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心不全患者の在宅医療で活躍できる薬剤師の育成

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Academic year: 2021

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(1)公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2014 年度後期「在宅医療研究への助成」報告書. テーマ:心不全患者の在宅医療で活躍できる薬剤師の育成. 申請者:関根祐子 所属機関:千葉大学大学院薬学研究院 所在地:〒260-8675 千葉県千葉市中央区亥鼻 1-8-1 提出年月日:平成 28 年 2 月 29 日 共同申請者:高野博之 所属機関:千葉大学大学院薬学研究院.

(2) 目 次 1.背景・目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 2. 2.方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 3. 1)講習会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 3. スケジュール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 3. 各回の目標と内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 4. 結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 5. ①各回の参加者数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 6. ②参加者アンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 6. ⅰ)参加者の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・. 6. ⅱ)第 1 回講習会アンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・. 7. ⅲ)第 2 回講習会アンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・. 8. ⅳ)第 3 回講習会アンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・. 9. ⅴ)第 4 回講習会アンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・ 11 ⅵ)第 5 回講習会アンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・ 12 ⅶ)第 6 回講習会アンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・ 13 ⅷ)第 7 回講習会アンケート結果 ・・・・・・・・・・・・・・・ 15 ⅸ)7 階の講習会全体を通してのアンケート結果 ・・・・・・・・. 16. まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 2)在宅訪問模擬面接演習 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 演習の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 3.今後の課題・本研究を終えた感想 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 4.謝辞 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20. 1.

(3) 1.背景・目的 今後、急速に高齢化が進むわが国において、医療を必要とする患者数は増加する一方、 医師や看護師などの医療従事者数や病院の病床数の不足が問題となっている。また、高齢 者は病状のためだけでなく身体的にも通院が困難となる。この現状を解決するためには、 住み慣れた地域で安心して医療や介護を受けられる在宅医療の推進が必要であるが、在宅 医療の拡がりはまだ十分とは言えず、一部の地域では活発に実施されている一方、まだ多 くの地域では医師、看護師、薬剤師、ケアマネージャー等の医療従事者からなるチーム医 療が十分に機能しておらず、満足な在宅医療を実践できていない。特に、チーム医療であ る在宅医療において、薬の専門的知識をもつ薬剤師の存在意義は極めて高く、重要な役割 を果たすことが期待されるにもかかわらず、 在宅医療に参画している薬剤師は少数である。 現在、わが国の慢性心不全患者数は約 100 万人であり、今後高齢化社会をむかえ心不全 患者数はさらに増加すると予測される。心不全患者の特徴として、高齢者が多く服薬して いる薬剤の種類や数が多いことがあげられる。慢性心不全患者は心不全の悪化による入退 院を繰り返すことが多いため、入退院を減らすことは患者の生活の質(QOL)の改善だけ でなく医療費の軽減にもつながる。したがって、地域医療の中で心不全患者をどのように 診療するかは喫緊の検討課題である。特に、薬の専門家である薬剤師は服薬指導や管理だ けでなく、副作用の確認や処方設計の提案などを行うことにより、治療効果を上げること ができるため、心不全のチーム医療を実践する上で薬剤師に期待される役割は極めて大き いと思われる。 そこで本研究では心不全患者の在宅医療を実践できる薬剤師の育成を目的とする。具体 的には、薬剤師を対象として、適切なコミュニケーション能力を持ち、心不全患者のフィ ジカルアセスメントができ、心不全患者・家族を含むチーム医療従事者に対し適切な薬物 指導ができるための教育を行う。また、すでに心不全の在宅医療を行っているチーム医療 の関係者に集まってもらい症例検討会などの研修会を開催し意見交換しながら、まだ在宅 医療を行っていない薬剤師にも関心をもってもらい現場で活躍するための準備を行う。. 2.

(4) 2.方法 1)講習会 主に、千葉市の薬剤師を対象として参加者を募集した。なお、グループワークがあるた め、募集人数は 20 名程度の少人数とした。 <スケジュール> 回. 1. 日時 6 月 14 日 (日). 講習会の内容(講師:敬称略) オリエンテーション:本講習会について(関根祐子). 講義:心不全の病態・症状・検査について(高野博之). 7 月 26 日 演習:事例紹介・検討(フクチ薬局 薬剤師 福地昌之) (日). 演習:コミュニケーション (千葉大学大学院薬学研究院 山下純). 3. 8月9日. 薬学部医薬系総. アイスブレイク: (千葉大学大学院薬学研究院 山下純) 合 研 究 棟 Ⅱ 120. 演習:事例紹介・検討(ミヤマ薬局 薬剤師 杉山宏之) 2. 場所. 講義・シミュレータ実習:心不全の診察について. (日). (高野博之). 周年記念講堂 薬学部医薬系総 合 研 究 棟 Ⅱ 120 周年記念講堂 医学部附属病院 内クリニカルス キルズセンター. 演習:事例紹介・検討(玉造眞鍋薬局 薬剤師 眞鍋知史) 看護・医薬系総 4. 9月6日 (日). 演習:事例紹介・検討(みんなの薬局 薬剤師 林祟憲) 合教育研究棟 1 演習:コミュニケーション. 階. (千葉大学大学院薬学研究院 山下純) 152 演習室. 5. 10 月 4 日 (日). 薬学部医薬系総 講義:心不全の治療について(高野博之). 合 研 究 棟 Ⅱ 120 周年記念講堂. 演習:事例紹介・検討 (ゆみのハートクリニック 医師 弓野大) 6. 10 月 25 日 演習:事例紹介・検討 (日). (ゆみのハートクリニック 看護師 伊東紀揮) 演習:コミュニケーション. 薬学部医薬系総 合 研 究 棟 Ⅱ 120 周年記念講堂. (千葉大学大学院薬学研究院 山下純) スモールグループディスカッション:心不全の薬物治療 7. 12 月 6 日 (兵庫県立尼崎総合医療センター 薬剤師 寺崎展幸) (日). (北里大学看護学部 眞茅みゆき) (国立国際医療研究センター 医師 廣江道昭). 3. 薬学部医薬系総 合研究棟Ⅱ大会 議室.

(5) <各回の目標と内容> ①心不全の薬物治療に必要な知識・評価能力を身につける(1 回、3 回、5 回) 第 1 回、3 回、5 回  心不全の病態、症状、検査、診察、治療についての知識を身につける。 第3回  診察シミュレーターを使用して在宅心不全患者の薬物治療評価に必要なバイタルチ ェックと胸部のフィジカルアセスメント能力を身につける。 ②心不全患者の在宅医療の現状と問題点を理解し具体的なアプローチの方法を身につける (第 2 回、4 回、6 回、7 回) 第 2 回、4 回、6 回  実際に在宅医療にかかわっている多職種の講師から在宅患者介入事例を提示しても らい、薬剤管理の方法についてグループ内で意見を共有し、講師が実際に行った介 入について全員でディスカッションを行い、在宅医療を成功させるための方策や具 体的なアプローチの方法を身につける。 第6回  実際に心不全の在宅医療を実践している医師、看護師などが体験した事例を提示し、 現状と問題点について各職種の立場から議論したり在宅医療を成功させるためのア ドバイスを受け、在宅医療を成功させるための方法について理解を深める。 第7回  在宅心不全患者の薬物治療を適切に評価できるよう、講師が実際に経験した症例を 用いて薬物治療に関するスモールグループディスカッションを行い知識を深める。 薬剤師だけでなく、医師、看護師の視点も同時に提示してもらい、他職種との視点 の違いにと薬剤師の役割についても理解を深める。 原則として、全回とも事前に事例を提示し自分なりの薬剤管理計画を立案しておき、自分 の計画と比較しながら講習会当日の議論をに参加する。 ③患者情報収集や多職種連携に必要なコミュニケーション技術を習得する(第 2 回、4 回、 6 回)  患者情報収集や他職種連携に必要なコミュニケーションについて講義・演習を行い 必要なスキルを身につける。  各回のテーマ . 傾聴の基本的な技法を活用して数分間で信頼関係をつくる. . コミュニケーションの 4 つのタイプを手がかりに苦手な患者さんへの対応を考 えよう. . 聞くための視点:話し手にとって一番大切なのは何か?. 4.

(6) <結果> ①各回の参加者数 日時. 講習会の内容(方法). 参加者数. 第1回. 6 月 14 日. 心不全の病態・症状・検査(講義). 19 人. 第2回. 7 月 26 日. 事例紹介・検討①(演習). 15 人. 第3回. 8月9日. 心不全の診察(講義・シミュレータ実習). 18 人. 第4回. 9月6日. 事例紹介・検討②(演習). 18 人. 第5回. 10 月 4 日. 心不全の治療(講義). 18 人. 第6回. 10 月 25 日 事例紹介・検討③(演習). 18 人. 第7回. 12 月 6 日. 18 人. 心不全の薬物治療(スモールグループディスカッション). 5.

(7) ②参加者アンケート結果 ⅰ)参加者の背景(n=19). 6.

(8) ⅱ)第1回講習会アンケート結果(n=19). 感想・次回以降の希望など  どうしても薬物治療が気になる。何の薬を使っているのかを知りたい。  エコー図の時、心音も聞いてみたい。  症例の部分についてはゆっくりと説明してほしい。  とても勉強になった。  講義の内容には満足した。全 7 回出席したい。  とても面白かったので次回以降も期待。. 7.

(9) ⅲ)第 2 回講習会アンケート結果(n=15). 感想・次回以降の希望など . 事例をもっと数をやってみたい。. . 症例検討をもっとじっくりやりたい。. . 最後のコミュニケーションの時間がもう少し欲しかった。. . グループディスカッションがやりにくかった。. . 症例検討後の資料も欲しかった。. . ケアマネさんを含め、他職種とのつながりの大切さがわかった。実際に現場で行え るように指導をしていただきたい。. 8.

(10) ⅳ)第 3 回講習会アンケート結果(n=18). 9.

(11) 感想・次回以降の希望など . 貴重な実習を体験できた。再度実習を行って身につけたい。. . シュミレーターの心音、呼吸音の異常の音が一緒なのが分かりにくかった。病態と 結びつけて学習したいと思う。. . 実習用の機器が充実しており、大変良かった。. . もう少し時間が欲しい。また参加したい。. . 時間はもう少し長くてよい。2 回に分けてもいいと思う。. . とても面白かった!. 10.

(12) ⅴ)第 4 回講習会アンケート結果(n=18). 感想・次回以降の希望など  症例の情報を事前に頂けていたので、予習をしたうえで講習に臨めたのがよかった。  TDM についてもう少し知りたい。  在宅現場でのトレーニングが必要だと感じました。  今まで体験できなかったことが体験できたのがうれしかった。  仕事の細部にわたること、コミュニケーションについての自分の内面を知ることが できたのがよかった。  コミュニケーションの時間はもう少し欲しい。  時間が短い。  もう少し長い時間があるといいと思う。. 11.

(13) ⅵ)第 5 回講習会アンケート結果(n=15). 感想・次回以降の希望など  医師の側からの薬の使い方が聞けたのはよかった。また、薬の機序や特徴等のおさ らいをしていただけて助かった。自分の中で知識の整理ができた。  最新の治療法などの知識・情報が学べた。この先、実際に在宅で使われるような技 術も身につけていきたい。  薬剤師としての在宅患者へのチェックポイントが知りたい。  折角なので他のグループの人とも話がしてみたい。  今まで学んだことをもっと発展させること、また再度学び直す機会があるとさらに 良いと思う。  抗凝固薬のリスク評価について医師としての許容範囲をどのように考えているの かが知りたい。  残り少ないが、継続して学びたい。. 12.

(14) ⅶ)第 6 回講習会アンケート結果(n=14). 13.

(15) 感想・次回以降の希望など . 医師、看護師の実際の現場での話は役に立った。業務に役立てたいと思う。. . 心不全患者の在宅の実際がわかり、とてもよかった。. . 心不全の症状で、直接心臓に関係ない症状をもっと教えて欲しい。. . とても勉強になった。. . コミュニケーションは 1 回の講義時間を長くするべきだと思う。. . コミュニケーションのグループ分けに工夫が欲しかった。. . ぜひ、続編の講義をお願いしたい。. 14.

(16) ⅷ)第 7 回講習会アンケート結果(n=12). 感想・次回以降の希望など. 15.

(17) ⅸ)7 回の講習会全体を通してのアンケート結果(n=12). 全体を通しての感想 . 病院スタッフの方々、他の薬剤師の方々と顔を合わせて話し合うことが大切だと思 います。連携をするには、お互いの顔を知っているとやりやすくなります。座る形 式もグループ分けしてディスカッションが多かったので意見を言いやすかったと 思います。. . 症例別にまた開催してほしい。資料等大変役立つものでした。ありがとうございま した。. . 心不全についての先生の講義、シュミレータ実習、実際の症例を用いたディスカッ ションなど、いろいろな勉強が出来てよかった。特にシュミレータ実習はめったに 出来ない実習で、とてもためになった。現在在宅の患者様の処方を 3 人受けている が、家族の方が薬をとりにみえていて、在宅に行けていないが、薬剤師の業務をわ かっていただき在宅業務を行っていきたい。. . 実際に薬剤師の経験が無くても(今後希望します)日々、在宅訪問されている方々 の悩み、提案等聞かせて頂けました。. 16.

(18) . 心不全の病態や薬の知識だけでなくバイタルも含めた実践的な内容でとても勉強 になりました。心不全に限らず在宅でも薬剤師ができること、もつべき視点(ケア する上での)も改めて認識できました。. . 本で読んで知る知識では全く太刀打ちができないことを改めて知る機会となりま した。長くやってきても知らないこと、気づかない視点があり、そこが本当にあり がたかったです。今日が最後にならず、ひきつづき学び続けられることを心から願 っています。異業種の方とのお話も今までの薬剤師や医師の話もさらに聞きたいで す。今回が最後にならず、引き続き学び続けられることを心から願っています。. . 内容的に濃いものであったので 20 名ではもったいないと感じます。. <まとめ> . 受講の動機は「心不全を取り上げるから」 、 「在宅の講習会だから」などが多かった。 薬剤師経験年数は、4 年以上 10 年未満が約 44%、10 年以上が約 56%で中堅、べテラ ンが半々であった。. . 各回の内容は「良く理解できた」 「ある程度理解できた」がほとんどで、難易度、講習 時間は「適切」 、講習会の内容を業務に活かせそうかとの設問には「かなり活かせそう」 「活かせそう」が大部分を占めていた。. . 全体を通しての評価も、回答者全員が「よくまたはある程度理解できた」 、 「ニーズに 合っていた」 、 「業務に活かせそう」と回答し、受講者の満足度が高かったと推察され る。ただし、受講者により、講義がよかった者、実習がよかった者、グループディス カッションがよかった者、他施設の薬剤師とグループディスカッションを通し多くの 情報交換ができたことがよかった者と高評価の内容はさまざまであった。. . 本講習会では、薬剤師だけでなく、他職種(医師、看護師)にも講師を依頼し、受講 者からも好評であった。また、医師、看護師だけでなくケアマネージャーともディス カッションを行いたいという希望もあり、講習会でも多職種連携が必要であることが 明らかとなった。. . 今回、1 回あたりの講習会時間が 2 時間程度と短かったにもかかわらず、盛りだくさ んの内容を行ったため、受講者からはもっと時間をかけてほしいとの要望が多数あっ た。日曜日午前中、月 1 回程度が受講しやすいとの意見があり今回の開催日を決定し たが、今後の開催日程、回数、内容についてはさらに検討が必要であることが明らか となった。. . このような講習会を継続開催してほしい、受入れ人数を増やして開催してほしいとの 要望が多かったことから、本講習会は在宅活動実施中の薬剤師にとっても、これから 在宅を始める薬剤師にとってもニーズが高く、継続開催が必要な分野であることが明 らかとなった。. 17.

(19) 2)在宅訪問模擬面接演習 <演習の目的> 心不全を合併した患者宅の初回訪問時に、 患者・家族と適切なコミュニケーションを取り、 信頼関係を築き、今後の在宅薬剤管理業務に必要な情報の収集能力を身につけることがで きる。 <方法> ①下記の設定をあらかじめ薬剤師に渡して置き、患者宅の初回訪問時という設定で患者・ 家族(模擬)と面談する。 ②面談をビデオに撮影しておき、ビデオを見ながらよかった点、悪かった点、改善点につ いて話し合う。 参加者は、実施日に来校できた薬剤師2名(在宅の経験なし) 、模擬患者、模擬家族、コー ディネータの計 5 名で行った。 [使用した事例の一部] 76 歳 男性 既往歴:慢性心不全、心房細動、陳旧性心筋梗塞、慢性腎不全、2 型糖尿病、認知症 現在の状況(ケアマネから薬剤師に伝えた情報) : 慢性心不全でA病院(循環器内科) 、糖尿病でBクリニックを受診していた。 介護保険を申請したばかりで、サービスを開始にあたり、ケアマネから薬局に介入 の依頼があった。 難聴あり。意思疎通図りにくく、認知機能の低下あり。 家族の状況: (略) 検査所見(1 か月前・病院) : (略) 処方薬: (略) <結果> . 薬剤師 2 名は事前にぞれぞれ事例を渡され、 「初回在宅訪問の演習を行うので在宅訪問 と同様の準備を行うこと、必要な物品は持参すること」と伝えられていたが、各人で 準備した物品や初回訪問時に行うことなどは異なっていた。. . 患者・家族からの情報収集・情報提供の方法も各人で異なっていた。. . 参加薬剤師の感想 初回面談ということで、事前に準備してきた情報収集に一生懸命になり、自分の 聞きたいことを最初に全部話してしまい、患者・家族の顔色・雰囲気まで配慮でき なかった。フィードバックで、模擬患者・模擬家族より「薬剤師さんがどんどん話. 18.

(20) を進めているな、と感じたが、不快ではなかったし、こちらが聞きたかったことも 質問する前に話してくれたので、失敗ではなかったと思う。話し方や全体の雰囲気 や態度から患者のために仕事をしようという意識が伝わり好感が持てた。また、自 分の役割(在宅における)を最初に説明してくださったので、薬剤師さんが何をし に家に来たのかわかって話ができてよかった」と言ってくださったので、安心した。 「ついうっかり」患者の逆鱗に触れる言葉がけを行ってしまった。患者さんの顔 色が変わったのがわかり、自分も緊張してしまいその後のコミュニケーションがう まくできなかった。このような練習を何回も行うことで、自信を持って在宅訪問を 行い患者・家族からの信頼関係を築くことができるのだと実感した。 最後に録画を見ながら皆でディスカッションできたのがよかった。自分で気づい ていなかった癖などもわかり、以後改めようと思った。自分の職場でもビデオフィ ードバックを取り入れようと思った。 . 模擬患者・家族の感想 現役の薬剤師さんなので、大きな違和感はなくインタビューを受けられた。ただ、 それぞれ言葉の使い方や説明内容などに違いがあり、実際にもいろいろあるのだな と思った。また、 「お薬の管理をします」と言われたときに、毎日お薬を飲ませに 来てくれるのかと思った。. <まとめ> 初めて在宅医療にかかわる薬剤師には、講習会や事例検討、コミュニケーションの学習 だけでなく、なるべく実際に近い形での模擬演習が重要であることが明らかになった。 しかし、模擬演習は時間と人手がかかるため、講義のように一度に多数の受講者を対象に できないことから、今後効率的で効果的な模擬演習の方法の確立が望まれる。. 19.

(21) 3.今後の課題・本研究を終えた感想 近年、薬剤師の在宅医療への参画が期待されており、終末期緩和医療や脳梗塞患者のケ アへの参画や講習会は行われているが、心不全患者のケアに関しては、必要であるにもか かわらず全国でもほとんど活動されておらず講習会なども行われていない。今回、薬剤師 向けの講習会を行うにあたり、 現場で必要とされる薬剤師の職能を考える良い機会となり、 改めて薬剤師が必要とされていることを実感できた。しかし、実際に予定を立ててみると あれもこれもと欲張ったせいで、予定時間を超過したり、演習時間が少なくなってしまっ た回もあり、参加者からは「もっと時間がほしい」と要望される結果となった。講習会の 回数が多すぎると参加していただけず、目標が多いと予定通り実施できずというジレンマ の中で 1 年間格闘したが、最終日に受講者から笑顔で「来年もやってください」と言われ、 このような講習会のニーズが高いことを実感した。 今年度は初年度ということで、主に知識・技術の蓄積を目的に講習会を実施したが、今 後は現場で実践しながらのトレーニングが必要となる。受講者からも「他職種との共同学 習を望む」など、チーム医療を見据えた、現場に近い環境でのトレーニングの希望があり、 次年度以降の課題となった。 また、本研究は薬剤師を対象としたが、本研究で確立した育成プログラムは薬学部学生 教育にも応用可能である。大学卒業時にはすでに在宅現場で活躍できる知識・技能・態度 を身につけた新人薬剤師が増えれば、在宅医療の現場も活性化することが期待できる。薬 剤師への教育だけでなく、6 年制薬学部でより実践的な教育プログラムの構築も今後の課 題であると感じている。. 4.謝辞 本研究は、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受け実施されました。 深く感謝申し上げます。 本研究にご協力くださった薬剤師の皆さま、講習会にご協力くださいました講師の方々 に深く御礼申しあげます。また、コミュニケーション演習のみならず本研究にご助言いた だきました山下純千葉大学大学院薬学研究院教授に心より御礼申し上げます。. 20.

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