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視覚サーボにおけるCVの役割-Partitionedアプローチ

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(1)コンピュータビジョンと 135−5 イメージメディア. (2002. 11. 7). 視覚サーボにおける CV の役割 – Partitioned アプローチ 出口光一郎 東北大学情報科学研究科. 980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉 01. 概要:視覚サーボ、特に画像ベースト法は、リファレンスを画像として与え、現在の状態からの偏差は画像上で計測 され直接に動作コマンドへと変換される。カメラやロボット機構そしてその両者の位置関係についてのキャリブレー ション誤差に対して頑健であり、また、3 次元環境の復元を必要としない。さらに、例えば、各特徴点を常に画像視 野内に留めるなどの、画像特徴点の運動軌跡の生成が容易であるなどの特長を持ち、研究上の興味も尽きない。 ところが、次のような決定的な弱点もある。3 次元空間におけるタスクにおいては、制御則の基本となる画像ヤコ ビアンが特異になる場合があり得る。その結果、システム全体の動作が破綻することになるが、それを予測すること が出来ない。また、画像上での偏差をもとにそれを最小時間で最小化する制御を生成しているが、しかしそれは 3 次 元空間では非常に複雑で、また不要な動作となり得る。最後に、理論的には、画像だけからは 3 次元空間における所 望の運動制御は作り得ず、実際には、特徴点への奥行きについての何らかの知識を必要とする。これを、ロボットの 運動中に常に正確に画像から導き出すことは一般には困難である。 これらの弱点を克服する partitioned 法と呼ばれるいくつかの手法が提案されている。Partitioned 法はロボットの 運動パラメータのいくつかには画像ヤコビアンに基づく古典的な IBVS 制御を行い、残りの自由度に対してはコン ピュータビジョンに基づく技術を用いる。本稿では、上記の弱点を整理し、また、ここで紹介する partitioned 法の うちの 2 つの手法がカメラ運動の決定のために利用する epipolar 幾何学について述べ、Partitioned システムそのも のについて統一的な枠組みの下に述べる。そして、partitioned 法のパフォーマンスをシミュレーション実験によっ て評価し、視覚サーボにおけるコンピュータビジョンの役割を提示する。. Image-Based Visual Servoing Combined with CV Techniques – Partitioned Approach Koichiro Deguchi Graduate School of Information Physics, Tohoku University Aoba-campus, Sendai 980-8579 Japan. Abstract: Visual servoing has been a viable method of robot manipulator control for more than a decade. Image based visual servoing (IBVS), in particular, has seen considerable development in recent years. Recently, a number of researchers have reported tasks for which traditional IBVS methods either fail or experience serious difficulties. In response to these difficulties, several methods have been devised that partition the control scheme, allowing troublesome motions to be handled by methods that do not rely solely on the image Jacobian. To date, there has been little research that explores the relative strengths and weaknesses of these methods. In this paper we present such an evaluation. We have chosen three recent visual servo approaches for evaluation, in addition to the traditional IBVS approach. We posit a set of performance metrics that measure quantitatively the performance of a visual servo controller for a specific task. We then simulate each of the candidate visual servo methods for four canonical tasks, under perfect and non-ideal experimental conditions.. −27−. 1.

(2) 1. はじめに. リファレンスを画像として与え、視覚情報をフィード バックループに用いることで、ロボットをゴール位置 へと導く制御システムが、容易に高い精度で実現でき ることが 70 年代から認識されてきた。これを視覚サー ボと呼ぶ。 一般に、視覚サーボによる運動制御には 2 つのア プローチがある。位置ベースト視覚サーボ (positionbased visual servoing (PBVS)) と画像ベースト視覚 サーボ (image based visual servoing (IBVS)) とであ る [1, 2]。PBVS システムにおいては、画像から検出し た特徴を用いて環境の 3 次元モデルを構築する。ゴー ル位置に対するロボットの現在の位置の偏差をタスク 空間の直交座標系に基づいて計算し、その偏差が制御 システムへ与えられる。 一方、IBVS では、偏差は画像上で計測され直接に動 作コマンドへと変換される。IBVS システムは PBVS システムに対して以下の優位性を持つと共に、研究上 の興味もつきない。まず、カメラやロボット機構そし てその両者の位置関係についてのキャリブレーション 誤差に対して頑健である。また、3 次元環境の復元を 必要としない。さらに、例えば、各特徴点を常に画像 視野内に留めるなどの、画像特徴点の運動軌跡の生成 が容易である。 ところが、IBVS には次のような弱点もある。3 次 元空間におけるタスクにおいては、IBVS の基本とな る画像ヤコビアンが特異になりシステム全体の動作が 破綻する場合があり得るが、それを予測することが出 来ない。また、画像上での偏差をもとにそれを最小時 間で最小化する制御を生成しているが、しかしそれは 3 次元空間では非常に複雑で、また不要な動作となり 得る。これは、空間に物理的な制限があるような環境 での動作には深刻な影響を生じる。最後に、理論的に は、画像だけからは 3 次元空間における所望の運動制 御は作り得ず、実際には、特徴点への奥行きについて の何らかの知識を必要とする。これを、ロボットの運 動中に常に正確に画像から導き出すことは一般には困 難である。 この IBVS システムの弱点を克服する partitioned 法 と呼ばれるいくつかの手法が提案されている [3, 4, 5]。 Partitioned 法はロボットの運動パラメータのいくつか には画像ヤコビアンに基づく古典的な IBVS 制御を行 い、残りの自由度に対してはコンピュータビジョンに 基づく技術を用いる。第 2 章では、以降の説明に必要 な IBVS にとっての背景をまず述べ、また、ここで紹 介する partitioned 法のうちの 2 つの手法がカメラ運 動の決定のために利用する epipolar 幾何学について述 べる。Partitioned システムそのものについても、第 2 章で統一的な枠組みの下に述べる。 その後、[3, 4, 5] で提案されている3つの手法につ いて、古典的な IBVS アプローチと対比させて定量的 なパフォーマンス評価を行う。特定のタスクに対する 視覚サーボ制御のパフォーマンスを定量化するため、3 章で一連の評価量を提案する。そして、それぞれの視 覚サーボ手法を一連の実験条件下でのタスクに対して. Figure 1: 光軸回りの回転に対する IBVS と 2.5D 法 での運動軌跡の対比. 評価する。第 4 章で述べる様に、それぞれのシステム は長所と短所を持つ。ただし、それぞれのシステムは 異なった方針のもとに設計され、基本的に異なった仕 方で動作する。例として、Figure 1 に光軸回りに 60 ° 回転させるというタスクに対する IBVS と 2.5D 法 [3] のパフォーマンスを示す。画像特徴点の軌跡と共に、 特徴点のゴールに対する誤差の各成分の変化、そして、 カメラ運動の各速度成分の変化を示す。両システム共 に特徴点誤差をゼロにすることができているが、その 間の動作は大きく異なっている。. 2. 背景. 本章では、IBVS の基本的な概念を与え、homography 行列を用いて画像からカメラ運動を決定する手法を概 観し、3つの partitioned IBVS システムを導入する。 それらは、Malis ら [3]、Deguchi [4]、そして、 Corke and Hutchinson [5] による手法である。 それぞれのシステムは、古典的な IBVS システムの 弱点を克服するため、特定の運動自由度を分離し、そ の運動をコンピュータビジョンの手法で計算するとい うものである。残りの運動自由度は、縮小したヤコビ 行列を用いて計算する。対比を明らかにするため、そ れぞれの原著で用いられた表記ではなく、共通の表記. −28− 2.

(3) 法を用いる。. 2.1. 画像ベースト視覚サーボ. ロ ボット に 搭 載 さ れ た カ メ ラ の 空 間 座 標 を r = (x, y, z) で 表 わ し 、そ の 速 度 を r˙ = (Tx , Ty , Tz , ωx , ωy , ωz ) と し よ う。そ の 点 の投影された画像座標を f = (u, v) とし、また、そ の点の画像上での瞬間速度を、1 制御反復前の画像座 標 (u∗ , v ∗ ) との差 f˙ = (u − u∗ , v − v ∗ ) とする。する と、この両速度の間には画像ヤコビアンを用いた関係. f˙ = J (f )r˙ が与えられる。ここで、画像ヤコビアン J は、   λ λ2 +u2 0 − uz − uv −v z λ λ J= 2 2 uv u 0 λz − vz −λ λ−u λ. (1). (2). であり、式中で λ はカメラの焦点距離である。この関 係の導出は、多数の文献で与えられている [1, 2]。3 個 以上の特徴点についての行列 J をつなげることで、フ ルランクの行列を作ることができる。 一番単純な IBVS へのアプローチは (1) を使って 比例フィードバック制御を構成することである。すな わち、. ここで、I3 は 3 × 3 単位行列、R と t はそれぞれ 2 つの視点でのカメラ座標の間の回転行列と並進ベクト ル、n は平面 π の法線ベクトル、そして、d はゴール のカメラ視点から平面 π への距離である。 画像点対が与えられて、 H を計算する方法は多数 開発されている。視覚サーボでは、計算が速い線形ア ルゴリズムが一般に用いられる。ただし、線形アルゴ リズムの大きな欠点は、ノイズに弱いことである。 Homography 行列が求まると、続いて、カメラの位 置関係を決めるため、(5) に示すようにこれを分解す る。この分解の詳細は、[6] に与えられている。一般 に、homography の分解は一意ではなく、解を 1 つに 絞るためには付加的な情報が必要になる。3 つ以上の 視点からの画像による複数の画像対を用いれば、その ときの共通解として 1 つの解に絞ることができる。視 覚サーボでは、連続した画像から計算をするので、一 つ前の画像を用いることで、このことは単純に実現で きる。. 2.3. 2.5D 法. Malis ら [3] は、先に述べた IBVS の 2 つの弱点を克服 するシステムとして、視覚サーボのための運動の計算 を分割する 2.5D 視覚サーボと呼ぶ手法を提案してい る (以下では、2.5D と表記する)。2.5D では、回転行 列 R を homography 行列 (5) から導き、特徴点の画 −1 ˙ (3) 像上での目標速度とともに制御目標ベクトルとする。 r˙ = ΓJ (f )f すなわち、目標ベクトルを、 ˙ ここで、 f は画像上での特徴点の希望する運動、Γ は ˙ (6) f˜ = (u − u∗ , v − v ∗ , log ρ, θµ) ゲイン行列、そして、 r˙ が制御入力、すなわち、カメ ラに与える移動速度である。一般的には、ヤコビアン とする。ここで、ρ は比 zz∗ であり、θµ は homography は正方ではなく、疑似逆行列 J + を用いる。 行列から導いた回転行列 R の回転角度と回転軸方向 IBVS は、画像偏差を最小距離で解消する。従って、 ベクトルである。ρ は次のように homography 行列か 画像特徴点はそれぞれのゴールへ直線的に移動する。 ら直接に求めることができる。 ただし、その結果、空間的には複雑で時に不必要なカ   メラ運動を生じることになる。 f ∗ , 1 n∗  (7) ρ = |H|   f , 1 n 2.2 Homography 行列からのカメラ運動. の導出. Malis らは運動の制御側を次のように定義した [3]。. 以下に示す 2 つの partitioned IBVS システムでは、対 象の特徴点が平面上にあるときに異なる視点からの画 像間に成り立つ homography 行列によって表わされる 関係を用いている [1]。空間の平面 π 上にある3次元 点 Fi , i = 1, · · · , n をゴール位置と現在位置でのカメ ラでとらえた画像上での画像点の斉次座標を f ∗i と f i とすると、. r˙ = −ΓJ˜−1(r)f˙ ,. (8). ここで、.  J˜−1 = . dˆ∗ ρJv−1. −dˆ∗ ρJv−1Jω. 0. I3.  . (9). (4) Jv と Jω は、それぞれ画像ヤコビアンの平行移動から の寄与に関する部分と回転からの寄与に関する部分で という関係を持つ。ここで、H は 3 × 3 の homography あり、画像ヤコビアンの最初の 3 列と後半の 3 列とに ˆ∗ 行列である。この homography 行列はさらに、次のよ あたる。また、d は、カメラの視点から特徴点の載る 平面への距離の推定である。 うに分解できる。 奥行きの推定が制御側に埋め込まれていることで、 tn 2.5D はゴールまでどれくらい離れているかついて分か ) (5) H = R(I3 + d らなくてもそれなりに良く働く。それに加え、回転運 f i = Hf ∗i. 3 −29−.

(4) 動を推定しているので大きな回転がある場合でも良い 結果を与える。 しかし、そのための H の分解には計 算量を必要とすること、そして、ノイズに大きく依存 することが問題となる。. 2.4. + ˙ (f − Jz r˙ z ) r˙ xy = ΓJxy. Deguchi の方法. Deguchi [4] では、ヤコビアンの並進に関する成分の みがゴールまでの距離に依存することを用いる。2.5D 法と同様に、Deguchi の方法(以下では KD と表わす) も、システムを並進成分と回転成分とに分割する。平 面 homography を (5) のように解いて、スケールが正 規化された並進成分 Td を導く。そして、カメラの並 進速度を次のように計算する。 . T  ˆ r˙ v = [Tx Ty Tz ] = d (10) d ここで、 dˆ はカメラのゴール位置から画像特徴の乗る 平面までの距離の推定値である。回転成分を導き出す 方程式は次のようになる。  r˙ ω = [ωx ωy ωz ] = −Jω+(f˙ + Jv r˙ v ). (11). ここで、Jω と Jv は、(9) と同じものである。 距離 dˆ は一定であり一度導けばよいので、奥行きの 推定はこれ以上必要ない。さらに、dˆ は並進成分のゲ インとしてしか現れないので、高い精度の推定は必要 ない。 KD も、あらわな奥行き推定は必要ないなどの 2.5D 法と同様の特長を持つが、しかし、やはり homography 行列を用いることから、同様の複雑さとノイズに対す る弱さとを持つと思われる。. 2.5. とする。 光軸に沿った並進速度と光軸回りの回転角速度を成 分とするベクトルを r˙ z とすると、x および y 方向の 運動は、. (14). + で与えられる。ここで、Jxy と Jz は、それぞれ、画像ヤ コビアンの xy 成分、および、z 成分のみより作られる行  ˙ 列である。これらより、運動ベクトルを r˙ = [r˙  xy r z ] と構成する。. 3 3.1. パフォーマンス評価のためのシミ ュレーション手法 タスク. さまざまなタスクに依存する特定の問題に応じて、視 覚サーボのたくさんのアプローチが開発されてきた。 ここでは、なるべく多様な手法を評価するため、最も 興味深い問題に直面する次の4つの代表的なタスクを 選んだ。. 1. タスク 1: 光軸回りの回転 2. タスク 2: 光軸に沿った並進 3. タスク 3: y 軸回りのカメラの回転 4. タスク 4: 特徴点の回転による一般の運動 それぞれのタスクにおける画像特徴点の初期位置お よびゴール位置を Figure 2 に示す。. Corke and Hutchinson による方法. Corke and Hutchinson [5] による方法(以下では 3.2 パフォーマンス評価量 PC&SH と表記する)は、カメラの光軸回りの大きな パフォーマンス評価のため、次の 5 つの評価量を選 回転によって生じる問題を回避するために考案された。 んだ。 IBVS システムでは、カメラ軌道は画像上で特徴点が 1. ゴールに収束するまでの制御の反復回数 (Iteraそれらのゴール位置へ直線的に収束するよう生成され tions until Convergence)。 る。このとき、光軸回りの回転はカメラの後方への並 進を伴ってしまうことが知られている [7]。 2. 制御終了時に残る画像誤差 (Remaining Pixel Er回転角が 180 °に近くなると、無限に後退を続ける ror)。 ことになる。これを防ぐため、PC&SH では、光軸に  ついての並進と回転成分 rvec ˙ z = (Tz , ωz ) をヤコビ 3. 画像特徴点の 3 次元軌跡におけるカメラからもっ アンから切り離し、それらは簡単な画像特徴を用いて とも遠い距離 (Maximum Feature Excursion)。 別個に計算する。 Tz を計算するために、σ を画像特徴点で囲まれた多 4. カメラの運動軌跡において、ゴール位置からの最 角形の面積の平方根として、まず、定義する。そして、 遠距離 (Maximum Camera Excursion)。 ∗. σ 5. カメラの回転角が最大になるようにとった軸回り (12) Tz = γT ln σ の最大回転角 (Maximum Camera Rotation)。 とする。 ωz については、画像面上の水平軸と二つの画像特徴 3.3 テスト条件 点を結ぶ線分のなす角を θ と定義し、これを用いて、 ここでは、上記のテスト法において一番重要と考えら ωz = γω (θ∗ − θ) (13) れる次の 2 つのテスト条件を選んだ。. −30− 4.

(5) 出来る値とした。. 4. Figure 2: 4 つタスクにおける画像特徴点の初期位置お よびゴール位置. 画像の読み取りにおけるノイズ: 各システムへのノイ ズの影響を計測するために、画像特徴点の座標に平均 が 0、標準偏差が 0 から 0.8 画素のガウシアン雑音を 与えた。実験は各標準偏差に対して 100 回行い、その 平均値で影響を評価した。 奥行きの推定法: 既に述べたように、画像ベーストの 手法では何らかの意味でのカメラから対象点までの奥 行きの推定を必要とする。ここでのシミュレーション では、一定値としてゴールでの奥行きを用いる、同じ く初期位置での奥行きを用いる、そして、真の奥行き が分かるものとするという3つの場合について、実験 をした。. 実験結果. 評価実験の結果を、古典的な IBVS、2.5D、KD、そし て、PC&SH のそれぞれに対応する 4 つのグラフで示 す。ノイズの影響については、ノイズの分散を右側の 軸で、それぞれの実験パラメータを左側の軸で 3D グ ラフとして表わしている。一方、種々の奥行き推定に 対しての結果は、2D グラフ上に各推定法による結果 を重ねて表示した。 IBVS は、光軸回りの大きな回転に対して、および、 ゴールから大きく離れた位置からの制御に弱点を持つ ことを述べた。2.5D と KD では、回転と並進の運動 を分離することで、この弱点を克服している。一方で、 homography 行列の計算がノイズに対して敏感である ことから、他のシステムに比べて、ノイズの影響を大 きく受けると予想される。 特に、homography 行列の並進成分が回転成分より 大きくノイズの影響を受けることから、KD の方がノ イズによる損害が大きい。PC&SH は、特に、光軸回 りの大きな回転への IBVS の持つ難点に対応するため に設計されたものであり、z 軸についての回転と並進 を分離したために、x、および/または、y 軸回りの回 転については特徴点の位置を誤って認識する結果とな り問題を生じると予想される。 KD と 2.5D は共に制御が奥行き推定に顕には依存 しないように設計されているので、奥行き推定の仕方 にはパフォーマンスは影響しないと予想される。実際、 KD はどのような奥行き推定に対しても良いパフォー マンスを実現しているが、2.5D では、奥行きを一定と したときのパフォーマンスは、真の奥行きが分かった ときに比べて劣る。. 4.1. ノイズに対するロバスト性. 光軸回りの回転 回転角の大きな光軸回り回転に対す る制御は、IBVS の古典的な問題である。IBVS では、 全ての画像特徴点が最短経路(すなわち直線上を)で 誤差を 0 としようとするので、回転運動に際しては、 3.4 シミュレーション方法 カメラは一旦後退しそして前進をする。90 °と 135 ° シミュレーション実験は、Matlab と Machine Vision の回転角での光軸回りの回転に対する画像上での特徴 Toolbox and Robotics Toolbox [8] を用いて行った。 点の軌跡を Figure 3 に示す。 シミュレーションでは、3 次元空間中の 4 角形の各頂 例えば、180 °回転しているときには、IBVS は理論 点を特徴点とした。この 4 角形は、0.1m 四方の正方形 的には破綻してカメラは無限に後退をすることになる。 で、これを 1.4m 離れたところからカメラで観測して 他の 3 つのシステムでは、回転を並進から分離するこ いるものとした (Figure 2)。 とを考えているので、カメラの無用な後退は生じない 画像は、焦点距離が 0.0078m のカメラで、0.00001m2 ことが期待される。 の画素を持つカメラに投影される。画像面は無限の大 Figure 4 に、光軸回りの回転角とノイズの大きさに きさを持つとするが、実際には、特徴点が画像中心か 対する 4 つのシステムでのカメラの最大並進量を示す。 ら 3000 画素以上離れたときは制御を中止した。さら に、300 回制御を反復しても誤差を 0 に出来なかった か、誤差の減少が見られなくなったときも中止した。 光軸に沿った並進 光軸に沿った並進に対しては、ど 各システムにおけるゲインは 6 × 6 の対角行列とし のシステム特に安定性に関する問題は生じない。IBVS て与えられる。実際の値は、それぞれのシステムで対 と 2.5D では、同じ方法で並進ベクトルを生成してい 応する自由度に対して、30 回の制御反復で誤差を 0 に るので、これらは同じ動作をする。PC&SH は並進距. 5 −31−.

(6) Figure 3: 90 °と 135 °の 2 つの回転角での光軸回りの 回転に対する画像上での特徴点の軌跡. Figure 5: 光軸に沿った並進距離とノイズの大きさに 対する最終的な画像誤差. Figure 4: 光軸回りの回転角とノイズの大きさに対す るカメラの最大並進量。(左上)IBVS、(左下)2.5D、(右 上)KD、(右下)PC&SH (以下、同じ). Figure 6: y 軸回りの回転角とノイズの大きさに対す 離の正負に応じて対称ではない動作をする。KD では、 る最終誤差 ノイズが大きくなると最終的な画像誤差と制御反復回 数が急に大きくなる。 Figure 5 に、光軸に沿った並進距離とノイズの大き さに対する 4 つのシステムでの最終的な画像誤差を システムに比べて最終的に残る誤差は大きい。 示す。 この最終の誤差を Figure 6 に示す。 光軸と直交する軸回りの回転 光軸と直交する軸回り の大きな回転は、それを補償するような並進無しでは、 実際のカメラでは画像特徴点はすぐに画像面から大き く外れてしまい、実システムでは実現できなうが、こ の回転に対しても誤差を 0 にできる能力があるかを調 べておくことは重要である。 IBVS は、初期位置での画像がゴール画像から大き く違っていると無力であることが知られており、実際、 35 °以上の回転をしてるとほとんどの場合制御に失敗す る。並進と回転の運動成分を分離することで、2.5D と KD のパフォーマンスはかなり改善されている。2.5D の方が回転角が大きくなっても安定である。PC&SH は、どのような回転角に対しても安定であるが、他の. 一般的な回転運動 ワールド座標での一般的なカメラ の回転によりカメラ座標軸に関する回転と並進を生じ る。したがって、このようにして一般的な制御タスク を表わすことができる。ただし、それぞれのシステム にとっては、先の光軸と直交する軸回りの回転とほぼ 同じ問題に直面する。 このテストに対する最終誤差の様子を Figure 7 に 示す。. 4.2. 奥行き推定法の影響. 光軸回りの回転 この場合、異なる奥行き推定法の影 響はほとんど無い。ゴールと初期位置の奥行きは等し. −32− 6.

(7) Figure 7: カメラの一般的な回転とノイズの大きさに 対する最終誤差. Figure 8: 異なる奥行き推定法での光軸回りの回転 角に対する最終誤差。(左上)IBVS、(右上)2.5D、(左 下)KD、(右下)PC&SH (以下、同じ). いからで、実際、実験においても奥行き推定法での差 異は見られない。 IBVS では、真の奥行きを推定するよりも一定値と みなしてしまう方が、収束速度は犠牲になるが最終誤 差を小さくできている。KD と 2.5D では、180 °の場 合を除いて、全ての回転角に対して誤差を 0 にするこ とができる。PC&SH は、どのような回転角に対して も誤差を 0 にできる。 奥行き推定法ごとの回転角に対する最終誤差を Figure 8 に示す。 光軸に沿った並進 それぞれのシステムでのパフォー マンスにおける大きな違いは、ゴールへ達するまでの 制御の反復回数に現れる。PC&SH の除いて、初期位 置の奥行きを使った場合が特に多数の反復を要する。 PC&SH では、光軸に沿った並進の計算には奥行きの 推定値は用いないので、奥行き推定法の選択は関係な い。KD では、初期位置の奥行きを使うと最終誤差が わずかに増加する。 Figure 9: 様々な奥行き推定法を用いたときの光軸に このときの最終誤差についてのパフォーマンスを Fig- 沿った並進に対する制御での最終誤差 ure 9 に示す。 光軸に直交する軸回りの回転 奥行きの推定は並進ベ クトルのみに影響するので、このような回転のみの運 動のパフォーマンスには大きな影響は無い。しかし、 IBVS では真の奥行きを使うより一定値を用いた方が、 15 °付近までは安定性を増している。2.5D では、一定 奥行き値を用いるとほとんどの場合最終誤差が増加し ており、20 °を過ぎると制御が破綻する。KD ではど の奥行き推定法を選ぶかはほとんど影響せず、一方、 PC&SH は大きな回転角に対しては一定奥行き値を用 いると大きな無駄な運動を生じる。 それぞれのシステムにおける最終誤差を Figure 10 に示す。 一般的な回転 奥行き推定法の選択は、並進運動によ る収束速度に影響する。IBVS においては、この選択. による差異はほとんど無いが、2.5D では、一定奥行き 値を用いると、60 °以上の回転角に対していつも不安 定になり破綻する。同様に、PC&SH も、一定奥行き 値を用いると、70 °以上で不安定となる。一方、KD では、安定な領域が広がる。 このときの最終誤差を Figure 11 に示す。. 5. 結論. 視覚サーボ、そして、ロボティクス一般は、ますます 発展している分野である。新しい展開を得るためには、 様々な CV からの手法を導入すると共にそれらについ ての特性、特長、弱点などの洞察を確立することが重. 7 −33−.

(8) Figure 10: 様々な奥行き推定法を用いたときの光軸に 直交する軸回りの回転に対する制御での最終誤差. ンスを与えるが、両者とも IBVS や PC&SH に比べて ノイズに対して性能が落ちる。これは、homography 行列の計算がノイズに影響されることによる。KD が 最もノイズに対して弱い。これは、homography 行列 の並進成分の方が回転成分よりノイズの影響を大きく 受けることによる。両者とも、IBVS で見られるよう な無用な後退は起こらない。 PC&SH は、特に、光軸回りの回転に対して IBVS が見せる無用な後退運動に対処するように設計された。 ノイズに対しても良いパフォーマンスを与える。しか し、x および y 軸回りの回転に対するパフォーマンス は特徴点の配置に大きく依存し、いずれもあまり良い 結果を与えない。 奥行きの推定法はどのシステムでもパフォーマンス にあまり大きな影響を与えない。一般に、奥行きの推定 は並進運動の大きさのみに影響する。IBVS の場合、一 定奥行き値を用いることでカメラの無用な後退を減少 し安定性を高めるが、収束速度は落ちる。KD と 2.5D では、回転と並進とを分離するので、実際に、並進の ゲイン係数にのみ影響する。2.5D では、一方で、一定 奥行き値を用いると大きな回転が伴うときに安定性が 少し低下する。PC&SH では、違う奥行き推定法に対 しては、それぞれ、良くなったり悪くなったり若干違っ た様相を示す。. References [1] 出口、ロボットビジョンの基礎、コロナ社、2000. [2] S. Hutchinson, G. Hager, and P. Corke, ”A tutorial on visual servo control,” IEEE Transactions on Robotics and Automation, vol. 12, pp. 651-670, Oct. 1996. [3] E. Malis, F. Chaumette, and S. Boudet, ”2-1/2d visual servoing,” IEEE Transactions on Robotics and Automation, vol. 15, pp. 238-250, Apr. 1999.. Figure 11: 様々な奥行き推定法を用いたときの一般的 な回転に対する制御での最終誤差. 要である。partitioned 画像ベースト視覚サーボシス テムに焦点を絞って、画像ノイズに対するロバスト性 に対するいくつかのテストを標準化し、システムのパ フォーマンスを調べた。 その結果、それぞれのシステムにとって鍵となるい くつかの特性を決定することができた。IBVS は光軸 回りの大きな回転に対して弱く、カメラの大きく無用 な後退を生じる。IBVS は、さらに、大きな一般的な 運動(任意の軸に関する回転や並進を含む)に対して 誤差を 0 にすることが難しく、また、他のシステムに 比べてカメラの大きな並進を生じる。ただし、画像ノ イズ、そして、小さな運動に対しては良いパフォーマ ンスを示す。 2.5D と KD システムは、おおむね良いパフォーマ. [4] K. Deguchi, ”Optimal motion control for imagebased visual servoing by decoupling translation and rotation,” in Proc. Int. Conf. Intelligent Robots and Systems, pp. 705-711, Oct. 1998. [5] P. I. Corke and S. A. Hutchinson, ”A new partitioned approach to image-based visual servo control,” in Proc. on 31st Int’l Symposium on Robotics and Automation, 1999. [6] O. Faugeras and F. Lustman, ”Motion and structure from motion in a piecewise planar environment,” International Journal of Pattern Recognition and Artificial Intelligence, vol. 2, no. 3, pp. 485-508, 1988. [7] F. Chaumette, ”Potential problems of stability and convergence in image-based and position-based visual servoing,” in The confluence of vision and control (D. Kriegman, G. Hager, and S. Morse, eds.), vol. 237 of Lecture Notes in Control and Information Sciences, pp. 66-78, Springer-Verlag, 1998. [8] P. I. Corke, ”Robotics toolbox for MATLAB,” IEEE Robotics & Automation Magazine, vol. 3, no. 1, pp. 24-32, 1996.. −34− 8.

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Figure 2: 4 つタスクにおける画像特徴点の初期位置お よびゴール位置 画像の読み取りにおけるノイズ: 各システムへのノイ ズの影響を計測するために、画像特徴点の座標に平均 が 0、標準偏差が 0 から 0.8 画素のガウシアン雑音を 与えた。実験は各標準偏差に対して 100 回行い、その 平均値で影響を評価した。 奥行きの推定法: 既に述べたように、画像ベーストの 手法では何らかの意味でのカメラから対象点までの奥 行きの推定を必要とする。ここでのシミュレーション では、一定値としてゴールでの奥行き
Figure 3: 90 °と 135 °の 2 つの回転角での光軸回りの 回転に対する画像上での特徴点の軌跡 Figure 4: 光軸回りの回転角とノイズの大きさに対す るカメラの最大並進量。 (左上)IBVS、(左下)2.5D、(右 上)KD、(右下)PC&SH (以下、同じ) 離の正負に応じて対称ではない動作をする。KD では、 ノイズが大きくなると最終的な画像誤差と制御反復回 数が急に大きくなる。 Figure 5 に、光軸に沿った並進距離とノイズの大き さに対する 4 つのシステムでの最終
Figure 7: カメラの一般的な回転とノイズの大きさに 対する最終誤差 いからで、実際、実験においても奥行き推定法での差 異は見られない。 IBVS では、真の奥行きを推定するよりも一定値と みなしてしまう方が、収束速度は犠牲になるが最終誤 差を小さくできている。KD と 2.5D では、180 °の場 合を除いて、全ての回転角に対して誤差を 0 にするこ とができる。PC&SH は、どのような回転角に対して も誤差を 0 にできる。 奥行き推定法ごとの回転角に対する最終誤差を  Fig-ure
Figure 10: 様々な奥行き推定法を用いたときの光軸に 直交する軸回りの回転に対する制御での最終誤差 Figure 11: 様々な奥行き推定法を用いたときの一般的 な回転に対する制御での最終誤差 要である。partitioned 画像ベースト視覚サーボシス テムに焦点を絞って、画像ノイズに対するロバスト性 に対するいくつかのテストを標準化し、システムのパ フォーマンスを調べた。 その結果、それぞれのシステムにとって鍵となるい くつかの特性を決定することができた。IBVS は光軸 回りの大きな回転に対し

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