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3. Notchシグナル経路は肺胞上皮細胞の上皮―間葉転換(epithelial to mesenchymal cell transition)と肺線維化を促進する(第14回群馬遺伝子診療研究会)

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Academic year: 2021

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第14回群馬遺伝子診療研究会

日 時:平成 19 年 8月 1日 (水) 18:00∼ 会 場:群馬大学医学部 刀城会館 前橋市昭和町 3-39-22

一般演題>

1.群馬大学医学部附属病院で経験された小児腎疾患領 域における遺伝子異常 小林 靖子,池内 由果,懸川 子 渡部登志雄,森川 昭廣 (群馬大院・医・小児生体防御学) 群馬大学医学部附属病院小児科において, 遺伝子異常 を確定しえた小児腎疾患の症例を報告する. 【症例1】 11歳男児, 核型 46XY. 外陰部は正常男性型. 3歳時にス テロイド抵抗性ネフローゼ症候群で発症. 尿道下裂を合 併. 腎生検病理組織は巣状糸球体 化症. WT 1遺伝子イ ントロン 9 splice-donor site に変異 (IVS9+5G>A) を 認め,Frasier症候群と診断. 【症例2】 11歳女児,過成 長と顔貌から Sotos症候群の診断. 4歳 6ヶ月時にはじめ て上部尿路感染症に罹患. 合併尿路奇形は右完全重複腎 盂尿管, 右巨大水腎症, 膀胱尿管逆流症 (右Ⅳ度, 左Ⅰ度) であった. 遺伝子検索の結果 5q35の微細欠失を確認. 【症例3】 11歳男児 常染色体優性遺伝で若年発症する

2型糖尿病 Maturity-onset diabetes of the young の第 5 型 (MODY 5) の家系で, 母を発端者として患児にも HNF-1β遺伝子に frameshift mutation, A263fsinsGG を 認めた. 成長発達は正常で耐糖能異常はないが, 軽度の 腎機能低下を認め, 左腎 central echo complex内にのう 胞性病変を認める. 【症例4】 19 歳女性 (現在は腎臓 内科で加療)4歳時の検尿で異常を指摘され,腎生検の結 果リポ蛋白糸球体症と診断. アポリポ蛋白 E (アポ E) の アイソフォームを確認したところ, 新たな変異体認め, 遺伝子検索にて exon 4の 480∼488番目の 9 塩基の欠失 を認めた. これにより 142∼144番目のアミノ酸が欠失 したアポ E 変異体が合成されるものと えられた. 母, 弟に同様の遺伝子異常を確認し, 後に母もリポ蛋白糸球 体症を発症した. 以上, 孤発例 2例, 家族内発症例 2例の 遺伝子異常を合併する腎疾患症例を経験した. 2.Stanniocalcin2遺伝子発現の大腸癌における臨床的 意義について 家田 敬輔,加藤 広行,志村 龍男 浅尾 高行,桑野 博行 (群馬大院・医・病態 合外科) 森 正樹 (九州大院・生体防御医学研究所腫瘍外科) 【目 的】 Laser micro dissection (LMD),Microarrayを 用して大腸癌に関与する遺伝子を検索した結果, 大腸 癌細胞で発現が亢進する遺伝子の一つとして stanniocal-cin 2 (STC 2) を同定した. 今回, 大腸癌における STC2 発現の臨床病理学的意義を 明 ら か に し た. 【方 法】 STC 2遺伝子に関して, 大腸癌 139 症例の癌部及び非癌 部における発現を real-time PCR 法で解析し, 臨床病理 学的因子との関連を検討した. 【結 果】 STC 2遺伝 子は非癌部に比べ癌部で高発現していた. STC 2の発現 と臨床病理学因子との比較では, 高発現群で, リンパ節 転移が多く, 深達度が深く, Dukes 類で high stageで あった. また, 高発現群は予後が不良であった. 【まと め】 大腸癌において STC2遺伝子は, 大腸癌の進展に 関与し予後の予測因子となることが示唆された. 3.Notchシグナル経路は肺胞上皮細胞の上皮―間葉転

換(epithelial to mesenchymal cell transition)と肺 線維化を促進する 青柳 香菜,前野 敏孝,上野 学 磯部 全,原 一郎,土井 宏 青木 康弘,青木 暁,青木 望 磯 達也,須賀 達夫,倉林 正彦 (群馬大院・医・臓器病態内科) 近年, 種々の臓器において, 上皮―間葉転換 (epithelial to mesenchymal transition, 以下 EMT) が注目されてい る. EMT とは, 上皮細胞から間葉系細胞に形態が変化す る現象で, 器官形成や発生, 癌の進展, 傷治癒過程等に 中心的役割を果たしている事が知られ て い る. ま た, 種々の臓器における細胞 化に, Notchシグナル系が重 要な役割を果たしている事も解明されてきている. 特発 335 Kitakanto Med J 2007;57:335∼336

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性肺線維症は, 線維芽細胞増殖を認める難治性の疾患で あるが, その線維芽細胞の起源の一つに, 肺における EMT が えられている. 今回我々は, in vitro と in vivo で肺の線維化において EMT が生じているか, またその 場合 Notchシグナル系が関与しているか検討した. ① ラット培養肺胞上皮細胞 (RLE-6TN) に TGFβ1刺激を 行ったところ, 細胞の形態が紡錘形状に変化し, 遺伝子 レベルでは上皮系マーカーである e-cadherin, proSP-C の発現が低下し, 間葉系マーカーである SMαactin (以下 SMA), collagen Ⅰ (以下 colⅠ) の発現が増加していた. 同時期の Notchシグナル系の発現も増加していた. ② Notch 受容体の細胞内領域の遺伝子を導入したアデノ ウィルス (Ad-NICD) を RLE に強制発現させたところ, e-cadherin の発現は低下し, SMA , colⅠの発現は増加

した. ③ RLE を TGFβ1にて刺激する際に, Notchの阻 害剤である γ-セクレターゼインヒビターを添加すると, colⅠ, SMA の発現は低下し, EMT は抑制された. ラッ トブレオマイシン肺臓炎モデルでは, 経時的に上皮系 マーカーの発現は低下し, 間葉系マーカーの発現は増加 した. 同様に Notch1の発現も増加を認めた. 免疫染色で は, 線維化の部 に一致して Notch1の発現を認め, 蛍光 染色では, SMA と Notch1の二重陽性細胞を認めた. ま たヒトの検体 (UIP pattern)においても,免疫染色にて上 皮系・間葉系マーカーならびに Notch1が陽性に染まる 細胞を認めた.以上,肺の線維化において EMT が生じて おり, その進展に Notchシグナル系が関与している事を 明らかにした.Notchシグナル系の抑制は,肺線維化を抑 制する新たな治療標的になる可能性がある. 第 14回群馬遺伝子診療研究会 336

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