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軟鋼の焼戻脆性に就て(焼戻炭素鋼の性質に就て(第 2 報)) 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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焼戻炎素鋼の性質に就て(第2報)軟鋼の焼戻脆性に就て

焼戻炭素鋼の性質に就て(第2報)

軟鋼の焼戻脆性に就て

   1.緒   言

 從來焼入せる宏素鋼を焼戻しせる場合焼戻温度の上 昇と共に、粘性を増加し脆さを減少して衝撃に対する 抵抗が増加すると考へられて來た。然し一部には例へ ばG・V・Luerssen及びO・V・Green等(1)の様に或る 温度範囲に於て脆さが一時増加することを認めてゐる 人々も居る。即ち彼等は振り衝撃試験機を試作して第 1表No・1に示す成分の1.08%宏素鋼につき3種類の 焼入温度で焼入れした試料の振り衝撃値の変化を測定 して、焼戻温度400°C以下の温度で衝撃値の著しく高 まる温度範囲と低くなる範囲のあることを認あた。然 し大体に於て前述の様に炭素鋼の場合焼戻温度の上昇 に略比例して、衝撃値が増加すると云うのが一般的な 観念である。筆者も焼入れした炭素鋼の焼戻しに俘ふ 性質の変化を調べてゐた際、偶然軟鋼の場合にっきこ の種の脆性の現われるのに遭つたので今こNにその概 略にっいて述べて見る。

   2.実 験 結 果

 用ひた試料は030%及び0.21%炭素鋼でその成分は 第1表No.2及びNo.3に示す様なものである。之等 の材料にっきJES第239号に示すシヤルピー試験片を         第  1  表

種類lclS・IM・iplsl⇒G

No.1 LO8 0.27 0.26 0,014 0,014 No.2 0.30 0.27 0;71 0,030 0,020 0.32 No.3 0.21 0.05 0.37 0,033 0,014 0.14 No.4 1.29 OJ 8 0.41 痕跡 0,020 0.42 作il N容量30kg」mのシヤルピ・…衝撃試験を用ひて各 種焼戻温度T°Cと衝撃値Ekg−mを求めたのである。 O.30%炭素鋼の場合のE−T曲線±第1図に示す様にな り、0.21%宏素鋼のそれは第2図に示す様になる。各 標点の○印は一回の測定値を示す(以下同様)。  之等の図より見る如く焼戻温度が150∼200°Cに上

財満鎮雄

昇した際衝撃値Eは一度極大値をとるが、更にTが上 昇するとEは急激に減少して約400°C附近まで衝撃に         第  1  図 30 董♪

030繊素鋼

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ZOO 400 50e 対する抵抗は低い。その温度を過ぎると再びEは増加 上昇して行くが、図中点線で示した曲線が從來多く読 明されて來たE−T曲線の一般的傾向である。

   3.結漂の検討

 結果を穣討するに先立つて該材料の他の2、3の性 質を示せば、O.30%:ec素鋼の硬度H及び所詣磁気的硬 度と称される保磁力HcのTとの関係(2)を示せば第3図 の如くなり、前報(3)に從ってその比重γとTとの関係 は第4図に示される。0.21%炭素鋼の場合∬−丁曲線 は第2図に示し、γ一T曲線は第5図に示す通りと なる。之等の●印は夫々3∼4個の試料につき各1個 にて4∼5個所の測定値の干均である。 Si geo Zaima. On the Property of Tempered Carbon steels(Report 2) 011the Temper Brittleness of Low Carbon Steels

一107一

(2)

昭和28年7月一’ 山梨’大 学工ぺ学部研究報告 第  4 号 16 1z 8 4 o 第  2 図 0 ZOD 400  ’  600 第  3  図 32 03δ凝素鋼 1 85汐℃より7κ燈入 1 主餐《ぶ 24 4ρρo φρρ H・ ’6 6∂ρ 柚c 1ト 兇 、、、 8 2θo ’  鋤o 、、 A、 ρ 媛庚汲度㌘℃ o 200 4eo : § § ク0 So 30     lo

Soo 疋卵

第  4  図 0 Zoe 400 第  5  図 600    O    ZOO    dOO    600  第4図第5図よりも分る如く焼入れされた炭素鋼は マルテソサイトが焼戻を受けてFe3Cを析出し始ある ので、硬度も幾分上昇するしγも上昇をする。それも 大体に於いて180°C附近で終るのはγ曲線の降下し始 めることよりも分り、この点をすぎると残留オースト テナイトカ鵜戻を受けて來るので17は梢下際するが、 粘性は塘加してEは次第に増加しeg 1図第2図の様に 一時極大値をとる様になる。更に220°C附近を越すと 瓦3Cが移動を始め組織b:me乱を生ずるトルー…ズタイ ト組織に移り、H曲線はその附近で変曲点をとる。 一方曲線Hcを見ても220°C附近で急激な減少を始め

一108一

(3)

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焼戻炭素鋼の性質に就て(第2報)軟鋼の焼戻脆性に就て

ることが分り、γ曲線も叉内部の混乱を示すかの様に 急変する範囲となる(400°C附近をすぎる頃までその状 態は続ぎその間H,Hc,7曲線等は何れも同一傾向の変 化を持続するが、その時期がEの値の低下する領域と一 致してゐることが図より見られる。更に温度が上昇す ると散在してゐたFe3Cはフエライトの粒界に大きく 凝集し始めるソルバイトの領域に入る。そこで再びH 曲線は変曲点を示しHc曲線は一時その降下を止めて 上昇しγ曲線は変化を緩かにする。さすれば温度の上 昇と共にフエライトの比較的粘性に富んだ性質が代表 される様になるので、Eは再び上昇を始めるが、面白 いことに図の如く、初めのE曲線が低下せずそのまX の割合で増加してゐたと考へられる線の(図の点線) 延長上に乗って増加することである。  葡高炭素鋼について前記Luerssen and Greenの 実駿した様な特殊な振り衝撃試験ではなく、上記30kg −mの容量のシヤルピー試験機で実駿をして見たが、 例へば第1表No.4の成分のものについての測定値を 第6図に示すが、強いて云へば上記の様な脆性の範囲 がある様にも思われないこともない程度であつて、何 分Eの値も全体的に低く誤差も大きく影響を及ぼす様 に考へられ確と断言出來ない。 第  6  図 κ 蚤e由惚

/zg忽茂差

星さ櫻 ”0 渉避 960’ご」り ノk燈入 蟹弍 “ o 心 へ へ η皇‘ o σ虜 o ε o  o o  o o θ 0 zoo 4too 600 fo 4ζ ㊧ ノ虜 叉第1表を見てこの様な脆性に及ぼす各種元素の影 響も、特に他に比べて顯著なfactorとなるべきもの も見出し得ないが、或は特別の元素の効果であるかど うかは今后の研究に侠っ外はない。

   4.結   語

 以上之を要約すれば  第1表No・2及びNo・3の如き軟鋼に於ては焼入后 焼戻しに際して、その温度上昇にっれて衝撃値が増加 するが、250∼400°Cの範囲で一時その値が著しく低 下し、その温度範囲をすぎれば恰も初めの増加あ割合 で増加して居たと仮想される線上に浩つて、再びその 増加の割合で上昇するものであることが分った。更に 炭素量の増加せる鋼にっいては今后シヤルピー試験機 の30kg−mと云つた大型のものでなく、特殊な方法で 更に研究を実施せなければ断言出來ない。  終りに当り本冴究を実施するに当り絶えず御指導御 鞭錘下されました本学工学部長西川孝…欠郎先生並びに 東京工業大学森永卓一先生に厚く感謝の意を表する弐 第である。    (3月23日受理) 1)G.V. Luerssen and O. V. Green:Trans.  Am. Soc. Metal,1935∼12, VoL 23, No.4, P.

 861∼885

2)未発表(昭和28.5機械学会にて講演発表予定) 3)山梨大学工学部研究報告第4号

一・

P09 一

参照

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