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重力相互作用銀河M51 の回転曲線と質量分布について

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(1)

重力相互作用銀河

M51

の回転曲線と質量分布について

10M1-001

及川 翔太

(2)

Abstract

渦巻き銀河

M51

NGC5195

)は、伴銀河である

NGC5195(M51b)

と重力相互作用

状態にある、相互作用銀河の代表例である。本論文では、

M51

の特徴的な回転曲線を

再現する事によって、重力相互作用によって円盤が大きくたわんでいる事を示した。

通常の銀河の回転曲線は概ね外縁部まで平坦であり、これは暗黒物質(ダークマター)

ハローの存在によるものと考えられているが、

M51

の回転曲線は例外であり、

8Kpc

から大きく降下する。通常の渦巻き銀河の質量分布は標準ポテンシャルモデル(ここ

では

Miyamoto-Nagai potential

を採用)を用いて回転曲線をフィッティングする事

によって求められる。しかし、

M51

の回転曲線は、平板モデルではフィットしない。

これは相互作用による銀河の歪みによるものと考えられる。そこで、銀河を同心円状

に分解するたわみリングモデル(

Tilted ring model

)の様に

inclination

position

angle

を変化させる手法を用いた。

これにより銀河面傾斜角(

inclination

)と長軸の位置角(

position angle

)を定数で

はなく半径の関数とし、銀河のたわみ(

warping

)を再現する事で回転曲線の増減を

再現出来た。また、

M51

と同様にフェイスオン銀河であり、周囲に

10

以上もの銀河

が存在する

ic342

についても同様に

warping

を推定し

fitting

を行った。

Key words : tilted ring model

M51

IC342

inclination

position angle

、回転

曲線

(3)

目次

1

序章

4

1.1

回転曲線の歴史

. . . .

4

1.2

銀河の質量光度比とダークマターハロー

. . . .

6

1.3

質量光度比について

. . . .

8

1.4

質量分布の

fitting

について

. . . .

8

1.5

M51

について

. . . .

11

1.6

IC342

について

. . . .

13

2

Fitting

の概要

17

2.1

Fitting

のモデル

. . . .

17

2.2

Tilted ring model

について

. . . .

19

2.3

Fitting

の方法

. . . .

20

3

結果

24

3.1

M51

fitting

の結果

. . . .

24

3.2

ic342

fitting

の結果

. . . .

28

4

議論

32

4.1

fitting

の誤差について

. . . .

32

4.2

観測された回転曲線のずれについて

. . . .

32

4.3

M51

ic342

fitting

から得られた

warping

の図

. . . .

35

4.4

M51

の重力相互作用のシミュレーションについて

. . . .

37

4.5

本論の問題点、改善点について

. . . .

39

5

References

40

6

謝辞

41

(4)

1

序章

1.1

回転曲線の歴史

円盤銀河(

rotation curve

)が回転している事が初めて明らかになったのは

1914

年の事

で、

1970

年代になると観測の発達により銀河の回転曲線が得られる様になり、銀河の力学

的な性質が議論される様になった。この際になされた観測は、銀河の分光観測で、銀河中の

分子の運動による輝線スペクトルのずれを視線速度に換算する事で、銀河中心を軸とした回

転の様子を調べるというものだった。また、この際に作られた回転曲線のグラフは、銀河中

心を原点とし、視線速度がプラス側の回転速度とマイナス側の回転速度を平均して銀河の回

転速度を銀河中心からの距離の関数で表すというもので、この形式は今日も変わらず用いら

れている。

1970

年後半からは高い分解能をもつ電波干渉計の登場により、中性水素ガス(

HI

)を直

接観測し銀河の回転速度の測定を行う事が出来る様になった。回転曲線に於いての

HI

ガス

による観測の利点としては、図1に見られる様に、

HI

ガスで観測される銀河は可視光で観

測される銀河よりかなり広く分布しており、したがって光学的な観測よりもかなり外縁部の

回転曲線を求める事が出来る。

(5)

1 WSRTWesteA.Bosm et al.rbork Synthesis Radio Telescope)で得られたNGC2841HIガス

の分布。可視光で見える銀河の範囲よりかなり広範囲に分布している事が分かる。(A.Bosma et.al. 1981)

HI

ガスの観測から得られる回転曲線

V

rot

(r)

は以下の様に簡単に書き表す事が出来る。

V

obs

(r,

φ

)

= V

sys

+ V

rot

(r) cos

φ

sin i

(1)

ここで、

V

sys

は銀河の固有運動の視線方向成分と宇宙膨張による後退速度を足し合わせた

ものである。

r

と φ は極座標表示での銀河の位置で、

i

inclination

、視線方向に対する銀

河円盤の傾きを表すものである。視線方向に対して銀河が水平の状態、つまり銀河円盤を真

横から見た状態は

i

= 90

でエッジオンと呼ばれ、視線方向に対して銀河が垂直の状態、銀

河円盤を真上から見た状態では

i

= 0

でフェイスオンと呼ばれる。

詳しくは後述するが、本研究では、この

inclination

を定数ではなく銀河半径に対する関

数として扱う。

銀河の回転曲線から銀河の物理的な性質が議論される様になったのは

40

年前の事である

が、銀河中心の回転曲線が得られる様になったのは

1990

年になってからで、つい

20

年程

前の事である。これまでは、

HI

ガスの観測では分解能が足りず、輝線観測ではバルジが明

る過ぎて正確な観測が出来なかったが、最近になって電波や赤外線による高分解能の観測が

(6)

可能になり、銀河中心に存在する大質量コアやブラックホールなどの存在が明らかになっ

た。また、

CO

輝線の観測により比較的精度が高く正確な銀河中心の回転曲線を得る事が出

来る。

1.2

銀河の質量光度比とダークマターハロー

2

は様々な銀河の回転曲線をまとめて表したものであるが、回転曲線を見てみると、一

見して多くの銀河の回転曲線は外部まで平坦に伸びている事が分かる。

2 銀河中心のCOデータとディスク、ハローのHIデータを様々な円盤銀河の回転曲線。多くの銀河が 5∼10Kpc以降は概ね平坦な回転曲線になる事が分かる。(Sofue et.al. 1999

しかし、円盤銀河のディスク(明るいバルジの影響が少ない外縁部)の表面輝度の分布は

銀河中心からの距離

r

を用いて以下の様に近似する事が出来る。

I(r)

= I

e

exp{−1.68[(

r

r

e

)

− 1]}

(2)

ここで、

I

e

は銀河の全光度の半分を含む距離

r

e

での光度である。これをグラフににする

と図

3

の様になる。

(7)

3 NGC5962表面輝度。ディスク部分では観測値はほぼ指数法則で表す事が出来る。(現代の天文 学423Pより)

回転曲線が外縁部まで平坦である事に対して、表面輝度は銀河中心から遠ざかるにつれて

減り続けている。回転曲線からは外縁部まで何らかの質量を持つ物体に満ちている事が示

唆されているのに対して、この表面輝度は外縁部に行くに従い質量を持つ物質の密度が減る

という(

2

)式でプロファイルされるのである。仮に銀河中の物質の質量光度比が一定で質

量分布もこの表面輝度に従うなら、回転曲線は外縁部に行くにつれ速度が低下するはずであ

る。この問題は以前は「

missing mass

(行方不明の質量)問題」と呼ばれていたが、今日

では銀河のモデル化により質量光度比は銀河のパーツ毎に、例えば円盤部までを含めた質

量光度比、ハローも含めた質量光度比、と分けて考える事で銀河の新しい性質もわかりつつ

(8)

の素粒子など)ではないかと考えられている。この素粒子の候補としては、素粒子物理で存

在が予言されている殆ど他の物質と相互作用をしない粒子:

Weakly-Interacting Massive

Particles

ではないかと予想されている。

1.3

質量光度比について

質量光度比とは、その名の通り

M/L

で表され、ある天体の質量と光度の比であり、通常

は太陽質量

M

s

と太陽光度

L

s

で規格化される。銀河の質量光度比を見る場合は銀河の質量

M

g

と銀河の光度

L

g

を用いて

M

/L =

M

g

/M

s

L

g

/L

s

(3)

と表される。この式より、星の場合を考えてみると太陽より明るく重い星は

1

より小さ

くなり、反対にダークマターの様に質量だけを持ち一切の光を出さない物質は∞の値を取

る。銀河全体の質量光度比は、回転曲線から質量を求め、観測から得られた光度を用いる事

で得る事が出来る。

最近では銀河を中心部から大質量コア、バルジ、ディスク、(ダークマター)ハローとモ

デル化して考えているが、質量光度比を求める際に、銀河中心から円盤部まで含めたもの、

回転曲線が観測されている範囲内での外縁部のハローまで含めたものと分けて考えている。

そうする事で、銀河を形成している物質がディスクでは

M

/L

1

− 5

であるので、ディスク

を構成する物質はダークマターより星やガスが優勢であるとか、ハローは

M/L

10

− 20

あるのでダークマターが優勢であるといった性質を推測する事が出来る。

1.4

質量分布の

fitting

について

銀河内で自己重力と回転による遠心力が釣り合い、銀河が一つの平衡系である場合、回転

曲線から銀河の質量分布、銀河全体の質量を推定する事が出来る。また、そうして求められ

る質量分布と観測から得られる質量光度比から、上述した様にダークマターハローの存在を

検証する事も出来る。

球対称な質量密度を考えた時、ある半径内の質量を

M(r)

とし、質量分布を

ρ(r)

とする

と、両者には以下の関係が成り立つ。

M(r)

=

4πr

2

ρ(r)dr

(4)

ここで、銀河は平衡系であるので、自己重力と遠心力について以下の事が書ける。

ある点での重力ポテンシャルを

ϕ(r) = −

GM(r)

r

(5)

とした時に重力は

(9)

F(r)

=

GM(r)

r

2

(6)

となるので、

V

rot2

r

=

GM(r)

r

2

(7)

この式を

V

rot

について変形させて

V

rot

=

GM(r)

r

(8)

この回転速度についての式を

M(r)

について解くと

M(r)

=

rV

2 rot

G

(9)

となる。これで、(

4

)式と(

9

)式を組み合わせる事により、回転曲線と質量分布の関係

式を導く事が出来る。

ただし、ここで求めた関係式はあくまで球対称な密度分布の上に成り立つ場合に適応でき

るものである。しかし、実際の銀河をモデル化する際には中心部の大質量のコア、バルジ、

ディスク(ディスクは更に若い星と古い星、

HI

と水素分子(

HII

)等の分布の違いにより、

厚いディスクと薄いディスクに分ける事が出来る。ディスクを模式的に考えると、ディスク

はアンパンをつぶした様な形をしており、いわゆるアンの部分が薄いディスクで

HII

が存

在し、その外側のパンにあたる部分が厚いディスクで

HI

が主に分布しており、

HI

HII

を包み込んでいる状態である)、ハローなどの成分があり、球対称な密度分布という仮定は

意味を成さない状態にある。よって、現実的には成分毎に質量分布をモデル化し、それぞれ

が観測から得られた回転曲線を再現するようにパラメータを決定する。

以下、ディスクとハローについてのモデルを記述する。

・ディスクのみの密度分布について

ディスクの表面輝度は(

2

)式で近似出来ると記述したが、

2

)式について

r

e

を用いずに

記述すると以下の様になる。

I(r)

= I

0

exp(−r/h)

(10)

I

0

はディスク中心での表面輝度、

h

はスケール半径で、表面輝度が銀河中心から

1/e

とな

る距離である。ディスク内で質量光度比が一定であるならば、ディスクの面密度分布

表面輝度と殆ど同じ形で表す事が出来る。

(10)

この式で表せる銀河のディスク内の物質の速度は、フリーマンによって求められた以下の

式で書くことが出来る。

V

2

= 4πG

0

hy

2

[I

0

(y)K

0

(y)

− I

1

(y)K

1

(y)]

(12)

ここで、

y

= r/2h

であり、

I, K

は第一種、第二種の修正ベッセル関数である。

ただし、この様な(

11

)式で表される面密度分布を持ち、(

12

)式の様な回転速度を持つ

銀河は実際の観測とは一致せず、銀河中心から

r

= 2.2h

の距離以降は回転速度が落ち込む。

この原因は、質量光度比を一定として(

11

)式で表される面密度分布を持つ場合、中心に質

量が集中しすぎるからである。これを実際の観測に近づけるには、質量光度比を変数として

距離と共に増加させるか、ディスク成分のみではなく、バルジやハローといった複数の成分

を考える必要がある。

また、上述した計算はディスクの厚さを無視した計算であり、厚さ

z

を考慮した密度分布

は以下の様になる。

ρ = ρ

0

sech

2

(z/z

0

)

(13)

z

0

=

σ

2πGρ

0

(14)

この場合の

ρ

0

z

= 0

での密度である。

・ハローの密度分布について

ディスクのみでは観測された回転曲線に

fit

しないので、ハローについて考える必要があ

る。ハローの密度分布は経験的に得られたものと理論的な考察に基づいたものがある。

経験的に得られたものについては、回転曲線が平坦なので、密度分布は

ρ ∝ r

2

の形にな

るであろう事が予測され、例としては以下の様な式になる。

ρ(r) =

ρ

0

1

+ (r/a)

2

(15)

a

は分布のスケールを与えるパラメータである。

理論的な考察に基づいたものについては、後述するプランマーモデルや、コールドダーク

マター(

CDM

)の力学進化を

N

体計算により計算し、どの様な初期条件からでも最終的に

同じダークマターハローの密度分布になる事を求めた

NFW

モデル(

Navarro

Frenk

White

モデル)が特に有名である。

ρ(r) =

ρ

s

(r/r

s

)(1

+ r/r

s

)

2

(16)

しかし、

NFW

モデルの結果は、計算の際の解像度が足りない事が原因であり、実際の

ダークマターハローの質量分布はこのモデルとは異なるとする結果も存在する。

(11)

また、

NFW

モデルが

1996

年∼

1997

年に作られたのに対して、最も最近の

CDM

シミュ

レーション結果を用いてモデル化された

EIN

モデル(

Einasto Halo

モデル)も存在する。

ρ(r) = ρ

e

exp{−d

n

[(r/r

e

)

1/n

− 1]}

(17)

このモデルは楕円銀河や銀河のバルジの光度プロフィールに非常に形が似ているのが特

徴である。

n

は密度プロフィールの曲率を測定するための無次元パラメータで、

d

n

n

関数である。

ρ

e

は全ハロー質量の半分が含まれる球の半径

r

e

の密度である。

1.5

M51

について

M51

は我々の銀河から

9.6Mpc

程離れており、典型的な

Sc

型のグランドデザイン(

2

腕)銀河である。中心部にはバー構造は持っていない。また、昔から様々な波長においてよ

く研究されているが、銀河中心領域での

HI

放射が弱く、観測された銀河中心部付近での回

転曲線は正確ではない可能性もある。

inclination

は論文によって

20

26

と多少の違いが

見受けられる。

これまで、折に触れて一般的な銀河の回転曲線は平坦である事を述べてきたが、下図に見

られる様に、

M51

の回転曲線は他の一般的な回転曲線とは大きく異なっている。

4 COHIのデータの組み合わせによるM51の回転曲線。他の一般的な回転曲線とは異なり、8Kpc から大きく速度が低下している。データはhttp://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/ sofue/RC99/5194.datより

こ の 特 異 な 回 転 曲 線 は 、

M51

の 環 境 に 大 き く 依 存 し て い る と 考 え ら れ る 。

M51

(12)

代表的な重力相互作用銀河である。また、

M51

から

NGC5195

に伸びる長い腕状の構造は

互いの潮汐力により出来たもので、潮汐腕と呼ばれており、反対側の腕も相互作用によるも

のである。

5 左がM51の伴銀河NGC5195M51bhttp://apod.nasa.gov/apod/ap091226.htmlより

これまでの研究では、

M51

warping

のない整った銀河として考えており、視線方向

に対する銀河の傾き(

inclination

)と長軸の位置角(

position angle

)を定数として

fitting

を行っていた。しかし、近年のシミュレーション(

C.L.Dobbs et al. 2011

)により

M51

NGC5195

の軌道運動のこれまでの時間発展が予測され、その結果から、

NGC5915

M51

を二度通過した際に

M51

の質量の流失、バルジ、ディスク、ハローそれぞれの成分の

inclination

が変化し銀河が歪んだ事が予測される。

また、本論では不自然な回転曲線の速度の低下もこれらの重力相互作用による銀河の歪み

warping

)や質量流失が原因であると考える。

(13)

1.6

IC342

について

6 http://apod.nasa.gov/apod/ap080109.htmlよりic342inclinationがほぼM51と等しくフェイス

オン銀河であり、我々の銀河から3.9MpcM51の半分ほどの距離である

IC342

は我々から

3.9Mpc

程離れている

Sc

型の銀河である。近傍に

10

以上もの銀河が

存在する。これらの近傍銀河の位置と視線速度の差は以下の図の様になっている。図

7

我々の銀河から見た

ic342

とその周辺銀河の位置関係を示しており、図

8

ic342

と周辺

銀河との距離と速度差の図であり、図

9

ic342

をグラフ原点

(0,0)

に置いて、

ic342

から

各銀河に対する距離と視線速度の差を表したものである。ここで図

10

の回転曲線を見て

みると、

とは異なって平坦であり、一見して近傍銀河との重力的な相互作用からくる

(14)

warping

はない様に思えるが、後述の

inclination

を見てみると

17Kpc

36Kpc

で約4°

程変化しており、

position angle

17Kpc

23Kpc

で約

20

°も変化している。また、図

9

より

ic342

周辺には、視線速度差が小さく距離が

0.5

pc

以内に銀河が幾つか存在するこ

とが分かり、

M51

程ではないが

ic342

が外縁部に於いてこれらの銀河と重力的な相互作用

している可能性も十分考えられる。

7 我々の銀河から見たic342とその周辺の銀河の分布。銀河名の上の数字は各銀河の視線速度である

(15)

8 ic342とその周辺の銀河の各距離と速度差。距離が確定している銀河は点で表示され、距離が不確か な銀河は十字で表示される。

(16)
(17)

2

Fitting

の概要

観測から得られた回転速度への

fitting

は、質量密度の様にモデル化した複数の成分を

重ね合わせる事で行う。今回はバルジ、ディスク、ハローの三成分を用いて回転曲線への

fitting

を行った。

ic342

についてはこの三成分に加え中心部のコア成分も用いており、四成

分での

fitting

を行った。従って、回転速度は以下の様に記述される。

V

rot

=

V

2

core

+ V

2bulge

+ V

disk2

+ V

2halo

(18)

この他に銀河中心にはブラックホールなどの成分もあるが、ブラックホールの様に質量は

大きいがスケールがとても小さいものは回転曲線上ではケプラー的な運動をしており、回転

曲線の

fitting

という観点から考えれば、極々中心部にのみ影響し、バルジ以遠に対する影

響はほぼ

0

に等しい。

よって、本論では銀河中心部に対する

fit

は基本的にバルジ成分のみで行い(但し

ic342

についてはコア成分も用いる)

、ブラックホールについては無視する。

2.1

Fitting

のモデル

「質量分布と

fitting

について」で記述した様に、銀河の密度分布が球対称である場合、銀

河のある時点での重力ポテンシャルは以下の様に書ける。

Φ(r) = −

GM(r)

r

(19)

今回用いるモデルの原理としては、この重力ポテンシャルより重力を求め、遠心力との釣り

合いの式から求められる回転速度の式を用いる。

V

rot

(r)

=

GM

r

(20)

ただし、これは単一質点場のポテンシャルであり、中心部では速度が無限に発散する。ブ

ラックホールの

fitting

には使えるかも知れないが、ある程度の広さを持った銀河に対応す

るには

r

r

+

α に拡張したモデルが必要になる。

fitting

に用いるモデルは、先に紹介し

た銀河円盤に適応されるフリーマンモデル、ハローに適応される

NFW

モデル、

ISO

モデ

ル、

EIN

モデルなどがあるが、本論では以下の

3

次元の密度ポテンシャル対を持つ宮本‐

永井モデルを用いた。

Φ(r, z) =

4

i=1

Φ

i

=

4

i=1

−GM

i

r

2

+ (a

i

+

z

2

+ b

2 i

)

2

(21)

(18)

V

rot

(r)

=

v

t

4

i=1

r

∂Φ

i

∂r

=

v

u

u

u

u

u

u

t

4 i=1

GM

i

r

2

(r

2

+ (a

i

+

z

2 i

+ b

2 i

)

2

)

3

(22)

ρ

M

(r.z) =

b

2

M

ar

2

+ (a + 3

z

2

+ b

2

)(a

+

z

2

+ b

2

)

2

[r

2

+ (a +

z

2

+ b

2

)

2

]

5/2

(z

2

+ b

2

)

3/2

(23)

この宮本

-

永井モデルは、密度分布を考える際に、スケール長

a, b

及び銀河の厚さ

z

の値

を調整する事により、バルジ、ディスク、ハローを含む銀河に似た様々な形状を再現する事

が出来る。

11 宮本‐永井モデルの r-z断面での等密度線。この場合はb/a = 0.2現代の天文学シリーズ5P270より

ただし、回転曲線の

fitting

の際には、後にスケール長を決定したり拡張する際に便利なの

で、計算式上は宮本‐永井モデルの回転速度の式を用いたが、実際の計算の際にはスケール

b

及び

z

0

として計算しているので、実際は以下のプランマーモデルを使う事になる。

ϕ(r) = −

GM

(r

2

+ a

2

)

1/2

(24)

V

rot

(r)

=

v

t

4

i=1

r

∂Φ

i

∂r

=

v

u

u

u

t

4 i=1

GM

i

r

2

(r

2

+ a

2 i

)

3

(25)

ρ(r) =

3M

4πa

3

(1

+

r

2

a

2

)

−5/2

(26)

これは形としては上の宮本‐永井モデルを簡略化したもので、単一質点場のポテンシャル

で銀河中心の速度が∞に発散しない様に

r

に有効半径

a

を加えたものである。

(19)

2.2

Tilted ring model

について

銀河の回転曲線を

fitting

する際には、これまでは基本的に銀河の視線方向に対する傾き

inclination

)や長軸の位置角(

position angle

)は定数として扱われてきた。しかし、

M51

の様に強い重力相互作用などで銀河が歪んでいる場合には、

inclination

position angle

も当然一定ではなく、半径に伴い変化している。そこで、そういった銀河に

fitting

する為

には歪みを考慮した新しいモデルが必要になるが、それがたわみリングモデル(

Tilted ring

model

)である。

このモデルは、従来の様に銀河円盤を一枚の円盤として

fitting

を行うのではなく、銀河

を同心円状に分解し、その円を独立に動かす事により

inclination

position angle

の変化

に対応する。

(20)

12 NGC5055の速度場からtilted ring modelを用いて銀河を同心円状に分解した。(A.Bosma et al. 1981)

ただし、このモデルの欠点として、アームやテール、ダストレーンなどといった左右非対

称の構造は再現出来ない事が挙げられる。

銀河に

Tilted ring model

を適用するには、

Tilted ring fittng code(http://www.astron.nl/ jozsa/tirific/)

を初めとした幾つかのプログラムが存在し、これらに

data cube

を用いてモデル化する方

法や、簡単なものでは速度場を用いる方法(

e.g. Begeman. 1987

)などがある。

2.3

Fitting

の方法

上で銀河に

Tilted ring model

を適用する方法を簡潔に述べたが、今回は直接銀河をモデ

ル化はせずに、

inclination

position angle

を定数として扱うのではなく半径と共に変化

(21)

させる事で、銀河の観測値に対して計算値を

fit

させる方法を取った。

fitting

は先ず観測値に対して大雑把に合致する様に

Core

Bulge

Disk

Halo

成分の

M

r

の組み合わせを決定し、これら

4

成分から回転速度を決定する。次に観測値に対して

計算から求めた回転速度を差し引いてその値を二乗する。二乗して出た値が最少になる様

M4

成分、

r4

成分、合計

8

つのパラメータを一つずつ調整し、これを何度も繰り返す事

で、機械的に行った最少二乗法よりは不正確であるが、概ね最少二乗法を用いた結果と同じ

ものが得られる。

13 M51の観測された値に対し直接宮本永井モデルで計算した値をfitした

しかし、上図は

M51

を記述した方法で

fit

したものであるが、図から見ても明らかな様

に、このまま

fit

しても観測値は到底再現出来ない。そこで、

M51

の急激な回転速度の低

下が伴銀河

NGC5195

との重力相互作用によるものと仮定し、

M51

が孤立銀河だった場合

(回転曲線が外縁部まで平坦だった場合)を仮定して、回転曲線が急激に下がり始める

8Kpc

以降は無視して

fitting

する。

(22)

14 孤立銀河という仮定値に対し計算値をfitした

この計算値に対して以下の式を用いて、今までは定数とされてきた

inclination

po-sition angle

に対する割合の変化の影響を加える事により、観測された回転曲線を再現

する。

V

rot

(r)

=

v

t

3

i=1

r

∂Φ

i

∂r

=

v

u

u

u

u

u

u

t

3 i=1

GM

i

r

2

(r

2

+ (a

i

+

z

2 i

+ b

2i

)

2

)

3

sin i

sin 24

cos p

cos 162

(27)

また、

ic342

の場合は、

0

19.3Kpc

19.35

36.25Kpc

の観測地のデータの引用元が異

なっている。内部分のデータは

http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/ sofue/RC99/0342.dat

ら引用しており、外部分のデータは

K.Newton et.al. 1980

より引用している。内部分の

データについては

0.05kpc

単位で数値が求められており、外部分のデータについては下図

より

20.35

22.70

24.80

27.10

29.40

31.70

33.90

36.25kpc

の地点でのデータが求

められているのでこれを用い、この間のデータは各点に直線を引き直線上の値を用いる事で

0.05kpc

間隔で補間した。また、

NE

側と

SW

側で回転速度の観測値が

5

10km/s

程ずれ

ている箇所があるが、

fitting

に用いる値は二点の平均とした。

(23)

15 ic342fittingの際に用いた外部分のデータ。NESWで値がずれているところは二点の平均の

(24)

3

結果

3.1

M51

fitting

の結果

M51

の各成分の質量と範囲

範囲

(Kpc)

質量

(M

s

)

Bulge

0.35

1.32

×

10

10

Disk

2.7

8.51

×

10

10

Halo

13.45

2.2

×

10

11

セクション

2

の方法で

fitting

した結果は以下の様になる。

まず、

M51

については、バルジ、ディスク、ハロー各成分の質量と大きさは上の表の様

に決まった。

視線方向に対する銀河の傾き(

inclination

)については、

8kpc

以遠の観測値に対して

合計値が

fit

する様に大雑把に

8kpc

以遠の

inclination

を決めた。そこから

Rahul Shetty

et.al.2007

の長軸の位置角(

position angle

)を各成分に適用し、その回転曲線に対して観測

値−合計の二乗が

0

になる様に

inclination

を求めた。その結果から、

M51

inclination

は最大

10

°も変化している事が分かった。また、観測値に

fit

する様に

inclination

を求め

てみると、当然質量が一番大きい

Halo

が受ける影響も一番大きく、外縁部の歪みが強いの

は伴銀河の

NGC5195

の影響ではないかと思われる。

(25)

17 大雑把に8kpc以遠を決めた暫定的なinclinationの変化

(26)

19 position angleの変化。Rahul Shetty et.al.2007

(27)
(28)

3.2

ic342

fitting

の結果

ic342

の各成分の質量と範囲

範囲

(Kpc)

質量

(M

s

)

Core

0.08

8.0

×

10

8

Bulge

073

8.4

×

10

9

Disk

3.4

4.92

×

10

10

Halo

15

2.09

×

10

11

ic342

M51

とは異なり回転曲線は外縁部まで平坦であるが中心部はやや特徴的な形を

しており、

Bulge

Disk

Halo

の三成分では上手く

fitting

出来なかったので

Core

成分を

加え四成分で

fitting

を行った。

ic342

については観測の段階で長軸の変化に沿って値を求めており、

inclination

のみ

25

°という定数の仮定で回転速度が求められているので、

inclination

の変化さえ求めれば合

計は観測値と

fit

する。

fitting

の際には、まず最初に行う

inclination

を考慮していない段

階でも観測値−合計の二乗がかなり小さくなり、よい精度で

fit

した。

inclination

を適用するに当たっては、まず

K.Newton

の論文より引用した

0

25kpc

回転曲線に適用した。次に、

position angle

は考えなくてよいので、

inclination

を適用した

25kpc

までの範囲の末端部分では観測値と合計の速度が一致するはずである。そこで、観

測値−合計の二乗の差が

1

未満になる様に調整し、且つ

inclination

を適用した

0

25kpc

までの距離での観測値−合計の二乗の値が小さくなる様に

fitting

を行った。最後に、観測

値と合計の値が一致する様に

inclination

を求めた。

(29)

22 inclinationを適用していない状態のic342の回転曲線のfittingposition angleについては、デー タ(K.Newton et.al.1980)が既に長軸に沿って計測されたものであるのでci342については考慮しない。

(30)

24 K.Newtoninclination

25 出来うる限り観測値‐合計の二乗の値が小さくなる様に、且つ K.Newtoninclinationを適応し

(31)

26 前図より、K.NEwtoninclinationを適応した範囲以遠を、観測値と合計がfitする様にinclinationを求める

(32)

4

議論

4.1

fitting

の誤差について

M51

ic342

の回転速度

fitting

の誤差の評価のために、以下の操作を行った。

先述の通り、

fitting

する際は観測値から計算により求められた回転速度を差し引き、その

二乗の合計が小さくなる様に各成分の質量、範囲を決めた。この観測値

-

計算値の二乗の値

を計算値で除算してやり、それらを足し合わせて χ

2

値を求める。本論文では誤差を有意水

5

%以内とし、χ

2

分布表より得た

p

= 0.95

の範囲内に収まる様に速度と視線方向に対す

る銀河の傾き(

inclination

)を変化させて誤差の測定を行った。

その結果、

M51

の速度の誤差は ±

10.5Km/s

程度、

inclination

は ±

1.3

° 程度の誤差

が許される事が分かった。また、

ic342

の速度の誤差は ±

1.1Km/s

程度、

inclination

±

2.2

° 程度であった。

M51

ic342

に許される速度の誤差は一桁の違いがあるが、これは

M51

inclinaiton

の操作により観測値に対して計算で求められた値を完全に

fit

させた事に対し、

ic342

inclinaiton

の操作で完全に

fit

させたのは

36Kpc

27.35Kpc

以遠であり、それより内側

inclination

K.Newton

の値に従っているからである。それにより観測値と計算で求

められた値が前半では完全に

fit

していない為に、許される誤差が

M51

よりもかなり少な

くなった。

inclination

については

M51

の方が許される誤差が少ないが、これは

M51

inclination

の変化が

ic342

より激しいからで、その為に

M51

inclination

は僅かな変化

でも速度の増減の割合が大きく、許される誤差が少ないのである。

4.2

観測された回転曲線のずれについて

銀河の回転曲線を観測する際には、視線方向で見て我々に近づくプラス側の速度と我々

から遠ざかるマイナス側の速度の両方が観測されるので、通常、回転曲線と言えば既にプラ

ス側とマイナス側の速度が平均してある事が多い。しかし、下図は

M31

の回転曲線である

が、これを見るとそれぞれプラス側とマイナス側が青と赤でプロットしてあり、平均された

回転速度が黒い点としてプロットしてある。ここで更に

M31

の中心部を見てみると、青い

点と赤い点が非常に大きくずれている事が分かる。外縁部が対称的あるのに中心部がこの

様に大きい非対称性を持つ原因としては、銀河外から降ってきたガスなどが銀河中心を直

撃した場合や銀河同士が中心部で合体している事が考えられる。この

M31

の中心付近の様

に、あまりにもプラス側とマイナス側の差が大きい場合、言い換えれば左右で銀河の歪みの

ずれが大き過ぎる場合は平均化された回転曲線の

fittting

にはあまり意味がない。

(33)

28 M31の回転曲線。赤い点と青い点はそれぞれマイナス側とプラス側の視線速度から求められた回転

曲線であり、黒い点が平均化された回転曲線。Chemin et al .2009

そこで、

M51

の回転速度の差についても考えてみる。下図は観測された

M51

のプラス

側、マイナス側の速度と、それを平均化した回転曲線の図である。

(34)

29 Sofue et al .1996

(35)

この図より、

NGC5195

との重力相互作用によるものと予測される

8Kpc

以遠の回転速度

が低下よりも、寧ろ平坦な

5

8Kpc

付近の方が速度の差は大きい事が分かる。これは、後

述の相互作用のシミュレーションで、

NGC5195

M51

を通過した場所に等しい。そして、

この結果から、多少の歪みのずれは存在するが回転曲線の

fitting

が意味を成さない程大き

くはないと言える。

また、大きいところでは±

30

40Km/s

程の速度の差が存在し、

inclination

では約

2

4

°程度の差になる。よって、ここで導き出した

inclination

についてはプラス側とマイナス

側の速度差が存在する場所では最大で

4

°変化する可能性も考えられる。

ic342

については先に図

15

で示した通り、速度差はプラス側とマイナス側で殆ど見ら

れない。よって、

ic342

については回転曲線が対ほぼ対称的であるので、非対称性による

inclination

の変化については言及しない。

4.3

M51

ic342

fitting

から得られた

warping

の図

セクション

3

から得られた

M51

ic342

inclination

に基づいて、

StoneyDesigner

http://www.stoneydesigner.com/

)により銀河の

warping

を三次元的にそれぞれ図式化

した。

(36)

32 M51と同様に図式化したic342

この

M51

の図と後述のシミュレーションの図から、ちょうど

8

10

pc

のディスクの

warping

が見られるところを

NGC5195

が通過しており、

wraping

NGC5195

により発

生した事が分かる。

ic342

については全体で

4

°程しか

inclination

の変化がないので、ディスクをほぼ水平

に近づけてようやく

2

か所たわんでいる事が何とか分かる程度であり、現在観測出来ている

範囲内ではほぼ平坦であると言って差し支えない。

(37)

4.4

M51

の重力相互作用のシミュレーションについて

33 Simulations of the grand design galaxy M51: a case study for analysing tidally induced spiral

structureより。このシミュレーションでは伴銀河のNGC5195は大きさを持たない質点として計算され

ている。また、それぞれの図は時間経過を表しており、左上60Myr、中上120Myr、右上180Myrで下段

(38)

34 Simulations of the grand design galaxy M51: a case study for analysing tidally induced spiral

structureより。シミュレーションで形成した銀河と実際の銀河の比較。全体的な特徴や構造は概ね同じで ある。

30

31

C.L.Dobbs

らが行ったシミュレーションを見る限り、

Halo

Disk

の一

部は

NGC5195

に質量をはぎ取られ、また

NGC5195

の通過により

M51

が銀河の歪み

warping

)を発生させた可能性が高い。しかし、このシミュレーションは計算の制約上、

(39)

積もられている可能性がある。

ここで、図

31

のシミュレーションの結果と観測を比較すると、図上の

M51

の主な特徴

である外部腕

A

、分岐

B

、内部腕

C

、テイル

D

、の各点に大きな違いはなく、計算と実際

の差は構造に差が出る程大きくはないと言える。よって、このシミュレーションにおける

8kpc

付近での

M51

NGC5195

との接触も事実として扱う。

4.5

本論の問題点、改善点について

・先に

M51

の非対称性による

inclination

の変化について記述したが、

M51

で引用した

長軸の位置角(

position angle

)は

7kpc

までであり、これを末端の

14kpc

まであるものを

適用すれば、

inclination

の値も更に変化する事が考えられる。

・今回の研究でモデルの参考にした、たわみリングモデル(

tilted ring model

)では

data cube

や速度場を用いて銀河を概ね

1

2kpc

の同心円に分ける。よって

inclination

position angle

1

2kpc

間隔で求められるが、本論では

0.05kpc

間隔で計算した。実際

tiled ring model

を用いると、

data cube

や速度場を用いる為に本論より比較的正確な

inclination

position angle

を示す事が出来る。

その反面、本論で示した

inclination

よりももっと単純な形になるために、観測値−合計

の二乗の値が大きくなり、結果として

fitting

の精度が悪くなる可能性もある。

(40)

5

References

現代の天文学四巻「銀河

I

」、祖父江義明、日本評論社

現代の天文学五巻「銀河

II

」、祖父江義明、日本評論社

A.Bosma,1981AJ,86,1791B

C. L. Dobbs,2011,arXiv:0912.1201v1

I.D.Karachentsev,A&A,408,111-118(2003)

K.Newton, 1980MNRAS.191.169N

Rahul,2007,APJ665:1138-1158

Y.Sofue,1995,PASJ 49 , 17-46

Y.Sofue,1996APJ,458,120S

Y.Sofue,1997,49,17S

Y.Sofue,V.Rubin,2001,ARAA 39 , 137-174

(41)

6

謝辞

本論文は、筆者が明星大学大学院理工学研究科物理専攻修士課程に在籍している間の研究

成果をまとめたものである。この研究をするにあたり、同専攻祖父江先生には指導教官とし

て終始貴重なご指導を頂きました。同専攻日比野先生、同研究室大学院生、学部生の方々に

は多大なるご助力を頂きました。

また、東日本大震災で被災し、私が被災地で活動していた時期から今日まで、学長や学部

長、理工学室事務員の方々、学部主任の先生方を初めとして、私が把握し切れていない程の

規模で本当に沢山の人からとても厚いご支援を頂きました。私がこの研究を続ける事が出

来たのは、研究の面と生活の面の両方で沢山の方々の助けがあったからに他なりません。

本当に有り難う御座います。

(42)

7

データ

M51を孤立銀河と仮定した場合の各成分の速度

距離(Kpc) 速度V:観測値(Km/s)V:仮定値 VBulge VDisk VHalo VRotation (観測−Vrot)2

0 0 0 0 0 0 0 0 0.05 61.69 61.69 56.45 6.45 0.99 56.83 23.61 0.1 108.7 108.7 108.08 12.88 1.98 108.86 0.03 0.15 150.77 150.77 151.51 19.29 2.96 152.76 3.97 0.2 185.03 185.03 185.47 25.67 3.95 187.28 5.08 0.25 209.14 209.14 210.35 32.01 4.93 212.83 13.63 0.3 225.72 225.72 227.5 38.31 5.92 230.78 25.61 0.35 234.81 234.81 238.55 44.54 6.9 242.77 63.38 0.4 240.84 240.84 245.01 50.71 7.89 250.32 89.89 0.45 245.27 245.27 248.13 56.81 8.87 254.7 89.09 0.5 247.59 247.59 248.89 62.82 9.85 256.88 86.42 0.55 249.18 249.18 248 68.75 10.84 257.58 70.56 0.6 250.48 250.48 245.98 74.57 11.82 257.31 46.72 0.65 251.03 251.03 243.22 80.29 12.8 256.45 29.36 0.7 251.11 251.11 239.97 85.91 13.78 255.25 17.19 0.75 251.11 251.11 236.41 91.41 14.76 253.9 7.8 0.8 251.06 251.06 232.7 96.78 15.74 252.51 2.11 0.85 250.75 250.75 228.91 102.04 16.72 251.17 0.19 0.9 250.1 250.1 225.11 107.16 17.69 249.94 0.03 0.95 249.56 249.56 221.34 112.16 18.67 248.83 0.53 1 249.4 249.4 217.64 117.02 19.64 247.88 2.33 1.05 249.4 249.4 214.03 121.74 20.61 247.09 5.38 1.1 249.4 249.4 210.51 126.32 21.59 246.45 8.74 1.15 249.4 249.4 207.1 130.77 22.56 245.96 11.84 1.2 249.4 249.4 203.8 135.08 23.53 245.62 14.3 1.25 249.4 249.4 200.61 139.24 24.49 245.42 15.91 1.3 249.43 249.43 197.52 143.27 25.46 245.33 16.81 1.35 249.62 249.62 194.55 147.15 26.42 245.36 18.16 1.4 249.98 249.98 191.68 150.9 27.39 245.48 20.25 1.45 250.18 250.18 188.91 154.5 28.35 245.68 20.18 1.5 250.39 250.39 186.24 157.97 29.31 245.96 19.56 1.55 250.62 250.62 183.66 161.31 30.27 246.31 18.62 1.6 250.89 250.89 181.18 164.51 31.22 246.7 17.57 1.65 251.21 251.21 178.77 167.58 32.18 247.14 16.53 1.7 251.56 251.56 176.46 170.53 33.13 247.61 15.58 1.75 251.95 251.95 174.22 173.34 34.08 248.11 14.7 1.8 252.35 252.35 172.05 176.04 35.03 248.63 13.84 1.85 252.76 252.76 169.96 178.61 35.97 249.16 12.99 1.9 253.18 253.18 167.93 181.07 36.92 249.7 12.16 1.95 253.62 253.62 165.97 183.41 37.86 250.23 11.43 2 254.08 254.08 164.08 185.64 38.8 250.77 10.97

(43)

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4.55 244.96 244.96 110.78 213.74 82.72 254.55 92.04 4.6 245.63 245.63 110.19 213.48 83.49 254.33 75.55 4.65 246.32 246.32 109.6 213.2 84.25 254.1 60.4 4.7 247.01 247.01 109.03 212.92 85.01 253.86 47.02 4.75 247.66 247.66 108.46 212.62 85.76 253.63 35.61 4.8 248.28 248.28 107.91 212.32 86.51 253.39 26.16 4.85 248.85 248.85 107.36 212.01 87.26 253.15 18.51 4.9 249.39 249.39 106.82 211.69 88 252.91 12.42 4.95 249.9 249.9 106.28 211.36 88.74 252.67 7.66 5 250.41 250.41 105.76 211.02 89.47 252.42 4.06 5.05 250.93 250.93 105.24 210.68 90.2 252.18 1.56 5.1 251.47 251.47 104.73 210.32 90.93 251.94 0.22 5.15 252.02 252.02 104.23 209.97 91.65 251.69 0.11 5.2 252.54 252.54 103.73 209.6 92.37 251.45 1.21 5.25 253.04 253.04 103.24 209.24 93.08 251.2 3.37 5.3 253.48 253.48 102.76 208.86 93.79 250.96 6.4 5.35 253.89 253.89 102.29 208.48 94.49 250.71 10.14 5.4 254.28 254.28 101.82 208.1 95.19 250.47 14.56 5.45 254.65 254.65 101.36 207.71 95.89 250.22 19.65 5.5 255.01 255.01 100.9 207.32 96.58 249.98 25.33 5.55 255.34 255.34 100.45 206.93 97.27 249.74 31.39 5.6 255.61 255.61 100.01 206.53 97.95 249.49 37.46 5.65 255.82 255.82 99.57 206.13 98.63 249.25 43.17 5.7 255.96 255.96 99.14 205.72 99.3 249.02 48.26 5.75 256.04 256.04 98.71 205.31 99.97 248.78 52.69 5.8 256.06 256.06 98.29 204.9 100.64 248.54 56.51 5.85 256.04 256.04 97.87 204.49 101.3 248.3 59.77 5.9 255.97 255.97 97.46 204.08 101.96 248.07 62.42 5.95 255.86 255.86 97.05 203.66 102.61 247.84 64.34 6 255.7 255.7 96.65 203.24 103.26 247.61 65.43 6.05 255.48 255.48 96.26 202.82 103.9 247.38 65.6 6.1 255.2 255.2 95.86 202.4 104.54 247.15 64.85 6.15 254.87 254.87 95.48 201.98 105.18 246.93 63.17 6.2 254.49 254.49 95.1 201.56 105.81 246.7 60.68 6.25 254.06 254.06 94.72 201.13 106.43 246.48 57.54 6.3 253.61 253.61 94.35 200.71 107.06 246.26 54.02 6.35 253.14 253.14 93.98 200.28 107.68 246.04 50.43 6.4 252.69 252.69 93.61 199.85 108.29 245.82 47.13 6.45 252.27 252.27 93.25 199.43 108.9 245.61 44.44 6.5 251.92 251.92 92.9 199 109.5 245.4 42.61 6.55 251.65 251.65 92.54 198.57 110.1 245.19 41.78 6.6 251.45 251.45 92.2 198.14 110.7 244.98 41.94 6.65 251.33 251.33 91.85 197.72 111.29 244.77 43.07 6.7 251.28 251.28 91.51 197.29 111.88 244.57 45.14 6.75 251.3 251.3 91.17 196.86 112.47 244.36 48.13 6.8 251.37 251.37 90.84 196.43 113.04 244.16 51.98 6.85 251.48 251.48 90.51 196.01 113.62 243.96 56.53 6.9 251.61 251.61 90.18 195.58 114.19 243.77 61.54

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7 251.89 251.89 89.54 194.73 115.32 243.38 72.48 7.05 252.06 252.06 89.23 194.3 115.88 243.19 78.68 7.1 252.26 252.26 88.92 193.88 116.43 243 85.79 7.15 252.51 252.51 88.61 193.46 116.98 242.82 93.94 7.2 252.78 252.78 88.3 193.03 117.53 242.63 102.92 7.25 253.03 253.03 88 192.61 118.07 242.45 112.08 7.3 253.25 253.25 87.7 192.19 118.61 242.27 120.6 7.35 253.39 253.39 87.4 191.77 119.14 242.09 127.78 7.4 253.45 253.45 87.11 191.35 119.67 241.91 133.14 7.45 253.42 253.42 86.82 190.93 120.19 241.74 136.47 7.5 253.3 253.3 86.53 190.52 120.71 241.56 137.66 7.55 253.08 253.08 86.24 190.1 121.23 241.39 136.62 7.6 252.77 252.77 85.96 189.68 121.74 241.22 133.34 7.65 252.36 252.36 85.68 189.27 122.25 241.06 127.88 7.7 251.86 251.86 85.4 188.86 122.75 240.89 120.36 7.75 251.26 251.26 85.13 188.45 123.25 240.73 111.01 7.8 250.57 250.57 84.86 188.04 123.75 240.56 100.14 7.85 249.79 249.79 84.59 187.63 124.24 240.4 88.1 7.9 248.92 248.92 84.32 187.22 124.73 240.25 75.23 7.95 247.96 247.96 84.06 186.82 125.21 240.09 61.92 8 246.91 246.91 83.8 186.41 125.69 239.93 48.61 8.05 245.77 245.77 83.54 186.01 126.17 239.78 35.88 8.1 244.57 244.57 83.28 185.61 126.64 239.63 24.41 8.15 243.32 243.32 83.03 185.21 127.11 239.48 14.8 8.2 242.06 242.06 82.77 184.81 127.57 239.33 7.49 8.25 240.81 240.81 82.52 184.41 128.03 239.18 2.66 8.3 239.59 239.59 82.28 184.01 128.49 239.04 0.31 8.35 238.4 238.4 82.03 183.62 128.94 238.89 0.25 8.4 237.24 237.24 81.79 183.23 129.39 238.75 2.28 8.45 236.09 236.09 81.55 182.84 129.83 238.61 6.33 8.5 234.93 234.93 81.31 182.45 130.27 238.47 12.51 8.55 233.74 233.74 81.07 182.06 130.71 238.33 21.05 8.6 232.51 232.51 80.84 181.67 131.14 238.19 32.23 8.65 231.26 231.26 80.6 181.29 131.57 238.05 46.22 8.7 229.98 231.26 80.37 180.9 131.99 237.92 44.4 8.75 228.69 231.26 80.14 180.52 132.41 237.79 42.64 8.8 227.4 231.26 79.92 180.14 132.83 237.65 40.93 8.85 226.11 231.26 79.69 179.76 133.24 237.52 39.28 8.9 224.84 231.26 79.47 179.38 133.65 237.39 37.67 8.95 223.59 231.26 79.25 179.01 134.06 237.26 36.1 9 222.36 231.26 79.03 178.63 134.46 237.14 34.59 9.05 221.16 231.26 78.81 178.26 134.86 237.01 33.12 9.1 219.99 231.26 78.6 177.89 135.26 236.89 31.69 9.15 218.83 231.26 78.38 177.52 135.65 236.76 30.31 9.2 217.66 231.26 78.17 177.15 136.03 236.64 28.97 9.25 216.48 231.26 77.96 176.79 136.42 236.52 27.67 9.3 215.28 231.26 77.75 176.42 136.8 236.39 26.4 9.35 214.07 231.26 77.54 176.06 137.18 236.27 25.18

(46)

9.45 211.77 231.26 77.13 175.34 137.92 236.04 22.85 9.5 210.7 231.26 76.93 174.98 138.29 235.92 21.74 9.55 209.66 231.26 76.73 174.62 138.65 235.8 20.67 9.6 208.63 231.26 76.53 174.27 139.01 235.69 19.63 9.65 207.56 231.26 76.33 173.92 139.36 235.57 18.63 9.7 206.44 231.26 76.14 173.57 139.72 235.46 17.65 9.75 205.26 231.26 75.94 173.22 140.06 235.34 16.71 9.8 204.07 231.26 75.75 172.87 140.41 235.23 15.8 9.85 202.89 231.26 75.56 172.52 140.75 235.12 14.93 9.9 201.74 231.26 75.37 172.17 141.09 235.01 14.08 9.95 200.66 231.26 75.18 171.83 141.43 234.9 13.26 10 199.63 231.26 74.99 171.49 141.76 234.79 12.48 10.05 198.64 231.26 74.8 171.15 142.09 234.68 11.72 10.1 197.68 231.26 74.62 170.81 142.41 234.57 10.98 10.15 196.72 231.26 74.44 170.47 142.73 234.46 10.28 10.2 195.74 231.26 74.25 170.14 143.05 234.35 9.6 10.25 194.72 231.26 74.07 169.8 143.37 234.25 8.95 10.3 193.66 231.26 73.89 169.47 143.68 234.14 8.33 10.35 192.55 231.26 73.72 169.14 143.99 234.04 7.73 10.4 191.38 231.26 73.54 168.81 144.3 233.93 7.16 10.45 190.13 231.26 73.36 168.48 144.6 233.83 6.61 10.5 188.76 231.26 73.19 168.15 144.9 233.72 6.08 10.55 187.25 231.26 73.02 167.83 145.19 233.62 5.58 10.6 185.64 231.26 72.84 167.5 145.49 233.51 5.1 10.65 183.96 231.26 72.67 167.18 145.78 233.41 4.65 10.7 182.28 231.26 72.5 166.86 146.06 233.31 4.22 10.75 180.62 231.26 72.34 166.54 146.35 233.21 3.81 10.8 178.99 231.26 72.17 166.23 146.63 233.11 3.42 10.85 177.35 231.26 72 165.91 146.91 233 3.06 10.9 175.7 231.26 71.84 165.59 147.18 232.9 2.71 10.95 174.04 231.26 71.67 165.28 147.46 232.8 2.39 11 172.37 231.26 71.51 164.97 147.73 232.7 2.09 11.05 170.69 231.26 71.35 164.66 147.99 232.6 1.81 11.1 169.03 231.26 71.19 164.35 148.25 232.5 1.55 11.15 167.41 231.26 71.03 164.04 148.52 232.4 1.32 11.2 165.85 231.26 70.87 163.74 148.77 232.3 1.1 11.25 164.39 231.26 70.71 163.43 149.03 232.2 0.9 11.3 163.02 231.26 70.56 163.13 149.28 232.1 0.72 11.35 161.73 231.26 70.4 162.83 149.53 232.01 0.57 11.4 160.48 231.26 70.25 162.53 149.78 231.91 0.43 11.45 159.25 231.26 70.1 162.23 150.02 231.81 0.31 11.5 157.99 231.26 69.94 161.93 150.26 231.71 0.21 11.55 156.74 231.26 69.79 161.63 150.5 231.61 0.13 11.6 155.49 231.26 69.64 161.34 150.73 231.52 0.07 11.65 154.27 231.26 69.49 161.05 150.97 231.42 0.03 11.7 153.09 231.26 69.35 160.75 151.2 231.32 0.01 11.75 151.94 231.26 69.2 160.46 151.42 231.22 0.01 11.8 150.82 231.26 69.05 160.17 151.65 231.13 0.02

図 1 WSRT ( WesteA.Bosm et al.rbork Synthesis Radio Telescope )で得られた NGC2841 の HI ガス の分布。可視光で見える銀河の範囲よりかなり広範囲に分布している事が分かる。 (A.Bosma et.al
図 3 NGC の 5962 表面輝度。ディスク部分では観測値はほぼ指数法則で表す事が出来る。(現代の天文 学 4 巻 23P より) 回転曲線が外縁部まで平坦である事に対して、表面輝度は銀河中心から遠ざかるにつれて 減り続けている。回転曲線からは外縁部まで何らかの質量を持つ物体に満ちている事が示 唆されているのに対して、この表面輝度は外縁部に行くに従い質量を持つ物質の密度が減る という( 2 )式でプロファイルされるのである。仮に銀河中の物質の質量光度比が一定で質 量分布もこの表面輝度に従うなら、回転曲線
図 5 左が M51 の伴銀河 NGC5195 ( M51b ) http://apod.nasa.gov/apod/ap091226.html より
図 6 http://apod.nasa.gov/apod/ap080109.html より ic342 。 inclination がほぼ M51 と等しくフェイス オン銀河であり、我々の銀河から 3.9Mpc と M51 の半分ほどの距離である IC342 は我々から 3.9Mpc 程離れている Sc 型の銀河である。近傍に 10 以上もの銀河が 存在する。これらの近傍銀河の位置と視線速度の差は以下の図の様になっている。図 7 は 我々の銀河から見た ic342 とその周辺銀河の位置関係を示しており、図
+7

参照

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×10 8 ~2.4×10 8 Bq、当該ノッチタンク(南側)が約 4.6×10 7 ~9.7×10 7 Bq であ り、漏えいした水の放射能量(Sr-90)は約 1.7×10 8 ~3.3×10 8

6/18 7/23 10/15 11/19 1/21 2/18 3/24.

線量計計測範囲:1×10 -1 〜1×10 4 Gy/h

8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月..

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月.

保安規定第66条条文記載の説明備考 表66-12電源設備 66-12-1常設代替交流電源設備①

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月10月 11月 12月1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月10月 11月 12月1月 2月 3月.

2月 1月 12月 11月 10月 9月. 8月