人工知能学会共同企画 -人工知能とは何か?:[エッセイ集]2.9 プログラミングパラダイムとしての深層学習
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(2) 2 エッセイ集…9 プログラミングパラダイムとしての深層学習. を加えて,似ているが異なるタスクに応用すること .ブラックボック ができる(Fine Tuning と呼ぶ) ス再利用においては,これに加えて,学習済みモデ ルを教師として新たなモデルを学習させたり(これ を蒸留と呼ぶことがある) ,複数の学習済みモデル の多数決を取って精度を上げたりする(アンサンブ ルと呼ぶ手法の一形態)こともできる. このように,一度作られた学習済みモデルを効率 よく再利用することが,これからの機械学習工学の 主要なテーマの 1 つになるだろう.その際,複数. 図 -1 「機械学習の社会実装に向けて」ワークショップの様子 (2016 年 6 月). のプレイヤ間でどのように学習済みモデルを流通さ. れは,草の根の二次創作が広く受容されている日本. せるかは重要な観点である.. の文化には,より親和性の高い考えかもしれない. 第 2 のセッション「ニコニコ深層学習β」では,さま. ワークショップ「機械学習の社会実装に 向けて」. ざまなコミュニティの事例を参考にしながら,深層学. このような機械学習工学の議論を加速するため. デルなどがコミュニティによって広く共有され,流通. に,我々は産業技術総合研究所人工知能研究センタ. することによって社会全体として深層学習/機械学習. ーなどと協力して機械学習利用促進勉強会(MLEP). の利用が広まっていくシナリオについて議論した.こ. という研究会を立ち上げ,2016 年 6 月に北九州国. こでは,このようなコミュニティにどのようなインセ. 際会議場で開催された人工知能学会全国大会におい. ンティブを与えたら良いのか,またコミュニティにお. て, 「機械学習の社会実装に向けて」と題したワー. ける「作法」をどのように設計したら良いのか,など. クショップを行った(図 -1).このワークショップ. のアイディアが,オープンソースコミュニティやニコニ. は,下記 2 つのセッションから構成した.. コ学会βなどの事例から話しあわれた.. 第 1 のセッション「深層学習でどのように儲けるか」. 習の利用事例,構築や運用のノウハウ,学習済みモ. は,機械学習とりわけ深層学習の価値を,どのよう. 今後の展望. に流通させるかについて,ビジネス的な観点から議. 深層学習/機械学習に基づく帰納的システム開発. 論した.うまいネットワーク設計と適切な訓練データ. が今後広まるにつれ,機械学習工学にかかわるさま. に基づいて学習された学習済みモデルは,1 次モデ. ざまな技術・方法論が産業競争力の重要な要素にな. ル,派生モデルを問わず,非常に大きな価値を持つが,. ることは間違いない.帰納的システム開発から,よ. その一方,作成には,そのノウハウだけでなく,質. り高い価値を引き出し,より良い社会を作るために. の良い大量の訓練データと膨大な計算資源を必要と. アカデミア,産業界,政府,個人が何をすべきかを. する.学習済みモデル作成者の権利を守り,その価. 明らかにしていきたい.. (2016 年 6 月 28 日受付). 値を金銭的利益として還流させつつ,再利用を促進 するような社会的な仕組みとはどのようなものなのか, そのために必要なコンセンサスは何かを,ビジネス・ 技術・知財のそれぞれの観点から議論した. 一方,オープンソースソフトウェアや,一部の動画 コンテンツのように,多くの派生を推奨することによ って社会全体の活動を活発化する考え方もある.こ. 丸山 宏(正会員) [email protected] 1983 年東京工業大学理工学研究科修士課程修了.同年日本 IBM (株)入社,人工知能,機械翻訳,XML,情報セキュリティ等の研究 開発に従事.2006 〜 09 年同研究所所長.2009 〜 10 年キヤノン (株) デジタルプラットフォーム開発本部副本部長.2011 〜 16 年統計数 理研究所教授.2016 年より現職.. 情報処理 Vol.57 No.10 Oct. 2016. 975.
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