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(5号炉原子炉建屋内緊急時対策所)

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(1)

重大事故等対処設備について

(補足説明資料)

(5号炉原子炉建屋内緊急時対策所)

柏崎刈羽原子力発電所 6号及び7号炉

平成29年2月

本資料のうち,枠囲みの内容は機密事項に属しますので公開できません。

東京電力ホールディングス株式会社

KK67-0074 改49 資料番号

柏崎刈羽原子力発電所6号及び7号炉審査資料 平成29年2月9日 提出年月日

資料1-2-3

(2)

-目次-

61 条 緊急時対策所

(補足説明資料)

目次

61 条

61-1 SA 設備基準適合性 一覧表 61-2 単線結線図

61-3 配置図 61-4 系統図

61-5 試験及び検査 61-6 容量設定根拠 61-7 保管場所図

61-8 アクセスルート図

61-9 緊急時対策所について(被ばく評価除く)

61-10 緊急時対策所の居住性に係る被ばく評価について

今回ご提出資料

(3)

61-9-i

61-9

緊急時対策所について

(被ばく評価除く)

(4)

61-9-ii 目 次

1. 概要

1.1 設置の目的 1.2 拠点配置

1.3 新規制基準への適合方針

2. 設計方針

2.1 建物及び収容人数について 2.2 電源設備について

2.3 遮蔽設計について

2.4 換気空調系設備について

2.5 必要な情報を把握できる設備について 2.6 通信連絡設備について

3. 運用

3.1 必要要員の構成,配置について 3.2 事象発生後の要員の動きについて 3.3 汚染持ち込み防止について

3.4 配備する資機材の数量及び保管場所について 4. 耐震設計方針について

5. 添付資料

5.1 チェンジングエリアについて 5.2 配備資機材等の数量等について

5.3 通信連絡設備の必要な容量及びデータ回線容量について 5.4 SPDS のデータ伝送概要とパラメータについて

5.5 緊急時対策所の要員数とその運用について 5.6 原子力警戒態勢,緊急時態勢について

5.7 緊急時対策本部内における各機能班との情報共有について 5.8 免震重要棟内緊急時対策所の耐震性につい

5.9 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所と 5 号炉のプラント管理について 5.10 設置許可基準規則第 6 条(外部からの衝撃による損傷の防止)への適合

方針について

5.11 福島第一原子力発電所事故を踏まえた原子力防災組織の見直しについて 5.12 柏 崎 刈 羽 原 子 力 発 電 所 の 緊 急 時 対 策 本 部 体 制 と 指 揮 命 令 及 び 情 報 の 流

れについて

5.13 停止中の 1~5 号炉のパラメータ監視性について

5.14 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所対策本部の構造及び耐震設計について 5.15 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所の現場要員待機場所について

5.16 大湊側緊急時対策所の設置計画について

免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 に 関 す る 記 載 は , 指 摘 事 項 に 対 す る 回 答 を 除 き , 第 426 回 審 査 会 合 資 料 内 容 を 参 考 と し て 掲 載 。

(5)

61-9-1-1 1. 概要

1.1 設置の目的

本申請において,当社柏崎刈羽原子力発電所の緊急時対策所として,柏崎刈羽原子力 発電所の事務建屋のうち免震構造を有する免震重要棟に「免震重要棟内緊急時対策所」

を,5 号炉原子炉建屋内に「5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所」の 2 拠点を設置するこ とにより適合を図る。柏崎刈羽原子力発電所ではこれら 2 拠点を,一次冷却系統に係 る 発 電 用原 子 炉施 設 の損 壊 そ の他 の 異常 が 発生 し た 場合 , 並び に 重大 事 故 等が 発生し た 場 合 にお い て, 中 央制 御 室 以外 の 場所 か ら適 切 な 指示 又 は連 絡 を行 う た めに 使用す る拠点と位置付ける。

また 2 拠点を,重大事故等に対処するための要員がとどまることができるよう遮蔽,

換 気 に つい て 考慮 し た設 計 と する と 共に , 代替 交 流 電源 設 備か ら の給 電 が 可能 な設計 とする。

これら 2 拠点は,耐震構造と免震構造を採用した建物構造の設計多様性を有する他,

電源設備が 6 号及び 7 号炉,さらには免震重要棟内緊急時対策所と 5 号炉原子炉建屋 内 緊 急 時対 策 所と で 相互 に 独 立し て おり , また 異 な る代 替 交流 電 源給 電 方 式を 採用し た設備設計の多様性を有する設計とする。

発電所内に位置的に分散した複数の,かつ多様性を有する緊急時対策所拠点を備える こ と で 重大 事 故等 へ の対 応 性 向上 に ,ま た 更な る 想 定外 事 象へ の 対応 に 資 する ことが 可能な設計とする。

(1)緊急時対策所の特徴

各緊急時対策所の特徴を表 1.1-1 に示す。

免震重要棟内緊急時対策所は免震構造を有した免震重要棟に設置する設計とする。免 震 構 造 を有 し た建 物 は, 発 電 施設 等 に大 き な影 響 が 生じ る 可能 性 があ る 短 周期 地震に 対 し て 優位 性 を有 し てお り , 免震 重 要棟 は 建築 基 準 法告 示 で規 定 され る 地 震動 を 1.5 倍 し た 地震 力 に対 応 する 設 計 とす る 。さ ら に, 免 震 重要 棟 内緊 急 時対 策 所 は, 迅速な 拠 点 立 ち上 げ を可 能 とす る た め, 対 策要 員 の執 務 室 ・宿 直 室に 近 い場 所 に 設置 する設 計とする。

ただし,免震重要棟内緊急時対策所を設置する免震構造を有した免震重要棟において は,基準地震動に対しては通常の免震設計クライテリアを満足しない場合がある。

5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所は,耐震性を有する 5 号炉原子炉建屋内に設置する

(6)

61-9-1-2

設計とする。5 号炉原子炉建屋に設置する 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所は,柏崎刈 羽原子力発電所 6 号炉,7 号炉において想定される全ての事象に対し緊急時対策所の拠 点 と し て使 用 でき る よう , 基 準地 震 動に よ る地 震 力 に対 し ても 機 能喪 失 し ない 設計と する。

また,設計自体の保守性を考慮すると,仮に基準地震動が発生したとしても免震重要 棟 内 緊 急時 対 策所 が 継続 利 用 可能 な 場合 も 想定 出 来 るこ と から , 地震 後 の 損傷 状況を 踏まえた上で,5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所との使い分けを行う設計とすることが,

多 様 性 の観 点 から 有 益と 考 え る。 地 震発 生 時の 緊 急 時対 策 所拠 点 の運 用 に 関す る考え 方については,3.2 にて後述する。

表 1.1-1 各緊急時対策所の特徴

緊急時対策所 特徴

免震重要棟内 緊急時対策所

・発電施設に大きな影響が生じる可能性がある短周期地震に対し て優位性を有している。

・対策要員の執務室・宿直室に近く,本部要員参集等の初動体制 を迅速かつ容易に確立できる。

・事務建屋執務室内にいる所員等,緊急時対策所以外の要員との 連携が比較的容易である。

・代替電源設備をはじめとする緊急時対策所諸設備が常設である ため,緊急時対策所拠点の立ち上げが迅速かつ容易である。

・免震重要棟内緊急時対策所を設置する免震構造を有した免震重 要棟 においては ,基準地震 動に対して は通常の免 震設計クラ イ テリアを満足しない場合がある。

5 号炉原子炉建屋内緊 急時対策所

・基準地震動を含むすべての想定事象発生時において,対策要員 が緊 急時対策所 内にとどま り,指揮・ 復旧活動を 行うことが 可 能である。

なお,免震重要棟内緊急時対策所及び5号炉原子炉建屋内緊急時対策所各々について,

重大事故時のプルーム通過時においても重大事故等に対処するために必要な指示を行う 要員,原子炉格納容器の破損等による発電所外への放射性物質の拡散を抑制するための対 策に対処するために必要な要員を収容するため,緊急時対策所内に居住性を高めた免震重 要棟内緊急時対策所1階(待避室)及び5号炉原子炉建屋内緊急時対策所(対策本部),5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所(待機場所)を設置する設計とする。

免震重要棟内緊急時対策所及び5号炉原子炉建屋内緊急時対策所の機能概要比較を表 1.1-2及び図1.1-1に示す。

(7)

61-9-1-3

表 1.1-2 緊急時対策所の機能概要比較

緊 急 時 対 策 所 場 所 面 積

事 故 想 定 と 拠 点 活 用

緊 急 時 対 策 所 活 用 ケ ー ス 耐 震 性 プ ル ー ム 時

居 住 性 そ の 他(*2) 免 震 重 要 棟 内

緊 急 時 対 策 所 2 階

免 震 重 要 棟

(免 震 構 造 ) 約 810㎡ △(*1) - ○ ケ ー ス 1

免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所

1 階

( 待 避 室 )

同 上 約 238㎡ △(*1) ○ ○ ケ ー ス 2

5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所

5 号 炉 原 子 炉 建 屋

( 耐 震 構 造 )

約271㎡ ○ - ○(*3) ケ ー ス 3

5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所

同 上 約 271 ㎡ ○ ○ ○(*3) ケ ー ス 4

< 凡例> ○ :活用可能 ,△ :活用 場合がある ,- :設計 配慮外

(*1) 基準地 震動に よる地 震力に 対する 耐震性を説 明する ことが 困難である が,建築 基準法 告 示 で規定 される 地震動の 1.5 倍の地 震力に対 して 機能を 喪失し ないため上 記表の 通りと し た。

(*2)「 そ の 他 」 と は , 設 計 基 準 事 故 へ の 対 処 ケ ー ス の ほ か , 地 震 の 影 響 を 受 け ず , 重 大 事 故 等 に伴う プルー ム通過の影 響も受 けない ケースを指 す。

(*3) 5 号炉原 子炉建 屋内 緊急時 対策所 用可搬型電 源設備 が損傷 の場合,大 湊側高 台保管 場所 に 配備す る同可 搬型電源設 備を移 動させ 接続替えを 行い, 電源設 備の機能を 修復す る。

(8)

61-9-1-4

図 1.1-1 緊急時対策所の機能概要比較図

(9)

61-9-1-5

(2)事象進展に応じた必要要員数の考え方

緊 急 時 対策 所にお い ては , 事 象進 展 に応 じ て必 要 要 員数 が 変化 す る。 具 体 的に は 以 下の 4 フェーズに整理できる。

(フェーズⅠ) 重大事故等発生から放射性物質(プルーム)放出開始まで

(フェーズⅡ) 少なくとも 1 つのプラントにおいて比較的高濃度の放射性物質(プル ーム)の放出が行われている期間(フェーズⅠ+10 時間まで)

(フェーズⅢ) 放射性物質(プルーム)の放出は比較的低濃度になるが,現場環境等 を 把握 し, 事前 に準 備し た戦 略の 実施 可否 を確 認す るた めに時間 を要 す るこ とか ら, 必要 最低 限の 作業 を除 き状 況把 握や 戦略 検討 に従 事す る期間(フェーズⅡ+10~24 時間まで)

(フェーズⅣ) 事象収束に向けた各種作業を本格化する期間(フェーズⅢ完了後)

それぞれのフェーズにおける必要要員数は以下の通りとなる。

(フェーズⅠ) 第 2 次緊急時態勢の要員数(本部 84 名,現場 90 名)

:常設代替交流電源設備の起動,可搬型代替注水ポンプ(消防車)の配 備,代替原子炉補機冷却系の設置など,事象収束に向けた各種作業に 必要な要員数。

6 号及び 7 号炉において事象が同時に発生しない場合においても,フ ェ ー ズ Ⅱ 以 降 に 伴 い 現 場 作 業 が 出 来 な く な る こ と が 分 か っ て い る た め,フェーズⅠ完了時点でフェーズⅣ到達までの間に必要となりうる 操作(格納容器ベント,代替循環冷却など)は全て完了させ,フェー ズⅡ移行に備える。

(フェーズⅡ) 監視,通信連絡を主とした必要最低限の本部要員数(27 名)の 2 倍 及 びフ ェー ズⅡ中 の監視 ,給 油( *1), フェ ーズ Ⅲ移 行後 の初動 に必要 な最低限の現場要員数(17 名)と設備故障等の不測事態への対応( *2)

及びフェーズⅢ移行後の給油作業等( *1)への対応に必要な追加現場要 員数(40 名)の合計(本部 54 名,現場 57 名)

:本部要員数は,比較的高濃度の放射性物質が通過するまでの間,本部 内に留まり,監視及び通信連絡を主として対応するために必要な要員 数 。 な お , 所 外か ら 参集 し て 交 替 す るこ と がで き な い 場 合 も想 定 し , 必要要員数の 2 倍を確保し,半分は休息しておく。

(10)

61-9-1-6

現場要員数は,フェーズⅡでも発生してしまう給油作業の他,展開済 みの各種設備の監視,フェーズⅢ移行後の初動対応を行うために必要 な要員数(17 名)と,設備故障等の不測事態やフェーズⅢ移行後の給 油作業等に備えて待機しておくために必要な要員数(40 名)の合計。

この人数を確保することで,フェーズⅡにおいて必要な要員数(17 名)

の 2 倍を確保できるため,適宜休憩をとることも可能となる。

(フ ェ ー ズ Ⅲ ) フ ェー ズⅡ の 必 要 最 低 限 の本 部要 員 数( 27 名 ) 及 び 現場 要 員 数 ( 57 名)に,状況把握や戦略確認に必要な追加本部要員数(27 名)を加え た数(本部 54 名,現場 57 名)

:本部要員数は,所外からの参集及び交替が確実になることから,必要 要員数の 2 倍の確保は不要となる。これにかわって,状況把握や戦略 確 認に 従 事 する こ と から ,「意 思 決 定・ 指 揮 機能 」,「情 報 収 集・ 計画 立案機能」,「現場対応機能」に係る要員の一部(27 名)を緊急時対策 所に再参集させる。再参集ができない場合は,フェーズⅡの本部要員 全体で当該対応を実施する。

現場要員数は,本部要員が状況把握や戦略確認に従事している間,給 油 作 業 等 を 行 う と と も に 設 備 故 障 等 の 不 測 事 態 に 備 え て 待 機 し て お くために必要な要員数。

(フェーズⅣ) 第 2 次緊急時態勢と同等の要員数(本部 84 名,現場 90 名)

:事象収束に向けた各種作業を本格化することから,事象進展に応じて 柔軟に対応できるようフェーズⅠと同等の要員数を確保。

( *1)給油作 業等へ の対応 を行 う要員 数とし ては,フェ ーズⅡ 及びフ ェーズ Ⅲにお ける 給 油作 業及び 格納容 器ベン ト実 施後の 作業( 格納容 器圧 力逃が し装置 のフィ ルタ 装 置( 以下 ,「フ ィル タ装 置」)の 排水作 業, 薬液 注入 ,窒素 パージ )に必 要とな る 作業 人数の 他,異 なる時 刻に 格納容 器ベン トを実 施す る場合 も対応 可能と なる よ う, 格納容 器ベン ト実施 前の 作業( フィル タ装置 排水 ポンプ 水張り )に必 要と な る作業 人数を 考慮し,各 作業人 数の合 計を参照し た。

( *2)設備故 障等の 不測事 態へ の対応 を行う 要員数 とし ては, 原子炉 への注 水に係 る主 な 設備 (可搬 型代替 注水ポ ンプ ,代替 原子炉 補機冷 却系 ,ガス タービ ン発電 機)

が 各々 1 台故 障した 場合で も対 応可能 となる よう, 各々 の予備 機との 交換作 業に 必 要とな る作業 人数の合計 を参照 した。

これらの必要要員数の変化を図 1.1-2 に示す。これらの必要要員数に加えて,緊急

(11)

61-9-1-7

時 対 策 所を 設 置す る プラ ン ト の運 転 員や 保 安検 査 官 を収 容 する 必 要が あ る 場合 は,当 該要員数を考慮したうえで,各緊急時対策所は必要な要員を収容できる設計とする。

ただし,フェーズⅠからフェーズⅡの移行にあたっては,本部要員 30 名,現場要員 33 名を退避させることとなる。無用な被ばくを避ける観点から,原則退避させること と す る が, 何 らか の 理由 に よ り退 避 でき な い場 合 も 想定 し ,各 緊 急時 対 策 所は フェー ズ Ⅰ に おけ る 収容 可 能要 員 数 をフ ェ ーズ Ⅱ ,フ ェ ー ズⅢ に おい て も維 持 で きる 設計と する。

(12)

61-9-1-8

図 1.1-2 事象進展毎の必要要員数の動き

事故前 炉心露出,損傷 プルーム放出 状況把握,戦略確認 収束活動

フェーズ

本部要員

現場要員

本 部 要 員 ( 84)

現 場 要 員 (57)

本 部 要 員 ( 54

※ 27×2

現 場 要 員 ( 57)

▽プルーム放出開始

▽プルーム放出完了

▽状況把握,戦略確認完了

▽事 故 発 生 0

フ ェ ー ズ Ⅰ フ ェ ー ズ Ⅱ フ ェ ー ズ Ⅳ

本 部 要 員 ( 54)

本 部 要 員 ( 84)

現 場 要 員 ( 90) 現 場 要 員 ( 90)

フ ェ ー ズ Ⅲ 事 象 収 束 に 向 け た

各 種 作 業 , フ ェ ー ズ Ⅱ 移 行 準 備

監 視 , 通 信 連 絡 , 給 油 , フ ェ ー ズ Ⅲ 移 行 後 の 初 動 準 備

状 況 把 握 , 戦 略確 認, 不 測 事 態 対 応

( 待 機 ), 給 油 等

事 象 収 束 に 向 け た 各 種 作 業

(13)

61-9-1-9 1.2 拠点配置

免震重要棟内緊急時対策所及び5号炉原子炉建屋内緊急時対策所の配置図を以下に示す。

免震重要棟内緊急時対策所は,十分な支持力を有する番神砂層の上に設置された免震重 要棟に設置する設計とする。また,敷地高さT.M.S.L.*+13mの免震重要棟に設置すること により,発電所への津波による影響を受けにくい設計とする。配置は,6号炉,7号炉中央 制御室から直線距離で約1,700m離れた位置(アクセス道路での移動距離は約2,900m)とし,

また,換気設備及び電源設備を6号炉,7号炉中央制御室から独立させることにより,6号 炉,7号炉中央制御室との共通要因により同時に機能喪失しない設計とする。

5号炉原子炉建屋内緊急時対策所は,十分な耐震性を有する5号炉原子炉建屋に設置する。

また,敷地高さT.M.S.L.+12mの5号炉原子炉建屋の3階フロア(T.M.S.L.+27.8m)に設置す ることにより,発電所への津波による影響を受けない設計とする。配置は,6号炉,7号炉 中央制御室から直線距離で約200m離れた位置(アクセス道路での移動距離は約400m)とし,

また,換気設備及び電源設備を6号炉,7号炉中央制御室から独立させることにより,6号 炉,7号炉中央制御室との共通要因により同時に機能喪失しない設計とする。

* T.M.S.L.:東京湾平均海面(旧称 T.P.)

図1.2-1 免震重要棟内緊急時対策所及び5号炉原子炉建屋内緊急時対策所 配置図

(14)

61-9-1-10 1.3 新規制基準への適合方針

(1)設計基準事象への対処

緊急時対策所に関する設計基準事象への対処のための追加要求事項と,その適合方針は 以下表 1.3-1, 1.3-2 の通りである。

表 1.3-1 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第三十四条(緊急時対策所)

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈

適 合 方 針

( 緊 急 時 対 策 所 )

第 三 十 四 条 工 場 等 に は 、一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め 、緊 急 時 対 策 所 を 原 子 炉 制 御 室 以 外 の 場 所 に 設 け な け れ ば な ら な い 。

第 3 4 条 ( 緊 急 時 対 策 所 )

一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め , 6号 炉 , 7号 炉 中 央 制 御 室 以 外 の 場 所 に 緊 急 時 対 策 所 を 設 置 す る こ と と し , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 ,5号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 を 設 け る 。

表 1.3-2 「実用発電用原子炉及びその附属施設の技術基準に関する規則」 第 四十六条(緊急時対策所)

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 技 術 基 準 に 関 す る 規 則

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施

設 の 技 術 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈 適 合 方 針

( 緊 急 時 対 策 所 )

第 四 十 六 条 工 場 等 に は 、 一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め 、緊 急 時 対 策 所 を 原 子 炉 制 御 室 以 外 の 場 所 に 施 設 し な け れ ば な ら な い 。

第 4 6 条 ( 緊 急 時 対 策 所 ) 1 第 4 6 条 に 規 定 す る 「 緊 急 時 対 策 所 」の 機 能 と し て は 、一 次 冷 却 材 喪 失 事 故 等 が 発 生 し た 場 合 に お い て 、関 係 要 員 が 必 要 な 期 間 に わ た り 滞 在 で き 、原 子 炉 制 御 室 内 の 運 転 員 を 介 さ ず に 事 故 状 態 等 を 正 確 に か つ 速 や か に 把 握 で き る こ と 。 ま た 、 発 電 所 内 の 関 係 要 員 に 指 示 で き る 通 信 連 絡 設 備 、並 び に 発 電 所 外 関 連 箇 所 と 専 用 で あ っ て 多 様 性 を 備 え た 通 信 回 線 に て 連 絡 で き る 通 信 連 絡 設 備 及 び デ ー タ を 伝 送 で き る 設 備 を 施 設 し な け れ ば な ら な い 。

一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め , 6号 炉 , 7号 炉 中 央 制 御 室 以 外 の 場 所 に 緊 急 時 対 策 所 を 設 置 す る こ と と し , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 , 5号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 を 設 け る 。

ま た 各 々 の 緊 急 時 対 策 所 は 災 害 時 に 必 要 な180 名 の 対 策 要 員 を 収 容 で き る 設 計 と す る 。

ま た ,中 央 制 御 室 内 の 運 転 員 を 介 さ ず プ ラ ン ト の 状 態 を 把 握 す る た め に 必 要 な パ ラ メ ー タ を 収 集 ・ 表 示 す る た め に 設 置 す る 必 要 な 情 報 を 把 握 で き る 設 備 ( 安 全 パ ラ メ ー タ 表 示 シ ス テ ム ( SPDS) )を 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 設 置 す る 設 計 と す る 。

(15)

61-9-1-11 実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属

施 設 の 技 術 基 準 に 関 す る 規 則

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施

設 の 技 術 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈 適 合 方 針

( 緊 急 時 対 策 所 )

第 四 十 六 条 工 場 等 に は 、 一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め 、緊 急 時 対 策 所 を 原 子 炉 制 御 室 以 外 の 場 所 に 施 設 し な け れ ば な ら な い 。

第 4 6 条 ( 緊 急 時 対 策 所 ) 1 第 4 6 条 に 規 定 す る 「 緊 急 時 対 策 所 」の 機 能 と し て は 、一 次 冷 却 材 喪 失 事 故 等 が 発 生 し た 場 合 に お い て 、関 係 要 員 が 必 要 な 期 間 に わ た り 滞 在 で き 、原 子 炉 制 御 室 内 の 運 転 員 を 介 さ ず に 事 故 状 態 等 を 正 確 に か つ 速 や か に 把 握 で き る こ と 。 ま た 、 発 電 所 内 の 関 係 要 員 に 指 示 で き る 通 信 連 絡 設 備 、並 び に 発 電 所 外 関 連 箇 所 と 専 用 で あ っ て 多 様 性 を 備 え た 通 信 回 線 に て 連 絡 で き る 通 信 連 絡 設 備 及 び デ ー タ を 伝 送 で き る 設 備 を 施 設 し な け れ ば な ら な い 。

さ ら に 、酸 素 濃 度 計 を 施 設 し な け れ ば な ら な い 。酸 素 濃 度 計 は 、設 計 基 準 事 故 時 に お い て 、外 気 か ら 緊 急 時 対 策 所 へ の 空 気 の 取 り 込 み を 、一 時 的 に 停 止 し た 場 合 に 、事 故 対 策 の た め の 活 動 に 支 障 が な い 酸 素 濃 度 の 範 囲 に あ る こ と が 正 確 に 把 握 で き る も の で あ る こ と 。ま た 、所 定 の 精 度 を 保 証 す る も の で あ れ ば 、常 設 設 備 、 可 搬 型 を 問 わ な い 。

ま た ,当 該 発 電 用 原 子 炉 施 設 及 び そ の 境 界 付 近 に お け る 放 射 性 物 質 の 濃 度 及 び 放 射 線 量 を 監 視 及 び 測 定 し 、 並 び に 設 計 基 準 事 故 時 に お け る 迅 速 な 対 応 の た め に 必 要 な 情 報 を 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 表 示 で き る 設 備 を 設 け る 。

さ ら に ,所 外 の 緊 急 時 対 策 支 援 シ ス テ ム ( ERSS) へ 必 要 な デ ー タ を 伝 送 で き る 設 備 を , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 設 置 す る 設 計 と す る 。

事 故 に 対 処 す る 発 電 所 内 の 関 係 要 員 に 対 し て 必 要 な 指 示 が 出 来 る 通 信 連 絡 設 備 を 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 設 置 す る 。

さ ら に ,発 電 所 外 の 関 連 箇 所 と 必 要 な 通 信 連 絡 を 行 う た め の , 専 用 で あ っ て 多 様 性 を 有 し た 通 信 回 線 で 構 成 す る 通 信 連 絡 設 備 を 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 に 設 置 す る 設 計 と す る 。

一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 対 策 要 員 の 居 住 性 を 確 保 す る た め , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 の 送 ・ 排 風 機 に よ り 外 気 を 取 り 入 れ る こ と が で き る 設 計 と し て い る 他 , 必 要 に 応 じ て 換 気 系 を 一 時 的 に 停 止 す る 運 用 と す る 。 ま た , 5号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 は 必 要 な 換 気 が で き る 設 計 と し て い る 他 , 必 要 に 応 じ て 換 気 系 を 一 時 的 に 停 止 す る 運 用 と す る 。

免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 で は , 空 調 隔 離 時 で も 酸 素 濃 度 計 及 び 二 酸 化 炭 素 濃 度 計 に よ り , 室 内 環 境 を 確 認 す る こ と が で き る 。

(16)

61-9-1-12

以下は,外部からの衝撃による損傷の防止に関する設置許可基準規則条文において定め られる緊急時対策所に関する要求事項と,その適合方針である。

表 1.3-3 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第6条(外部からの衝撃による損傷の防止)

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈

適 合 方 針

( 外 部 か ら の 衝 撃 に よ る 損 傷 の 防 止 )

第 六 条 安 全 施 設 は 、 想 定 さ れ る 自 然 現 象 ( 地 震 及 び 津 波 を 除 く 。 次 項 に お い て 同 じ 。)が 発 生 し た 場 合 に お い て も 安 全 機 能 を 損 な わ な い も の で な け れ ば な ら な い 。

2 重 要 安 全 施 設 は 、 当 該 重 要 安 全 施 設 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ る と 想 定 さ れ る 自 然 現 象 に よ り 当 該 重 要 安 全 施 設 に 作 用 す る 衝 撃 及 び 設 計 基 準 事 故 時 に 生 ず る 応 力 を 適 切 に 考 慮 し た も の で な け れ ば な ら な い 。

第 6 条( 外 部 か ら の 衝 撃 に よ る 損 傷 防 止 )

1 第 6 条 は 、 設 計 基 準 に お い て 想 定 さ れ る 自 然 現 象( 地 震 及 び 津 波 を 除 く 。)に 対 し て 、安 全 施設 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い た め に 必 要 な 安 全 施 設 以 外 の 施 設 又 は 設 備 等( 重 大 事 故 等 対 処 設 備 を 含 む 。)へ の 措 置 を 含 む 。

2 第 1 項 に 規 定 す る 「 想 定 さ れ る 自 然 現 象 」と は 、敷 地 の 自 然 環 境 を 基 に 、洪 水 、風( 台 風 )、竜 巻 、凍 結 、降 水 、積 雪 、落 雷、地滑 り 、火 山 の 影 響 、生 物 学 的 事 象 又 は 森 林 火 災 等 か ら 適 用 さ れ る も の を い う 。 3 第 1 項 に 規 定 す る 「 想 定 さ れ る 自 然 現 象 ( 地 震 及 び 津 波 を 除 く 。 ) が 発 生 し た 場 合 に お い て も 安 全 機 能 を 損 な わ な い も の 」と は 、設 計 上 の 考 慮 を 要 す る 自 然 現 象 又 は そ の 組 み 合 わ せ に 遭 遇 し た 場 合 に お い て 、自 然 事 象 そ の も の が も た ら す 環 境 条 件 及 び そ の 結 果 と し て 施 設 で 生 じ 得 る 環 境 条 件 に お い て 、そ の 設 備 が 有 す る 安 全 機 能 が 達 成 さ れ る こ と を い う 。

4 第 2 項 に 規 定 す る 「 重 要 安 全 施 設 」に つ い て は 、「 発 電 用軽 水 型 原 子 炉 施 設 の 安 全 機 能 の 重 要 度 分 類 に 関 す る 審 査 指 針 」( 平 成 2 年 8 月 3 0 日 原 子 力 安 全 委 員 会 決 定 ) の

「 Ⅴ .2 .( 2 )自 然 現 象 に 対 す る 設 計 上 の 考 慮 」に 示 さ れ る も の と す る 。

5 第 2 項 に 規 定 す る 「 大 き な 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ る と 想 定 さ れ る 自 然 現 象 」と は 、対 象 と な る 自 然 現 象 に 対 応 し て 、最 新 の 科 学 的 技 術 的 知 見 を 踏 ま え て 適 切 に 予 想 さ れ る も の を い う 。 な お 、 過 去 の 記 録 、 現 地 調 査 の 結 果 及 び 最 新 知 見 等 を 参 考 に し て 、 必 要 の あ る 場 合 に は 、 異 種 の 自 然 現 象 を 重 畳 さ せ る も の と す る 。

一 次 冷 却 系 統 に 係 る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 損 壊 そ の 他 の 異 常 が 発 生 し た 場 合 に 適 切 な 措 置 を と る た め , 設 計 基 準 に お い て 想 定 さ れ る 自 然 現 象 に 対 し て , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い 様 , 必 要 な 措 置 を と っ た 設 計 と す る 。 *

(17)

61-9-1-13 実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属

施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈

適 合 方 針

2 重 要 安 全 施 設 は 、 当 該 重 要 安 全 施 設 に 大 き な 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ る と 想 定 さ れ る 自 然 現 象 に よ り 当 該 重 要 安 全 施 設 に 作 用 す る 衝 撃 及 び 設 計 基 準 事 故 時 に 生 ず る 応 力 を 適 切 に 考 慮 し た も の で な け れ ば な ら な い 。

3 安 全 施 設 は 、 工 場 等 内 又 は そ の 周 辺 に お い て 想 定 さ れ る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 を 損 な わ せ る 原 因 と な る お そ れ が あ る 事 象 で あ っ て 人 為 に よ る も の( 故 意 に よ る も の を 除 く 。)に 対 し て 安 全 機 能 を 損 な わ な い も の で な け れ ば な ら な い 。

6 第 2 項 に 規 定 す る 「 適 切 に 考 慮 し た も の 」と は 、大 き な 影 響 を 及 ぼ す お そ れ が あ る と 想 定 さ れ る 自 然 現 象 に よ り 当 該 重 要 安 全 施 設 に 作 用 す る 衝 撃 及 び 設 計 基 準 事 故 が 発 生 し た 場 合 に 生 じ る 応 力 を 単 純 に 加 算 す る こ と を 必 ず し も 要 求 す る も の で は な く 、そ れ ぞ れ の 因 果 関 係 及 び 時 間 的 変 化 を 考 慮 し て 適 切 に 組 み 合 わ せ た 場 合 を い う 。 7 第 3 項 は 、 設 計 基 準 に お い て 想 定 さ れ る 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 を 損 な わ せ る 原 因 と な る お そ れ が あ る 事 象 で あ っ て 人 為 に よ る も の( 故 意 に よ る も の を 除 く。)に 対 し て 、安 全 施 設 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い た め に 必 要 な 安 全 施 設 以 外 の 施 設 又 は 設 備 等( 重 大 事 故 等 対 処 設 備 を 含 む 。 ) へ の 措 置 を 含 む 。 8 第 3 項 に 規 定 す る 「 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 を 損 な わ せ る 原 因 と な る お そ れ が あ る 事 象 で あ っ て 人 為 に よ る も の( 故 意 に よ る も の を 除 く 。)」と は 、敷 地 及 び 敷 地 周 辺 の 状 況 を も と に 選 択 さ れ る も の で あ り 、飛 来 物( 航 空 機 落 下 等 )、ダ ム の 崩 壊 、爆 発 、近 隣 工 場等 の 火 災 、 有 毒 ガ ス 、船 舶 の 衝 突 又 は 電 磁 的 障 害 等 を い う 。な お 、上 記 の 航 空 機 落 下 に つ い て は 、「 実 用 発 電 用 原 子 炉 施 設 へ の 航 空 機 落 下 確 率 の 評 価 基 準 に つ い て 」 ( 平 成 14・ 07・ 29 原 院 第 4 号( 平 成 1 4 年 7 月 3 0 日 原 子 力 安 全・保 安 院 制 定 ))等 に 基 づ き 、防 護 設 計 の 要 否 に つ い て 確 認 す る 。

* 「 5.10 設 置 許 可 基 準 規 則 第 6 条 ( 外 部 か ら の 衝 撃 に よ る 損 傷 の 防 止 ) へ の 適 合 方 針 に つ い て 」 と し て 後 述 す る 。

(18)

61-9-1-14

以下は,火災による損傷の防止に関する設置許可基準規則条文において定められる緊急 時対策所に関する要求事項と,その適合方針である。

表 1.3-4 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第八条(火災による損傷の防止)

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈

適 合 方 針

( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 第 八 条 設 計 基 準 対 象 施 設 は 、 火 災 に よ り 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い よ う 、火 災 の 発 生 を 防 止 す る こ と が で き 、 か つ 、早 期 に 火 災 発 生 を 感 知 す る 設 備( 以 下「 火 災 感 知 設 備 」とい う 。)

及 び 消 火 を 行 う 設 備( 以 下「 消 火 設 備 」と い い 、安 全 施 設 に 属 す る も の に 限 る 。)並 び に 火 災 の 影 響 を 軽 減 す る 機 能 を 有 す る も の で な け れ ば な ら な い 。

2 消 火 設 備 ( 安 全 施 設 に 属 す る も の に 限 る 。)は 、破 損 、誤 作 動 又 は 誤 操 作 が 起 き た 場 合 に お い て も 発 電 用 原 子 炉 を 安 全 に 停 止 さ せ る た め の 機 能 を 損 な わ な い も の で な け れ ば な ら な い 。

第 8 条 ( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 1 第 8 条 に つ い て は 、 設 計 基 準 に お い て 発 生 す る 火 災 に よ り 、発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い よ う に す る た め 、設 計 基 準 対 象 施 設 に 対 し て 必 要 な 機 能( 火 災 の 発 生 防 止 、感 知 及 び 消 火 並 び に 火 災 に よ る 影 響 の 軽 減 )を 有 す る こ と を 求 め て い る 。

ま た 、上 記 の「 発 電 用 原 子炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い 」とは 、安 全 施 設 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い こ と を 求 め て い る 。

し た が っ て 、安 全 施 設 の 安 全 機 能 が 損 な わ れ る お そ れ が あ る 火 災 に 対 し て 、発 電 用 原 子 炉 施 設 に 対 し て 必 要 な 措 置 が 求 め ら れ る 。

2 第 8 条 に つ い て 、別 途 定め る「 実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 火 災 防 護 に 係 る 審 査 基 準 」( 原 規 技 発 第 1306195 号( 平 成 2 5 年 6 月 1 9 日 原 子 力 規 制 委 員 会 決 定 ))に 適 合 す る も の で あ る こ と 。 3 第 2 項 の 規 定 に つ い て 、 消 火 設 備 の 破 損 、誤 作 動 又 は 誤 操 作 が 起 き た 場 合 の ほ か 、 火 災 感 知 設 備 の 破 損 、誤 作 動 又 は 誤 操 作 が 起 き た こ と に よ り 消 火 設 備 が 作 動 し た 場 合 に お い て も 、発 電 用 原 子 炉 を 安 全 に 停 止 さ せ る た め の 機 能 を 損 な わ な い も の で あ る こ と 。

免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 の 建 物 及 び 各 々 の 緊 急 時 対 策 所 機 能 と し て 設 置 す る 換 気 設 備 , 電 源 設 備 , 必 要 な 情 報 を 把 握 で き る 設 備 , 通 信 連 絡 設 備 及 び そ れ ら へ の ア ク セ ス ル ー ト に 対 し て , 不 燃 性 材 料 又 は 難 燃 性 材 料 の 使 用 に よ る 火 災 の 発 生 防 止 対 策 を 実 施 す る 設 計 と す る 。

万 一 , 免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 及 び 5 号 炉 原 子 炉 建 屋 内 緊 急 時 対 策 所 ( 緊 急 時 対 策 所 周 辺 に 設 置 す る 関 連 設 備 , 及 び そ れ ら へ の ア ク セ ス ル ー ト を 含 む ) に 火 災 が 発 生 し た 場 合 に お い て も , 消 防 法 に 準 拠 し た 火 災 感 知 器 , 消 火 設 備 を 設 置 し て お り , 当 該 機 器 等 に 発 生 し た 火 災 を 速 や か に 感 知 し 消 火 す る こ と に よ っ て , 当 該 緊 急 時 対 策 所 に 設 置 す る 機 器 等 の 損 傷 を 最 小 限 に 抑 え る こ と が で き る 。

(19)

61-9-1-15

(2)重大事故等への対処

緊急時対策所に関する重大事故等への対処のための追加要求事項と,その適合方針は以 下の通りである。

表 1.3-5 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第六十一条(緊急時対策所)

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈

適 合 方 針

( 緊 急 時 対 策 所 )

第 六 十 一 条 第 三 十 四 条 の規 定 に よ り 設 置 さ れ る 緊 急 時 対 策 所 は 、 重 大 事 故 等 が 発 生 し た 場 合 に お い て も 当 該 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め の 適 切 な 措 置 が 講 じ ら れ る よ う 、次 に 掲 げ る も の で な け れ ば な ら な い 。

一 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 指 示 を 行 う 要 員 が と ど ま る こ と が で き る よ う 、 適 切 な 措 置 を 講 じ た も の で あ る こ と 。 二 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 指 示 が で き る よ う 、 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 情 報 を 把 握 で き る 設 備 を 設 け た も の で あ る こ と 。

三 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 内 外 の 通 信 連 絡 を す る 必 要 の あ る 場 所 と 通 信 連 絡 を 行 う た め に 必 要 な 設 備 を 設 け た も の で あ る こ と 。 2 緊 急 時 対 策 所 は 、 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 数 の 要 員 を 収 容 す る こ と が で き る も の で な け れ ば な ら な い 。

第 6 1 条 ( 緊 急 時 対 策 所 ) 1 第 1 項 及 び 第 2 項 の 要 件 を 満 た す 緊 急 時 対 策 所 と は 、以 下 に 掲 げ る 措 置 又 は こ れ ら と 同 等 以 上 の 効 果 を 有 す る 措 置 を 行 う た め の 設 備 を 備 え た も の を い う 。

a ) 基 準 地 震 動 に よ る 地 震 力 に 対 し 、免 震 機 能 等 に よ り 、緊 急 時 対 策 所 の 機 能 を 喪 失 し な い よ う に す る と と も に 、基 準 津 波 の 影 響 を 受 け な い こ と 。

b )緊 急 時 対 策 所 と 原 子 炉 制 御 室 は 共 通 要 因 に よ り 同 時 に 機 能 喪 失 し な い こ と 。

c )緊 急 時 対 策 所 は 、代 替 交 流 電 源 か ら の 給 電 を 可 能 と す る こ と 。 ま た 、当 該 代 替 電 源 設 備 を 含 め て 緊 急 時 対 策 所 の 電 源 設 備 は 、多 重 性 又 は 多 様 性 を 有 す る こ と 。

d )緊 急 時 対 策 所 の 居 住 性 が 確 保 さ れ る よ う に 、適 切 な 遮 蔽 設 計 及 び 換 気 設 計 を 行 う こ と 。

e )緊 急 時 対 策 所 の 居 住 性 に つ い て は 、次 の 要 件 を 満 た す も の で あ る こ と 。

① 想 定 す る 放 射 性 物 質 の 放 出 量 等 は 東 京 電 力 株 式 会 社 福 島 第 一 原 子 力 発 電 所 事 故 と 同 等 と す る こ と 。

② プ ル ー ム 通 過 時 等 に 特 別 な 防 護 措 置 を 講 じ る 場 合 を 除 き 、対 策 要 員 は 緊 急 時 対 策 所 内 で の マ ス ク の 着 用 な し と し て 評 価 す る こ と 。

③ 交 代 要 員 体 制 、 安 定 ヨ ウ 素 剤 の 服 用 、 仮 設 設 備 等 を 考 慮 し て も よ い 。た だ し 、そ の 場 合 は 、実 施 の た め の 体 制 を 整 備 す る こ と 。

④ 判 断 基 準 は 、 対 策 要 員 の 実 効 線 量 が 7 日 間 で 100mSv を 超 え な い こ と 。

f )緊 急 時 対 策 所 の 外 側 が 放 射 性 物 質 に よ り 汚 染 し た よ う な 状 況 下 に お い て 、緊 急 時 対 策 所 へ の 汚 染 の 持 ち 込 み を 防 止 す る た め 、モ ニ タ リ ン グ 及 び 作 業 服 の 着 替 え 等 を 行 う た め の 区 画 を 設 け る こ と 。

*本 表 欄 外 下 部 に 示 す

(20)

61-9-1-16 実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属

施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈

設 計 方 針

2 第 2 項 に 規 定 す る 「 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 数 の 要 員 」 と は 、第 1 項 第 1 号 に 規 定 す る「 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 指 示 を 行 う 要 員 」に 加 え 、少 な く と も 原 子 炉 格 納 容 器 の 破 損 等 に よ る 工 場 等 外 へ の 放 射 性 物 質 の 拡 散 を 抑 制 す る た め の 対 策 に 対 処 す る た め に 必 要 な 数 の 要 員 を 含 む も の と す る 。

*本 表 欄 外 下 部 に 示 す

(*) 以下,表 1.3-5 の適合方針について説明する。

a.要員 (規則第六十一条2項,規則解釈第61条2)

免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所には,6 号及び 7 号 炉に係 る重大 事故等に 対処す るため に必要な 指示を 行う要 員に加え ,原子 炉格納 容 器の破 損等に よる発電 所外へ の放射 性物質の 拡散を 抑制す るための 対策に 対処す るために必要な数の要員として最大 69 名,1~5 号炉に係る要員 2 名及び保安検査官 の 2 名をあわせて 73 名を収容できる設計とする。

b.同時機能喪失回避 (規則解釈第61条1のb)

免震重要棟内緊急時対策所は,6 号炉,7 号炉中央制御室から十分離れていること

(約 1,700m),換気設備及び電源設備を 6 号炉,7 号炉中央制御室から独立させ,6 号炉,7 号炉中央制御室との共通要因により同時に機能喪失しない設計とする。また,

5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所は,6 号炉,7 号炉中央制御室から十分離れている こと(約 200m),換気設備及び電源設備を 6 号炉,7 号炉中央制御室から独立させ,

6 号炉,7 号炉中央制御室との共通要因により同時に機能喪失しない設計とする。

c.電源設備 (規則解釈第61条1のc)

免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所は,通常時,外部 電源から受電する設計とする。外部電源喪失時,免震重要棟内緊急時対策所は,常設 代 替 交 流 電 源 設 備 及 び 可 搬 型 代 替 交 流 電 源 設 備 か ら 受 電 可 能 な 設 計 と し ,可 搬 型 代 替交流電源設備は常設代替交流電源設備と多様性を有した設計とする。また 5 号炉

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61-9-1-17

原 子炉建 屋内緊 急時対策 所は, 可搬型 代替交流 電源設 備及び 予備の可 搬型代 替交流 電 源 設 備 か ら 受 電 可 能 な 設 計 と し ,予 備 の 可 搬 型 代 替 交 流 電 源 設 備 は 可 搬 型 代 替 交 流電源設備と多重性を有した設計とする。

d.居住性対策 (規則解釈第61条1のd,e)

免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所の重大事故等の対 策要員の居住性が確保されるように,適切な遮蔽設計及び換気設計を行う。

免震重要棟内緊急時対策所 1 階(待避室)は重大事故等において必要な対策活動を 行 うため ,また プルーム 通過中 の必要 要員を収 容可能 な設計 とする。 免震重 要棟内 緊 急時対 策所1 階(待避 室)は 上部, 側面に遮 蔽を設 置する ことで直 接線, スカイ シャイン線,及びグランドシャインによる外部被ばくを抑制する設計とする。また,

免 震重要 棟内緊 急時対策 所1階 (待避 室)を可 搬型陽 圧化空 調機を用 いて加 圧し,

重 大事故 等に伴 うプルー ム通過 中及び プルーム 通過後 の意図 しない放 射性物 質の流 入 による 内・外 部被ばく を抑制 する設 計とする 。さら に免震 重要棟内 緊急時 対策所 の 建屋外 周にコ ンクリー ト遮蔽 を設置 し,グラ ンドシ ャイン 等による 外部被 ばくを 抑制する設計とする。

5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所では重大事故等時において必要な対策活動を行う ため,5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所(対策本部)及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時 対策所(待機場所)を設置する。5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所(対策本部)は気 密性を確保した高気密室内に設置し,上部及び側面に遮蔽を設置することで直接線,

ス カイシ ャイン 線,及び グラン ドシャ インによ る外部 被ばく を抑制す るとと もに,

高 気密室 を可搬 型陽圧化 空調機,可搬 型外気取 入送風 機また は陽圧化 装置を 用いて 陽 圧化し ,重大 事故等に 伴うプ ルーム 通過中及 びプル ーム通 過後の意 図しな い放射 性 物質の 流入に よる内部 ・外部 被ばく を抑制す る。ま た,高 気密室内 には二 酸化炭 素 吸収装 置を設 置し,外 気を遮 断した 状態にお いても 二酸化 炭素濃度 増加に よる窒 息を防止可能とする。

5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所(待機場所)は気密性を確保した中央制御室空調 機械室に設置し,上部及び側面に遮蔽を設置することで直接線,スカイシャイン線,

及 びグラ ンドシ ャインに よる外 部被ば くを抑制 すると ともに ,中央制 御室空 調機械 室 を可搬 型陽圧 化空調機 または 陽圧化 装置を用 いて陽 圧化し ,重大事 故等に 伴うプ ル ーム通 過中及 びプルー ム通過 後の意 図しない 放射性 物質の 流入によ る内部 ・外部

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61-9-1-18 被ばくを抑制する。

遮蔽設計及び換気設計により免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊 急時対策所の居住性については,「実用発電用原子炉に係る重大事故等時の制御室及 び 緊急時 対策所 の居住性 に係る 被ばく 評価に関 する審 査ガイ ド」に基 づき評 価した 結果,対策要員の実効線量は 7 日間で約 86mSv(免震重要棟内緊急時対策所),約 56mSv

(5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所)であり,対策要員の実効線量が 100mSv を超え ないことを確認している。

e.必要な情報を把握できる設備 (規則第六十一条1項の二)

免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所には,重大事故等 時 のプラ ントの 状態並び に環境 放射線 量・気象 状況を 把握す るため, 必要な 情報を 把握できる設備(安全パラメータ表示システム(SPDS))を設置する。

f.通信連絡設備 (規則第六十一条1項の三)

免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所には,重大事故等 に 対処す る発電 所内の関 係要員 に対し て必要な 指示が 出来る 通信連絡 設備を 設置す る。また,免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所には,

発電所外の関連箇所と必要な通信連絡を行うための通信連絡設備を設置する。

g.汚染の持ち込み防止 (規則解釈第61条1のf)

重大事故等時に免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所の 外 側が放 射性物 質により 汚染し たよう な状況下 におい て,緊 急時対策 所への 汚染の 持ち込みを防止するため,モニタリング及び作業服の着替え等を行うための区画を,

免震重要棟建屋内の免震重要棟内緊急時対策所出入口付近に,及び 5 号炉原子炉建 屋内の 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所出入口付近にそれぞれ設ける。

h.資機材配備 (規則第六十一条1項の一)

免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所には,必要な要員 が緊急時対策所内に 7 日間とどまり,重大事故等に対処するために必要な食料と飲 料水を配備する。また対策要員が 7 日間緊急時対策所内にとどまり,現場での復旧 作業に必要な数量の放射線防護資機材(着替え,マスク等)を配備する。

(23)

61-9-1-19 i.地震 (規則解釈第61条1のa)

免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所 を 設 置 し て い る 免 震 重 要 棟 は 建 築 基 準 法 告 示 で 規 定 さ れる地震動を 1.5 倍した地震力に対応した設計とする。基準地震動に対しては通常 の 免震設 計クラ イテリア を満足 しない 場合があ り,そ の際に は構造物 ・設備 の損傷 が 発生す る可能 性がある と想定 される 。そのた め,基 準地震 動に対し ては機 能喪失 すると判断する。

5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所は 5 号炉原子炉建屋内に設置していることから,

基準地震動による地震力に対し,機能を喪失しない設計とする。

5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所の機能維持にかかる電源設備,換気設備,必要な情報を 把握できる設備,通信連絡設備等については,転倒防止措置等を施すことで,基準地震動に 対し機能を喪失しない設計とする。また地震,地震随伴火災及び地震による内部溢水を想定 した場合においても,5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所の要員が必要な対策活動を行うため, 5 号炉原子炉建屋内のアクセスが出来るように設計する。

(代替手段)

免 震重 要棟 内緊急 時対策 所が 機能 喪失す る様な 事態 を想 定した 場合で あっ ても ,5 号 炉原子 炉建屋 内緊急時 対策所 を設置 すること で,基 準地震 動による 地震力 を考慮 した際の柏崎刈羽原子力発電所の緊急時対策所機能を維持できる設計とする。なお,

免 震重要 棟内緊 急時対策 所は免 震装置 を有した 構造で あるこ とから, 基準地 震動に よ る地震 力のう ち発電施 設等に 大きな 影響が生 じる可 能性が ある短周 期地震 に対し て優位性を有しており,機能を維持できる場合も想定出来る。

j.津波 (規則解釈第61条1のa)

柏崎刈羽原子力発電所の敷地における基準津波による最高水位は T.M.S.L.*+7m 程度と評 価される。

これに対し 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所は,T.M.S.L.+12m の敷地に設置された 5 号炉 原子炉建屋の 3 階フロア(T.M.S.L.+27.8m)に設定することにより,周辺に設置する関連設 備,アクセスルートを含め,基準津波の影響を受けない設計とする。

また,前項 i.に示したように,基準地震動に対して機能喪失する可能性があると判断して いる免震重要棟内緊急時対策所についても,T.M.S.L.+13m の敷地に設置された事務建屋のう ち免震構造を有する免震重要棟に設定することにより,津波に対しては,その影響を受けな

(24)

61-9-1-20 い設計とする。

* T.M.S.L.:東京湾平均海面(旧称 T.P.)

(25)

61-9-1-21

以 下 は 火 災 に よ る 損傷 の 防 止 に 関 す る 設 置許 可 基 準 規 則 条 文 に おい て 定 め ら れ る 緊 急 時対策所に関する要求事項と,その適合方針である。

表 1.3-6 「実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基 準に関する規則」 第四十一条(火災による損傷の防止)

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、 構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則

実 用 発 電 用 原 子 炉 及 び そ の 附 属 施 設 の 位 置 、構 造 及 び 設 備 の 基 準 に 関 す る 規 則 の 解 釈

設 計 方 針

( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 第 四 十 一 条 重 大 事 故 等 対処 施 設 は 、火 災 に よ り 重 大 事 故 等 に 対 処 す る た め に 必 要 な 機 能 を 損 な う お そ れ が な い よ う 、火 災 の 発 生 を 防 止 す る こ と が で き 、か つ 、火 災 感 知 設 備 及 び 消 火 設 備 を 有 す る も の で な け れ ば な ら な い 。

第 4 1 条 ( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 1 第 4 1 条 の 適 用 に 当 たっ て は 、 第 8 条 第 1 項 の 解 釈 に 準 ず る も の と す る 。

第 8 条 ( 火 災 に よ る 損 傷 の 防 止 ) 1 第 8 条 に つ い て は 、 設計 基 準 に お い て 発 生 す る 火 災 に よ り 、発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い よ う に す る た め 、設 計 基 準 対 象 施 設 に 対 し て 必 要 な 機 能( 火 災 の 発 生 防 止 、感 知 及 び 消 火 並 び に 火 災 に よ る 影 響 の 軽 減 )を 有 す る こ と を 求 め て い る 。

ま た 、上 記 の「 発 電 用 原 子 炉 施 設 の 安 全 性 が 損 な わ れ な い 」と は 、安 全 施 設 が 安 全 機 能 を 損 な わ な い こ と を 求 め て い る 。

し た が っ て 、安 全 施 設 の 安 全 機 能 が 損 な わ れ る お そ れ が あ る 火 災 に 対 し て 、発 電 用 原 子 炉 施 設 に 対 し て 必 要 な 措 置 が 求 め ら れ る 。

*本 表 欄 外 下 部 に 示 す

(*) 以下,表 1.3-6 の適合方針について説明する。

k.火災防護 (規則解釈第41条)

免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所は火災により緊急 時 対策所 に必要 な機能を 損なう おそれ がないよ う,火 災の発 生を防止 するこ とがで き,かつ,火災感知設備及び消火設備を有する設計とする。

火災の発生を防止するため,免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊 急 時対策 所(緊 急時対策 所周辺 に設置 する関連 設備, 及びそ れらへの アクセ スルー ト を含む )は, 系統内に 水素が 滞留す ることを 防止す る設計 としてい る。ま た,主 要構造物,設備は不燃性材料を使用し,ケーブルは自己消火 性( UL 垂 直燃 焼試 験 )・

耐延焼性(IEEE383)の実証試験に合格する線種を使用する設計とする。地震への対 策 としては 「1.3(2)i 地 震」に記 載する 耐震設 計とする ことに よって 火災発生 の防 止を図っている。

(26)

61-9-1-22

火災感知及び消火については,免震重要棟内緊急時対策所及び 5 号炉原子炉建屋内 緊 急時対 策所( 緊急時対 策所周 辺に設 置する関 連設備 ,及び それらへ のアク セスル ー トを含 む)と も,消防 法に基 づき火 災感知器 を設置 してい る。特に ,緊急 時対策 所 を設置 する屋 内のケー ブル敷設箇所 等には, 火災時 に炎が 生じる前 の発煙 段階か ら感知できる煙感知器に加え,異なる 2 種類目の感知器として熱感知器を設置する 設 計とす る。感 知器は, 外部電 源が喪 失した場 合にお いても 電源を確 保する 設計と し,6 号炉,7 号炉中央制御室等にて適切に監視できる設計とする。

消火設備としては消火栓及び消火器を適切に設置している。免震重要棟内緊急時対 策所及び 5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所(緊急時対策所周辺に設置する関連設備,

及 びそれ らへの アクセス ルート を含む )のうち ,火災 によっ て煙が充 満し消 火が困 難となる可能性のある室内には,固定式消火設備を配備する設計とする。

なお,免震重要棟内緊急時対策所,5 号炉原子炉建屋内緊急時対策所に設置する設備の うち,重大事故対処設備に関する概要を表 1.3-7 に示す。また表 1.3-8 に設計基準対象施 設及び重大事故等対処設備一覧を示す。

(27)

61-9-1-23

表 1.3-7 重大事故対処設備に関する概要(61 条 緊急時対策所) (1/5)

系統機能 設備

代替する機能を有する 設計基準対象施設

設備

種別 設備分類

設備 耐震重要

度分類

常設

可搬型 分類 機器

クラス 居住性の確保

(免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所)

緊急時対策所

(免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所) - - 常設 (重大事故等対処施設) -

免震重要棟内

緊急時対策所遮蔽 常設 常設重大事故防止設備

常設重大事故緩和設備※1

免震重要棟内緊急時

対策所(待避室)遮蔽

常設 可搬

常設重大事故緩和設備

可搬型重大事故緩和設備※2

免震重要棟内緊急時対策所

可搬型陽圧化空調機 可搬 可搬型重大事故防止設備

可搬型重大事故緩和設備※3 - 免震重要棟内緊急時対策所

給排気隔離ダンパ 常設 常設重大事故防止設備

常設重大事故緩和設備※1

酸素濃度計※4 可搬 可搬型重大事故等対処設備

(防止でも緩和でもない設備) -

二酸化炭素濃度計※4 可搬 可搬型重大事故等対処設備

(防止でも緩和でもない設備) -

差圧計※4 可搬 可搬型重大事故等対処設備

(防止でも緩和でもない設備) -

免震重要棟内緊急時対策所

可搬型エリアモニタ 可搬 可搬型重大事故緩和設備※5

地震観測装置 常設 常設重大事故等対処設備

(防止でも緩和でもない設備) -

必要な情報の把握

(免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所)

必要な情報を把握できる設備

(安全パラメータ表示システム

(SPDS))

- - 常設 常設重大事故等対処設備

(防止でも緩和でもない設備) -

(免震重要棟内緊急時対策所は変位が免震構造の許容値を超える地震動発生時を除いて使用する設備)

※ 1 常 設 重 大 事 故 防 止 設 備 ・ 常 設 重 大 事 故 緩 和 設 備 等 を 操 作 す る 人 が 健 全 で あ る こ と を 担 保 す る 常 設 設 備 で あ る た め , 本 分 類 と し て い る 。

※ 2 常 設 重 大 事 故 緩 和 設 備 等 を 操 作 す る 人 が 健 全 で あ る こ と を 担 保 す る 常 設 設 備 及 び 可 搬 型 設 備 で あ る た め , 本 分 類 と し て い る 。

※ 3 常 設 重 大 事 故 防 止 設 備 ・ 常 設 重 大 事 故 緩 和 設 備 等 を 操 作 す る 人 が 健 全 で あ る こ と を 担 保 す る 可 搬 型 設 備 で あ る た め , 本 分 類 と し て い る 。

※ 4 計 測 器 本 体 を 示 す た め 計 器 名 を 記 載

※ 5 常 設 重 大 事 故 緩 和 設 備 等 を 操 作 す る 人 が 健 全 で あ る こ と を 担 保 す る 可 搬 型 設 備 で あ る た め , 本 分 類 と し て い る 。

(28)

61-9-1-24

表 1.3-7 重大事故対処設備に関する概要(61 条 緊急時対策所) (2/5)

系統機能 設備

代替する機能を有する 設計基準対象施設

設備

種別 設備分類

設備 耐震重要

度分類

常設

可搬型 分類 機器

クラス 通信連絡

(免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所) 無線連絡設備(常設) 送受話器,

電力保安通信用電話設備

C

- 常設 常設重大事故防止設備

常設重大事故緩和設備 -

無線連絡設備(可搬型) - 可搬 可搬型重大事故防止設備

可搬型重大事故緩和設備 -

衛星電話設備(常設) - - 常設 常設重大事故等対処設備

(防止でも緩和でもない設備) -

衛星電話設備(可搬型) 可搬 可搬型重大事故等対処設備

(防止でも緩和でもない設備) -

統合原子力防災ネットワークを用い

た通信連絡設備 常設 常設重大事故等対処設備

(防止でも緩和でもない設備) -

データ伝送設備 常設 常設重大事故等対処設備

(防止でも緩和でもない設備) -

電源の確保

(免 震 重 要 棟 内 緊 急 時 対 策 所)

免震重要棟内緊急時対策所用

ガスタービン発電機 外部電源 - 常設 常設重大事故防止設備

常設重大事故緩和設備 -

免震重要棟内緊急時対策所用 ガスタービン発電機用

地下貯油タンク

常設 常設重大事故防止設備

常設重大事故緩和設備 -

免震重要棟内緊急時対策所用 ガスタービン発電機用

燃料移送ポンプ

常設 常設重大事故防止設備

常設重大事故緩和設備 -

免震重要棟内緊急時対策所用

ガスタービン発電機用受電盤 常設 常設重大事故防止設備

常設重大事故緩和設備 -

電源車 可搬 可搬型重大事故防止設備

可搬型重大事故緩和設備 -

免震重要棟内緊急時対策所用ガスタ

ービン発電機-電源車切替断路器 常設 常設重大事故防止設備

常設重大事故緩和設備 -

軽油タンク 57 条に記載

タンクローリ(16kL)

タンクローリ(4kL)

(免震重要棟内緊急時対策所は変位が免震構造の許容値を超える地震動発生時を除いて使用する設備)

参照

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