297 日本
機械学
会論
文集
(A
編 )
59
巻558
号 (1993−
2
)論 文
No ,92−0919
ア ル ミ ナ セ ラ ミ
ッ
ク
ス
接合 体
の
静 疲労特性
*笹 木
一
憲
*1 ,元
家
勝
彦
*1 ,川
崎
正
*1Stati
¢FatigUe
Behavior
of
Alumina
Ceramic
Joint
Kazunori
SASAKI ,
Katsuhiko
MOTOIE
andTadashi
KAWASAKI
Astudy
was madeto
investigate
the
staticfatigue
behavior
with alumina−
alumina and alumina−
stainless steeLbutt
joints
.
The
staticfatigue
test
was performed under a constantbending
moment at constant temperatures rangingfrom
580
to888
K
.
For
the specimenbonded
at903
K
,
staticfatigue
life
,
tr,
is
relateCl to the applied stress a and test ternperatureT
,
regardless of the adherent materials,
as
follows
;1
/
tf
‘
(
1
!
≠♂)
(
1
!
σ>
m °exp{
一
(
Qo一
αln
σ)
IRT
}
,
where ’♂
,
ua and α are materia1 constant,
R
出 egas constant and
Qo
is activation energy of the fatigue process.
While forthe
specimenbonded
at
higher
temperature ofl
O73
K
,
t!is
expressed asfollowing
form
;1
!
’∫
=
(
11t6
)
♂ exp{
− OIRT
}
,
where 莇and m are material constant
.
A
good agreementbetween
the
calculated andthe
observed value offatigue
life
of thejoint
is
obtained.
The
SEM
observation of thefracture
surface was alsomade and a
possible
mechanism for staticfatigue
processin
the
bonded
zone wasdiscussed
.
K
θy 恥 r伽 :Ceramics
,
Life
Prediction
,
Fatigue
,
Alumina
Joint
,
Static
Fatigue
Process
,
Void
Nucleation
,
Activation
Energy1
.
緒
言
セ ラ ミッ ク ス と金
属
,あ
るい は セ ラ ミッ ク ス同
士の接 合
は,
構 造 部 材
として セ ラ ミッ ク ス の特 性 を無 駄
な く十 分
に利
用す る上で重要
な こ と である,
セ ラ ミッ ク ス の接 合
につ い て は近 年
か な り多
くの研 究
が ありω,
接 合
そ の ものは可 能
であ
るが,
接 合
工程 中
に生
じ る接
合 層
の組 織
や微 視 接 合 欠 陥
,
接 合 後 冷 却 中
に生
じ る残
留応 力
な ど が接 合 体
の強 度
に敏 感
に影 響
する ようであ
っ て 噸5》 ,接 合 体
の強 度
並び
に信 頼 性
につ いて は必 ず
し も十
分に は研究
が進 んでいない.
ま たアル ミ ナ そ の ものの静疲労
や繰
返 し疲
労
に関
し ては既にい くつ かの研 究
は あ る が(6 ,ω,
セ ラ ミ ッ クス接 合 体
の疲 労 強 度
や寿命 特 性
につ い ての研究
は ま だ あ ま り多
くは行 わ れて いない よ うに思
わ れ る.
この研
究
は アル ミナ とステン レ ス鋼
,
お よ び アル ミ ナ 同 士の接 合 体につ いて高
温で静 疲 労 試 験 を 行い,
負荷
応
力
お よ び温
度
と静 疲 労
寿命
の関 係
を明
ら かに し,
疲 労 破
面 を観
察 し て 接 合 層にお け る静
疲 労 過程
に つ い て考
察 し て,
その静 疲 労特
性 を よ く把 握 す るこ と を 目 * 原 稿 受 付 平 成4年6月18 日.
* : 正員,
広 島電 機 大 学工学 部 (愚7
跚一
〇3
広島 市 安 芸 区 中野 6−
20−
1>.
的
とし た もの である.
2.
実
験
方
法
実 験
に用
い た セ ラ ミック ス はSiO2
を3
%含
む純 度
95
.
4
%の常 圧 焼 結
アル ミ ナ の角棒 (
7
×7
×10mm
)
で,
室温
に お ける曲
げ強 度
290
MPa
,線 膨 張 係 数
72x
10
−
6K−
1 であ
る.
図
1
に接 合 試 験 片
の作 製 手 順
を 示す
.
接 合 面
を約
10
Ptn
の粗
さ に機 械 研 磨
し て ア セ ト ン,
ア ル コー
ル の順
に洗 浄
を行
っ た後 厚
さ約
15Fm
のA1
薄
膜
を真 空 蒸 着
し た.
こ の よう
に接合 面
を前 処 理
した ア ル ミ ナ同
士を厚
さ0
.
1mm
のAl
箔
を中 間 材
と し て重
ね合
わせ,
24MPa
の 圧力
を加
えて拡
散
接 合
してAl
,O
,−
Al203
接 合 体
を作 製
し た.
接 合
温度
を1073
K
とし た ものAl
メ),−
Al
,03
(H
) と呼び
,
接 合 層
の厚
さ は約 0
.
03
mm,
室温
での曲 げ
強 度
σR=
250
MPa
で あっ た.
ま た接 合
温度
を903K
と し た ものをAl
,03−Al203
(L
)と呼ぶ こ とに し,
その接 合 層の厚 さ は 約O.
15mm
,
σ B=
120MPa
で あっ た.
アル ミナ と 同 じ 形
状
寸法
の オー
ス テ ナ イ ト系
ステン レ ス鋼
SUS304
角棒
を作
り,
その一
つ の端 面 を アル ミ ナの接 合
面と同 じように前 処
理 し,前
述 と同 じ方 法
で接 合
を行
っ てAl
,O
,−SUS
接 合 体
を作 製
し た.
アル ミ ナー
ス テ ンレ ス鋼 系
で は ス テ ン レスー
A1
側
の強 度
は約
一
一
298
アル ミ ナ セ ラ ミッ ク ス接合 体
の静
疲 労特 性
900K
で最
高
と な る の で , この実 験
で は アル ミ ナー
ス テン レ ス系
の接 合
温度
を903K
に選
ん だ.
接 合 層
の厚
さ は0.
15mm ,
as− 85
MPa
で あっ た.
先
に述
べ たAl
,03−Al20
,(
L
)
はAl203−SUS
接合体
の静疲
労
特性
と 比較
するため に同
じ接合 温
度
で アル ミナ 同 士 を接
合
し たも の である.
接 合 強 度
は接 合 層
の厚
さに支 配
さ れ るの で,
接 合 層
の厚
さを一
定
に制 御
する こ と が好
ま し い が,
接 合 技 術
の点
か ら, こ の研 究
に お い て は接 合 圧 力
を すべ て24
MPa
と一
定
と し た.
アル ミナ と
銅
と の拡 散 接 合
に おい て は,一
定
の接 合
圧力
に繰
返 し応 力
を付 加
し て接 合
する こ と に よっ て高
い接
合 強度
が 得 ら れ るの でcs,,
一
定
の 圧力
24
MPa
に ±5MPa
の繰
返 し 応 力 を 付 加 し て 接 合 し た アル ミ ナー
ス テン レ ス鋼 接 合体
をAl20
,−SUS
(
A
)
と呼
ぶ こと にし,一
定 圧 力 下
で接 合
し た試 料
と静
疲 労特
性
の比較
を行
うこ と に し た.
こ の場 合 繰
返 し 応 力の付 加 は 試 料 日ondlng surtece 5.
R:
rOpml
α1
」 1
一
一
一P
’
幽
Alumlnum tltm 「15岬↓
Ti905K “075K , P・
24団PG ttI.
8ks4
の温 度
が473
K
に達
し た時
か ら開始
し て,接 合 後
の冷
却 過 程
で473
K
になっ た時 繰 返
し応 力
の付 加
を停 止
し た.
接 合 層
の厚
さ は 約0.
15
mm,
σe=90
MPa
で あ っ た.
この よ う に4
種 類
の接合体
を作製
し,
こ れ ら接
合
体
を 図1
に示 す よ うにダ
イ ヤモ ン ドカッタで4
分割
した 後 各 面 を研 磨 し た ものを 接 合 試 験片
と し た.
試 験片
の寸 法
は各
試験 片
に よっ て多少 異
なっ た値
になっ た が,
平 均
する と幅
,
高
さ およ び長
さはそれぞ れ約
3
,
3
,
3.
0
お よ び20
の く形鞭
ある.
静 疲 労 試験
はレバー
式 曲 げ試 験 機
で行
い,
試 験 温 度
の範 囲
は580K
か ら888
K
ま で と し,
試 験 雰 囲気
の温
度
の時 間 的変 動
は ±1K
以内
であ
る.
3.
実験
結 果 お よび
考家
3
・
1
静疲労試験 4 種 類
の接合試験 片
につ いて静疲 労 試験
を行
っ た ところ,
すべ ての試 験
片 は例外
な く接 合 部
で破
壊 し た.
寿命
tf
を 測 定 し て 負荷
応 力 σ と の関 係
を両 対 数
グ ラフ に プ ロ ッ トす る と図
2〜4
が得
ら れ た.
図2
(a)と (b
)は そ れ ぞ れA1203−SUS
お よ びAl
,〔斥SUS
(A
) 試 験 片に対 す る 結 果 で,
接合
において繰
返 し応
力
を付
加
し て も し な くて も静 疲 労挙 動
に は ほ と ん ど相 違
は み ら れ ない.
測 定 点 は多
少のば
らつ き は あ る が,
いず れ も そ れ ぞ れ一
つ の直 線 上に乗っ てお り,
その傾
き は試 験 温 度
が高
い ほ ど大であ る.
図
2
(a )の点 線
は最
小二乗 法
で求
め た最 適 実 験 線
で,
実 線
は援
で導
い た寿 命
評価 式
か ら求
め た計 算線
であ る.
両 者
はか な り よ く一
致 してい るの で,
この 図 以外
に おい て は煩
雑
を避
け る た めに実 験 線
の点 線
を 入 れ ること を省
い た.
図3
はAltO
,−
Al
,O
,(L
)試
験 片に つ い て の結
果で,
図
2
と ほ と ん ど同
じ傾 向
で ある.
1073K
で接 合
し たAl
,03−
Al
,O
,(
H
) 試 験 片
の結 果
は,
図
4
に示 し た よう
にln
tf
とln
σ との関係
はやは り直 線
であ る が,
その傾
きは温度
に よっ て ほ とんど変
わ ら ない よ うであ る.
図1
接 合 試験 片の作 製手順‘
ミ
簍
e萋
§
400皇
2°°ミ
1蕗
茎
4° ° ・ ・ll
:
§
匠
龕
。1AJ20s
−
SUS 【Alternating Stre55 epplied }●
rWe
− 5eoκ鑄
θ 888 κ・
631K 638 κ 734K7 K8 δ8K Time to Fojl凵厂e卩
tt!s (a)一
定圧力で接台し た接 合体 〔図中の点線は実験線で,
実線 は式 (8)に よ る計 算 線 〕 tげ lo°
lo’
TmttO
Feiiurt
.
tr ! s 10. (b
) 繰返し応 力を付加し た接 合体 〔図中の実 線 は 式 (8)に よ る計 算 線 〕 図2
アル ミ ナ
ー
SUS
接合体
の負荷
応力
と静 疲 労寿命
の関係
ア ル ミ ナ セ ラ ミ ッ ク ス接 合 体の静 疲 労
特
性 299 表1
A
,
m お よびaFの実 験 値Fo雪ig凵oTe5
量 丁●m 巨
T
,
KAI205−SUS
Al205
−SUS
{
A
)
A
』05−A
』O
ヨ(
L
)
AI203−AI203
(
H
》
σレ
.
M門 A m σ,
閉P◎A
m8F・
肭 A m σ ト・
MPoA
m 58063168373478883889882594525
層9 τ5 コ」
5 48訓♂
° 2、
15淵♂
° 16 2.
34淵04、
50 翼rd3 3,
7酬d
° 5.
7訓 0・ 12,
98.
77.
062494.
53,
9 77584425167,
43.
0 1.
ア8即d
麗 7.
52x げ ゜ 2.
6釧 01‘ 1菖 1.
35 翼IO.
72xlO5 Io5.
卩 xlo ° 5,
44其lo6 Il.
3897.
05.
84.
94.
345 5923126,
6 7.
68翼lol6 0,
99x ゆ15 1,
85剛ol° ● 4.
47Xlo 7.
5 β04.
94,
3523522 4.
65 翼 置(露6 676 罵置024 2.
46xlO 脚 13.
715 ρ 1「2 40eo200窪
丶 Ioob 6094 。豈
。 m 20茎
1。忌
6 く 4 2 re{
’
AltOs−
Ar2ea‘」 , e ● ● o● o蟻
683K734k78 θκ 838 κ o一
4 1げ 【o‘
Io5 Tlmε 言D Fロilure,
tr/s lo6 図3
アル ミ ナー
アル ミナ接 合 体 (接 合温度903K
)の負 荷応 力と静疲 労寿
命
の関 係 〔図中の実 線は 式 (8
)に よ る計 算 線 〕 400菫
・。。 丶 1σσ:
一
・。 塁弓o 盖2。羣
,。 & 6 く 421d AitOs
−
A「ie」
【H,一
踏
e O 88eK 9Io2 rel lo4
TIm2 to FOI}
凵
r艦
.
†r
! 5101iot図 4 高 温で接 合 したア ル ミナ
ー
ア ル ミナ接 合 体 (接 合 温 度1073K
) の負 荷 応 力と静 疲 労 寿 命の関 係 〔図 中の実 線は式 (9)による計 算 線
〕
こ の よ うな
結 果
か ら ア ル ミナ接 合 体
の静 疲労 寿 命
tf
は負荷 応 力
の関数
と して次 式
で表
さ れる.
………・
……一 …………・
・
・
・
…
(
1
)tf
≡
om こ こでA
とm と は一
般
に温度
に依 存
する材 料 常
数で あ る.
図2〜4
の実 験 デ
ー
タか らA
お よ び m の値 を求
め て表
1
に示 し た.
ま たこ れ らの図
か ら内 挿
に よっ て105
秒
に対
す る静
疲 労強 度
σF を読 取
っ て そ の値
を表
1
に 示 し た,
低
温で接 合
し た3
種 類
の試 験 片
で は σF も 応 力 指 数 m も互い に ほ ぼ同
じ値
と な っ て お り,
被
接 合 体
に関
係 な く, また接 合 中
に お け る繰 返
し応 力
の付 加
にも関 係
なく
,
全
く同
じ静 疲 労 特 性
を もつ こ とが :−
8〈
E
−
12−
tG一
20 「,
o1,
2 1,
4 1.
6−
1−
]’
t T /lOK 図 51n(1/tf)と
11T
の関係 1,
8 わかっ た.
高 温
で接 合
し たAl20
,−
Al20
,(
H
)
の接 合 強 度
はAl
,03−
Al203
(
L
)
の約
2
倍
で あっ た が,
静 疲 労 強 度
σF は約
5
倍 も高
い.
その原 因
の一
つ は接 合 層
の厚
さ が薄
い た め で あ ろ う,
3
・
2
静
疲 労
寿
命
の評 価 式
各 温 度
に おい て一
定
の応 力
σに対
する静 疲 労 寿 命
tf
を 図
2
およ び 図
3
か ら 求 め,
静 疲労
損傷 (
強度 劣 化 )
の平 均進 行 速 度
が1
砺
で与 え ら れるもの と し,
損 傷 速 度
の温 度 依 存 性
を調
べ る と図
5
が得
ら れ た.
三つ の接 合 体
に対 し
て多少
のば
らつ き は あ る が,
そ れ ぞ れの応 力
に対
し て測 定 点
は一
つの直 線
上に乗
っ てい る とみな すことがで きる.
した がっ てt
。を応 力
σに依 存 す
る一
つの パ ラメー
タ とす
れ ば,1
/
tf
は次
式で与
えら れる,
t
−
t
・x・{
一
書 }
・
………・
………・
……
(
・)
こ こ でQ
は見
かけの活 性 化
エ ネルギー
であ
る.
(2
と応 力
の関 係
を調
べ る と図
6
の実 線
の ように直線 関 係
が得
ら れ た.
す な わちQ
‘
O
。−
aln
σ・
………・
…・
…………・
…・
…・
(
3
)
一
一
300
ア ル ミ ナセ ラミ ッ クス接 合
体の静 疲 労 特性
こ こ でQo
とa は材 料 常 数
であ る.
またln (1fte)
と1n
σと の間
に は図
6
の点 線
で 示 す直
線 関
係 が得
られた の で,
i
−
(
毒
)
(
t
)
m°……一 ・
…・
………一 …・
・
(
・)
こ こ で疏
お よび
m 。は材 料 常 数
で あ る.
こ の式
と式
(3
)
の関 係
を 式 〔2
)に代
入す る と,
i
一
(
t
)
m° ・xp(
一
・訝
ln
σ}
よっ て爿
毒
)
(
t
)
砕 ‘… exp{
一
藩
}
・
・
一
・・)
こ こ で 舮舌
一
m ・…一 …・
・
『
………・
・
・
…
(
6
)
A
−
・・O
… p{
蕩
}
……・
…・
・
…・
…・
…一 …
(
・) と お け ば式 (
5
)
か ら実
験式
(
1
)
が導
かれ る.
低
温で接 合
した3
種 類の接 合体
に対
す る m の値 (
表
1
参 照)
を図
7
に1!T
を関 数
とし
て プロ ッ ト し た.
こ の図
の実線
は式
(6
)
に よ る計 算 直 線
であ る.
図
の よ う ち ∈≧
{ 0 28 M 36 4ρln
σ 図6
Q
およ びln(
lko
)
とln
σの関係 3632§
28三
24 に実 測値
と計 算 値
と は極
めてよ く一
致
している.
ま た式 (
5
)
を書
き替
えて寿
命 tf
を温 度
お よび
応力
の関 数
と し て表
すと次
の式
が得
ら れ る.
・
一
。・講
一
・ ・xp{
翻
[
・】
…・
一 一
(
・)
こ の式
か ら寿
命
を計 算 し
,
そ の計
算 曲
線 を図
2
お よ び図
3
の実 線
で 示 し た.
図
のよ うに580K
の場 合
を 除 け ば静 疲
労寿 命
の実 測 値
と計 算
値
と の一
致
は良 好
であ
り,式 (
5
>
に よっ て静 疲 労
寿命
を評 価 す
ること がで き る.
こ れ らの計 算
に用い た各
パ ラ メー
タの数値
は,図
6
の実線
お よび点
線
か ら求
め,a
=573
kJ
/
mol,
va t・
9.
e,
α=
・
93
.
57
kJ
/
mol,
癨=
1
、
770
x10
−
27 s−
1 であ
る.
次に
高 温
で接合
し たAl20
,−
Al203
(
H
)で は表
1
に示 し たように,
m の値
は温度
が高
くな る ほどわ ず
か に小 さく
なっ てい る が,
こ の実験
の温 度 範囲
で は ほ ぼ一
定 とみな
すと,
活性
化エ ネルギ
ー
は 応 力に は無 関 係
に一
定
と なる,
パ ラメー
タ
1
/
A
と1
/
T
との関 係
を 図8
に実 線
で 示 し た が,
アレ ニ ウス型 温度 依 存 性
であ り,
見 か けの活 性
化 エ ネルギー
とし て501kJ
/
mo1 が得
ら れ た.
よっ て瀦
・xp{
一
書
}
こ こ で1
妬
は 材料
常数
で,そ の値
は6
.
03
×106
で あ る.
このA
を 式〔
1
)
に代
入 す る と次式
が得
ら れ る.
÷
一
毒
♂ exp{
一
遥
}
[
s−
・]
一 ・
………・
(
・)
この式か ら tfを計 算
し,
そ の計 算 曲 線
を図
4
に実 線
で 示 し た.
こ の場
合にも実 測 値
との一
致は良好
であ る.
3・
3
疲 労 破
面(
a) 低
温 で接 合
し た試験
片接 合 温 度
903K
の3
種 類
の試
験片
で同
じよ う な 静 疲 労特 性
を示 し た が,
疲 労 破
面 も ま た全
く同
じ特
徴 を ∈ 14 lo 6弓
.
。 e り 550C 450C 350’ c 12 「
,
4 1,
6デ
/1(ssl
ぐ
1 図7
m と 11T の
関係
1.
8 lJ l.
2 L5 1.
4 t.
5曹
1−
5 7a T /lOK 図 81n(
11A
)
お よびln
k
と11T の関
係 誕 匚「
アル ミナセラ ミッ クス
接 合
体の静
疲 労 特 性 301も
った 模 様 を示 し
てい る.
そ の代 表 的
な例
と し て734
K
で σ=
・
30
MPa
を 負 荷
して4xIO4
秒
で破 壊
し たAl2
0s−
Al20
,(
L
)
試験片
の破
面
写
真
を図
9
に示
した
.
破壊
し た一
対
の破
面 に対 応
す る もの を 左右
に並べて示
してあ
る.
図
の(
a)はマ クロ写
真
で引 張側
に は全面
に わ た っ て ほ ぼ一
様
な網 目模 様
,
また 圧 縮 側
には放
物
線 模 様
が 見 ら れ る.
引 張 側
の拡 大 写 真
が(
c)
で,
左 側
の写 真
で は網 目
が浅
く,
その底
に はアル ミ ナ母地
が見 えてい る。
これに相 対
する破 面 (
右 側
の写 真 )
で は網
目 が 深 く,
その底
に は か な り厚
いAl
層
鯏 が残
っ てお り,
矢
印で示し た ように等 方 的
な割
れ が方
々 に生 じてい る.
ま た図
9
のA
同 士
,
あ るい はB
同
士の よ うに,
相
対
す る面
の ど ち ら側
で も同
じ模
様
の島
がい くつか見
ら れ る.
こ のよう
な島
は空 泡
ではな く
,
接 合 層
のAI
が分 離
破 壊
して で き た破 面
であ
ろう
.
図
9
(
b
)
は圧縮 側
の拡
大 写 真
であ
るが
,相 対
す る ど ち ら の面
に も アル ミ ナの母 地
は見
られな
い の で,
圧 縮 側
で は き裂
は接 合 層
の中
を進
んでい る.
多 数
の偏
平 な放 物 線
模様
は破 断
の直前
に接 合 層
の中
を き裂
が か なり急
速
で伝
ぱ した
ことを物
語
っ てい る.
接
合
層 は 金 属A1
の薄
膜 が被 接 合 体
に狭
ま れ た状 態
に あ る.
接 合 境 界
で の滑
り は生
じな
い と仮 定 す
る と,
接
合 層内
に お け る曲
げひずみ は一
軸
の状 態
に拘 束
され るの で,
応力
は圧縮 側
で は ほ ぼ静 水 圧 縮
,引
張
側
で は ほ ぼ静
水引 張
の状 態
となり
,
引 張 側
で は空 泡
が発 生
し やすい〔9,,
図
9
に見
られ る網 目模 様
は 発 生 し た 空 泡 が 圧 縮 側 引 張 側 (a ) 破 面のマ クロ写 真 (x35 ) (b) 圧 稲 側の破 面に見 られ る放 物 線模 様 (×200) (c ) 引張側の破面に見られる網目模様 (x200 ) 図9
アル ミ ナー
アル ミナ接 合 体 (接 合 温 度903K
)の疲 労 破 面のSEM
写 真 1 *1接合層に純 Alが残 っ ていると は思わ れ ない が,
ど の ような合 金 化 合 物,
あるい は そ れ ら の混合 物であ るか確か め てい ない の で以 下の論 文で はAl層
,
あ るい はA1薄 膜 と呼ぷこ とに し た.
一
一
302
アル ミナセ ラミ ックス接 合 体の静 疲 労 特 性(a ) dt
・
20.
3 ym,
σ=
58 MPa,
tf・
=
O.
14 ks(b) d
=
57.
9岬,
σ=
30
MPa.
’尸 40 ks(c )
図 10 負 荷 応 力と網 目模 様の大き さ の関 係 (×
200
)d
=
136
μm,
σ=
・
21.
5MPa,
tf=
143 ks3b
と 17 15 13 9窒
o 3.
o 4.
oInd 50 図111n
(
σtf)とln
d
の関 係 6.
o成
長 し,
互い に合 体
して でき た もの と 思 わ れる.
した がっ て網 目
模
様
と放物線模様
と の境
界
は破壊時
に お け る中
立軸
の位 置
に対 応
し ている.
接 合 層に生 じ た 空 泡 核の直 径 を
d
。と し てA1
の表
面
エ ネル ギー
をγ,
応力
をσ と す る と,
要
・咢
一 …・
………・
…… ・
……・
…・
…・
…・
(1
・)
な
る条 件 を満 足 す
る核
,
す な わ
ち半 径
が2
γ1
σ よ り大
き な核
は成 長
す ることがで き る“ °).
核
生成
が接 合 層 内
で ほ ぼ均一
に起こっ て,
それらすべ て の核
が一
様
に成
長 した
とすれ
ば,
破 面
に見
ら れ る網 目
は式 (
10
)
の関 係
か ら,
負 荷 応 力
が高
い ほ ど小
さく
なる はず
であ
る.
試
験 温 度
734K
に お い て負 荷 応 力
が異
な る場 合
の破 面
を 図
10
に示 し た が,
期 待
し た よう
に応 力
が高
い ほ ど明
らか に網 目
は小 さい.
核
と核
と の間 隔
が a であ
る方陣 状
に均
一
な核
生成
が起
こり
,
それ
らの空 泡
が一
様
に成 長 し
て合 体 す
るま
で の時 間
t
を 原 子 空 孔の拡 散に基 づい て計 算 し た 結 果 に よ る とcs) ,t・・
謂
一 ・
・
………・
・
・
・
・
………・
・
…・
(
11
)
こ こでT
は温 度
,
Dg
は粒 界 拡 散 係 数
,
a’
は偏
差 応力
,
ま たC
は物 性 常
数 で あ る.
こ の式の a は破
面の網 目 の平 均 直 径4
にほ ぼ 対応
し,
ま たt
は疲 労 寿 命
t
/ に比 例
してい る と考 え
てよい**2.
破 面 写
真
か らd
を測
定
し,1n
(
σt
ノ)
とln
d
と を プロ ッ ト し て図
11
に示 し た.
静疲
労寿 命
が 数 分 以 内の もの (ひげ
のつ いた三つ の測 定 点 》
を除
け ば,
ほ ぼ直線 関係
にあ
る と み て よい.
し た がっ てk
を温 度
に依 存
す る常 数
とす れ ば,
,・
一一
Zl
’1
・
………・
・
………
(12
) この式の指 数 n を 求 め て 図中
に示 し て あ る が,
その平均 値
は2.
68
と な り,3
に非 常
に近
い値
で あ る.
ま たパ ラ メー
タk
の温度
依 存 性 を 図8
の点 線 で 示 して あ る が,
アレニ ウス型 で 見 か けの活性 化
エ ネル ギー
と し てQ
・
=
160
kJ
/
mo1 が 得 ら れ た.
この値 はAl
の 自 己拡
散 に対 す る 活 性 化エ ネル ギー
に極
め て 近い値 で あ る.
し た がっ て式 (12
)
のk
は原
子 空孔
の拡 散
と密 接
な関 係
にある パ ラ メー
タであっ て,
実 験 式 (
12
)
は式(
11
)
に よ く対
応 してい ること が わか る.
こ の よ う な
考 察
か ら接合 層
に おけ る曲
げ静疲 労
の過
程
は,
(
1)引 張 側
に おける空泡 核
の生成
,
お よ び 生 じ た 空泡
の成 長
,
そ の結
果 として起こ る(ii
)
セ ラ ミック ス と接 合 層
と の はく離
による き裂
の生成
,
(
iii
)
き裂
の成 長
お よび最終 破 断
か ら な る もの と思
わ れ る.
(
b
)
高温
で接 合
し た試
験 片
接 合 温度
1073K
のAl203
−
Al
,O
,(
H
) 試 験 片
は静 疲
労
の試 験 温 度
や負 荷 応 力
の値
,
し た が っ て寿命
に もあ まり関係
な く,疲 労 破 面
は ほ ぼ同
じ よう な模 様
を示 し てい る.
一
例
として温 度
788K
で σ=
48
.
2
MPa
を負 荷
** 2 厳 密 には 式 (11
)の t は 空 泡 成 長の時 間であ るから,
tfから核 生成ま で の時 間 を差し引いた時間に ほ ぼ等しい.
こ こ で は簡 単の た め t=
β鼠 β〈1)と考え る.
アル ミナセ ラ ミッ クス接 合 体の静 疲 労
特 性
303
して46900
秒
で破壊
した試 験 片
の破 面
を図
12
に示 した
.
写 真 (
a)
はマ クロ写 真
で,
圧縮 側
に薄
黒 く見 え る層
があ り,
そ の境 界 線 (
矢
印)
は 引 張 り一
圧 縮の境 (中
立 軸 )
に対 応
してい る よ うであ る.
こ の境 界
部
を拡 大
し た写 真
が(
b
)で,
明 ら かに組 織
の相 違
が見
ら れ る.
引 張 側お よ び 圧 縮 側 を1000
倍
に拡
大 し て(
c)
お よび(
d
)
に示 し た,
引 張 側
で は ほ ぼ全 面
にわた
っ て約
2
〜
5
ym
程度
の粒
が多数 見
ら れ,
これ はア ル ミナ母 材
の表
面
で あ る.
細
い網 目
はA1
薄 膜
で,図
9
の網 目
に比
べ て その大 き さ
は極
めて小
さく
, ま た網 目
の大
き さ は負 荷
応 力
や試 験 温 度
によっ て大
き な変 化
は見
ら れ な か っ た.
Al2Q
,−
Al20
,(
H
)
は静 疲
労
強
度
が高
いか ら,
負荷
応
力
も高
いの で式 (
10
)か ら網 目 は当
然 小 さ く な る が,
式(
12
)
か ら期待
さ れ る大
き さ よ り も は るか に小 さい よ う であ
る.
図 (
e)
は網 目
の拡 大 写 真
で,Al
薄 膜
が緻 密
に アル ミ ナ粒
子 群 を 囲い 込 み機
械
的
な結 合
の よう
であ
る.
図 (d
)は 圧 縮 側の破 面で,
図
9
の場 合
,
圧 縮 側
に は空
泡
が見
ら れ な かっ たことに対 応
して,
こ の写 真
に は網
目 は全
く見
ら れ ない.
静
水圧
の も とでは 空泡 核
の生
成
は起
こ ら ないの で あ るか ら(e ],
網 目
が見
ら れ ない境
界
線 [
図 (
a)
矢 印
]
は中
立軸
が破 面
の中央
から
こ こま で移 動
して きた ことを示 し
てい る.
相 対 す
る破 面
もこ の写 真
と同
じ よ うな模 様
を 示 して お り,
き裂
は接 合 境
界
に沿
うの で はな く接 合 層
の中
を横
切っ て最終破断
が起
こった
と思 わ れ
る.
3・
4
低 温
で接 合
した継 手 (
L
)
**3 と高
温 で接 合
した継 手 (
H
)
**s との比
較
以 上に述べ た結 果
お よ び考
察
に よ り,
903K
で接 合
し た3
種
類の継 手 は 同 じ よ うな特 性
を 示 し た が,
これに対
して1073K
で接 合
し た継手
の静疲労特性
の相 違 点 を挙 げ
る と,〔
i
)
静 疲 労 強
度
は (H
)の ほ う が(
L
)
よ り も約
5
倍 高
い.
(
ii
)
疲 労
寿
命
の応 力指 数
m は(
L
)
で は著
しい温 度 依 存 性
を 示 し た が,
(
H
)
で は顕 著
でない.
(
iii
)
破 面 観 察
に よ り (L
) では 空泡 成 長
の過 程
が明 白
に伺
わ れ た が(
H
)で は あ ま り明
ら か で な く,
負 荷 応 力
や試
験 温度
によっ て破 面模
様
に著 し
い変 化
は見
られ な かっ た.
(
iv
)(L
)で は引 張
側 破 面
に等 方 性
の割
れ が観 察
さ れ た が (H
)には見
られ な かっ た.
こ のよ う な 相 違 点 が 接 合層
の厚さ が薄
く, し た が っ て変 形 拘 束
が厳
しい こ とに よ る もの か,
あ
る いは高 温
で接 合
した もの では化 学 的
な 接合
反 応が一
部
進 行
し ているた
め で あ るか(11 },
今
の ところ 明 ら かで な い.
しか し両 者
で静 疲 労
の基 本 的
過程
その もの は同
じ 圧 縮 側 引 張 側 〔a) 破 面のマ クロ写真 (c)引 張側の拡 大 写 真 (XlOOO ) 圧 縮 側 引 張 側 〔
b
) 圧 縮一
引 張 境 界部の拡 大 写 真 (×200) (d
) 圧 縮 側の拡 大 写 真 (×1000) (e ) 引張 側の拡大写 真 〔×5000) 図12
高
温 で接 合し た アル ミ ナー
アル ミナ接 合 体 (接合
温度
1073K
)の疲 労 破 面のSEM
写真
艸 3 低 温 で接 合 し た三種 類の接 合 体を(L)と略記し,
AIK〕,
−
Al20,
(H)を (H)と略 記 する.
一
一
304
アル ミ ナセ ラ ミ ッ ク ス接合 体
の静
疲 労 特 性 であ
ろう
と思 わ
れ る.
ま た被
接 合 体 を剛 体
と み な し た が,
実 際
には被 接 合
体
の変
形が接 合 層
の挙
動に影 響 を与
え るこ と も考
え ら れ,接 合
体
全
体
の静 疲 労 特 性
につ いて の詳細
は今後
の研 究
に ま ち たい.
4.
結
論
接 合 温 度
903K
で接 合
し た アル ミ ナー
ス テ ンレス鋼
お よ びア ル ミ ナ同 士
,
並 びに1073K
で接 合
した アル ミ ナ 同 士の接 合 体
につ い て曲
げモー
メ ントー
定
の静 疲
労 試 験 を行
い,次
の よ う な結 論
が得
られ た.
(
1
)
Al
,O
,−SUS
接 合
に お い て は,
繰
返
し応 力 を
付 加
し て も静 疲 労 特 性
に対 す
る影 響
は ほ と ん ど ない.
そ し て アル ミ ナ接 合 体
の疲 労 特 性
は被 接 合 体
の種 類
や接 合
法に関係
な く,接 合
層
の強度特
性
に支 配
さ れ る.
(
2
) 低 温
で接 合
し た継 手
で は 応力 指 数
m の温 度
依 存 性
が顕 著
であ
P ,
寿
命
評 価 式
として次 式
が導
かれ た.
t
−
(
毒
)
(
÷
)
m° ・x ・{
一
騁
判
(
3
) 高
温で接 合
し た継
手で はm の温 度
依 存
性
はあ
ま り顕 著
で は ない ので,
m を温 度
に は無 関 係
なパ ラ メー
タ とし寿命
評価 式
と して次式
を得
た.
÷
一
去
σ御
exp{
一
巻
}
こ れ ら の式
か ら計 算
し た tfの値と実 測 値
と の間
に こ の実
験の温 度 範 囲
で は よい一
致 が 得 ら れ た.
(
4
) 疲労 破 面
のSEM 観
察
に よPAI
−Al
,O
,nt
合
は主
と し てA1
薄 膜
と アル ミ ナ粒 子 群
との機 械 的 結 合
によ ると思
わ れる.
(
5
) 低
温 で接
合
し た継 手
の破 面 観 察
か ら 曲 げ静
疲
労
の 過程
は(
i
)
静 水 引 張 応 力
の も とにお け る 空泡 核
の生 成
と その成
長
,
(
ii
)空泡
の成 長
と平行
して起 こる接
合境
界 層
の はく離 破 壊
,(
iii
)
は く離
に よっ て生 じた き
裂
の成
長
か ら成
るも
の と思
わ れ る.
こ の
研 究 を進
め る に当
た り研 究費
の一
部
は浅 野
スレー
ト(
株 )奨 学 金 (
平
成
3
年
度
)
に よるも
の であ
ること を付 記
し て謝 意
を表
す.
文
献
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C
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