車椅子バスケットボール選手のDEXA法による体組成と基礎代謝量
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(2) 法によ る測定も行った .対象は ,男性車椅子バスケットボール選手( 群,以 下 群) 名( 年齢±歳),健常男性( ! 群,以下 群) 名( 年齢 "歳)とし た .基礎代謝量は , 群が #$%& , 群が #''""%& であった .基礎代謝量の 絶対値において 群が 群よりも有意( )に低値であった .体重あたりの基礎代謝量は , 群が $%(%& , 群が"%(%& であった.
(3) 法において 群は 今回車椅子バスケットボール選手を対象に体組成と基礎代謝量を測定した .また ,. 群よりも左足,右足,全身の筋肉量が有意に低値を示した .全身の各部位毎の筋肉量に対する基礎代. 群の基礎代謝量が減少した要因として下肢筋肉量の減少が. 謝量は ,下肢だけ違っていた .従って , 最も影響していると考えた .. 緒. ボールのプロリーグが存在するほど認知され,その他. 言. の障害者スポーツも広く行われている.そのような. 近年,健常者において生活環境の変化に伴い,日. 認知されている国においても車椅子生活者に対する. 常生活での活動量が減少していると言われている .. 基礎代謝量に関する研究はほとんど みられず ,特に. 活動量の減少は肥満,高血圧,高脂血症などの生活. 特定の医療施設等ではなく,在宅の障害者に対する. 習慣病の危険因子を増大させると考えられる.一方,. 検討はみられない.そこで今回我々は ,一般社会で. 障害者において ,車椅子で生活をしている者は ,. 生活を行っている車椅子バスケットボール選手を対象. .
(4) 法で求め. 日中車椅子に座って生活しているため健常者と比較. に近年用いられるようになってきた. して活動量が減少していると推察される.そのため,. た体組成と基礎代謝量を測定しその関係を検討した.. 車椅子生活者においても健常者と同様に活動量の低. 対象と方法. 下が生活習慣病の危険因子を増大させていると考え. . られる.運動習慣のない者や活動量が減少している. "歳)を. 対象は ,健常男性 名( 平均年齢. のエネルギー消費量の大きな部分を占めている.基. !( 以下 群)とし ,車椅子バスケットボール 名(平均年齢歳)を ( 以下 群)とした .なお,測. 礎代謝量は , 日のエネルギー消費量の. 定前に本研究における益,不利益を事前に説明し ,. 者は ,覚醒時に生体の諸機能を維持するだけの最低. . 限度のエネルギー需要量である基礎代謝量が , 日. . 選手男性. " ∼)を. 同意を得た後行った .. 占めるとされ ,日常生活活動,食事摂取量,除脂肪 体重などに影響すると言われている .これらのこ. ( )アンケート 調査. とは ,健康成人では明らかにされているが ,車椅子. 測定前に. 生活者については検討されていない.. アンケート内容は ,障害名,車椅子利用年数,車椅. 日本で車椅子バスケットボールを行っている障害. 子スポーツ歴などの. # . 者数は ,約. 群にのみアンケート 調査を行った .. 人である .人数的にはまだ少な. 項目とした.. ( )体組成及び身体計測. いが ,障害者スポーツの中では最も盛んなスポーツ. 身体計測として ,身長は ,マルチンのアントロポ. のひとつである.アメリカでは ,車椅子バスケット. メーターを用い仰臥位にて測定した .体重は ,車椅. 川崎医療福祉大学 医療技術学部 臨床栄養学科 川崎医療福祉大学 医療技術学部 健康体育学科 岡山県倉敷市松島 川崎医療福祉大学 (連絡先)増田利隆 〒
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(7) . 増田利隆・松枝秀二・喜夛河佐知子・長尾光城・長尾憲樹. 子体重計. *" (タニタ社製)にて測定した.体. ( )基礎代謝量. . 脂肪率は,栄研式皮脂厚計を用い,上腕骨中間背部と. 基礎代謝量は ,測定日の前日午後 時までに食事. 肩甲骨下部を測定し ,長峰,鈴木ら の式より体密 度を算出した .その値より ら の式を用い. を終わらせた後,水やお茶以外は摂取を禁止させ ,. +. ,! & - 以下 ,- )は ,,- . 体重( ( ) 体重 ( ( )[体脂肪率( ) ) / ]の式により算出した. 上腕周囲径( / 0/1! 以下 )は,ス チール製メジャー 2 * ( 34 社製)を用い右上 腕部中点を測定した .上腕筋周囲径( / -0 0/1! 以下 - )は,- . $' 上腕背部皮脂厚( / )の式 により求めた.上腕 筋断面積( / -0 以下 - )は,- .( - ) /( ' $' )の式 により求めた.体 て体脂肪率を算出した .除脂肪体重量(. 表面積は ,藤本らの式 を用いて算出した .. 体組成は ,
(8) 法( 0
(9) !( * * 5/:二重エネルギー 線吸収法)を用い て測定した.
(10) 法は ,本来,骨粗鬆症に対する 骨塩定量の目的で開発されたが ,全身骨測定法にお いて脂肪量,除脂肪量の定量が可能である.原理と. 時間以上とし ,早朝空腹状態で測定した . 呼気の採集は ,ベッド 上で $ 分間安静状態を保った 後,ダグラスバック法にて 分間を 回行った .呼 睡眠を. 気中の酸素及び二酸化炭素濃度分析は ,エアロモニ ター. $ 9(ミナト医科学社製)で行い,呼気量は乾. 式ガスメーター(品川社製)にて計測した .同時に 脈拍,呼吸数,電子体温計(テルモ社製)にて体温, 水銀血圧計(アコマ社製)で血圧をそれぞれ測定し 対象者が生理的に安静状態であることを確認した .. Æ の下で実施し た .ま た ,体重あたり,,- あたりの値は ,
(11) 法で すべての計測は室温. の測定値より算出した . ( )統計処理. 90&! の 検定を用い,相関係数. 有意差検定は,. ! の相関係数法を用いた.すべての検 9 : 1 !&: を用い有意水準は )未満とした . 検定は,. 定は ,統計ソフト. しては ,患者を仰臥位とし患者背面より異なるエネ ルギーピークを持つ 衰した. 種類の 線を照射し ,透過減. 線を検出する.ここで骨組織,脂肪組織, 線吸収率を持つこ. 除脂肪組織はそれぞれ異なる. とから各組織を定量できる.今回の測定は ,岡山県 南部健康づくりセンターに依頼し ,医師の処方箋に 基づいて行った .測定時には被験者が身に着けてい る金属類をすべてはずさせ,ベッド 上で仰臥位にて. 6 7' ( 8( 社製)を用いて行った.評価 項目は ,骨量( 以下,- ),除骨・除脂肪量( 以 下,,! ),脂肪量(以下,2 )及び体脂肪率(以 下 ,)2 )について全身( 以下 4 )を測定し , 左腕( ,1 / 以下 , / ),右腕( 7( / 以下 7 / ),体幹(以下 40! ),左足( ,1 ,( 以下 , ,( ) ,右足( 7( ,( 以下 7 ,( )及び頭 部(以下 8& )に分けて検討を行った . 表. 結. 果. 群のアンケートの主要結果を示し た .. 表 に. 障害名は,脊髄損傷,脳性麻痺,胸椎髄内出血,二分 脊椎及び脊髄神経性下半身不随であった .障害部位. 番,腰椎 $ 番であった .車椅子利用 年数は , $年,車椅子スポーツ歴は," 年,スポーツ頻度は ,$'回/週であった . 表 に対象者の身体的特徴を示し た . ( / ) は 群が , 群が $'$ ,- ( / ) は 群が ' , 群が $ ,-( / ) は 群 , 群が "'$ であり, 群と 比較して 群が有意(すべて )に高い値. は ,胸椎. を示した.. $.
(12) 法による体組成を示した. 両群を比較検討すると ,- は,, / が 群の 表 に対象者の. 群のアンケート の主要結果.
(13) 車椅子バスケットボール選手の体組成と基礎代謝量 表. 表. $. 対象者の身体的特徴. 対象者の 法による体組成. ( に対し , 群が"( と有意( ) に高い値を示し ,, ,( は 群が ''( , 群 が $$ ( ,7 ,( は 群が '( , 群が $ ( ,4 は 群が# $( , 群が # '$$( と ,それぞれ 群が 群よりも有意 (それぞれ , , )に低い値 を示した .,! では ,, ,( ,7 ,( ,4 が 群( '( , '( ,"( )と比較し て, 群( '"( ,'( ,'"( )は. )に低い値を示した .)2 は , 群と比較して 群は , ,( ,7 ,( が有意 (すべて )に高い値を示した . 表 ' に 群の基礎代謝量,表 に 群の基礎代謝 量を示した.絶対値において 群#''""%& に対し 群が #$%&と有意( ) 有意(すべて . に低い値を示した .また ,有意ではないが , 群と. 群が体重あたり,体表面積あたりで低 値を示した .,- あたりに差はなかった . 比較して.
(14) '. 増田利隆・松枝秀二・喜夛河佐知子・長尾光城・長尾憲樹. 考. 表. 群の基礎代謝量. 表. 群の基礎代謝量. ていると考えられた .そこで基礎代謝量への影響を. 察. 検討した.. 成と基礎代謝量を測定し検討した .. 群が 群より絶対値において )に低い値を示し ,体重あたり,体 表面積あたりにおいても低値傾向を示した .,-. が,. あたりは ,差がなかった .健常者にて基礎代謝量が. 今回,車椅子バスケットボール選手を対象に体組.
(15) 法での測定値は ,両腕の値に有意差はない 群が 群よりも上肢の ,! において高値傾 向を示し ,また ,- 及び - は 群が 群よりも有意( )に高い値を示していた . これは , 群は ,車椅子バスケットボールを行って いるために上肢が発達し ,筋肉量が. 群よりも高い. ,! は , " )の重量しかなく有意( ). 基礎代謝量は ,. 有意( . 低値を示す要因として ,山川は ,生活活動量の減 少による体脂肪率の増加,活性組織量の比率の減少 傾向,あるいは細胞の. ; の低下によると報告. している.また,健常者において一般的に基礎代謝. 値を示したと考えた.しかし ,下肢の. 量に影響を与える要因は ,性別 ,年齢 ,体表面積,. 群が. 除脂肪体重量といわれている .そこで ,基礎代謝. 群の約. に低値を示していた.障害により下肢を動かせない. 量を健常者の性・年齢階層別基礎代謝基準値 と比. ことが影響していると考えられた .下肢の. 較すると , 群の絶対値,体重あたりが ,それぞれ. 群が. 2 は ,. を示していた .したがって ,下肢における脂肪量増. ) ,)と ,体重あたりが低い傾向 を示した. 群は , 群の値に対し ,絶対値は ,有. 加,筋肉量減少がエネルギー代謝に変化をもたらし. 意に低い値を示した .体重あたり,体表面積あたり. 逆に. 群よりもわずかではあるが ,高い値. 基準値の.
(16) . 車椅子バスケットボール選手の体組成と基礎代謝量. 5 ら は ,基礎代謝量が脊椎損傷を受けた直 後に平均で ) ,急性期後に ') ,慢性期に )低. , / ,7 / ,40! ,, ,( ,7 ,( , 8& それぞれ 群が " ) , ) ,') ,) ,)及 び ) , 群が ) , ) ,) ,) ,)及び )であった .これらより各部位の ,! が基礎代 謝量に占める割合を検討すると, 群が "%& , $%& , %& ,%& ,%& 及び $%& , 群が $%& ,$%& , %& ,'"%& ,'"%& 及び $ % & であった.これらを比較すると,差がみられたの は , ,( ,7 ,( のみで,他の部位ではほとんど差は みられなかった.
(17) で求めた両下肢の ,! と 基礎代謝量の間で ,有意な正の相関関係( ) (図 )がみられたが ,他の部位との有意な相関関係 はみられなかった.したがって, 群の基礎代謝量. 下し ,脊椎損傷の外傷と代謝障害によるためと報告. が , 群よりも低値を示した要因のひとつとして ,. している .我々の. 下肢筋肉量の減少が影響していると考えた .. は ,低値傾向を示した .また ,健常者用の性・年齢 階層別基礎代謝基準値と比較すると ,絶対値,体重 あたりがそれぞれ. ') ,)と低い値を示した.. 諸岡ら は ,重症心身障害児・者の経口栄養者,経. 管栄養者の安静時エネルギー代謝量が性別・年齢別 体表面積あたりの推定値の. '') ,')と報告し. ている .高谷ら も心身障害者において安静時エ ネルギー消費量が少ない傾向を示したとしている.. ら は ,対麻痺者において ,年齢と体表面. 積から求めた推定値と比較し て基礎代謝の実測値 が平均で. $$)低下していたと報告しているが ,推. 定値のため ,臨床的に許容範囲であるとしている.. 群は脊椎損傷の慢性期に当て. はまると考えられるが ,従来の報告よりも減少量が. る割合は,. これは ,従来の報告の対象者は特に スポーツを. 群は ,車椅子バス. 行っている者ではなかったが ,. 少なかった. これらの報告では ,車椅子生活者の体組成と基礎 代謝量の関係は検討されていない .そこで.
(18) . 法による体組成分析の結果より検討した .. 群の下肢の - ,,! ,,! < - ,4 & が ,左右共に 群よりも有意( )に低. ケットボール選手ということで ,障害部位以外の上 腕の発達により報告の値よりも減少量が少なくなっ. -!( ら は,脊椎損傷部. たと考えた.また ,. 位と基礎代謝量の間に有意な正の相関関係が見ら れ ,脊椎損傷者における活動筋の減少を原因として. い値を示した .この筋肉量の違いが基礎代謝量に大. いる.基礎代謝量が減少する要因として,松枝ら . きく影響していると考えられた .そこで ,筋肉量の. は ,中高年者を対象として ,内臓機能低下との関係. 違いがどの程度基礎代謝量に影響しているかを検討. を報告している .上月 は ,肢体不自由者におい. した.基礎代謝量に対する諸臓器の割合は ,骨格筋. て内部障害( 心臓,呼吸,腎尿路,消化など 内部機. が. 能障害の総称)を合併することが少なくないとして. ) ,肝臓・消化管・脾臓が '$ ) ,脳・ 脊髄が ) ,腎臓が " )といわれている . よって,基礎代謝量のうち約$ )が骨格筋による代謝 とすると, 群の''%& , 群の$"%& が骨格筋からの代謝量と仮定できる.また ,
(19) 法により求めた ,! の各部位が全身の ,! に占め. 図. いるが ,今回この機能障害についての確認はできな かった . 以上をまとめると ,車椅子バスケットボール選手 の基礎代謝量は ,健常者と比較して有意に低い値を 示し ,その要因として下肢筋肉量の減少が最も影響. 下肢の
(20) と基礎代謝量の相関関係.
(21) ". 増田利隆・松枝秀二・喜夛河佐知子・長尾光城・長尾憲樹. していると結論づけた .しかし ,残存機能部位を積. 今回の調査分析に際し ,ご協力頂いた皆さんに深く感謝. 極的に使用することで,骨格筋全体量の減少を抑え,. いたします.岡山県南部健康づくりセンターの西河英隆さ. 基礎代謝量の低下を少なくすることが可能であるこ. ん ,特に ,積極的にご協力頂いた対象者の皆さんに深謝い. とが示唆された .また ,車椅子利用者の体組成や基. たします.. 礎代謝量を検討した研究は少なく,今後さらに検討 していく必要が考えられた.. 文 献. )日本リハビ リテーション医学会監修:障害者スポーツ.初版,医学書院,東京, , . )
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(30) . , ,'1& ,' .. )山川喜久江:日本人の基礎代謝量についての考察.臨床栄養, ( ),'1 ,0 .. )仲原弘司:エネルギー代謝の栄養・生理と室内衛生.初版,第一出版,東京, ' ,0 . ),
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(36) ,00 ,&& . 0 )第一出版編集部編:日本人の食事摂取基準[ &&年度版].初版,第一出版,東京, ;; ,&& . )諸岡美知子,林優子,堀内伊作,花田華名子,平芳春,産賀恵子:重症心身障害児・者の安静時エネルギー代謝の検討. 日本小児科学会雑誌, ( ),0 ,&&& .. & )高谷竜三,岡空圭輔,井代学,島川修一,金泰子,鈴木周平,玉井浩:心身障害者の身体組成と安静時エネルギー消費 ( ),& ,&& . 量について .日本小児科学会雑誌,. )<
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(47) ,( 0 ),000& ,& .. ' )中山輝男,入江正躬 編集:エネルギー代謝・体温調節の生理学.初版,医学書院,東京, ,0 . 1 )
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(57) . )松枝秀二,松本義信,平川文江,小野章史,守田哲朗,佐々木敏文,長尾光城,長尾憲樹:健康スポーツ教室に参加した 中高年者の基礎代謝量.栄養学雑誌,. ( ' ),'' ,&&& .. )上月正博:低体力者のための健康・体力づくり.体育の科学, ( ),&& ,&&' . (平成年月日受理).
(58) 車椅子バスケットボール選手の体組成と基礎代謝量. .
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