第2学年道徳科学習指導案
1 主題名 友達のことを考えて仲良くする 低学年 B(友情、信頼) 2 教材名 ブランコ(光村図書『きみがいちばんひかるとき』) 3 主題設定の理由(指導観) (1)ねらいとする道徳的価値について(価値観) 他者と共によりよく生きるためには相手のことを考える力や考えようとする姿勢が大切だ。相手のこ とを考え、理解し、相手にとってよいことを判断し行動していくことで信頼し合える関係を築くことが できるからである。友達関係においては、友達のことを知り理解が深まることで互いを認め合う関係に なり、協力、助け合い、信頼感や友情が育まれていく。友達関係は児童にとって豊かに生きる上で最も 重要な人間関係の一つであり、友達が自分のことを真に思ってくれていることが分かった時、その心に 影響を受けて、さらに相手に対しても尽くそうというように、互いの成長に大きく関わっていく。 このような友達関係に価値を感じる段階として、低学年では友達と仲良く助け合うことに指導の重点 を置く。低学年の発達段階として、楽しいか、楽しくないかといった自己中心的で損得を優先して判断 する傾向がある。そのため、友達関係については、まず、一緒にいて楽しいかどうかが基準になる。そ こから、一緒にすごすときに仲良くすることで楽しくなることを気づかせる。そして、助け合うことで 仲良くでき、楽しく過ごせるというふうに価値理解を深めさせる。そのときに、相手の気持ちを考える ことが重要になり、あわせて指導していく。困っている友達を放っておけないという低学年らしい素直 な心と、相手にしてもらうとうれしい、自分もお返しをしようという素直な気持ちから助け合いのよさ を学ぶきっかけを作っていく。児童の発達段階に合わせた指導をし、友達と仲良くし助け合おうとする 心情を育てたい。 (2)児童の実態(児童観) ①アンケート調査 友情、信頼の価値についてアンケート調査を行った。 友達のよさは何ですか。 一緒に遊べる…17 名 一緒にいると楽しい…13 名 一緒にいると安心する…6 名 ライバルとして競い合える…6 名 平 成 2 8 年 1 0 月 3 日 ( 月 ) 5 校 時 1 3 : 4 0 ~ 1 4 : 2 5 中 野 区 立 多 田 小 学 校 第 2 学 年 2 組 2 8 名 指 導 者 古 味 進 洋 研究主題 自立した人間として、他者と共によりよく生きる児童を育てる道徳教育 副主題 多様で効果的な道徳科の指導方法の開発 自分のことを分かってくれる…4 名 相談にのってくれる…3 名②考察 友達のよさを「一緒に遊べる、一緒にいると楽しい」という低学年の発達段階によくみられる感じ 方をしている児童が多かった。また、より深いかかわりで友達のよさをとらえて「自分のことをわか ってくれる、そうだんにのってくれる」と感じている児童は多くはないが、少人数のグループで過ご すことが多い児童がそのように感じていることがわかった。 ③教師から見た児童の実態 本学級では、他教科等の学習や生活において、色々な相手と関わるようにペアや小グループでの活 動を多くとり入れてきた。そのため、本学級の児童は学級内のあまりかかわったことのなかった相手 とも、集団生活をする中で友達関係を広げている。休み時間では週2回のクラス遊びをしており、楽 しみにしている児童が多い。低学年の発達段階によく見られる集まったみんなで楽しむ時間の中で、 友達のよさや大切さを感じている。友達とのかかわりの中で起こるトラブルについてはどの児童も経 験しており、自分が友達にいやなことをしてしまったり、逆に友達にいやなことをされたりした経験 がある。自分たちで気持ちを伝え合い解決できるときもあれば、大人の手を借りて相手の気持ちに気 づくことで解決するときもある。このような経験の中で、友達の気持ちを考え、よりよいかかわり方 を学んでいる。実体験と重ね合わせながら友達の気持ちを考え仲良くし、助け合おうとする心情を育 てたい。 道徳の時間以外の時間における、内容項目B「友情、信頼」に関する指導は以下の通りである。 ア、国語「大事なことを落とさず伝えよう」 聞く・話すの単元ではペアで学習し、相手に伝わるように言葉を整理して話した。相手を意識し た話し方を学ぶ機会となった。 イ、生活科「町が大すきたんけんたい」 商店街の見学とインタビューを班ごとに分担し、班で担当した店について発表を行った。同じ班 になった相手と協力し、助け合いながら学習を進めていた。 ウ、生活班リーダー活動 生活班の4 人それぞれに生活の場面ごとにリーダーの役割を与えている。それぞれの場面でリー ダーとしての責任を果たすリーダーシップと、リーダーを支えるメンバーシップを学んでいる。 (3)教材について(教材観) 友達の輪を広げ仲良くするよさを感じるさるたちと、友達と仲良くするよさを感じるくまのどちらか らも友情についての考えを深められる話になっている。構成は以下のとおりである。 ① さるたちがブランコで遊んでいる。 ② くまが現れ、ブランコを奪う。 ③ ブランコが壊れ、くまが落ちる。 ④ くまが泣きながら謝り、小さな動物たちは慰め、この後どうするか考える。 ⑤ 新しいブランコを作るためにみんなで出かける。 さるたちの立場からは相手の気持ちを考えることで仲良くできたこと、くまの立場からは自分も力に なりたいという気持ちをおさえることで、相手の気持ちを考え仲良くし助け合おうとする心情を育てた い。
4 研究主題に迫るための手立て (1) 問題解決的な学習指導過程 本時では学習指導過程を以下のような意図をもって構成する。 つかむ → アンケートの結果を踏まえ、学びの視点を設定する。もっと仲良くなりたいとい う児童の願いから課題をつかませる。 深める → 課題の解決に向けて教材の登場人物の気持ちを考えさせる。中心発問は解決に向 けて考えを深める場面に設定した。 生かす → 自己を振り返り、一人一人の課題に対する答えをもたせる。低学年の発達段階を 考慮して気持ちから経験を思い出し、自己の生き方に生かせるようにする。 つなげる→ 学んだことをさらに深く心にとどめ、今後の発展につなげさせる。 (2) 表現活動の工夫 「深める」段階の第一発問の場面において、人前で言いづらい心情も発言できるように役割演 技をさせる。テレビモニターで場面を映すことで場面を想像することが苦手な児童も含めて場 面を想像できるようにする。 価値の良さを感じている登場人物に共感させ価値に迫れるように、中心発問の前に役割演技 をさせる。さるとくまのどちらの立場も児童にさせることで、他者理解と多面的・多角的な考 え方ができるようにする。役割演技で出てきたことを中心発問で整理していく。
5 学習指導過程 (1) ねらい 友だちの気持ちを考えて仲良くしようとする心情を育てる。 (2) 本時の展開 段階 学習活動 ○主な発問 ・予想される児童の思考、反応 ◇指導上の留意点 ◆指導上の手立て 道徳科の特質 つ か む 1 アンケート結果を知り、課題をつかむ。 ○友達と仲良く過ごしていますか。 ○友達ともっと仲良くなりたいですか。 ○もっと仲良くなれるように、仲良くなれる気持ちを見 つける時間にしましょう。 ・なかよくなれる気もちを考えたことなかったな。 ・なかよくなれる気もちってどんな気持ちだろう。 ・なかよくなれる気もちが分かればもっと仲良くなれそ うだ。 ◇仲良く過ごしている中もっと仲良く なるために必要なものとして「なか よくなれる気もち」を取り上げる。 ◆課題をつかませることで主体的な学 びにする。 深 め る 2 教材「ブランコ」を読んで、なかよくなれるの気もち について話合う。 ○つなが切れてどすんと地べたに落ちたくまさんを見 て、おさるさんたちはどんなことを思っているでしょ う。 ・ブランコが壊れてしまった。ひどい。 ・くまさんなんて嫌いだ。 ・落ちたのは自分が悪い。いい気味だ。 ・仲良くなんてなれない。 ○「新しいブランコを作ろう」とおさるさんはどんな気 持ちで言ったでしょう。 ・謝っているし許してあげよう。 ・くまさんも遊びたかったのだろう。 ・くまさんだけブランコに乗れないのはかわいそうだ な。 ・仲間に入れてあげた方がいい。 ・体が大きいし助けてくれそう。 ・人数が多い方が楽しい。 ・くまさんも使えるブランコにしよう。 ◆テレビモニターで教材提示を行い、 一読で理解できるようにする。 ◇くまへの怒りや嫌悪感をとらえさせ る。 ◆くまがブランコから落ちる場面をテ レビモニターで提示し、おさるさん たちの立場で役割演技をさせる。 人間理解 他者理解 ◆「くまはブランコを壊してしまった のに仲間に入れていいのか」等の揺 さぶりをかけ考えを深めさせる。 ◇同情だけで行動を起こそうとしてい るわけではないことに気付かせる。 ◇くまの気持ちを考える意見に注目さ せ、考えを深めさせる。 価値理解 多面的・多角的に考える ◆さるやくまが歩いている場面を役割