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�4章
東海地震注意情報が発表された場合
警戒宣言が発令された場合
この章では、東海地震注意情報が発表された場合や、警戒宣言が発令された場合
の社会状況や自主防災組織の対応について説明します。
警戒宣言が発令された場合4
警戒宣言が発令された場合1 地震予知と警戒宣言
(1)地震予知
一般的に、「地震予知は非常に困難」とされていますが、予想される東海地震のように、陸地を含む 一定の地域で周期的に繰り返し起こっている大地震は、予知の可能性があるとされています。 東海地震の予知は、気象庁などの国の機関が中心となり、歪計などの観測機器を使って24時間監視 を行い、観測データの変化をとらえ、それが直ちに東海地震の発生に結びつくかどうかを判定しようと するものです。 現在、県内には、地震予知観測のため約 400 の観測施設が設置されています。 �水準点の��変化� 御前崎市内にある水準点は、掛川 市内にある水準点を基準にした場合、 季節的な上下運動を繰り返しながら 沈下をしています。 沈下が停止し、次に隆起に転じる とき、地震が起こると考えられてい ます。 (参考)東海地震予知観測を行うための歪計の配置図地震予知に使�れる観測データ
例14
警戒宣言が発令された場合 ●気象庁設置 ■静岡県設置4
警戒宣言が発令された場合4
�GPS による地殻変動�
GPS(Global Positioning System)とは、 人工衛星からの電波を受けて自分の位置を 求めるための装置で、一般ではカーナビゲー ションなどに利用されています。2 台以上の 装置を用いてデータ処理することにより、地 殻変動を観測し、現在ではミリメートルの精 度で精密かつ連続的に観測できるようにな りました。右図の矢印が地面の動いた方向と 大きさを表しています。
(2)東海地震��情報�東海地震注意情報�東海地震予知情報
科学技術の進歩により、警戒宣言の前に、観測データの変化の推移について説明できると考えられ、 東海地震の前兆現象の可能性が高まったことを示す情報が、気象庁から次の3つに区分して発表されま す。 東海地震��情報 観測データに異常が表れているが、前兆現象かどうか直ちに評価できない場合に発表されます。 (東海地震の発生のおそれがなくなったときや、東海地震とは直接関係ないと判断されたときにも発 表されます。) 東海地震注意情報 前兆現象の可能性が高まったと認められた場合に発表されます。これを受け、準備行動を始めます。 (※判定会開催は、この情報の中で報じられます。) 東海地震予知情報 東海地震が発生するおそれがある場合に発表されます。この発表と同時に、内閣総理大臣から警戒宣 言が発令されます。 (※東海地震注意情報と東海地震予知情報は、解除する場合にも発表されます。)(3)警戒宣言の発令
観測データの異常が増大し、東海地震の発生のおそれがある場合に、気象庁長官からの報告を受けて、 内閣総理大臣は、静岡県を含む「地震防災対策強化地域」に対して、「警戒宣言」を発令します。この とき、同時に気象庁では東海地震予知情報を発表します。 例2警戒宣言とは
「警戒宣言」とは「2~3日以内(または数時間以内)にマグニチュード8程度の大地震(東海地 震)が発生し、静岡県全域が震度6弱以上の地震の揺れに襲われる」という警告であり、「大規模な 地震の発生に備えて、安全の確保や準備を行ってください」という指示です。 警戒宣言が発令された場合4
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■ 警戒宣言が発令されるまで
�警戒宣言発令の���
(4)���震������警戒宣言が発令されたときの����
���震����の発�時
警戒宣言発令時
電気・ガス・水道 使用可能 (水道水は溜めておく) 使用できるが出来るだけ使わない 電話 使用可能 (ただし、利用者が急増すると通話規制がとられる) 使用可能 (利用者が急増し、通信規制がかかる可能性大) バス 原則として平常どおり運行 最寄りの安全なバス停等まで走行し、運行中止 鉄道 原則として平常どおり運行 最寄りの安全な駅等まで運行し停車 道路 平常どおり運行可 避難路などを確保するため、 幹線道路などで交通規制(車は徐行運転) 百貨店 部分的または段階的に営業中止 営業中止 (ただし、一定の耐震性がある店舗は営業継続可) コンビニ等 平常どおり営業 一定の耐震性が確保されている店舗は営業継続 銀行 平常どおり営業 営業中止 (ただし、一部の ATM は営業継続) 病院等 原則として外来診療制限 (急患を除く) 外来診療中止 (急患を除く) 学校・幼稚園 児童等の安全を考慮し、帰宅または保護者に引き渡す (特別支援学校等では、より前の時点で帰宅等) 閉校、閉園 (一部の教職員は待機) � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � ��の��行� � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � � 5点連打(繰り返し) ● ● ● ● ● 市町役場・消防署 45 秒(鳴) 15 秒(休) 45 秒(鳴) サイレン 45 秒(鳴)→15 秒(休) (繰り返し) 警戒宣言が発令された場合4
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� 東海地震注意情報発表時の対応
東海地震注意情報が発表された場合、自主防災組織としては次のような行動が考えられます。� 警戒宣言発令時の対応
警戒宣言が発令された場合、自主防災組織としては、次のような行動が考えられます。 活動拠点として、自主防災組織の本部を設営します。 ① 自主防災組織本部の設営 ア 役員等の所在を確認します。 イ 連絡体制を確保します。 ウ 防災資機材、備蓄食料の点検確認をします。 ① �警戒宣言発令時の本部設営に�けての準備 テレビ・ラジオ等により東海地震注意情報や生活関連情報を聴取し、冷静な行動の呼びかけを実施します。 津波や山・がけ崩れ危険予想地域では、お年寄りや身体の不自由な方等(災害時要援護者)、警戒宣言発令 時の迅速・円滑な避難が困難な者への事前避難を実施します。 ② ��等に注意情報発表を�知 ③ 避難対�地��の災害時要援護者の避難行動の実施 ア 情報班による情報収集・伝達体制を確認します。 イ 市町からの警戒宣言及び東海地震予知情報等が、正確に全家庭に伝達されているか確認、巡察します。 ウ 避難地にすでに避難している人もいるので、応急対策の実施状況について、必要に応じ市町へ報告し ます。 ② 情報の収集・伝達 防災倉庫の可搬ポンプ等の初期消火資機材の点検を行い、準備態勢を整えます。 ③ 初期消火の準備 警戒宣言が発令された場合4
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