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西ドイツ連邦憲法裁判所-2- 利用統計を見る

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(1)

西ドイツ連邦憲法裁判所-2-著者

Schlaich Klaus, 名雪 健二

雑誌名

東洋法学

34

1

ページ

101-125

発行年

1990-12

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00003535/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶

クラウス・

名  雪

 シ

健ユ

 ラ

 イ

ニヒ

訳著

第三部 連邦憲法裁判所の手続におけるいくつかの原則

 一 訴訟規則の不完全性−手続の非自主性

 連邦憲法裁判所法は、完備された訴訟規則を含んでいない。連邦憲法裁判所法は、︵意識的に︶不完全のままにして いる。その規則の他、一般的裁判所構成規定が準用されるべきである︵連邦憲法裁判所法第一七条︶。裁判所の言葉をも ってすると、﹁連邦憲法裁判所法は、およそ手続を尽くす規則を含んでいるのではなく、憲法裁判の手続の特殊性に 適合した絶対に必要であるわずかな規定に限られる。あとは、その手続の目的に適った手続の形成のための法的基礎        レ を、その他のドイツ手続法に類推してみいだすことが、裁判所に委ねられる﹂。       ハヱ       ハき  とくに、裁判所は、決定の言い渡しの形成、かつ文言、また、その決定の効力を確保するにあたり、みずから不備

    東洋法学      

一〇一

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      一〇二 を創造的に補充することに頼らざるをえない。ここで、それも、この分野においてのみ、裁判所は、連邦憲法裁判所 法第三五条︵決定の執行︶に基づいて、裁判所には、﹁その決定を確保するのに必要なすべての権限が与えられてい る﹂というような裁判所の広範な非拘束性を示唆する表現を時折選択した。裁判所は、この規定に基づいて、﹁まさ に執行の統括者﹂になったという。裁判所には、﹁その時その時に、もっとも事実に適合し、もっとも迅速で、もっ       ハくレ とも目的に適った、もっとも簡単で、かつもっとも効果的な仕方で必要なもの﹂を達成するために、十分な余地が残        ゑ されている。これらの主張もまた問題とされるべきであることを別にして、それらは、執行の領域に限定される︵し かも、引用された決定において、政党禁止という極端な事件に関して述べられる︶。  しかしながら、連邦憲法裁判所は、それ以外に、﹁その他のドイツ手続法の類推の方法で﹂、訴訟規則の不備を補充        パもレ することに限定し、必ずしも一般的に、手続の統括を主張したわけではなかった。連邦憲法裁判所は、憲法機関とし        ハア  て、﹁手続の統括者﹂であるという主張をしたが、当該裁判所自体がそれを実行したわけではなかった。この言い方       ハタレ は、まったく失敗したものとして無視されてもよい。t憲法訴訟法が﹁具体化された憲法﹂であるという当然正し い観察からも、憲法裁判の特殊性は、導きだされえない。なぜならば、あらゆる手続規則や訴訟規則が、!たとえ、       パ   さまざまな比重とはいえ、  憲法を具体化するからである。        パ   当該裁判所は、﹁憲法裁判の手続の特性﹂という適切な表現を使っているが、その自主性という表現を使っていな い。連邦憲法裁判所法の不備は、欠陥であり、﹁手続の自主性﹂が連邦憲法裁判所に保障されるという表現ではない。       れ   それに対して、文献では、他の訴訟規則との比較で、連邦憲法裁判所の﹁手続の自主性﹂および﹁憲法訴訟法の自

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 ゑソ       パど 主性﹂というテーゼが主張される。ここでは、それに同意しない。手続法から当該裁判所の実行性を限定するつもり はない。憲法訴訟法は、もちろん、あらゆる訴訟法と同じように、実質的︵憲︶法との関係において、従属の、かつ 支えとなる機能を有する。当該裁判所の決定の﹁合理性ゆえに是認﹂を維持しないしもたらしうるのは、まさしく、       めツ ﹁秩序のある訴訟手続﹂であるので、そのテーゼに同意することができない。当該裁判所によって、多かれ少なかれ、 自由に選択された手続が正当性および説得力を創るのではなく、それを創れるものがあれば、事前に立法者によって、 可能な限り厳密に定められた手続である。適用されるべき規範が不明確、不確定、包括的であればあるほどーーこれ は、憲法の場合、格別にそうだが  、当該裁判所は、その決定に拘束力があることを主張しようとすれば、また、 主張しなければならないのだが、その場合に完足した訴訟規則を必要とする。つまり、﹁不明確な﹂憲法秩序には、 不明確な手続規則ではなく、厳密な手続規則が相応しなければならない。  憲法を解釈し、具体化するのは、実際には、公の過程において行なわれる。そして、連邦憲法裁判所は、憲法の内 容に関する討論に参加する。しかし、連邦憲法裁判所にとって、憲法訴訟法は、当該憲法裁判所の拘束力のある決定 が最後にあるという目標に向かって、この討論に構造を与える。        ハおレ

 ニ 提訴要件、訴訟代理および職権主義

 連邦憲法裁判所法第壬二条は、提訴要件を規定している。提訴を取り下げることがどのような場合でも、その手続 を終了させるのかどうか、それとも連邦憲法裁判所が﹁手続の統括者﹂であり、公の利益のためにその手続を継続し

    東洋法学      

一〇三

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      一〇四        な うるかどうかは、異論がある。これは、恐らく、抽象的規範審査の場合にのみ可能であるべきであろう。  弁護士強制は、原則として、連邦憲法裁判所では存在しない。訴訟関係人は、口頭弁論においてのみ、弁護士、ま たは法律教師によって代理させなければならない。その場合、代理されてもよい︵連邦憲法裁判所法第二二条︶。  連邦憲法裁判所は、事実を調査するために必要な証拠を調べる︵職権主義−連邦憲法裁判所法第二六条︶。っ連邦憲法裁        へびレ 判所は、証拠調べの過程の中で、何をえようとするのかをみずから単独で決定する﹂。例えば、規範審査において、 連邦憲法裁判所は、職務上、法律の基礎になっている事実を調査し、折りに触れて、立法者の予測を詳細にわたって    へお 審査する。しかしながら、連邦憲法裁判所は、補充性の考えから、他の裁判所によるその時その時の訴訟事実の選別 を自由にできることを重視する。

三 手続の当事者と手続への参加、意見陳述権

 ︵一︶ 訴訟関係人  連邦憲法裁判所での手続における関係人は、抽象的規範審査においては提訴人であり、憲法訴願においては訴願人 である。その際、二つの手続とも、被提訴人ないし被訴願人は、存在しない。機関争訟では、提訴人および被提訴人 が、関係人である。具体的規範審査においては、疑義提示をなす裁判所も、最初の手続の当事者も関係人ではない。  ︵二︶手続への参加  具体的規範審査︵ボン基本法第一〇〇条︶においては、連邦議会、連邦参議院、連邦政府、また、場合によっては、

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州議会および州政府が、正式に手続に参加することができる︵連邦憲法裁判所法第八二条第二項︶。抽象的規範審査︵ボ ン基本法第九三条第一項第二号﹀においては、これはない︵連邦憲法裁判所法第七七条︶。何といっても、ここでは、提訴 人は、憲法機関である。憲法訴願︵ボン基本法第九三条第一項第四号︶においては、その作為もしくは不作為が憲法訴 願で意義を申し立てられている憲法機関が、手続に参加することができる︵連邦憲法裁判所法第九四条第五項第一段︶。 このようにして、被訴願人がないこの手続の種類においても、形式的には提訴人と対立しうる。  手続への参加は、手続関係人の地位を与える︵召喚状、訴答書面および決定の送達、訴訟上の提訴権、裁判官忌避権、記   ハぬレ 録の閲覧﹀。  ︵三﹀ 意見陳述権  意見陳述権は、さらに、広範囲にわたっている。具体的規範審査︵ボン基本法第一〇〇条第一項︶においては、最初 の手続の関係人が、意見の陳述をすることができる︵連邦憲法裁判所法第八二条第三項︶ほか、関係するすべての憲法 機関も︵形式的な参加なしにも︶意見の陳述をすることができる。連邦憲法裁判所は、連邦および州の最高裁判所に意 見の陳述を依頼することができる︵連邦憲法裁判所法第八二条第四項︶。連邦憲法裁判所は、連邦憲法裁判所規則第二二 条第三項により、他の手続の中でそれを自発的に行なう。抽象的規範審査︵ボン基本法第九三条第一項第二号︶におい ては、上述の憲法機関が、意見陳述権を有する︵連邦憲法裁判所法第七七条︶。憲法訴願︵ボン基本法第九三条第一項第四 a号︶においては、﹁侵害する﹂機関︵立法者、政府、裁判所︶が、意見陳述の機会を与えられる︵連邦憲法裁判所法第九 四条第一項・第二項・第四項︶。判決に対する憲法訴願においては、当該裁判所は、その決定によって利益を受けた者に

     東洋法学      

一〇五

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      一〇六       へ   も意見陳述の機会を与える︵連邦憲法裁判所法第九四条第三項︶。関係のある憲法機関は、  上述の通り  手続に参 加することもできる。  連邦憲法裁判所規則第二二条第四項は、重要である。すなわち、連邦憲法裁判所は、自発的に、ある分野において、 特別の知識をもっている人物に、決定にとって重要な問題について、専門的意見の陳述を嘱託する。当該裁判所は、       ぬ  その他にも、報告を求める。連邦憲法裁判所法第二六条第一項第一段に基づいて、鑑定人および諸々の団体が、聴聞 される。諸州の報告も、収集される。このように、連邦憲法裁判所は、当該政治的論争の戦闘家、または当該領域の 専門家の意見の陳述をみずからの裁量により、訴訟手続の中に導入することができる。        ハのレ  ちなみに、連邦議会は、たとえ連邦法律の有効性が問題であろうとも、めったに意見の陳述をしない。連邦参議院の意見の陳述 は、ほとんどない。  上述の通り、連邦憲法裁判所における手続は、当該憲法裁判所で意見の陳述をするために権利を与えられた者の範 囲が他の裁判所の手続よりも、はるかに広く柔軟になっているという特徴をもつ。これは、︵すでに、少数意見の際に 述べられた︶憲法の特性の表現である。すなわち、憲法の解釈、変遷および発展は、あらゆる者が関心をもち、参加 する政治過程の一部でもある。憲法の利害関係者の範囲および解釈者の範囲は、他の成文法典の範囲よりも多元的で   の  ある。しかし、ここでも、団体および人物という鑑定人の聴聞、または一般に、情報の調達における連邦憲法裁判所 の﹁自主性﹂が、当該裁判所を、部分的には、あまりにも政治過程に引き込まないのではないかが問題である。この より自由な手続によって、当該裁判所の﹁政治的﹂機能が質をえ、個々の決定が納得性をます。しかし、連邦憲法裁

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判所が、それによって、その唯一の権威、すなわち、︵憲︶法を適用する当該憲法裁判所の権威をいかに維持し、強 めることができるのかが問題である。       ︵雛︶      ︵25︶  一九七六年の共同決定法については、連邦大臣が、公務員恩給の課説については、労働組合が、原子力発電所の認可手続につい       ︵26︾      ︷27︶ ては、ドイツ福音教会の環境問題受託者が、大学教育の収容力の算定については、大学学長が、サラリーマンの解約告知期間に関        お  する法律については、連邦ドイツ使用者団体連合会、労働組合および連邦職業安定所が、離婚者の保護監督権については、児童神       ハぬザ 経学者、ドイツ児童保護連盟およびドイツ裁判官連盟が、出産手当については、連邦政府、連邦社会裁判所、ドイツ労働組合連盟、        ハ  ドイツ・サラリ⋮マン労働組合、ドイツ司教連盟事務局、ドイツ福音婦人労働団体、ドイツ主婦連盟並びに最初の手続の関係人が、 連邦憲法裁判所で意見の陳述をする。  そこで、憲法訴訟は、口頭弁論において、憲法の維持、または発展の目標をもったその時の領域にとって重要な政 治的力との公の話し合いとなる。連邦憲法裁判所規則に定められているが、一般的な訴訟法を超越したこれらの大々 的な行事が、連邦憲法裁判所法第二六条の聴聞の形態の中に包み込まれているかどうかは、実際には問題にされてい ないようだが、その行事が厳格な意味での証拠調べを凌駕する限り、それは問題である。いずれにせよ、政治行動と その憲法裁判による制御との相違を隠すべきではない。

四 口頭弁論

口頭弁論は、連邦憲法裁判所法第二五条第一項にょり原則であるが、    東 洋 法 学 実際には、        の  稀な例外である。あらゆる訴訟関         一〇七

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      一〇八 係人は、それを放棄することができる。憲法訴願において、連邦憲法裁判所は、関係憲法機関が口頭弁論を主張しな い限り、みずからそれを断念することができる︵連邦憲法裁判所法第九四条第五項第二段︶。つまり、訴願人は、口頭弁 論を強制することができない。口頭弁論が行なわれた場合には、普通、公に言い渡される判決が、下される。そうで なければ、﹁決定﹂が、下される︵連邦憲法裁判所法第二五条第二項︶。

 五 却   下

 あらゆる手続において、不適格で、または明らかに理由のない提訴は、連邦憲法裁判所の全員一致の決定にょって       ハぬレ 却下されうる︵連邦憲法裁判所法第二四条︶。この却下は、提訴人が事前に連邦憲法裁判所の疑義を指摘された場合、理 由づけを必要としない。理由づけのないかかる決定は、判例集に載せられない。理由づけをもった決定の場合には、 載せられる。決定の形態は、憲法訴願において、特別な受理手続が連邦憲法裁判所法第九三a条によりできて以来、 重要ではない。  連邦憲法裁判所は、提訴に理由のない場合、そもそもまず決定すべき、しかし、具体的事件において、疑義があり、 場合によって決定しがたい手続の適格性をそのままにさせておくためにも、連邦憲法裁判所法第二四条による決定を         へみレ 利用することもある。連邦憲法裁判所法第二四条のこの使用は、極めて重要な問題に関する決定が、また、非常に詳 細な理由づけをもって、当該規定により下されることがある。例えば、連邦憲法裁判所判例集第六一巻八二頁におい て、市町村の基本権能力についてのザスバッハ︵ω霧訂畠︶事件の決定は、一八頁ほどの理由を載せている。その際、

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       レ 憲法訴願は﹁明らかに理由がない﹂という︵連邦憲法裁判所法第二四条による︶決定主文が、さし控えられている。  連邦憲法裁判所は、普通の慣習にしたがい、まず先に提訴をその他の関係人に送達することなく、また、第三者の 意見の陳述を求めること︵例えば、連邦憲法裁判所法第七七条、第八二条第一項、第九四条︶なく決定するためにも、連邦        ハのレ 憲法裁判所法第二四条を用いる。その場合、連邦憲法裁判所は、提訴の書類に基づいてのみ決定する。それは、印刷       へみソ された決定の中には述べられていない。  印刷された決定のいくつかにおいては、なぜ連邦憲法裁判所法第二四条による手続が選ばれたかが、第三者にとっては明らかと ならない。その他にも、簡単な理由が認められ、かつ好都合とされ、全員一致が、他の方法でも通知されうる。  連邦憲法裁判所法第二四条による決定は、  当該憲法裁判所法第九三a条第三項に基づく︵不︶受理決定とは違 って  確定力および拘束力をもった正式に効果のある決定である。したがって、規範審査においては、提訴ないし 裁判官の疑義提示は、連邦憲法裁判所法第二四条が述べているように、却下されるわけではなく、﹁当該憲法裁判所 法第二四条による決定﹂として、審査された規範のボン基本法と矛盾しないことがはっきりと言い渡されることもあ  むレ る。このように、その決定は、連邦憲法裁判所法第三一条第二項による拘束力をえる。

六 裁判官の除斥および偏頗

 裁判官の除斥と忌避の可能性は、他の裁判所と同じように、連邦憲法裁判所にもある。  事件における血縁関係、または関係者のため、裁判官をその職務の遂行から除斥する理由︵連邦憲法裁判所法第一八

    東洋法学       一〇九

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      二〇 条︶は、限定的に規定されている。裁判官が政党に所属することにより、ある手続の結果に利害があり、または彼が 以前に、ー例えば、国会議員として  当該立法手続に関与し、あるいは手続の中で重要となりうる法問題につい て、学問的に意見を述べたという事実は、裁判官の除斥の理由にはまだならない︵連邦憲法裁判所法第一八条第二項・第 三項︶。多くの裁判官が政治家、または学者の出身であるから、そうでなければ、裁判所の定足数を伴った問題が、 常に存在することになろう。  裁判官は、その非党派性に対する不信任を正当と認めるのに適した理由がある場合に、偏頗の恐れのため、申立に       パおレ より忌避されうる︵連邦憲法裁判所法第一九条︶。連邦憲法裁判所は、ボン基本法第一〇〇条第一項による裁判官の疑義 提示に基づく規範審査の手続において、連邦憲法裁判所法第一九条を適用しない。というのは、その際には、対人関 係がないので、裁判官の忌避の可能性に対する必要がない客観的手続であるからである。加えて、この手続には、申        ハ  立権者が存在しないし、職務上、偏頗の恐れは審査されえないのである。  その他、ここでもまず、別の訴訟規則の原則が、前提にされるべきである。しかしながら、ある状況が、連邦憲法 裁判所での裁判官の除斥および裁判官の忌避を問題にする。すなわち、連邦憲法裁判所においては、他の裁判所と違 って、裁判官の相互の代理がない。それゆえに、裁判官のすべての除斥は、裁判官の数を減らすことになる。政治的 に重要な事件でのすべての裁判官の効果ある忌避は、部会の人事における﹁政治的均衡﹂を妨げうる。三人目の効果 ある忌避は、法律がこの場合に対する解決を提供することなく、部会の定足数をもう満たさないことにする︵連邦憲       へ レ 法裁判所法第一五条第二項︶。立法者は、憲法裁判手続のこの特殊性をみずから連邦憲法裁判所法第一八条の狭い文言

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をもって考慮した。連邦憲法裁判所法第一九条による裁判官忌避において、この特殊性が、規範の解釈および適用に あたって配慮されなければならない。三人目の忌避は、許されてはならない。極めて重要な理由においてのみ、忌避        ハぬソ された裁判官を除斥してもよい。したがって、今までには、少しの事件においてのみ、そのようなことになった。連 邦憲法裁判所ほどの地位の裁判官からは、内面的独立性が期待され、関係人からは、この独立性への信頼が期待され る。  連邦憲法裁判所においても、裁判官の代理を導入する考えがある。しかし、連邦憲法裁判所法第一八条、第一九条を放棄する提   パゼ 案もある。

七 費用、濫用手数料、実費

 連邦憲法裁判所でのあらゆる手続は、無料である。連邦憲法裁判所は、見込のない憲法訴願において、提訴人に濫        ぱレ 用手数料を課すことができる︵連邦憲法裁判所法第三四条第一項・第五項︶。連邦憲法裁判所がこの手段を今まで以上に 使用しようとするならば、当該憲法裁判所は、起こりうる恣意の印象に対抗するために、決定の基準を明らかにする ことが要求されるべきである。連邦憲法裁判所は、必要な実費の支払いを命ずることができる︵連邦憲法裁判所法第三        パ レ 四条第二項−第四項︶。 東 洋 法 学

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 西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶

第四部 管轄および手続の種類

一二   第一章 連邦憲法裁判所への訴えの方法  一 一般条項の不存在  連邦憲法裁判所の管轄は、裁判所構成法第一三条および行政裁判所規則第四〇条第一項によって知ると同じ一般条 項に基づいていない。他の裁判所部門にとって存在するような連邦憲法裁判所に対する﹁出訴への途﹂はない。﹁直        パよレ 接の憲法問題における裁判﹂としての憲法裁判の定義も、かかる出訴への途を開いていない。出訴への途は、特別の 明示的な管轄規定ないし手続規定によってのみ、開かれる︵いわゆる列挙主義︶。連邦憲法裁判所法第二二条は、一五 項目をもって、これらの管轄を列挙している。  出訴への途の一般条項の場合において、ある出訴への途を︵例えば、行政裁判所規則第四〇条によって︶肯定してから、適切な 訴えの種類︵例えば、行政裁判所規則第四二条、第四三条による取消の訴え、義務づけの訴え、確認の訴え︶の問題が生じる。連 邦憲法裁判所の訴訟法には、出訴への途と訴えの種類に違いがない。一定の手続の種類を通じてのみ、連邦憲法裁判所への訴えの 可能性がある。  それゆえに、訴訟上、連邦憲法裁判所においては、個々の手続の種類の範囲内でのみ考えられなければならず、ま た、論議されなければならない。これらの手続の種類のすべては、連邦憲法裁判所法第三六条以下にそれぞれ特別の

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章、全部で一五章をもって規定されている。そして、それぞれの章の中は、提訴人、争訟の対象、提訴の適格性、関 係人、決定というようなパターンに応じて規律されている︵例えば、連邦憲法裁判所法第六一二条ー第六七条︶。  以下、個々の手続の種類が、別個に取り扱われている。しかしながら、裁判所の決定に関しては、その都度、第五部での共通の 取扱いを参照するよう。  二 連邦憲法裁判所のもっとも重要な手続の種類の考察にとって、その実際におけるある程度の見解を伝えるため        ハ ソ に、まずいくつかの数字を挙げることにする。  手続の種類      決定の数       一九八三年       一九五一年ー一九八三年 機関争訟 連邦争訟 選挙審査および議員資格審査 規範審査   抽象的規範審査    東 洋 法 学 二 一 [

E

二二

四 四二二

九八九七

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶ ー具体的規範審査      二六    ︵裁判富疑義提示︶ 憲法訴願        ハヨレ ー部会決定       一〇九 f裁判官委員会の決定      三〇六八  仮の命令       一五  その他の手続の種類       −  一九八三年に、三八二八件の憲法訴願、七五件の裁判官疑義提示 五件の機関争訟、三件の連邦争訟および一六件の仮の命令への提訴、 一四 七六五       三四三二        四一〇〇六        約二二〇       四五 ︵具体的規範審査︶、三件の選挙審査および議員資格審査、一 全部で三九四六件の手続が新たに係属中となった。

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第二章 ボン基本法第九三条第一項第一号、    ハゑマ 機関争訟 連邦憲法裁判所法第二二条第五号、第六三条以下による

 一 基本問題

 ︵一︶権利義務の担い手としての憲法機関  連邦憲法裁判所は、ボン基本法第九三条第一項第一号、連邦憲法裁判所法第六三条以下により、二つの憲法機関の 問の憲法から生ずるその権利義務に関する争訟において決定する︵いわゆる機関争訟︶。ここでは、憲法機関は、対抗        こ 的手続において提訴人と被提訴人として対立する。両当事者は、﹁国家﹂という同一の法主体に属するゆえに、解釈 上、もともと主観的﹁権利義務﹂ではなくて、相互の管轄および権限が限界づけられるべきであるということが、こ の手続を自己訴訟にする。しかしながら、その適格性は、ここでは明示的規定により問題ではない。  ト⋮マに関するフリーゼンハーンによって展開された憲法領域とそれに帰属する主体についてのテーゼは、機関争訟を解釈上把 握することにとり基礎的である。憲法上の関係にあるあらゆる﹁法主体篇、そして、それらだけが、憲法争訟手続の当事者でありう ハるソ る。連邦憲法裁判所は、それに関して、1しかし、より控えめに1訴訟への途を開くことによって、必然的に憲法上の関係の        ヘマレ ある程度の主体化が起こり、この主体化がボン基本法と同調して、国家機関の﹁権利﹂という表現を使うことを正当化する。つま り、ここでは、単なる機関の権限を裁判で争われる主観的権利義務に変形するのは、ボン基本法第九三条第一項第一号による出訴 への途の開始である。

     東洋法学      

二五

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      二六  ボン基本法第九三条第一項第一号および連邦憲法裁判所法第六三条、第六四条は、機関争訟が関係人の﹁権利義 務﹂の主張を訴訟の前提にもつことに疑義はない。連邦憲法裁判所は、それどころか一つの事件において、ー連邦 憲法裁判所法第六四条、第六七条の文言および意味を超越して1機関争訟の決定主文の中で、当該憲法機関の権利       パ ロ 侵害を確認した。議員が正規の任期の残余につき、その議員の地位を保全するために、連邦議会の早期解散に対して 機関争訟を提起するならば、これは、純粋の機関紛争である。他の機関争訟の場合には、政治上の方針の紛争が中心      ハぽ になっている。  ︵二﹀ 歴史的背景        パ   機関争訟は、国事裁判︵理念上︶の核心の一部である。それゆえに、以前は、憲法領域の主体間のこの争訟に対し て、より基礎的には﹁憲法争訟﹂という言葉が用いられた。  一九世紀の立憲政体の発展において、ドイツ諸邦は、この憲法をー欽定された場合でもーいわば、領邦君主 ︵君主︶と等族会議ないし国民議会︵国会︶との間の契約ともみなすことができた。憲法の内容および解釈に関する 争訟を法律上の争いとしてないし国事裁判所で争訟を調停する手段で解決する可能性が、憲法のこの契約的性格から   ヘユ 生じた。そこで、例えば、一八三一年のザクセン憲法第一五三条では、﹁憲法の個別条項の解釈に関して疑義があり、 それが政府と等族会議との間の合意によって取り除かれえないとき、争いの賛否の根拠が、政府の側からも、等族会       ハぎ 議の側からも、決定のために邦裁判所︵ω欝器αQ亀畠露・︷︶に提起されるべきである﹂と書かれている。一八四九年 のパウルスキルヒェン憲法は、その上、帝国のために憲法争訟を想定した。仲裁裁判の性格は、訴訟当事者が裁判所

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に訴えることに一致しなければならなかったという点に現われる。パウルスキルヒェン憲法第一二六b条では、﹁訴 訟当事者が帝国裁判所の決定を求めることに意見が一致するとき、帝国憲法の解釈に関する上院︵ω蕾聾訂奮︶と        パおマ 下院︵く。旨訂霧︶相互間の争訟およびそれらのいずれかと帝国政府との間の争訟は、帝国裁判所の管轄に属する繍 と書かれている。一〇〇年後に、初めて、連邦レベルにおいて、機関争訟の実現化をみるに至った。  州レベルにおいて、いくつかの州に想定されている機関争訟もまた、一九世紀には実際的な意義を有していなかっ た。一八四八年ー一八四九年以後、つまり、反動期に成立した邦憲法︵とくに、プロイセン憲法︶は、  一八七一年 の帝国憲法と同様に  もう憲法争訟を全く想定しなくなってきた。プロイセンの邦議会で、裁判官による憲法の先 決的解釈に異議を述べたビスマルクの拒否も、影響力が強かった。すなわち、君主と邦議会との間の︵憲法上いまだ 不確定で、かつ政治上論争にある︶権限配分︵﹁不安定の憲法﹂︶舞邦の政治的将来が、ひとりの裁判官の判決に依存され てはならないという。一九一九年のヴァイマール憲法によるライヒ国事裁判所にさえ、ライヒ内での、つまり、ライ ヒの憲法機関の間の憲法争訟に関する決定権能は、いまだ与えられていなかった。それでも、ライヒ国事裁判所は、 州内の憲法争訟の決定について補充的に管轄権があった。一九二六年の第三四回ドイツ法学者学会は、ドイツ.ライ ヒに関する国事裁判所の管轄をライヒの憲法争訟に拡大することを必要と考えた。  ボン基本法ーとくにまた、ヴァイマール時代の経験に基づきーは、連邦の憲法機関の間の機関争訟を連邦憲法 裁判所の管轄のカタログに取り入れた。今臼、政治の中心にかような裁判を受け入れ、それを立憲国家の構造に属す るものとして解釈する自明性は、ボン基本法が政治機構の協力に対しても、どれほど重要な役割を演じたかを示す。

    東洋法学      

二七

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     西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      一一八 すなわち、政治機関の権力のための政治的闘争は、ボン基本法第九三条第一項第一号がいうように、相互の﹁権利義 務﹂の中に包み込まれており、訴訟となった場合には、﹁司法﹂によって決定されうる憲法上の相互関係にある。  しかしながら、今日なお、法律の条項は、裁判所が実際にどの程度まで、権力の輪の中に勇気をもって進んでよいかという問題 に対する解答の不安を伺わせる。すなわち、ボン基本法第九三条第一項第一号の文言により、連邦憲法裁判所は、機関争訟におい て、憲法機関の聞の争いを決して決定するのではなくて、ーまさに、引用された一八三一年のザクセン憲法第一五三条と同様ー ー争いを契機にして、ボン基本法の解釈に関して︵のみ︶決定する。それは、むしろ、機関争訟の伝統的な形式である。連邦憲法 裁判所は、それにより、憲法が︵抽象的に︶当該事件についていうものを、拘束力をもって明らかにするべきである︵﹁原則的な憲 法解釈﹂︶。そこから、政治的な結論を引き出すことは、政治の課題に留まるべきである。しかしながら、連邦憲法裁判所法第六七 条第一段の機関争訟の文言により、連邦憲法裁判所は、機関争訟において、争い自体に関して決定する。すなわち、連邦憲法裁判 所は、被提訴人の異議を唱えられた措置がボン基本法の規定に違反するかどうかを決定する。それをもって、訴訟上の意味におい て、憲法解釈が、予備的問題になり、争いそれ自体が手続の対象となった。連邦憲法裁判所は、早くから、このより広範な文言に    パき 同調した。  ︵三︶機関争訟における決定の義務効果  連邦憲法裁判所法第六七条第一段に基づくより広範な文言によっても、連邦憲法裁判所は、異議を唱えられた措置 がボン基本法に違反するかどうかだけを確認することに留まっている︵連邦憲法裁判所法第六七条第一段︶。連邦憲法裁 判所は、その決定をもって、一定の作為、または不作為の義務づけを言い渡すわけではない。しかしながら、この制

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限は、機関争訟手続の関係人が裁判所の確認に、これに相応した反応を示すことを義務づけていないという結論を許 してはいない。連邦憲法裁判所の決定は、なるほど、措置の存続に触れないでおくが、機関争訟において肯定する確        パと 認の決定は、それでも被提訴人を義務づける。被提訴人には、憲法に適合する状態をもたらす仕方だけが残されてい る。したがって、連邦憲法裁判所法第六七条第一段は、後日の事件にとって初めて拘束力のある単なる確認が狙いで はない。ボン基本法第九三条第一項第︸号、連邦憲法裁判所法第六七条第︸段の規定は、憲法機関相互の関係におい て、当該憲法機関がある措置の憲法違反の拘束力ある確認を義務づけ、また、その執行の言い渡しを必要とせずに尊 重することを前提にする。それは、すでに、ボン基本法第二〇条第三項による法治国家原理に一致し、ちなみに、被        ハ レ 提訴人が国家である場合、行政裁判の手続における確認判決にもあてはまる。したがって、連邦憲法裁判所法第六七 条第一段は、起こりうる憲法違反の状態を黙認する考えを抱いていない。連邦憲法裁判所法第六七条は、憲法違反の 状態の解消に関して、相手方の憲法機関を寛大に取り扱うのではなくて、解消の仕方に関してのみ寛大に取り扱う。 それゆえに、例えば、連邦憲法裁判所が、ボン基本法第六八条に基づく連邦大統領による連邦議会の解散の憲法違反 を確認するような事件が起これば、大統領は、その解散命令を取り消すことを義務づけられることになる。  それゆえに、機関争訟手続においては、仮の命令を妨げるものは何もない。仮の命令は、本案決定がそれによって、       パゼ 単なる確認に限定されるとはいえ、この決定の実効性を確保するために認められる。 東 洋 法 学 一九

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      一二〇  ︵四︶機関争訟手続における重要な決定        ハガレ  ドイツ連邦共和国の存続にとって重要である決定が、機関争訟手続において下された。政党資金、選挙戦の時期に        パど       ハ  おける連邦政府の広報活動、ボン基本法第二二条による連邦大蔵大臣の緊急権限、そして、一九八三年の連邦議会   パぬソ の解散についての決定が挙げられる。しかしながら、統計的にみて、この手続の種類は、連邦憲法裁判所の裁判の形 象にとって二次的なものである。いずれにせよ、一九八三年と一九八四年には、係属中となった手続が飛躍的に増大 した。これまで、大抵は、一年に一つの決定がこの手続でなされたのに対して、一九八三年には、一五件の機関争訟 が新たに係属中となった。これは、その地位を闘い取る新しい力が、政治機関の固定化された網状の組織関係に入り 込んだことの兆候である。

 二 適格要件

 ︵一︶当事者能力  憲法機関だけが、提訴人および被提訴人でありうる。連邦憲法裁判所法第六三条により、これは、連邦大統領、連        ハぞ 邦議会、連邦参議院および連邦政府、さらに、ボン基本法、または連邦議会もしくは連邦参議院の規則において、固 有の権利を与えられている限り、これら憲法機関の部分機関である。固有の権利をもったかかる﹁部分機関﹂は、連 邦議会および連邦参議院の議長、委員会、議員団、それに加えて連邦政府の構成員、みずから憲法機関として、その 固有の地位から生ずる権利ではなくて、連邦議会という全体の機関の権利を主張する限り、議員である。議員団の当       ハのレ 事者能力をもって、機関争訟は、野党にょる制御の手段にもなる。その時その時に、個別的な投票において形成され

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      ハ レ るような多数派および少数派は、当事者能力がないが、ボン基本法︵例えば、ボン基本法第四二条第一項第二段︶、また は議院規則︵例えば、連邦議会規則第八五条“連邦議会議員の五パーセントによる法律の第三読会における申立︶に挙げられて いる一定の少数派は、当事者能力がある。  ボン基本法第九三条第一項第一号は、提訴人として、﹁連邦最高機関﹂および﹁他の関係機関﹂を挙げている。そ れは、連邦憲法裁判所法第六三条を凌駕している。ボン基本法第九三条が、憲法規範として優先する。連邦憲法裁判 所法第六三条に挙げられていないボン基本法第九三条第一項第一号の意味における連邦最高機関の一つは、連邦会議 である︵ボン基本法第五四条︶。連邦参議院議長がボン基本法第五七条により、連邦大統領の権能を代行するときは、       パぬソ 彼もやはりまた、当該基本法第九三条第一項第一号の意味におけるかような﹁連邦最高機関﹂である。例えば、連邦 大統領は、連邦参議院議長に対して、故障がなかったという理由をもって、この権能の主張を機関争訟の手段で争う ことができるからである。議会という機関の部分としてではなく、︵それもありうるのだが︶自己の責任で、議会内で 秩序権および懲戒権を憲法機関としての議員に対して行使する連邦議会議長は、ボン基本法第九三条第一項第一号の        ハあレ 意味における﹁他の関係機関﹂でもある。議員も、機関争訟において門関係機関﹂でありうる。﹁各連邦議会議員は、 議員としてのその地位を侵す、すなわち、憲法上保障されている法的地位を侵害する措置に対して、連邦憲法裁判所       ハぱレ に訴えを提起する権利があるし。連邦議会議員は、﹁固有の機関的地位﹂により、提訴人である。ドイツ連邦議会規則 が一定の定足数ないし議員団のおかげで、個々の議員の地位をますます狭めるので、この指摘は重要である。例えば、       ざ      ソ 議員は、総会でのその発言権の制限、または連邦議会の早期解散がその議員の地位と結びついた権利を侵害し、また

    東洋法学      

一二一

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      一二二 は憲法違反の仕方で、この地位を奪うということを機関争訟において主張しうる。その際に、議員は、その固有の地       パ  位を自己の名で主張する。議員は、これをー文献によると、違うようにみえてもー、単に連邦憲法裁判所法第六 三条の意味における部分機関として行なうわけではない。連邦議会の権利を主張しょうとする場合に、議員は、当該 議会の部分機関として機関争訟を提起する。しかしながら、独立した憲法機関として、議員は、議員としてのその地 位から生ずる権利を主張する場合にのみ、機関争訟手続を起こすことができ、議員が立候補者として、ボン基本法第 三八条第一項より生ずる被選挙権を連邦政府の広報活動の措置に対して、また、前議員として、その老齢年金を主張       ハぬレ するような場合にはできない。ここでは、市民の基本権が問題であるので、憲法訴願が正しい手続の仕方である。  連邦憲法裁判所の常設裁判によると、政党︵ボン基本法笙二条︶は、ボン基本法第九三条第一項第一号の意味にお ける﹁他の憲法機関﹂である。もっともまた、﹁政党が、その特別な憲法上の地位から生ずる権利のために闘う場合        ハむレ に、かつその限り﹂にのみ。その限りでは、政党は、その﹁特別な、すなわち、ボン基本法第一二条に規定された憲 法上の地位﹂に基づき、連邦最高機関の地位および機能において対等である準憲法機関︵﹁﹃機関卵性質﹂︶とみなさ        へぬレ れる。それゆえに、憲法訴願は、訴訟上の適当な手段ではないという。  連邦憲法裁判所判例集第四四巻一二五頁”選挙戦の時期における連邦政府の広報宣伝。提訴人”キリスト教民主詞盟。被提訴 人“連邦政府。提訴”連邦政府が、一九七六年の連邦議会の選挙戦において、与党︵ドイツ社会民主党と自由民主党︶への︵税金 の︶金銭価値ある給付並びにプロパガンダの公示によって、ボン基本法第二〇条第二項との関係で、第心二条第一項︵政党の機会 均等︶に違反したということを確認すること。

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 政党がその憲法上の地位を他の憲法機関に対して主張する限り、政党は、連邦憲法裁判所の裁判により、機関争訟 を提起することができるし、提起しなければならない。もっとも、機関争訟は、被提訴人も憲法機関である場合にの み可能である。それゆえに、例えば、政党がその憲法上の地位を放送協会︵労彰象轟冨婁毘︶に対して主張するなら        へおレ ば、政党は、憲法訴願を提起しなければならない。なぜならば、放送協会は、憲法機関ではないゆえに、機関争訟 ︵二つの憲法機関の間の紛争︶においては被提訴人として、当事者能力がないからである。その特別な憲法上の地位で はなくて、﹁各人しと同じように、その基本権を、例えば、市のホールの賃借人、または納税義務者として主張する ならば、政党には憲法訴願だけが開かれている。政党は、放送協会の評議会︵男琶象壼町象︶において代表される権 利をも、機関争訟で主張しえないし、これは政党が︵州の︶政府や立法者に対して機関争訟を提起する場合にもでき ない。なぜならば、この権利が政党に帰属するならば、憲法およびその特別な憲法上の地位からではなくて、i諸        へむレ 団体の下での団体としての;その一般的社会的地位より帰属しうるからである。  ︵二︶争訟の対象       パおソ  手続の対象は、被提訴人の措置、または不作為がボン基本法の規定に違反するかどうかに関しての憲法機関の争い である︵連邦憲法裁判所法第六四条第一項︶。その措置は、法的効果をもつもの︵8。募巽訂窪9︶でなければならない。       ハみレ  それは、大抵、議会での口頭による質問に対する連邦政府の解答、または議会での少数派によるある法案の憲法違反の単なる主      むレ 張においては、あてはまらない。しかし、単なる意見表明も、例えば、連邦憲法裁判所にょって、いまだ禁止されていない政党の       パ レ 目的の憲法適合性に関する連邦政府の否定的価値判断においては、法的効果をもつ行為となりうる。総会における連邦議会議員の

    東洋法学      

一二三

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    西ドイツ連邦憲法裁判所︵二︶      二一四 発言が、議長の秩序維持措置を正当化するかどうかの問題も、機関争訟の対象でありうる。しかしながら、秩序の保持にもっとも 寛大な手段としての単なる戒告は、連邦憲法裁判所の︵結果的にのみ理解しうる︶見解により、警告的性格だけを有するゆえに、    ハ  ﹁法的効果﹂がない。        ハ    法律が提訴人の憲法上の地位にとって、法的効果をもつ限り、法律の発布ないしーより厳密には  立法行為も、 連邦憲法裁判所法第六四条の意味における措置でありうる。そこで、機関争訟は、実際には、規範審査となりうる。  ︵三﹀提訴権能  提訴人は、連邦憲法裁判所法第六四条第一項により、彼が、またはその所属する機関が措置もしくは不作為によっ て、ボン基本法により彼に与えられているゆえに、その固有の権利義務を侵害され、あるいは直接に危険に晒されて いることを主張しなければならない。提訴人は、その侵害、または危険を主張しなければならないし、主張すること ができなければならない。すなわち、侵害、または危険が  行政裁判所規則第四二条第二項による訴えの権能と同 様にー可能でなければならず、関係機関の閲で、争いになっていなければならない。相互の権利義務は、憲法上の        む 関係から生じなければならない。部分機関は、たとえ、機関の多数がその権利を侵害されたとみなさなくとも、当事       ハま 者に代わって機関それ自体の憲法に基づく権利を機関のために主張しうる。  ︵四︶期   限  提訴は、六ヶ月以内に提起されなければならない︵連邦憲法裁判所法第六四条第三項︶。  ︵五︶審査基準

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審査基準は、憲法であって、憲法の下位にある諸規則、またはその他の法ではない。  三 決   定 連邦憲法裁判所法第六七条第一段により、連邦憲法裁判所は、異議を唱えられた措置、 の規定に違反するかどうかをその決定において確認する。それに関しては、第五部以下。 または不作為がボン基本法 東 洋 法 学 一二五

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