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放射線画像雑音における拡張されたランダムドットモデル

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Academic year: 2021

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Title

放射線画像雑音における拡張されたランダムドットモデル(

内容の要旨(Summary) )

Author(s)

山田, 功

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第072号

Issue Date

1997-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1793

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

放射線画像雑音における拡張された

ランダムドットモデル

平成9年1月

(3)

氏 名(本 籍) 学 位 の 学 位 記 番 号 学位授与年月日 専 攻 学位論文題

功(愛知県)

士(工学)

甲第

72

平成

9

3

25 日

電子情報システム工学専攻

放射線画像雑音における拡張されたランダムドットモデル

(ExtendedRandⅧ一恥tIdelsforRadiographicI岨geNoise)

学位論文審査委員 (主査)教

嘉津夫

(副査)教 授

一 教 授

論文内容の要旨

現在、画像診断は医療において、人体内部の情報を与える有用な診断技術である。なかでも、

直接撮影システムは、Ⅹ線フイルムのもつ高い空間分解能と濃度分解能を利用したもので、シス

テムの簡便さと経済性で、現在多くの医療施設で用いられている○しかし、放射線の人体に与え

る影響を考えた場合、撮影に要する人体への放射線被爆はできる限り少なくすることが望まし

く、患者への放射線被爆の低減と、診断能向上のための画質改善の問題は、医療における画像診

断の尽きることのない課題となっている。近年、多くの高感度のフイルム、スクリーンが開発さ

れ、そのシステムの解像特性、雑音特性、などの物理的性質が測定され発表されている。放射線

画像システムのおける特性は、一般写真のそれとは異なり、低光量子に起因する量子ゆらぎ、フイ

ルムの低感度を補償するスクリーン材質の不均一性に起因する光エネルギーのゆらぎ、フイルム

粒状性のゆらぎなどの影響を受ける。しかし、それらを解析的に説明する数学的なモデルは、現

在示されていない0また、医療における画像診断の目的である病巣の検出について、これら雑音

がどのように診断能(信号検出能)に影響を与えるかについて、述べたものはすくなく。この信

号検出特性について、信号の性質、システムの物理的特性、および検出系の特性を総合的に扱う

ことのできる数学的なモデルは、現在示されていない。そこで、本論文は一般的なフイルムの粒

状性解析に用いられたランダムドットモデルを、ポアソン過程を3重に拡張することにより、放

射線画像システムの画像雑音の解析に応用できる理論的モデルを構築すること。さらに、ラン

ダムドットモデルに非定常ポアソン過程を導入し、信号成分を含んだモデルに拡張することによ

り、核医学画像のような少ない光量子で構成される画像の信号検出能が評価できる理論的モデル

を構築すること。及び、ROC解析の手法を用い、解析した人間の視覚による検出特性とモデル

の数倍計算結果を比較することにより、この種の雑音が信号に依存したものとして取り扱うべき

ものであることを検証すること。

論文は、以上のことを目的とし、4牽から構成されている。

第1章では本研究の背景と意義、及び研究の概要について述べている。

第2章では、始めにスクリーン/フイルムシステムの画像雑音を構成する要因と雑音の物理的な

評価方法について簡単に述べている。次に、スクリーン/フイルムシステムの画像雑音を解析す

るためのモデルとして、画像が生成される物理的、化学的過程を考慮した3重ポアソン過程に

(4)

ーーー∠▲i5-従うランダムドットモデルを提案している。そして、このモデルの平均透過率と透過率自己相関 関数が、完全に数学的に表すことができ、解析的に求められることを示している。また、特別な 条件の下では、平均透過率と透過率自己相関関数の近似表現が得られることを示している。さら に、このモデルを用いたウイナースペクトルの数値計算結果と実際の測定データとの比較をおこ ない、従来のランダムドットモデルでは、説明ができなかったウイナースペクトルの低周波成分 について、適当なパラメータを選ぶことにより、測定データに数値計算結果をフィットさせるこ

とができることを示し、このモデルのスクリーン/フイルムシステムの画像雑音の解析に有効で

あることを検証している。 第3章では、始めに実際の放射線画像における信号検出能を検討するために、核医学画像を例に とり、理想化された画像として計算機で作成したランダムドットパターンについて、その信号検 出能を評価できる非定常ポアソン過程を用いた、信号成分を含んだランダムドットモデルを提案 している。また、このモデルの平均透過率と透過率自己相関関数が解析的に求められることを示 している。さらに、信号の検出において、システムの線形性を仮定することにより・、信号検出能 が信号伝達媒体を模式化tた円盤の大きさ、信号のコントラスト、および検出系の特性を含め評 価できることを示している。数倍計算では、信号検出過程を雑音と信号の関係において2つの場 合について求めている。1つは雑音を信号と独立な関係とした場合、他方は雑音を信号に依存す るものとした場合である。さらに、ROC解析を用いた人間の視覚による検出能の評価と、数倍 計算で求めた理論的な検出能との比較した結果、人間の視覚による検出能の傾向が、雑音を信号 に依存するものとし計算した結果によく類似していることを示し、核医学画像のような低光量 子数の画像においては、雑音は信号に依存したものとして取り扱う必要があることを検証してい る。 第4章では、第2華、3章を要約している。

論文審査の結果の要旨

本論文は、放射線画像システムのスクリーン/フイルムシステムの画像雑音について、ラン

ダムドットモデルを拡張したミクロな理論的モデルの3重ポアソン過程に従うランダムドット モデルを提案し、ウイナースペクトルを理論的に求め、実際の測定データとの比較、検討をおこ なっている0さらに、画像信号の検出システムの理論的なモデルとして、信号成分を含んだラン ダムドットモデルを提案し、核医学画像の理想的な画像として、計算機で作成したランダムドッ トパターンの理論的信号検出能を求めている。また、人間の視覚による信号検出能との比較、検 討を検討をおこなったものである。得られた結果は、以下のとおりである。 1・3重ポアソン過程に従うランダムドットモデルの、平均透過率、透過率自己相関関数が解 析的に求められることを示し、適当な条件の下では、平均透過率、透過率自己相関関数の 極めて計算が容易な近似表現が求められること明らかにしている。 2.数億計算の結果、このモデルが従来のモデルでは説明ができなかった量子モトル、スク

リーン構造モトル、フイルム粒状性などの画像雑音を含んだスクリーン/フイルムシステ

ムのウイナースペクトルにおいて、その低周波成分を適当なパラメータを選ぶことにより 説明できることを示している。 3.信号成分を含んだランダムドットモデルの平均透過率、および透過率自己相関関数が解析 的に求められることを示している。

(5)

-46-4.信号成分を含んだランダムドットモデルを用いて、核医学画像を理想化したランダムドッ トパターンの理論的な信号検出能を、人間の視覚による信号検出過程を考慮し求めてい る。その結果について、解析的な考察をおこない、雑音と信号の関係において、信号の大 きさ、検出系のPSF、粒子半径を考慮した数学的な関係式を示している。 5.理想的な核医学画像として計算機で作成したランダムドットパターンの人間の視覚による 検出能をROC解析の手法を用いて解析し、人間の視覚による検出能の特性を示してい る。 6.理論的な検出能とROC解析により求めた人間の視覚による検出能を比較し、その結果、 視覚による検出能が、理論的な検出能の数倍計算において、雑音が信号に依存している場 合の計算結果に類似していることを明らかにしている。 以上のように本論文は、拡張した3重ポアソン過程に従うランダムドットモデルを提案し、

数倍計算の結果、スクリーン/フイルムシステム画像雑音の解析に有効なモデルであることを検

証している。さらに、信号成分を含んだ拡張されたランダムドットモデルを提案し、理論的検出 能の数億計算をおこない、このモデルが核医学画像のような少ない光量子で構成される放射線画 像における信号検出問題の解析に有効なモデルであることを検証したものであり、得られた知見 は、学術上寄与するところが少なくない。よって、本論文は博士(工学)の学術論文として価値 あるものと認める。 ー47Ⅳ

参照

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