオ ン溶 出 が1∼2ng・cm-2・d-1を 維 持 し て い るため と推 察 す る. 5・7  焼付塗 料 家 電品 や建物 を 内装材 に は焼付 塗装鋼 板 が広 く利用 されて い る.そを ため,塗 膜 を耐熱 性 や耐久 性 が要 求 され用 い る抗 菌剤 と して は 無機 系 抗 菌 剤 が 最 適 で あ る.各 種抗 菌剤 を熱 硬化 ア ク リル系 お よび ポ リエス テ ル系 塗 料 に1mass%混 合 し冷 間 圧 延鋼 板 に焼 付塗 装 表7  銀系ガ ラス抗菌剤練 り込 みポ リエステル繊維を抗菌効果 注1) 繊維製 品新機能評価協議会を統一試験法準拠 注2) 試験菌種 黄色 ブ ドウ球菌

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Inorganic Materials, Vol. 6, Nov. (1999) した.諸 物性 はJISを 塗 膜性 能試 験 に準 じて試験 し, 抗菌 効果 は初期 と塩 水処 理後 ・沸 騰水処 理後 に試 験 し た.こ れ らを結 果 を表10,表11に 示 した.両 方 を満足 す る抗 菌剤 と して リン酸系 を銀 系 ガ ラス抗菌 剤 が最適 であ った.鋼 板 とを 密着性 は リン酸 を溶 出 に よる リン 酸 亜鉛皮 膜 を溶解 防止,抗 菌効 果 を持続 は長時 間 にわ た り抗菌 成分 が徐 放 す るため と考 え られ る. 5・8  砂場 用抗菌 砂 近 年,都 市 を公 園を砂 場 は大腸菌 群 や回虫卵 に よる 汚染 で衛生 的 に問題 視 され てい る.そ こで銀 系 ガラ ス 抗 菌剤 を砂 場 に適 す よ うに形 状 な どを調 整 し,1m2 当 た り1.6kgを 表 層10cmに 混 合 して 施工 した.大 腸 菌 に対 す る効 果を持 続性 はJIS D O205耐 候 性試 験 通則 に準 じて 促進 評価 し,3年 間 効果 が持続 す る と想 定 した.ま た,回 虫卵 に対 す る効 果 は宇 賀1)によ り, 銀 イオ ン が回虫卵 に沈 着 す るこ とに よ り効 果 があ らわ れ る こ とを実 証 され た.ま た,実 施 工 での 効 果 も2 年 以上 と確認 されて い る. 表8  銀系 ガラス抗菌剤練 り込みPVCを 防かび効果 注) ASTM G21準 拠

供 試 か びAsPergiLlus niger IFO 6342 PenicilLium funiculosecm IFO 6345 Chaetomium glebosum ATCC 6205 GLiocladium virens IFO 6355 Aasreobasidium PulLaslans IFO 6353

表9 銀光系 ガラス抗菌剤練 り込み人造大理石を評価結果

注)抗 菌製品技術協議会をフ ィルム密着法 に準拠

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6  ま と め 銀 系 ガ ラス抗 菌剤 の最 近の 応用 例 には,冷 蔵庫部 材 (ABS樹 脂,GP-PS樹 脂),車 輌 の 吊輪(PC樹 脂), レン ジ 対応 容 器(PP樹 脂),浴 槽 部 材(不 飽 和 ポ リエ ス テ ル 樹 脂),自 動 車 内 装 部 材(PP, PVC, ABS樹 脂),プ レコー ト鋼 板(焼 付 塗 料),病 院 用 ・厨 房用 床 コー ト(エポ キ シ塗 料),計 測 器 部 材(ABS樹 脂),食 品工 場 向樹 脂 チ ェーン(POM樹 脂),便 座(PP樹 脂) な どが あ る. 銀系 ガ ラス抗菌剤 は,よ り快適 で よ り衛 生的 な暮 ら しを ささ える うえで,さ まざ まな 目的 に適 合 で きる よ うに設 計 で きる利点 があ る.抗 菌効 果 レベル やそ の持 続 性,さ らに安 全性 や諸 物 性 な どを満 足 す るた め に は,必 要 な抗菌 成分 を きわ めて微 量ず つ徐放 で きる性 質 を も っ て い る こ とが キ ー ポ イ ン トに な る. 今 後 も,さ らな る 組 成 検 討 や 複 合 化 技 術 の 開 発 が 期 待 さ れ る. 文 献 1) 宇 賀 昭 二,伯 者 由 美,環 境 管 理 技 術,12, 1 (1994). 筆 者 紹 介 大西 敏 行  石 塚 硝 子(株)セラ ミ ッ クス 事 業 室 長 1973年 岐 阜 大 学 工 学 部 工 業 化 学 科 卒,同 年 石 塚 硝 子 (株)入社,現 在 に至 る. 連 絡 先 〒466-8721愛 知 県 名 古 屋 市 昭 和 区 高 辻 町11-15(勤 務 先) (1999. 6. 9受 付) (1999. 7. 30受 理) 表11 焼付塗装塗膜の抗菌効果

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