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[報文]アルデヒド・カルボン酸系を用いた黒糖抽出物の抗酸化活性の測定: 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

Title

[報文]アルデヒド・カルボン酸系を用いた黒糖抽出物の

抗酸化活性の測定

Author(s)

和田, 浩二; 高良, 健作; 玉村, 隆子; 仲宗根, 洋子

Citation

南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical

resources technologists, 16(1): 1-4

Issue Date

2000-10-01

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/14171

(2)

南方資源利用技術研究会誌 Vol.16No.1 1-4 2000

アルデヒ ド・カルボン酸系を用 いた黒糖抽出物の抗酸化活性の測定

和 田 浩 二 ・高 良 健 作 ・玉 村 隆 子 ・仲宗根 洋 子

*琉球大学農学部

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KojiWADA,KensakuTAKAR

A

,TakakoTAMAMURA andYokoNAKASONE Facu妙 ofAgriculture,UniversityoftheRyukyus,

Senba7u 1,Nllshihwa,Okinawa903-0213,Japan Keywords:黒糖、抗酸化、ガスクロマ トグラフィー 緒 言 酸化 は食品において、晶質低下、変敗 な どの 劣化 を引き起 こし、生体 内では細胞 の機能性低 下や動脈硬化等の原因 となっている。 さらには、 癌の発生や老化 にも関与 してい ると考 え られて いる。 これ らの予防 として、食品の3次機能、 すなわち生体調節機能の一つである食品由来の 抗酸化性物質が注 目されている

1

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in vitT・0系にお ける抗酸化力 の測定方法 は試 験管モデル系 と生体モデル系に大別 され る2)。 試験管モデル系の評価 は非常にシンプルである ことか ら、抗酸化性物質の検索に適 してい る。 特 に、食品成分の抗酸化力 の評価 には脂質の過 酸化 によって生成す る過酸化脂質を測定す るロ ダン鉄法、過酸化脂質の分解 によ り生成す るマ ロンジアル デ ヒ ドを測定す るTBA法 とい った 分光学的な手法が多 くの研究で用い られている。 しか し、両手法 とも比較的簡便 に脂質の過酸化 度 を測定できる利点 を持 っているが、過酸化物 に対す る特異性、使用す る基質の安定性な どい くつかの問題点 をかかえている。 本研究では、酸化 によるアルデ ヒ ドか らカル 書沖縄県西原町千原1番地 ボ ン酸-の変化 をガスクロマ トグラフ (GC) で測定す る抗酸化活性測定法 を検討す るととも に、天然抗酸化剤 としてα- トコフェ ロール (α-Toc)、人工抗酸化剤 としてブチル ヒ ドロキ シアニ ソール (BHA)お よび食 品 由来 の もの として黒糖 の有機溶媒粗抽出物の抗酸化活性 を 本法および ロダン鉄法で比較 した。 実験方法 L GCによる抗酸化活性測定法 抗酸化活性測定は-キサナ-ルのカプロン酸 -の変化 をモニターす ることによ り行 った。す なわち、- キサナ-ル を3mg、 内標準物質 と して トリデカ ン0.1mgを含む ジク ロロメタン溶 液1mlを遮 光 した5mlア ンプル管 に採取 し、 空気 を通気 したのち、封印 した。次に、一定温 度下で保存 したサ ンプル を開封 し、カプ ロン酸 の生成量 をGCで測定 した。 2.GC分析 GCには島津GC-14A (島津製作所製)を用い、 検出器 は水素炎イオ ン化検出器 を使用 した。分 離カ ラムはHiCap-CBP20 (0.22m i.d.x50m、 フイル ム厚0.25flm、島津製作所製 ) を用い、 カ ラム温度 は50℃か ら200℃ まで 3℃/minで昇

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南方 資源利用技術研 究会誌 (mln) 図1 酸化によるアルデヒドのカルボン酸-の変化 l:ヘキサナール、 2:カプロン酸 LS (内標準) :トリデカン 温 した。注入 口お よび検 出器 の温度は250℃、 キャ リアガスは- リウムを使用 し、スプ リッ ト 比は1/30、カラム内線速度 は30cm/secとした。 カプロン酸の定量は内標準物質に対す るピー ク 面積比 とし、3回の分析の平均値 として示 した。 3.黒糖か らの有機溶媒粗抽出物の調製 試料 と して1997年 に宮古製糖 (秩 )多 良間 工場で製造 された黒糖 を用いた。抽出は、ジク ロロメタンを抽出溶媒 とす る液体 ・液体連続抽 出法で行 った。す なわち、黒糖110gを含む200 ml水溶液 をジク ロロメタン75mlで6時間抽 出 し、10mgの粗抽 出物 を得た。

4

ロダン鉄法 リノール酸に対する抗酸化力の測定はOsawaら の方法に準拠 した3)。す なわち、試料0.2mgを 含む メタノール溶液0.1mlをネ ジ ロ褐色バイ ア ル10ml容 に入れ 、溶媒 を除去後 、 リノール酸 (東 京 化 成 )0.052mlを含 む エ タ ノー ル 溶 液 0.8m1、0.05M リン酸緩衝液 (pH7.0)0.8ml、蒸 留水0.4mlを加 え反応液 とした。 この反応液 は 恒温器 (40± 2℃ ) に静置 したのち、経 時的 に0.1ml採取 し、75%ェ タノール4.7m1、30%チ オシアン酸ア ンモニ ウム0.1m1、0.02M塩化第一 秩 (3.5%塩酸溶液 )0.1mlを加 え撹拝 、そ して

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保存時間 (日)

図2 保存温度の違いによるカプロン酸の生成 ○ :25℃

:

40℃ 正確 に3分後、500nmの吸光度 を測定 した。 結果 および考察 1.サ ンプル調製 およびGCによるカプロン酸 の定量 水系においてアルデ ヒ ドは容易に酸化 されて カル ボン酸 になることは周知のことであるが、 溶媒系において もこの反応が生 じることが報告 されてい る4)。図1にサ ンプル調製直後お よび 一定温度で保存後の代表的なガスクロマ トグラ ムを示 した。図か らアルデ ヒ ドとして用いた-キサナ-ル は相 当す るカルボ ン酸であるカプロ ン酸-酸化 したことが示 された。 また1検体 あ た りの分析 時間は約30分 であった。 ここで、 酸化の程度の指標であるカプ ロン酸の生成量お よび速度は保存温度お よび保存期 間に大 きく影 響す ることが考 え られたOそこで、サ ンプルの 保存温度 として25℃お よび40℃ を設定 し、経 時的にカプ ロン酸の生成 を観察 した。図

2

か ら 明 らかな よ うに、25℃保存 では 7日目までカ プ ロン酸 の生成 が直線 的 に増加 したが、40℃ 保存では3日目以降生成量の増加はほ とん ど認 め られなかった。一方、保存温度 を高めること によ り保存期間、すなわち分析 に要す る時間は 短縮 され ることが予想 されたが、 ジクロロメタ ンの沸点 も考慮 し、40℃保存 を最適 とした。

- 2一

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Vol.16No.12000 2 4 6 0 0 9 . 0 . 0

0

2 4 6 保存期間 (白) 図3 アルデヒド・カルボン酸系 (l)およびロダン 鉄法 (ll)による抗酸化活性試料 濃度:100Pg/ml O :コントロール.▲ :cr-トコフェロール

.

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:

BHA

:黒糖抽 出物

2

.アルデ ヒ ド・カルボン酸系および ロダン鉄 法による活性の測定 黒糖 にはフェノール性 の抗酸化物質が含 まれ ることが、すでに報告 されている5)Q一方、加 熱食 品の主要香気成分である複素環化合物にも ラジカル スキヤベ ンジ作用 を有す ることが兄い 出 されている6・7)。著者 は黒糖水溶液か らの有 機溶媒による香気抽出物 にも多 くの複素環化合 物 が含 まれていることを報告 したが8㌧ それ ら の抗酸化能 については明 らかになっていない。 そ こで、 α-T∝、BHAお よび黒糖粗抽 出物 の 抗酸化活性 を本法および ロダン鉄法によ り測定、 比較す ることによ り、本法の有用性 と黒糖 の抗 酸化能 を検討 した。図3に両手法による各試料 黒塘抽出物(5山g) 果糖抽出物(lDg) BRA(5pg) BHA(lp首) a-Toe(5J]g) a-ToC(111g) コントロー・ル 0 1. 2 3 4 5 6 7 持 面積比 図4 アルデヒド・カルボン酸系での試料濃度に伴 うカプロン酸生成量の変化 保存期間●5日 を含むサ ンプルの経時変化の結果 を示 したoな お、各試料 の濃度 は両手法 とも100FEdmlとし たo ロダン鉄法による結果か ら黒糖粗抽出物に 抗酸化活性 が確認 され るとともに、活性の強 さ はα-Toc<黒糖 粗抽 出物<BHAで あ るこ とが 示 され た。 Nakasoneら9)は黒糖 か らの直接 有 機溶媒抽出で得 られた単離物質の抗酸化活性 を ロダン鉄法による測定 しているが、その結果 と 同様 の傾 向を示す ものであった。一方、アルデ ヒ ド・カルボ ン酸系による結果か らは黒糖粗抽 出物 が活性 を有す ることは認め られたが、強 さ の違いを明 らかにす ることはできなかった。そ こで、各試料 の濃度 を 5′上g/ml、 1FLg/mlとし て測定 を行い、保存

5

日目の結果 を図

4

に示 し た。図 4か らアルデ ヒ ド・カルボン酸系におい ても各試料 の活性 の強 さは、 ロダン鉄法の結果 とほぼ一致 してお り、濃度 1FLg/mlで十分測定 可能であることが明 らか となった。 以上のよ うに、アルデ ヒ ド・カルボン酸系を 用いた抗酸化活性測定法は非常に低濃度の試料 で評価 が可能であることか ら、多 くの生物資源 中の抗酸化性物質の一次スク リーニ ングの手法 としての適用性が示唆 された。また、オー トサ ンプラー用バイアルでのサ ンプル調製、 さらに ガスクロマ トグラフ用オー トイ ンジェクターを 併用す ることによ り測定の 自動化 も期待できる と考える.

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要 約 酸化 によるアルデ ヒ ド (- キサナ-ル )のカ ル ボ ン酸 (カプ ロン酸 )-の変化 をガスク ロマ トグラフィーでモニターす る抗酸化活性測定法 を検討 した。サ ンプル の保存温度 は酸化 による カプ ロン酸 の生成速度 に大 き く影響 した こ とか ら、40℃ に設定 したO 黒糖 水溶 液 か らの ジ ク ロロメタン粗抽 出物 の抗酸化活性 を本法お よび ロダン鉄法 を用いて測定 した結果 、両手法 にお いて活性 が認 め られ たO また、本法 において試 料 濃度 は1FLg/mlとロダ ン鉄 法 の1/100程度で 十分であ り、標準物質の活性評価 もロダ ン鉄法 とほぼ一致 した。 文 献 1)越智宏倫 :老化制御食 品の開発 (光琳、東 京 )、p.149-155 (1995). 2)川岸舜朗 :生物化学実験法、食 品中の生体 機能調節物質研究法 (学会 出版セ ンター、 東京 )、p.14 (1996).

3)Osawa,T.andNamiki,M.Anoveltypeof antioxidantisolated丘・om leafwax ofeu

ca-1yptusleaves.:Agric.Biol.Chem.,45,7351739

南方 資源利 用 技術研 究会誌

(1981).

4)Nonhebel,D.CリTedder,∫.M"andWalton, J.

C

.

:

Radicals.(CambridgeUniversityPress,

London),p.157(1979).

5)

高良健作、松井大書、和 田浩二、仲宗根洋 子、黒糖 よ り分離 した抗酸化物質 :南方資 源利用技術研究会誌、15,ll-15(1999). 6)Mahanti,M .K.Simplemolecularorbital

Calculationsinthestructuralelucidationof organicmolecules.Perturbationsofheterocyclic systems.:Iud.I.Chem.,15,1681174(1977). 7)Eiserich,∫.P.andShibamoto,T.Antioxidative

activltyOfvolatileheterocycliccompounds.:

J

.

Agric.FoodChem.,42,106011063(1994).

8)和 田浩二 :沖縄産黒糖 の製造工程 にお ける 化学成分お よび香気成分の変化 :FFIジャー ナル、No.156,58-65(1993).

9)Nakasone,Y.,Takara,K.,Wada,K.,Tanaka,J., Yogi,S.andNakatani,N.,Antioxidativeco m-poundsisolatedかom Kokuto,non-centrifugal canesugar.:Biosci.Biotech.Biochem.,60,17141 1716(1996).

参照

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