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幼児の内発的動機づけを育てる - 保育者の関わり方への提案-

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Academic year: 2021

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幼児の内発的動機づけを育てる

一保育者の関わり方への提案一

陳 恵 貞

は じ め に 動機づけ研究には、外からの働きかけによって生じる「外発的動機づけ」と内面から生じる「内 発的動機づけ」がある。そして、保育・教育現場では、課題を遂行するには「内発的動機づけ」 が望ましいと‘思われる。一方、課題の遂行を果たさない子ども、つまりやる気のない子どもには、 保育者らは何らの方法で「外発的動機づけ」によりやる気を引き起こそうと働きかける。保育・ 教育現場では、定められているカリキュラムにそって指導・支援を行い、その学習成果は指導す る側とされる側の双方が評価される仕組みになっている。特に学歴社会では、結果と評価を重ん じ、良い評価が得られなかった学習者は落ちこぼれていく現象が見受けられる。しかし、この評 価制度は、内発的動機づけを育てることに適しておらず、教育的に問題がある。

奈須(2002)はSeligman(l975)の「学習性無力感」に基づき、「生まれつき無気力な人間はい

ない」、「無気力は学習される」と提起し、意欲の心理学理論と絡めて、やる気を保つ方法を示し た。それは、人間は常に達成感のない環境におかれると無気力になり、やる気をなくしてしまう 状態に陥ることを示唆している。一旦、無気力を学習してしまうと自信がなくなり、自己否定に 陥りやすく、連鎖的に他のことについてもやる気を起こさなくなる可能性が高くなる。一度やる 気を失うと、それを再起させるのは大変だと考えられる。以下、やる気のメカニズムを検証し、 やる気を起こす方法を考えていく。さらに、「生まれつき無気力な人間はいない」という立場から、 日々の保育・教育活動の中で、乳幼児期においてやる気を保っていく方法を考える。 まず、本研究で使われている「やる気」とう用語を先に│折っておきたい。そもそも「やる気」 という用語は心理学の専門用語ではない。宮本(1993)によれば、やる気は心理学では達成動機 として研究されてきた。また、人がやる気になる仕組みについては、これまで動機づけという領 域で研究が進められてきた(小野,2003)。このように、「やる気」は日常的な用語であるが、動 機づけ研究や達成動機研究の一環として認識されるようになった。やる気には内発的動機づけと 外発的動機づけの両方が共存している。一見やる気があると評価された子どものやる気は内発的 な自生的なものか、外発的な促されたものかは判断しきれない。つまり、保育者の働きかけによ って生じた外発的動機づけもやる気として現われうる。以上をふまえ、本研究では、「やる気」を −57−

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