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広島市衛研年報 35, 52-60(2016) 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでに検出されたノロウイルス GⅡ の遺伝子型解析と流行状況の分析 藤井慶樹則常浩太八島加八山本美和子 松室信宏 石村勝之 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでの間に, 広島市

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2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでに検出された

ノロウイルス GⅡの遺伝子型解析と流行状況の分析

藤井 慶樹 則常 浩太 八島 加八 山本 美和子 松室 信宏 石村 勝之 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでの間に,広島市で発生した食中 毒 , 有 症 苦 情 及 び 散 発 の 胃 腸 炎 事 例 の 患 者 便 か ら 検 出 さ れ た ノ ロ ウ イ ル ス (NoV)GⅡについて遺伝子型解析と流行状況の分析を行った。遺伝子型解析にお いては,ORF1 の RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ領域から ORF2 の N/S 領域にかけ ての一連の遺伝子配列を解析し,ORF1 と ORF2 の遺伝子領域を組換えたキメラ ウイルスの検出も含めた解析を行った。また,遺伝子型別の流行状況を分析す るに当たり,各検出株にスコアを割り当て,算定されたスコアをもとに流行状 況を評価した。 検出された NoV GⅡの多くがキメラウイルスであることが判明するとともに, NoV GⅡの流行に関しては,GⅡ.4 の N/S 領域分類における新たな遺伝子型亜型 の出現がリスク要因として最も重要であり,GⅡ.4 以外の遺伝子型(特に,GⅡ.2 及び GⅡ.3)では,新たな組換えパターンのキメラウイルスの出現がリスク要因 となることが推察された。 キーワード: NoV GⅡ,遺伝子型解析,キメラウイルス,流行状況の分析,ス コア は じ め に NoV はカリシウイルス科に分類されるプラス 一本鎖の RNA ウイルスであり,そのゲノムは約 7,500 塩基からなり,ORF1~3 の 3 つの翻訳領域 が存在する。ORF2 はウイルス粒子を構成するカ プシド蛋白質(VP1)をコードしており,ORF2 の N/S 領域の塩基配列を用いた遺伝子型分類が抗 原性を反映しているとされる 1)。また,NoV で は,ORF1/ORF2 ジャンクション領域を基点とし て遺伝子の組換えが起こり 2),ORF1 と ORF2 の 遺伝子領域を組換えたキメラウイルスが出現す るため,これらのキメラウイルスの存在も加味 した流行状況の解析が必要とされている3) 今回,2005/06 シーズンから 2015/16 シーズ ンまでの間に,広島市で発生した食中毒,有症 苦情等の集団発生事例(以下,集団事例)及び散 発の胃腸炎事例(以下,散発事例)の患者便から 検出された NoV GⅡについて ORF1 の RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ(RdRp)領域及び ORF2 の N/S 領 域を含めた遺伝子型解析を行うとともに,集団 事例及び散発事例で検出された各遺伝子型の検 出株にスコアを割り当て,流行状況の分析を行 ったので報告する。 方 法 1 供試検体 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまで の間に広島市で発生した集団事例の患者便 69 検体,散発事例の患者便 58 検体を用いた。なお, 集団事例については各事例から 1 名の患者便を 選択した。 これらの 127 検体の患者便から検出された計 128 株の NoV GⅡ(2 種類の異なる遺伝子型の株 が検出された 1 検体を含む)について,遺伝子型 の解析を行った。 2 遺伝子型の解析方法 ORF1 の RdRp 領域から ORF2 の N/S 領域にかけ ての一連の遺伝子を増幅するため,P14)/G2SKR プライマー組を用いた PCR を行い,約 1,100bp の PCR 産 物 を 得 た 。 PCR 産 物 を ExoSAP-IT(Affymetrix) に よ り 精 製 し た 後 , BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit (ABI)を用いて,サイクルシークエンスを行った。 シークエンス用プライマーとしては,P1,G2SKR の他に,インナープライマーとして,COG2F 及 び COG2R を使用した場合もあった。その後, BigDye Xterminator Purification Kit(ABI)で

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精製後,3500 Genetic Analyzer(ABI)により, 塩基配列を決定した。得られた塩基配列をオラ ンダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)が提供する 遺伝子型分類ツール(http://www.rivm.nl/mpf/ norovirus/typingtool)にアップロードし,RdRp 領域及び N/S 領域それぞれの遺伝子型を決定し た。また,近隣結合法による系統樹解析を併せ て実施した。なお,上記 2 領域の遺伝子型が異 なる場合をキメラウイルスと判定した。 3 流行状況の分析 キメラウイルスを含めた遺伝子型別の流行状 況を分析するに当たり,集団事例から検出され た NoV GⅡについては 1 株につきスコア 5,散発 事例から検出された NoV GⅡについては 1 株に つきスコア 1 として数値化した。そして,スコ ア 1~5 の場合を散発的な検出,スコア 6~19 の場合を小規模な流行,スコア 20 以上の場合を 大規模な流行と評価し,過去 11 シーズンの流行 状況の分析を行った。 結 果 1 NoV GⅡの遺伝子型別検出状況とキメラウ イルスの検出状況 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまで の間に検出された NoV GⅡの遺伝子型別検出状 況を表に示した。なお,遺伝子型の表記につい ては,RdRp 領域と N/S 領域の塩基配列に基づく 遺伝子型を併記する記載とし,RdRp 領域の遺伝 子型番号の前には「P」を付した。 過去,最も検出数が多かった遺伝子型は,NoV GⅡ.P4 Den Haag 2006b-GⅡ.4 Den Haag 2006b の 58 株 であり,次いで,NoV GⅡ.Pe-GⅡ.4 Sydney 2012 が 14 株,NoV GⅡ.P12-GⅡ.3 が 11 株と続いた。

調査対象シーズン中に,NoV GⅡ.4 で 2 種類 (NoV GⅡ.P12-GⅡ.4 Asia 2003 と NoV GⅡ.Pe- G Ⅱ.4 Sydney 2012),NoV GⅡ.3 で 2 種類(NoV G Ⅱ.P21-GⅡ.3 と NoV GⅡ.P12-GⅡ.3),NoV GⅡ.2 で 1 種類(NoV GⅡ.P16-GⅡ.2)の組換えパターン の異なるキメラウイルスが検出された。RdRp 領 表 NoV GⅡの遺伝子型別検出状況 2 0 0 5 / 0 6 2 0 0 6 / 0 7 2 0 0 7 / 0 8 2 0 0 8 / 0 9 2 0 0 9 / 1 0 2 0 1 0 / 1 1 2 0 1 1 / 1 2 2 0 1 2 / 1 3 2 0 1 3 / 1 4 2 0 1 4 / 1 5 2 0 1 5 / 1 6 GⅡ.P12-GⅡ.4 Asia 2003 3

GⅡ.P4 Den Haag 2006b-GⅡ.4 Den Haag 2006b 1 17 10 9 6 5 8 1 1

GⅡ.P4 New Orleans 2009-GⅡ.4 New Orleans 2009 1

GⅡ.Pe-GⅡ.4 Sydney 2012 6 4 4 GⅡ.P3-GⅡ.3 1 GⅡ.P21-GⅡ.3 5 4 GⅡ.P12-GⅡ.3 8 1 2 GⅡ.P2-GⅡ.2 1 1 1 GⅡ.P16-GⅡ.2 3 2 2 GⅡ.P7-GⅡ.14 3 1 1 1 2 GⅡ.P7-GⅡ.6 1 2 GⅡ.Pg-GⅡ.12 1 1 1 1 GⅡ.P22-GⅡ.5 2 GⅡ.P7-GⅡ.9 1 GⅡ.P16-GⅡ.13 1 GⅡ.P17-GⅡ.17 2

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域と N/S 領域の遺伝子型が一致したのは,NoV G Ⅱ.P4 Den Haag 2006b-GⅡ.4 Den Haag 2006b,NoV GⅡ.P4 New Orleans 2009-GⅡ.4 New Orleans 2009, NoV GⅡ.P3-GⅡ.3,NoV GⅡ.P2-GⅡ.2 の 4 種類の 遺伝子型のみであり,これら以外に検出された NoV GⅡは,すべてキメラウイルスであった。なお, NoV GⅡ.P17-GⅡ.17 については,検出された当初 は ORF1 領域の遺伝子型は不明とされ,その後,新 しく P17 型と登録された遺伝子型であるため,キ メラウイルスとみなした。 2 系統樹解析(RdRp 及び N/S 領域) 最も検出数の多い遺伝子型である NoV GⅡ.4 と それ以外の遺伝子型に分けて,RdRp 領域の塩基配 列に基づく系統樹解析を行った結果をそれぞれ図 1 及び 2 に,同様に N/S 領域の塩基配列に基づく 系統樹解析を行った結果をそれぞれ図 3 及び 4 に 示した。NoV GⅡ.4 及びそれ以外の遺伝子型とも に,N/S 領域では同一の枝に分岐する株が,RdRp 領域では異なる枝に分岐するなど,N/S 領域は変 異が少なく安定しているのに対して,RdRp 領域で は点変異が散見された。 3 系統樹解析(同一遺伝子型の RdRp 領域を有す る NoV GⅡの比較) RdRp 領域が同一の遺伝子型(P7,12,16 型)に分 類されたキメラウイルスについて,RdRp 領域の塩 基配列に基づく株間の比較を系統樹解析により行 った。 P7 型に分類された 3 種類のキメラウイルス(NoV GⅡ.P7-GⅡ.14,GⅡ.P7-GⅡ.9,GⅡ.P7-GⅡ.6)は, それぞれ異なる系統に分岐し,各系統間の塩基配 列相同性は 88.8~93.6%であった(図 5)。 P12 型に分類された 2 種類のキメラウイルス (NoV GⅡ.P12-GⅡ.3,GⅡ.P12-GⅡ.4 Asia 2003) は,それぞれ異なる系統に分岐し,各系統間の塩 基配列相同性は 96.1~97.5%であった(図 6)。 P16 型に分類された 2 種類のキメラウイルス (NoV GⅡ.P16-GⅡ.2,GⅡ.P16-GⅡ.13)は,それぞ れ異なる系統に分岐し,各系統間の塩基配列相同 性は 91.9~92.4%であった(図 7)。 4 NoV GⅡの流行状況の分析 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでの 間に広島市内で発生した集団事例及び散発事例の 件数を図 8 に示した。2006/07 シーズンは全国的 に NoV GⅡ.4 が大流行したシーズンであり,集団 事例,散発事例ともに発生件数が突出して多かっ た。また,2012/13 シーズンも同様に,全国的に NoV GⅡ.4 が大流行したシーズンであり,前シー ズンと比較すると集団事例の発生件数が増加した。 集団及び散発事例から検出された NoV GⅡの各 遺伝子型の検出株について,前述のとおりスコア を割り当て,数値化したグラフを図 9~12 に示し た。なお,調査対象シーズン中に,組換えパター ンの異なるキメラウイルスが検出された 3 種類の 遺伝子型(NoV GⅡ.2,GⅡ.3,GⅡ.4)とそれ以外の 遺伝子型に分けて図示した。 NoV GⅡ.2 では,2011/12 シーズンに新たなキ メ ラ ウ イ ル ス (NoV G Ⅱ .P16-G Ⅱ .2) が 出 現 し , 2012/13 シーズンにかけて,小規模な流行が認め られた(図 9)。 NoV GⅡ.3 では,2005/06 シーズンの途中で,新 たなキメラウイルス(NoV GⅡ.P21-GⅡ.3)が出現 し,小規模な流行が認められ,さらに,2009/10 シーズンに新たなキメラウイルス(NoV GⅡ.P12- G Ⅱ.3)が出現し,小規模な流行が認められた(図 10)。 NoV GⅡ.4 では,2005/06 シーズンに ORF2 の N/S 領域分類における新たな遺伝子型亜型(NoV GⅡ.4 Den Haag 2006b)が出現し,2006/07 シーズンに際 立った大流行が認められ,以降,2009/10 シーズ ンにかけて大流行が持続した。2011/12 シーズン にも N/S 領域分類における新たな遺伝子型亜型 (NoV GⅡ.4 New Orleans 2009)が出現したが,散 発的な検出に留まった。2012/13 シーズンには, キメラウイルスであり,かつ,N/S 領域分類にお ける新たな遺伝子型亜型となる NoV GⅡ.Pe-GⅡ.4 Sydney 2012 が出現し,2013/14 シーズンにかけて 大流行が認められた(図 11)。 その他に検出された NoV GⅡは,すべてキメラ ウ イ ル ス で あ り , 2013/14 シ ー ズ ン に , NoV G Ⅱ.P7-GⅡ.14,NoV GⅡ.P7-GⅡ.6 による小規模な 流行,2014/15 シーズンに NoV GⅡ.P17-GⅡ.17 に よる小規模な流行が認められたものの,これら以 外の遺伝子型の NoV GⅡは散発的な検出に留まっ た(図 12)。 考 察 2005/06 シーズンから 2015/16 シーズンまでの 間に,広島市で検出された NoV GⅡについて,RdRp 領域から N/S 領域までの一連の塩基配列を解析し, キメラウイルスの検出を含めた遺伝子型解析を行 うとともに,流行状況の分析を行った。通常,NoV の遺伝子型解析の際には,PCR による増幅が良好

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1090031F 1080054F 1090074F 2080407F 2080103F 2090901F 2090206F 2090401F 2090708F 1080186F 1120055F 1120014F 1120069F 2091001F 1100058F 1100612F 2120502F 2072801F 1100051F 2102001F 1070115F 2071205F 1090010F 1070029F 2066002F 2062501F 2070901F

Gll.P4 Den Haag 2006b EF126965 2063502F 1070794F 2074001F 1060645F 1060758F 2063101F 2064801F 2063301F 2064703F 1060596F 1060609F 2063601F 2064401F 1100293F 1080251F 1060821F 2081607F 1090455F 2082302F 2103404F 1120030F 1100725F 1110198F 2110504F 1140351F 1120038F 2120901F 2122401F 2126315F 2100702F 2101701F Gll.P4 2006a EF126963 2120205F Gll.P4 NewOrleans2009 JN595867 Gll.P4 2003 AB186063 Gll.P4 2003 AB294779 Gll.P4 2007JP GQ845368 Gll.P4 Brist X76716 2060204F Gll.P12 AB220922 2062001F 1060029F Gll.P12 AF504671 Gll.P12 AB354294 Gll.Pe AB434770 Gll.Pe JF697282 2136123F 1150493F 1150507F 2156718F 2157225F 2140612F 2140801F Gll.Pe JX459907 2125003F 2126413F 2141117F 2126224F 2130609F 1120544F 2126142F 42 96 100 100 32 23 64 32 32 48 65 17 22 27 69 20 41 100 82 100 68 94 99 100 68 56 100 100 100 66 100 75 77 99 100 63 56 61 71 71 87 91 41 73 61 21 25 23 28 29 58 17 45 9 23 30 12 17 12 19 7 25 0 1 3 0 18 48 54 39 25 8 0.01 図 1 RdRp 領域における系統樹 (NoV GⅡ.4 647 塩基) 1091201F 1091225F 1091247F 1091280F 1100050F 1100062F 1100068F 1100049F 2102901F 2158511F cloning1 Gll.P12 AB220922 Gll.P12 AB354294 Gll.P12 AF504671

Gll.P4 Den Haag 2006b EF126965 Gll.Pg DQ379714 2091901F 2111013F Gll.Pg GQ845370 2121107F 2147214F 1060106F Gll.P21 AY682549 Gll.P21 AY919139 1070696F 2072504F 1070791F 1070824F 1070558F 1070632F 1070572F 1070573F Gll.P2 X81879 1091273F 2110103F 2062204F Gll.P2 DQ456824 Gll.P3 U02030 Gll.P3 U22498 2061301F Gll.P17 AB983218 2150704F 2150218F Gll.P17 LC037415 2158511F cloning2 Gll.P16 AY682551 Gll.P16 AY772730 1110632F 1110662F 2112804F 1140084F 1140128F 2126408F 2125409F 1060107F 2061101F Gll.P22 AB212306 Gll.P22 AB233471 Gll.P8 AB039780 2061801F 2143813F 2140301F 1091265F Gll.P7 AB039777 Gll.P7 AB258331 1060703F 1070109F 2065801F 2120701F 1130247F 2141802F 2110203F 2144102F 95 100 100 48 58 82 77 100 83 90 97 96 70 72 100 100 100 47 99 100 100 100 100 100 99 100 95 75 99 86 73 79 88 100 100 100 53 82 51 100 37 28 62 30 22 32 100 41 20 100 100 43 60 80 98 76 99 81 93 100 69 99 100 66 0.05 図 2 RdRp 領域における系統樹 (NoV GⅡ.4 以外 582 塩基)

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1100293F 2100702F 2101701F 1070029F 1070794F 1080054F 1080186F 1090010F 1090031F 1090074F 1100058F 1100612F 2090401F 1120014F 1120055F 1120069F 1140351F 2062501F 2063502F 1070115F 2066002F 2071205F 2072801F 2080103F 2080407F 2070901F 2090206F 2090708F 2090901F 2091001F 2102001F

Gll.4 Den Haag 2006b EF126965 2081607F 1060821F 1080251F 1090455F 2082302F 1100725F 1110198F 1120030F 2103404F 2110504F 2074001F 1120038F 2120901F 2122401F 2126315F 1060596F 1060609F 1060645F 1060758F 1100051F 2063101F 2063301F 2063601F 2064401F 2064703F 2064801F 2120502F Gll.4 Brist X76716

Gll.4 Farmington Hills 2002 AY485642 Gll.4 US95 96 AJ004864

2120205F

Gll.4 NewOrleans 2009 GU445325 Gll.4 Yerseke 2006a EF126963 Gll.4 Hunter 2004 AY883096 Gll.4 Asia 2003 AB220921 1060029F 2060204F 2062001F 2126224F 2140612F 1120544F 1150493F 1150507F 2125003F 2126142F 2126413F 2130609F 2136123F 2140801F 2141117F 2156718F 2157225F Gll.4 Sydney 2012 JX459908 Gll.15 AY130762 Gll.18 AY823304 Gll.11 AB074893 Gll.19 AY823306 Gll.14 AY130761 Gll.20 EU373815 Gll.6 AJ277620 Gll.22 AB083780 Gll.3 U02030 Gll.8 AF195848 Gll.9 AY038599 Gll.7 AJ277608 Gll.17 AY502009 Gll.21 AY675554 Gll.13 AY113106 Gll.1 U07611 Gll.12 AJ277618 Gll.16 AY502010 Gll.5 AJ277607 Gll.2 X81879 Gll.10 AF427118 60 76 90 57 80 59 88 26 30 22 22 36 5 0 20 3 2 0 1 97 54 69 37 49 41 32 37 33 1 31 100 2 68 71 2 43 59 56 60 23 21 11 8 4 0. 05 図 3 N/S 領域における系統樹 (NoV GⅡ.4 177 塩基) 1060703F 1070109F 1130247F 2065801F 2110203F 2120701F 2144102F Gll.14 AY130761 2141802F Gll.4 Brist X76716

Gll.4 Den Haag 2006b EF126965 Gll.4 Sydney 2012 JX459908

Gll.4 Asia 2003 AB220921 Gll.4 Hunter 2004 AY883096

Gll.4 US95 96 AJ004864 Gll.4 Farmington Hills 2002 AY485642

Gll.4 Yerseke 2006a EF126963 Gll.4 NewOrleans 2009 GU445325 2061801F Gll.9 AY038599 Gll.8 AF195848 1091265F Gll.6 AJ277620 2140301F 2143813F Gll.7 AJ277608 Gll.20 EU373815 Gll.22 AB083780 Gll.3 U02030 2061301F 1070558F 1070572F 1070573F 1070632F 1070696F 1070824F 2072504F 1070791F 2102901F 1060106F 1091201F 1091225F 1091247F 1091280F 1100049F 1100050F 1100062F 1100068F 2158511F cloning1 2150218F Gll.17 LC037415 2150704F Gll.17 AB983218 Gll.17 AY502009 Gll.21 AY675554 Gll.11 AB074893 Gll.19 AY823306 Gll.18 AY823304 2158511F cloning2 Gll.13 AY113106 Gll.16 AY502010 Gll.1 U07611 Gll.12 AJ277618 2111013F 2147214F 2091901F 2121107F 1060107F 2061101F Gll.5 AJ277607 Gll.10 AF427118 2062204F Gll.2 X81879 1091273F 2110103F 1110662F 2112804F 1110632F 1140084F 1140128F 2125409F 2126408F Gll.15 AY130762 39 15 16 9 33 34 19 99 99 97 99 57 99 67 50 99 45 28 89 96 74 76 61 76 52 47 24 99 93 99 69 89 96 74 58 55 55 99 90 15 50 39 6 21 9 7 29 5 11 19 6 19 19 99 27 56 46 12 10 24 71 0.05 図 4 N/S 領域における系統樹 (NoV GⅡ.4 以外 188 塩基)

(6)

2120701F 2141802F 1130247F 2144102F 2110203F 1060703F 1070109F 2065801F Gll.P7 AB258331 Gll.P7 AB039777 2061801F 1091265F 2140301F 2143813F Gll.P2 X81879 100 72 88 98 97 65 100 99 100 86 61 71 0.05 図 5 キメラウイルス(P7 型)の RdRp 領域における 系統樹(582 塩基) 1091201F 1091225F 1091247F 1091280F 1100050F 1100062F 1100068F 1100049F 2102901F 1160041F 2158511F cloning1 1060029F 2060204F 2062001F Gll.P12 AB220922 Gll.P12 AB354294 Gll.P12 AF504671 Gll.P2 X81879 78 32 90 97 97 100 72 98 99 59 0.02 図 6 キメラウイルス(P12 型)の RdRp 領域におけ る系統樹(657 塩基) 1140084F 1140128F 2126408F 2125409F 1110632F 1110662F 2112804F Gll.P16 AY682551 Gll.P16 AY772730 2158511F cloning2 Gll.P2 X81879 96 100 95 98 97 70 98 93 0.02 図 7 キメラウイルス(P16 型)の RdRp 領域におけ る系統樹(662 塩基) 0 20 40 60 80 100 120 2005/ 06 2006/ 07 2007/ 08 2008/ 09 2009/ 10 2010/ 11 2011/ 12 2012/ 13 2013/ 14 2014/ 15 2015/ 16 件 数 集団 散発 図 8 広島市における集団及び散発事例件数の推 移(2005/06~2015/16 シーズン) 0 2 4 6 8 10 12 2005/06 2009/10 2010/11 2011/12 2012/13 2013/14 ス コ ア Gll.P2‐Gll.2 Gll.P16‐Gll.2 図 9 NoV GⅡ.2 型のスコア推移 0 2 4 6 8 10 12 14 16 2005/06 2007/08 2009/10 2010/11 2015/16 ス コ ア Gll.P3‐Gll.3 Gll.P21‐Gll.3 Gll.P12‐Gll.3 図 10 NoV GⅡ.3 型のスコア推移 Gll.P7-Gll.14 Gll.P7-Gll.9 Gll.P7-Gll.6 Gll.P12-Gll.3 Gll.P12-Gll.4 Asia 2003 Gll.P16-Gll.2 Gll.P16-Gll.13

(7)

0 10 20 30 40 50 60 2005/06 2006/07 2007/08 2008/09 2009/10 2010/11 2011/12 2012/13 2013/14 2014/15 2015/16 ス コ ア Gll.P12‐Gll.4 Asia 2003 Gll.P4 Den Haag 2006b‐Gll.4 Den Haag 2006b Gll.P4 New Orleans 2009‐Gll.4 New Orleans 2009 Gll.Pe‐Gll.4 Sydney 2012 図 11 NoV GⅡ.4 型のスコア推移 0 5 10 15 20 25 2005/06 2006/07 2008/09 2009/10 2010/11 2011/12 2012/13 2013/14 2014/15 2015/16 ス コ ア Gll.P7‐Gll.14 Gll.P7‐Gll.9 Gll.P7‐Gll.6 Gll.Pg‐Gll.12 Gll.P22‐Gll.5 Gll.P16‐Gll.13 Gll.P17‐Gll.17 図 12 NoV GⅡ(上記以外の遺伝子型)のスコア推移 で,簡便に遺伝子型分類を行うことができる N/S 領域の塩基配列を利用した解析を実施してきた。 同領域は比較的多様性の低い領域であることから, 図 3,4 の系統樹に示したように点変異の情報が得 られにくいという欠点があるが,RdRp 領域では, 図 1,2 の系統樹に示したように点変異が散見され た。食中毒発生時,調理従事者及び患者から検出 された NoV の比較を行う際や NoV による広域的な 食中毒事例が発生した場合,N/S 領域の解析だけ では,塩基配列の差異が乏しく,関連性を検証す るための情報としては不十分である 5)。点変異の 情報を生かし,事例間の関連性等を検証するため には,ORF2 領域の中でも遺伝子多様性に富んだ P2 ドメイン領域の解析等を実施することが有用であ るが 5),6),点変異が散見される RdRp 領域の解析 を実施することも,N/S 領域単独の解析よりは有 用な情報が増えると推察された。 調査対象シーズン中に 16 種類の遺伝子型の NoV GⅡが検出され,この内 12 種類はキメラウイルス であることが明らかとなった。キメラウイルスは, 複数の遺伝子型の NoV GⅡが同時に人に感染し, 腸管の細胞内で増殖する際に,遺伝子の組換えを 起こすことで出現すると考えられる。NoV GⅡ.2, GⅡ.3,GⅡ.4 は,組換えパターンの異なるキメラ ウイルスが検出されたが,これら以外の遺伝子型 については,単一シーズンのみ検出された遺伝子 型を除き,複数シーズンにわたり,組換えパター ンが変化することなく現在まで推移していた。以

(8)

上のことから,人に複数の遺伝子型の NoV GⅡが 感染した場合,様々な組換えパターンのキメラウ イルスが出現する可能性はあるものの,塩基配列 の相同性等の問題で組換え自体が起こりにくい場 合や一時的にキメラウイルスが出現しても,人へ の適合性や増殖能力等の生存性の問題で自然淘汰 され,特定の組換えパターンのキメラウイルスの みが長期にわたって存続しているのではないかと 推察された。 RdRp 領域が同一の遺伝子型(P7,12,16 型)に分 類されたキメラウイルスについて,同領域の塩基 配列に基づく株間の比較を系統樹解析により行っ た。その結果,同一の遺伝子型であっても,各キ メラウイルスはそれぞれ異なる系統に分岐するこ とが明らかとなった。ただし,過去のある時点で 起源を同一とする RdRp 領域遺伝子を有するキメ ラウイルスが出現し,それぞれ独自の変異を遂げ ていったのか,変異の蓄積された RdRp 領域遺伝子 を組換えにより獲得した後,さらに独自の変異を 遂げていったのかは不明である。 集団事例,散発事例で検出された各遺伝子型の 検出株にスコアを割り当てるという手法で,NoV G Ⅱの流行状況の分析を行った。NoV GⅡ.2,GⅡ.3 は,組換えパターンの異なる新たなキメラウイル スが出現したことにより,明らかにスコアが増加 し,小規模な流行が認められた。これらの遺伝子 型では,今後も組換えパターンの異なるキメラウ イルスが突如出現することが予想される。その場 合は小規模な流行が起こることも懸念されるため, 組換えパターンの変化に注視した解析を続ける必 要性がある。一方,最も検出数の多い NoV GⅡ.4 では,N/S 領域分類における新たな遺伝子型亜型 である NoV GⅡ.4 Den Haag 2006b,NoV GⅡ.4 Sydney 2012 の出現により,2006/07 及び 2012/13 シーズンに際立った大流行が認められた。ORF2 は ウイルス粒子を構成するカプシド蛋白質(VP1)を コードしているため,ORF2 の変異は抗原性の変化 につながると考えられる1)。ORF2 の全長を解析す ることは困難であるが,N/S 領域に重点を置いた 解析により,新たな遺伝子型亜型の出現を監視し, 出現を探知した場合には,情報提供と予防啓発を 行っていくことが重要であると考えられる。ただ し,NoV GⅡ.4 New Orleans 2009 のように,N/S 領域分類における新たな遺伝子型亜型が出現して も流行しない場合もあるため,その点は留意して おかなければならない。また,NoV GⅡ.Pe-GⅡ.4

Sydney 2012 の流行時,デンマークでは NoV GⅡ.P4 New Orleans 2009-GⅡ.4 Sydney 2012 のキメラウ

イルスが検出されていたことも報告されている 7) その後,この型のキメラウイルスが流行したとい う報告はないが,組換えにより性質の全く異なる ウイルスが出現する可能性はあるため,NoV GⅡ.4 についてもキメラウイルスを視野に入れた解析を 継続していく必要がある。 NoV GⅡ.P7-GⅡ.14,NoV GⅡ.P7-GⅡ.6 は複数 シーズンにわたって検出されており,2013/14 シ ーズンには小規模な流行を起こしている。また, 2014/15 シーズンには,過去に検出例のない NoV G Ⅱ.P17-GⅡ.17 が突如出現し,小規模な流行を起 こした。これらの型については,今後も動向を注 視していく必要がある。 以上のことから,NoV GⅡの流行に関しては,リ スク要因として,NoV GⅡ.4 の N/S 領域分類にお ける新たな遺伝子型亜型の出現がリスク要因とし ては最も高く,NoV GⅡ.4 以外では,組換えパタ ーンの変化による新たなキメラウイルスの出現が リスク要因として高くなると推察された。これら の流行状況分析を踏まえた上で,今後も遺伝子型 解析,特に ORF1 から ORF2 の一連の遺伝子解析を 行っていくことが重要である。 文 献 1) 片山和彦 他:ノロウイルス中空粒子および 抗血清の作製,ウイルス定量システム法の開 発,厚生労働科学研究費補助金(食品の安 心・安全確保推進研究事業)「食品中の病原 ウイルスのリスク管理に関する研究」平成 24 年度研究分担報告書,61~64(2013)

2) Jiang X et al.: Characterization of a

novel human calicivirus that may be a

naturally occurring recombinant,

Archives of Virology, 144(12), 2377 ~ 2387(1999) 3) 片山和彦:ノーウォークウイルス(ノロウイ ルス)の遺伝子型 2014 年版,病原微生物検出 情報,35(7),173~175(2014) 4) 山崎謙治 他:1989~1998 年に日本国内で 検出された Norwalk-like viruses(NLVs)の 遺伝的特徴および統一プライマーの検討,感 染症学雑誌,74(5),470~475(2000) 5) 野田 衛 他:ノロウイルス食中毒事例調査 の精度向上のための塩基配列データと疫学

(9)

情報の共有化-GⅡ/4 2012 変異株の検出の探 知とその後の対応を中心として-,厚生労働 科学研究費補助金(食品の安全確保推進研究 事業)「食中毒調査の精度向上のための手法 等に関する調査研究」平成 24 年度研究分担 報告書,127~135(2013) 6) 阿部勝彦 他:広島市におけるノロウイルス GⅡ/4 のカプシドタンパク質 P2 ドメインの 解析(2006~2010 年),広島市衛生研究所年 報,30,53~57(2011)

7) Fonager J et al.: Emergence of a new

recombinant Sydney 2012 norovirus variant in Denmark, 26 December 2012 to 22 March 2013, Eurosurveillance, 18(25), 1 ~ 6(2013)

参照

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