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方言基礎語彙の収束モデルと拡散モデル : 関西若年層方言調査から

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Title 方 言 基 礎 語 彙 の 収 束 モ デ ル と拡 散 モ デ ル ー 関 西 若 年 層 方 言 調 査 か ら一 TheCOnvergenceModelandDiffusionMOde日na DialectBasicVocabulary Author(s) 村 上 敬 一(MURAKAMIKeiichi) α オa'10η 文 林(BUNRIN),No,37:63-72 lssueDate 2003 ResourceType BulletinPaper/紀 要 論 文 ResourceVersion URL Right AdditionalInformation

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方言 基 礎語 彙 の収 束 モ デ ル と拡 散 モ デ ル

方 言 基 礎 語 彙 の 収 束 モ デ ル と拡 散 モ デ ル

ー関西若年層方言調査から一

1は じめ に 地 域 方 言 の 変 容 につ いて 論 じる と き、 単 純 に方 言 が標 準 語 に置 き換 わ る と考 え る の は十 分 で な い。 あ る地 域 方 言 体 系 、 部 分 体 系 の な か に伝 統 的 方 言 形 式 と標 準 語 形式 が併 存 し、 日常 の言 語 生 活 の 中 で 使 い分 け られ る様 相 は、 これ まで も 日本 各地 の方 言 を対 象 に して 数 多 く論 じ られ て き た。 そ こ で 主 た る対 象 とな った の は、 標 準 語 と伝 統 的 方 言 を客 観 的 に眺 め う る、 比 較 的 若 い世 代 の言 語 使 用 で あ った。 伝統 的方 言 形 式 と標 準 語 形 式 が 併 存 す る場 合 、 まず 問 題 と な るの は場 面 に よ る使 い分 け の実 態 で あ る。 友 だ ち同 士 や 家 族 間 な ど、 主 に くっ ろ いだ 会話 で 使 用 され る方 言形 式 と、見 知 らぬ相手 や公 の 場 な ど、主 にあ らた ま っ た 会話 で使 用 され る標 準 語 形 式 の 使 い分 けの 実 態 で あ る。 次 に問 題 と な るの は、 特 に方 言 形 式 の場 合 、 伝 統 的 方言 形 が ど の よ うな 語 形 に置 き換 え られ るか と い う こ とで あ る。 冒頭 に も述 べ た よ うに、 単 に 標 準 語 形 そ の ま まに 置 き換 え られ る と考 え る に は 十分 で は な く、 汎 用 性 や 使 用 頻 度 が か か わ って くる よ うに 考 え られ る。 本 稿 で は、 関 西若 年 層 の 方言 基 礎 語 彙 にっ い て、 くっ ろ い だ場 面 と あ らた ま った場 面 の二 っ の場 面 に お け る実 態 に注 目 し、 方 言 の語 彙 体系 にお いて 、 いわ ゆ る 「語 彙 収 束 」 「語 彙 拡 散 」 の状 況 が 認 め られ る こ とを 報 告 す る。 具 体 的 には 、 「ご はん を よ そ う」 と い う と きの 「よ そ う」、 「時計 を は め る」 -63一

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文林 三十七号 と い うと きの 「は め る」 に相 当 す る語形 を モ デル と した、 方 言 基 礎 語 彙 の 収 束 、 拡 散 の 状況 で あ る。 2調 査 の概 要 2-1調 査 の 方 法 本 論 で あ っ か う調 査 デ ー タは、2000年 か ら2001年 に か け て得 られ た もの で あ る。 本 学 で 村上 の担 当 す る 「国 語 学特 殊 講 義 皿」 の 受 講 生 を対 象 と し、 若 年 層 女 性 の デ ー タを 収 集 した。 若 年 層 男 性 イ ン フ ォー マ ン トの デ ー タ に っ いて は、 受 講 生 一 部 の 協 力 を得 た。 調 査 形 態 は ア ンケ ー ト形 式 で 、 回 答 方 法 は、 調 査 項 目 のな か の選 択肢 か ら一 っ を 選 ぶ 「多肢 選 択 法 」 で あ る。 本 稿 で 取 り上 げ る語 彙 の ほか に 、 文法 、 ア クセ ン ト、 敬語 行 動 、 言 語 意 識 に つ い て問 うて い る。 2-2調 査 の 対 象 調 査 の対 象 と した の は京 阪 神 で 言 語 形 成 期 を 過 ご し、 引 き続 き居 住 して い る20代 前 半 の男 女 で、 男 性 が40名 、 女 性 が64名 の計104名 に な る。 3方 言 基 礎 語 彙 と い う考 え方 「基 礎 語 彙 」 に つ い て考 え る前 に、 い わ ゆ る 「基 本 語 彙 」 に っ いて ふ れ て お きた い。 基 本 語 彙 は、 大 規 模 な語 彙 調 査 に基 づ い て あ る 目的 や価 値 観 の上 に立 っ て選 定 され るべ き、 功 利 性 を持 った語 集 団 の こ とを い う。 国語 教 育 にお け る 「学 習基 本 語 彙 」 や 、 日本語 を学 ぶ外 国 人 の た め の基 本語 彙 の選 定 が 、 代 表 的 な例 と して あげ られ よ う。 -64一

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方言基礎語彙 の収束 モデル と拡散 モデル ー 方、 「基 礎 語 彙 」 とい う名 称 に っ いて は、 林(1971)や 真 田(1977)な どで そ の考 え方 が 示 され て い る。 真 田 の 定義 す る もの は 「基 礎 」 と い う語 か らの連 想 に た って、 基 礎 語 彙 の もっ特 徴 を以 下 の4点 に集 約 した。 ① そ の言 語 に お いて の、 知 識 体 系 の一 時 的枠 組 み を構 成 す る もの。 ② 人 が生 活 を し、 ものを 考 え る上 で最 小 限度 に必 要 とす る比 較 的 少 数 の語 集 団 。 ③ 他 の ことば で 言 い換 え られ た り、 い くっ もの こ とば の羅 列 で 表 現 さ れ た り して 、 意 識 的 に学 習 され る もの と は、 原 則 と して レベ ル を 異 にす る。 ④ 日常 生 活 の 中 で 、 語 とそ れ に よ って表 され る もの ・事 柄 とが 直 接 的 に結 びつ いた 形 に お いて 、無 自覚 的 に習 得 さ れ る。 こ こ に触 れ られ た特 徴 、 特 に 「意 識 的 に学 習 さ れ る もの とは レベ ル を異 に し」、 「無 自覚 に習 得 され る」 とい う点 は、 第 一 言 語 と して の方 言 の 習得 に もっ な が る もの が あ る。 本 稿 で い う 「方 言 基 礎 語 彙 」 の性 質 も、 原 則 的 に真 田 の い う 「基 礎 語 彙 」 に通 じ る とい う ことで あ る。 4方 言 基 礎 語 彙 のバ ラ エ テ ィ 方 言 基 礎 語 彙 を構 成 す る要 素 は、 各 地 域 の方 言 で異 な り、 同 じ地 域 の 同 じ方 言 話 者 で も、 職 業 や 性 に よ って異 な る。 そ こで、 日常 生 活 に密 着 し、 不 可 欠 な語 を取 り上 げ る こと で、 少 しで も各 地 域 方 言 間 、 話 者 間 の違 い を うめ る こ とが可 能 に な る と考 え る。 こ こで 一 例 と して、 「ごは ん を 茶 碗 に よ そ う」 と い う と きの 「よそ う」 に相 当 す る語 形 にっ いて 、 『現 代 日本 語 方 言 大 辞 典 』(平 山 ほ か編1992)の 65一

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文林 三十七号 記 述 に沿 って 全 国各 方 言 を概 観 して み る。 京 都 か ら西 、 広 島、 九 州 そ して琉 球 にっ なが る広 い地 域 にみ られ る のが 「っ ぐ」 で 、 ごは ん以 外 に も、 酒 、 み そ汁 、 お か ず 、 茶 な ど に使 用 され て い る。 芸 予 諸 島 大 三 島生 まれ の藤 原 与 一 は 『日本 語 方 言 辞 書 一昭 和 ・平 成 の生 活語 』(1997)の な か で 、 「種 々 の ッ グ が あ る」 「ごは ん な ど に関 して は、 ツ グが よ く言 わ れ て い る」 と記 述 して い る。 この記 述 か ら も、 近 畿 以 西 の西 日本方 言 話 者 に と って、 「ごは ん を っ ぐ」 の言 い方 は、 あ ま り違 和 感 の な い もの と思 われ る。 反 対 に、 『現 代 日本 語 方 言 大 辞 典 』 で は、 東 京 や千 葉 で は 「ごは ん や おか ず に は使 わ な い 」 との記 述 が あ る。 「よ そ う」 は関 東 や北 陸 に み られ 、 ご はん 、 み そ 汁 、 お か ず に使 用 され る。 酒 や茶 に は使 用 さ れ な い。 そ の他 「も る」 が 東 北 と関 東 に 、 「っ け る」 が 三 重 にあ り、 そ れ ぞ れ、 ごはん 、 み そ汁 に使 用 され て い る。 次 章 以 降 で 問題 とな る 「いれ る」 で あ るが 、 「ご はん を∼ 」 の文 脈 で は どの 都 道 府 県 に も記 述 が な い。1) 4-1方 言 基 礎 語 彙 の 収 束 モ デ ル こ こで は 「ご は ん を 茶 わ ん に ∼ 」 と い う 文 脈 に お け る動 詞 の 出 現 形 式 に っ い て 、 くっ ろ い だ 場 面 と あ らた ま っ た 場 面 の 二 つ の 場 面 別 に 、 調 査 結 果 を み て い く。 図1は 「ご は ん を 茶 わ ん に ∼ 」 と い う文 脈 に お け る 、 動 詞 の 出 現 形 式 を み た も の で あ る 。 な お 、 図 中 凡 例 の な か のC場 面 は くっ ろ い だ 場 面(C= casual)、F場 面 は あ ら た ま っ た 場 面(F=forma1)場 面 を さ す 。 場 面 に よ る 使 用 形 式 の バ ラ エ テ ィ に 注 目 す る と、F場 面 で 「よ そ う」 の 一66一

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方 言 基 礎 語 彙 の収 束 モ デ ル と拡 散 モ デ ル C場 面 「いれ る」 F場 面 「よそ う」 いれ る/い れ る よ そ う/い れ る よ そ う/よ そ う 図1ご 飯 を茶 わ ん に … … [1 1

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1 o 20 40 60 80% ※ 凡 例 はF場 面/C場 面 の順 回 答 が10%未 満 の語 形 は省 略 使 用 が71,8%(グ ラ フ2段 目)と 多 数 で あ る の に 対 し て 、C場 面 で の 「よ そ う」 の 使 用 は 、F場 面 の 半 数 以 下 の34.8%(グ ラ フ5段 目)に 減 少 す る 。 1985年 か ら1986年 に か け て 、 同 じ京 阪 神 の 若 年 層 を 対 象 に 行 な っ た 真 田 (1996)で は 、F場 面 で の 「よ そ う」 の 使 用 は44.9%、C場 面 で は28.0% で あ っ た か ら、 単 純 に 比 較 して も 「よ そ う」 と い う語 形 自体 の 使 用 は 、F 場 面 、C場 面 と も に 増 加 し た こ と に な る。 特 に 、F場 面 に お け る増 加 率 は 著 し い 。 関 西 方 言 に お い て 「よ そ う」 が 、 よ り ス タ イ ル の 高 い 形 式 と し て と らえ られ る傾 向 が 高 ま っ て い る と い え る 。 C場 面 に お い て 、 も っ と も使 用 率 が 高 い の は 「い れ る 」 で あ る 。 今 回 の 調 査(以 下 、2000年 調 査)で は50.0%の 使 用 が あ る。 真 田(1996)で は15. 3%の 使 用 で あ っ た か ら 、3倍 以 上 増 加 した こ と に な る。 「い れ る」 はF場 面 で も14.4%の 使 用 が み ら れ る 。 こ の 回 答 者 は す べ て 、C場 面 で も 「い れ る」 を 使 用 して い る か ら、C場 面 で の 「い れ る 」 使 用 が 先 行 し、F場 面 に も お よ ん だ も の と 考 え られ る 。 -67一

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文 林 三 十 七 号 こ こ で 、 真 田 調 査(以 下 、85年 調 査)と 、2000年 調 査 の 結 果 に っ い て 、 場 面 別 に 整 理 して み る 。 85年 調 査 00年 調 査 85年 調 査 00年 調 査 F場 面 よ そ う 44.9 F場 面 よ そ う 71.8 C場 面 つ ぐ 44.9 C場 面 い れ る 50.0 〉 〉 〉 〉 つ ぐ> 24.6 い れ る 14.4(%) よ そ う 24.6 よ そ う 34.8(%) 〉 い れ る 9.3(%) い れ る 9.3(%) 「よ そ う 」 は 、F場 面 ・C場 面 と も に 使 用 が 増 加 す る 。 「い れ る 」 はC 場 面 で の 使 用 が 著 し く増 加 して い る。85年 調 査 に お い て 、F場 面 で24.6%、 C場 面 で33,1%の 使 用 が あ っ た 「っ ぐ」 は 、 今 回 の 調 査 で は 、 い ず れ の 場 面 で も使 用 率 が10%を 割 っ て い る 。 以 上 み て き た よ う に 、F場 面 に お け る 「よ そ う」、C場 面 に お け る 「い れ る 」 が 示 す よ う な 、 語 彙 体 系 が 簡 素 化 さ れ 、 特 定 の 語 に 収 束 し て い く さ ま を 「方 言 基 礎 語 彙 の 収 束 モ デ ル 」 と 呼 ぶ こ と に す る 。 特 に 、 「ご は ん を 茶 わ ん に ∼ 」 と い う文 脈 で は、F場 面 に よ り ス タ イ ル の 高 い語 で あ る 「よ そ う」 が 使 用 さ れ る 。 ス タ イ ル の 高 い 語 が 求 め られ る場 面 で は 、 標 準 語 形 式 が 選 択 さ れ る 。 い っ ぽ うC場 面 で は 、 よ り汎 用 性 が 高 く、 基 本 的 な 語 で あ る 「い れ る 」 に 収 束 し て い く様 相 が み ら れ る 。 「い れ る 」 と 「よ そ う」 は 上 位 語 と下 位 語 の 関 係 、 つ ま り包 摂 関 係 に も あ る 。 「い れ る 」 は 「よ そ う 」 に 比 べ て 、 カ バ ー す る 意 味 の 範 囲 が 広 い 。 -68一

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方言基礎語彙 の収束 モデル と拡散 モデル こ の こ と も、 汎 用 語 化 、 よ り基 本 的 な語 の選 択 を押 し進 め る要 因 と な って い るで あ ろ う。 4-2方 言 基 礎 語 彙 の拡 散 モ デ ル 語 彙 体 系 の簡 素 化 、 汎 用 語 化 の な か に は、 サ 変 動 詞 「す る」 の 使 用 が か か わ る こ とで引 き起 こされ る もの が あ る。 こ こで は、 身 体 に身 にっ け る さ い の着 脱 にか か わ る動 詞 か ら 「時計 を は め る」 とい う と きの 「はめ る」 に 相 当 す る語 形 につ いて 、 図2で 「時計 を腕 に ∼」 とい う文 脈 に お け る、 動 詞 の出 現 形 式 を み て み よ う。 F場 面 で の使 用 率 が も っ と も高 い の は 「は め る」 で39.9%の 使 用 率 で あ る。 以下 、 「っ け る」 が27.1%の 使 用 率 、 「す る」 が19.9%の 使 用 率 で あ る。 ※凡例 はF場 面/C場 面 の順 回答が10%未 満の語形 は省略 一69一

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文林 三 十 七 号 先 の 「よ そ う」 の よ う に一 つ の 語 が 高 い割 合 で 使 用 さ れ る の で は な く(一 つ の 語 に 収 束 す る の で は な く)、 複 数 の 語 が 使 用 さ れ て い る 。 こ の よ う な 状 況 を 「方 言 基 礎 語 彙 の 拡 散 モ デ ル 」 と よ ぶ こ と に す る 。 F場 面 は め る 〉 っ け る 〉 す る 39.927.119.9(%) い っ ぽ う のC場 面 で は 、 サ 変 動 詞 の 「す る」 が44.8%と な り、 く っ ろ い だ 場 面 で の 汎 用 語 化 が 進 ん で い る 。 た だ し、 こ の 場 面 に お い て も 「っ け る 」 が27.7%の 使 用 率 、 「は め る 」 の 使 用 率 が14.4%で 、 複 数 の 語 が 使 用 さ れ て い て 、 「語 彙 拡 散 」 の 状 況 に な っ て い る 。 C場 面 す る 〉 っ け る 〉 は め る 44.827.714.4(%) 場 面 ご と の 使 用 状 況 を み て み る と、 場 面 ご と の 使 い 分 け を し な い 割 合 が 49.8%(グ ラ フ6∼8段 目 の 数 値 合 計)、 使 い 分 け を す る 割 合 が37.1% (グ ラ フ3∼5段 目 の 数 値 合 計)と な り、 使 い 分 け を し な い 方 が 多 い 。 各 語 形 に っ い て は 文 体 的 価 値 が 一 定 して お らず 、 広 い 範 囲 の 場 面 で 使 用 可 能 と な っ て い る 。 一70一

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F場 面/C場 面 使 い 分 けな し F場 面/C場 面 使 い分 けあ り 方言基 礎語彙の収束 モデルと拡散 モデル す る/す る っ け る/つ け る は め る/は め る は め る/す る は め る/っ け る っ け る/す る 19.9% 15.5% 14.4% 13.3% 12.2% 11.6% ま た 、F場 面 に お け る 「す る」 の 使 用者 は、C場 面 で もす べ て 「す る」 を 使 用 して い る。C場 面 で の 「す る」 の使 用、 っ ま り汎 用 語 化 が先 行 し、 そ の一 部 の 使 用 者 に お い てF場 面 で の 「す る」 使 用 にっ なが って い る もの と思 わ れ る。 5お わ りに 本 稿 で は、 関 西 若 年 層 の方 言 基 礎 語彙 につ い て、 くつ ろ い だ場 面 と あ ら た ま った場 面 の二 っ の場 面 に お け る使 い分 け を通 して 「語 彙 収 束 」 「語 彙 拡 散 」 の状 況 が 認 め られ る こ とを 述 べ た。 そ の な か で 、 くっ ろい だ場 面 に お け る 「ご はん を いれ る」 の よ う に、 語 彙 体 系 が 簡 素 化 され 、 汎 用語 に収 束 して い く さま を 「方 言 基 礎 語 彙 の収 束 モ デ ル」 と した。 また 、 「腕 時 計 を∼ 」 とい う と き、 あ らた ま っ た場 面 に お い て も、 くつ ろ いだ 場 面 に お い て も、 「は め る」 「っ け る」 「す る」 の い ず れ か の語 に 収 束 す るの で はな く、 複 数 の語 が 使 用 され て い る。 この よ うな状 況 を 「方 言 基礎 語彙 の拡 散 モデ ル」 と した。 「い れ る」 や 「す る」 は 「基 本語 彙 」 に属 す る語 で も あ り、 関西 とい う 日本 語 の一 方 言 に注 目 し、 場 面 に よ る使 い分 け に言 及 した こ と は、学 校 教 一71一

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文林 三十七号 育 や 日本 語 教 育 の場 に お い て も応 用 可 能 か と考 え る。 日本 の な か の地 域 差 に つ い て は 、 「ご は ん を ∼ 」 の 「∼ 」 に 相 当 す る 言 い 方 に っ い て 、 大 阪 の ほ か に も福 岡 、 広 島 、 高 知 、 名 古 屋 、 東 京 、 福 島 で 調 査 を 行 い 、 村 上 (2003予 定)に 報 告 す る の で 参 照 さ れ た い 。 注 1)2000年8月 に、 本 学2回 生 と淡 路 島方 言 調 査 に 出 か け た折 り、 宿 舎 で の夕 食 の 時、 「先 生 、 ご はん を入 れ ま し ょうか 。」 を初 め て 聞 い た。 ごは ん は 「っ ぐ」 も の だ と思 って い た ので 、 新 鮮 な 印 象 と と も に記 憶 に残 って い る。 〈謝辞 〉 ア ンケ ー ト調 査 に ご協 力 くだ さ っ た皆 様 に、 記 して こ こ に感 謝 申 し上 げ ます 。 【参 考 文 献 】 窪 田 富 男(1982)「 基本 語 ・基 礎 語 」 『日本 語 教 育 事 典 』大 修 館 書 店 真 田信 治(1977)「 基本 語 彙 ・基 礎 語 彙 」 『岩 波 講 座 日本語9語 彙 と意 味 』 岩 波 書 店 真 田信 治(1996)『 地 域 語 の 生 態 シ リー ズ 関 西 篇 地 域 語 の ダイ ナ ミズ お うふ う 真 田信 治 ・村 上 敬 一(1997)「 方 言 変 化 の拡 散 モ デ ル」r西 日本 に お け るネ オ 方 言 の 実 態 に関 す る調 査研 究 』 科 研 費 研 究成 果 報 告 書 田 中彰 夫(1984)「 基 本 語 彙 と基 本語 」 『日本 語 学 第3巻2号 』 明 治 書 院 林 四郎(1971)「 語 彙 調 査 と基 本語 彙 」 『電子 計 算 機 に よ る国 語 研 究 皿 』 秀 英 出版 平 山輝 男 ほか 編(1992)『 現 代 日本 語 方 言 辞 典 』 明 治 書 院 藤原 与 一(1997)『 日本 語 方 言 辞 書 一昭 和 ・平 成 の生 活 語 一』 東 京 堂 出 版 村上 敬 一(2003予 定)「 対 人 的言 語 行 動 か らみ た 関 西 方 言 の 現 在 と他 方 言 と の比 較 」 『関西 弁 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンの地 域 性 と関 西 方 言 の 影 響 力 に っ い て の 広 域 的研 究 』科 研 費 研 究 成 果 報 告 書 森 田 良行(1988)『 基 礎 日本 語 辞 典 』 角 川 書 店 一72一

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