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Taro-H23報告書(徳島科学技術高

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Academic year: 2021

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(1)

平成23年度「e-とくしま推進プラン」協働目標の実現に向けた調査・研究事業

ICT を活用した水産科教材のデジタル化および

実習船管理業務の効率化に関する調査研究

平成24年

2月

徳島県立徳島科学技術高等学校

海洋科学類・海洋技術類

(2)

1 はじめに 本校の海洋科学類および海洋技術類では徳島県唯一の水産科として特色のある教育を 展開している。全国的にも水産系の高校は38県46校しかなく,全国の高校で学ぶ生 徒数の内0.3%のみが水産に関する学科で学んでいる。このようなことから水産に関 する教材は一般に乏しく,不足しているのが現状である。 また,本校では19トン型実習船「阿州丸」を所有し,海洋実習に使用している。安 全な実習を行うためには,日頃の整備が重要であるが,専属の乗組員が存在せず教員が 学校業務に従事しながら運航しているのが実情である。このような多忙な状況において, 日々の運航状況を確実に記録し,さまざまな整備作業や交換部品の管理を行えるような データベースを作成することが必要となっている。 この度,『「e-とくしま推進プラン」協働目標の実現に向けた調査・研究助成事業』 の指定を受けて,本校で実施している実習のデジタル教材化や実習船を効率的に管理す るためのデータベース作成に取り組むこととなった。 2 事業の目的と体制 (1)推進する協働目標 教育分野 項目2 ICTの活用による社会教育施設の連携及び利便性の向上 項目4 従来の手法にICTを組み合わせて効果的な指導を行うことができる教員 の育成 (2)事業の推進体制 徳島県立徳島科学技術高等学校の海洋科学類および海洋技術類の教員および生徒で 取り組むこととする。 ○海洋科学類(定員 10 名) 海洋に関する専門的な知識や 技術を習得するとともに,海洋 を取り巻く様々な環境問題を学 習し水産・海洋系国公立・私立 などの四年制大学への進学をめ ざします。 ○海洋技術類(定員 20 名) 船舶の運航・管理,海洋関連 産業などに関する知識と技術, 小型船による海洋環境調査やダ イビングに関する知識と技術を 習得します。

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(3)事業の目的 本校の海洋科学類および海洋技術類では県内唯一の海洋系高校として特色ある教育 を展開している。しかし,その教育内容はあまり知られておらず,学習するための教 材も十分普及しているとは言えない。そこで,「海・船・魚」をテーマとしたデジタ ル教材を作成し,授業で活用して,生徒の理解を深めるとともに,タブレット PC を 活用した新しい授業の展開について検討する。 また,本校の所有する実習船のメンテナンスや使用状況等の管理を効率的に行うた めのタブレット PC の活用についても検討する。 (4)本事業で導入した機材 本事業を進めるにあたって次のような器材を導入した。

・タブレット PC ACER ICONIATAB W500P (Windows7) 6 台 ・デスクトップ PC HP Pavillion s5-1130jp(windows7) 1 台 ・液晶ディスプレイ IO-DATA LCD-DTV223 1 台 ・無線 LAN ルーター BUFFALO WZR-HP-G302H 2 台 ・DATA カード DATA08 ・デジタルカメラマリンケース 2 台 3 活動スケジュール (1)水産科教材のデジタル化 年月 項 目 内 容 2011 年 8 月 ・教材作成のための資料 ・本校で実施している実習をデジタルビデ ~ 作成 オやカメラを用いて撮影。 2012 年 1 月 わかめ養殖,リサイクル魚礁,カッ ター漕艇・帆走,阿州丸ドック,普通 救命講習 2011 年 8 月 ・教材を作成 ・作成した資料を用いて,タブレット PC ~ で簡単に活用できる教材を作成。 2012 年 1 月 ・ビデオの作り方についての授業を実施。 2012 年 1 月 ・評価・改善 ・授業で活用し,アンケートを実施して評 ~ 3 月 価・改善。

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(2)実習船管理業務の効率化 年月 項 目 内 容 2011 年 8 月 ・これまでのデータをデ ・船内の消耗品,整備時期,運航時の計測 ~ 10 月 ータベース化 データ等をデータベース化。 2011 年 11 月 ・データを入力方法を検 ・タブレット PC を用いて効率よくデータ ~ 12 月 討 を入力していく方法を検討。 2012 年 1 月 ・運用・評価・改善 ・実際に運用して,評価・改善。 ~ 3 月 4 水産科教材のデジタル化 (1)目的 ①海洋系の実習への生徒の理解を深める 海洋系の実習については,本校の海洋科学類および海洋技術類へ入学するまでは ほとんどの生徒が体験したことのない実習内容である。,また,海上での実習とな り危険を伴うものが多い。そこで,各実習についての説明時にビデオ教材を見せる ことで,これから行う実習のイメージをつかませ,事故防止に役立てる。また,実 習後の復習にも活用する。 ②水産や海洋に関する魅力を発信 海洋系の実習内容は一般に広く知られておらず,本校に入学してきた生徒につい てもほとんどの生徒がどのような実習をしているかを知らずに入学している。進学 説明会,体験入学,オープンスクール等で広報しているが,それでもまだまだ十分 ではない現状がある。そこで,ホームページで教材を公開し水産や海洋に関する魅 力を発信していきたい。 ③新しい水産教育の発信 全国の水産・海洋系の高校と比較すると,本校は大型実習船を廃止し,小型実習 船を中心に据えた実習をスタートさせた初めての学校ということで注目を浴びてい る。また,学習内容も地域や研究機関との連携を重視した授業を展開している。こ れらの取り組みを全国の水産系の高校へも発信していきたい。 ④徳島県の水産業を PR 徳島県には,鳴門わかめ,マダイ,すじ青のり,シラス,ハモ,アオリイカ等, 様々な水産物が水揚げされている。これらの水産物のうち,本校が実習で取り組ん でいるわかめ養殖について紹介する。

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(2)教材の作成方法 ①デジタルカメラを用いて各実習の様子を写真や映像として撮影する。 海洋実習では海水に触れる実習が大半を占め るので,デジタルカメラにマリンパックを装着 して撮影を行った。一般に広く公開することも 考慮に入れて,できるだけ個人が特定できないよ うな撮り方をするように心がけた。また,タブ レット PC のカメラ機能を使用してのビデオ撮 影にも取り組んでみた。 ②ビデオ編集ソフトを用いて撮影した写真や映像をつなげて説明を入れていく。 教員のビデオ編集用にビデオスタジオ Pro を導入して編集を行った。今回,撮影 したビデオだけでは十分なデータが得られなかったので,これまでに撮影していた 写真も活用することとした。 ③ホームページを作成し簡単に教材を表示できるようにする。

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(3)生徒が自分たちの活動を編集した映像を作成 「総合実習」の授業で,わかめ二期作,水泳実習,マリンスポーツ実習等の写真や ビデオのデータを用いて,実習を紹介する映像を作成した。 (4)教材の評価 作成した教材を関連する授業や各実習のオリエンテーションや復習に使用した。使 用後に生徒を対象にアンケートを実施した。

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16% 84% 1 あなたはスマートフォンを 使用していますか? はい いいえ 4% 96% 2 あなたはタブレットPCを 所有していますか? はい いいえ 23% 51% 16% 10% 4 あなたが実習の概要を理解する (予習する)のに役立ちそうですか? とても役立つ 少し役立つ あまり役立たない 全く役立たない 31% 14% 55% 3 デスクトップPCと比べて, タブレット PCは使いやすかったですか? 使いやすかった 使いにくかった どちらとも言えない 21% 53% 14% 12% 5 あなたが海洋実習でやったことの 復習に役立ちそうですか? とても役立つ 少し役立つ あまり役立たない 全く役立たない 12% 55% 25% 8% 6 初めての人が見ても実習のことが 理解できると思いますか? よく理解できる 理解できる あまり理解できない 全く理解できない 8% 65% 19% 8% 7 この教材はわかりやすく 作成されていますか? とてもわかりやすい わかりやすい 少しわかりにくい わかりにくい 16% 58% 16% 10% 8 この教材で海洋について興味・関心を 持ってもらえると思いますか? とても思う 少し思う あまり思わない 全く思わない 24% 21% 21% 11% 11% 6% 6% 9 今回の教材の中で一番いいと 思った教材はどれですか? カッター漕艇 カッター帆走 救命講習 阿州丸ドック リサイクル魚礁 わかめ種苗生産 わかめ枠入れ&種差 9% 45% 32% 14% 10 あなたも自分達の活動をこのような 映像にまとめてみたいと思いますか。 とても思う 少し思う あまり思わない 全く思わない

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(5)教材の教員評価 教員にも実際に作成した教材を使用してもらいアンケートを実施した。 17% 83% 1 あなたはスマートフォンを 使用していますか? はい いいえ 0% 100% 2 あなたはタブレットPCを 所有していますか? はい いいえ 100% 0%0%0% 4 生徒が実習の概要を理解する (予習する)のに役立ちそうですか? とても役立つ 少し役立つ あまり役立たない 全く役立たない 67% 0% 33% 3 デスクトップPCと比べて, タブレット PCは使いやすかったですか? 使いやすかった 使いにくかった どちらとも言えない 83% 17% 0% 0% 5 生徒が海洋実習でやったことの 復習に役立ちそうですか? とても役立つ 少し役立つ あまり役立たない 全く役立たない 50% 33% 17% 0% 6 初めての人が見ても実習のことが 理解できると思いますか? よく理解できる 理解できる あまり理解できない 全く理解できない 33% 67% 0% 0% 7 この教材はわかりやすく 作成されていますか? とてもわかりやすい わかりやすい 少しわかりにくい わかりにくい 67% 33% 0% 0% 8 この教材で海洋について興味・関心を 持ってもらえると思いますか? とても思う 少し思う あまり思わない 全く思わない 33% 0% 17% 0% 33% 0% 17% 9 今回の教材の中で一番いいと 思った教材はどれですか? カッター漕艇 カッター帆走 救命講習 阿州丸ドック リサイクル魚礁 わかめ種苗生産 わかめ枠入れ&種差 67% 33% 0% 0% 10 あなたもさまざま実習をこのような 映像にまとめてみたいと思いますか。 とても思う 少し思う あまり思わない 全く思わない

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(6)成果 ・これらの教材を使用することで一般に馴染みのない海洋実習の内容について理解を 深めることができた。 ・映像を用いることにより,実習実施時の危険箇所等について事前に知ることができ, 事故防止に役立てることができた。 ・授業でパソコンを用いた映像の編集方法を指導することにより,画像や映像の編集 について興味関心を持たせることができ,研究発表会等に活用することができるよ うになった。 ・タブレット PC は画面に触れて指の動きだけで画面の大きさを変えたり,リンクを クリックしたりすることができ,授業をスムーズにすすめることができるツールで あると感じた。 (7)今後の課題 ・今回作成した教材はビデオと写真を組み合わせて作成したが,生徒のアンケートか ら映像の方がわかりやすいという意見があったので,さらに実習の様子をビデオで 撮影し活用していく必要がある。また,映像中の説明も十分ではないという指摘が あったので改善していきたい。 ・今回の事業で教材を作成するための環境を整えることができたので,今後さらに教 材を充実させていきたい。 ・作成した教材は広くホームページ等を通して公開していきたい。 5 実習船管理業務の効率化 (1)目的 ①船内の消耗品,整備時期,運航時の計測データ等をデータベース化する。 ②タブレット PC を用いて効率よくデータを入力していく方法を検討する。 ③実際に運用して,評価・改善を行う。

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(2)船内ネットワークについて 実習船「阿州丸」の船内および船と陸上とのデータの共有を行うため,船内ネット ワークを立ち上げた。陸上の環境とは違い航海中は常に動揺があることから,ファイ ルサーバーとして SSD 搭載のデスクトップパソコンを使用し,データのバックアッ プ用にポータブル HDD を準備した。また,船と陸上を結ぶ通信方法として USB 接 続のデータカードを無線 LAN ルーターに接続して船内 LAN を新たに立ち上げた。 (3)作成するデータベース データベースサーバーを立ち上げて,Web から入力できるシステム等も検討した が,船内 LAN が整備されていない実習船でも活用できるものをめざして,フリーソ フトの「OpenOffice.org BASE」を使用してデータベースを作成することとした。 ①航海の記録 甲板部および機関部でそれぞれ次のようなデータを入力できるようなものを作成 する。 ・甲板部で入力するデータ 風向,風速,天候,波高,波向,気圧,気温,水温,緯度,経度,航程,水 深,速力 ・機関部で入力するデータ 主機関・・・・各シリンダ排気温度,過給器入口・出口温度,清水クーラー 出口温度,潤滑油クーラー出口温度,冷却清水圧力,冷却海 水圧力,給気圧力,回転数,積算運転時間,潤滑油圧力, 減速逆転機・・クラッチ潤滑油圧力,クラッチ作動圧力,潤滑油温度 発電機・・・・潤滑油圧力,冷却水温度,電圧,周波数,運転時間 その他・・・・燃料タンク残量,清水タンク残量,燃料流量計示度 「阿州丸」船内 学校 タブレット PC(6 台) 無線 LAN ルーター data カード SSD 搭載デスクトップ PC(1 台) 外付 HDD イ ン タ ー ネ ッ ト

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②整備の記録

日付,機器名,対象部分,整備内容,運転時間,費用,写真,部品の在庫管理

(4)作成したデータベースを試用

作成したデータベースを実際に授業で試用して、生徒がそれぞれ観測した海洋観測 データや航海の記録を入力していった。

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(5)成果 ・これまで「観測→紙に記録→学校でデータ入力」という流れで手間がかかっていた 運航の記録が,船内での入力だけで完成し,非常に効率よく作業が進むようになっ た。 ・船内ネットワーク立ち上げ後に接続状況を確認したところ,海洋実習で利用してい る海域ではほとんどの場所でインターネットに接続が可能となった。このことによ り,これまでは実習前にしか気象や海象を確認することができなかったが,実習中 も気象や海象の動向を確認することができるようになり,安全な実習船の運航に役 立っている。また,台風や津波等の接近による避難時の情報収集にも有効である。 ・整備の状況や部品の管理が効率よく行えるようになった。 (6)今後の課題 ・データベースに保存したデータをグラフ等で見やすく表示するためのレポートが作 成できるように今後は改良を加えていき,本船のみならず他県の実習船でも活用で きるようなものにしていきたい。 ・船内ネットワークが構築されたことにより,学校と実習船をテレビ会議システムで つないで授業ができる可能性もできてきた。魅力ある海洋教育が推進できるように さらに研究を進めていきたい。 6 おわりに この度,『「e-とくしま推進プラン」協働目標の実現に向けた調査・研究事業』に採択 され,「ICT を活用した水産科教材のデジタル化および実習船管理業務の効率化に関す る調査研究」に取り組んできたが,この取り組みによりさまざまな成果が得られた。し かし,これらの成果を一般に広く知ってもらうという面においてはまだ十分ではない。 今後は県内唯一の水産系学科として水産・海洋の魅力を発信し,水産教育を発展させて いきたい。また,このことにより徳島の水産業の PR にも一役買っていきたいと思う。

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