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法華経における「教主釈尊」の表現と仏教思想史的意義 (その二) (第三十五回 日蓮宗教学研究発表大会要旨)

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◇法華経の﹁久成思想﹂は、当時インドの諸教派の中で 盛んになってきた大乗思想で別に法華独自のものでない とする論もある。果してそうか?思うに、大乗経典はい ずれも当時の思想や実際問題が素材となって成立した。 然し法華経は当時流行の仏教思想を、ただ漫然と採用し へ

へへへへへ6 5 4 3 2 ー雪嘗一曹

法華経における﹁教主釈尊﹂の

表現と仏教思想史的意義︵その一一︶

隆賢院日照本尊畦鑑騨蕊謬甕働にて之を塵む 天明四年群密一月廿八日甲状 天明六丙午年壬十月十三月朝書 日蓮正宗機関誌﹁蓮華﹂睡諏唾柵極轌七月号 ﹁富士学林教科書研究教学鐙﹂第十八巻、賢樹書記 七七九頁 天明六丙午大呂念六日日好述 増田重兵衛復机下並御同志衆中とあるも、主文は欠文 となっている。猶﹁宗魂住否再報﹂は欠文である。 林

円修

た訳ではない。確かな目的意識と体験と思想的実際的問 題の解決策とをもって成立したと考える。以下﹁成立史﹂ ︵布施説︶をふまえて考察する。原始法華経︵第一類︶ が文字仏典化されたのは紀元前後であり、既に当時教界 の実際問題である大小二乗の対立問題が採用され一仏乗 思想を高揚した法華独自の内容が見られることに留意し たい。︵開会思想と仏陀の伝道宣言︶第二類成立時代の 仏教界の様相は果して如何んノ. ◇AD百年前後となると、仏教大乗は在家の支持を待て 発展し僧院制度も定着したが、軽律重戒の思潮から自由 で多彩な思想信仰を現出した。塔廟の建立と崇拝、経巻 供養、仏身観の発達、造像の実際化と諸仏諸菩薩信仰、 過去仏、未来仏の諸信仰、往生浄土思想、念仏信仰、菩 薩思想の発展と修行階位説や修禅主義及び成仏論の問 題、インド古来の民間信仰の流入、保守小乗諸派の動き シート と発知論の編集大乗諸派の経典の増補編集、界及び教 団護持の問題などが列挙される。殊に仏身観や菩薩思想 の発展に伴う諸信仰や民間信仰は仏徒一般の実際問題だ けに看過できない。叉教理的にも菩薩乗の流行と仏乗の 乗観問題はなおざりに出来ない、等を︵末世末法思想が 流行し初めたのも首肯し得よう。︶問題は極めて複雑で (お2)

(2)

ある。 法華経は問題を三点に集約して之を見事に解決した。 以下略述⋮第一は、造塔造廟や経巻供養及び過去仏未来 仏信仰等に関わる塔観問題である。法華経は独自の﹁多 宝塔観﹂を表現して之を解決している。︵第二類成立の 主要因⋮布施説︶この点からも法華経が問題解決に全力 ④ を傾注していることが明白である。第二は地涌の菩薩の 表現に見る人間開顕の菩薩法である。菩薩神と修行者と しての菩薩の問題、菩薩の修行階位説、仏乗と菩薩乗の 乗観問題、付属論など仏徒の信行や成仏論に関わる問題 である。この間において法華経は、地涌︵父の子、母の 子︶の表現⋮人間仏徒引・自己と転回する深意を含ませ 〃自誓授戒″を本旨とする徹底した成仏観を高揚した。 第一類は﹁授記﹂によって小乗徒の求済に実を挙げた が大乗菩薩の開顕となると、〃未来授記″だけでは不可、 この短を補う意味で授記を本源にさかのぼり本仏の本化 ︵父と子︶という巧承な椴想のもとに、求法者は結局、 自からの真の自覚と社会的実践が本旨なるを教戒した、 併せて根本仏乗︵本仏︶と根本菩薩乗︵本化︶という独 自の乗観を示して問題に終止符を打った。即ち法華経は、 チヤIリトラ 諸経典に類を絶した上首四菩薩に見る﹁行﹂名を採用し 付属論を表として独自の菩薩成仏論、︵実践菩薩法︶を ⑧ 宣示した。第三は仏身観の発達に伴って生じた、諸仏諸 菩薩信仰及び仏陀観、如来観、釈尊観、教主観や一般に 見る諸天信仰の流行に関わる実際問題である。︵本尊観︶ 法華経は八十才浬桑の現身仏、釈尊を開顕して久遠古仏 常住不滅の本師本仏、︵唯一の教主であり救主︶として 分身説のもと諸仏諸菩薩信仰を統一し併せて諸天諸神信 仰を止揚した。即ち法華経は仏徒四衆の真に依るべき本 ◎○◎。◎○0○ 師本仏観︵教主観釈尊観︶を高揚し、所謂本尊観統一の 。。。。◎。。 、、、、 理想を顕説した。他の大乗諸派が釈尊観等を自明の理と ○00。◎◎ して文字仏典化し得なかった盲点を殊更に明白に宣示顕 ◎ 説した︵羅什の訳語を借りる︶ 之が実はその後、︵羅什の名訳の成果でもあるが︶法 華経が大乗諸経中の白眉となる大きな理由となった。然 かも第二類法華者団が巧象な警喰と優れた構想のもとに 戯曲文学化して之を表現し〃信心菩薩法″の妙を示した 点は看過できない。 ︹註︺ ④第舟一回’第舟三回大会発表の所論⑧第舟四回大会発表。 参考書、法華経成立史・法華経精神史︵布施浩岳︶ブッダの 世界︵中村元︶岩波・法華経三巻︵坂本・岩本訳註︶ (I53)

参照

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