第6学年 国語科学習指導案
平成22年6月22日(火) 江戸川区立鹿骨東小学校 6年1組 29名 指導者 重松 栄子豊かな読みの力を育てる指導法の工夫
~文学教材の指導を通して~
1.単元名 人間を見つめて読もう 学習材 「川とノリオ」 いぬい とみこ《物語文》 2.単元の目標 【関心・意欲・態度】 ・登場人物の心情や場面を自分なりに考えながら作品を読もうとする。 【話すこと・聞くこと】 ・自分と友だちの考えの共通点や相違点に着目しながら話し合う。 【書くこと】 ・話し合いを生かして考えたことを、自分の言葉でまとめる。 【読むこと】 ・变述をもとに登場人物の心情や場面を想像しながら読む。 【言語事項】 ・比喩や擬人法、体言止めなどの表現の工夫について、その効果をとらえる。 3.単元の評価規準 国語への関心・ 意欲・態度 話す・聞く能力 書く能力 読む能力 言語事項 B 变述に即して、 登場人物の心情 を進んで理解し ようとしている 。 自分と友だちの 考えの共通点や 相違点に着目し ながら話し合っ ている。 話し合いを生 かして考えた ことを自分の 言葉で書いて いる。 变述をもとに登 場人物の心情や 場面を想像しな がら読んでいる 。 比喩や擬人法、体 言止めなどの表 現の工夫につい て、その意味をと らえている。 A 变述に即して、 優れた描写を味 わいながら、心 情を理解しよう としている。 友だちの考えを 生かしながら自 分の考えを述べ ている。 話し合ったこ とでさらに深 まった自分の 考えを書いて いる。 話し合いを生か して、さらに自 分の読みを深め ながら読んでい る。 比喩や擬人法、 体言止めなどの 表現の工夫につ いて、その効果を とらえている。 4.単元について (1)教材について 「川とノリオ」は、作品全体を通してノリオの視点で描かれている。母ちゃんやじいちゃんが生 まれるもっと前から流れている川。その川とともに、ノリオは成長していく。 母ちゃんに背負われて、あったかいはんてんの中でかいだ春の川のにおいからノリオの記憶は 始まる。父ちゃんが出征し、母ちゃんは日に日にやつれていっても、幸せな小さな神様だったノ リオ。ところが、ヒロシマの原爆が母ちゃんをうばい、父ちゃんも小さな箱になってかえってくる。懸命にノリオを育てるじいちゃん。だが、幼いノリオは自分が両親を失ったことを理解でき ない。ただ、たのもしそうな父ちゃんがこぐ自転車の後ろに乗り、笑っているタカオをじっと見 つめる。 小学二年になったノリオは、工場に働きに出るじいちゃんと暮らし、やぎっ子の干し草刈りの 仕事を与えられている。いくたびめかの8月6日。じいちゃんから聞いた、ヒロシマ原爆投下直 後の町の様子を思い浮かべる。そこに、子供の手を引いた白い日傘の女の人が通り、目を奪われ る。再び、やぎっ子の干し草刈りに精を出すノリオだが、心の中では「母ちゃん帰れよう」と叫 ばずにはいられない。 このようなノリオとノリオを取り巻く人々の心情を、常に変わらず流れ続ける川と対比させな がら、その場面の情景とともに想像し、豊かに味わわせたい。小学6年生の児童も程度の差はあ るが、いろいろな状況の中で傷つき、笑ったり泣いたりしながらも懸命に生きている事は、ノリ オと同じである。「いなかびたひと筋の流れ」が、ノリオの時代から現在まで流れ続けているこ とを、自分のそばにもあることを理屈だけではなく感覚を通して理解することによって文学的感 動を味わうことができる。登場人物の心情や場面の様子を豊かに想像しながら読み進めることに よって、児童なりの「人間の生き方」への考えを持たせることをねらいとした単元である。 大きな山場も派手な結末もなく淡々とした变述の上、登場人物の心情が直接描写されることが ほとんどないため、人物の様子や行動、状況などから心情を想像することが求められる。また、 文中には擬態語、擬音語、比喩表現、擬人法、体言止めなどの表現技法が多用されていて、これ らが人物の心情理解にもつながる表現となっているので、一読しただけでは登場人物の心情に迫 ることは難しい。变述を丁寧におさえながら、人物の心情を想像する手がかりとなる表現を探し、 話し合う活動を通して、登場人物の心情や場面の様子を思い描き読み進めていきたい。 (2)児童の実態 《日常の活動から》 課題に対してはまじめに取り組み、運動会の組体操など目標を持った時に全力投球しようとす る意欲の高い児童が多いが、学習能力の個人差が大きい。 図書館などを積極的に利用して読書を楽しんでいる児童がいる一方で、家ではほとんど本を読 まず学校での読書の時間などに、図書室で借りた簡単な物語を読むにとどまっている児童も数名 いる。 朝の会では、ニュースを題材にスピーチを行っている。テレビや新聞、インターネットから題 材を選び自分なりにニュースをまとめ、それについての感想を述べるというもので、昨年から継 続している活動である。ニュースの選び方や感想はまだつたないが、話のまとめ方は上達してき た。 書く活動ではほぼ一週間に一度の割合でだす日記に取り組んでいる。授業中あまり発言しない が書くことで思いを表すことが好きな児童が何人かいる。ただ、何を書いたらよいのか分からず ありきたりな文章になってしまう児童も男子に多い。 《文学教材について》 6年生になって最初の物語教材「美月の夢」で、「①初発の感想から課題作り②場面ごとのひ とり読み→話し合い→まとめ③紹介文を書く」という学習を経験している。話し合い活動で友だ ちの考えを聞き、それを学習のまとめで自分の考えに生かせる児童が多くなってきた。ただ、主 人公美月の心情が表れている表現を見つけ、自分なりの考えを書き込むことはできても、自信を 持って自分の考えを発表することができない児童や、自分の考えを文章に表すことが苦手な児童 がいる。また、話し合い活動が考えを発表しあうだけになってしまい、話し合いになっていない ことも時々あり、今後の課題である。 (3)主題に迫るための手立て 「豊かな読みの力」を平成16年2月に出された文部科学省・文化審議会答申「これからの時 代に求められる「国語力」から4つの視点で考えた。 考える力 ・・・变述にそって的確に読み取る力
感じる力 ・・・变述などから情景や登場人物の心情を感じ取ったり、感動したりする力 想像する力 ・・・読み取ったことから情景や心情を想像したり、自分のこととして想像し たりする力 表す力 ・・・考え、感じ、想像したことを自分の言葉で発言したり、書いたりする力 今回の学習活動の中で、この4つの力を育てることが「豊かな読みの力を育てる」ことになる のではないだろうか。そのための手立てを次のように考えた。 《学習活動の中での手立て》 ①あらすじをつかむ。 考える力 感じる力 想像する力 表す力 まず範読を聞くことから学習を始め、家庭学習で音読したり、意味調べをしたりする中でだい たいの内容を一人ひとりがつかめるようにする。その後、クラス全体で場面ごとに、時、登場人 物、主な出来事に着目しながらあらすじを確認する。あらすじを確認することで、大きな読み間 違えを防ぐねらいもある。 ②初発の感想を交流し、学習のめあてを設定する。 考える力 感じる力 想像する力 表す力 「思ったり、考えたりしたこと」「心に残ったこと、考えたいこと」を初めの感想で書く。そ れを一覧にまとめたものを児童に配布し交流する中で学習のめあてを話し合う。子供の様々な考 えや疑問が集中した感想の中に作品の主題に深く関わっていることが多々ある。それを取り上げ ながら、学習のめあてを作っていく。児童自身の感想や疑問からめあてを作ることにより、児童 の目的意識が高まり意欲的に学習に取り組むことができると考える。 ③ひとり読みをじっくり行い、印象点(心に残ったところ)にサイドラインを引き、書き込みを する。 考える力 感じる力 想像する力 表す力 文章に一人で向き合い、じっくり考える時間を作る。学習のめあてを解決するために、心に残 ったところ(印象点)にサイドラインを引き、考えたことを書き込んでいく。 ④話し合い(小グループ対話・全体交流)を行う。考える力 感じる力 想像する力 表す力 自分の読みを作ったあと、それを発表する。自分と友達の考えの共通点や相違点に気付き自分 の考えに生かしていくことで一人ひとりの考えをより深めていくことができる。全体の場で発言 することが苦手な児童もいるので、まずは小グループで交流した後、全体での話し合いにつなげ ていく。 ⑤授業のまとめとして書く活動を行う。 考える力 感じる力 想像する力 表す力 話し合いの後、毎時間書く活動を行う。書くという活動を通して、自分の考えを再度振り返り、 その時点での考えをまとめることができる。言葉でまとめることにより、自分の考えを再認識し、 整理したり再考したりできる。 ⑥単元のまとめとして「川とノリオ」の関係を考え、最終感想を書く。 考える力 感じる力 想像する力 表す力 場面一の「川」の様子や各場面に出てきた「川」の表現を振り返り、「川とノリオ」の関係を 考えることで、この物語の主題を話し合う。また、最終感想を書くことで、学習をふり返り自分 自身の考えの深まりを確認する。
《学習指導における工夫》 また、学習活動を効果的に進めるために、次のような工夫を考えた。 ●ワークシートで学習を進める。 場面ごとに一枚のワークシートを作成し、文章にサイドラインや書き込みができるようにする。 挿絵も児童の読みを助けるものになると考え、極力入れるようにする。また、ワークシートは学 習ノートとしてまとめ、これまでの学習をふり返ることもできるようにする。 ●話し合うポイントを焦点化する。 学習のめあてを解決する上で大事なところに焦点化し話し合いをする。話し合いの山を作 ることにより効果的に話し合いが進行し、一人ひとりの考えをより深めることができる。 そのために、個々の考えをまず小グループで集約し、全体の話し合いに生かせるようにする。 また、全体での話し合いで挙手サイン(グー・チョキ・パー)を取り入れる。挙手サインで、前 発言に対する自分の立場をはっきりさせると、発言意図に沿って話しやすくなり、聞く側にとっ ても発言の趣旨がつかみやすい。 ●時代背景について理解を深める。 戦争、とりわけ広島の原爆を取り扱ったものであるため、それについての十分な理解が必要で ある。時代背景を知るために 広島の原爆を体験した方の関係者からお話をうかがったり、ビデ オ「うしろの正面だあれ」を視聴し、戦時中の生活の様子を理解できるようにする。また、中央 図書館の団体貸し出しを利用し、戦争や原爆に関わる資料や物語を教室の中に置き、児童がいつ でも手に取れるようにする。 5.学習指導計画(全 14時間) 時 学習活動 ◎支援 ◆評価(評価方法) 第 一 次 1 ○題名について話し合い、どんな話かを想 像する。 ○「川とノリオ」の範読を聞く。 ◎川について話し合うことでイメージを広 げる。 ◎登場人物、いつ、どこでという設定をおさ える。 ◆作品への興味をもつ。 (発言・態度) ◎音読、難語句の意味調べを家庭学習にする 。 2 ○あらすじを確かめる。 ・場面ごとの時、登場人物、出来事をおさ える。 ◎場面を(1)~(9)に分け、あらすじを まとめていく。 ◆話の流れをおさえる。(発言・態度) 3 ○初発の感想を書く。 ・思ったり考えたりしたこと ・心に残ったこと ・みんなで話し合いたいこと など ◎心に残ったことを中心に感想を書くよう に指示し、今後の学習の材料にしていくこと を伝える。 ◆作品に興味をもち感想を書く。 (ワークシート) 4 ○初発の感想を交流する。 ・共通点・・青、相違点・・赤で印をつけ ながら感想を読む。 ○あらすじ・感想をもとに、学習のめあてを 設定する。 ◎児童の感想をまとめた物を配布し、それを もとに学習のめあてを設定する。 ◎児童の感想をできるだけ生かしながらノ リオや登場人物の心情の移り変わりを読ん でいくめあてにする。 ◆友達の感想や考えに対して自分の意見を 発表する。 (発言・態度) 5 ○場面(1)プロローグを読む。
第 二 次 ○川について想像できるところにサイドラ インを引き、感じたことを書き込む。 【課題例】川について考えよう。 ○発表し、話し合う。 ○表現技法(擬音語、擬態語)について知 る。 ○「川」についてのイメージを書く。 ◆川についてイメージをふくらませる。 (ワークシート・発言) ◎話し合いの中で出てきた時点で、擬音語、 擬態語を取り上げ、おさえる。 ◆「川」についての自分なりの考えを書く。 (ワークシート) 6 ○場面(2)「早春」を読む。 ○心情を表している所にサイドラインを引 き、どんな心情を想像できるか書き込む。 【課題例】ノリオ、父ちゃん母ちゃんの気 持ちを考えよう。 ○発表し、話し合う。 ○表現技法(視点・体言止め・倒置法)に ついて知る。 ○ノリオ、父ちゃん、母ちゃんの心情を想 像して書く。 ◆ノリオや父ちゃん、母ちゃんの心情を想像 する。 (ワークシート・発言) ◎話し合いの中で表現技法の部分に話が及 んだ時に説明をするようにする。 ◎視点については他の場面でも確認する。 ◆話し合いをふまえ、自分なりの考えを書く 。 (ワークシート) 7 ○場面(3)「また早春」を読む。 ○母ちゃんとノリオと川の結びつきを考え ながら、心情が分かるところにサイドライ ンを引き、書き込む。 【課題例】くり返し川に入るノリオの気持 ちを考えよう。 ○発表し、話し合う。 ○表現技法(擬人法)について知る。 ○ノリオや母ちゃんの心情を想像して書く 。 ◆ノリオの心情を想像し、ノリオの幼さやま わりの状況を理解できない無邪気さを理解 する。(ワークシート・発言) ◎話し合いの中で擬人法の表現に話が及ん だ時に説明をする。擬人法を使うことで受け る印象を話し合わせる。 ◆話し合いをふまえ、自分なりの考えを書く 。 (ワークシート) 8 ○場面(4)「夏」を読む。 ○B29の飛来とその時の母ちゃんとノリ オの心情が想像できるところにサイドライ ンを引き、書き込む。 【課題例】ノリオと母ちゃんの気持ちを考 えよう。 ○発表し、話し合う。 ○擬人法・暗喩表現の意味するものを考え る。 ○「・・・川の音だけがはっきりと聞こえ ていた」について印象を書く。 ◆ノリオや母ちゃんの心情を想像する。 (ワークシート・発言) ◎話し合いの中で擬人法・暗喩表現が出てき た時にそれが何を表しているか考えさせる。 ◆川の様子の文章について自分なりの印象 を書く。 (ワークシート) 9 ○場面(5)「八月六日」を読む。 ○ずっと母ちゃんを待っていたノリオの心 情が分かるところにサイドラインを引き、 書き込む。 【課題例】母ちゃんを待つノリオの気持ち を考えよう。 ○発表し、話し合う。 ○擬音語・暗喩表現の意味するものを考え る。 ◆母ちゃんを待つノリオの心情を想像する。 (ワークシート・発言) ◎話し合いの中で擬音語・暗喩表現が出てき た時にそれが何を表しているか考えさせる ◆表現がノリオの不安な心情を表している ことに気付く。 (ワークシート・発言) ◆話し合いをふまえ、自分なりの考えを書く
○ノリオの心情を想像して書く。 。 (ワークシート) 10 ○場面(6)「おぼんの夜」(7)「また 秋」(8)「冬」を読む。 ○残されたじいちゃんとノリオの心情が分 かるところにサイドラインを引き、書き込 む。 【課題例】残されたじいちゃんの気持ちを 考えよう。 ○発表し、話し合う。 ○「川がさらさらと歌っていた」について の印象を書く。 ◆じいちゃんの心情を想像する。 (ワークシート・発言) ◆川の様子の文章について自分なりの印象 を書く。(ワークシート) 11 ○場面(9)「また、八月の六日が来る~ 前半~」を読む。 ○また八月六日を迎える小学2年のノリオ の様子や心情が分かるところにサイドライ ンを引き、書き込む。 【課題例】また八月六日を迎える、小学2年 のノリオの気持ちを考えよう。 ○発表し話し合う。 ○ノリオの心情を想像して書く。 ◆小学2年のノリオの心情を想像する。 (ワークシート) ◆話し合いをふまえ、自分なりの考えを書く 。 (ワークシート) 12 本 時 ○場面(9)「また、八月の六日が来る~ 後半~」を読む。 ○ノリオの様子や心情が表れている所とそ こから分かることを話し合う。 ○小学2年のノリオの心情を想像し、自分 の考えを書く。 ◆小学2年のノリオの心情を想像し話し合 う。 (ワークシート・発言) ◆母を求めながら、また仕事を始めたノリオ の姿をふまえて、自分の考えを書く。 (ワークシート) 第 三 次 13 ○「川とノリオ」の題名は何を意味するの かについて考えて、ワークシートに書く。 ○発表し話し合う。 ○最終感想を書く。 ◆「川とノリオ」の関係について自分の考え を書き、話し合う。 (ワークシート・発言) ◎初発の感想と比較し、考えが深まった所を 考えさせる。 ◆今までの学習をふまえ自分なりの感想を 書く。 (ワークシート) 14 ○本文中の表現技法について確認し、その 効果を考える。 ◆擬態語、比喩表現、擬人法、体言止めなど の技法が使われていたことを確認し、その効 果を理解する。 (発言、ノート)
6.本時の学習(12/14) (1)本時のねらい ・また、「八月の六日」を迎える小学2年のノリオの行動と心情を読み深める。 (2)展開 学 習 活 動 ◎支援 ◆評価(評価方法) 1.本時の学習のめあてと学習範囲(場面(9)~ 後半~)を確認する。 ◎全文を掲示する。 ◎学習のめあてを書いた短冊を掲示する。 2.場面(9)「また、八月の六日が来る」を 音読する。 3.ワークシートの書き込みをもとに小グループで お互いの考えを紹介し話し合う。 ◎音読範囲は場面(9)全部とする。 ◎ ワークシートを回覧しながら共感・疑 問・反論に分けて線を引かせる。 ◎意見は無理に一つにまとめるのではな く、異なる意見も合わせてまとめるよう助 言する。 ◎グループの意見カードは掲示し、個別の 意見は書き込んでいく。同じ部分について の意見は並べて掲示する。 ◎友だちの意見でいいなと思うものがあ ったら自分のワークシートに記入して良 いことを伝える。 ◆变述に即して、小学2年のノリオの心情 を想像し話し合うことができたか。 (発言) ◆ 母を求めながら、また仕事を始めたノ リオの姿をふまえて、その心情を想像し自 分の考えを書くことができたか。 (ワ ークシート) ◎ステップカードで振り返らせる。 【話し合いの手順】 ①司会を決める。 ②ワークシートを回し読みして、一人ひとり色 の違うペンで共感=波線、疑問・反論=直 線を 記入する。 ③線のついたところについて話し合う。 ④グループの意見をまとめる。 (線の集中したところを1~2カ所選び、 意見をまとめる) ⑤カードに記入する。 4.全体で話し合い、ノリオの行動と心情を読み 深める。 【話し合いでの挙手サイン】 関連意見・・・チョキ 反論 ・・・グー 別件 ・・・パー 6.小学2年のノリオの心情を想像し、自分の考え を記入する。 7.学習の振り返りをする。 (3)本時の視点 ・また、「八月の六日」を迎える小学2年のノリオの行動と心情を読み深めることが できたか。 ・書き込みをもとにしながら、話し合うことができたか。 また、「八月の六日」をむかえる小学2年のノリオの気持ちを考えよ う。
7.協議会記録 (1)分科会提案 ・ 本時の話し合い活動の最後に、当初はノリオに第三者の位置から呼びかける言葉でのまと めを考えた。事前授業を行う中で、ノリオの心情に迫るまとめにならないということがわ かり、話し合いを生かして、ノリオの心情を想像しそれを吹き出しの中に書く活動にした。 ・ 全ての場面を振り返り、もう一度「川とノリオ」という題名の意味するものについて考え 合う活動を入れた。場面ごとの話し合いの中で、個々に意味や様子の考えも出されてきた が、全てを通して振り返ることで、再度「川」のもつ意味、ノリオにとっての「川」・・ ・を考えさせたかった。 (2)講評【講師 坂入信敏先生】 ・ 研究テーマである「豊かな読み」の定義は学年ごとに先生たちが話し合って決めていけば 良い。ただ、正しく变述から読みとることは大切である。子どもたちは描写から登場人物 の心情をよく読みとっていた。 ・ 色について着目させることは大切である。文学の中では色は重要な役割を果たすことが多 い。(例「ごんぎつね」)子どもたちが気づかないようだったら出していく必要もある。) ・ 教室にこれまでやった場面の掲示がしてあり、子どもたちの興味関心が持続していた。 ・ 青木幹勇先生(元東京教育大付属小)は話し合いを活発にするには、5行ぐらいの内容が 良いと言っていた。「サクッ、サクッ、サクッ、母ちゃん帰れ。・・・」のところに焦点 化して話し合いをしても良かったかもしれない。 ・ 話し合い活動はまず形から教えていく。学級会やディベート(テーマの例「地球は球体か 平面か?」)などでも良い。繰り返し練習し、体に染みつくまで教えていくべき。 ・ 国語の学習の中には、最後にまとめる必要のない場合もある。今回のように「気持ちを考 えよう」という課題の時、何通りもの考えが出てきて当然なので、一つの結論にまとめる 必要はない。ただ、教員の側で「こういう読みとりをさせたい」という出口を用意してお く必要がある。そのために教材研究を充分に行うことが大切である。 ・ 授業形態(一斉→小グループでの話し合い→コの字の形で全体での話し合い)が良かった。 8.成果と課題 ・ ひとり読み→小グループの話し合い→全体での話し合いという話し合いの流れの中で、自 分の考えを自信をもって発表できる児童が増えてきた。特に小グループでの話し合いを間 にいれたことが、発表することに抵抗のあった子どもたちには有効であった。 ・ 話し合いで考えが深まったことを子どもたち自身が実感し、次への学習の意欲につなげる ことができた。 ・ 話し合いが意見の発表のし合いになってしまう場面が幾度かあった。話し合いの山場をど こにもっていくのか、焦点化するポイントを指導者側がしっかりもっておく必要がある。 そのためには充分な教材分析、教材研究が必要である。