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学校組織における「年齢の壁」の実証的研究 : 教員の高齢化に対する学校経営改善の一考察

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(1) 昭和58年度. 学 位 論 文. 学校組織における「年齢の壁」の実証的研i究.  一教員の高齢化に対する学校経営改善の一考琴一. 兵庫教育大学大学院学校教育研究科  学校教育専攻・教育経営コース. 中.   学籍番号 M82035. 村. 保.

(2) 目. 次. (4)公務員社:会のおける年功序列主義体制のゆくえ・・・・…   31. (5)年功序列主義体制と現代社会・・・・・・・・・・・…   31. 序章 本研究の背景と問題の所在. ・・・・…. @  1. 1.戦後の教員の年齢構成の変化・・・ ・・・・・・・・…   1 2.今後の教員の年齢構成の予想・・・・・・・ ・・・…    2 3.問題の所在と研究の方向・・・・・・・・・ ・・・…    4. 1章 研究の構想と論文主題の概念規定 一一一一9. 4.論文主題の概念規定・・・・・・・・・・・・・・・・…   12 (1) 「学校組織」の概念規定・・・・・・・・・・・・・…   12 (2) 「年齢の壁」の概念規定・・・・・・・・・・・・・…   13. 1.調査研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・…   36 2.調査研究の仮説・・・・・・・・・・・・・・・・・…    36 3.調査研究の内容・・…                   36 4.調査研究の方法●●.”                 37 (1)予備調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…   37 (2)本調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…   37 5.調査研究の結果及び考察・・ ・・・・・・・・・・・…   38 1.「年齢の壁」その1 ・・・・・・・・・・・・・・…. 38. 1・(1)年功序列主義やその体制に対する意識・・・・… 1・(2)校内人事や管理職登用の条件と年功(年齢). 39.     または年功序列についての実態と意識・・・・… 1・(2)・a校内人事の条件と年功(年齢)について・・…   (1)教務の代表の場合・・・・・・・・・・・・・….   ② 研修の代表の場合・・・…  ●●●●’’’”●. 11童 学校経営論の点描一■・・・…  t一・一一・17. (1・)学校経営の概念規定・・・・・・・・・・・・…  ●’●. (2)本研究の立場・・・・・・・・・・・・・・・・…  ■■. 2.学校経営の組織論・・・・・・・・・・・・・・・・・… (1)学校経営観の概観・・・・・・・・・・・・・・・・… (2)専門職組織論の概観・・’・・・・・・・・・・・・・…. (3)専門職組織・運営の特質・・・・・・・・・・・・・…. 3.専門職組織論と年功序列主義体制・・・・・・・・・・… (1)専門職組織論からみた現場・・・・・・・・・・・・… (2)専門職組織論と年功序列主義体制・・・・・・・・・… (3)一般企業社会における年功序列主義体制のゆくえ・・… 目次 1. 7 91 92 12 42 62 6 17 18 11. 1.学校経営の概念・・・・・・・・・・・・・・…  ’・….   (3)’学年の代表の場合・・・・・・・・・・・・・…   (4)3つの人事と年功(年齢)条件について・・・・…. 1・(2)・b管理職登用の条件と年功序列・・・・・…  ’ 1・(3)学校組織や教員集団の様相(組織風土)と年. 24 22 44 44 み5 4 444 4. 1.研究の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…   9 2.研究の仮説・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・…   10 3.研究の内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…    11 (1)仮説①に関わっての文献研究・・・・・  ・・・・…   11 (2)仮説②に関わっての調査研究・・・・・  ・・・…    11. 皿童 学校組織における「年齢の壁」の調査研究36.     功序列主義や年長者尊:重主義についての意識・…. 47. 1・(3)・a学校組織や教員集団にある問題点と年       功序列主義・・・・・・・・・・・・・・… 1・(3)・b コンフリクトの発生要因と年長者尊重. .48.       主義・・・・・・・・・・・・・・・・・… 1・(3)・c意思決定過程に影響を与える要因と年. 50.       長者尊重主義・・・・・・・・・・・・・…. 51. 2.「年齢の壁」その2 ・・・・・・・・・・・・・・…   53 目次 2.

(3)   2・(1)年功序列主義やその体制に対する意識につ. (5)事務処理機購の改善・・・・・・・・・・・・・・ …  112.       いての年代のズレ・・・・・・・・・・・・・…   53   2・(2)校内人事や管理職登用の条件に対する意識. 5.今後の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…   113.       についての年代のズレ・・・・・・・・・・…   54   2・(3)学校組織や教員集団の様相(組織風土)につ.       いての意識に関する年代のズレ・・・・・・…   56   2・(4)教員が高齢化することについての意識に関. ※資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 116.       する年代のズレ・・・・・・・・・・・…  ’・・♂ 60   2・(5)組織経営モデルの類型化に対する年代のズレ・・’・・ 63.   2・(6)学校経営改善についての意識に関する年代       のズレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・…   69. 6.まとめ ●’・・・・・・・・・・・・・・・・・・…   73. Al章 教員の高齢化に対する学校経営の改善 ・78. (3)研究仮説と調査結果の実証性・・・・・… 『・・・… (4)高齢化への対処を組織問題として把握・・・・・・・…. 2.年功序列主義体制から能力主義体制への潮流・・・・・… (1)調査に現われた年功序列主義体制に対する意識とその実態・ (2)年功序列主義体制が存続してきた理由とゆきづまりの要因・. (3)能力主義体制への潮流・・・… 1・・・・・・・・… 3.専門職組織の充実と能力主義体制・・・・・・・・・・… (1)専門職としての教員に求められる資質能力とその構造… (2)能力主義体制確立のための基本的理念・・・・・・・… (3)専門職組織のリーダーに求められる条件・・・・・・…. 4.高齢化に対する組織的取り組み・・・・・・・・・・・… (1)教育(教授)組織の改善・................ (2)職能成長の促進と校内人事の改善・・・・・・・・・… (3)研究と修養を基底にした教育活動への改善・・・…  .. (4)組織風土の改善・・・・・・・・…  ■一・…  .・... 一目次 3.      0        5  09 ρ02 ρ0 80 8 8 3 5 5 519 7 7 0 8 8 8 8 8 8 9 9 9. 1.高齢化に関わる問題点の総合的把握・・・・・・・・・… (1)序章で把握した問題点・・・・・・・・・・・・・・… (2)調査研究で明らかにされた問題点及び重要事項・1・…. 目次 4.

(4) 童・生徒の急増に対応した大幅採用増の教員とが高年齢層に達したことによる。                                   (1)                     この高齢化現象については、市川昭.  序章 本研究の背景と問題の所在 1.戦後の教員の年齢構成の変化.  60歳以上.  小学校における教員の年齢構成は、図0・1にみるように大きな変化を経て.  55嵐肚60赫満. をかえ、ビール台子を経て現在では図0・2にみられるようにひょうたん型を 呈するに至っている。これらより教員の高齢化が確実に進行していることがわ かる。.  50多55,  45 c 50 ,. く50代」といわれるに至っている。こうした教員の高齢化は、戦後の新学校制. 度発足にともなう大量採用と第1次ベビーブーム(昭和22年∼24年)による児. 4. r. 15. 16 ・ 辱. @、 亀. 18. 48. 41 !10. 18. 40才以上 50才未満. 33.  30;35多  25多30二. C’. P8 @ψ. Cρ ’. ハ“ @ρ f. 30 2】. 24. 27. 一. 年後には40代、50代の中高年者が教員 の過半数を占める事態も予想されうる。」                 (2) と予想していたのである。. 図0・2 小学校教員の年齢構成 出典:「学校経営」昭和57年8月号、.   第一法規)94頁. 2.今後の教員の年齢構成の予想  乏ころでこの高齢化現象は、現在がピークなのではなく、今後ますます進行. の義’務教育年齢八口は、昭和60年から70年にかけて443万人もの大幅な減 少を示寸のであり、かつその後昭和100年頃までは横ばい傾向が続くと推計.  昭同i25   1Rra 31   0rlfi137   昭日143   昭和46   昭和49   昭団52   昭刊55.   図0・1 公立小学校における年齢構成の変化(%) 〈出典〉「学校経営」(昭和58年8月号、第一法規)96頁図3と、    「現代教育直会学講座4 現代学校の箭造」(/976年、. 30才以上 40才未満. シに40人学級が実現したとしても、単純に計算して11万人ほどの.     (3).      表、0・3 義務教育年齢人EIの将来推謝一中位推計値一 (米磨万人) 1. 推定人口. 減少推定 中学校. 0.    束大出版下)243頁第1袈とより作成. 一.        20劣10  0  10 20易. されている。『. @,9. 22 Q0. まずあり得ない。とすれば10年後、20.  35多405. 小学校. 22. 22. A噛 鴨. 25. れ、停止あるいは若返りということは. することが予想されるのである。表0・3にみるとおり、今後10年余のわが国. 、 、、.   満   未   才   30. 49. 32. 38. 26. 22. ・ 層 「. A㍉㌔,ρ P. ◎,. 63. 13. 巳、 ﹂、層  畠  ,  .. 28. 12. 12. 亀\ 舳 ㌦亀 、 、. 隔■﹂幽㌔o・亀,. 19. 19. ,覧賂、巳\、.=,∼ ﹂ ㌦. 98765432︼. ・ 魎 ,  ・.   ヒ   以   才   50. 董. 00. 女.  40ク45多.  25康未満.  一般的にもひところは「ひしめく40代」といわれていたのが、今や「ひしめ. 将来、教員の老齢化現象は進行こそす. 男. きている。戦後10年ほどは理想的なピラミッド型をしていたものが、次第に型. 午氏がすでに昭和41年の時点で「近い. 推定人口. 1姻160年. ㈱65年. ㈱70年. 繍75年. /,095. 902. 8/(≦. 862. 一1/93   −8(≦    十46. 605. 53/. 44/. 減少推定. 一74     −90     −36. 減少推定合言『. 一2(≦7   一/76    十/0. 1=1二1典:1⊥1口醤一「日本の)1暫来人〔1新推言『」 (「教育と恨f報」No.287、.   .昭和57年2月号、文部省)51頁、表4より作成. 1一. 405. 一2.

(5) 50歳   40    30. 30   40   50歳. 1. 50成   40. 30. 道森手城田形島城木罵玉葉京川岡山川井梨野阜岡知重爪音遠駆良山重根山島ロ島川媛知畑賀崎本分霊寸毫. 昭和40年. 北青岩宮秋山福茨栃.群埼千束神新富鉱福山長岐静愛三滋京大兵奈和鳥島岡広山徳香石高福軸索熊大宮盛沖. 昭和52年. 海          奈             歌             児.   公立小学校.   公立中学校. 昭和52年. 昭和 40年. 30. 教員が、今後10年余の間. 3.問題の所在と研究の方向. に減少することになる。昭.  市川昭午氏は、「この老齢化は女教師の増加とあわせて『じいちゃん、ばあち. 和55年10月の文部省の. ゃん、かあちゃん学校』を生み、単なる作業即製の低下や給与費の増大という. 学校教員統計調査によると、. こと以上に教育効果に関する問題でもある。」と指摘している。. 小学校教員は約45万6千.                   (6)  さ・らに名越清家氏は、全国的にみた教師集団の高年齢化と八事配置の偏りが、. 入、中学校教員は24万7. 学校教育や教師集団自体にどのような弊害をもたらすかという視点から、主な. 千人で計70万1千人にな. 問題領域として次の5点を指摘している。. ることから、全体で約7分.  ω 各世代の感惰や感覚が、子どもとのふれ合いや子どもの発達にとって、. の1の教員が減少する計算.   重要な意味を持つといわれる「子どもとの教育的人間関係の問題」. になるのである。.  ② バランスのとれた年齢構成によって、合理的・効率的な学校運営が司能.  これは現実的には採用率.   だとする「学校運営上の問題」. の低下とな?て現pれてく.  ③ 高年齢化は、教育革新の適応に対して疎外要件となるとする「教育革新. るわけズから、教員の高齢.   への適応の問題」. 化現象は、図0・4に示す.  ④ 年齢層の偏りは、教師集団内部の凝集性を強める傾向をもつが、集団内. 現状からして、多目地塚差.   部の価値観が固定化されやすいという「教師集団のダイナミズムの問題」. を生じていくものの.、わが.  ⑤ 高年齢化は、管理職登用をめぐって教師集団になんらかの病理現象を起. 国全体としては今後ますま す進行していくものといえ.   こさせるという「昇進をめぐる問題」                  (7)  ①は直接児童・生徒の教育指導に関わる効菓性の問題として、②は年若い校. よう。. 長に年長の教頭という組み合わせや、同級生が校長・教頭、校長・一般教員あ.  採用率の低下は、一方で. るいは教頭・一般教員と組み合わさるという役割分担の出現に関わっての人間. は将来の教員を夢みて学ぶ. 関係上への影響、あるいは年:功序列主義体制のゆきづまりの問題としてクロー. 学生の就職と直接的に関係. ズアップされてこよう。. してくる問題であるから、.  また③・④は、高齢化が一般に体力の消耗をともない、保守化傾向を招来す. 学生にとっても教員養成課. るといわれていることや、若年教員層とのズレを深刻にするのではないかと危. 程をもつ大学にとっても頭. ぐされていることより、経営機能の低下とも関わる問題といえよう。さらに⑤. の痛い問題となろう。        (5). については、次頁の図0・5及び表0・6に示すとおり、校長の採用・教頭の、.    (4). 40. 50歳.層. (注)沖縄につL・ては昭和49年と52年の平均年齢である・.    図.0・4 都道府県別教自の平均年齢 出興:文部省編『昭和55年度我が国の教育zk雄』     (昭和56年5月、大蔵省印刷局)53頁.             一 3 一一.                    一 4 一.

(6) 昇任年齢が年々上昇していることより、当事者にとってはたいへんな闘題とな. てき,たようなさまざまな問題、たとえば選考や椎弓に関わる汚職、過熱する受. って妙ると予想される・そのためζれまでもたび若こびマスコミ紙上をにぎわし. 験勉強、昇進競争等となって現われているものといえよう。とくに過酷な受験                         (8) 勉強は学校経営に影を落としているともいわれている。                       (9) アれは年齢構成のピラミッド型が崩れ同年輩者がひしめいているため、これ. 〈教 頭> %. 0. までのような1頂送りの年功序列主義体制に基づく昇進というものが、実質的に                       (10) は容易でなくなってきていることを示すものといえよう。そこで一方では学閥.  100 幽. 75. 25. 中学校. 小学校. 100. 50. 、’. 59.7 34.1.   75. 62.2. の力による恩恵をこうむろうとする動きが活発化してくることが予想されるの.   50. 31.2.   25  2.7       3.5                  5.0             1.6 ・・455・556・(才)0・・455・..556・(才). 100 ラ5. 50 25 0. ’マ方、児島邦宏氏は、教員文化という視点から年齢・世代のもたらす影響と して次の3点を指摘している。.         〈校 長〉 %. である。  (11).    小学校  %  中学校.  ① 年齢構成のうえでの高齢化現象が現われ、管理職ポストをめぐっての昇.          100.   進競争を激化し、結果として同一年齢間の雰囲気を不安定にしたり、昇進.           75 t..   競争に目を向け日常の教育実践をおろそかにするといった問題。.      39.5 50                  35.5.  ② 高齢化になるほどこれまでの属身的な経験や勘に依存し若年層の革新の.           25.   意欲と対立・緊張を生むといった問題。.     56.9 ・ [ 59.8   3.61 l I ’1 4.7 40 45 50 55 60(才) 0 40 45 50 55 60(才). 図0・5校長・教頭の年齢別昇任状況 出典:文部省「昭和56年度来教員の人事異動の概況」.   (『教育委員会月報』昭和57年12月号、第一法規)     第18表より作成. ・「. B 高年齢層の経験や技術と若年層の革新の意欲を結合させる中堅教員が少.   なく弾校全体の欄蠣難鰯める結果とな?ているといった幣・  さらに神草筆県教育センターの調査は、年齢構成のアンバランスが学校経営 上に支障を与えると報告している。関係するものを要約して次に紹介する。.  ① 高年層が多い場合:中聞管理職の任命に問題。仕事のマンネリ化、新鮮 裏0・6校長の平均年齢.   な着想や活気に乏しく若い生徒に不満感。他人の意見を聞き入れたがらな. 公立小学校. 公立中学校. 晒49 一. 54・3す. 54.8才. 珊5’2. 54.9才. 55./才.  ・・る。・人事異動が固着して職員の意欲が減退。. 鵬55. 55.5才. 55.8才.               ユ   ②’隼齢層にいくつかの偏りがある場合:世代差による対立が起こりやすい. 出典:『学校経営』 (昭和58年4月号、第    一法規)15頁より作成.   いような非協力的な面や積極性の欠如などが教員間の雰囲気を悪くしてい.   こと、校務運営上め考え:方や生徒指導上のセンスの食い違いなどのため困   難な問題が生ずることがある。               (13). 5 一一.                 一 6 一.

(7)  これうβつの指摘を概括すると...教員の高齢化は、これまでの学校組織や教. (6)市川昭午、前掲書、/76頁より要約. 員舞団が繕験したことのない問題を公式組織、非公式組織の両側面におい1て招.. (7)名越清家、前as書、246頁. 来させているといえよう。. (8)牧 昌見「学校経営と校長の役割」 (昭和57年、ぎようせい)/96頁.  こうしてみてくると教員の高齢化現象にいかに対応するかはx’『ひとり学校経. 営上の問題となっている9&1かりでなく、教育行政のうちでも人事行政C人事管 理)にも関わる広くて長期的な問題であるということができよう。.  そこで本研究は、こうした教員の高齢化現象を、今後の学校経営をめぐる重 要な問題のひとつとふまえるものである。そして、高齢化現象と非常に深く関 わってくるであろう年:功序列主義体制や年代のズレの有り様についての実証的. 研究をとおして、学校組織の窓口から、高齢化に対する学校経営改善の糸口を 冷つけ出すことを目的とするものである。         :∵;’1・.  ・サンケイ新聞「福岡県における教頭昇任に関わる汚職裁判」昭和58年5月   28日朝刊.  ・「教育の森」/983年2月号、毎日新聞社、〈特集教師の出世そのゆ   がみの構造〉   ◇永守良孝「校長百万、教頭七十万円の工作費一教育汚職は福岡県だけの    ことか」.   ◇大和田等「まともな教師は昇進断念」   ◇柳田邦夫「昇級へかりたてられる教師たちのお家の事惰」.  ・大和田等「腐敗はここまで構造化している」(『教育の森』/982年8   月号、毎日新聞社)           _. 、て9>牧昌見、前掲書、/96頁.   大和田等、前掲書、44頁 (注). (10)教頭への昇任と校長への採用を「昇進」とする. (1)名越清家「現代の教師集団」 (『現代教育社会学講座4 現代学校の構造』.   /976年、東京大学出版会)243頁  ,山田 寛「教育界の高齢化」(『学校経営』 昭和58年4月号、一ag一一法規).   /3∼/4頁 (2).市川昭午「学校経営管理運営の組織論」(/966年・明治図書). (11)名載濤家、前掲書、246頁. .四壁聯宏「学校経営論」(昭和57年・第一法規)86∼87頁 (13)伸奈川県教育センター「学校経営の諸問頴に関する研究」昭和46年3月.   /3∼/4頁.   /73頁 (3)山田喜一 F 日本の将来人口新推計」 (『教育の情報No. 。2 87’』昭和57.  ,『年2月号、文部省)5/頁. (4)門田裕一「教員の年齢溝成」層1(『学校経営』昭和57年8月号、第一.   法規)94頁.図1の数値より (5)中日i新聞「狭き門の教員採用 合格率は軒並低下」昭和58年5月25日朝刊  ・日本経済新聞「小学校の先生の門さらに狭く」昭和58年7月8日朝刊.  ・サンケイ新聞「競争率小学校は史上最高」昭和58年11月1日朝刊  ・NHKT・▽ニユ「ス昭和58年11月1日「:大阪府教員採用試験の結果、競.    争率19.8倍史上最高、合格者数昨年の40%減…J              −7一. 8.

(8)  1章研究の構想と論文主題の概念規定・  この章では、序章で把握した問題の背景や所在に対して研究をいが忙構想し ようとしているあかぐまた研究主題に関わる概念規定をどうおさえているのか. 制が機能しているのではと推察されるのである。それは能力の評価が難しいた め最後の判断は、客観的にみて説明のしゃすい無難な方法として「より年長の 方にしました」ということになり、年功序列による選択が、.方法や条件として.一. まだまだ残存していきそうに思われるからである。1才や2才の違いならより について述べる。. 能力のすぐれた者を校長に採用し、教頭に昇任させ、校内の主要なポストに配 1.研究の・目的. 置するというの々§、専門職組織の維持・発展と学校経営の効菓的・能率的推進.  近頃は教育をめぐるさまざまな問題(それも未だかつて経験したことのない.        ぺぎロ. のためにとられ極草であると思うのである。なぜなら、そうしたことの総合的. 単葉)が続発し、多発化して教育のあり方、学校のあり方が厳しく問われてい. な力の高まりがあってこそ学校全体として、学習者によりよい学習を、よりよ. る。その問題の解決と学校教育に対する信頼の回復は、〈JSとりひとり久)教員が. 輔車の自覚をも鱒さに+分にHgicsig成長すること・難平にはそ曝顕(. い教育を保障することができるといえるからである。.  教育問題の解決と学校教育への信頼の回復には、年功よりも知識・技能・指 成熟度)に応じた職能分化が歪みや偏りなく適正に行われること.によって徐 導力等をより重視する能力主義化と、それにみ合って人間性を重視する学校経 々に遂げられるものと信じたい。つまり、ひとりひとりの教員が、自分の所属 営や八事行政が強く要請される方向性が、総合的に求められているといえよう。. する学校をよりよい専門職組織体としてつくり上げてゆく努力と実践とを一丸 になってやるしかないといえよう。  ’        『  ’聖−…‘.  こうしたなかで、序童でも述べたように教員の高齢化はますます捷行するこ.  一方年齢構成が高齢化する学校にあっては、公式・非公式の両組織面におい. て、意識・価値観さらには学校経営に関わる若年者層(40才半満)と年長者 層(40才以上)及び各年代のズレがどのように現われてくるかも重要な問題. とが確実視されている。それにともなう諸問題はすでに詳述したとおs’り\.卵割. 的には教育効果に関わるものから学校経営全体に至り、関聯的には教育行政(. となってこよう。.  そこで本研究は、これまで述べてきたようなさまざまな問題状況に対して・. 人事行政)にまで及ぶ広くかつ長期的な様相を呈している。そのなかでもとく. 「学校という組織体は、専門職組織として経営されるべきである。」という立場. に、専門職組織体としての学校の経営にとって極めて重要な問題となるのが「 に立ち. 年:功序列主義体制」をめぐる問題であろう。ピラミッド型の年齢構成が崩れた. 現在、もはやかってのようにだれもが年功序列主義体制の恩恵を受けて順送り. 教員の高齢化現象を、今後の学校経営をめぐる重要な問題のひとつと考 え、学校組織の窓口から、高齢化に対する学校経営改善り糸口をみつけ. に教頭や校長になったり、校内の内部組織の重要なポストにつくということは 出すこと. 考えられなくなってきている。同年齢の仲間がひしめいているからである。. を研究の目的とするものであるb.  しかしそれだからといって年功序列主義体制が崩壊したかというとそうでは ないであろう。同年齢のものがひしめいてきて、だれもがポストにつけなくな. 2.研究の仮説. ってきているからこそよけいに、極めて微妙なところではより年功序列主義体.  上記の研究目的を解決するために、次の2つの仮説をたて検証するものであ. 9. 一 10 一.

(9) 12つ﹂4ご0. る。’. 年功序列主義やその体制に対する意識. ① 高齢化する学校にあっては、専門職組織の充実には「年功序列主義体制. 校内人事や管理職登用の条件についての実態と意識 学校組織や教員集団の様相(組織風土)についての意識.  から能力主義体制への移行工が必要であろう。 ② 教員の高齢化は、公式組織■,非公式組織の両側面に関わる問麺として対. 教員が高齢化することについての意識 学校経営改善についての意識. .処すべきであろう。      .   、   .. ..仮説の①は主に文献研究によって、仮説の②は主に調査研究によって検証す. 4∵.論文主題の概念規定 る。.  論文主題に用いた「学校組織」と「年齢の壁」について以下のように概念の. 3.研究の内容. 規定をする。.  仮説の検証のために次のような研究内容を設定する。. (1)「学校組織」の概念規定. ぐ1ヂ仮説①に関わらての文献研究              ’一一.   「学校組織」という用語は、論(文章)の内容に応じ’て以下のように多様な.   仮説①た関わる学校経営論の点描として次の内容領域を設定する。. 使むれ:方をしているようである。..    1.学校経営の概念.  ア.広く組織体と,しての一般をさす。 ,     一.     (1)学校経営の概念規定. ’ ”. 宴C;こ学校内部の公式組織r教育組織(.または教授組織)・校務分掌組織・運.     (2)本研究の立場. 二じ営組織・研究組織(または研修組織)等一をさす。..    2.学校経営の組織論.  ウ..学校内部の非公式組織一人間関係によって生じるつながりや集団一をさ.     (1)学校経営観の概観.   す。.     (2)専門職組織論の概観.  ’. [一.ア∼ウを統合する概念をさす。.               (1).     (3)専門職組織・運営の特質.    3.専門職組織論と年功序列主義体制     (1)専門職組織論からみた現場     (2)専門職組織論と年功序列主義体制. 本論文主題においては上記のうち「エ」の立場で使用している。’ ツまり、学校 一般としてみた場合でも、公式組織・非公式組織に限定してみた場合でも’r年. 齢の壁ゴは存在するとして用いているのである。なお、本論中においてもこの. 用語を櫛で朔しているが、その場合は論(文章)の内容からいずれの立場で     (3)一般企業社会における年功序列主義体制のゆくえ. 使用しでぴるかが明らかになるよう弁別して用いている。.     (4)公務員社会における年:功序列主義体制のゆくえ. (2) 仮説②に関わっての調査研究.   仮説②に関わる調査研究の内容を次のように設定する。.  なお、児島邦宏氏は「教職員を基塗とした組織観から、学習者の主体性を基 準とした組織観への転換が求められている。」として、学校組織の概念が新し い意味と内容をもった組織概念として検討されてきていることを指摘している。                                  (2) .. 11 一.                  一12一.

(10) が、筆者はこの新しい意味と内容をもった組織観を理解しつつも、本研究にお いては教職員を基準とした組織観に限定して論を展開するものである。. 牧昌見氏は、「教師集団と人間関係の規定要因」のひとつとして「世代のズレ」                                  (7) をあげているが、そのなかでの「管理職である高年齢層の世代とより若い世代」. という用い方は、先の定義からするとあいまいである。(・は筆者による)仮. (2)「年齢ti)BS」の概念規定. 「年齢の壁」という用語は『 P本研究1こあたって筆者が働て画いた(開発し. た)ものである。簡一単に定義すると「『年齢の壁』とは、日本の社会において. に能力主義制が徹底したり、管理職の免許制度が導入されたりして、戦後の新. 学校制度が発足したときのように、20代・30代の校長や教頭が出現したと きにはあてはめれない使い方といえよう。しかし、氏の小論全体の流れからす. 年長者尊重主義や年功序列主義の基底にあって、『年齢』それ自身が歴年的・ 社会的にもちあわせてきた『ある種のへだたりの作用』の”へだたり〃と.:『. ると、氏のさす「世代」とは筆者が想定している「年代」に近いものといえよ う。・,.          ハび             ぴ. 年代のズレ』現象の ズレ〃とを 壁〃として統合的に表したもの」である。’. 以下概念化の背景を述べる。. ,!t方、河野当世氏は、世代差の構造として2つの側面があるとしている。「. ひとつは現時点における親子関係の間にみられる差(到達した発達段階上の差).  年齢は、近代(明治時代)前の社会においては、「開講組織」(あるいは「年. 齢階梯制」)内の地位・序列・階級を示す秩序原理であった。つまり年齢のへ だたりが階級・序列の基準となり社会的な地位を規定していだのである。                               (3)  近代化の過程の中で重重組織は次第に解体していくが、その意識は儒教思想. に裏づけられて年長者尊重主義や年功序列主義という社会道徳のひとつの規範 として、現在に至るまで伝統的に日本の社会に根づいているのである6とくに                              (4) 後者は、経済社会において日本的経営の1・一「3種の神器」のひとつとしての、年. 功賃金(年功給s年功序列型賃金ともいう)や年功的労使関係及び年功序列昇 進制として発展し、世界に例をみない終身雇用制を支える要素にな?ているの である。  (5).  次に年代についてみてみよう。社会学的には「世代」ということばが一般印. で・靴はその ネくくうれてセ}るようである・「社会学小畔駄※ r世代」の項をひくと、広義には「社会を構成する一定の年齢層(通常3b年). であり、もうひとつは、現在子が属している段階のとき親が得た(文化)、内容. が、現在子の獲得しつつある内容とは違ったものになってしまっていることか ら生ずる差(同じ発達段贈時に体験した文化内容の差)である。」(筆者要約) として、一「『いわゆる世代差』とは、前者によるバイアスと後者によるバイア. スとが互いに相乗し合って現出する。」としている。そして、「それらの関係 のバランス度に応じて、世代観の葛藤も様々な様相を呈する。」とするのであ る。さらに氏は、「今日は政治的にも文化的にも激動の時代である。」として 前者の関係が「本質的にコンスタントな世代差を意味するのに対して」、後者 の関係は「確実に拡大していく世代差を示す。」ととらえているのである。                                (8)  筆者も現代の社会は、「10年ひとむかし」の時代ではなく「3年ひどむかし」. といわれるように加速度的に進歩している社会と考えるQよって先の広義の定 義は、もはや現代社会では不適応と考えられるレ、本研究で取り上げる学校組 織の範ちゅうでは「30年ひと世代」とした時間帯による年齢構成の分析ではっ. の人qとないレその年齢帯」をさし、狭義には、「出世時期を同じ.くし、歴史. 的体験を共有することによって類似した精神構造と行動様式を示す一群の同時 代者」をいうマと定義されている。. かみどころがないこと、また人間の成長・発達の側面からはもっと短い単位で とらえた方がわかりよいこと、さらには世代の構造を河野氏のようにどらえる            (9). ならば、社会変動の分析に有効なのは後者の定義であることより、これを「年. 一!3一.                    一14一.

(11) 代」の概念として援用するものである。つまり筆者は、「年代コを「出生時’.   間形成」 /976年、東京大学出版会)86頁. 期を同じくし、歴史的体験を共有することによって類似の精神構造と行動様式.  ・濱島 明・竹内郁郎・石川晃弘編「社会学小辞典」増補版(/982年、   有斐閣)、「年齢階級」の項(307頁). を示す、誕生から10歳区切りの同時代者」と定義するものである。以下本研究.  ・租父江孝男・米山俊直・野口武徳編「文化人類学事典」 (昭和56年、きよ. ではく!0代、20代、30代、…・・という区切り方で各年代をあてて:いる。1..   うせい) 「年齢階梯制」の項(//6∼//7頁).  また「年齢の壁」の「壁」とは、障害または障害となるものとしてと.らえて.  ・文化庁文化財保護部監修「日本民族文化財事典」(昭和54年、文化庁).   「年齢集団」の項(20/∼207頁). いる。.  ・柳田国男必修「民族学辞典」(昭和54年、東京堂出版)「年齢集団」の項.  そこで「年齢の壁」とは、年齢(または年功りがもちあわせてきた序列づけ・ 地位づけ・階級づけという、人と人とをへだてるための基雄性または準拠性が、 今や組織の中においては障害になっている面があるのではな.tl 〉かという認識と、. .同じく年代のズレも障害になっているのではないかという認識に立ち、この2 つの障害を統合する概念として用いているのである。.    (453∼45領)等を参照 .( 4)佐藤カツコ「現代家族の訓育機能」(『現代教育社会学講座3 現代社会.   の人間形成』/976年、東京大学出版会)50∼54頁  ・中根千枝「タテ社会の人間関係」 (昭和56年、講談社)76∼85頁  ・津田惑う教「日本社会の思考様式」 (一寸木俊昭編『現代の経営学3 現.   残の経営組織』 昭和58年、有斐閣)2/9∼2.20頁  ・吉田賢抗「新釈漢文大系1 論語」(昭和43年、明治書院) 「孝弟」(15   頁):’1’「長幼の節上(404頁).  (注). (1)吉本二郎編.「学校論一組織・経営・管理」(/973年、明治図書)70.  ・内藤熊一郎「新釈漢文大系4 孟子」(昭和54年、明治書院) 「敬長義也」    (453頁).   ∼73頁.  ・「儒学」’〈『世界大百科事典』昭和47年、平凡社)、363∼365頁.  ・「現代学校経営講座2 学校の組織・編成」 (昭和52年、ぎようせい).  等を参照.’.   7’7∼79貢  ・吉本二郎・永岡 順編「現代学校教育全藁1 学校経営」(昭和57年、き.   ようせい)96∼/00頁  ・岸本幸次郎・吉田正晴編著「現代学校経営」(/980年、橿村出漁)   44∼5’3頁                  ’  ’” ”’t. (5)島島・竹内・石川編、前掲書、307頁  ・津田眞微編 「現代経営学10 現代の日本的経営」(昭和57年、有斐閣).   第6・7・8章 で6)・1嘉島・竹内・石川編、前掲書、 「世代」の項(235頁).  ・牧 昌見「学校経営と校長の役割」(昭和57年、ぎようせい)366燈. (7>牧、前掲書、’/93∼/95頁.  tt 3(≦9頁、388∼389貢. (8)河野翠玉「教育における世代論」(『1教育社会学研究第34集 』昭和54年、.  ・児島邦宏「学校経営論」(昭和57年、第一法規)73∼78頁.  ’、東洋館出版),/04∼//3頁.  ・吉本二郎編著「学校組織論」 (昭和53年、’第一法規)/9∼2・O頁、.   29∼30頁. (9)宮城音弥「人間年輪学入門」(昭和57年、岩彼書店). 以#の文敵を参考に4つに分類したものである・. (2)児島邦宏、前掲書、76∼77頁 (3)住田正樹「村落社会と送達組織」(『現代教育社会学講座3 現代社会の人. 一15一. 16 一.

(12)   皿章 学校経営論の点描  この章では・仮説①に関わって学校経営の概念や学校経営の組織論について. 点描し1それらと「年功序初主義体心」との関係やその今日的位置づけ及び動 向をさぐり・検証のための基礎的洗い出しをする郵のである。. 1.学校経営の概念 ・(1) 学校経営の概念規定.  学校経営に関する定義はきまざまあるが、筆者は「学校経営は、組織体とし ての学校が、教育目的を画集的に達成するための諸条件を整備しこれ:を有機的. に運営する営みである。」を本研究の立場上支持する。牧昌見氏はこれを具体          (1).. 化し「学校経営は、この機能を果すために、学校運営と学校管理を21本の支柱 とする。学校運営は、学校における教育実践を、人的、物的、財政的弓偉の最 適の組み合わせにより効率的・能率的に促進する機能を持つ。学校管理は、学.  、「学校教育的効率をめざして計画し、組織・指示・’調整・統制するなどり基  本的機能」であるということができζう。            .一..、.  ..ま㊧学校管理とな、一つ1ま教育経営体(学校行政管理体)Q享場から学校  経営体の創意を達成させるための条件整備の実現であ.り、また二Pには、. 一一i.  つの学校経営体の内部管理 として条件整備を実現することの両者を意味す.  るものである。前者の学校管理は、学校教育法第5条め學校の設置者管理主  義や地方教育行政法第33条に基づく学校管理規則による教育委員会の学校管  理ように、行政機関による複数の学校管理を意味する6最近では、一つの学  校の管理は学校管理とはいわずに内部管理という。C包括的に学校経営と呼  ばれることもある。)学校の経営・管理は、「学校行政管理(教育経営管理  )」と一つの学校における場合の「学校経営管理」と分けて考えることが妥.  当であ観 t.一...tlJ『(4)’こ=∵. 校(教育)行政を通じて導入される公教育の実施に関する制度的枠組みを、単.  ’こうレて誤ると高野氏の学校経営・管理の概念が時間印経過を経て、牧氏の. 位学校に則して再編成し、単位学校における教育活動の水準の維持と向上を保. 鋭くよ烹な学校経営観に発展印に統合されてきたものと:登:る;とができよう。. 障する機能をもつ。」と教育経営のフレームワークからみた学校経営の概念化        (2). を行っている。                     t一. ’( 2’. j』. {硯究の立場.  そこで筆者は、高野氏の教育経営体論を背景におきながら、’具体的には牧氏.  高野桂一氏は、この教育経営観に関して「一つの学校単位の経営に閉塞せず、. 地方教育委員会を単位とする『教育経営体』論を構想する考え方に一応茸を傾 ける必要がある。」としながらもド相対的独自性の相当高い唱つの学校経営が. の説く学校経営の概念を基本的な論拠として本研究を塵開するものである。と ’くた筆者が本砺究との関わりで『「教育経営観(教育行政機関を中心どする地域. 的な教育め経営n月を背景としたい根拠は、教育経営観が生まれるもどになつ 生き生きと確立されることが大切なのである。」として「むしろ、教育経営体 を前提に構想しながらも、その経営的性格と、一つの学校の経営体的性格とが レベルの異なるそれぞれの役割をおびてかみ合っている・という構造をこそ考え. ることが妥当である。」と、その構造を明らかにしている。そして、学校経営.         (3) ’. と学校管理のとらえ方については次のように述べている。. ’だ随年め著しい社会変動による環境め変化や、青少年の成長発達をめぐる諸 ’条舛め変化に対応して、学校教育と社会教育との連携をはじめ、地域的レベル での各種ゐ教育言†画や条件整備や連絡協力などが強く要請されるようになって. きたこと」のうちの「地域的レベルでの各種の教育計画や条件整備」の範ちゆ  ’“一 ”i一( 5) ”. うに人事管理(人事に関する条件整備)を加える必要性を感じるからである。. 学校経営とは、教育経営体内における一つの学校経営体の創意機能であり、.  なぜならば、序章で指摘した教員の高齢化をめぐるさまざまな問題は、一つ.           一ユ7一.                    一18一.

(13) ゐ学校内の問題として解決するには帳界があるからである。それぞれの学校の 実態や要望を勘案しながらも、より地域的レベルでの人事管理を条件整備とい.   く教育構造の本質的単層性奪旧いにものである。                      (6)  牧園は以上のようにあけたあと、三つの見解を次のように総括的に批判して. う観点から遂行しない限り、とくに年齢構成の偏りや歪みをめ’ぐる問題は根本. いる。. 的に解決されないと思うかちである。.    学校営造物説は、学校を本質的には官庁などと同一視する傾向が強く玉.   その番組のなかで教育の主体性を考慮することはあっても、教育の特殊性. 2.学校経営の組織論.   が組織論の中心概念を占めていない。. (!) 学校経営観の概観.  「学校経営は、組母体としての学校が教育目的を効果的に達成するための諸.    近代化論は、勘と経験による学校経営からの離陸を叫ぶ意味で有勅でに   あるが、本質的には一般経営学の論理を尊重するあまり、教育経営学が従. 条件を整備し、これを有機的に運営する営みである。」とするとき㊧tt「規織体」   属的地位におかれる。. とは、どのように考えたらよいのであろうか。牧氏の見解を要約して以下に概 観してみる。.    教育権独立説は、個々の教師の自律性を主張するあまp、テの組織論的   把撰に欠陥を露呈する。教師が自律的に活動するX’ iPには、高度の専門性.  ① 営造物説的組織観:学校を営遣物の一種として性格づけ、組織成興の権   限関係において特別権力関係論をともなう。学校は上級管理庁たる教育委   員会の包括的支配雇に、法令に基づかずとも、膿することを原則的に認め.   る。学校内の管理についても、校長一教頭一主任職一’一般教員め蘭   係が官庁的な意味での上司一下司の関係におかれること死予定する。現   行制度の考え方はおおむねこの見解に立っており、中教審答申にいう「学.   を具備することが絶対条件であるが、教員免許制度は必要にして十分な条   件ではない。自律性・自主性を主張するとすれば、この点が重要である。.   さらに教育の本質や教育の論理の基本的重要性を強張することと、それが   解織集団として機能することとは、理論的にも実際的にも直接的に結びつ   .くものではない。        (7).  つまり胆略は、合法性が同時に正当性を意味するかどうかは、すぐれて教育   校内の管理組織⊥4)考え方もこれを肯定しているとみられるg  ② 近代化論的組織観:一般の経営学的立場に立つもので透り.、学校.に経営   層、管理層、作業層を固定的に位躍づけがちとなる。重層溝璋論は.ζ:の見.   解に立つ・学蝉吟説的撒脚1陥ρがち隅隅捌酵規挙を鋭. 価値観に関係してくるし、企業経営の論理が学校に採用されるというとき、一. 定の制約があ醐ずだし、そして教師の自主性・自律齢そ磁ま教育価値観 の締一に結びつくとは考えられない、とみているのである.そこで、今日求め. られる組灘として、教師の専門職惚こ撫した博門職組織論∫を提起して.   く拗博しりつ、経営学的把握を通じて従来の学校経営から脱皮レに科学的 いるのである。.   管理、つまり経営合理化を重要な課題とする。.  ③.教育権独立説的組織観:近代化論的組織観が重層構造論を生み出したの   に対し、この説は単層櫃二三に立つ。つまり、校長は別として他の教師は   すべて平等であるとするのである。その立場は教師の人間的平等性に基づ 一ユ9.     (8).  一方、岩下新太郎氏も「学校はかかる専門職である教諭が構成員の大部分を 占めている組織であり、校長、教頭や主任職の教諭はそのリーダーとじて一層 高い専門性を要求されている。」として「学校専門職組織論」を’ 組織・運営の特質を明らかにしている。それについては後でふれる。                (9)                    一 20 一. 起し、その.

(14)  筆者は「学校は専門職たるべく職能成長を続ける教員によって組織され運営.    れること. される組織体である。」として専門職組織論を支持するものである。し’かし、.   ③ 公共の役務の一形体であること. 二律背反的にとらえられている官僚制の要素を全面的に否定するものではない。.   ④ 教員個人として、また教員集団として共同の責任感を要求されること. 専門職組織体といえども経営の合理化や効率化は、その目的達成の立場から求.  つまり勧告は、教職の専門職としての特徴を①専門的知識・技能(専門性). められるもめであるし、学校経営における運営と管理というときの’「学校管理」. ②現職研修 ③公共性 ④責任性 の4点にわたって指摘したものといえよう。. の側面からも官僚制の要素を否定することはできないと考えるめであ一る。要は、. この専門職としての基本的特徴(基本的条件ともいえよう)については、勧告. 専門職組織体として官僚制の要素をいかに調和的・調整的にコントロ÷ルする. の内容を包含したものとして諸説がみられるが、ここでは津布楽喜代治氏のも. かに組織としての主体性と経営の要ていがあると思うのである。. のを以下に示す。.  では次に専門職組織論を概観する。 (2) 専門職組織論の概観. 今日・教員の資質細といちとき・それば一般的に専門職たるべき墾にふ. 幽きわし畷脚力とどらえられている.それは撚一輔繍に基験もので.   ① それは高度に複雑な知識技術を中核とする入間関係の仕事であり、就    職前後を一一一一・回した長期の知的な専門教育を必要とする。.   ⑳ 個人としても職業集団としても、彼等自身の最上の判断と技術を自由    に行使する広範な自律性をもつ。. ・,③ その自律性の節囲内においてなした判断や行為について広範な責任を. ある。.  IPO=.zネスコQ」教員の地位に関する勧告」(/966年棚来・拳員の.    負う。. 輔麗擁する玉翰関心は世界的餉のなか稿まっている∴満謙を.  ④ 奉仕の精神で営まれる公共的な仕事であり、高度の職業倫理を必要と.                             (1Q).    し.、自ら律する職業団体をもつ。      、  一. なしたともいえる勧告の「皿。指導原則」の「第6項」を掲げ専門職の原則を 明らか1ヒしよう。”. @              『  一一一“. 6鍬柳腺は輔職とみなされ6.bOと銘・教育の仕鶉ぐ離しい 木品の研究を通じそ獲得され、かつU iiieEi持される専門的知識および特別の. 輝旨を教員に宿する公共の聯の一形態であり・また・教鄭環け持つ 鬼童・生徒の教育および福祉に対する個人および共同の責任懲を要求サる. 頓で葡・t.一 一・一..   ⑤ 以上めことの総合的な結果として高い社会的評価を受ける。                                (12)  これらと「勧告」全文との関連をみてみると(第6項以外について)次のよう である。.  ①の一貫した教員教育については:「M 教員の継続教育」の章 ②専門的自律性については:rV皿 教員の権利および責任」の章の二「61項」.  ※この項では基本的な意味で「学問の自由」を享受することを認めている   が、それは同時に「承認さ’れた計画の枠内で、かつ、教育当局の援助を受. この勧告が描く専門職像をまとめると次の4点に要約できよう。   、... 「欝欝鍵灘簾研。n,,e、.kり獲惑擬.   けて」行使すべきであるとしていることに注目すべし。(1印筆者). ③の責任性と、④の職業倫理については:上記「V田章の「第70∼73項」 ⑤の「社会的評価」については:「X 教員の給与」の章の他各所においてρ.             一21 一.                  一22一.

(15)  津布楽氏は、これらのうち専門職の最も中心的特徴をなすものは、「専門的自. 蘭わってなのである。. 律性」であるとし、それは「職務遂行に際して、専門的な事柄について信自主 的な判断と技術を行使する自由を認めうれるζと」としている。さうに丁その. (3)専門職組織・運営の特質.  岩下新太郎氏は、学校が専門職集団であることから、その組織・運営め特質. 自律性が社会的に容認されるために信少くとも:高度の専門性と判断や葬術の行 使の結果についての広範な責任性の;つが必要である。」としてい尋転∴1∴‘                               (13) ,黛の専門性と自律性に関して、市川昭午氏は、∫自律性の要件は専門性である」. を指摘している。以下に要約してみてみる。 ①’ライン組織としてはフラットな構造  ,   .      ,. とし、「ある職位を占める人々に要求される専門的知識と技術の程度が高.ければ.  校長・教頭以外はほとんどが「教諭」であり、その本務は等しく子どもの「. 高いほど、その職位に附与される自律性の程度は大きい。」とする。そして「. 教育を掌る」ところにあるから、各教諭に大はばな判断の自由が留保されてい. 学校の自律性の現実」的基盤は、基本的には教職員の専門技術性にある。」ζいう。                                   (14)  専門性と自律性は、不断の研修を通じて徐々に獲得・形成されるものである。. なければならなく、組織はおのずからフラットなものとなる。. とくに専門職としての教員の資質・能力としての専門工は、「教員養成と現職教.  全人的な、究極的にはケース・バイ・ケースの判断の連続によって進められ. 育との体系的、統合的一貫目に基づく職能成長の過程のなかで獲得・形成され. る教育活動においては、判断の総合性と対処のテンポ・リーズムについての大は. るものであり、その熟練度に応じて、教育目標を効果的に達成するために協業. ばな自申が必要であるから、学校における分業組織は工場生産の分業組織とは. 的、分業的内部組織編成に職能分化されるものである。」ととらえられよう。                         (15)  今や教職の専門性.は、.教員の「養成・採用(免許)・研修・再教育」の過程を. 異やて.「教育」をそれぞれ担任(学級、教科)に任せるという「ケース的取り 下調」を大切に考えるべきである。’・. とらえて、「教師教育の連続性と教師の段階的成長」が「教員養成教育と現職教. ⑧こ構或員の鳶見の尊重と指導助言を中核とする運営. 育」の有機的統合のなかに体系的に求められるべきとする方向性のなかで考え.  教師が教育専門家であり、その判断を基礎として学校教育が遂行されさるを. られるようになったのである。             ご. 得ないのであれば、まず、教師の職務の本質的部分の遂行に当っては第三者は.  それは「教師の資質能力の問題は、教育の伝統的な問題であるとともに、子. 指軸融上に立ち入ることはできなU・という・専門性を基礎にした嘩的運営. どもの教育を受ける権利の保障を中心とする現代公教育制度下に㊨いても根本. をなすべきとする。つまり、校長・教頭・主任職の教師のなしうることは、ヶ. 的な問題として把握されている。」か.ら、当然の方向性といえよう。(・嫁筆者)               (17). 」ズ的判断に不平欠の材料・配慮に見落しがないかをそれぞれの専門蘭識見に.  管理職の登用や校内人事に際して、旧態依然として年功序列主義体制や学閥. 基づい七二峻することで(その意見が専門性の故に尊重されるところに職能的. の力が残存しているとされるのは、上記した専門性や職能成長及び職能分化に. 指導性professional leadershipが成り立つ)、最終判断はやはり担任教師(・. 関わる専門職組織論の立場からするとおおいに問題があるといえよう。. 新任であれ)に任せる形をとるのである。.  本研究が、仮説①において「専門職組織の充実」という視点からく.年功序列.  このように担任(学級・教科)や組織メンバーとしての教師の専門性を尊重. 主義体制をとり上げたのは、まさにこの専門性(専門職としての資質能力)に,. し、主体性を重んじ志気を高めてみずからによる職能的成長を援助するのが学..              一23一.                   一 24 一一.            (16). ② 「ケース早取り扱い」を基盤とする分業組織.

(16) 校の人事管理の要ていである。.   が必然的に取り入れられる。」とし、その声明制は.「組熾活動を統一して、. ④ 専門職能を基礎とした階層制.   組織目的の効果的達成をはかるために、職務の分掌と職務権限」の体系で. .専門職組織としての学校は、その組織運営のための役割分担と統括のための.   ある。しかし、それは官庁の組織とは異なり、学校の組織では.「教育に即. 職位を設定するが、それは職位設定が身分的位階や法的権限関係と結びついた.   した専門職的官僚制」でなければならない。. 官僚制組職と違って、専門性や民主性に基礎をおくところにその特質がある。.  小島氏は、「この立場は、教育専門職組織にあっては教職員の専門的意思を尊. いわば「専門家による専門的知識にもとづいての管理」すなわち「専門分化し.  重し、とのことによって官僚制の病理現象を克服するこ とのなかに、『官. た教職農集団の、高度の自律性機能を発暉する作業組織」としての、「代表官僚.  僚制と専門性』に基づく経営構造を構築しようとするもの」ととらえ「それ. 制組織」である。.  は教職員を主体的・自立的な人間として承認する・こと」へ「教職の専門性を承.  それは、専門家チームにおいて、専門的識見と共同の努力によって共通の目.  臥し、’その専門的意思を経営の意思決定のなかで大切にしていくこと」、「学. 的に合数するような判断を形成することが期待できる組織であり、プU:フエッ.  校における組織ど人間とのかかわりを、しごとそのもののなかでの人間の問. ショナル・リーダー.シップを中核に据えた組織で、各種主任はまさにかかる職.  題としてとらえていること」において、今日の学校経営論のなかで新しい方. 能的指導性の故に一つの職位として学校組織の中に位置を持つのである。:                               (18).  向を打:ち出したものと評価している。                (21).  ※ 市川昭午氏は、ゴールドナー(Gouldner,A.W)を引用し「合理的に   規定された職位への就任」による権威、すなわち「真正官僚」たよる権威   主義的規律に基礎をおいたものを「懲罰官僚制」、「専門能ガ」による権威、   すなわち「専門家による専門的知識にもとづいての管理」.を「代護官僚制」. ⑤ ライン系列の職位とスタッフ系列の職位に分けられない.  教育組織における校長一教頭一学年主任、校務分掌組織における校長一 一教頭「教務主任一教科主任などはライン系列の職位とうられるが、専門 職組織の学校にあっては、これらの諸職糧・職位は専門的職能によってリーダ.   と提起している。. ーシップ費発揮することを期待されている。すなわちスタッフ系列の位置とし.        (19).                                と.  .※ また小鳥弘道氏は、同じような観点から、「職務の専門分化を基磯する組. て佐格づけられるのである。しかし、ある職位について、それが完全にスタッ.   織を官僚制の概念で理解し、教育現場の中にもこの官僚制が事実として存. フ系列の職位であるとか、ライン系列の職位であるとか決定できないところに.   在し、進行しているとし、その官僚制の病理的側面を教育の専門職組織の. 学探組織の特質があるといえるし、それ誉どう調整するかは教育経営体として.   論理に即しつつ克服し、教育の論理に則した官僚制一教育官僚制を学校. の学校の特殊性に基づく学校組織の基本問題である。                      (22).  ”経営の組織論を構想する鍵として求めていく立場」として吉本二郎氏の「                       (20)   専門職的官僚制」を紹介しているので要約して以下に述べておく。. .3.専門職組織論と年功序列主義体制 (1)専門職組織論からみた現場.    「学校の組織規模が拡大し・組織活動が多様イしする!こつれて・組織内の.   入々の分業と島業による能率的行動様式として、学校社会にも官僚制組織. 一25一.  筆者も学校は、「専門職たるべく職能成長を続ける教員によって組織され運営. 一 26 一.

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