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(1)

DBのガバナンス(資産運用ルール等)について

(第18回企業年金部会)

平成28年6月

日本生命保険相互会社

本資料は、作成時点における信頼できる情報にもとづいて作成されたものですが、その情報の確実性を保証するものではありません。 本資料に含まれる会計・税務・法律等の取扱いについては、公認会計士・税理士・弁護士等にご確認のうえ、貴団体自らご判断ください。 ホームページアドレス http://www.nenkin.nissay.co.jp/info/report.htm ◇H28.6.17 日本生命保険相互会社 団体年金コンサルティングG 発行(日本-年基-201606-170-0294- D) ※「総合型DB基金のガバナンス」については、平成28年6月15日付年金NEWS 「【DB・厚年基金】総合型DB基金のガバナンス見直しについて(続報)」をご参照ください。

(2)

○確定給付企業年金(DB)の「資産運用におけるガバナンスの見直し」は平成27年1月に取りまとめ

られた厚生労働省・社会保障審議会・企業年金部会の報告書に盛り込まれた内容。

○厚生労働省は、その具体策として、「運用の基本方針・政策的資産割合策定の全DB義務化

※2

」や

厚年基金の運用ルールを参考とした「資産運用ガイドラインの見直し」を提案した。

※受託保証型DB(生命保険の一般勘定などで運用することにより、積立不足が生じないことが確実に見込まれる仕組み。 平成26年度から実施中。)を除く

現 行

見直しの論点

・運用の基本方針の策定は、加入者の数が300人未満かつ資産 の額が3億円未満の規約型DB、受託保証型DBを除き、全ての DBにおいて義務付けられている。 ・運用の基本方針の策定を、

1.「運用の基本方針」「政策的資産構成割合」の策定

現 行

見直しの論点

・政策的資産構成割合の策定は、努力義務とされている。 ・政策的資産構成割合の策定を、受託保証型DBを除き、全てのDB において義務付けてはどうか。

2.政策的資産構成割合

現 行

見直し案

運用の基本方針

・運用の基本方針を作成し、当該基本方針に沿って 運用しなければならない。 ・但し、以下のDBを除く。 -加入者の数が300人未満 かつ 資産の額が3億円未満の規約型DB -受託保証型DB ・受託保証型DBを除き、全てのDBにおいて策定を義 務化。

政策的

資産構成割合

・政策的資産構成割合を定めるよう努めなければな らない。 ・受託保証型DBを除き、全てのDBにおいて策定を義 務化。

1.資産運用について

1

 一定の予定利率を確保する必要のあるDB制度においては、運用の基本方針や政策的資産構成割合なしに安定的な運営は困難と 考えられるため、運用の基本方針・政策的資産割合の策定を全DB(受託保証型DBを除く)に義務化。

(3)

「資産運用ガイドライン(DBガイドライン)」について

○「DBガイドライン」の次の項目について、「厚生年金基金ガイドライン

」の考え方を反映させる、

見直しを検討してはどうか。

※受託者責任の明確化・資産運用管理体制の強化・外部専門家による支援体制の強化等の観点から、平成24年9月に改訂が実施されている。

現 行(DBガイドライン)

見直しの論点

・資産運用委員会について設置義務はなく、「資産運用委員会を 設置することが望ましい」とされている。 ・一定規模以上(例えば資産規模100億円以上)のDBに、資産運 用委員会の設置を義務付けてはどうか。 ・またその状況を検証した上で、より小規模のDBにおける設置のあ り方を検討してはどうか。

1.資産運用委員会

現 行

見直し案

資産運用委員会

・資産運用委員会を設置することが望ましい。 ※「資産運用委員の設置」については、現行でも「厚年 基金ガイドライン」と同様の内容 ・一定規模以上(例えば資産規模100億円以上)のDB に、資産運用委員会の設置を義務化。 ※上記状況を検証した上で、より小規模のDBにおける 設置のあり方を検討

2.資産運用ガイドライン(DBガイドライン)の見直し

【資産運用委員会】 ○理事長等を補佐するため、資産運用委員会を設置することが望ましい。

<ご参考:厚年基金ガイドライン>

2

厚年基金 より強化 ※「DBガイドライン」に規定されていない部分に下線 【資産運用委員会】 ○理事長等を補佐するため、資産運用委員会を設置することが望ましい。 ○資産運用委員会の役割としては、運用の基本方針、運用ガイドラインや政策的資産構成割合の策定及び見直し、運用受 託機関の評価等に関し、理事長等へ意見を述べること等が考えられる。資産運用委員会の委員は、基金の個別事情に応 じて審議することになるが、もっぱら加入員等の利益を考慮し、これを犠牲にして、加入員等以外の者の利益に配慮す べきではない。 ○資産運用委員会は、理事、代議員、事業主の財務又は労務に関する業務を担当する役員等の中から理事長が選任する者 及び専門的知識及び経験を有する者であって理事長が選任するもので構成されなければならない。ただし、資産運用委 員会が運用受託機関等の評価を行う場合には、運用受託機関等の関係者である委員が審議に加わることは適当でない。 ○資産運用委員会の議事については記録にとどめて保存するものとし、理事は、当該議事の概要について直近の代議員会 に報告しなければならない。 ○資産運用委員会の位置付けや開催の手続き等については、各基金の実状に応じて定められるべきものであるが、基金の 業務の執行に関する意思決定はあくまで理事会で行うべきものであることに留意する必要がある。

(4)

現 行(DBガイドライン)

見直しの論点

【分散投資義務】 ・資産の運用に当たっては、分散投資に努めなければならない。 ただし、分散投資を行わないことにつき合理的な理由がある場合 は、この限りではない。 ・分散投資を行わないことについて合理的な理由がある場合は、合 理的理由を「運用の基本方針」に定めるとともに、加入員へ周知を 義務付けてはどうか。 ・またその場合「運用の基本方針」に、運用委託先が特定の運用機 関に集中しないための方針を定めることとしてはどうか。

<参考>厚年基金ガイドライン

【分散投資義務】 ・資産の運用に当たっては、分散投資に努めなければならない。 ただし、分散投資を行わないことにつき合理的な理由がある場合はこの限りではないが、合理的理由を「運用の基本方針」に定めると ともに、加入員・事業主へ周知しなければならない。 【運用の基本方針に定める事項】 ・特定の運用受託機関に対する資産の運用の委託が、基金の資産全体から見て過度に集中しないよう、基金は「運用の基本方 針」に、集中投資に関する方針を定めなければならない。 ※次のような合理的な理由がある場合は、当該集中投資に関する方針にかかわらず、特定の運用受託機関に資産の運用を委託 できる旨定めることができるが、当該特定の運用受託機関の信用リスク等に留意しなければならない。 ①当該特定の運用受託機関の複数の資産で構成される商品等に投資する場合 ②生保一般勘定契約等の元本確保型の資産に投資する場合 ③その他合理的理由がある場合 厚年基金と同様

現 行

見直し案

分散投資

・資産の運用に当たっては、分散投資に努めなければ ならない。 ・ただし、分散投資を行わないことにつき合理的な理由 がある場合は、この限りではない。 ・分散投資を行わないことについて合理的な理由があ る場合は、合理的理由を「運用の基本方針」に定める とともに、加入員への周知を義務化。 ・「運用の基本方針」に、運用委託先が特定の運用機関 に集中しないための方針を定めることとする。

<ご参考:厚年基金ガイドライン>

3

※「DBガイドライン」に追記される見込みの部分に下線 厚年基金と 同様 【分散投資義務】 ○基金に係る資産の運用に当たっては、分散投資に努めなければならない。分散投資を行わないことにつき合理的な理由がある 場合はこの限りでないが、合理的理由を「運用の基本方針」に定めるとともに、加入員・事業主に周知しなければならない。 【運用の基本方針に定める事項】 ○特定の運用受託機関に対する資産の運用の委託が、基金の資産全体から見て過度に集中しないよう、「運用の基本方 針」に、集中投資に関する方針を定めなければならない。 ○次のような合理的理由がある場合は、特定の運用受託機関に資産の運用を委託できる旨定めることができるが、信用 リスク等に留意しなければならない。 ①当該特定の運用受託機関の複数の資産で構成される商品等に投資する場合 ②生命保険一般勘定契約等の元本確保型の資産に投資する場合 ③その他合理的理由がある場合

(5)

現 行(DBガイドライン)

見直しの論点

・オルタナティブ投資について注意喚起を促す意味からも、「運用の 基本方針」に新たに項目を設けて、オルタナティブ投資の位置付け 運用機関の選任、商品選択等についての留意事項を示してはどう か。

3.オルタナティブ投資

<参考>厚年基金ガイドライン

【運用の基本方針に定める事項】 ・オルタナティブ投資を行う場合は「運用の基本方針」に以下の事項を定めなければならない。 ‐オルタナティブ投資を行う目的、政策的資産構成割合におけるオルタナティブ投資の位置付けとその割合、 オルタナティブ投資に固有のリスクに関する事項 【運用受託機関の選任】 ・以下の事項に留意しなければならない。 ‐当該運用受託機関の組織体制に関する事項、当該運用受託機関の財務状況等に関する事項 【運用戦略の確認】 ・当該運用受託機関に対して、以下の事項を参考にしつつ、運用戦略の内容等についての説明を求る。 ければならない。 (共通事項) ‐運用戦略のリターンの源泉・リスク、運用戦略の時価の算出の根拠・報告の方法、運用戦略に関し情報開示を求めた場合 の態勢、運用戦略に係る運用報酬等の運用コスト (個別運用戦略) ‐外国籍私募投資信託等海外のファンドを用いた投資を行う場合、先物取引・オプション等のデリバティブを用いた投資を 行う場合、証券化の手法を用いた商品に投資を行う場合、異なる複数のヘッジファンドに投資を行う場合、未公開株式や 不動産等に投資する場合 (DBガイドラインに規定されていない部分に下線) 厚年基金と同様

4

現 行

見直し案

オルタナティブ

投資

・「運用の基本方針」にオルタナティブ投資の位置付け 等を記載し、運用機関の選任、商品選択等について の留意事項を示す。 【運用の基本方針】 ○オルタナティブ投資を行う場合は「運用の基本方針」に以下の事項を定めなければならない。 「オルタナティブ投資を行う目的」「政策的資産構成割合における当該オルタナティブ投資の位置付け・割合」 「オルタナティブ投資に固有のリスクに関する事項」 【運用受託機関の選任】 ○以下の事項に留意しなければならない。 「当該運用受託機関の組織体制に関する事項」「当該運用受託機関の財務状況等に関する事項」 【運用戦略の確認】 ○以下の事項を参考に、運用受託機関に対し運用戦略等についての説明を求める。 (共通事項) 「リターンの源泉」「リスク」「時価の算出根拠と報告方法」「情報開示に対する態勢」「運用コスト」 (個別運用戦略) 「海外のファンドを用いた投資を行う場合」「デリバティブ(金融派生商品)を用いた投資を行う場合」 「証券化を用いた投資を行う場合」「異なる複数のヘッジファンドに投資する場合」 「未公開株式や不動産等に投資する場合」

<ご参考:厚年基金ガイドライン>

厚年基金と 同様 (オルタナティブ投資に関する規定なし) ※「DBガイドライン」に追記される見込みの部分に下線

(6)

5

現 行

見直し案

運用受託機関の

選任・契約締結

・運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する。 ・定量評価だけでなく、定性評価を加えて総合評価をす ることにより行うことが望ましい。 ・運用受託機関の選任・契約締結における定性評価・ 定量評価の基準について具体的事例を追加する。 ・上記に加え、「スチュワードシップ責任・ESG投 資」「受託業務監査」「投資パフォーマンス基準 (GIPS)」を定性評価項目として例示する。

スチュワード

シップ責任

・「スチュワードシップ責任」を定性評価項目として 採用する場合、 -定期的に運用受託機関から議決権行使、スチュ ワードシップ行動の実績等の説明を求める。 -説明内容をその評価項目の一つとする。 -議決権行使、スチュワードシップ行動の内容を 代議員会等へ報告する。 【選任の基準】 ○運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する。 ○定量評価だけでなく、定性評価を加えて総合評価をすることにより行うことが望ましい。 ○運用受託機関に対するヒアリングは、定性評価の基準の例に掲げる事項について行う。その場合、投資判断を行うファンドマネジャ ー等に対するヒアリング、及び運用コンサルタントや資産運用委員会等に対するヒアリングを含めることが望ましい。 【定量評価の基準】 ○一般的に適正と認められる合理的な基準により行う。 ・時価による収益率・リスクを基準とし、資産種類ごとに適切な市場ベンチマークを設定 ・他の同様の運用を行う運用受託機関の収益率・リスクと相対評価 等 ○アクティブ運用においては、市場において一般的に使用されている、運用の効率性を示す指標(リスクに対してどの程度のリターン があげられるかを示す指標)等に留意しなければならない。なお、短期の収益率に著しく問題のある場合等を除き、一定の期間の 実績(実績がない場合にあっては、バックテスト)を評価することが望ましい。 【定性評価の基準】 ○以下の点を総合的に考慮して行う。 「運用についての基本的な考え方」「運用責任者及び運用担当者の体制及び能力」「調査分析等運用支援の体制」等 ○具体的には、以下のような点に留意しなければならない。 ・投資方針(内容の明確性、合理性、一貫性など) ・組織及び人材(意思決定の流れや責任の所在の明確性、十分な専門性・経験を有する人材の配置、人材の定着度と運用の継続性、再現性の確保) ・「運用プロセス(投資方針との整合性、運用の再現性、リターンの追究方法の合理性・有効性、リスク管理指標の合理性・有効性) ・事務処理体制(売買・決済等の事務処理の効率性・正確性、運用実績の報告の迅速性・正確性・透明性) ・リスク管理体制(実効性及び適切性など) ・コンプライアンス(法令や運用ガイドライン遵守体制の整備状況、過去における法令違反の有無、事故発生時における対応体制、 監査の状況)」

<ご参考:厚年ガイドライン>

※「DBガイドライン」に規定されていない部分に下線

現 行(DBガイドライン)

見直しの論点

【選任の基準】 ・運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する。 ・定量評価だけでなく、定性評価を加えて総合評価をすることによ り行うことが望ましい。 ・運用受託機関の選任の際に行うヒアリング事項等について追加し てはどうか。

4‐1.運用受託機関の選任・評価(選任の基準)

(DBガイドラインに規定されていない部分に下線) 厚年基金と同様

<参考>厚年基金ガイドライン

【選任の基準】 ・運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する。 ・定量評価だけでなく、定性評価を加えて総合評価をすることにより行うことが望ましい。 ・運用受託機関に対するヒアリングは、定性評価の基準の例に掲げる事項について行う。 その場合、投資判断を行うファンドマネジャー等に対するヒアリング、及び運用コンサルタントや資産運用委員会等に対するヒアリング を含めることが望ましい。 定性評価・ 定量評価の 基準 ※「厚年基金ガイドライン」の該当箇所は次頁 ※各項目の解説はP.7 厚年基金 より追加 厚年基金と 同様

(7)

6

現 行(DBガイドライン)

見直しの論点

【選任の基準】 ・運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する。 ・定量評価だけでなく、定性評価を加えて総合評価をすることによ り行うことが望ましい。 ・運用受託機関の選任の際に行うヒアリング事項等について追加し てはどうか。

4‐1.運用受託機関の選任・評価(選任の基準)

(DBガイドラインに規定されていない部分に下線) 厚年基金と同様

<参考>厚年基金ガイドライン

【選任の基準】 ・運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する。 ・定量評価だけでなく、定性評価を加えて総合評価をすることにより行うことが望ましい。 ・運用受託機関に対するヒアリングは、定性評価の基準の例に掲げる事項について行う。 その場合、投資判断を行うファンドマネジャー等に対するヒアリング、及び運用コンサルタントや資産運用委員会等に対するヒアリング を含めることが望ましい。 【選任の基準】 ○運用受託機関の得意とする運用手法を考慮する。 ○定量評価だけでなく、定性評価を加えて総合評価をすることにより行うことが望ましい。 ○選任の際に行うヒアリングは、定性評価の基準の例に掲げる事項について行う。 その場合、投資判断を行うファンドマネジャー等に対するヒアリング、及び運用コンサルタントや資産運用委員会等に対するヒアリ ングを含めることが望ましい。 【定量評価の基準】 ○一般的に適正と認められる合理的な基準により行う。 ・時価による収益率・リスクを基準とし、資産種類ごとに適切な市場ベンチマークを設定 ・同様の運用を行う他の運用受託機関の収益率、及びリスクとの相対評価 等 ○アクティブ運用においては、シャープレシオやインフォメーションレシオ(リターンを得るために、どのくらいリスクが取られたかを計 測する指標)等の指標にも留意しなければならない。 なお、短期の収益率に著しく問題のある場合等を除き、一定の期間の実績等を評価することが望ましい。 【定性評価の基準】 ○以下の点を総合的に考慮して行う。 ・運用についての基本的な考え方 ・運用責任者及び運用担当者の体制及び能力 ・調査分析等運用支援の体制 等 ○具体的には、以下のような点に留意しなければならない。 ・投資方針(内容の明確性、合理性、一貫性など) ・組織及び人材(意思決定の流れや責任の所在の明確性、十分な専門性・経験を有する人材の配置、人材の定着度と運用の継続性・再現性の確保) ・運用プロセス(投資方針との整合性、運用の再現性、リターンの追求方法の合理性・有効性、リスク管理指標の合理性・有効性) ・事務処理体制(売買・決済等の事務処理の効率性・正確性、運用実績の報告の迅速性・正確性・透明性) ・リスク管理体制(実効性及び適切性など) ・コンプライアンス(法令や運用ガイドライン遵守体制の整備状況、過去における法令違反の有無、事故発生時における対応体制、 監査の状況)

<ご参考:厚年基金ガイドライン (「運用受託機関の選任・契約締結」に関する部分)>

※「DBガイドライン」に追記される見込みの部分に下線

(8)

 機関投資家が、投資先の日本企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話(エンゲージメント)」 などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、顧客・受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る 責任のこと。  金融庁が平成26年2月に公表した「責任ある機関投資家の諸原則((日本版)スチュワードシップ・コード)」にその責任を果たすに あたり有用と考えられる諸原則が定められている。

<ご参考:定性評価項目として「厚年基金ガイドライン」より追加を検討されている項目について>

スチュワードシップ責任

ESG投資

 長期投資において、投資先企業が持続可能な社会の維持・実現の観点から、環境、社外、ガバナンスに配慮した経営を行ってい るかどうかを判断要素とする考え方。GPIFが平成27年9月に「ESGの取組に関する基本方針」を公表している。

【受託業務監査】

運用受託機関の内部管理体制の高度化が進んでいること、また運用受託機関における資産管理の適切性が第三者によって確認 されることから、「受託業務監査※」の有無について、定性評価項目の1つに例示することも考えられる。 ※ 受託業務監査 受託会社がその受託する業務に係る内部統制の有効性を委託業者に証明するために受ける公認会計士監査。

【投資パフォーマンス基準(GIPS)】

「GIPS※」への準拠が定着しつつあることを踏まえ、「GIPS」への準拠について、定性評価項目の1つに例示することも考えられる。 ※ GIPS 資産運用会社が顧客に提示する運用成績について、公正な表示と完全な開示を確保するための世界共通基準。 米国アナリスト協会(CFA協会)が作成した基準であり、採用するかどうかは各資産運用会社の任意。

受託業務監査

 受託会社がその受託する業務に係る内部統制の有効性を委託業者に証明するために受ける公認会計士監査。

投資パフォーマンス基準(GIPS)

 資産運用会社が顧客に提示する運用成績について、公正な表示と完全な開示を確保するための世界共通基準。米国アナリスト 協会(CFA協会)が作成した基準であり、採用するかどうかは各資産運用会社の任意。

<ご参考:「日本再興戦略2016」において求められたスチュワードシップ・コード受入の促進について>

 「日本再興戦略2016 -第四次産業革命に向けて-」において、「年金基金等において、スチュワードシップ・コードの受け入れ 促進などの取組を通じて、加入者等の老後所得の充実を図る」としている。 2-2.活力ある金融・資本市場の実現 (1)新たに講ずべき具体的施策 ⅵ)企業年金等の改善 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案の成立後、その円滑な施行を図るとともに、運用リスクを事業主と 加入者等で分担する「リスク分担型確定給付企業年金制度」等の導入により、企業年金等の普及・拡大を図る。 あわせて、年金基金等において、スチュワードシップ・コードの受入れの促進など、コーポレートガバナンスの 実効性の向上に向けた取組を通じて、加入者等の老後所得の充実を図る。 「日本再興戦略2016 -第4次産業革命に向けて-」 (平成28年6月2日閣議決定) ※抜粋

7

(9)

現 行(DBガイドライン)

見直しの論点

・オルタナティブ投資について注意喚起を促す意味からも、「運用の 基本方針」に新たに項目を設けて、オルタナティブ投資の位置付け 運用機関の選任、商品選択等についての留意事項を示してはどう か。

3.オルタナティブ投資

<参考>厚年基金ガイドライン

【運用の基本方針に定める事項】 ・オルタナティブ投資を行う場合は「運用の基本方針」に以下の事項を定めなければならない。 ‐オルタナティブ投資を行う目的、政策的資産構成割合におけるオルタナティブ投資の位置付けとその割合、 オルタナティブ投資に固有のリスクに関する事項 【運用受託機関の選任】 ・以下の事項に留意しなければならない。 ‐当該運用受託機関の組織体制に関する事項、当該運用受託機関の財務状況等に関する事項 【運用戦略の確認】 ・当該運用受託機関に対して、以下の事項を参考にしつつ、運用戦略の内容等についての説明を求る。 ければならない。 (共通事項) ‐運用戦略のリターンの源泉・リスク、運用戦略の時価の算出の根拠・報告の方法、運用戦略に関し情報開示を求めた場合 の態勢、運用戦略に係る運用報酬等の運用コスト (個別運用戦略) ‐外国籍私募投資信託等海外のファンドを用いた投資を行う場合、先物取引・オプション等のデリバティブを用いた投資を 行う場合、証券化の手法を用いた商品に投資を行う場合、異なる複数のヘッジファンドに投資を行う場合、未公開株式や 不動産等に投資する場合 (DBガイドラインに規定されていない部分に下線) 厚年基金と同様

8

現 行

見直し案

運用

コンサルタント

【運用コンサルタントの利用】 ・運用の基本方針等の策定、運用受託機関の選任・ 評価等に関し、運用コンサルタントに分析・助言 を求めることが考えられる。 ・運用受託機関の選任・評価に関する助言の契約を 締結する場合、助言の中立性・公平性の確保に十 分留意する必要がある。 【運用コンサルタントの利用】 【運用コンサルタントの要件】 ・運用コンサルタントは金融商品取引法上の投資助 言・代理業者でなければならない。 ・運用コンサルタント採用の際に、運用受託機関と の間で利益相反がないか確認する。 【運用コンサルタント等の利用】 ・運用の基本方針等の策定、運用受託機関の選任・評価等に関し必要な場合には、運用コンサルタント等に分析・助言を 求めることが考えられる。 ・なお、運用受託機関の選任・評価に関する助言の契約を運用受託機関又は運用受託機関と緊密な資本若しくは人的関係 にある機関と締結する場合、助言の中立性・公正性の確保に十分留意する必要がある。 【運用コンサルタント等の要件】 ・基金が契約を締結する運用コンサルタント等は、金融商品取引法の規定による投資助言・代理業を行う者としての登録 を受けている者でなければならない。 ・基金が運用コンサルタント等と契約を締結する際には、当該運用コンサルタント等の運用機関との契約関係の有無を確 認しなければならない。

<ご参考:厚年基金ガイドライン>

厚年基金と 同様 (運用コンサルタント等の要件に関する規定なし) ※「DBガイドライン」に追記される見込みの部分に下線 (現行通り)

(10)

現 行(DBガイドライン)

見直しの論点

【分散投資義務】 ・資産の運用に当たっては、分散投資に努めなければならない。 ただし、分散投資を行わないことにつき合理的な理由がある場合 は、この限りではない。 ・分散投資を行わないことについて合理的な理由がある場合は、合 理的理由を「運用の基本方針」に定めるとともに、加入員へ周知を 義務付けてはどうか。 ・またその場合「運用の基本方針」に、運用委託先が特定の運用機 関に集中しないための方針を定めることとしてはどうか。

<参考>厚年基金ガイドライン

【分散投資義務】 ・資産の運用に当たっては、分散投資に努めなければならない。 ただし、分散投資を行わないことにつき合理的な理由がある場合はこの限りではないが、合理的理由を「運用の基本方針」に定めると ともに、加入員・事業主へ周知しなければならない。 【運用の基本方針に定める事項】 ・特定の運用受託機関に対する資産の運用の委託が、基金の資産全体から見て過度に集中しないよう、基金は「運用の基本方 針」に、集中投資に関する方針を定めなければならない。 ※次のような合理的な理由がある場合は、当該集中投資に関する方針にかかわらず、特定の運用受託機関に資産の運用を委託 できる旨定めることができるが、当該特定の運用受託機関の信用リスク等に留意しなければならない。 ①当該特定の運用受託機関の複数の資産で構成される商品等に投資する場合 ②生保一般勘定契約等の元本確保型の資産に投資する場合 ③その他合理的理由がある場合 厚年基金と同様

現 行

見直し案

代議員会・

加入者への

報告・周知事項

【代議員会への報告内容】 ・運用の基本方針及び運用ガイドライン ・運用結果(時価による資産額、資産構成、収益 率、運用機関ごとの運用実績 等) ・理事会における議事の状況 【加入員等への周知内容】 ・積立金の運用収益又は運用損失、資産の構成割 合その他積立金の運用の概況 ・運用の基本方針の概要等 【代議員会への報告内容】 ・代議員会への報告内容に、運用受託機関の選 任・評価状況などを追加する。 【加入員等への周知内容】 ・資運用委員会の議事録を保存し、議事概要を加 入員へ周知する。 ※規約型DBにも留意しつつ見直しを行う。

<ご参考:厚年基金ガイドライン>

9

厚年基金と 同様 【代議員会への報告内容】 ・運用の基本方針及び運用ガイドライン ・運用結果(時価による資産額、資産構成、収益率、リスク、運用機関ごとの運用実績等) ・理事会における議事の状況 ・運用受託機関の選任状況 ・運用受託機関の評価結果 ・運用受託機関のリスク管理状況 ・基金の理事及び職員に係る研修の受講、自己研鑽の状況、その他基金の管理運用体制の状況 【加入員等への周知内容】 ・積立金の運用収益又は運用損失、資産の構成割合その他積立金の運用の概況 ・運用の基本方針の概要等 ・資産運用委員会の議事の概要等 ※「DBガイドライン」に追記される見込みの部分に下線

(11)

現 行

見直しの背景・方向性

加入者等への

説明・開示

・DB制度の業務概況を加入者等に対して周知する。 ・周知される項目や周知の方法について、DB制度 への関心を高めるという観点から改善の余地がな いか、検討する。

10

新 た に 追 加 す る 部 分 現 行 の 財 政 均 衡 状 態 ※1 「財政悪化リスク相当額」は、簡易型DB・受託保証型DBを除いて、すべてのDBで算定が必要。 ※2 リスク対応掛金は5~20年で拠出するものとし、拠出期間は特別掛金の拠出期間よりも長期に設定する。 積立金 掛金収入現価 (現行の掛金) 財政悪化リスク 相当額 ①債務を超えて、あらかじめ、 「財政悪化リスク相当額」 を見積もる※1 「財政悪化リスク相当額」の見積もり 給付現価 積立金 掛金収入現価 (現行の掛金) 掛金収入現価 (リスク対応掛金) 財政悪化リスク 相当額 給付現価 「 財 政 悪 化 リ ス ク 相 当 額 」 の 範 囲 で 、 「 リ ス ク 対 応 掛 金 」 を 追 加 拠 出 で き る

<「リスク対応掛金」の仕組み(掛金の拠出弾力化

)>

積立金 掛金収入現価 (現行の掛金) 給付現価 給 付 に 必 要 な 分 だ け 、 掛 金 を 拠 出 す る

事業主・加入者ともに、DBの財政や資産運用についての理解が不可欠であり、意思決定への参画も、これまで

以上に求められる。

前提として、まずは、当事者として制度への関心を持つことが大切。

関心を高めていく上では、加入する制度の現状を知ることもきっかけの一つになる。

※当該制度改正を含む政省令(案)は、現在パブリックコメント手続きに付されている。 今後、「リスク対応掛金」の仕組みが導入されれば、目標とする積立て水準を労使合意に基づいて定めることとなる 事業主・加入者ともに、DBの財政や資産運用についての理解が不可欠であり、意思決定への参画もこれまで以上に求められる 当事者として制度に対し関心を持つことが大切(自身の加入する制度の現状を知る 等) 掛金の拠出弾力化 後 掛金の拠出弾力化 前

2.加入者等への説明・開示

○「リスク対応掛金

」の仕組みが導入されることにより、目標とする積立水準は労使合意に基づき定

められることとなる。事業主・加入者ともに意思決定への参画がこれまで以上に求められる中で、

制度に対し関心を持つ重要性が高まっている。

○厚生労働省は、周知される項目や方法に改善の余地がないか検討する方針を示している。

<ご参考:DB制度における業務概況の周知(DB法施行規則)>

【周知事項】 ○事業主は、毎事業年度一回以上、次に掲げる事項を加入者に周知させるものとする。 「標準的な給付の額、給付の設計」「加入者数、受給権者数」「給付の支給額等」「掛金の額、納付時期等」 「積立金の額、責任準備金の額・最低積立基準額との比較等」「運用収益・運用損失及び資産の構成割合等」 「基本方針の概要」「その他重要事項」 【周知方法】 ○周知事項を加入者に周知させる場合には、次のいずれかの方法によるものとする。 「各実施事業所の見やすい場所に掲示する方法」「書面を加入者に交付する方法」 「磁気テープ・磁気ディスク等に記録し、各実施事業所に内容を確認できる機器を設置する方法」 「その他周知が確実に行われる方法」 ○事業主は、受給権者等にも周知が行われる方法を選択するよう努めなければならない。 ※ 「リスク対応掛金」の仕組みについては、平成28年5月30日付年金NEWS「【DB】DB制度の拠出弾力化・ハイブリッド型年金について (パブリックコメント)」をご参照ください。

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3.企業年金部会での主な議論

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【森戸 英幸 部会長代理(慶応義塾大学大学院法務研究科教授)】 ・スチュワードシップ・コードについて、受託者責任の観点から、経 済的な利益と委託者の利益に齟齬が発生することもある。 【小林 由紀子委員(日本経済団体連合会社会保障委員会年金改革部会 部会長代理)】 ・スチュワードシップ・コードについて、受託者責任は資料のとおり だと思うが、老後所得の充実とスチュワードシップ・コードは必ず しもリンクしていないのではないか。 【白波瀬 佐和子委員(東京大学大学院人文社会系研究科教授)】 ・スチュワードシップ・コードについては、労働者の利益(保護)にな るということをもっと訴えてほしい。そうすることで受け入れやすく なると思う。 【小林委員】 ・アセットオーナーとして対応すべき部分が明確ではなく、スチュ ワードシップ・コードを取り入れる影響、効果が見えてこない。影 響、効果をクリアにすべきではないか。 【村瀬 清司 オブザーバー(企業年金連合会理事長)】 ・スチュワードシップ・コードについて企業年金の理事長は母体企 業の役員を兼任していることが多く、基金として宣言しなくても同 じ効果を得られることもある。基金が納得した形で進めていただ きたい。 【伊藤 彰久委員(日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長)】 ・スチュワードシップ・コードについて、投資先と意見交換を行うこと は良いことだが、形式的ではなく本質的な施策が必要だと考える。

「資産運用」について

【小林委員】 ・ビジュアルの工夫など、分かりやすさは必要であるものの、開示 項目は現行の内容で十分足りていると思う。分かりやすさの観点 では、むしろ簡素化することも考えられる。また、好事例を集める 等の対応もあるのではないか。 ・なお、年金運用との間で問題になるのは、総合型DBのように事 業主と制度との間に距離がある場合に限られるのではないか。 問題の所在を十分につかんだ上で検討を進めていただきたい。 【森戸 部会長代理】 ・前回の企業年金部会での発言の繰り返しになるが、労働者に とっては、労働条件の1つであるので、実態も踏まえて、就業規則 等の労基法の規制と併せて検討いただきたい。 【伊藤委員】 ・これまで、組合から会社に対して説明を求めても、会社が理解し ていなかったり、断られたりしたケースがあると仄聞するので、是 非求めていきたい。

「加入者への説明・開示」について

参照

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