Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,
Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
№2:ラット顎下腺時計遺伝子およびアクアポリン5発
現の時間経過解析
Author(s)
佐藤, 涼一; 石塚, 洋一; 佐藤, 正樹; 木村, 麻記; 澁
川, 義幸; 田﨑, 雅和; 杉原, 直樹
Journal
歯科学報, 115(5): 471-471
URL
http://hdl.handle.net/10130/3855
Right
目的:臨床では,歯周組織再生を目的に生体由来の 足場材料が多く用いられているが,未知なる感染症 のリスク,物性のばらつきなどの問題があるため, 適切な合成材料が求められている。近年,合成マト リックスである自己組織化ペプチドハイドロゲルが 足場材料として注目を浴びており,生体の組織修復 について様々な報告がされているが,歯周組織に関 するものは少ない。そこで本研究はラットに外科的 に作製した歯周組織欠損に自己組織化ペプチドハイ ドロゲルを応用し,その効果を検討した。 方法:本研究は,東京歯科大学動物実験委員会の承 認を得て実施した(№272202)。In vitro において, ゲルの表面性状 は SEM に て 観 察 し た。宿 主 細 胞 (ヒト歯肉上皮細胞;Ca9-22)と自己組織化ペプチ ドハイドロゲル(2.5% RADA16)と の 相 互 作 用 を Cell Proliferation Assay に て 解 析 し た。In vivo では6週齢雄性 Wistar ラットの上顎第一臼歯を抜 去し4週経過後,上顎第二臼歯近心に歯周組織欠損 を 作 製 し た。RADA16応 用 群,Matrigel 応 用 群, 欠損のみの対照群を設定した。術後2,4週にて Micro-CT を撮影後,通法に従いパラフィン切片を 作成し,組織染色(H-E,Azan),免疫染色(増殖 細胞核抗原;PCNA,血管内皮増殖因子;VEGF) を行い,光学顕微鏡にて観察した。 結果および考察:RADA16は微細な立体網目状構 造を呈した。歯肉上皮細胞は RADA16と親和性を 示し,48時間まで統計学的有意な増殖率を示した (P<0.001)。Micro-CT による評価では,RADA16 応用群の新生骨の骨体積率は,Matrigel 応用群, 対照群と比較し術後2,4週において有意に大きな 値を示し,骨梁間隙は有意に小さな値を示した。組 織学的に,RADA16応用群の骨欠損底部に新生骨 が観察された。術後4週 に お い て,RADA16応 用 群の骨欠損底部付近の歯根表面に斜走する歯根膜様 線維束が観察されたが,他の群では歯根とほぼ平行 に走行していた。術後2,4週の RADA16応用群 に お い て,PCNA,VEGF 陽 性 細 胞 率 は Matrigel 応用群,対照群と比較し有意に大きな値を示した。 以上より,今回使用したラットの外科的歯周組織欠 損モデルにおいて2.5% RADA16の応用は局所の細 胞増殖と血管新生を促し,歯周組織の治癒を促進す ることが示唆された。 目的:すべての生物の摂食や睡眠といった生命活動 には概日リズムが存在している。また,概日リズム の異常と特定の疾患には相関関係があると考えられ ている。哺乳類の概日リズムの中枢時計は脳の視交 叉上核に存在し,肝臓など一部の臓器には末梢時計 が存在する。唾液腺も末梢時計を持つ臓器の一つで あり唾液分泌量に概日リズムがあることが知られて いるが,分泌リズムの形成メカニズムや調節因子に ついては十分な検討が行われていない。本研究は唾 液腺末梢時計のリズム形成メカニズムを時計遺伝子 の発現解析から検討することを目的とした。 方法:10週齢オスの Wistar ラットを12時間毎の明 暗環境(8時から20時を明期)で4週間飼育し,自 由飲水下で自発的な Wheel-running 行動から概日 リズム を 記 録 し た。明 暗 期 の 運 動 量 を ラ ッ ト 用 Wheel 回転時の磁力変化から計測し,また摂食行 動を暗視撮影下で24時間連続して記録した。運動量 記録から概日リズムの安定を確認後,6時間毎に ラットから顎下腺を摘出し,それぞれ total RNA を抽出した。加えて明期にあるラットから collage-nase および hyaluronidase による酵素処理後に40% Percoll 分画にて導管細胞と腺房細胞を単離し, 各々の total RNA を抽出した。各 total RNA はリア ルタイム定量 RT-PCR 法にて各種時計遺伝子(Bmal 1,Per2,Clock,Cry1)およびアクアポリン5の β -actin 発現量に対する相対発現量を計測した。 結果および考察:行動解析実験より Wistar ラット は20時から24時に運動量のピークがあり,摂食活動 もこの時間帯に集中する傾向が見られた。また,作 成したダブルプロットアクトグラムより明暗環境2 週ほどで概日リズムの安定を確認した。安定後の ラット顎下腺には4種の時計遺伝子(Bmal1,Per 2,Clock,Cry1)が発現しそれぞれ日内変動して いた。水分泌に関与するアクアポリン5には明確な mRNA 発現リズムが確認できなかった。したがっ て安静時唾液分泌の日内変動にはアクアポリン5発 現が関与しないことが示唆された。導管細胞と腺房 細胞の時計遺伝子発現量は計測したすべての遺伝子 で両者間に有意差を認めなかった。