第3学年 国語科学習指導案
平成17年11月25日(金)第1校時 指導者 3年1組担任 伊藤 恵子 1 単元名 語り名人になろう 題材名 「サーカスのライオン」(東京書籍 3年下 平成17年度版) 「文のくみたて」(ことばのきまり 3年 平成17年度版) 2 単元設定にあたり ⑴ 研究テーマ・学年でめざす子ども像 本校においては,「人とのつながりをめざす自己表現力の育成」という研究テーマを掲げて, 国語科の研究を進めてきている。3学年は, ○相手を意識して,自分の考えが分かるように筋道を立てて話したり,話の中心に気を付 けて聞いたりする。 ○友だちと協力する。 という目標を設定し,授業の中で対話を取り入れてきた。対話は,話し手が聞き手を意識して 適切に話し,聞き手は話し手のことを受け止めながら聞き,自分の考えを話し手に返すもので あり,人とのつながりの基本になるものであるととらえている。対話を通して互いの意見を交 流することができ,友だちの考えを聞いて自分の考えを深めることができる。また,相づちや 表情に気をつけ,話し手の意図や考えをくみ取りながら聞くことが,相手を尊重することにつ ながると考えている。 本単元においては,読解や語りの練習の際に対話を取り入れる。相手の話をしっかり聞き応 答するというような相手意識を持った活動を取り入れることで,本校の研究テーマにせまるこ とができると考えた。 ⑵ 児童の実態 本学級の児童は,2年生10月学習材「名前を見てちょうだい」で,時間的順序に沿って, 中心人物や登場人物の行動に気をつけて読む学習をした。2年生2月学習材「かさこじぞう」 では,場所に着目して場面をとらえる学習をした。3年生7月学習材「ゆうすげ村の小さな旅 館」では,時をあらわす表現に着目して場面をとらえ,あらすじをまとめる学習をした。それ らの学習を通して,物語を読むときには中心人物,登場人物,場所,時の変化に着目すること で,想像豊かに読むことができ,物語の世界をより楽しむことができると知り,それらを自分 の読みに生かそうとしている。また,各場面で中心になることをとらえてあらすじにまとめる 学習をし,大切なことばを見つけるなど,ことばにこだわり読むことの大切さも感じているよ うである。しかし,叙述をもとに中心人物の様子や心情を想像することは十分できていない。 話すこと・聞くことにおいては,自分が学習したことを表現することには意欲を持っており, 語りの練習にも積極的に取り組んでいる。語りなど繰り返し練習したことを発表する時には張 りのある声が出るが,自分の考えを発表する時には自信を持てず聞き取りにくい声になってし まうことがある。自分の考えを話すことに集中しすぎて相手の方を向いて話せないことや,仲 間の考えを自分の考えと比べながら聞くことができないことがある。相手を意識した話し方, 聞き方は十分とは言えない。また,語彙が少なく表現力が乏しいので,考えを深めたり書いたりする活動には集中できない児童もいる。そのために,ことばにこだわりを持って活動させる ようにしてきた。例えばA児は,家に帰るとビデオやテレビを見て過ごし,家族との会話が少 ない状況である。そのため語彙が少なく,友だちとのつながりも薄くなり会話が広がらない。 コミュニケーションを取ることの楽しさを体感させていくことが必要と思われる。1学期と比 べると特定の友だちとは話をするようになり笑顔もふえ,休み時間には冗談を言って友だちや 教師を笑わせることもある。日記にも相手に十分伝わる文ではないが,したことや思ったこと を一生懸命書いている。暗唱にも取り組み,少しずつ大きな声も出せるようになってきている。 また,友だちに助けてもらいながら発言もできるようになってきた。 ⑶ 本単元について こうした実態をふまえ,本単元においては,物語を語りで表現することを通して,相手を意 識して生き生きと自己表現できる力をつけたいと考えた。学習材「サーカスのライオン」は, 年老いたサーカスのライオンじんざが,サーカスの大好きな男の子とのふれあいによってやる 気を取り戻し,男の子のために命を投げ出すという心のふれあいの大切さを描いた作品である。 この学習材を使って,中心人物の気持ちの移り変わりを出来事の流れに沿って読み取り,それ を対話や話し合いによって深めていく学習を行う。友だちと読みを交流することで確かな読み の力と豊かな表現力を育てられると考える。また,語りをするためには,一人ひとりの細やか な読みが必要となってくる。くわしくすることばに目を向けさせることにより,深く情景や心 情を想像することができるようにさせたい。その際,副読本である「ことばのきまり」を活用 する。単元のまとめとして,語りを地域の保育園や幼稚園などに発表しに行く活動をする。語 りは物語を覚えて暗唱するだけでなく,相手意識を持ち視線をめぐらせて表現するものである。 児童は,より上手に語りができるように工夫をしたり,助言し合ったりすることを通して,相 手を思いやることや,相手を意識して話したり聞いたりすることができるであろう。こうした 学習を積み重ねることで,相手を思いやったり,相手を意識した話し方,聞き方をしたりする ことができ,互いを理解しよさを認め合っていける集団を目指していきたい。 ⑷ 本時の指導 本時は,くわしくすることばのはたらきを知り,くわしくすることばから文の様子を読み取 り音読で表現する場面である。まず,短文の中にくわしくすることばを入れる。次に,出来上 がった文を例文として提示し,主語をくわしくする文なのか,述語をくわしくする文なのかを 話し合う。そして,「ことばのきまり」でくわしくすることばについて確認する。最後に,読 み取った場面の様子や気持ちを音読で表現させることで,より想像豊かに読み取ることができ ることを感じとらせていきたい。A児においても文の構成を知ることが,今後の自己表現に生 きると考えられる。また,対話や話し合いを通して,互いに思いを伝え合うことは楽しく,仲 間とのつながりを強くすることを感じ取らせたい。 3 単元の目標と評価規準 ・物語の中心人物の気持ちの変化を考えながら読むことができる。 ・心に残った場面を,自分なりに工夫して語りをすることができる。 ・話の中心が分かるように話したり,自分の考えと比べながら聞いたりすることができる。
国語への 関心・意欲・態度 話す・聞く力 書く力 読む力 言語についての 知識・理解・技能 ・語りに興味を持 ち,進んで語ろ うとしている。 ・自分の言いたい ことが分かるよ う に 話 し て い る。 A⑴ア ・自分の考えと同 じか違うかはっ きりさせながら 聞いている。 A⑴イ ・自分の考えを 明確にして書 いている。 B⑴ア ・物語の中心人 物の気持ちの 移り変わりを 読み取ってい る。 C⑴ウ ・修飾語の使い方 や文の中での働 きについて理解 している。 言⑴オ(ア) 4 単元指導・評価計画 (全14時間) 段 階 次 時 学習目標(内容) 評価規準【評価の観点】(方法) 1 ○名人の語りを聞く。 ○地域の保育園や幼稚園などに行き,語りをす ることを知る。 ・名人の語りを興味深く聞き, 語りに取り組もうとしてい る。 【関】(発表・態度の観察) つ か む 1 2 ○物語を通読して,感想を書く。 ・物語を読んだ感想を書いてい る。【書】(ノートの記述内容) 1 ○物語を五つの場面に分ける。 ・第1場面…サーカスがやってきた場面 ・第2場面…じんざが散歩に出かけた場面 ・第3場面…男の子が訪ねてくる場面 ・第4場面…じんざが男の子を助けるが死ん でしまう場面 ・第5場面…サーカスのおしまいの日の場面 ・時と場所に気をつけて,場面 分けをしている。 【読】(ノートの記述内容) ・話の中心が分かるように話し ている。 【話・聞】(話し合いの様子) 2 一 組 本 時 ○くわしくすることばについて理解する。 -ことばのきまり- ・挿絵を見て,くわしくするこ とばを選び,文を作っている。 【言】(ノートの記述内容) ・相手の目を見て話している。 【話・聞】(対話の様子) つ い き ゅ う す る 2 3 ○第1場面を読む。(P64ℓ1~P66ℓ10) ・年老いたじんざの様子を読み取る。 ・根拠を明確にして,サーカス の中にいるじんざの様子や気 持ちを読み取っている。 【読】(ノートの記述内容) 語り名人になろう
4 ○第2場面を読む。(P66ℓ11~P69ℓ11) ・男の子と出会ったときのじんざの様子を読 み取る。 ・男の子との出会いにより変わ っていくじんざの気持ちを読 み取っている。 【読】(ノートの記述内容) 5 ○第3場面を読む。(P69ℓ12~P71ℓ5) ・男の子とのふれあいを通してじんざが前向 きな気持ちになっていく過程を読み取る。 ・じんざの様子やことばから, 男の子に対するじんざの気持 ちを読み取っている。 【読】(ノートの記述内容) 6 二 組 本 時 ○第4場面を読む。(P71ℓ6~P75ℓ2) ・男の子を助けるために必死になっているじ んざの気持ちを読み取る。 ・じんざの行動を手がかりに, じんざの気持ちを想像してい る。 【読】(ノートの記述内容) ・自分の考えと同じか違うかは っきりさせながら聞いてい る。 【話・聞】(発言の内容) 7 ○ 第5場面を読む。(P76ℓ1~P76ℓ13) ・サーカスのおしまいの日の様子を読み取る。 ・前場面までの出来事を手がか りに,ライオンつかいのおじ さんやお客の気持ちを想像し ている。 【読】(ノートの記述内容) 1 ○「サーカスのライオン」の心に残った場面を 選び,語りの練習をする。 ・語りに興味を持ち,進んで語 ろうとしている。 【関】(発表・態度の観察) 2 3 4 ○場面ごとのグループに分かれ,語りを聞き, 助言し合う。 ○発表グループに分かれ,語りを聞き,助言し 合う。 ・自分の語りを高めようとして いる。 【関】(発表・態度の観察) ・友だちの語りを聞き,よいと ころを見つけて伝えている。 【話・聞】(ワークシートの記述内容) ひ ろ げ る 3 5 ○地域の保育園や幼稚園などに行き,語りをす る。 ・相手意識を持ち,視線・表情・ 速さ・声量に気をつけて発表 している。 【話・聞】(発表・態度の観察)
5 本時の学習(4/14) ⑴ 目標 ・内容を正しく読み取るためにくわしくすることばのはたらきを知ることができる。 ・相手を見て,分かるように話すことができる。 ⑵ 展開 学習活動 教師の指導・支援 ◎個への手だて 評価 【 】評価の観点( )評価の方法 導 入 展 開 終 末 1 課題をつかむ。 2 短文をつくる。 3 短文について話し合 う。 ⑴ 自分の考えを持つ。 ⑵ 対話をする。 ⑶ 話し合いをする。 4 文のくみたてを知る。 ⑴ 「ことばのきまり」 で確認する。 ⑵ 学習材「サーカスの ライオン」からくわし くすることばのはたら きを確認する。 5 語りに生かせるように 音読する。 6 学習を振り返る。 ・挿絵を見て主語と述語のある 文を考えさせる。 ・くわしくすることばには赤線 を引くことを知らせる。 ◎「どんな」「どのように」を話 させ,イメージを膨らませる。 ・大きく二つに分け,理由をま とめるよう助言する。 ◎声を掛け一緒に対話に入る。 ・主語をくわしくすることばか 述語をくわしくすることばか を確認させる。 ・例文を提示し,何を詳しくし ているか見つけるよう促す。 ・くわしくすることばから文の 様子を読み取り,音読で表現 させる。 ・学習したことや友だちのがん ばりなどについて「国語日記」 を書かせる。 ・挿絵を見て,くわしくす ることばを選び,文を作 っている。 【言】(ノートの記述内容) ・相手の目を見て話してい る。 【話・聞】(対話の様子) くわしくすることばのはたらきを知ろう。