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多部制単位制高校の「コミュニケーション能力」形成機能に関する研究 -A 高校における文化祭の事例から- [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)多部制単位制高校の「コミュニケーション能力」形成機能に関する研究 -A 高校における文化祭の事例から- キーワード:定時制高校、単位制高校、コミュニケーション能力、学校行事、文化祭. 教育システム専攻 今田 由布子. 目次. される。一般に高校には、学力の向上だけでなく様々な機. 序章. 能が必要とされている。特に、今日「コミュニケーション. 第一節 研究目的. 能力」が社会に出る上で不可欠とされており、高校におい. 第二節 研究課題. ても教員や友人との関わりの中でこの能力の形成が求めら. 第一章 問題の背景と研究枠組み. れている。生徒の多くが複雑な背景を持つ多部制単位制高. 第一節 「コミュニケーション能力」とは何か. 校では「コミュニケーション能力」の欠如が指摘される傾. 第二節 高校生の「コミュニケーション能力」の問題. 向にあるが、その対応が行われなければ、 「居場所」として. 第三節 不登校と高校中退の問題と受け入れ口. は機能しても、本来の高校としての機能が不十分となりか. 第四節 研究枠組み. ねない。しかし、生徒の多くが人間関係の構築を躊躇しが. 第二章. 多部制単位制高校とは何か. ちであることにより、学校教育による能力向上への働きか. 第一節 多部制単位制高校設置の背景. けの難しさが問題とされている。そこで、多部制単位制高. 第二節 多部制単位制高校の現状. 校において「コミュニケーション能力」形成の可能性を検. 第三章 A高校における「コミュニケーション能力」の対策. 討することは、従来の学級制度にとらわれない高校教育の. 第一節 調査対象の設定. 可能性を見出すために有意義であるといえる。これを踏ま. 第二節 A高校の「コミュニケーション能力」. え、本研究の目的は多部制単位制高校においてコミュニケ. 第四章 A高校文化祭の事例 第一節 A高校文化祭の概要. ーション能力の形成を実現するためにはどのような取り組 みが有効であるのかを明らかにすることである。. 第二節 Ⅰ部(午前部)の事例. 上記の研究目的を果たすために、具体的には①「コミュ. 第三節 Ⅱ部(昼間部)の事例. ニケーション能力」及びその形成機能において何が問題と. 第五章 文化祭による「コミュニケ―ション能力」形成の 可能性. されており、②どのような取り組みが行われ、③その取り 組みが生徒の人間関係や「コミュニケーション能力」に影. 第一節 様々な生徒が共に学ぶ場として. 響を与えているかどうか、④どのような課題があるのかを. 第二節 教員の介入の可能性. 明らかにした上で、今後どのような取り組みが可能である. 第三節 文化祭の効果の限界. のかを展望することを研究の課題とする。. 終章. ここで行われる取り組みは、より多くの生徒を対象とし. 第一節 結論. た取り組みでなくてはならない。そこで本研究では特に学. 第二節 今後の研究課題と展望. 校行事に着目する。文化祭をはじめ、学校行事が中学校や 高校において「コミュニケーション能力」の向上に有効で. 序章 高校進学率が 98%に達し、義務教育に準ずるまでに拡大. あることは既に論じられており(樽木,2005) 、多部制単位 制高校における「コミュニケーション能力」不全の解消の. する中で、新たな制度が取り入れられるようになってきた。. 可能性としても検討の余地がある。本研究では、他者と共. このような取り組みの背景には多様化・特色化を目指す動. に文化祭の準備及び当日の活動に取り組むことが「コミュ. きがあり、従来の全日制や学年制の高校への適応が困難で. ニケーション能力」の形成に有効であると仮説を立てた上. あった生徒にとっても学びやすい環境が整えられつつある。. で、文化祭を通じて生徒の人間関係や取り組む姿勢にどの. 特に近年増加傾向にある多部制単位制高校は、複数の時間. ような変化が見られるのかを明らかにする。. 帯に授業が行われる単位制の定時制高校のことを指すが、. 以上を明らかにするために、特定の高校における事例研. 受講する時間や授業を個人のニーズの合わせて柔軟に選択. 究の方法をとる。本研究ではより柔軟性が高く、様々な背. できることで、高校教育を受ける機会を広げる役割が期待. 景を持つ生徒が通うことのできる高校として、単位制の定.

(2) 時制高校を対象とする。その中でも、通学する時間帯の選. する中で浮かび上がった、不登校と高校中退の問題につい. 択肢がある多部制(二部制、三部制ないしは四部制)の定. て統計や先行研究を基により深く把握している。これらの. 時制高校が増加していることを踏まえ、 「多部制単位制高校」. 要因には学校の人間関係も考えられるが、中途退学者の事. を研究対象に設定している。具体的な調査対象は県立A高. 例研究を行った穂坂(1984)によると、その要因は複雑に連. 校とする。教員への質問紙及び聞き取り調査を行い、教員. 鎖しているものである。また、不登校経験者は、成人して. が多部制単位制高校において何が問題で、どのような取り. 社会適応した後にも情緒面で不安定な場合があるが、社会. 組みが必要であると考えているのかを把握したうえで、文. における対人関係の練習によって克服が可能であると考え. 化祭準備及び当日における参与観察を中心に検証していく。. られている。 (桑代ら,2002)その上で、不登校経験者や高 校中退者の受け入れ口となる高校として位置づけられる傾. 第一章 問題の背景と研究枠組み. 向にある定時制高校や通信制高校などの高校に着目してい. 第一節では、今日「コミュニケーション能力」が求めら. る。特に、全日制ではあるが柔軟な単位制を導入した高校. れている背景を明らかにした上で、本研究における「コミ. における事例研究(遠藤,2005)において、中退者や帰国子. ュニケーション」の定義について検討している。日本経済. 女等様々な背景を持つ生徒が共に学ぶ中で、 「排除」の論理. 団体連合会(2012)の新卒者採用を行う企業を対象に行った. と「共生」が同時に行われていることが明らかになってい. 調査における「選考にあたって特に重視した点」や、東京. る。. 経営者協会(2008)が高卒者採用を行う企業を対象に行った. そこで、第四節ではこれまでに浮上した問題の背景を踏. 調査における「採用に際し重視する点」として「コミュニ. まえ、本研究をどのような枠組みで行っていくのかを定め. ケーション能力」は最も多く選択されている。また、厚生. ている。本研究は、高校生の「コミュニケーション能力」. 労働省や文部科学省からも「コミュニケーション能力」の. の形成について、多部制単位制高校を対象に見ていくもの. 必要性を訴えた施策が打ち出されていることからも、今日. であるが、特に文化祭に着目して事例研究を行うこととし. 注目されている能力であることが分かる。しかし、類似す. た。学校行事に関する研究としては樽木ら(2006)が、小集. る概念が複数存在すると共に、その定義は曖昧である。実. 団の目標達成と個人の能力の関係や、教員の介入のあり方. 際にその解釈は、従来の円滑な意思伝達の能力を示すもの. について心理学的視点から研究しているが、本研究では社. から、他の概念を包括した広義の解釈まで多岐に及ぶが、. 会学的視点をもって、多部制単位制高校の可能性を見出す. 本研究では一般に今日求められているものとして広義に解. ために検討するものである。本研究では文化祭における参. 釈し、他者とただ関わるだけでなく、集団の一員として共. 与観察を中心に、質問紙調査及びインタビュー調査を加え. に物事を成し遂げようとする姿勢や能力を指す。また、そ. て行いつつ、様々な背景を持つ生徒同士がどのように関わ. の育成のためには他者との交流が不可欠であると考えられ. り、 「コミュニケーション能力」に影響していくのかを考察. ていることから、人間関係の構築は能力の形成に有効であ. する。また、教員の立場から、どのような介入が可能であ. ると判断する。. り、効果的であるのかについても考察していく。. 次に第二節では、第一節で見てきた「コミュニケーショ ン能力」について、高校生や 10 代の若者に焦点をあててど. 第二章. 多部制単位制高校とは何か. のように問題であるのかを明らかにしている。近年の若者. 第一章において、不登校や高校中退を経験した生徒の学. は自分を守るために他者と一定の距離を保つとされ、 「コミ. び場である、 「多部制単位制高校」について触れた。第一節. ュニケーション能力」が希薄化していると論じられている。. では、近年広がりつつある「多部制単位制高校」について、. (白井,2005)この言説に対しては否定的な議論も存在する. 関連する制度や設置の背景を概観している。単位制が導入. が、若者の「コミュニケーション能力」が問題視されてい. されるようになったのは 1988 年であり、これは定時制課程. ることは明らかである。そこで、実際に高校生の人間関係. 及び通信制課程のみを対象としたものであった。定時制高. に関するデータを見てみると、在学している高校の友人が. 校は、日中に就労する者にも教育機会を広げるべく、夜間. 最も多く、次いで中学校以前に出来た友人が多いことが分. に開講されるものが一般的であった。しかし、その生徒層. かる。ここから、高校生にとって学校は人間関係を構築す. は出身階層及び学力の両面において低く、定時制高校は全. る上で中心となる場であることが分かる。そのため、このよ. 日制高校の亜流として位置づけられるようになり、教育機. うな場に参加しない、不登校や中退をしてしまう生徒の問. 会の不平等を生み出すことが懸念されるようになった。 (片. 題については無視できない。. 岡,1983)次第に定時制高校は不登校や高校中退者の受け入. 第三節では高校生の「コミュニケーション能力」を検討. れ口としての機能を果たすようになり、高校生の持つ背景.

(3) の多様化によって、今日は一つの高校の中でも複数の時間. 問紙調査より明らかにした。教員に対する調査では、76%. 帯を選択でき定時制高校が全国各地で設立されている。一. の教員が生徒の「コミュニケーション能力」について全日. 方単位制は通信制や定時制高校のみに限定されず、今日は. 制と比較して低いと考えていた。その背景にはA高校では. 全日制高校にも多く導入されている制度であるが、実際に. 家庭や学校内外に様々な問題を抱える生徒が多いというこ. は学年制とあまり変わらない「画一的」な教育が行われて. とがあり、特に不登校経験者は8割程度を占めているとい. いる傾向にある。 (遠藤,2005). う。A高校の交友関係は、校内よりも学校外に多いことが. 次に第二節は、学校基本調査の統計を参考に、近年の定. 明らかになっている。すでに高校生の交友関係は学校によ. 時制・通信制高校や単位制高校に関する数字の変遷を把握. るものが中心であるという結果が出ていることを考慮する. することを目的としている。学校数及び生徒数の変遷につ. と、A高校の生徒の交友関係を築く機会は少ないといえる。. いて見ていくと、今日も定時制高校に関する数値は夜間が. そのようなA高校において、教員はカリキュラム外の日常. 半数近くを占めているものの、昼夜併置の多部制高校も大. においても「コミュニケーション能力」形成に向けての努. きな割合を占めており、 ここ20 年で倍以上に増加している。. 力は行っているものの、機会が少ないことにより不十分で. また、定時制高校全体では学校数・生徒数共に減少傾向に. あると考えられている。また、既存のカリキュラムとして. ある中、単位制や多部制の導入された定時制高校は増加傾. は課外活動や学校行事、通常の授業などそれぞれにおいて. 向にある。これらの統計より、多部制高校や単位制高校が、. の形成が期待されているが、その中でも最も効果的である. 全体に占める割合をどんどん広げつつあることが分かった。. と捉えられているのが文化祭である。. 第三章 A高校における「コミュニケーション能力」の対策. 第四章 A高校文化祭の事例. 第一節では、事例研究の対象となるA高校の概要につい. 第四章では、教員がその効果を最も認めている文化祭に. て扱っている。A高校は、X県の高校教育改革によって 2010. おいて、事例研究を行う。第一節ではA高校の文化祭の概. 年に新たに設置された、三部制課程と通信制課程を併置した単. 要を整理した上で、具体的な調査方法を展開していく。A. 位制高校である。X県において唯一の多部制及び、通信制の高. 高校の文化祭は、4日間の準備期間が設けられている。A. 校であり、県内のニーズが集中している。A高校では、Ⅰ部(午. 高校の文化祭はラボごとの出し物を中心に、部活動や生徒. 前) 、Ⅱ部(昼間) 、Ⅲ部(夜間)のいずれかに所属し、該当す. 会、選択授業や有志の企画によって構成されている。そこ. る部の授業を中心に必要単位を取得して卒業する。学年制のよ. でⅠ部(午前部)から1つ、Ⅱ部(昼間部)から1つのラ. うに所属する学級や担任は存在しないが、週に1コマ、通年の. ボを抽出し、それぞれの準備及び当日の活動に5日間参加. 「ラボ」という授業が開講されており、生徒は皆いずれかのラ. した。第二節ではⅠ部a組、第三節ではⅡ部b組の参与観. ボに所属した上でそこでホームルーム活動や趣味の時間を行. 察の結果を中心に、コミュニケーションの在り方やその変. っている。ラボには一人ずつ「ラボ担任」として教員が置かれ. 化について述べている。ここで得られた知見については、. ており、この教員が生徒の相談窓口となる。ここでは、教員へ. 第五章で詳細に考察していくこととする。. の聞き取り調査の結果を基に何が問題とされているのかを明. また、ここまでで特定のラボにおける調査を通じて文化. らかにしている。その中で、教員が生徒の「コミュニケーシ. 祭の効果が明らかになってきたため、全校を通じての文化. ョン能力」に問題を感じているものの、その対応が困難で. 祭の位置づけや評価を明らかにすべく、文化祭終了後に生. あると考えていることが明らかになった。A高校は生徒の. 徒全員を対象としたアンケートを実施した。第四節では、. 抱える背景が複雑であることから、生徒にとっても精神的. その結果について整理している。その結果、A高校の生徒. な負担を減らすため、開校当初は他者との接触は最小限に. のほとんどは文化祭を通じて努力体験をしたと同時に、友. しても、自分自身の責任で学べる学校を目指していた。し. 人との関係が良好になったと回答しているものの、文化祭. かし、これまでにも他者との交流の経験が乏しい生徒たち. を苦痛に感じている生徒や、他者と関わらなければならな. の「コミュニケーション能力」に不安を感じる教員が増え、. い行事に対する嫌悪感から欠席する生徒も存在するという. 近年では生徒への積極的な関与を試みるようになっている。. ことが明らかになった。. しかし、人間関係の構築を苦手とする生徒への働きかけに 躊躇してしまうことで、教員からの働きかけが困難になっ ていることが分かっている。. 第五章 文化祭による「コミュニケーション能力」形成の 可能性. 第二節では、問題として挙げられたA高校の「コミュニ. 第五章では、ここまでの調査で見てきた多部制単位制高. ケーション能力」について、教員及び生徒を対象とした質. 校における「コミュニケーション能力」形成機能について.

(4) の考察を、三つの視点から行った。まずは、様々な生徒が. 今後の研究課題としては、地域によっても多部制単位制. 関わる中での「コミュニケーション能力」形成の可能性に. 高校の抱える事情は様々であることから、対象を変えるこ. ついてである。年齢をはじめ、生徒の抱える背景の違いを. とで新たな調査結果が導かれる可能性もあると考えられる。. 意識する傾向は、若者一般に見られるものである。しかし、. そのため、今後は一つの高校のみに特定せず、複数の高校. A高校では生徒それぞれが多様な背景を持っていることが. を対象に調査を行う必要があると考えられる。また、今回. 前提となっているために、生徒は他者の背景や年齢、個性. は学校に来ない生徒への対応が最も困難な課題として残っ. を受け入れることに抵抗が無い傾向にあると考えられた。. たため、高校生の不登校や中退に関する議論をより深める. 生徒の多くは当初文化祭を卒業要件の一つとしてのみ位置. ことで、解決策を検討することも、今後の大きな課題とす. づけていたが、文化祭を通じてより様々な生徒と共に取り. る。多部制単位制高校が高校としての機能を果たすための. 組むことで自主性や積極性が見られるようになった。. 一つの手がかりとして、大きな課題である「コミュニケー. 次に、教員の介入の必要性である。多部制単位制高校に. ション能力」形成に有効な取り組み見出すことにより、学. おいては樽木(2005)のいう「援助介入」では足りず、教員. 校への適応を不得手とする青少年にとっても高校教育を受. がより積極的かつ柔軟に関与することで、生徒は文化祭と. ける機会が更に拡大することを期待する。. いう行事を通じて交友関係を深め、自主的に取り組むこと が可能になると考えられる。特に、生徒の多様な背景を考. 主要参考文献. 慮すると、個に応じた対応が必須となるが、教員と生徒と. 相川充,1996,「社会的スキルという概念」相川充・津村俊. の結びつきが弱いと考えられるカリキュラムの上で把握が. 充(編)『社会的スキルと対人関係―自己表現を援助する』. 難しいため、他の教員との情報交換を密に行うことが重要. 誠信書房.. となる。これらは文化祭のみならず、その他の学校生活に おいても同様であると考えられる。 しかし、このような効果にも限界があることも分かった. 荒川(田中)葉,2001,「高校の個性化・多様化政策と生徒 の進路意識の変容―新たな選抜・配分メカニズムの誕生 ―」 『教育社会学研究』68:167-185.. ため、最後にその点について言及する。一つ目は、文化祭. 遠藤宏美,2004,「学年制を崩すシステムと共生への試み」. が精神的に苦痛であり、登校を拒む生徒も少数ながら存在. 古賀正義(編)『学校のエスノグラフィー』嵯峨野書院.. するという点である。二つ目に、文化祭によって「コミュ. 穂坂明徳,1984「高校生の逸脱と生徒文化」 『教育社会学研. ニケーション能力」形成に効果があるように見えた生徒に ついても、これが一時的なものであり、文化祭終了後には、 それ以前と変わらない様子に戻ってしまう場合があるとい う点である。そして三つ目に、学校に来ない生徒について. 究』39:77-91. 片岡栄美,1983,「教育機会の拡大と定時制高校の変容」 『教 育社会学研究』38:158-171. 桑代智子,2002「不登校を経験した成人の対人関係について. は全く対応ができないという点である。学校に来ない生徒. ―バウムテストによる検討―」 『教育心理学研究』. の抱える問題が最も深いという点については既に触れたが、. 50:345-354.. 行事がいかに効果的であっても学校にいない生徒に効果を 及ばせるのは非常に困難であるといえる。. 前田崇,2009「定時制高校に関する歴史的研究の歴史・現 状・課題――定時制高校生の生徒文化に関する研究に向 けて」 『アジア文化研究』16,91-103.. 終章. ここまでの考察を踏まえ、本研究では多部制単位制高. 白井利明,2006,「現代青年のコミュニケーションからみた 友人関係の特徴」 『大阪教育大学紀要』54:151-171.. 校における「コミュニケーション能力」形成において、. 樽木靖夫,2005,「中学生の仲間集団どうしのつき合い方を. 文化祭は有効であると結論づける。文化祭は、多くの生. 援助する学校行事の活用」 『教育心理学年報』44:156-165.. 徒にとって他者と深く関わり合い、集団の一員として共. 樽木靖夫・石隈利紀,2006,「文化祭での学級劇における中. に努力する経験をできる、唯一の行事として機能してい. 学生の小集団体験の効果――小集団の発展、分業的協力、. る。また、一部の生徒にとっては、文化祭以降にもつな. 担任教師の援助介入に焦点をあてて」 『教育心理学研究』. がる交友関係を築く場としても有効に働いていた。しか. 54:101-111.. し、そのように結論づける上で留意すべき点がいくつか. 辻泉,2003,「近年の高校生の人間関係に関する一考察―学. 浮上した。その点については条件を付与しなければなら. 校外における友人関係を中心に」『松山大学論集』. ないが、今回生じた課題の解決を試みることで、更に効. 15:158-171.. 果が期待できると考えられる。.

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