第31回北関東胸部疾患研究会
日 時:平成 21年 2月 7日 (土) 15:00∼
場 所:マーキュリーホテル
会 長:斉藤 龍生 (国立病院機構西群馬病院・呼吸器科)
1.肺癌との鑑別を要した inflammatory pseudotumor
の1例
鈴木 円香,増渕 ,石塚 隆雄
梅枝 愛郎,飯塚 邦彦
( 立富岡 合病院・内科)
【症 例】 56歳女性. 【主 訴】 なし (胸部異常影精
査). 【現病歴】 年 1度程度, 市町村の 康診断を受け
ていたが胸部レントゲンの異常を指摘されたことはな
かった. 2006年 12月 6日の当院のドックにて右下肺野
の腫瘤影を指摘. 胸部 CT で右 S9・10領域に径 2 cmほ
どの spiculaを伴う結節影を認め, FDG-PET にて同部
位に集積を認められた. 画像所見からは肺癌が疑われた
た め 精 査・気 管 支 鏡 目 的 で 12月 11日 入 院 と なった.
【既往歴】 2002年 腰部脊柱管狭窄症, 2002年 高脂
血症, 2003年 大腸癌 polypectomy(以後年 1回 CF, ポ
リープのみ). 【生活歴】 喫煙 (−), 飲酒 (−). 【家族
歴】 特記すべきことなし. 【入院時身体所見】 身長
153cm, 体重 57kg, 体温 36.6℃, 血圧 115/66mmHg, 脈拍
94/min, 呼吸数 16/min, 右季肋部に軽度圧痛を認める以
外は理学的所見に特記すべきこと無し. 【入院時検査所
見】 CRP0.5mg/dlと軽度上昇認めた以外は明らかな異
常所見なし.Pro GRP,SCC,シフラ,CEA,CA19-9 も陰
性. 【入院後経過】 2006年 12月 12日に気管支鏡下に
生検施行. 採取された組織からは正常細胞のみで悪性所
見認められなかったが, 画像上からは肺癌が強く疑われ
たため,VATS目的に高崎病院紹介.12月 25日に VATS
施 行 さ れ, 最 終 的 な 病 理 診 断 は inflammatory
pseudotumorであった.その後,当院にて経過観察行って
いるが, 現在のところ明らかなの再発は認められていな
い. 【結 語】 Inflammatory pseudotumorの一例を 経
験した. 画像的には solitary noduleで肺癌に酷似してお
り, 胸部異常影の鑑別診断のひとつに加える必要がある
と思われた. 【謝 辞】 本発表にあたりご助言を頂き
ました独立行政法人国立高崎病院機構 呼吸器外科 大
谷 嘉己先生に深謝します.
2.肺外に進展した 化性血管腫の1例
風間 俊文,鶴巻 寛朗,飯島 浩宣
吉井 明弘,富澤 由雄,小林 剛
渡邉 覚,斎藤 龍生
(国立病院機構西群馬病院・呼吸器科)
永島 宗晃,中野 哲弘,川島 修
(同・呼吸器外科)
岩科 雅範,柏原 賢治 (同・病理部)
化性血管腫は, 肺良性腫瘍に 類される腫瘍類似病
変として知られている. その病理学的特性から間葉細胞
由来とされる説とⅡ型肺胞上皮細胞由来とされる説があ
るが, 本体は不明である. 頻度としては過誤腫に次いで
多く, 30歳∼50歳前後の女性に多い. 下葉に好発し時に
血痰を伴うこともある. 予後は良好とされているが, ま
れに多発陰影・リンパ節転移をきたす例が報告されてお
り, 肺癌との鑑別が困難となる例がある. 今回, 肺外に進
展した 化性血管腫の一例を経験したので報告する. 症
例は 30歳女性, 生来 康. 今まで定期 診を毎年受けて
いたが, 胸部異常陰影を指摘された事はない. 2008年 6
月,会社の定期 診で胸部 Xp上,右心横隔膜角に異常陰
影を指摘された. 同年 8月当院当科受診. 外来での CT
で,肺内∼縦隔にかけて腫瘤を認め,周囲には GGO病変
も伴っていた. 精査加療目的に当院当科入院となる. 身
長 160.8cm,体重 111.4kg (BMI=43.1),体温 36.6℃,意識
清明, 血圧 122/70mmHg, 脈拍 64/ ・整, 血黄疸なし.
口腔内に明らかな異常なし.咽頭に発赤・腫脹なし.甲状
腺腫なし. 表在リンパ節の腫脹なし. 呼吸音 正常肺胞
呼吸音. 心音心雑音なし. 腹部は膨瘤・軟. 圧痛なし. 皮
膚白色線条を認める. 肝, 脾・腎および腫瘤を触知せず.
下 浮腫および関節の腫脹・発赤・変形を認めず.陥入爪
あり. 神経学的異常所見なし. 当科入院後, 組織診断目的
に気管支鏡検査が施行された. 経気管支生検を試みたが,
病理学的診断にいたる検体の採取はできなかった. 画像
診断上は, 表面平滑・内部 一で辺縁が整であることよ
り第一に神経 腫などの良性腫瘍が疑われた. 確定診断
目的に経皮的針生検術も 慮されたが, 開胸肺部 切除
術が選択された. 摘出された検体は臓側胸膜に包まれた
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Kitakanto Med J
2009;59:375∼377